JPH1036300A - トリクロロシラン還元によるアルコールおよびアミンの製造方法 - Google Patents

トリクロロシラン還元によるアルコールおよびアミンの製造方法

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JPH1036300A
JPH1036300A JP21899896A JP21899896A JPH1036300A JP H1036300 A JPH1036300 A JP H1036300A JP 21899896 A JP21899896 A JP 21899896A JP 21899896 A JP21899896 A JP 21899896A JP H1036300 A JPH1036300 A JP H1036300A
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JP
Japan
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trichlorosilane
amine
alcohol
dmf
aldehyde
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JP21899896A
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Osamu Kobayashi
修 小林
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SOUZOU KAGAKU KENKYUSHO KK
Original Assignee
SOUZOU KAGAKU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価で取扱が容易なトリクロロシランを用い
てアルデヒド、ケトンおよびイミンを還元することによ
る1級アルコール、2級アルコールおよび2級アミンの
製造方法を提供することを課題とする。 【構成】 トリクロロシランを含む反応系内に少量のジ
メチルホルムアミド(DMF)を添加することにより、
トリクロロシランにDNFが配位した高活性還元種が発
生させて、アルデヒド、ケトンおよびイミンを対応する
1級アルコール、2級アルコールおよびアミンに還元す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DMF存在下におけ
る、トリクロロシランを用いたアルデヒド、ケトンおよ
びイミンの還元反応による、1級アルコール、2級アル
コールおよび2級アミンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボニル化合物をアルコールに、ある
いはイミンを2級アミンに還元する反応は、有機合成化
学の分野で基本的かつ重要な手法であり、これまでに数
多くの還元剤および還元方法が考案され、現在も活発な
開発が行われている。また、アルデヒドとアミンとを還
元剤の存在下で処理することにより2級アミンを得る方
法は、還元的アミノ化法として知られており、この目的
には通常水素化シアノホウ素ナトリウムが用いられてい
る(Borch,R.F,Bernstein,M.
D,Durst,D.J.Am.Chem.Soc.,
93巻、1971年、2897)。
【0003】一方、トリクロロシランは安価かつ安定で
取扱が容易な化合物であり、イミンをアセトニトリル中
で還流することにより、対応するアミンに還元する(B
enkeser,R.A.and Snyder,D.
C.J.Organomet.Chem.,225巻、
1982年、107〜115)ことが知られている。ま
た、3級アミンの存在下にて、カルボニル化合物を還元
的シリル化し、アルキルシランを生成するが、アルコー
ルは生成しない(Benkeser,R.A.and
Smith ,W.E.J.Am.Chem.So
c.,91巻、1969年、1556〜1557)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価で取扱
が容易なトリクロロシランを用いたアルデヒドおよびケ
トンの還元による1級アルコールおよび2級アルコール
の製造方法を提供することを課題とする。また、本発明
は、トリクロロシランを用いたイミンの還元による2級
アミンの製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは鋭意研究
の結果、上記課題を以下の構成によって達成する事に成
功した。
【0006】すなわち、本発明は、DMF存在下におけ
る、トリクロロシランを用いたアルデヒドおよびケトン
の還元反応による、1級アルコールおよび2級アルコー
ルの製造方法に関する。
【0007】また、本発明は、DMF存在下における、
トリクロロシランを用いたイミンの還元反応による、2
級アミンの製造方法に関する。
【0008】また、本発明は、アルデヒド、アミン、D
MF、トリクロロシランを同一系内で順次加えることに
よる、還元的アミノ化法を用いた、2級アミンの製造方
法に関する。以下、本発明につき詳細に説明する。
【0009】本発明のトリクロロシランによる還元反応
においては、DMFの存在が重要であり、DMF非存在
下での塩化メチレン等の溶媒中では、室温下でも還元反
応は進行しないが、DMF存在下では0゜Cで還元反応
が速やかに進行する。これは、トリクロロシランにDM
Fが配位することにより、高配位ケイ素化合物が形成さ
れ、このものが還元反応に実質的に関与しているためと
考えられる。また、反応の主溶媒としては塩化メチレ
ン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフランな
どの他の溶媒を使用できる。
【0010】本発明のトリクロロシラン−DMFによる
アルデヒドの1級アルコールへの還元反応においては、
アルデヒドの構造はアルキルアルデヒド、アリールアル
デヒドのいずれの場合も収率良く対応する1級アルコー
ルを与える。また、反応は0゜Cで速やかに進行し、分
