JPH1130143A - 内燃機関の燃料供給量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給量制御装置

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JPH1130143A
JPH1130143A JP18363397A JP18363397A JPH1130143A JP H1130143 A JPH1130143 A JP H1130143A JP 18363397 A JP18363397 A JP 18363397A JP 18363397 A JP18363397 A JP 18363397A JP H1130143 A JPH1130143 A JP H1130143A
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JP
Japan
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internal combustion
combustion engine
ecu
smoldering
fuel
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JP18363397A
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English (en)
Inventor
Kazuaki Okamachi
和晃 岡町
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機関における燃焼状態の安定化を図りつつ、
くすぶり汚損を早期に解消して機関の始動性を向上させ
る。 【解決手段】 電子制御装置(ECU)20により駆動
されるインジェクタ16は、吸気ポート6に向けて燃料
を噴射する。噴射された燃料は吸気バルブ8の開弁に伴
って、吸気ポート6内を流れる空気とともに燃焼室4内
に導入される。シリンダヘッド1bにはその先端部が燃
焼室4内に露出するように点火プラグ5が設けられる。
点火プラグ5は点火コイル等を含む電流検出装置30を
介してECU20に接続されている。電流検出装置30
は点火コイルの一次コイルに電流が流れるときに、点火
プラグ5の各電極間に流れる電流値を検出して、その検
出結果をECU20に出力する。ECU20はこの電流
値の積算値を算出し、その積算値が大きいほど、インジ
ェクタ16から噴射される燃料の量を少なくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、点火プラグによ
り燃料の点火を行うようにした内燃機関に適用される燃
料供給量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の内燃機関では、インジェクタ等か
ら噴射された燃料が燃焼室内において点火されることに
より、燃料の燃焼が行われて所定の機関駆動力が得られ
る。従って、燃料の点火を点火プラグによって行う内燃
機関では、同点火プラグにおいて正常な火花放電を発生
させることが、機関を正常に運転させるうえで不可欠で
ある。
【0003】しかしながら、例えば、機関の冷間始動時
にあっては、燃焼室の温度が低いために燃料が完全に燃
焼せず、カーボンや未燃燃料等の混合物(以下、「不完
全燃焼生成物」という)が点火プラグの火花ギャップ近
傍に付着する現象、いわゆるくすぶり汚損が発生するこ
とがある。そして、このようなくすぶり汚損が発生した
場合、点火プラグの絶縁抵抗が著しく低下して正常な火
花放電ができなくなる結果、機関の始動性が悪化すると
いう問題が生じることとなる。
【0004】そこで、例えば、特開平5−26283号
公報に示される燃料供給装置では、くすぶり汚損が発生
した場合に、内燃機関に供給する燃料の量を減量した
り、或いは燃料の供給を所定時間だけ一時的に停止する
ようにしている。従って、燃焼室における混合気が希薄
になり、点火プラグの火花ギャップ近傍に付着した不完
全燃焼生成物の蒸発が促進されるため、くすぶり汚損が
解消されて始動性の向上が図られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記装置で
は、点火プラグの絶縁抵抗が基準値よりも低下した場合
に、くすぶり汚損が発生したと判定して、供給燃料量の
減量や燃料供給の停止を行うようにしている。このた
め、点火プラグの絶縁抵抗がこの基準値を上回っている
場合には、くすぶり汚損がある程度進行しているにも関
わらず、供給燃料量の減量や燃料供給の停止は行われな
い。従って、上記装置において、くすぶり汚損の早期解
消を図るうえでは、この基準値を相対的に大きい値に設
定しておく必要がある。
【0006】しかしながら、このように基準値を相対的
に大きい値に設定した場合には、くすぶり汚損を速やか
に解消して始動性を向上させることを目的としているの
にも関わらず、供給燃料量の減量や燃料の供給停止が頻
繁に行われるようになるため、始動性が却って悪化する
という問題が生じる。内燃機関を早期に始動させるうえ
では、基本的に供給燃料を増量し混合気を過濃な状態に
して、燃焼状態の安定化を図る必要があるからである。
【0007】この発明はこのような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、機関における燃焼状態の安
定化を図りつつ、くすぶり汚損を早期に解消して機関の
始動性を向上させることができる内燃機関の燃料供給量
制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載した発明は、内燃機関の燃料供給量
制御装置において、内燃機関に燃料を供給する燃料供給
手段と、内燃機関に供給された燃料の点火を行う点火プ
ラグにおけるくすぶり汚損の程度を判定するくすぶり汚
損判定手段と、内燃機関が始動状態にあることを判定す
る始動状態判定手段と、内燃機関が始動状態にあると判
定されるときに、点火プラグにおけるくすぶり汚損の程
度が大きいほど、内燃機関に供給される燃料が少なくな
るように燃料供給手段を制御する制御手段とを備えたこ
とをその趣旨とする。
【0009】上記構成では、内燃機関が始動状態にある
