JPH1037837A - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JPH1037837A
JPH1037837A JP19650296A JP19650296A JPH1037837A JP H1037837 A JPH1037837 A JP H1037837A JP 19650296 A JP19650296 A JP 19650296A JP 19650296 A JP19650296 A JP 19650296A JP H1037837 A JPH1037837 A JP H1037837A
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JP
Japan
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fuel injection
engine
ignition
mode
time
Prior art date
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JP19650296A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Miyaji
好彦 宮地
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 エンジン始動時、通常の作動を行う通常モー
ドと空点火を行う特殊モードとを選択可能とし、点火プ
ラグのくすぶりの防止と、始動時間が不必要に長くなる
のを防止する装置を提供する。 【解決手段】 スタータスイッチがON(S21)、又は
極低回転(S22)の時、モード切換えスイッチがONで
特殊モードが選択され(S24)、且つ点火プラグ放電回
数が設定回数に達するまでの間(S25)、燃料噴射禁止
フラグFLGPEをセット(FLGPE←1)する(S2
6)。この時燃料噴射パルス幅Tiが0に設定される(T
i←0)。従って、特殊モード選択時には、点火プラグ
の放電回数が設定回数に達する迄の間、燃料噴射が停止
し、点火プラグの空点火によってくすぶりが防止され
る。又、モード切換えスイッチがOFFで通常モード選
択時には、燃料噴射禁止フラグをクリアする(S27)。
この時には、空点火を行はず通常通り燃料噴射が行わ
れ、始動時間が長くなるのが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン始動の設
定期間、燃料噴射を禁止して点火プラグの放電のみを行
わせ、点火プラグのくすぶりを回避するエンジンの制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、工場のラインエンドである検
査ライン、或いはディーラでの検査においてはエンジン
の暖機未完のまま再始動を繰り返し行ってエンジン状態
をチェックしたり、更に、自動車等の車輌用エンジンに
おいては、工場やディーラにおける車輌移動のためごく
短期間エンジンを運転することが多い。
【0003】ユーザでの使用状態においてはごく短時間
でエンジンの再始動を繰り返し行うことは殆ど行うこと
がないので問題とすることはないが、上述のようにエン
ジンの暖機未完のまま繰り返し再始動を行ったりごく短
期間エンジンを運転することを繰り返すと、このときエ
ンジン始動増量や冷却水温増量補正等により燃料増量が
行われており、この状態でエンジン再始動が繰り返され
ることになってエンジンの空燃比が過濃となり、また、
点火プラグが自己清浄作用を得ることのできる温度まで
十分に上昇していないため、点火プラグの放電電極にカ
ーボン等の付着物や液状燃料が付着し、くすぶりが生じ
てエンジン始動が困難となり、支障を来す不都合があ
る。
【0004】これに対処するに、実開平3−12977
7号公報には、低温始動時に点火回数が設定回数に達す
るまでの間、燃料噴射を停止して点火プラグの放電のみ
を行わせる、いわゆる空点火を行うことで、くすぶりを
防止する技術が開示されている。
【0005】また、特開昭64−80770号公報に
は、エンジン回転速度や冷却水温等の運転パラメータを
参照値と比較し、困難なエンジン始動状態と判断される
ときには、ピストンが圧縮行程か排気行程にあるかに拘
らず、ピストンが上死点或いはその近傍に位置する全て
の気筒の点火プラグに放電させることで、各排気行程で
点火プラグをスパークさせて点火プラグ電極上の付着物
を燃焼除去(焼き切る)する技術が開示されている。
【0006】更に、特開昭60−201077号公報に
は、スタータ動作期間の所定時期において、火花点火装
置により点火プラグに連続的な反復放電を行わせること
で、点火プラグのくすぶりを除去する技術が開示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の先行例では、くすぶりを殆ど生じないユーザの使用
状態でも、常時、低温始動時には点火回数が設定回数に
達するまでの間、燃料噴射が禁止されるので、エンジン
が完爆するまでのエンジン始動時間が必要以上に長くな
り、運転者に違和感、不快感を与える不都合がある。
【0008】また、第2の先行例にあっては、くすぶり
を殆ど生じないユーザの使用状態でも、常時、エンジン
回転数の低いとき、或いは低水温時には、ピストンが上
死点或いはその近傍に位置する全ての気筒の点火プラグ
に放電させるので、点火エネルギを無駄にロスすること
になる。
【0009】更に、第3の先行例では、くすぶりを殆ど
生じないユーザの使用状態においても、常時、スタータ
動作期間の所定期間は、点火プラグに連続的な反復放電
を行わせるので、上記第2の先行例と同様に、点火エネ
ルギを無駄にロスすることになる。
【0010】本発明は上記事情に鑑み、通常の作動を行
う通常モードと空点火を行う特殊モードとを選択可能と
し、必要とするときのみ、エンジン始動の所定期間、燃
料噴射を禁止し点火プラグの放電のみを行って空点火に
より点火プラグのくすぶりを防止し、通常使用時には空
点火を行うことなく、エンジンの始動時間が不必要に長
くなるのを防止し、点火エネルギを無駄にロスすること
のないエンジンの制御装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、図1(a)の基本構成図に
示すように、通常作動状態での通常モードと特殊状態で
の特殊モードとを切り換えるモード切換え手段と、特殊
モードの選択時、エンジン始動の設定期間、燃料噴射を
禁止して点火プラグの放電のみを行わせる燃料噴射禁止
手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】請求項2記載の発明は、図1(b)の基本
構成図に示すように、通常作動状態での通常モードと特
殊状態での特殊モードとを切り換えるモード切換え手段
と、特殊モードの選択時、エンジン始動の設定期間、燃
料噴射を禁止して点火プラグの放電のみを行わせる燃料
噴射禁止手段と、特殊モードが選択されているときは、
上記設定期間経過後の燃料噴射において通常モード選択
時に対し燃料噴射量を減量補正する燃料噴射量補正手段
とを備えたことを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1或いは請
求項2記載の発明において、上記設定期間は、点火プラ
グの放電回数が予め設定された設定回数に達するまでの
間であることを特徴とする。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1或いは請
求項2記載の発明において、上記設定時間は、エンジン
始動開始から設定時間に達するまでの間であることを特
徴とする。
【0015】すなわち、請求項1記載の発明は、モード
切換え手段により特殊モードを選択すると、エンジン始
動の設定期間、燃料噴射が禁止されて点火プラグの放電
のみが行われ、点火プラグの電極への液状燃料の付着が
防止されると共に電極への付着物が焼き切られて除去さ
