JPH1035478A - 流体圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
定させること。 【解決手段】 圧力指令信号に対応する駆動指令値によ
り、供給位置、重なり位置、排気位置に切換制御される
3位置電磁弁4と、前記圧力指令信号と3位置電磁弁4
の出力圧のフィードバック信号とを一致させるべく、3
位置電磁弁4を所定の位置に駆動する駆動指令値を算出
する駆動指令設定部と、前記圧力指令信号とフィードバ
ック信号との差圧、及び、フィードバック信号の変化割
合に応じ、前記駆動指令値に対して加減算すべき補正値
を算出する補正値設定部と、前記駆動指令値が3位置電
磁弁4の重なり位置に対応する重なり指令値から外れて
いる場合、前記補正値設定部から出力される補正値を積
算して補正量を算出し、前記駆動指令値に対し、重なり
位置から離れる方向に前記補正量を加減算して新たな駆
動指令値を3位置電磁弁4に出力する加減算処理部15
とを有するもの。
Description
磁弁を用いて、例えば、鉄道車両の空気ブレーキ装置等
に供給される流体圧の制御を行う流体圧制御装置に関す
るものである。
レーキシリンダ等への出力圧を制御する流体圧制御装置
として、出力圧を増加させる供給位置、出力圧を遮断し
て一定値に保持する重なり位置、出力圧を減少させる排
気位置の3位置に切換制御される3位置電磁弁を用いた
ものがある(例えば、実公平7-31020号公報参照)。
指令に相当する圧力指令信号を受けて3位置電磁弁を上
記の排気位置、供給位置又は重なり位置に制御するため
の3段階の駆動指令値(コイル電流値)を出力すること
により、圧力指令信号に応じた出力圧を発生させること
ができる。3位置電磁弁を排気位置から重なり位置に移
行させる時と、供給位置から重なり位置に移行させる時
とで必要な駆動指令値が異なる場合には、重なり位置に
対応する駆動指令値が2段階に設定されることもある。
この場合には、4段階の駆動指令値が3位置電磁弁に入
力され得る。
は、3位置電磁弁を3段階又は4段階の駆動指令値で切
換制御するものであるため、前記ブレーキシリンダへの
出力圧を圧力指令信号に一致させる際に、オーバーシュ
ート又はアンダーシュートの発生が避けられないものと
なり、出力圧が圧力指令信号に収束するまで長時間を要
するとともに、3位置電磁弁が頻繁に切り換わり、3位
置電磁弁の寿命が短くなるという問題を有していた。
力指令信号とを比較して、両者が一致する方向に、前記
供給位置から排気位置までの任意の駆動指令値を出力す
ることにより、3位置電磁弁の弁開度を制御して、オー
バーシュート又はアンダーシュートを防止することが考
えられる。
電磁弁は、復帰ばねのばね力のばらつきや、摺動部に対
するグリースの付着度合による摺動抵抗の変動、並びに
コイルの吸引力特性のばらつき等により、3位置電磁弁
毎に弁開度が微妙に異なるものであり、あるいは、1つ
の3位置電磁弁においても、経年変化により、同じ圧力
指令信号であっても必ずしも同じ弁開度を得ることがで
きないという問題がある。
動指令値に近い駆動指令値を前記3位置電磁弁に出力す
ると、前記ばらつき等に起因して弁開度が必要以上に小
さくなる場合があり、出力圧が圧力指令信号に応じたも
のとなるまでに長時間を要したり、出力圧と圧力指令信
号との差がある状態で整定したりする問題を有してい
た。
解決して、圧力指令信号に対するオーバーシュート及び
アンダーシュートを防止しながら、出力圧をできるだけ
速やかに圧力指令信号に整定させることができる流体圧
制御装置を提供することを目的とする。そのため、請求
項1に係る流体圧制御装置は、圧力指令信号に対応する