ときに、点火プラグにおけるくすぶり汚損の程度が大き
くなるほど、内燃機関に供給される燃料が相対的に少な
くされる。ここで、燃料供給量は、くすぶり汚損の程度
が大きくなるほど連続的に少なくしても、或いは段階的
に少なくしてもよいが、燃料供給量を段階的に少なくす
る場合には、くすぶり汚損の程度に応じて少なくとも3
段階以上に切り替えられるものとする。
【0010】このように、くすぶり汚損の程度に応じて
燃料供給量を変更することにより、くすぶり汚損の程度
が相対的に大きい場合には、燃焼室内における混合気が
希薄になり点火プラグに付着した不完全燃焼生成物の蒸
発が促進されるため、くすぶり汚損の早期解消が図られ
る。一方、くすぶり汚損の程度が相対的に小さい場合に
は、燃焼室内の混合気が過度に希薄になることがないた
め、内燃機関における燃焼状態の安定化が図られること
になる。
【0011】従って、上記構成によれば、燃焼状態の安
定化を図りつつ、点火プラグのくすぶり汚損を早期に解
消させるうえで好適な量の燃料が内燃機関に供給され
る。上記目的を達成するために、請求項2に記載した発
明は、内燃機関に燃料を供給するとともに、同機関の始
動時間が所定時間を超えたときには、同機関の燃焼室内
における掃気を行うべく、燃料の供給を一時的に停止す
る燃料供給手段と、内燃機関に供給された燃料の点火を
行う点火プラグにおけるくすぶり汚損の程度を判定する
くすぶり汚損判定手段と、内燃機関が始動状態にあるこ
とを判定する始動状態判定手段と、内燃機関が始動状態
にあるときに、くすぶり汚損の程度が大きいほど、燃料
供給の一時的な停止が行われる時間が長くなるように燃
料供給手段を制御する制御手段とを備えたことをその趣
旨とする。
【0012】上記構成では、内燃機関が始動状態にある
ときに、点火プラグにおけるくすぶり汚損の程度が大き
くなるほど、燃料供給が一時的に停止される時間(掃気
時間)が長く設定される。ここで、掃気時間は、くすぶ
り汚損の程度が大きくなるほど連続的に長く設定して
も、或いは段階的に長く設定してもよいが、同掃気時間
を段階的に長く設定する場合には、くすぶり汚損の程度
に応じて少なくとも3段階以上に切り替えられるものと
する。
【0013】このように、くすぶり汚損の程度に応じて
燃料供給量を変更することにより、くすぶり汚損の程度
が相対的に大きい場合には、掃気時間がより長く設定さ
れて、点火プラグに付着した不完全燃焼生成物の蒸発が
促進されるため、くすぶり汚損の早期解消が図られる。
一方、くすぶり汚損の程度が相対的に小さい場合には、
掃気時間が過度に長くなることがないため、内燃機関に
おける燃焼状態の安定化が図られることになる。
【0014】従って、上記構成によれば、燃焼状態の安
定化を図りつつ、点火プラグのくすぶり汚損を早期に解
消させるのに適した掃気時間が選択される。上記目的を
達成するために、請求項3に記載した発明は、請求項1
又は2に記載した内燃機関の燃料供給量制御装置におい
て、くすぶり汚損判定手段は、点火プラグの各電極間に
流れる電流値を検出する検出手段を含み、同電流値が大
きいほど、くすぶり汚損の程度を大きく判定するもので
あることをその趣旨とする。
【0015】点火プラグの各電極間に流れる電流値は、
各電極間における絶縁抵抗が低下するほど増加し、この
絶縁抵抗はくすぶり汚損の程度が大きくなり、前記各電
極近傍における不完全燃焼生成物の付着量が増加するほ
ど低下する傾向を示す。そして、一般に、各電極間に流
れる電流値の大きさを検出することは、各電極近傍にお
ける不完全燃焼生成物の付着量を直接検出する場合と比
較して容易であり、また、付着量を検出するためのセン
サを別途設ける必要もない。
【0016】従って、上記構成によれば、請求項1又は
2に記載した発明の作用に加えて、点火プラグの各電極
間に流れる電流値の大きさに基づいて、くすぶり汚損の
程度が容易に判定される。
【0017】上記目的を達成するために、請求項4に記
載した発明は、請求項3に記載した内燃機関の燃料供給
量制御装置において、くすぶり汚損判定手段は、検出手
段により検出される電流値の所定期間における積算値を
算出する算出手段を更に含み、同積算値が大きいほど、
くすぶり汚損の程度を大きく判定するものであることを
その趣旨とする。
【0018】点火プラグの各電極間を流れる電流値がノ
イズ等により各電極間における絶縁抵抗とは関係なく一
時的に変動するようなことがあっても、同電流値の積算
値はその変動による影響を殆ど受けることがない。
【0019】従って、上記構成によれば、請求項3に記
載した発明の作用に加えて、点火プラグにおけるくすぶ
り汚損の程度が正確に判定される。上記目的を達成する
ために、請求項5に記載した発明は、請求項4に記載し
た内燃機関の燃料供給量制御装置において、前記所定期
間は、点火プラグに高電圧を印加する点火コイルの1次
コイルに一次電流が流れる期間であることをその趣旨と
する。
【0020】点火コイルの1次コイルに一次電流が流れ
ている期間では、点火プラグの火花放電が行われておら
ず、その影響が無いことから、各電極間に流れる電流値
の変化は同プラグの絶縁抵抗の大きさをより反映したも
のとなっている。従って、上記構成によれば、請求項4
に記載した発明の作用に加えて、くすぶり汚損の程度が
更に正確に判定される。
【0021】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]以下、本発明を車両用ガソリンエン
ジンに設けられた燃料供給量制御装置に適用した第1の
実施形態について説明する。
【0022】図1は本実施形態におけるエンジン1の概
略構成を示す。エンジン1は、内部にシリンダ2が形成
されたシリンダブロック1aと、同シリンダブロック1
aの上部に組み付けられたシリンダヘッド1bとを備え
ている。シリンダ2内にはピストン3が上下動可能に設
けられており、同ピストン3はエンジン1のクランクシ
ャフト13に連結されている。
【0023】シリンダ2内においてピストン3の上側の
空間がシリンダヘッド1bにより覆われることによって
燃焼室4が区画形成されている。また、シリンダヘッド
1bには、燃焼室4に導入された混合気の点火を行う点
火プラグ5が設けられている。
【0024】シリンダヘッド1bには燃焼室4に通じる