れ、くすぶりが防止される。また、通常モードの選択時
には、通常通り燃料噴射が行われ、エンジン始動時間が
不必要に長くなるのが防止される。
【0016】請求項2記載の発明では、更に、特殊モー
ドの選択時は、空点火後の燃料噴射において通常モード
選択時に対し燃料噴射量が相対的に減量補正され、上述
の空点火との相乗によって、より効果的に点火プラグの
くすぶりを防止することが可能となり、再始動性が向上
する。
【0017】この際、請求項3記載の発明では、上記設
定期間を、点火プラグの放電回数が設定回数に達するま
での間とし、請求項4記載の発明では、エンジン始動開
始から設定時間に達するまでの間とする。
【0018】
【本発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の
実施の形態を説明する。図2〜図19は本発明の実施の
第1形態を示す。
【0019】先ず、図16に基づきエンジンの全体構成
について説明する。同図において、符号1はエンジンで
あり、本形態においては水平対向式4気筒ガソリンエン
ジンである。このエンジン1のシリンダヘッド2に形成
された各吸気ポート2aにインテークマニホルド3が連
通され、このインテークマニホルド3に各気筒の吸気通
路が集合するエアチャンバ4を介してスロットルチャン
バ5が連通され、このスロットルチャンバ5上流側に吸
気管6を介してエアクリーナ7が取り付けられている。
【0020】また、上記吸気管6のエアクリーナ7の直
下流に、ホットワイヤ或いはホットフィルム等を用いた
熱式の吸入空気量センサ8が介装され、更に、上記スロ
ットルチャンバ5に設けられたスロットル弁5aに、ス
ロットル開度センサ9aとスロットル弁5aの全閉でO
Nするアイドルスイッチ9bとを内蔵したスロットルセ
ンサ9が連設されている。
【0021】また、上記吸気管6には、スロットル弁5
aをバイパスするバイパス通路10が接続されており、
このバイパス通路10にアイドル回転数制御弁(ISC
弁)11が介装されている。さらに上記インテークマニ
ホルド3の各気筒の吸気ポート2aの直上流側にインジ
ェクタ12が臨まされ、上記シリンダヘッド2には、先
端の放電電極を燃焼室に露呈する点火プラグ13が各気
筒毎に取り付けられている。この点火プラグ13には、
各気筒毎に配設された点火コイル14を介してイグナイ
タ15が接続されている。
【0022】一方、上記インジェクタ12は燃料供給路
16を介して燃料タンク17に連通されており、この燃
料タンク17にはインタンク式の燃料ポンプ18が設け
られている。この燃料ポンプ18からの燃料は、上記燃
料供給路16に介装された燃料フィルタ19を経て上記
インジェクタ12及びプレッシャレギュレータ20に圧
送され、このプレッシャレギュレータ20から上記燃料
タンク17にリターンされて上記インジェクタ12への
燃料圧力が所定の圧力に調圧される。
【0023】また、エンジン1のシリンダブロック1a
にノックセンサ21が取り付けられていると共に、シリ
ンダブロック1aの左右バンクを連通する冷却水通路2
2に冷却水温センサ23が臨まされている。更に、エン
ジン1の排気系としては、上記シリンダヘッド2の各排
気ポート2bに連通するエキゾーストマニホルド24の
集合部に触媒25が配設され、排気管26を介してマフ
ラ27に連通されている。そして、上記触媒25の上流
に排気ガス中の酸素濃度を検出するO2 センサ28が配
設されている。また、エンジン1のクランクシャフト2
9に軸着するクランクロータ30の外周に、クランク角
センサ31が対設され、更に、クランクシャフト29に
対して1/2回転するカムシャフト32に連設するカム
ロータ33に、気筒判別用のカム角センサ34が対設さ
れている。
【0024】上記クランクロータ30は、図17に示す
ように、その外周に突起30a,30b,30cが形成
され、これらの各突起30a,30b,30cが、各気
筒(#1,#2と#3,#4)の圧縮上死点前(BTD
C)θ1,θ2,θ3の位置に形成されており、本形態に
おいては、θ1=97°CA,θ2=65°CA,θ3=
10°CAである。
【0025】また、図18に示すように、上記カムロー
タ33の外周には、気筒判別用の突起33a,33b,
33cが形成され、突起33aが#3,#4気筒の圧縮
上死点後(ATDC)θ4の位置に形成され、突起33
bが3個の突起で構成されて最初の突起が#1気筒のA
TDCθ5の位置に形成されている。更に、突起33c
が2個の突起で構成され、最初の突起が#2気筒のAT
DCθ6の位置に形成されてる。本形態においては、θ4
=20°CA,θ5=5°CA,θ6=20°CAであ
る。
【0026】そして、図14、図15のタイミングチャ
ートに示すように、エンジン運転に伴いクランクシャフ
ト29及びカムシャフト32が回転して上記クランクロ
ータ30の各突起が上記クランク角センサ31によって
検出され、クランク角センサ31からθ1,θ2,θ3
(BTDC97°,65°,10°)の各クランクパル
スがエンジン1/2回転毎(180°CA毎)に出力さ
れる一方、θ3クランクパルスとθ1クランクパルスとの
間で上記カムロータ33の各突起が上記カム角センサ3
4によって検出され、カム角センサ34から所定数のカ
ムパルスが出力される。
【0027】後述するように、電子制御装置40(EC
U;図19参照)で、上記クランク角センサ31から出
力されるクランクパルスの入力間隔時間に基づいてエン
ジン回転数NEを算出し、また、各気筒の燃焼行程順
(例えば、#1気筒→#3気筒→#2気筒→#4気筒)
と、上記カム角センサ34からのカムパルスをカウンタ
によって計数した値とのパターンに基づいて、燃料噴射
対象気筒や点火対象気筒の気筒判別を行う。
【0028】上記インジェクタ12、点火プラグ13、
ISC弁11等のアクチュエータ類に対する制御量の演
算、制御信号の出力、すなわち燃料噴射制御、点火時期
制御、アイドル回転数制御等のエンジン制御は、図19
に示す電子制御装置(ECU)40によって行われる。
【0029】上記ECU40は、CPU41、ROM4
2、RAM43、バックアップRAM44、カウンタ・
タイマ群45、及びI/Oインターフェイス46がバス
ラインを介して互いに接続されるマイクロコンピュータ
を中心として構成され、各部に安定化電源を供給する定
電圧回路47、上記I/Oインターフェイス46に接続
される駆動回路48及びA/D変換器49等の周辺回路
が内蔵されている。
【0030】なお、上記カウンタ・タイマ群45は、フ
リーランカウンタ、カム角センサ信号(カムパルス)の
入力計数用カウンタ等の各種カウンタ、燃料噴射用タイ
マ、点火用タイマ、定期割り込みを発生させるための定
期割り込み用タイマ、クランク角センサ信号(クランク
パルス)の入力間隔計時用タイマ、及びシステム異常監
視用のウオッチドッグタイマ等の各種タイマを便宜上総
称するものであり、その他、各種のソフトウエアカウン
タ・タイマが用いられる場合もある。
【0031】上記定電圧回路47は、2回路のリレー接
点を有する電源リレー50の第1のリレー接点を介して
バッテリ51に接続され、バッテリ51に、上記電源リ
レー50のリレーコイルがイグニッションスイッチ52
を介して接続されている。また、上記定電圧回路47
は、直接、上記バッテリ51に接続されており、イグニ
ッションスイッチ52がONされて電源リレー50の接
点が閉となるとECU40内の各部へ電源を供給する一
方、上記イグニッションスイッチ52のON,OFFに
拘らず、常時、上記バックアップRAM44にバックア
ップ用の電源を供給する。更に、上記バッテリ51に
は、燃料ポンプリレー53のリレー接点を介して燃料ポ
ンプ18が接続されている。
【0032】上記I/Oインターフェイス46の入力ポ
ートには、アイドルスイッチ9b、ノックセンサ21、
クランク角センサ31、カム角センサ34、車速センサ
35、及び始動状態を検出するためスタータスイッチ5
5が接続されており、更に、上記A/D変換器49を介
して、吸入空気量センサ8、スロットル開度センサ9