駆動指令値を受けて、出力圧を増加させる供給位置、出
力圧を遮断する重なり位置、出力圧を減少させる排気位
置に切換制御される3位置電磁弁と、前記出力圧のフィ
ードバック信号を発生する圧力センサと、前記圧力指令
信号とフィードバック信号とを受けて、前記圧力指令信
号とフィードバック信号とを一致させるべく、前記3位
置電磁弁を供給位置から排気位置とする間の任意の駆動
指令値を算出する駆動指令設定部と、前記フィードバッ
ク信号の変化割合が基準値よりも小さいとの判断で、前
記駆動指令値に対して加減算すべき補正値を出力する補
正値設定部と、前記駆動指令値が3位置電磁弁を重なり
位置とする際に出力される重なり指令値から外れている
との判断で、前記補正値設定部から出力される補正値を
積算して補正量を算出するとともに、前記駆動指令値に
対し、前記重なり位置から離れる方向に前記補正量を加
減算して新たな駆動指令値を3位置電磁弁に出力する加
減算処理部とを有することを特徴とするものである。
は排気位置とすべき圧力指令信号が出力されると、前記
駆動指令設定部はこの圧力指令信号と、前記3位置電磁
弁の出力圧に対応したフィードバック信号とに基づい
て、駆動指令値を算出し、この駆動指令値に基づいて3
位置電磁弁を駆動する。その後、フィードバック信号が
圧力指令信号に接近すると、オーバーシュート又はアン
ダーシュートを防止するため、前記駆動指令設定部は3
位置電磁弁を重なり位置とすべき重なり指令値に近い駆
動指令値を出力して3位置電磁弁の弁開度を制御する。
上に小さくなると、圧力指令信号とフィードバック信号
との間に差圧が存在する状態でフィードバック信号の変
化割合が基準値よりも小さくなり、前記差圧が存在する
状態で出力圧が整定する恐れがあるので、前記補正値設
定部によって補正値が出力され、この補正値を積算した
補正量が前記加減算処理部によって前記駆動指令値に加
減算されて、これが新たな駆動指令値として出力され
る。これにより、前記フィードバック信号と圧力指令信
号との間の差圧が解消され、フィードバック信号が圧力
指令信号に速やかに一致するようになる。
1の構成において、前記補正値設定部は、前記圧力指令
信号とフィードバック信号との差圧の大小に応じて、前
記補正値を増減させるものである。
させることにより、すなわち、差圧が大きい場合、補正
値を大きくし、差圧が小さい場合、補正値を小さくする
ことにより、出力圧を一層速やかに、且つオーバーシュ
ート、アンダーシュートを生じさせることなく、圧力指
令信号に到達させることが可能になる。
1の構成において、前記加減算処理部は、前記駆動指令
設定部から前記重なり指令値が出力されたとの判断で、
前記算出された補正量を消滅させるものである。
気位置にある状態から、前記重なり指令値が出力される
ことにより、3位置電磁弁が重なり位置に切り換わった
場合、出力圧は遮断されて一定値に保たれる。この場
合、直前の供給位置又は排気位置で蓄積されていた前記
補正量がそのまま残存していれば、前記重なり指令値に
この補正量が加減算されることにより、駆動指令値が重
なり指令値から外れて、供給位置に対応する供給指令値
又は排気位置に対応する排気指令値に切り換わる恐れが
あるが、請求項3のように、重なり指令値が出力された
時点で前記補正量を消滅させることにより、重なり位置
において重なり指令値を保持することができ、圧力指令
信号に対する出力圧の精度を保持することができる。
又、重なり位置において、補正量を一旦クリアしておく
ことにより、次に、供給位置又は排気位置に移行した際
に、補正量を初期値“0”からスタートさせることがで
きる。
