JPH103563A - 現金自動取引装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】現金取引装置は紙幣を収納する必要があるため
大形な装置構造となり、重量が重く、広い設置エリアを
要求される等の問題があった。また、大量の紙幣を装置
内に持つため防犯性を高めることも必要である。これら
の問題点を本発明により解決することを目的とする。 【解決手段】金庫部の金種別にある装填・回収金庫に紙
幣の入金と出金ができる機構を持たせることで、装置本
体のリサイクルボックスを必要最低限の紙幣を収納でき
るサイズにし、小形化が実現できる。また、金種別にあ
る装填・回収金庫と高額紙幣の回収金庫およびリジェク
トボックスを一体化した金庫部を、装置と分離した安全
な場所に設置し、さらに防犯性の高い強固な構造とする
ことで小形化のほか防犯性も高めることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金融機関で現金の
預け入れや引出しに使用され、または小売業界で買い物
代金の支払いおよび釣銭の出金に使用される現金自動取
引装置等に利用される。

【０００２】

【従来の技術】従来、現金自動取引装置では、装置内部
に取引きに使用する紙幣および入金される紙幣を大量に
収納する金種毎のリサイクルボックスと紙幣の装填およ
び回収するための金庫を有するため、装置が大形となっ
ていた。

【０００３】また、紙幣が収納されているリサイクルボ
ックスは、紙幣ジャム等の障害時に操作する必要がある
ため軟弱な構造であり、また紙幣を回収する金庫につい
てもキーにより簡単に取り外しできない構造となってい
るものの、特に現金自動取引装置として防犯に対して配
慮がなされていなかった。一部、強盗によりバール、ド
ライバ等でリサイクルボックスや金庫が短時間に破壊さ
れるということに対し、特開平３−２５２７９４や特開
平４−２４７５９１のように現金自動取引装置の外装、
筐体を防犯構造にした例や、現金自動取引装置を設置す
る建家を回転ブースする等により対処している。そのた
めに非常に大形化し、高価となっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来、上記のような現
金自動取引装置では、金種毎のリサイクルボックスと紙
幣を装填および回収する金庫に大量の紙幣を装填する必
要があるため装置が大形となっていたが、本発明では装
置を小形にすることを目的とする。

【０００５】また、防犯に対しては、従来、上記のよう
な現金自動取引装置では建家や外装で防犯対策を行って
いるが、装置自体あるいは付帯設備が極めて高価になっ
てしまうという問題がある。本発明は、装置の小形化の
ほか安価な手段で防犯性能を高めることができる現金自
動取引装置を提供することも目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、金種別の装填・回収金庫と、高額紙幣を
回収する回収金庫と、鑑別部で異常と判定された紙幣を
収納するリジェクトボックスを一体化した金庫部を装置
本体と分離させ、また、金種別の装填・回収金庫に、紙
幣の入金と出金ができる機構を持たせることで、装置本
体のリサイクルボックスには必要最低限の紙幣を収納で
きるサイズにし、装置の小形化を実現する。

【０００７】防犯に対しては、金庫部を防犯性の高い強
固な構造とし、装置本体とは離れた安全な場所に設置す
ることで小形化のほか防犯性を高めることもできる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明する。本発明の現金自動取引装置
は、スーパーやコンビニエンスストア等で使用され、商
品取引きに際し、顧客より預かった紙幣を入金し、釣銭
を返却するための装置である。

【０００９】図１は、本発明を適用した紙幣機構部１お
よび金庫部２の構成を示す図である。千円用装填・回収
金庫３、五千円用装填・回収金庫４、万円用回収金庫
５、リジェクトボックス６は、一体化した金庫部２に内
蔵されている。この金庫部２と紙幣機構部１は、４つの
搬送路により接続されており、紙幣は各々、千円用搬送
路７、五千円用搬送路８、万円用搬送路９、リジェクト
紙幣用搬送路１０を通って搬送される。金庫部２はバー
ルやドライバーで簡単に破壊されない強固な構造とし、
床下等の地下や壁を隔てた隣の部屋に設置することで防
犯性能を高めることができる。紙幣機構部１には、千円
用リサイクルボックス１１、五千円用リサイクルボック
ス１２があり、数回の取引に必要な紙幣を収納できる小
形サイズとなっている。なお、高額紙幣である万円札は
入金のみを扱い出金を取り扱わない装置のため、万円用
にはリサイクルボックスを持たず万円用一時スタッカ１
３で入金処理を行う。

【００１０】図２は、本発明が適用される現金自動取引
装置の機器構成を示すブロック図であり、紙幣機構部
１、金庫部２、硬貨機構部２６、表示部２２、キー入力
部２３、中央処理装置等の上位機２５と接続する回線制
御部２４およびこれらを制御する制御部２１から構成さ
れている。