a、冷却水温センサ23、及びO2センサ28が接続さ
れると共に、バッテリ電圧VBが入力されてモニタされ
る。
【0033】一方、上記I/Oインターフェイス46の
出力ポートには、ISC弁11、インジェクタ12、燃
料ポンプリレー53のリレーコイルが上記駆動回路48
を介して接続されると共に、#1,#2,#3,#4気
筒の各点火コイル14を駆動する4個のパワートランジ
スタからなるイグナイタ15が接続されている。
【0034】なお、各点火コイル14の一次側への電源
は、上記バッテリ51から上記電源リレー50の第2の
リレー接点を介して各アクチュエータに電源を供給する
ために延出される電源線に接続されている。
【0035】また、上記I/Oインターフェイス46に
は、モード切換え手段として一端が接地されたコネクタ
からなるモード切換えスイッチ60が接続されている。
【0036】上記CPU41では、ROM42に記憶さ
れている制御プログラムに従って、I/0インターフェ
イス46を介して入力されるセンサ・スイッチ類からの
検出信号、及びバッテリ電圧等を処理し、RAM43に
格納される各種データ、及びバックアップRAM44に
格納されている各種学習値データ,ROM42に記憶さ
れている固定データ等に基づき、燃料噴射量、点火時
期、ISC弁11に対する駆動信号のデューティ比等を
演算し、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数
制御等のエンジン制御を行う。
【0037】このようなエンジン制御系において、上記
モード切換えスイッチ60がON(コネクタ接続状態)
のとき、くすぶりを防止するための特殊モードとなり、
エンジン始動の設定期間、燃料噴射が禁止されて点火プ
ラグ13の放電のみが行われ、点火プラグ13の電極へ
の液状燃料の付着が防止されると共に電極への付着物が
焼き切られて除去され、くすぶりが防止される。また、
モード切換えスイッチ60がOFF(コネクタ解放状
態)のとき、通常モードとなり、通常通りの燃料噴射が
行われ、エンジン始動時間が不必要に長くなるのが防止
される。更に、上記特殊モードの選択時は、設定期間経
過後の燃料噴射において通常モード時に対し燃料噴射量
が相対的に減量補正され、点火プラグへの液状燃料の付
着が有効に防止され、短時間でエンジン再始動を繰り返
し行う場合であっても始動性を向上し、上述の空点火と
の相乗作用によってより効果的に点火プラグ13のくす
ぶりが防止される。
【0038】なお、エンジン1の暖機未完のまま繰り返
しエンジン再始動を行うことで、くすぶりの生じる虞の
ある工場の検査ライン、或いはディーラでの検査等にお
いて、上記モード切り換えスイッチ60をONとして特
殊モードを選択し、ユーザへの納車時にモード切換えス
イッチ60をOFFし通常モードとし、ユーザによる通
常の使用時にはモード切換えスイッチ60をOFFして
おき、通常モードとする。
【0039】従って、モード切換えスイッチ60によっ
て通常モードと特殊モードとが選択可能となり、必要と
するときのみ特殊モードを選択することによって、エン
ジン始動の所定期間、燃料噴射を禁止し点火プラグの放
電のみを行う、いわゆる空点火により点火プラグのくす
ぶりを防止し、また、通常使用時には通常モードを選択
することによって空点火を行うことなく、エンジンの始
動時間が不必要に長くなるのを防止し、点火エネルギを
無駄にロスすることが解消される。
【0040】すなわち、上記モード切換えスイッチ60
により本発明に係るモード切換え手段の機能が実現さ
れ、ECU40によって本発明に係る燃料噴射禁止手
段、燃料噴射量補正手段の各機能が実現される。
【0041】以下、上記ECU40による本発明に係る
制御処理について、図2〜図12に示すフローチャート
に従って説明する。
【0042】先ず、イグニッションスイッチ52がON
され、ECU40に電源が投入されると、システムがイ
ニシャライズされ、バックアップRAM44に格納され
ている各種学習値等のデータを除く、各フラグ、各カウ
ンタ類が初期化される。そして、スタータスイッチ55
がONされてエンジンが起動すると、クランク角センサ
31からのクランクパルス入力毎に、図2に示す気筒判
別/エンジン回転数算出ルーチンが実行される。
【0043】この気筒判別/エンジン回転数算出ルーチ
ンでは、エンジン運転に伴いクランクロータ30が回転
してクランク角センサ31からのクランクパルスが入力
されると、先ず、ステップS11で、今回入力されたクラ
ンクパルスがθ1,θ2,θ3の何れのクランク角に対応す
る信号かをカム角センサ34からのカムパルスの入力パ
ターンに基づいて識別し、ステップS12で、クランクパ
ルスとカムパルスとの入力パターンから点火対象気筒及
び燃料噴射対象気筒を判別する。
【0044】すなわち、図15のタイミングチャートに
示すように、例えば、前回クランクパルスが入力してか
ら今回クランクパルスが入力されるまでの間にカムパル
ス入力が有れば、今回のクランクパルスはθ1クランク
パルスであると識別でき、更に次回入力されるクランク
パルスはθ2クランクパルスと識別できる。
【0045】また、前回と今回とのクランクパルス入力
間にカムパルス入力が無く、前々回と前回のクランクパ
ルス入力間にカムパルス入力が有ったときには、今回の
クランクパルスはθ2クランクパルスと識別でき、次回
入力されるクランクパルスはθ3クランクパルスと識別
できる。また、前回と今回との間、及び前々回と前回と
のクランクパルス入力間に、何れもカムパルス入力が無
いときには、今回入力されたクランクパルスはθ3クラ
ンクパルスと識別でき、次回入力されるクランクパルス
はθ1クランクパルスと識別できる。
【0046】さらに、前回と今回とのクランクパルス入
力間にカムパルスが3個入力(突起33bに対応するθ
5カムパルス)したときには、次の圧縮上死点は#3気
筒であり、点火対象気筒は#3気筒、燃料噴射対象気筒
は、その2つ後の#4気筒となることが判別することが
できる。また、前回と今回のクランクパルス入力間にカ
ムパルスが2個入力(突起33cに対応するθ6カムパ
ルス)したときには、次の圧縮上死点は#4気筒であ
り、点火対象気筒は#4気筒、燃料噴射対象気筒は#3
気筒と判別できる。
【0047】また、前回と今回とのクランクパルス入力
間にカムパルスが1個入力(突起33aに対応するθ4
カムパルス)し、前の圧縮上死点判別が#4気筒であっ
たときには、次の圧縮上死点は#1気筒であり、点火対
象気筒は#1気筒、燃料噴射気筒は#2気筒と判別でき
る。同様に、前回と今回とのクランクパルス入力間にカ
ムパルスが1個入力し、前の圧縮上死点判別が#3気筒
であったときには次の圧縮上死点は#2気筒であり、点
火対象気筒は#2気筒、燃料噴射対象気筒は#1気筒と
判別できる。
【0048】本形態の4サイクル4気筒エンジン1で
は、燃焼行程は#1→#3→#2→#4の気筒順であ
り、スタータスイッチ55がONの始動時および極低回
転時を除く通常時制御のときには、図15の通常時制御
における点火及び燃料噴射のタイミングチャートに示す
ように、カムパルス出力後の圧縮上死点となる点火対象
気筒#iを#1気筒とすると、このときの燃料噴射対象
気筒#i(+2)は#2気筒であり、次の燃料噴射対象気筒
は#4気筒となり、燃料噴射は該当気筒に対して720
°CA(エンジン2回転)毎に1回のシーケンシャル噴
射が行われる。なお、スタータスイッチ55がONの始
動時および極低回転時には、図14の始動時制御におけ
る点火及び燃料噴射のタイミングチャートに示すよう
に、360°CA毎に全気筒同時噴射が行われる。
【0049】その後、ステップS12からステップS13へ進
み、前回のクランクパルスが入力されてから今回のクラ
ンクパルスが入力された間のパルス入力間隔時間(θ1
クランクパルスとθ2クランクパルスの入力間隔時間T
θ12、θ2クランクパルスとθ3クランクパルスの入力間
隔時間Tθ23、或いはθ3クランクパルスとθ1クランク
パルスの入力間隔時間Tθ31)を計時して回転周期を求