吸気ポート6及び排気ポート7が形成されている。これ
ら各ポート6,7はシリンダヘッド1bに設けられた吸
気バルブ8及び排気バルブ9により開閉される。
【0025】各吸気ポート6の近傍にはインジェクタ1
6が設けられている。このインジェクタ16はデリバリ
パイプ17に接続されており、燃料ポンプ(図示略)か
ら同デリバリパイプ17内に供給された燃料を吸気ポー
ト6へ向けて燃料を噴射する。また、インジェクタ16
は電子制御装置(以下、「ECU」と略記する)20に
電気的に接続されており、同ECU20の通電信号に基
づいて開閉する。
【0026】ECU20は、中央処理装置(CPU)、
メモリ、外部入力回路、外部出力回路等とがバスによっ
て接続された論理演算回路として構成されており、その
メモリ(図示略)には後述する「燃料噴射量算出ルーチ
ン」等の制御プログラムが予め記憶されている。
【0027】エンジン1には、その運転状態を検出する
ための各種センサが設けられている。シリンダブロック
1aに設けられた水温センサ10は、機関温度としての
冷却水温THWに応じた検出信号を出力する。また、ク
ランクシャフト13の近傍に設けられた回転速度センサ
11は、同クランクシャフト13の回転速度、即ち、エ
ンジン1の回転速度NEに応じて変化するパルス信号を
出力する。
【0028】更に、エンジン1は、その始動時にクラン
キングによって回転力を付与するためのスタータ(図示
略)を備えている。このスタータは、そのON・OFF
動作を検知するスタータスイッチ12を有しており、同
スイッチ12はECU20に対しスタータ信号STAを
出力する。スタータ信号STAは、エンジン1の始動さ
せる際に、運転者によってイグニションスイッチ(図示
略)がOFF位置の状態からスタート位置まで操作さ
れ、スタータが作動しているとき(クランキング中)に
のみ、「ON」として出力される。エンジン1の始動が
完了して、イグニションスイッチがスタート位置からO
N位置まで戻されると、スタータ信号STAは「ON」
から「OFF」に切り替わる。
【0029】これら水温センサ10、回転速度センサ1
1及びスタータスイッチ12はECU20に接続されて
おり、同ECU20に対して冷却水温THW、回転速度
NEに応じた信号、及びスタータ信号STAを出力す
る。また、点火プラグ5は、電流検出装置30を介して
ECU20に接続されている。
【0030】この電流検出装置30は、点火プラグ5の
駆動装置であり、且つ、同点火プラグ5に発生するくす
ぶり汚損の程度を検出するための装置でもある。ECU
20は、点火プラグ5に火花放電を発生させるための制
御信号IGTを電流検出装置30に所定のタイミングで
出力する。また、電流検出装置30によるくすぶり汚損
の程度を示す検出結果はECU20に出力される。EC
U20は、この検出結果に基づき、インジェクタ16の
開弁時間を制御する。
【0031】図2は、電流検出装置30の回路図であ
る。同図に示すように、この装置は、バッテリ31、同
バッテリ31と接地間に接続されたイグナイタ21、一
次コイル32a及び二次コイル32bを有する点火コイ
ル32、二次コイル32bの一端と接地間に接続される
点火プラグ5と並列に接続される電流検出回路34を有
して構成されている。
【0032】イグナイタ21は、パワートランジスタ3
6及び駆動回路35とによって構成されている。駆動回
路35は、ECU20からの制御信号IGTに基づきパ
ワートランジスタ36を駆動(ON・OFF)する。こ
のパワートランジスタ36に制御信号IGTが出力さ
れ、同トランジスタ36が駆動(ON)されている場合
には、前記一次コイル32aに一次電流I1 が流れる。
【0033】一方、点火コイル32の二次コイル32b
の一端は上記バッテリ31に接続されており、他端は点
火プラグ5に接続されている。この点火プラグ5は、二
次コイル32bの上記他端に接続された中心電極5a、
及びこの中心電極5aに対向配置された接地電極5bに
よって構成されている。この点火プラグ5の各電極5
a,5bは燃焼室(図2では図示せず)内に露出して設
けられており、その接地電極5bは燃焼室壁に接地され
ている。
【0034】電流検出回路34は点火プラグ5の各電極
5a,5b間に電圧を印加するとともに、各電極5a,
5b間の絶縁抵抗の大きさに応じて各電極5a,5b間
に流れる電流値iに対応した信号を出力する。この出力
信号は、出力端子34aを介してECU20に入力され
るようになっている。
【0035】次に、始動時での燃料噴射量制御に係る制
御態様について説明する。本実施形態では、点火プラグ
5に発生しているくすぶり汚損の程度に応じて始動時の
燃料噴射量を補正するようにしている。
【0036】図3は、「くすぶり汚損判定ルーチン」の
各処理を示すフローチャートである。ECU20はこの
ルーチンにおける各処理を所定時間(例えば「4m
s.」)毎に繰り返し実行する。
【0037】ステップ100において、ECU20は制
御信号IGTが「ON」であるか否か、即ち、イグナイ
タ21の駆動回路35に制御信号IGTを出力している
か否かを判定する。ここで肯定判定された場合、ECU
20は処理をステップ101に移行する。
【0038】ステップ101において、ECU20は電
流検出回路34の出力端子34aからの入力信号に基づ
いて各電極5a,5bに流れる電流値iを読み込む。次
に、ステップ102において、ECU20は制御信号I
GTが「ON」であることを示す汚損判定実行フラグX
IGTONを「1」に設定する。
【0039】ステップ103において、ECU20は、
現在の積算値SGMiに各電極5a,5b間に流れる電
流値iを加算した値を新たな積算値SGMiとして設定
する。
【0040】一方、ステップ100において否定判定さ
れた場合、ECU20は処理をステップ110に移行す
る。ステップ110において、ECU20は汚損判定実
行フラグXIGTONが「1」に設定されているか否か
を判定する。ここで、汚損判定実行フラグXIGTON
が「1」に設定されている場合、前回の制御周期におい
て「ON」であった制御信号IGTが今回の制御周期に
おいて「OFF」に切り替わったため、ECU20は処
理をステップ111に移行する。
【0041】ステップ111において、ECU20は現
在の積算値SGMiを最終積算値SGMEXとして設定