3の構成において、前記加減算処理部は、前記駆動指令
値が新たに供給位置側又は排気位置側の値を出力したと
の判断で、前記算出された補正量を一旦消滅させるもの
である。
こと等に起因して、駆動指令値が重なり指令値を出力し
ない状態で、供給位置側から直接排気位置側、又は排気
位置側から直接供給位置側に切り換わる場合があり、こ
の場合、供給位置側から排気位置側、又は排気位置側か
ら供給位置側に切り換わった時点で、前記補正量を一旦
消滅させることにより、切り換わり後の排気位置側又は
供給位置側で初期値を“0”として新たな補正量を出力
することができ、駆動指令値に対し、誤った補正量が加
減算されることを防止できる。
1の構成において、前記加減算処理部は、前記駆動指令
設定部からの駆動指令値が、重なり指令値から供給位置
側に外れている際の補正量の出力割合と、排気位置側に
外れている際の補正量の出力割合とを異なるものとした
ことを特徴とする。
弁の吸引力は、駆動指令値が高い値となるほど変化割合
が大きくなり、逆に駆動指令値が低い値となるほど変化
割合が小さくなる特性を有する。従って、重なり指令値
に対し、駆動指令値が低い値となる供給位置側又は排気
位置側の補正量の出力割合を、駆動指令値が高い値とな
る排気位置側又は供給位置側の補正量の出力割合よりも
大きく設定することで、前記吸引力特性に対応して、電
磁弁を円滑に作動させることができる。
を参照しながら説明する。この実施の形態は、例えば、
鉄道車両の空気ブレーキ装置に供給される流体圧(空気
圧)の制御を行う流体圧制御装置に関するものである。
図2に示すように、流体圧制御装置1は、ブレーキ制御
部2から圧力指令信号Pが入力される制御部3と、この
制御部3により駆動制御される3位置電磁弁4と、3位
置電磁弁4の出力圧を増幅して、前記空気ブレーキ装置
の図示しないブレーキシリンダへ供給する中継弁5と、
3位置電磁弁4の出力圧を検出する圧力センサ6と、圧
力センサ6により検出された出力圧を増幅してフィード
バック信号Qとして制御部3に供給するアンプ7とを有
している。
第1ポートP1と、供給空気溜め8に接続された第2ポ
ートP2と、中継弁5の圧力室5aに接続された第3ポ
ートP3とを有する。排気位置では、3位置電磁弁4の
第1、第3ポートP1、P3が互いに連通して出力圧が
減少し、供給位置では、第2、第3ポートP2、P3が
互いに連通して出力圧が増加し、重なり位置では、第
1、第2、第3ポートP1、P2、P3がいずれも互い
に遮断されて出力圧が一定に保持されるようになってい
る。
ート5bと、前記ブレーキシリンダに接続された第2ポ
ート5cと、供給空気溜め8に接続された第3ポート5
dとを有し、3位置電磁弁4の出力圧を増幅して前記第
2ポート5cから前記ブレーキシリンダに供給するよう
になっている。
制御部2から入力される、指令圧(3位置電磁弁4の出
力圧の指令値)に対応した圧力指令信号と、アンプ7か
ら帰還される、3位置電磁弁4の実際の出力圧に対応し
たフィードバック信号とに基いて、前記指令圧と実際の
出力圧との差圧を算出する差圧算出部11と、前記フィ
ードバック信号に基いて前記実際の出力圧の傾きを算出
する出力圧傾き算出部12と、前記差圧に基いて3位置
電磁弁4に供給すべきコイル電流値A(駆動指令値)を
設定するコイル電流設定部13(駆動指令設定部)と、
前記差圧と出力圧の傾きとに基いて、前記コイル電流値
Aに加減算すべき加減算値D(補正値)を算出する加減
算値設定部14(補正値設定部)と、前記コイル電流値
Aに加減算値Dを加減算して、新たなコイル電流値A’
を出力する加減算処理部15と、加減算処理部15から
出力されたコイル電流値A’に対応したコイル電流を3