め、ステップS14で、この回転周期からエンジン回転数
NEを算出してRAM43の所定アドレスにストアし、
ルーチンを抜ける。
【0050】次に、図3に示すフローチャートは、シス
テムイニシャライズ後、設定時間(例えば、5ms)毎に
実行される制御条件判別ルーチンであり、スタータスイ
ッチ55の作動状態、エンジン回転数NEに基づきエン
ジン始動時或いは極低回転時の始動時制御を行うか、エ
ンジン始動時及び極低回転時を除く通常時制御を行うか
を判断すると共に、モード切換えスイッチ60のON,
OFF状態に基づき特殊モード或いは通常モードの選択
を判断し、点火時期制御及び燃料噴射制御に反映させ
る。
【0051】この制御条件判別ルーチンにおいては、ス
テップS21,S22で、始動時制御を行うか通常時制御を行
うかを判断する。すなわち、ステップS21で、スタータ
スイッチ55がONの始動時、或いはステップS22で、
エンジン回転数NEが設定値NS(例えば、500rpm)
未満の極低回転時には、ステップS23へ進み、始動時制
御を選択するための始動時制御判別フラグFLGSTをセ
ットし(FLGST←1)、上記ステップS21でスタータ
スイッチ55がOFF、且つステップS22でNE≧NSの
とき、ステップS28へ進み、始動時制御判別フラグFL
GSTをクリアする(FLGST←0)。この始動時制御判
別フラグFLGSTは、後述する点火制御ルーチン及び燃
料噴射量設定ルーチンにおいて参照され、FLGST=1
のとき、始動時制御が選択され、FLGST=0のとき通
常時制御が選択される。
【0052】始動時制御の選択により上記ステップS23
からステップS24へ進むと、次にモード切換えスイッチ
60のON,OFF状態に基づいて特殊モード或いは通
常モードの選択を判断する。
【0053】そして、上記モード切換えスイッチ60が
ON(コネクタ接続状態)で特殊モードが選択されてい
るときには、ステップS25へ進んで、燃料噴射を禁止し
て点火プラグ13の放電のみを行う空点火の実行条件を
判断する。すなわち、後述するθ3クランクパルス割込
みルーチンにおいて点火の都度、カウントアップされる
放電回数カウント値Cを読み出し、予め設定された設定
回数CSと比較する。この設定回数CSは、エンジン始動
の所定期間、燃料噴射を禁止し点火プラグの放電のみを
行い、空点火によって点火プラグ13の電極への液状燃
料の付着が防止されると共に電極への付着物が焼き切ら
れて除去され、くすぶりを防止することが可能な点火プ
ラグ13の電極の放電回数であり、点火プラグ13の特
性、エンジン1の特性に応じて、適宜、実験等により最
適値を求め、ROM42に固定データとして格納してお
くものである。
【0054】そして、C<CSで点火プラグ13の放電
回数Cが設定回数CSに達しておらず、特殊モードが選
択されているときには、ステップS26へ進み、特殊モー
ドにより燃料噴射を禁止すべく燃料噴射禁止フラグFL
GPEをセットして(FLGPE←1)、ルーチンを抜け
る。この燃料噴射禁止フラグFLGPEの値に応じFLG
PE=1のとき、燃料噴射が禁止され、点火プラグ13の
放電のみが行われる。
【0055】また、上記ステップS24で、モード切換え
スイッチ60がOFFで通常モードが選択されていると
き、或いは上記ステップS25で、C≧CSのときには、ス
テップS27へ進み、上記燃料噴射禁止フラグFLGPEを
クリアしてルーチンを抜ける。従って、このときには、
FLGPE=0により燃料噴射が禁止されることなく燃料
噴射が行われる。
【0056】一方、上記ステップS28で、始動時及び極
低回転時を除く通常時制御により始動時制御判別フラグ
FLGSTをクリアしたときには、ステップS29へ進み、
エンスト等による再始動に備え放電回数カウント値Cを
クリアした後、モード切り換えスイッチ60のON,O
FFに関わり無く上記ステップS27を経てルーチンを抜
け、このときには、通常通りの燃料噴射が行われる。
【0057】そして、上記始動時制御判別フラグFLG
STが、システムイニシャライズ後、所定周期毎に起動す
る図4に示す点火制御ルーチン、及び図5〜図7に示す
燃料噴射量設定ルーチンにおいて参照され、始動時制御
或いは通常時制御が実行されると共に、上記燃料噴射禁
止フラグFLGPEが上記燃料噴射量設定ルーチンにおい
て参照され、FLGPE=1のとき、燃料噴射を禁止す
る。
【0058】先ず、燃料噴射量設定ルーチンの説明に先
立ち、点火制御ルーチンについて、図4のフローチャー
トに従い説明する。
【0059】この点火制御ルーチンでは、先ず、ステッ
プS31で、始動時制御判別フラグFLGSTを参照し、F
LGST=1の始動時制御のときには、そのままルーチン
を抜ける。なお、始動時制御のときには、後述するθ2
クランクパルス割り込みルーチン及びθ3クランクパル
ス割り込みルーチンにより、図14に示すように該当気
筒に対しθ2クランクパルス入力に同期してドエルが開
始され、θ3クランクパルス入力に同期してドエルカッ
トし点火が行われる。
【0060】一方、FLGST=0の通常時制御のとき
は、ステップS32へ進み、エンジン回転数NEとエンジン
負荷を表す基本燃料噴射パルス幅Tpとに基づいてRO
M42に格納されている基本進角値テーブル(ステップ
中図示参照)を補間計算付きで参照して基本進角値AD
VBASEを設定すると、ステップS33で、ノックセンサ2
1により検出されるノックの有無に応じて運転領域毎に
遅角或いは進角量が学習される点火時期学習補正値AD
VKRを、エンジン回転数NEと基本燃料噴射パルス幅Tp
とに基づいてバックアップRAM44にストアされてい
る点火時期学習補正値テーブルを補間計算付きで参照し
て設定する。
【0061】続くステップS34では、上記基本進角値A
DVBASEに上記点火時期学習補正値ADVKRを加算して
制御進角ADVを設定し(ADV←ADVBASE+ADV
KR)、この制御進角ADVに基づいて点火タイミング
(点火コイル14の通電遮断タイミング)TADVをステ
ップS35で設定する。上記制御進角ADVは角度データ
(BTDC°CA)のため、θ2クランクパルスが入力
してから点火するまでの時間に変換する必要があり、図
15の通常時制御における点火及び燃料噴射のタイミン
グチャートに示すように、θ1クランクパルスが入力さ
れてからθ2クランクパルスが入力されるまでの時間を
Tθ12、θ1,θ2クランクパルス間の角度(例えば、3
2°CA)をθ12とすると、本形態では、θ2クランク
パルス入力を基準として点火タイミングTADVを設定す
る(TADV←(Tθ12/θ12)×(θ2−ADV))。
【0062】次に、ステップS36へ進み、バッテリ電圧
VBに基づきテーブルを補間計算付きで参照して点火コ
イル14の基本通電時間DWLBを設定すると、ステップS
37でエンジン回転数NEに基づきテーブルを補間計算付
きで参照して回転補正係数KDWLNを設定する。上記基本
通電時間DWLBは、バッテリ電圧に依存するコイル一次
電流に基づく通電時間の基本値であり、バッテリ電圧V
Bが高い程、短い値の基本通電時間DWLBがテーブルにス
トアされてる。また、上記回転補正係数KDWLNは、エン
ジン回転数NEが高くなる程、短くなるコイルの非通電
時間(休止時間)の影響を補正するための係数であり、
エンジン回転数NEが高い程、小さい値の回転補正係数
KDWLNがテーブルにストアされている。
【0063】その後、ステップS38へ進み、基本通電時
間DWLBに回転補正係数KDWLNを乗算して通電時間DW
Lを算出し(DWL←DWLB×KDWLN)、続くステップS
39で、上記点火タイミングTADVから通電時間DWLを
減算してθ2クランクパルスを基準とする通電開始タイ
ミングTDWLを設定し(TDWL←TADV−DWL)、ステ
ップS40で該当気筒の点火時期タイマに点火タイミング
TADVをセットすると共に、ステップS41で該当気筒の通
電開始タイミングタイマに通電開始タイミングTDWLを
セットしてルーチンを抜ける。