する。そして、ステップ112において、ECU20は
制御信号IGTが現在「OFF」であることから、汚損
判定実行フラグXIGTONを「0」に設定する。
【0042】これに対して、ステップ110において否
定判定された場合、或いはステップ112の処理を実行
した後、ECU20は処理をステップ113に移行す
る。そして、ステップ113においてECU20は積算
値SGMiを「0」に設定する。
【0043】ステップ103或いはステップ113の処
理を実行した後、ECU20は処理を一旦終了し、所定
の制御周期を待って本ルーチンを再開する。図4は、制
御信号IGTと、各電極5a,5b間における絶縁抵抗
の大きさがそれぞれ略無限大(∞)、100MΩ、50
MΩ、7MΩである場合に各電極5a,5b間に流れる
電流値iとの時間的変化をそれぞれ示すグラフである。
【0044】同図に示すように、制御信号IGT(同図
(a))が「OFF」から「ON」に切り替わったとき
に、電流値i(同図(b)〜(e))は急激に増加す
る。そして、電流値iは制御信号IGTが「ON」にな
っている間、時間の経過に伴い減少するが、この際の減
少速度及び減少量が前記絶縁抵抗の大きさに応じて異な
っている。即ち、絶縁抵抗が無限大である場合、電流値
iは速やかに略「0」にまで減少するのに対し、絶縁抵
抗が100MΩである場合には、電流値iはより緩やか
に略「0」にまで減少する。
【0045】更に、絶縁抵抗が50MΩにまで減少する
と、電流値iは「0」に収束せずに持続的に流れるよう
になる。そして、絶縁抵抗が更に減少して7MΩになる
と、電流値iは殆ど減少せず、略一定値をとるようにな
る。
【0046】上記のように、点火プラグ5の各電極5
a,5b間における絶縁抵抗値が変化するのは、主に、
点火プラグ5において、各電極5a,5bの近傍に不完
全燃焼生成物が付着する現象、即ち、くすぶり汚損が発
生するからである。そして、各電極5a,5b近傍への
不完全燃焼生成物の付着量が多いほど、換言すれば、各
電極5a,5bにおける絶縁抵抗値が低下するほど、正
常な火花放電が行えなくなるため、くすぶり汚損の程度
が大きいということができる。
【0047】上記「くすぶり汚損判定ルーチン」では、
この電流値iの積算値(最終積算値SGMEX)が、上
記くすぶり汚損の程度を示すパラメータとして算出され
る。図5は、制御信号IGT、各電極5a,5b間に流
れる電流値i、積算値SGMi、最終積算値SGMEX
の時間的変化を示すタイミングチャートである。
【0048】同図に示すように、タイミングt0では、
制御信号IGTが「OFF」であり、電流値i、積算値
SGMi、最終積算値SGMEXはいずれも「0」であ
る。次に、タイミングt1において、制御信号IGTが
「ON」であると判定されると、電流値iが読み込ま
れ、同電流値iと現在の積算値SGMi(=0)との加
算値が新たな積算値SGMiとして設定される。タイミ
ングt2〜4においても同様に、積算値SGMiの更新
が行われる。
【0049】そして、タイミングt5において、制御信
号IGTが「OFF」であると判定されると、最終積算
値SGMEXが積算値SGMiと等しい値に設定される
とともに、積算値SGMiが「0」に設定される。
【0050】タイミングt5以降、制御信号IGTが
「OFF」の状態にあるタイミングt6までは、最終積
算値SGMEXの変更は行われない。そして、タイミン
グt7において、制御信号IGTが再び「ON」である
判定されると、同タイミングt7以降、再び積算値SG
Miの算出が行われて、最終積算値SGMEXの更新が
行われる。
【0051】このように、点火プラグ5におけるくすぶ
り汚損の程度を示す最終積算値SGMEXは、制御信号
IGTのON・OFFに略同期して逐次更新される。ま
た、この最終積算値SGMEXは、くすぶり汚損の程度
が大きいほど大きな値となる。既述したように、くすぶ
り汚損の程度が大きくなり、各電極5a,5b近傍に付
着する不完全燃焼生成物の量が多くなると、各電極5
a,5b間での絶縁抵抗が小さくなって電流値iが相対
的に大きくなるためである(図4(b)〜(e)参
照)。
【0052】次に、「始動時燃料噴射量算出ルーチン」
について図6に示すフローチャートを参照して説明す
る。ECU20は、本ルーチンを所定クランク角毎に繰
り返し実行する。
【0053】ステップ121において、ECU20は回
転速度センサ11及び水温センサ10の検出信号に基づ
いて、回転速度NE及び冷却水温THWをそれぞれ読み
込むとともに、スタータスイッチ12からのスタータ信
号STAを読み込む。
【0054】ステップ122において、ECU20はエ
ンジン1がクランキング中であるか否かを判定する。こ
の処理において、ECU20はスタータスイッチ12か
ら入力されるスタータ信号STAが「ON」である場合
に、エンジン1がクランキング中であると判定する。こ
こで否定判定された場合、クランキングが行われておら
ず、エンジン1が始動状態ではないことから、ECU2
0は処理を一旦終了し、所定の制御周期を待って本ルー
チンを再開する。
【0055】一方、ステップ122において、肯定判定
された場合、ECU20はクランキングが行われてお
り、エンジン1が始動状態にあることから、処理をステ
ップ123に移行する。
【0056】次に、ステップ123において、ECU2
0は始動時基本噴射量TAUb を回転速度NE及び冷却
水温THWに基づいて算出する。ECU20のメモリに
は、この始動時基本噴射量TAUb と回転速度NE及び
冷却水温THWとの関係を示す関数データが記憶されて
おり、ECU20は始動時基本噴射量TAUb を算出す
る際に、この関数データを参照する。
【0057】ステップ124において、ECU20は前
述した「くすぶり汚損判定ルーチン」において算出され
た最終積算値SGMEXに基づいて噴射量補正値αを算
出する。ECU20のメモリには、この噴射量補正値α
と最終積算値SGMEXとの関係を示す関数データが記
憶されており、ECU20は噴射量補正値αを算出する
際に、この関数データを参照する。図7はこの関数デー
タを示すグラフである。同図に示すように、ECU20
は、最終積算値SGMEXが大きくなるほど噴射量補正
値αを「1」よりも小さな値に設定する。