位置電磁弁4に出力する電流出力部16とを備えてい
る。
ーチャートに示すように、圧力指令信号に対応する指令
圧と、フィードバック信号に対応する3位置電磁弁4の
実際の出力圧との差圧を算出し(S1)、この差圧に基
いて、コイル電流値Aを算出する(S2)。
チャートに示すように、前記差圧が第1の基準値a1よ
り大きいか否かを判定し(S1)、判定結果がイエス、
つまり、差圧が大であれば、加減算値Dにeを設定する
(S2)。S1の判定結果がノーであれば、続いて、前
記差圧が第2の基準値a2(a2<a1)より小さいか
否かを判定し(S3)、判定結果がノー、つまり、差圧
が中程度であれば、加減算値Dにfを設定する(S
4)。S3で判定結果がイエス、つまり、差圧が小であ
れば、加減算値Dにgを設定する(S5)。但し、e>
f>gである。
きついか否か、つまり、前記傾きが基準値より大きいか
否かを判定し(S6)、判定結果がイエスであれば、前
記加減算値Dを“0”で置換(S7)する一方、S6の
判定結果がノー、つまり、前記傾きが基準値以下で比較
的緩やかであれば、加減算値Dとして前記設定したe、
f又はgをそのまま保持する。
流値Aは下限が完全排気電流値、上限が完全供給電流値
であり、その間、完全排気電流値以上且つβ以下の範囲
が排気位置側電流値、β以上α以下の範囲が重なり電流
値、α以上完全供給電流値以下の範囲が供給位置側電流
値となる。
ャートに示すように、コイル電流値Aがα以上、つま
り、供給位置側電流値であるか否かを判定し(S1)、
判定結果がイエスであれば、加減算値Dの割合設定とし
て1倍を設定する。すなわち、加減算値Dとして、その
ままDを設定する(S2)。続いて、減算量Cに“0”
を設定して、従前の減算量Cをクリアする(S3)。こ
れにより、コイル電流値Aが排気位置側電流値から重な
り電流値を経ずに直接、供給位置側電流値に移行した場
合でも、排気位置側で蓄積された従前の減算量Cがクリ
アされる。従って、以後、コイル電流値Aが重なり電流
値を経ずに直接、排気位置側電流値に移行した場合で
も、減算量Cは初期値“0”となっているので、排気位
置側における減算量が正確に演算される。
Bを計算する(S4)。すなわち、供給位置側において
は、3位置電磁弁4の出力圧は増加するが、例えば、出
力圧が指令圧に到達する以前に整定しつつあるような場
合、コイル電流値Aに加算量Bを加算することにより、
前記出力圧を更に指令圧まで増加させる必要がある。コ
イル電流値Aが排気位置側電流値から供給位置側電流値
に切り換わった場合、加算量Bは初期値“0”であり、
これに前記加減算値Dを加算することにより、新たな加
算量Bを得る。そして、コイル電流設定部13から出力
されるコイル電流値Aに前記加算量Bを加算することに
より、新たなコイル電流値A’を求める(S5)。
合、つまり、供給位置側電流値ではない場合、続いて、
S6でコイル電流値Aがβ以下であるか否か、つまり、
排気位置側電流値であるか否かを判定する(S6)。A
がβ以下、つまり、排気位置側電流値であれば、次に、
前記加減算値Dの出力割合としてk(k>1)を設定
し、k×Dを新たな加減算値Dとする(S7)。これ
は、前記図1に示したように、3位置電磁弁4の吸引力
は、供給位置側、つまり、コイル電流値A(駆動指令
値)が高い領域では、排気位置側、つまり、コイル電流
値Aが低い領域より変化割合が大きいので、前記加減算
値Dの出力割合を排気位置側で供給位置側より大きくし
て、供給位置側と排気位置側とで3位置電磁弁4の作動
特性が略均一になるようにしたものである。
量Bに“0”を設定する(S8)。これは、前記S3と