【0064】以上の点火制御ルーチンに対し、図5〜図
7に示す燃料噴射量設定ルーチンでは、前述の制御条件
判別ルーチンにおいて特殊モードが選択され且つ空点火
実行条件の成立時にセットされる燃料噴射禁止フラグF
LGPEを参照し、FLGPE=1のとき、燃料噴射量を定
める燃料噴射パルス幅Tiを0として燃料噴射を停止
し、FLGPE=0のとき、始動時制御判別フラグFLG
STの値に応じ、FLGST=1の始動時制御のときには、
360°CA(エンジン1回転)毎に1回、全気筒同時
噴射(図14参照)させるための燃料噴射量を定める燃
料噴射パルス幅Tiが設定され、FLGST=0の通常時
制御のときには、シーケンシャル噴射(図15参照)に
対応して燃料噴射対象気筒毎に燃料噴射パルス幅Tiが
設定される。
【0065】この燃料噴射量設定ルーチンにおいては、
ステップS51で、燃料噴射禁止フラグFLGPEを参照
し、FLGPE=1のときには、ステップS52へ進み、燃
料噴射パルス幅Tiを0とし(Ti←0)、ステップS83
へジャンプして、この燃料噴射パルス幅Ti(=0)を
燃料噴射タイマにセットしてルーチンを抜ける。
【0066】すなわち、上記燃料禁止フラグFLGPE
は、前述の制御条件判別ルーチンで、スタータスイッチ
55がON、或いは極低回転の始動時制御選択下におい
て、モード切換えスイッチ60がON(コネクタ接続状
態)で特殊モードが選択され、且つ空点火の実行条件と
して点火プラグ13の放電回数が設定回数に達するまで
の間、セット状態(FLGPE=1)に保持される。
【0067】従って、モード切換えスイッチ60のON
による特殊モード選択時には、クランキングによるエン
ジン始動時において点火プラグ13の放電回数が設定回
数に達するまでの所定期間、Ti=0により燃料噴射が
停止し、点火プラグ13の放電のみの空点火によって点
火プラグ13の電極への液状燃料の付着が防止されると
共に電極への付着物が焼き切られて除去され、くすぶり
が防止されることとなる。
【0068】一方、上記ステップS51でFLGPE=0の
ときは、ステップS53以下の処理によりエンジン運転状
態に応じて燃料噴射パルス幅Tiを設定する。
【0069】ステップS53では、エンジン回転数NEと吸
入空気量センサ8による吸入空気量Qとから、基本燃料
噴射量を定める基本燃料噴射パルス幅Tpを算出し(Tp
←K×Q/NE ;Kはインジェクタ特性補正定数)、続
くステップS54で、スタータスイッチ55の作動状態を
判断し、スタータスイッチ55がON(クランキング
中)のとき、ステップS55へ進んで、始動増量係数KST
を設定値CKST(但し、CKST>1.0)により設定してス
テップS57へ進み、また、スタータスイッチ55がOF
Fのときは、ステップS56で、始動増量係数KSTを1.
0(補正無し)に設定してステップS57へ進む。上記始
動増量係数KSTは、始動性確保のためスタータモータ作
動中のクランキング時のみ燃料増量を行うためのもので
ある。
【0070】そして、ステップS57では、エンジン回転
数NEと基本燃料噴射パルス幅Tpとに基づきテーブル参
照により混合比割付係数KMRを設定する。この混合比割
付係数KMRは、エンジン回転数NEとエンジン負荷を表
す基本燃料噴射パルス幅Tpとにより特定される領域毎
に適正空燃比を得るためのもので、テーブルには予め実
験等により求めた最適値がストアされている。
【0071】次いで、ステップS58では、スロットル開
度センサ9aによるスロットル開度Th、基本燃料噴射
パルス幅Tp、エンジン回転数NEに基づいてフル増量係
数KFULLを設定する。このフル増量係数KFULLは、スロ
ットル開度Thが全開状態のとき、或いは基本燃料噴射
パルス幅Tpにより判断されるエンジン負荷が高負荷状
態のとき、エンジン回転数NEをパラメータとするテー
ブルにより設定されるもので、エンジン出力が要求され
る領域での出力性能を確保する。なお、スロットル全開
領域及び高負荷域を除く領域においては、KFULL=0で
ある。
【0072】続くステップS59では、モード切換えスイ
ッチ60のON,OFF状態に基づき特殊モード或いは
通常モードの選択を判断し、モード切換えスイッチ60
のONにより特殊モードが選択されているときには、ス
テップS60へ進み、冷却水温センサ23による水温TWに
基づきテーブルを参照してラインオフ燃料係数KPKBAを
設定し、ステップS62へ進む。このラインオフ燃料係数
KPKBAは、特殊モードが選択されているとき、上述の点
火プラグ13の放電のみを行う空点火後の燃料噴射時に
おいても燃料減量によりくすぶりを防止するためのもの
で、同ステップ中に図示するように、水温TWが低い
程、燃料減量率を増すよう小さい値のラインオフ燃料係
数KPKBAがテーブルにストアされている。このラインオ
フ燃料係数KPKBAにより燃料噴射量が減量補正されるこ
とで、点火プラグ13への液状燃料の付着が防止され、
再始動を繰り返し行っても点火プラグ13のくすぶりを
未然に防止することができる。
【0073】また、モード切換えスイッチ60がOFF
の通常モードが選択されているときには、ステップS61
で、ラインオフ燃料係数KPKBAを1.0に設定すること
で、ラインオフ燃料係数KPKBAによる補正無しとして、
ステップS62へ進む。
【0074】ステップS62では、水温TWに基づいてテー
ブル参照により水温増量係数KTWを設定する。この水温
増量係数KTWは、エンジン冷態時の運転性を確保するた
めの燃料増量率を定めるものであり、ステップS62中に
図示するように、水温TWが低い程、大きい値の水温増
量係数KTWがテーブルにストアされている。
【0075】次いで、ステップS63で、始動後増量係数
KASを設定する。この始動後増量係数KASは、エンジン
始動直後のエンジン回転数の安定性を確保するためのも
ので、ステップS63中に示すように、スタータスイッチ
55がONのとき、水温TWに基づき初期値を設定し、
スタータスイッチ55のOFF後、KAS=0になるまで
漸次的に減少される。
【0076】続くステップS64では、アイドル後増量係
数KAIを設定する。このアイドル増量後係数KAIは、ア
イドル解除時のもたつきを防止するためのものであり、
同ステップ中に示すように、設定車速(例えば、15km
/h)以下で且つアイドルスイッチ9bがON(スロット
ル弁全閉)からOFF(スロットル弁開)に移行したと
き水温TWに基づき初期値に設定され、その後、KAI=
0になるまで漸次的に減少される。
【0077】そして、ステップS65で、上記各係数によ
り各種増量係数COEFを算出し(COEF←KST×
(1+KMR+KFULL+KPKBA×(KTW+KAS+KA
I)))、ステップS66で、O2センサ28の出力信号に
基づきPI制御等により設定される空燃比フィードバッ
ク補正係数αを読み出し、続くステップS67で、エンジ
ン回転数NEと基本燃料噴射パルス幅Tpとに基づいてバ
ックアップRAM44の一連のアドレスからなる空燃比
学習値テーブルを参照して空燃比学習値KLRを検索し、
補間計算により空燃比学習補正係数KBLRCを設定して、
ステップS68へ進む。この空燃比学習補正係数KBLRCの
基となる空燃比学習値KLRは、周知のように、エンジン
回転数NEとエンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅
Tpとによる領域毎に、上記空燃比フィードバック補正
係数αの所定周期における平均値の基準値に対するずれ
に応じて学習され、生産時のばらつき、吸入空気量セン
サ8等の吸入空気量計測系およびインジェクタ12等の
燃料供給系の経時劣化等を補正するためのものである。
【0078】ステップS68では、上記基本燃料噴射パル
ス幅Tpを上記各種増量係数COEF及び空燃比フィー
ドバック補正係数αにより空燃比補正すると共に上記空
燃比学習補正係数KBLRCにより学習補正して、有効噴射
パルス幅Teを設定し(Te←Tp×COEF×α×KBLR
C)、ステップS69で、バッテリ電圧VBに基づきテーブ