【0058】次に、ステップ125において、ECU2
0は始動時最終噴射量TAUini を次式(1)に基づい
て算出する。 TAUini=TAUb×α ・・・・(1) 既述したように、点火プラグ5におけるくすぶり汚損の
程度が大きいほど、最終積算値SGMEXは大きく算出
され、この最終積算値SGMEXが大きいほど、噴射量
補正値αは小さな値に設定される。従って、始動時最終
噴射量TAUini は、くすぶり汚損の程度が大きいほ
ど、上式(1)に基づいて小さく算出されることにな
る。
【0059】ECU20はステップ125の処理を実行
した後、処理を一旦終了し、所定の制御周期を待って本
ルーチンを再開する。また、ECU20は、図示しない
別の制御ルーチンにおいて、上記のように算出された始
動時最終噴射量TAUini に応じた駆動信号をインジェ
クタ16に対して出力する。その結果、インジェクタ1
6からは始動時最終噴射量TAUiniと等しい量の燃料
が吸気ポート6へ向けて噴射される。
【0060】上記のように、本実施形態では、エンジン
1が始動状態である場合に、最終積算値SGMEXが大
きいほど、換言すれば、くすぶり汚損の程度が大きいほ
ど、始動時最終噴射量TAUini を小さく設定し、燃焼
室4に供給される燃料が相対的に少なくするようにして
いる。
【0061】従って、くすぶり汚損の程度が相対的に大
きくなった場合には、燃焼室4内の混合気が希薄な状態
にされ、点火プラグ5に付着した不完全燃焼生成物の蒸
発が促進されるため、くすぶり汚損の早期解消が図られ
ることになる。一方、くすぶり汚損の程度が相対的に小
さくなった場合には、始動時最終噴射量TAUini が過
度に減量されることがないため、燃焼室4内における燃
焼状態の安定化が図られることになる。その結果、本実
施形態によれば、燃焼状態の安定化を図りつつ、くすぶ
り汚損を早期に解消してエンジン1の始動性を向上させ
ることができる。
【0062】また、くすぶり汚損は点火プラグ5の各電
極5a,5bに不完全燃焼生成物が付着することに起因
している。本実施形態では、この不完全燃焼生成物の付
着に伴って各電極5a,5b間における絶縁抵抗が低下
して各電極5a,5b間に流れる電流値iが増加するこ
とに着目し、この電流値iの積算値(最終積算値SGM
EX)に基づいて、くすぶり汚損の程度を判定するよう
にしている。
【0063】従って、例えば、各電極5a,5bに付着
した不完全燃焼生成物の量を直接検出して、その量に基
づいてくすぶり汚損の程度を判定するようにした場合と
比較して、その判定を容易に行うことができる。更に、
この電流値iは各電極5a,5b間に所定の電圧を印加
するだけで測定可能であることから、別途センサを設け
ることなく、くすぶり汚損の程度を判定することができ
る。
【0064】更に、本実施形態では、前記制御信号IG
Tが「ON」となる期間における電流値iの積算値(最
終積算値SGMEX)に基づいて、点火プラグ5におけ
るくすぶり汚損の程度を判定するようにしている。従っ
て、電流値iがノイズ等の影響により一時的に変動する
ことがあっても、その影響を殆ど受けることなく、くす
ぶり汚損の程度を正確に判定することができる。
【0065】特に、制御信号IGTが「ON」となる期
間では点火プラグ5の火花放電が行われていないことか
ら、図4(b)〜(c)より明らかなように、同制御信
号IGTが「OFF」である期間と比較して電流値iの
変動が少なく、同電流値iの変化は絶縁抵抗の大きさを
より反映したものとなっている。従って、くすぶり汚損
の程度を更に正確に判定することができる。
【0066】[第2の実施形態]次に、本発明を具体化
した第2の実施形態について図8〜10を参照して説明
する。尚、上記第1の実施形態と同様の構成については
同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】本実施形態におけるエンジン1では、クラ
ンキングが開始されてからの経過時間(クランキング継
続時間)が所定時間(以下、「始動初期時間」という)
を超えると、インジェクタ16からの燃料噴射が停止さ
れ、エンジン1の燃料噴射形態は掃気モードに移行す
る。そして、この燃料噴射が停止される時間が所定時間
(以下、「掃気時間」という)を越えると、再び燃料噴
射が開始され、燃料噴射形態は「再噴射モード」に移行
する。更に、再噴射される時間が所定時間(以下、「再
噴射時間」)を越えると、再び、燃料噴射形態は「掃気
モード」となり燃料の噴射が停止される。このように、
本実施形態では、クランキング継続時間が始動初期時間
を超えた場合、エンジン1が完爆状態となってクランキ
ングが停止されるまでの間、その燃料噴射形態が掃気モ
ード及び再噴射モードとの間で交互に変更される。
【0068】以下、始動時における燃料噴射量制御に係
る制御態様について説明する。本実施形態に係る燃料噴
射量制御にあっては、最終積算値SGMEXの大きさに
応じて前記掃気時間の長さを変更するようにしている点
が上記第1の実施形態と異なる。
【0069】図9及び図10は、本実施形態における
「始動時燃料噴射量算出ルーチン」の処理を示すフロー
チャートである。ECU20は本ルーチンにおける各処
理を所定時間(例えば「4ms.」)毎に繰り返し実行
する。
【0070】図9に示すステップ200において、EC
U20は回転速度センサ11及び水温センサ10の検出
信号に基づいて、回転速度NE及び冷却水温THWをそ
れぞれ読み込むとともに、スタータスイッチ12からの
スタータ信号STAを読み込む。更に、ECU20は、
メモリから最終積算値SGMEXを読み出す。この最終
積算値SGMEXは、第1の実施形態と同様に、図3に
示す「くすぶり汚損判定ルーチン」において算出される
とともに、ECU20のメモリに予め記憶され逐次更新
されている。
【0071】ステップ201において、ECU20はエ
ンジン1がクランキング中であるか否かをスタータ信号
STAに基づいて判定する。ここで否定判定された場
合、ECU20はクランキングが終了しており、エンジ
ン1が始動状態にないことから、処理をステップ220
に移行する。
【0072】ステップ220において、ECU20は掃
気実行フラグXSCANV及び再噴射実行フラグXIN
JECTをいずれも「0」に設定する。更に、続くステ