【００１１】図３は、現金取引装置本体の外観図であ
る。このように構成された現金自動取引装置にあって
は、まず、オペレータがキー入力部２３より買物代金等
の指定金額を入力する。そして、紙幣機構部１の紙幣入
金口１５より入金紙幣を挿入し、入金が完了すると入金
金額が表示部２２に表示される。入金金額を確認した
後、キー入力部２３にある確認キーを押すと、釣銭の返
却動作が実施され、入金金額と指定金額の差額分が釣銭
として、紙幣は紙幣返却口１６から返却され、硬貨は硬
貨機構部２６の硬貨出金口２７より返却される。

【００１２】図４は、現金取引装置本体と金庫部２の接
続形態を示す図である。現金取引装置本体にある紙幣機
構部１と金庫部２とは、搬送路７〜１０にて接続されて
おり、紙幣の搬送を行う。この例では、現金取引装置本
体を机上に設置し、金庫部２を床下に設置している。

【００１３】次に、図１により紙幣機構部１および金庫
部２の紙幣搬送動作について詳細に説明する。

【００１４】まず、現金自動取引装置の運用開始に際
し、千円札、五千円札を千円用装填・回収金庫３および
五千円用装填・回収金庫４へ装填する。

【００１５】装填・回収金庫３、４からリサイクルボッ
クス１１、１２への紙幣の装填動作は、以下の手順によ
る。まず、装填・回収金庫３、４から合流点ｇ４、ｇ１
を通って鑑別部１４で金種の確認、紙幣の重なりチェッ
クを行う。金種の確定した紙幣は、千円札はゲートＧ１
を通って千円用リサイクルボックス１１に、五千円札は
さらにゲートＧ２を通って五千円用リサイクルボックス
１２へ収納される。なお、鑑別部１４で金種確認、紙幣
の重なりチェックで異常を検出した場合は、ゲートＧ１
〜Ｇ４、合流点ｇ６を経てリジェクトボックス６へ回収
される。リサイクルボックス１１、１２の紙幣枚数は、
ソフトカウントにより監視し、規定枚数より少なくなっ
たとき紙幣の補充を行う。このときの紙幣補充も上記装
填動作にて行う。

【００１６】入金動作では、キー入力部２３にて買物代
金等の指定金額を入力した後、紙幣が紙幣入金口１５よ
り入金されると合流点ｇ１を通って鑑別部１４で金種の
確認、計数、紙幣の重なりチェックを行い、千円札はゲ
ートＧ１を経て千円用リサイクルボックス１１へ入金さ
れ、五千円札はさらにゲートＧ２を経て五千円用リサイ
クルボックス１２へ入金される。万円札はゲートＧ１〜
Ｇ３を経て万円一時スタッカ１３に一時スタックされ
る。以上動作で制御部２１において入金紙幣が計数され
る。鑑別部１４で異常と判定された紙幣はゲートＧ１〜
Ｇ４、合流点ｇ５を通って紙幣返却口１６に返却され
る。

【００１７】入金動作が終了し入金金額が表示部２２に
表示され、キー入力部２３にある確認キーを押すことで
入金金額が確定すると、釣銭の返却動作が実施される。
返却動作は、制御部２１にて計数された指定金額と入金
金額の差額紙幣が、千円札は千円用リサイクルボックス
１１から合流点ｇ２、ｇ３、ゲートＧ５、Ｇ６、合流点
ｇ５を経て紙幣返却口１６に返却される。五千円札は五
千円用リサイクルボックス１２から合流点ｇ２、ｇ３、
ゲートＧ５、Ｇ６、合流点ｇ５を経て紙幣返却口１６に
返却される。一時スタックされた装置に回収する高額紙
幣である万円札は、万円一時スタッカ１３から合流点ｇ
３、ゲートＧ５、Ｇ６、Ｇ７を経て、万円用回収金庫５
に回収される。返却する万円札は、万円一時スタッカ１
３から合流点ｇ３、ゲートＧ５、Ｇ６、合流点ｇ５を経
て紙幣返却口１６に返却される。このように、入金のみ
が主な対象となる万円札は、万円一時スタッカ１３のみ
で入金処理を行い、リサイクルボックスを不要とするこ
とで紙幣機構部１を小形化できる。

【００１８】なお、本返却動作において、紙幣重なりを
検知した場合、合流点ｇ２、ｇ３、ゲートＧ５、合流点
ｇ６を経て、リジェクトボックス６に回収し、紙幣２枚
出金を防止する。

【００１９】紙幣の入金により、リサイクルボックス１
１、１２の紙幣枚数が規定枚数より多くなったことがソ
フトカウントにより検知されたときに装填・回収金庫
３、４へ紙幣を回収する。このとき、次の動作で紙幣を
金種毎に装填・回収金庫３、４へ回収する。まず、千円
用リサイクルボックス１１より出金された千円札は、合
流点ｇ２、ｇ３、ゲートＧ５〜Ｇ８を経て千円用装填・
回収金庫３へ回収される。五千円用リサイクルボックス
１２より出金された五千円札は、合流点ｇ２、ｇ３、ゲ
ートＧ５〜Ｇ８を経て五千円用装填・回収金庫４へ回収
される。