ル参照によりインジェクタ12の無効噴射時間を補間す
る電圧補正パルス幅Tsを設定する。
【0079】その後、ステップS70で、始動時制御判別
フラグFLGSTを参照し、FLGST=1で始動時制御が
選択されているときは、ステップS71へ進み、上記有効
噴射パルス幅Teに電圧補正パルス幅Tsを加算して始動
時噴射パルス幅Tioを設定する。
【0080】次いで、ステップS72では、モード切換え
スイッチ60のON,OFF状態に基づき特殊モード或
いは通常モードの選択を判断し、モード切換えスイッチ
60のOFFにより通常モードが選択されているときに
は、ステップS73へ進んで、水温TWに基づき第1の基本
値テーブルTBLCSTを補間計算付きで参照して基本値
TCSTを設定してステップS75へ進み、また、モード切り
換えスイッチ60のONにより特殊モードが選択されて
いるときには、ステップS74で、水温TWに基づいて第2
の基本値テーブルTBLSTKを補間計算付きで参照して
基本値TCSTを設定し、ステップS75へ進む。上記基本値
TCSTは、後述するエンジン冷態始動時のコールドスタ
ートパルス幅TiSTを設定する際のベース値であり、図
13に示すように、水温TWが低くエンジン温度が低い
程、大きい値に設定され、また、通常モード時に選択さ
れる上記第1の基本値テーブルTBLCSTに格納されて
る基本値TCSTに対し、特殊モード時に選択される第2
の基本値テーブルTBLSTKに格納されている基本値TC
STが相対的に小さい値に設定されている。すなわち、特
殊モードが選択されているときは、第2の基本値テーブ
ルTBLSTKに格納されている基本値TCSTを用いること
で、通常モード時よりも燃料減量され、上述の点火プラ
グ13の放電のみを行う空点火後の始動時燃料噴射にお
いても燃料減量され、エンジン再始動を繰り返し行って
も空燃比のオーバリッチが防止されて点火プラグ13の
電極への液状燃料の付着が防止され、これによっても点
火プラグ13のくすぶりが未然に防止される。
【0081】ステップS75では、エンジン回転数NEに基
づきテーブル参照により回転補正係数TCSNを設定し、
続くステップS76で、時間補正係数TKCSを設定する。
【0082】上記時間補正係数TKCSは、コールドスタ
ートパルス幅TiSTによる燃料噴射から上記始動時噴射
パルス幅Tio或いは通常時制御における燃料噴射パルス
幅Tiによる燃料噴射への移行時の燃料噴射量の急変に
よるエンジン運転性の悪化を防止するもので、スタータ
スイッチ55がONしてから設定時間TKCS1に達するま
ではTKCS=1に設定され、その後、漸次減少されて減
少後の経過時間TKCS2でTKCS=0となる。従って、スタ
ータスイッチ55がONされ、設定時間TKCS1の経過後
は後述のステップS79で設定されるコールドスタートパ
ルス幅TiSTが漸次減少され、経過時間TKCS2でTiST=
0となる。
【0083】次いで、ステップS77でバッテリ電圧VBに
基づきテーブル参照により無効噴射時間を補正する電圧
補正係数TCSLを設定し、ステップS78で、スロットル開
度Thに基づきテーブル参照によりスロットル開度に応
じて燃料補正するためのスロットル開度補正係数TCSA
を設定する。なお、上記各テーブルは、特記されている
ものを除き、いずれもROM42に格納されているもの
であるそして、ステップS79で、上記基本値TCSTに上記
各補正係数TCSN,TKCS,TCSL,TCSAを乗算してエン
ジン冷態始動時に適応するコールドスタートパルス幅T
iSTを設定し(TiST←TCST×TCSN×TKCS×TCSL×T
CSA)、ステップS80で、上記始動時噴射パルス幅Tioと
コールドスタートパルス幅TiSTとを比較し、Tio≧Ti
STのときには、ステップS81で、最終的に燃料噴射量を
定める燃料噴射パルス幅Tiとして始動時噴射パルス幅
Tioを採用し(Ti←Tio)、Tio<TiSTのときには、
ステップS82で、燃料噴射パルス幅Tiとしてコールドス
タートパルス幅TiSTを採用し(Ti←TiST)、ステッ
プS83で上記燃料噴射パルス幅Tiをセットしてルーチン
を抜ける。すなわち、始動時制御においては、燃料噴射
パルス幅Tiとして始動時噴射パルス幅Tioとコールド
スタートパルス幅TiSTのいずれか大きい方を採用する
ことによりエンジン状態に適応した始動時の燃料噴射量
が得られ、且つコールドスタートパルス幅TiSTと始動
時噴射パルス幅Tioとによる燃料噴射量の繋がりがスム
ースとなって燃料噴射量の急変によるエンジン運転性の
悪化が防止される。
【0084】一方、前記ステップS70において、FLGS
T=0で通常時制御が選択されているときは、ステップS
85へ進み、上記有効噴射パルス幅Teを2倍した値に電
圧補正パルス幅Tsを加算して燃料噴射量を定める燃料
噴射パルス幅Tiを設定し(Ti←2×Te+Ts)、ステ
ップS86へ進む。すなわち、図15に示すように通常時
制御においてはシーケンシャル噴射(1気筒当たりエン
ジン2回転に1回噴射)を行うため、始動時制御におけ
る全気筒同時噴射(図14参照;1気筒当たりエンジン
1回転に1回噴射)に対し2倍の燃料噴射量が必要とな
る。
【0085】ステップS86では、燃料噴射開始タイミン
グTMSTARTを設定する。本形態においては、いわゆる時
間制御方式を採用しており、燃料噴射開始タイミングを
時間により設定する。
【0086】燃料噴射開始タイミングTMSTARTは、図1
5に示すように、吸気開始タイミング(例えば、BTD
C5°CA)よりも早く燃料噴射を完了させるため、各
気筒の吸気上死点より設定角度TENDIJ(例えば、30°
CA)前に燃料噴射が完了するように設定する。この設
定角度TENDIJで燃料噴射を完了させるためには、前回の
該当噴射対象気筒における噴射終了後のθ1クランクパ
ルス及びθ3クランクパルス入力から該当噴射対象気筒
の吸気上死点までのクランク角度θM(730°CA〜
10°CAの特定された角度)、θ1,θ3クランクパル
ス入力毎に更新される最新のパルス入力間隔時間Tθ3
1,Tθ23、クランクパルス間の角度θ31,θ23、及
び、最新の燃料噴射パルス幅Tiに基づいて燃料噴射開
始タイミングTMSTARTを設定する。例えば、今、図15
のタイミングチャートに示すように、燃料噴射対象気筒
が#1気筒で、吸気上死点前θM(=190°CA)の
θ3クランクパルス入力を基準として燃料噴射開始タイ
ミングTMSTARTを設定する場合は、次式により燃料噴射
開始タイミングTMSTARTを算出する。
【0087】TMSTART←(Tθ23/θ23)×θM−(Ti
+(Tθ23/θ23)×TENDIJ) そして、ステップS87で、上記燃料噴射開始タイミング
TMSTARTを該当噴射対象気筒の噴射開始タイミングタイ
マにセットし、ステップS83で、上記ステップS85におい
て設定した通常時制御での燃料噴射量を定める燃料噴射
パルス幅Tiを燃料噴射タイマにセットして、ルーチン
を抜ける。
【0088】以上の結果、θ2クランクパルス或いはθ3
クランクパルス入力に同期して起動する図8、図9のル
ーチンにより上記各タイマがスタートされ、点火及び燃
料噴射が行われる。
【0089】先ず、始動時制御が選択されているときに
ついて説明すると、θ2クランクパルス入力に同期して
図8のθ2クランクパルス割り込みルーチンが起動し、
ステップS101で、始動時制御により始動時制御判別フラ
グFLGST=1のとき、ステップS102へ進み、点火対象
気筒のドエルがセットされてECU40からイグナイタ
15へ該当気筒に対する通電信号が出力され(図14参
照)、該当気筒の点火コイル14の通電(ドエル)が開
始される。
【0090】また、θ3クランクパルス入力に同期して
図9のθ3クランクパルス割り込みルーチンが起動し、
ステップS111でFLGST=1により、ステップS112へ進
み、点火対象気筒のドエルがカットされて点火コイル1
4に高圧の二次電圧が誘起され、点火対象気筒の点火プ