ップ221において、ECU20は始動カウンタ値CI
NIT、掃気カウンタ値CSCANV、及び再噴射カウ
ンタ値CINJECTをいずれも「0」に設定する。こ
れら、掃気実行フラグXSCANV、再噴射実行フラグ
XINJECT、始動カウンタ値CINIT、掃気カウ
ンタ値CSCANV、及び再噴射カウンタ値CINJE
CTについては後述する。ステップ221の処理を実行
した後、ECU20は本ルーチンにおける処理を一旦終
了する。
【0073】一方、ステップ201において肯定判定さ
れた場合、ECU20は、クランキングが行われてお
り、エンジン1が始動状態にあることから、処理をステ
ップ202に移行する。
【0074】ステップ202において、ECU20は最
終積算値SGMEXに基づいて掃気判定カウンタ値CS
CANVKを算出する。この掃気判定カウンタ値CSC
ANVKは、エンジン1の燃料噴射形態が掃気モードに
移行してからの経過時間が、前述した掃気時間を超えた
か否かを判定する際に使用される判定値である。
【0075】また、ECU20のメモリには、この掃気
判定カウンタ値CSCANVKと最終積算値SGMEX
との関係を示す関数データが記憶されており、ECU2
0は掃気判定カウンタ値CSCANVKを算出する際
に、この関数データを参照する。
【0076】図8はこの関数データを示すグラフであ
る。同図に示すように、ECU20は、最終積算値SG
MEXが大きくなるほど掃気判定カウンタ値CSCAN
VKをより大きな値に設定する。従って、掃気判定カウ
ンタ値CSCANVKはくすぶり汚損の程度が大きいほ
ど大きい値に設定されることになる。
【0077】ステップ203において、ECU20は始
動時基本噴射量TAUb を回転速度NE及び冷却水温T
HWに基づいて算出する。ECU20のメモリには、こ
の始動時基本噴射量TAUb と回転速度NE及び冷却水
温THWとの関係を示す関数データが記憶されており、
ECU20は始動時基本噴射量TAUb を算出する際
に、この関数データを参照する。
【0078】次に、ステップ204において、ECU2
0は再噴射実行フラグXINJECTが「1」であるか
否かを判定する。この再噴射実行フラグXINJECT
は、エンジン1の燃料噴射形態が現在、再噴射モードに
設定されているか否かを判断するためのものである。こ
こで否定判定された場合、再噴射実行フラグXINJE
CTが「0」であり、燃料噴射状態が再噴射モードに設
定されていないことから、ECU20は処理をステップ
205に移行する。
【0079】ステップ205において、ECU20は掃
気実行フラグXSCANVが「1」であるか否かを判定
する。この掃気実行フラグXSCANVは、エンジン1
の燃料噴射形態が現在、掃気モードに設定されているか
否かを判断するためのものである。ここで否定判定され
た場合、掃気実行フラグXSCANVが「0」であり、
燃料噴射状態が掃気モードに設定されていないことか
ら、ECU20は処理をステップ206に移行する。
【0080】ステップ206において、ECU20は始
動カウンタ値CINITを「1」だけインクリメントす
る。この始動カウンタ値CINITはクランキングが開
始されてからの経過時間に相当するものである。
【0081】次に、ステップ207において、ECU2
0は始動カウンタ値CINITが始動判定カウンタ値C
INITKより大きいか否かを判定する。この始動判定
カウンタ値CINITKは、クランキング継続時間が既
述した始動初期時間を越えたか否かを判定するための値
であり、予めECU20のメモリに記憶されている。
【0082】このステップ207で否定判定された場
合、ECU20はクランキング継続時間が始動初期時間
を越えていないことから、処理をステップ208に移行
する。ステップ208において、ECU20は始動時基
本噴射量TAUb を始動時最終噴射量TAUini として
設定する。そして、ECU20は、処理を一旦終了した
後、所定の制御周期を待って本ルーチンを再開する。
【0083】一方、ステップ207で肯定判定された場
合、クランキング継続時間が始動初期時間を越えている
ため、ECU20はエンジン1の燃料噴射状態を掃気モ
ードに設定すべく、処理をステップ209に移行する。
【0084】ステップ209において、ECU20は掃
気実行フラグXSCANVを「1」に設定し、処理を図
10に示すステップ210に移行する。また、前述した
ステップ205において肯定判定された場合も、前回の
制御周期において燃料噴射形態が掃気モードに設定され
ていたことから、ECU20は処理をステップ210に
移行する。
【0085】ステップ210において、ECU20は掃
気カウンタ値CSCANVを「1」だけインクリメント
する。この掃気カウンタ値CSCANVは、燃料噴射形
態が掃気モードに移行してからの経過時間に相当するも
のである。
【0086】次に、ステップ211において、ECU2
0は掃気カウンタ値CSCANVが掃気判定カウンタ値
CSCANVK未満であるか否かを判定する。ここで肯
定判定された場合、ECU20は掃気モードの継続時間
が前記掃気時間を越えていないことから、処理をステッ
プ230に移行する。
【0087】ステップ230において、ECU20は始
動時最終噴射量TAUini を「0」に設定する。従っ
て、インジェクタ16の開弁時間が「0」となり、同イ
ンジェクタ16からの燃料噴射は停止される。そして、
ECU20は、処理を一旦終了した後、所定の制御周期
を待って本ルーチンを再開する。
【0088】一方、ステップ211において否定判定さ
れた場合、掃気モードの継続時間が掃気時間が越えたた
め、ECU20はエンジン1の燃料噴射形態を再噴射モ
ードに設定すべく、処理をステップ212に移行する。
【0089】ステップ212において、ECU20は掃
気カウンタ値CSCANV及び掃気実行フラグXSCA
NVをいずれも「0」に設定する。更に、ステップ21
3において、ECU20は再噴射実行フラグXINJE
CTを「1」に設定した後、処理をステップ214に移
行する。
【0090】また、前記ステップ204において肯定判
定された場合も、前回の制御周期においてエンジン1の
燃料噴射形態が再噴射モードに設定されていたことか
ら、ECU20は処理をステップ214に移行する。