【００２０】業務が終了するとリサイクルボックス１
１、１２内の紙幣は、上記動作と同一のルートを通って
装填・回収金庫３、４に回収する。

【００２１】金庫部２の装填・回収金庫３、４は、紙幣
の入金と出金ができる機構を有するため、紙幣機構部１
のリサイクルボックス１１、１２の紙幣枚数がソフトカ
ウントで規定枚数より少なくなったときに装填・回収金
庫３、４より紙幣の補充を行い、規定枚数より多くなっ
たときに装填・回収金庫３、４へ紙幣の回収を行うこと
ができる。これにより、紙幣機構部１のリサイクルボッ
クス１１、１２には、数回の取引に必要な最低限の紙幣
枚数のみを収納した運用が可能となる。金庫部２の装填
・回収金庫３、４には、装置としてのリサイクル紙幣の
大半を収納しておき、紙幣機構部１のリサイクルボック
ス１１、１２には数回の取引に必要な最低限のリサイク
ル紙幣を収納すれば良いため、リサイクルボックス１
１、１２は小形サイズにでき、紙幣機構部１も小形化で
きる。また、回収された万円札は、金庫部２の万円用回
収金庫５に収納し、鑑別部１４にて異常と判定されたリ
ジェクト紙幣は、金庫部２のリジェクトボックス６に収
納する。紙幣機構部１には、回収された万円札とリジェ
クト紙幣を収納する必要がないため、紙幣機構部１を小
形化できる。

【００２２】また、紙幣機構部１のリサイクルボックス
１１、１２と万円一時スタッカ１３は、ジャム等の障害
児に操作するため特に防犯構造を持たない破壊されやす
い構造であるため、必要最低限の紙幣を収納することと
し、強盗等による被害を最少とすることができる。それ
に対し、金庫部２は、床下等の地下や壁を隔てた隣の部
屋に設置するとともに強固な構造を持つ筐体とし、バー
ルやドライバーで簡単に破壊されない構造にしている。
さらに搬送路７〜１０の接続口は、入口が狭く手が入ら
ない構造となっており、防犯性が高い。

【００２３】本実施例のほかの運用形態として、リジェ
クトボックスと万円用回収金庫を一体化して１つの回収
金庫とする。また、万円用の装填・回収金庫を持たせる
ことで万円札の補充および回収ができるようにするなど
がある。

【００２４】以上のように、スーパーやコンビニエンス
ストア等で使用する現金自動取引装置では、装置の設置
スペースが狭く、防犯に対する配慮が必要なため、装置
の小形化と防犯性能が向上する本発明が非常に有効とな
る。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
金庫部の金種別にある装填・回収金庫に紙幣の入金と出
金ができる機構を持たせることで、装置本体のリサイク
ルボックスを必要最低限の紙幣を収納できるサイズにで
き、さらに高額紙幣の回収金庫およびリジェクトボック
スを装置と分離した金庫部に設置することで装置本体の
小形化が実現できる。また、金庫部を装置本体から分離
し、安全な場所に設置し、さらに防犯性の高い強固な構
造とすることで小形化のほか防犯性を高めることもでき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】現金自動取引装置に実装する紙幣機構部の構成
図である。

【図２】現金自動取引装置の機器構成を示すブロック図
である。

【図３】現金自動取引装置本体の外観図である。

【図４】現金自動取引装置本体と金庫部の接続形態図で
ある。

【符号の説明】

１…紙幣機構部、 ２…金庫部、 ３…千円用装填・回
収金庫、４…五千円用装填・回収金庫、 ５…万円用
回収金庫、６…リジェクトボックス、 ７…千円
用搬送路、８…五千円用搬送路、９…万円用搬送路、１
０…リジェクト紙幣用搬送路、１１…千円用リサイクル
ボックス、１２…五千円用リサイクルボックス、１３…
万円一時スタッカ、 １４…鑑別部、 １５…
紙幣入金口、１６…紙幣返却口、２１…制御部、２２…
表示器、 ２３…キー入力部、２４…回線制御部、２
５…上位機、２６…硬貨機構部、２７…硬貨出金口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入金された紙幣を金種毎に収納し、また金
   種毎に収納された紙幣を出金するための金種毎のリサイ
   クルボックスと、紙幣の金種と真偽を判定する鑑別部
   と、この鑑別部で異常と判定された紙幣を収納するリジ
   ェクトボックスと、紙幣の搬送および装置全体を制御す
   る制御部からなる現金自動取引装置において、前記リサ
   イクルボックスとは別に紙幣の入金と出金ができる機構
   を有する金種別の装填・回収金庫と、高額紙幣を回収す
   る回収金庫と、鑑別部で異常と判定された紙幣を収納す
   る前記リジェクトボックスを一体化した金庫部を、装置
   と分離して安全な場所に設置する構成とし、金庫部と装
   置間を紙幣搬送路にて接続し、紙幣を搬送できることを
   特徴とする現金自動取引装置。