ラグ13の電極が放電しスパークする。すなわち、スタ
ータスイッチ55のONによるクランキング時あるいは
極低回転時には、エンジン回転が不安定であり、時間制
御により点火時期を定めると適切な点火時期を得ること
ができず点火時期のばらつきを生じ燃焼性の悪化を招
く。このため始動時制御においては、図14に示すよう
に、一義的に、θ2クランクパルス入力(BTDC65
°CA)によりドエルを開始し、θ3クランクパルス入
力(BTCD10°CA)に同期してドエルカットによ
り点火させることで、点火コイル14の放電エネルギを
確保すると共に点火時期のばらつきを防ぎ燃焼性の悪化
を防止するようにしている。
【0091】次いで、ステップS113で、前記燃料噴射禁
止フラグFLGPEを参照し、FLGPE=1の燃料噴射が
禁止されているときは、ステップS114へ進み、空点火の
実行条件として点火プラグ13の放電回数をカウントす
るため放電回数カウント値Cをカウントアップし、FL
GPE=0のときには、そのままステップS115へ進む。
【0092】ステップS115では、今回入力したθ3クラ
ンクパルスが#3気筒或いは#4気筒の圧縮上死点前の
ものかを判断し、#1気筒或いは#2気筒の圧縮上死点
前のθ3クランクパルスの時には、そのままルーチンを
抜け、また、#3気筒或いは#4気筒の圧縮上死点前の
θ3クランクパルスのときは、ステップS116で、燃料噴
射タイマをスタートして燃料噴射パルス幅Tiのインジ
ェクタ駆動信号を全気筒のインジェクタ12へ出力し、
ルーチンを抜ける。
【0093】従って、スタータスイッチ55がON或い
は極低回転の始動時制御の際、燃料噴射禁止フラグFL
GPE=1により燃料噴射が禁止されているとき、すなわ
ち前述のように、スタータスイッチ55がON、或いは
極低回転の始動時制御選択下において、モード切換えス
イッチ60がON(コネクタ接続状態)で特殊モードが
選択され、且つ空点火の実行条件として点火プラグ13
の放電回数が設定回数に達するまでの間、前記燃料噴射
量設定ルーチンのステップS52において燃料噴射パルス
幅TiがTi=0に設定されることで、クランキングによ
るエンジン始動時において点火プラグ13の放電回数が
設定回数に達するまでの所定期間、Ti=0により図1
4にインジェクタ駆動信号として実線で示すように、イ
ンジェクタ駆動信号が実質的に出力せず燃料噴射が停止
する。これによって、点火プラグ13の放電のみの空点
火となって点火プラグ13の電極への液状燃料の付着が
防止されると共に電極への付着物が焼き切られて除去さ
れ、点火プラグ13のくすぶりが防止される。
【0094】また、FLGPE=0の通常モード下での始
動時制御においては、燃料噴射量設定ルーチンのステッ
プS81或いはステップS82でエンジン状態に応じて設定さ
れた燃料噴射パルス幅Tiのインジェクタ駆動信号が、
図14に破線で示すように、全気筒のインジェクタ12
へ出力され、360°CA(エンジン1回転)毎に1
回、全気筒同時噴射が行われる。
【0095】一方、始動時及び極低回転時を除き通常時
制御が選択されているときには、図8のθ2クランクパ
ルス割り込みルーチンにおいて、ステップS101でFLG
ST=0によりステップS103へ分岐し、該当点火対象気筒
の通電開始タイミングタイマをスタートすると共に、ス
テップS104で、該当点火対象気筒の点火時期タイマをス
タートして、ルーチンを抜ける。
【0096】そして、上記通電開始タイミングタイマの
計時により通電開始タイミングTDWLに達すると、図1
0に示すルーチンが割り込み起動し、ステップS121で点
火対象気筒のドエルセットによりECU40からイグナ
イタ15へ該当気筒に対する通電信号が出力され(図1
5参照)、該当気筒の点火コイル14の通電(ドエル)
が開始される。
【0097】その後、上記点火時期タイマの計時により
点火タイミングTADVに達すると、図11に示すルーチ
ンが割り込み起動し、ステップS131で点火対象気筒のド
エルがカットされて、点火コイル14に高圧の二次電圧
が誘起され、点火対象気筒の点火プラグ13がスパーク
し、燃焼室内の混合気が着火燃焼される。
【0098】また、θ3クランクパルス入力に同期して
起動する図9のθ3クランクパルス割り込みルーチンに
おいては、ステップS111でFLGST=0によりステップ
S117へ進み、該当噴射対象気筒の噴射開始タイミングタ
イマをスタートしてルーチンを抜ける。そして、上記噴
射開始タイミングタイマの計時により燃料噴射開始タイ
ミングTMSTARTに達すると、図12に示すルーチンが割
り込み起動し、ステップS141で、該当噴射対象気筒の燃
料噴射タイマをスタートして燃料噴射パルス幅Tiのイ
ンジェクタ駆動信号を該当気筒のインジェクタ12へ出
力し、ルーチンを抜ける。
【0099】その結果、前記燃料噴射量設定ルーチンの
ステップS85で設定された燃料噴射量を定める燃料噴射
パルス幅Tiのインジェクタ駆動信号が、図15に示す
ように出力され、該当気筒のインジェクタ12から上記
燃料噴射パルス幅Tiに対応する所定に計量された燃料
が噴射し、1気筒当たり720°CA(エンジン2回
転)毎に1回のシーケンシャル噴射が行われる。
【0100】本形態においては、特殊モードの選択時、
エンジン始動時において点火プラグ13の放電回数が設
定回数に達するまでの所定期間、燃料噴射が停止される
ことで、点火プラグ13の放電のみの空点火により点火
プラグ13の電極への液状燃料の付着が防止されると共
に電極への付着物が焼き切られて除去され、更に、この
空点火後の燃料噴射においても通常モード時に対し燃料
噴射量が相対的に減量補正されるので、これらの相乗作
用によってより効果的に点火プラグ13のくすぶりが防
止される。
【0101】次に、本発明の実施の第2形態を、図20
及び図21に基づき説明する。前記第1形態においては
燃料噴射を禁止する期間を点火プラグ13の放電回数に
より定めているが、本形態では、エンジン始動開始から
設定時間の間、燃料噴射を禁止する。
【0102】すなわち、本形態においては前記第1の形
態に対し、制御条件判別ルーチン及びθ3クランクパル
ス割り込みルーチンが異なる。なお、第1形態と同じス
テップについては同一の符号を付して説明を省略する。
【0103】本形態の制御条件判別ルーチンについて図
20に従い説明すると、システムイニシャライズ後、設
定時間(例えば、5ms)毎に実行される本ルーチンのス
テップS21,S22でスタータスイッチ55のON或いは極
低回転のとき、始動時制御を選択するためステップS23
で始動時制御判別ステップFLGSTをセット(FLGST
←1)した後、ステップS24で、モード切換えスイッチ
60のON,OFF状態に基づいて特殊モード或いは通
常モードの選択を判断し、上記モード切換えスイッチ6
0がON(コネクタ接続状態)で特殊モードが選択され
ているときには、ステップS201へ進む。
【0104】そして、ステップS201で、始動時制御の選
択下においてモード切換えスイッチ60のONにより特
殊モードが選択されているとき本ルーチンの実行周期毎
にカウントアップされる始動時間カウント値CSTを設定
値CSTSと比較する。
【0105】この設定値CSTSは、エンジン始動のクラ
ンキング開始からの所定期間、燃料噴射を禁止し点火プ
ラグ13の放電のみによる空点火によって点火プラグ1
3の電極への液状燃料の付着が防止されると共に電極へ
の付着物が焼き切られて除去され、くすぶりを防止する
ことが可能な設定時間を定めるものであり、点火プラグ
13の特性、エンジン1の特性に応じて、適宜、実験等
により最適値を求め、ROM42に固定データとして格
納しておく。
【0106】そして、CST<CSTSでエンジンクランキ
ング開始から設定値CSTSにより定まる設定時間を経過
していないときは、ステップS202へ進んで、始動時間カ
ウント値CSTをカウントアップし、続くステップS26
で、特殊モードにより燃料噴射を禁止すべく燃料噴射禁
止フラグFLGPEをセットして(FLGPE←1)、ルー
チンを抜ける。