【0091】ステップ214において、ECU20は再
噴射カウンタ値CINJECTを「1」だけインクリメ
ントする。この再噴射カウンタ値CINJECTはエン
ジン1の燃料噴射形態が再噴射モードに移行してからの
経過時間に相当するものである。
【0092】次に、ステップ215において、ECU2
0は再噴射カウンタ値CINJECTが再噴射判定カウ
ンタ値CINJECTK未満であるか否かを判定する。
この再噴射判定カウンタ値CINJECTKは、エンジ
ン1の燃料噴射形態が再噴射モードに移行してからの経
過時間が、既述した再噴射時間を越えたか否かを判定す
るための値である。このステップ215において肯定判
定された場合、再噴射モードの継続時間が再噴射時間を
越えていないことから、ECU20は処理をステップ2
16に移行する。
【0093】ステップ216において、ECU20は始
動時最終噴射量TAUini を次式(2)に基づいて算出
する。 TAUini =TAUb ×β ・・・・(2) ここで、「β」は補正係数であり、本実施形態では
「1」以下の値(例えば、「0.8」)に設定されてい
る。
【0094】一方、ステップ215において否定判定さ
れた場合、再噴射モードの継続時間が再噴射時間を越え
たことから、ECU20はエンジン1の燃料噴射形態を
再噴射モードから掃気モードに切り替えるべく、処理を
ステップ240に移行する。
【0095】ステップ240において、ECU20は再
噴射カウンタ値CINJECT及び再噴射実行フラグX
INJECTをいずれも「0」に設定する。更に、続く
ステップ241において、ECU20は掃気実行フラグ
XSCANVを「1」に設定する。
【0096】そして、ステップ216或いはステップ2
41の処理を実行した後、ECU20は本ルーチンの処
理を一旦終了し、所定の制御周期を待って本ルーチンを
再開する。
【0097】また、ECU20は、図示しない別の制御
ルーチンにおいて、上記のように算出された始動時最終
噴射量TAUini に応じて駆動信号をインジェクタ16
に対して出力する。その結果、インジェクタ16からは
始動時最終噴射量TAUiniと等しい量の燃料が吸気ポ
ート6へ向けて噴射される。
【0098】以上のように、本実施形態では、図11の
グラフに示すように、クランキングが開始されてから所
定時間T1が経過した後は、エンジン1の燃料噴射形態
を掃気モード及び再噴射モードに交互に切り替えるよう
にしている。
【0099】ここで、本実施形態では、燃料噴射形態が
掃気モードに設定される掃気時間T2が、前述した掃気
判定カウンタ値CSCANVKに比例するものであるた
め、くすぶり汚損が大きくなるほど長く設定されること
になる。
【0100】従って、くすぶり汚損の程度が相対的に大
きい場合には、掃気時間T2がより長く設定され、点火
プラグに付着した不完全燃焼生成物の蒸発が促進される
ようになるため、くすぶり汚損の早期解消が図られる。
一方、くすぶり汚損の程度が相対的に小さい場合には、
掃気時間T2が過度に長くなることがないため、内燃機
関における燃焼状態の安定化が図られることになる。
【0101】その結果、本実施形態によれば、第1の実
施形態と同様に、燃焼状態の安定化を図りつつ、くすぶ
り汚損を早期に解消して機関の始動性を向上させること
ができる。
【0102】また、本実施形態においても、第1の実施
形態と同様に最終積算値SGMEXを算出し、この最終
積算値SGMEXに基づいてくすぶり汚損の程度を判定
するようにしているため、第1の実施形態と同様、同く
すぶり汚損の程度を容易に且つ正確に判定することがで
きる。
【0103】尚、上記各実施形態は以下のように構成を
変更して実施することもできる。このように構成を変更
しても上記実施形態と略同等の作用効果を奏することが
できる。
【0104】・上記各実施形態では、エンジン1が始動
状態にあることを、スタータスイッチ12からのスター
タ信号STAに基づいて判断するようにしたが、例え
ば、回転速度NEによりこれを判断するようにしてもよ
い。
【0105】・上記各実施形態におけるエンジン1で
は、ディストリビュータを用いない配電方式を採用する
にしたが、ディストリビュータによって点火コイルの高
電圧を点火プラグに配電する構成を採用することもでき
る。この場合には、通常、ディストリビュータに内蔵さ
れたシグナルジェネレータからの点火信号が前記パワー
トランジスタ36に出力されるため、同点火信号が「O
N」になる期間において前記電流値iの積算値を算出す
るように構成する。
【0106】また、この構成では、回転速度NEが大き
くなるほど、点火信号が「ON」になる期間が短くな
り、前記最終積算値SGMEXを算出する際の積算回数
が減少する。従って、前述した噴射量補正値αや掃気判
定カウンタ値CSCANVKを算出する際には、前記算
出回数の減少を回転速度NEに基づいて補正する必要が
ある。
【0107】・上記各実施形態では、点火プラグ5にお
けるくすぶり汚損の程度を、同点火プラグ5の各電極5
a,5b間に流れる電流値iの大きさに基づいて判定す
るようにしたが、例えば、このくすぶり汚損の程度を検
出するセンサを別途設けるようにしてもよい。
【0108】・上記第2の実施形態では、エンジン1の
燃料噴射形態が再噴射モードになったときの始動時最終
噴射量TAUini を算出する際に一定値である補正係数
βを用いている。これに対して、この補正係数βを最終
積算値SGMEXに応じて変更するようにし、同最終積
算値SGMEXが大きくなるほど、この補正係数βを小
さく設定するようにしてもよい。
【0109】
【発明の効果】請求項1に記載した発明では、内燃機関
が始動状態にあるときに、点火プラグにおけるくすぶり
汚損の程度が大きくなるほど、内燃機関に供給される燃
料が相対的に少なくなるようにしている。従って、くす
ぶり汚損の程度が相対的に大きい場合には、燃焼室内に
おける混合気が希薄になり点火プラグに付着した不完全
燃焼生成物の蒸発が促進されるため、くすぶり汚損の早
期解消が図られ、くすぶり汚損の程度が相対的に小さい
場合には、燃焼室内の混合気が過度に希薄になることが
ないため、内燃機関における燃焼状態の安定化が図られ
ることになる。その結果、本発明によれば、燃焼状態の
安定化を図りつつ、くすぶり汚損を早期に解消して機関
の始動性を向上させることができる。