同様、コイル電流値Aが供給位置側電流値から重なり電
流値を経ずに、直接、排気位置側電流値に移行した場
合、供給位置側で蓄積された加算量Bを一旦クリアする
ためである。次に、減算量C(供給位置側又は重なり位
置側から排気位置側に移行した際の初期値は“0”)に
前記加減算値Dを加算して、新たな減算量Cを求める
(S9)。そして、コイル電流値Aから減算量Cを減算
して新たなコイル電流値A’を求める(S10)。
重なり電流値であれば、続いて、加算量B及び減算量C
に“0”を設定して、従前の加算量B、減算量Cをクリ
アする(S11)。これは、コイル電流値Aが重なり電
流値である時に、この重なり電流値に前記加算量B又は
減算量Cが加減算されることにより、コイル電流値Aが
重なり電流値から外れて、供給位置側電流値又は排気位
置側電流値に移行する不具合を防止するとともに、コイ
ル電流値Aが、重なり電流値から供給位置側電流値又は
排気位置側電流値に移行した際に、この供給位置側電流
値又は排気位置側電流値における加算量B又は減算量C
の初期値を“0”とするために、予め、加算量B及び減
算量Cをクリアしておくものである。コイル電流値Aが
重なり電流値である場合、加減算処理部15でコイル電
流値Aをそのまま新たなコイル電流値A’として出力す
る(S12)。
位置電磁弁4の出力圧の制御例を説明する。図6の
(a)に示すように、時刻t1位前には、前記空気ブレ
ーキ装置のブレーキシリンダは排気状態にあり、従っ
て、コイル電流値Aは完全排気電流値となっており、こ
の場合、(b)に示すように、3位置電磁弁4の指令圧
Xと実際の出力圧Yとは一致している。
制動状態とする場合、時刻t1に図2に示す流体圧制御
装置1の制御部3に、3位置電磁弁4の指令圧Xに対応
してブレーキ制御部2から出力される圧力指令信号が増
加し始めるのに応じて、前記制御部3はコイル電流値A
を完全排気電流値から完全供給電流値に切り換える。そ
の後、制御部3のコイル電流設定部13は、図4のフロ
ーチャートに示したように、指令圧Xと出力圧Yとの差
圧に基いて、コイル電流値Aを設定する。
圧Yは時間遅れで立ち上がらないため、前記差圧が大き
くなり、コイル電流値Aは完全供給電流値を維持する。
時刻t2で実際の出力圧Yが立ち上がると、以後、指令
圧Xと出力圧Yとの差圧が次第に減少するため、前記コ
イル電流設定部13は図6の(a)のt2からt3の区
間に示すように、供給位置側電流値の範囲内でコイル電
流値Aを次第に減少させる。
図6の(b)に示すように、前記差圧が余り変化しない
ため、(a)のように、コイル電流値Aは供給位置側電
流値の範囲内で略一定の値を保持する。このt3からt
4の区間では、図5のフローチャートにおいて、加減算
値設定部14で差圧に応じた加減算値D(e、f又は
g)が設定されるが、S6の出力圧Yの傾きがきついか
否かの判定で、判定結果がイエスとなるため、S7で加
減算値Dが“0”となり、その結果として、加減算処理
部15におけるコイル電流値Aの補正は行われない。
との差圧が存在し、且つ出力圧Yの傾きが緩やかとなる
ため、このままの状態では出力圧Yが指令圧Xに到達す
る以前に整定する恐れがある。しかしながら、本発明で
は、時刻t4以降、t5までの区間では、前記図5のフ
ローチャートのS6の判定結果がノーとなり、前記加減
算値D(e、f又はg)が図7のフローチャートのS4
で加算量Bに加算され、S5でこの加算量Bがコイル電
流値Aに加算されて新たなコイル電流値A’として出力
されることにより、図6中(a)の時刻t4からt5の
区間に示すように、コイル電流値A’が次第に増加、つ
まり、重なり電流値から離れる方向へ変化する。