【0107】ここで、モード切換えスイッチ60のON
により特殊モードが選択されているとき、エンジン始動
のクランキング開始から設定時間の間、FLGST=1に
より前述の燃料噴射量設定ルーチンにおいて燃料噴射パ
ルス幅Tiが0に設定され(Ti←0;図5のステップS5
2参照)、これにより燃料噴射が禁止され、点火プラグ
13の放電のみが行われる。
【0108】従って、本形態においても前記第1形態と
同様に、点火プラグ13のくすぶりが防止される。
【0109】また、上記ステップS24で、モード切換え
スイッチ60がOFFで通常モードが選択されていると
き、或いは上記ステップS201で、CST≧CSTSのときに
は、ステップS27へ進み、上記燃料噴射禁止フラグFL
GPEをクリアしてルーチンを抜ける。従って、このとき
には、FLGPE=0により燃料噴射が禁止されることな
く燃料噴射が行われる。
【0110】また、ステップS28で、始動時及び極低回
転時を除く通常時制御により始動時制御判別フラグFL
GSTがクリアされたときは、ステップS203へ進み、エン
スト等による再始動に備え、始動時間カウント値CSTを
クリアした後、モード切り換えスイッチ60のON,O
FFに関わり無く上記ステップS27を経てルーチンを抜
け、このときには、通常通りの燃料噴射が行われる。
【0111】また、第1形態のように点火プラグ13の
放電回数をカウントする必要がないので、θ3クランク
パルス割り込みルーチンにおいては、図21に示すよう
に、ステップS111でFLGST=1により、ステップS112
へ進み、点火対象気筒のドエルをカットした後、そのま
まステップS115へ進む。
【0112】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されず、各形態においては、モード切換え手段としてコ
ネクタからなるモード切換えスイッチ60を採用してい
るが、これに代えて適宜の手段を採用しても良い。
【0113】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、モード切
り換え手段により通常の作動を行う通常モードと空点火
を行う特殊モードとが選択可能となり、工場のラインエ
ンドである検査ライン、或いはディーラでの検査におい
てエンジンの暖機未完のままエンジン再始動を繰り返し
行う場合、自動車等の車輌用エンジンにおいて、工場や
ディーラにおける車輌移動のためごく短期間エンジンを
運転しエンジンの再始動を繰り返し行う場合等、必要と
するときのみ特殊モードを選択することができ、モード
切換え手段により特殊モードを選択すると、エンジン始
動の設定期間、燃料噴射が禁止されて点火プラグの放電
のみの空点火が行われ、点火プラグの電極への液状燃料
の付着が防止されると共に電極への付着物が焼き切られ
て除去され、くすぶりを有効に防止することができる。
【0114】また、通常使用時には通常モードを選択す
ることによって、空点火を行うことなく通常通り燃料噴
射が行われ、エンジン始動時間が不必要に長くなるのを
防止することができ、且つ、点火エネルギを無駄にロス
することを解消することができる。
【0115】請求項2記載の発明によれば、更に、特殊
モードの選択時は、空点火後の燃料噴射において通常モ
ード時に対し燃料噴射量が相対的に減量補正されるの
で、点火プラグへの液状燃料の付着が有効に防止され、
短時間でエンジン再始動を繰り返し行う場合であっても
始動性を向上することができ、上述の空点火との相乗作
用によってより効果的に点火プラグのくすぶりを防止す
ることができる。
【0116】その際、請求項3記載の発明では、上記設
定期間を、点火プラグの放電回数が設定回数に達するま
での間とし、請求項4記載の発明では、エンジン始動開
始から設定時間に達するまでの間とするので、点火プラ
グのくすぶりを防止するための燃料噴射禁止による空点
火の期間を適切に設定することが可能となり、空点火の
期間を必要最低限とすることができて空点火によるエン
ジン始動時間の延長を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図
【図2】本発明の実施の第1形態に係り、気筒判別/エ
ンジン回転数算出ルーチンのフローチャート
【図3】同上、制御条件判別ルーチンのフローチャート
【図4】同上、点火制御ルーチンのフローチャート
【図5】同上、燃料噴射量設定ルーチンのフローチャー
【図6】同上、燃料噴射量設定ルーチンのフローチャー
ト(続き)
【図7】同上、燃料噴射量設定ルーチンのフローチャー
ト(続き)
【図8】同上、θ2クランクパルス割り込みルーチンの
フローチャート
【図9】同上、θ3クランクパルス割り込みルーチンの
フローチャート
【図10】同上、TDWL割り込みルーチンのフローチャ
ート
【図11】同上、TADV割り込みルーチンのフローチャ
ート
【図12】同上、TMSTART割り込みルーチンのフローチ
ャート
【図13】同上、基本値テーブルの説明図
【図14】同上、始動時制御における点火および燃料噴
射のタイミングチャート
【図15】同上、通常時制御における点火および燃料噴
射のタイミングチャート
【図16】同上、エンジンの全体概略図
【図17】同上、クランクロータとクランク角センサの
正面図
【図18】同上、カムロータとカム角センサの正面図
【図19】同上、電子制御系の回路構成図
【図20】本発明の実施の第2形態に係り、制御条件判
別ルーチンのフローチャート
【図21】同上、θ3クランクパルス割り込みルーチン
のフローチャート
【符号の説明】
1 エンジン 12 インジェクタ 13 点火プラグ 40 電子制御装置(燃料噴射禁止手段、燃料噴射量補
正手段) 55 スタータスイッチ 60 モード切換えスイッチ(モード切換え手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通常作動状態での通常モードと特殊状態
    での特殊モードとを切り換えるモード切換え手段と、 特殊モードの選択時、エンジン始動の設定期間、燃料噴
    射を禁止して点火プラグの放電のみを行わせる燃料噴射
    禁止手段とを備えたことを特徴とするエンジンの制御装
    置。
  2. 【請求項2】 通常作動状態での通常モードと特殊状態
    での特殊モードとを切り換えるモード切換え手段と、 特殊モードの選択時、エンジン始動の設定期間、燃料噴
    射を禁止して点火プラグの放電のみを行わせる燃料噴射
    禁止手段と、 特殊モードが選択されているときは、上記設定期間経過
    後の燃料噴射において通常モード選択時に対し燃料噴射
    量を減量補正する燃料噴射量補正手段とを備えたことを
    特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】 上記設定期間は、点火プラグの放電回数
    が予め設定された設定回数に達するまでの間であること
    を特徴とする請求項1或いは請求項2記載のエンジンの
    制御装置。
  4. 【請求項4】 上記設定期間は、エンジン始動開始から
    設定時間に達するまでの間であることを特徴とする請求
    項1或いは請求項2記載のエンジンの制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102787918A (zh) * 2011-05-19 2012-11-21 丰田自动车株式会社 用于内燃机的控制设备和控制方法
CN107882647A (zh) * 2016-09-30 2018-04-06 福特环球技术公司 用于火花塞结垢监测和清理的方法及系统

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CN107882647B (zh) * 2016-09-30 2022-02-25 福特环球技术公司 用于火花塞结垢监测和清理的方法及系统

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