子内に2重結合やチオエーテル基のような他の官能基が
存在しても、それらに影響を及ぼすことはない。また、
ケトンの2級アルコールへの還元反応においても、ケト
ンの構造はアルキルケトン、アリールケトンのいずれの
場合も収率良く対応する2級アルコールを与える。
【0011】同様に、イミンの2級アミンへの還元反応
においてもトリクロロシラン−DMFは0゜Cで速やか
に進行する。
【0012】さらに、本トリクロロシラン−DMFを用
いる還元反応は、アルデヒドとアミンを反応させて脱水
反応によりイミンを形成させた後、そのまま同一容器内
にて、DMF続いてトリクロロシランを加えることによ
り2級アミンを得る還元的アミノ化反応にも適用可能で
ある。
【0013】以下、本発明の具体的実施例を説明する
が、本発明は、これに限定されるものではない。なお、
実施例において、H−NMRスペクトルは、Jeol
JNM−GX270FT−NMR(日本電子(株)
製)を用いて測定した。
【0014】
【実施例1】 <ベンズアルデヒドのベンジルアルコールへの還元>ベ
ンズアルデヒド(0.4mmol)をDMF−塩化メチ
レン(1:3、3ml)に溶解し、0゜Cにてトリクロ
ロシラン(0.6mmol)の塩化メチレン溶液(1m
l)を加えた。0゜Cにて6時間攪拌した後、メタノー
ル(1ml)を加えた。続いて水を加えた後、不溶物を
ろ過により除いた。有機層をエーテルにて抽出し無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィー
で精製してベンジルアルコールを得た(収率90%)。
生成物のH−NMRスペクトルを図1に示す。
【0015】
【実施例2】 <N−ベンジリデンアニリンのベンジルアニリンへの還
元>N−ベンジリデンアニリン(0.4mmol)をD
MF−塩化メチレン(1:3、2ml)に溶解し、0゜
Cにてトリクロロシラン(0.6mmol)の塩化メチ
レン溶液(0.5ml)を加えた。0゜Cにて4時間攪
拌した後、メタノール(1ml)を加えた。続いて炭酸
水素ナトリウムの飽和水溶液を加えた後、不溶物をろ過
により除いた。有機層をエーテルにて抽出し無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーで精
製してベンジルアニリンを得た(収率97%)。生成物
H−NMRスペクトルを図2に示す。
【0016】
【実施例3】 <ベンズアルデヒド、ベンジルアミンからジベンジルア
ミンへの還元アミノ化>ベンズアルデヒド(0.4mm
ol)の塩化メチレン溶液(0.8ml)にベンジルア
ミン(0.4mmol)の塩化メチレン溶液(0.8m
l)を加えた。1時間攪拌した後、DMF(0.5m
l)を加え、続いて0゜Cにてトリクロロシラン(0.
6mmol)の塩化メチレン溶液(0.4ml)を加え
た。0゜Cにて4時間攪拌した後、メタノール(1m
l)を加えた。続いて炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液
を加えた後、不溶物をろ過により除いた。ろ液に1規定
水酸化ナトリウム水溶液を加えて、有機層をエーテルに
て抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。シリカゲル
クロマトグラフィーで精製してジベンジルアミンを得た
(収率83%)。生成物のH−NMRスペクトルを図
3に示す。
【0017】
【発明の効果】本発明のトリクロロシラン−DMFを用
いた還元反応は、安価で取扱が容易なトリクロロシラン
によりアルデヒド、ケトンおよびイミンを温和な条件下
にて速やかに対応する1級アルコール、2級アルコール
および2級アミンに還元できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたベンジルアルコールの
H−NMRスペクトル図である。
【図2】 実施例2で得られたベンジルアニリンの
−NMRスペクトル図である。
【図3】 実施例3で得られたジベンジルアミンの
−NMRスペクトル図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 209/60 8828−4H C07C 209/60 211/27 8828−4H 211/27 211/45 8828−4H 211/45

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジメチルホルムアミド(DMF)存在下
    における、トリクロロシラン[HSiCl]を用いた
    アルデヒドおよびケトンの還元反応による、1級アルコ
    ールおよび2級アルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 DMF存在下における、トリクロロシラ
    ンを用いたイミンの還元反応による、2級アミンの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 アルデヒド、アミン、DMF、トリクロ
    ロシランを同一系内で順次加えることによる、還元的ア
    ミノ化法を用いた、2級アミンの製造方法。
JP21899896A 1996-07-18 1996-07-18 トリクロロシラン還元によるアルコールおよびアミンの製造方法 Pending JPH1036300A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010504964A (ja) * 2006-09-28 2010-02-18 エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ ヒドロシリル化
JP2015527381A (ja) * 2012-09-06 2015-09-17 デクスレチェム ジーエムビーエイチ ニトロ誘導体からアミンへの還元方法
CN109020779A (zh) * 2018-09-04 2018-12-18 大连理工大学 一种室温空气氛围下将羰基还原为醇的方法

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