でコイル電流値A’が次第に増加した効果が現れて、出
力圧Yが次第に増加し、指令圧Xに接近する。このよう
に、t5からt6の区間では、出力圧Yに再び傾きが出
るため、図4のフローチャートのS6の判定がイエスと
なり、従って、S7で加減算値Dが“0”となってコイ
ル電流値Aは再び略一定となる。
と、以後は出力圧Yを一定に保持して所定の制動状態を
保持するため、コイル電流設定部13はコイル電流値A
を重なり電流値(β以上α以下)の中央値付近まで低下
させ、以後、前記制動状態を維持する限り、コイル電流
値Aを前記重なり電流値に維持する。
緩める場合、前記ブレーキ制御部2が指令圧Xに対応し
て圧力指令信号を低下させると、制御部3がそれに応じ
てコイル電流値Aを完全排気電流値に低下させる。以
後、t7乃至t12における動作は前記t1乃至t6に
おける制動時と逆の動作となるので、ここでは詳述しな
い。なお、緩め動作時においては、時刻t10からt1
1の区間で、加減算値Dが積算された減算量Cが、コイ
ル電流値Aから減算されて新たなコイル電流値A’が出
力されることにより、コイル電流値A’が減少、つま
り、重なり電流値から離れる方向に変化し、それに基い
て、時刻t11以降、出力圧Yが減少して、時刻t12
で指令圧Xと一致する。
(b)の指令圧X及びそれに対応する圧力指令信号は、
目標値に向けてアナログ的に変化するものであるが、前
記指令圧X及び圧力指令信号はディジタル的に変化する
ものであってもよい。又、前記実施の形態では、3位置
電磁弁4を駆動する駆動指令値としてコイル電流値を用
いたが、コイル電流値に代えて、コイル電圧を用いても
よい。更に、前記の3位置電磁弁4は、図1に示すよう
に、供給位置側で駆動指令値(コイル電流値等)が高
く、排気位置側で駆動指令値が低い構成となっている
が、逆に供給位置側で駆動指令値が低く、排気位置側で
駆動指令値が高い3位置電磁弁を用いてもよい。
の流体圧制御装置は、圧力指令信号に対応する駆動指令
値を受けて、出力圧を増加させる供給位置、出力圧を遮
断する重なり位置、出力圧を減少させる排気位置に切換
制御される3位置電磁弁と、前記出力圧のフィードバッ
ク信号を発生する圧力センサと、前記圧力指令信号とフ
ィードバック信号とを受けて、前記圧力指令信号とフィ
ードバック信号とを一致させるべく、前記3位置電磁弁
を供給位置から排気位置とする間の任意の駆動指令値を
算出する駆動指令設定部と、前記フィードバック信号の
変化割合が基準値よりも小さいとの判断で、前記駆動指
令値に対して加減算すべき補正値を出力する補正値設定
部と、前記駆動指令値が3位置電磁弁を重なり位置とす
る際に出力される重なり指令値から外れているとの判断
で、前記補正値設定部から出力される補正値を積算して
補正量を算出するとともに、前記駆動指令値に対し、前
記重なり位置から離れる方向に前記補正量を加減算して
新たな駆動指令値を3位置電磁弁に出力する加減算処理
部とを有するものであるから、圧力指令信号とフィード
バック信号とに差圧が存在する状態でフィードバック信
号の変化割合が基準値より小さくなり、フィードバック
信号が圧力指令信号と一致しない状態で整定する恐れが
ある場合、前記補正量によって駆動指令値を補正するこ
とにより、圧力指令信号とフィードバック信号とを速や
かに一致させることができる。
1の構成において、前記補正値設定部は、前記圧力指令
信号とフィードバック信号との差圧の大小に応じて、前
記補正値を増減させるものであるから、出力圧を一層速
やかに圧力指令信号に到達させることが可能になる。
1の構成において、前記加減算処理部は、前記駆動指令
設定部から前記重なり指令値が出力されたとの判断で、