【0110】請求項2に記載した発明では、点火プラグ
におけるくすぶり汚損の程度が大きくなるほど、掃気が
行われる時間(掃気時間)を長く設定するようにしてい
る。従って、くすぶり汚損の程度が相対的に大きい場合
には、点火プラグに付着した不完全燃焼生成物の蒸発が
促進され、くすぶり汚損の早期解消が図られ、くすぶり
汚損の程度が相対的に小さい場合には、掃気時間が過度
に長くなることがないため、内燃機関における燃焼状態
の安定化が図られることになる。その結果、本発明によ
れば、燃焼状態の安定化を図りつつ、くすぶり汚損を早
期に解消して機関の始動性を向上させることができる。
【0111】請求項3に記載した発明では、点火プラグ
の各電極間に流れる電流値を検出し、同電流値が大きい
ほど、くすぶり汚損の程度を大きく判定するようにして
いる。その結果、本発明によれば、請求項1又は2に記
載した発明の効果に加えて、くすぶり汚損の程度を容易
に判定することができる。
【0112】請求項4に記載した発明では、点火プラグ
の各電極間に流れる電流値の所定期間における積算値を
算出し、同積算値が大きいほど、くすぶり汚損の程度を
大きく判定するようにしている。前記電流値の所定期間
における積算値は、ノイズ等の影響を受け難いものであ
るため、本発明によれば、請求項3に記載した発明の効
果に加えて、くすぶり汚損の程度を正確に判定すること
ができる。
【0113】請求項5に記載した発明では、点火コイル
の1次コイルに一次電流が流れる期間において、点火プ
ラグの各電極間に流れる電流値の積算値を算出し、同積
算値が大きいほど、くすぶり汚損の程度を大きく判定す
るようにしている。点火プラグの各電極間に流れる電流
値は火花放電の影響が無く、同電流値の変化は各電極間
における絶縁抵抗の大きさをより反映したものとなるた
め、本発明によれば、くすぶり汚損の程度を更に正確に
判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるエンジン及びECUを
示す概略構成図。
【図2】電流検出装置を示す回路図。
【図3】「くすぶり汚損判定ルーチン」を説明するフロ
ーチャート。
【図4】イグナイタに入力される制御信号と点火プラグ
の各電極間に流れる電流値の変化を示すタイミングチャ
ート。
【図5】最終積算値の算出を説明するためのタイミング
チャート。
【図6】「始動時燃料噴射量制御ルーチン」を説明する
フローチャート。
【図7】最終積算値と噴射量補正値との関係を示すグラ
フ。
【図8】最終積算値と掃気判定カウンタ値との関係を示
すグラフ。
【図9】第2の実施形態における「始動時燃料噴射量制
御ルーチン」を説明するフローチャート。
【図10】同じく、「始動時燃料噴射量制御ルーチン」
を説明するフローチャート。
【図11】始動時最終噴射量の時間的変化を示すグラ
フ。
【符号の説明】
1…エンジン、5…点火プラグ、5a…中心電極、5b
…接地電極、12…スタータスイッチ、16…インジェ
クタ、20…ECU、30…電流検出装置、32…点火
コイル、32a…一次コイル。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段
    と、 前記内燃機関に供給された燃料の点火を行う点火プラグ
    におけるくすぶり汚損の程度を判定するくすぶり汚損判
    定手段と、 前記内燃機関が始動状態にあることを判定する始動状態
    判定手段と、 前記内燃機関が始動状態にあると判定されるときに、前
    記くすぶり汚損の程度が大きいほど、前記内燃機関に供
    給される燃料が少なくなるように前記燃料供給手段を制
    御する制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の
    燃料供給量制御装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関に燃料を供給するとともに、同
    機関の始動時間が所定時間を超えたときには、同機関の
    燃焼室内における掃気を行うべく、燃料の供給を一時的
    に停止する燃料供給手段と、 前記内燃機関に供給された燃料の点火を行う点火プラグ
    におけるくすぶり汚損の程度を判定するくすぶり汚損判
    定手段と、 前記内燃機関が始動状態にあることを判定する始動状態
    判定手段と、 前記内燃機関が始動状態にあるときに、前記くすぶり汚
    損の程度が大きいほど、燃料供給の一時的な停止が行わ
    れる時間が長くなるように前記燃料供給手段を制御する
    制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の燃料供
    給量制御装置。
  3. 【請求項3】 前記くすぶり汚損判定手段は、前記点火
    プラグの各電極間に流れる電流値を検出する検出手段を
    含み、同電流値が大きいほど、前記くすぶり汚損の程度
    を大きく判定するものであることを特徴とする請求項1
    又は2に記載した内燃機関の燃料供給量制御装置。
  4. 【請求項4】 前記くすぶり汚損判定手段は、前記検出
    される電流値の所定期間における積算値を算出する算出
    手段を更に含み、同積算値が大きいほど、前記くすぶり
    汚損の程度を大きく判定するものであることを特徴とす
    る請求項3に記載した内燃機関の燃料供給量制御装置。
  5. 【請求項5】 前記所定期間は、前記点火プラグに高電
    圧を印加する点火コイルの1次コイルに一次電流が流れ
    る期間であることを特徴とする請求項4に記載した内燃
    機関の燃料供給量制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6505605B2 (en) 2000-03-29 2003-01-14 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Control system for an internal combustion engine and method carried out by the same
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