前記算出された補正値を消滅させるものであるから、重
なり位置において、前記駆動指令値に従前の補正量が加
減算されることにより、3位置電磁弁が重なり位置から
外れて供給位置又は排気位置に移行することを防止で
き、その結果、圧力指令信号に対する出力圧の精度を保
持することができる。
3の構成において、前記加減算処理部は、前記駆動指令
値が新たに供給位置側又は排気位置側の値を出力したと
の判断で、前記算出された補正量を一旦消滅させるもの
であるから、圧力指令信号が急激に変動すること等に起
因して、駆動指令値が重なり指令値を出力しない状態
で、供給位置側から直接排気位置側、又は排気位置側か
ら直接供給位置側に切り換わった場合、切り換わり後の
排気位置側又は供給位置側で新たな補正量として初期値
“0”を出力することができ、駆動指令値に対し、誤っ
た補正量が加減算されることを防止できる。
1の構成において、前記加減算処理部は、前記駆動指令
設定部からの駆動指令値が、重なり指令値から供給位置
側に外れている際の補正量の出力割合と、排気位置側に
外れている際の補正量の出力割合とを異なるものとした
ので、駆動指令値が高い値となるほど変化割合が大きく
なり、逆に駆動指令値が低い値となるほど変化割合が小
さくなる電磁弁の吸引力特性に対応させて、電磁弁を円
滑に作動させることができる。
吸引力との関係を示すグラフ。
示す説明図。
成図。
すフローチャート。
フローチャート。
るコイル電流値並びに該3位置電磁弁の指令圧と実際の
出力圧との関係を示すタイムチャート。
ローチャート。
Claims (5)
- 【請求項1】 圧力指令信号に対応する駆動指令値を受
けて、出力圧を増加させる供給位置、出力圧を遮断する
重なり位置、出力圧を減少させる排気位置に切換制御さ
れる3位置電磁弁と、前記出力圧のフィードバック信号
を発生する圧力センサと、 前記圧力指令信号とフィードバック信号とを受けて、前
記圧力指令信号とフィードバック信号とを一致させるべ
く、前記3位置電磁弁を供給位置から排気位置とする間
の任意の駆動指令値を算出する駆動指令設定部と、 前記フィードバック信号の変化割合が基準値よりも小さ
いとの判断で、前記駆動指令値に対して加減算すべき補
正値を出力する補正値設定部と、 前記駆動指令値が3位置電磁弁を重なり位置とする際に
出力される重なり指令値から外れているとの判断で、前
記補正値設定部から出力される補正値を積算して補正量
を算出するとともに、前記駆動指令値に対し、前記重な
り位置から離れる方向に前記補正量を加減算して新たな
駆動指令値を3位置電磁弁に出力する加減算処理部とを
有することを特徴とする流体圧制御装置。 - 【請求項2】 前記補正値設定部は、前記圧力指令信号
とフィードバック信号との差圧の大小に応じて、前記補
正値を増減させるものである請求項1記載の流体圧制御
装置。 - 【請求項3】 前記加減算処理部は、前記駆動指令設定
部から前記重なり指令値が出力されたとの判断で、前記
算出された補正量を消滅させるものである請求項1記載
の流体圧制御装置。 - 【請求項4】 前記加減算処理部は、前記駆動指令値が
新たに供給位置側又は排気位置側の値を出力したとの判
断で、前記算出された補正量を一旦消滅させるものであ
る請求項3記載の流体圧制御装置。 - 【請求項5】 前記加減算処理部は、前記駆動指令設定
部からの駆動指令値が、重なり指令値から供給位置側に
外れている際の補正量の出力割合と、排気位置側に外れ
ている際の補正量の出力割合とを異なるものとした請求
項1記載の流体圧制御装置。
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