JPH1035370A - 内装化粧部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内装化粧部材の木目込み作業を廃止しても中
接ぎを可能とし、材料の投入量を少なくし、組立の簡易
化による原価を著しく低減した内装化粧部材を提供する
こと。 【解決手段】 一方の部材２の一端部２ａの上に他方の
部材３の一端部３ａを重ね合わせて相互に固設してなる
と共に前記一方の部材２の他端部２ｂにシール部材４を
支持してなり、該一方の部材２は、芯材５及び該芯材５
を覆う表皮６より少なくとも構成されてなる内装化粧部
材において、前記一方の部材２の他端部２ｂの芯材５に
は、該芯材５を覆う表皮６に係合可能な突起部７が形成
されてなること。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、船舶、航
空機などの乗り物のドア、サイドパネル、バックパネル
などに用いられる分割式の内装化粧部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の内装化粧部材としては、図６（実
開平２−２１０６３号公報参照）に示すような例があ
る。

【０００３】即ち、例えば自動車の内装化粧部材として
の合成樹脂製のドアトリム１は、一方の部材としての上
部材２と、他方の部材としての下部材３とよりなる。
該上部材２の一端部としての下端部２ａの上には、前記
下部材３の一端部としての上端部３ａを重ね合わせて、
該下端部２ａより上端部３ａ側にビス１２により相互に
支持されてなる。

【０００４】前記上部材２の他端部としての上端部２ｂ
には、図示しないサイドドア内より雨水などが逆流しな
いようにサイドウインドパネルの内面側に密接するシー
ル部材４を支持してなる。

【０００５】該上部材２は、ポリプロピレン複合材など
の合成樹脂板により形成されてなる芯材５と、該芯材５
を覆うポリ塩化ビニルなどの第１表皮部材３１と、前記
芯材５に閉ループ状に形成されてなる凹部３３内に第１
表皮部材３１と共に端部３２ａが木目こまれることで前
記第１表皮部材３１を覆う位置に支持される布地などの
第２表皮部材３２とより少なくとも構成されてなる。

【０００６】該第２表皮部材３２は、ドアトリム１が一
様の第１表皮部材３１であることによる意匠の自由度阻
害を防止して、客層の好みなどに対応できるように第１
表皮部材３１の中間等、目立つ位置に配設されるもの
で、所謂「中接ぎ」と一般に呼ばれるものである。

【０００７】該第１表皮部材３１の一端部としての上端
部３１ａは、前記芯材５の裏面５ａに支持されてなる鉄
板など適宜の硬度を有する断面Ｌ型芯材３４に沿って折
り返されることで、第１表皮部材３１の端末部３１ｂが
露出しないようにしている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、かかる構
成によれば、前記芯材５の凹部３３内に第１表皮部材３
１と共に第２表皮部材３２の端部３２ａを木目込む加工
は、接着剤により支持されてなるので、該接着の不良に
よる端部３２ａの剥がれが生じないように、加工条件の
厳密な管理を必要とし、作業者の熟練度が求められ、作
業時間が多大に必要など改善が求められている。

【０００９】また、断面Ｌ型芯材３４を内装化粧部材１
の芯材５の他に別物として必要なため、成形型代がかか
り、材料投入量が必要であるばかりか、第１表皮部材３
１の上端部３１ａの折返し作業を必要としているなど、
原価高騰の一原因になることから、改善が求められてい
る。

【００１０】そこで、本発明は、以上のような点に鑑み
てなされたもので、その目的とするところは、内装化粧
部材の木目込み作業を廃止しても中接ぎを可能とし、材
料の投入量を少なくし、組立の簡易化による原価を著し
く低減した内装化粧部材を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１の発明は、一方の部材の一端部の上に他方
の部材の一端部を重ね合わせて相互に固設してなると共
に前記一方の部材の他端部にシール部材を支持してな
り、該一方の部材は、芯材及び該芯材を覆う表皮より少
なくとも構成されてなる内装化粧部材において、前記一
方の部材の他端部の芯材には、該芯材を覆う表皮に係合
可能な突起部が形成されてなることを特徴とする。

【００１２】請求項２の発明は、請求項１の内装化粧部
材であって、前記突起部による表皮の係合部は、前記シ
ール部材によって覆われてなることを特徴とする。

【００１３】請求項３の発明は、請求項２記載の内装化
粧部材であって、前記表皮の係合部は、前記突起部を挿
入可能なる貫通穴により形成されてなることを特徴とす
る。

【００１４】請求項４の発明は、請求項１乃至請求項３
何れか記載の内装化粧部材であって、前記一方の部材の
芯材を覆う表皮は、前記一方の部材の一端部側に配設さ
れてなる第１表皮部材と、前記一方の部材の他端部側に
配設されてなる第２表皮部材とよりなり、該第１表皮部
材は、その一端部が前記他方の部材の一端部によって支
持され、その他端部が前記一方の部材の芯材に形成され
てなる第２突起部に係合されてなり、前記第２表皮部材
は、その一端部が前記突起部に係合されてなり、その他
端部が前記第１表皮部材及び前記芯材に形成された第
２、第３貫通穴内に係合支持されてなることを特徴とす
る。

【００１５】請求項５の発明は、請求項１乃至請求項４
何れか記載の内装化粧部材であって、前記第１表皮部材
及び第２表皮部材は、相互に異質であることを特徴とす
る。

【００１６】請求項６の発明は、請求項５記載の内装化
粧部材であって、前記第１表皮部材は、布地などファブ
リック系の材料よりなり、前記第２表皮部材は、ポリ塩
化ビニルなど合成樹脂フィルム系よりなることを特徴と
する。

【００１７】請求項７の発明は、請求項１乃至請求項６
何れか記載の内装化粧部材であって、第１表皮部材の他
端部には、前記一方の部材の芯材に形成されてなる第２
突起部が係合可能な第４貫通穴と、前記第２表皮部材の
他端部が係合可能な前記第２貫通穴とが、断続的に形成
されてなり、前記第２表皮部材の他端部には、前記第１
表皮部材及び前記芯材の第２、第３貫通穴内に係合可能
な舌片が断続的に形成されてなることを特徴とする。

【００１８】

【発明の効果】以上より明らかなように、請求項１の発
明によれば、一方の部材の芯材を覆う表皮の一端部の上
に、他方の部材の一端部を重ね合わせて相互に固設する
ことで、該表皮の一端部が保持されてなり、前記表皮の
他端部が、前記一方の部材の他端部の芯材に形成されて
なる突起部によって係合されることで、内装化粧部材の
材料の投入量を少なくし、組立の簡易化による原価を著
しく低減することができる。

【００１９】請求項２の発明によれば、請求項１記載の
効果に加え、前記シール部材によって前記突起部による
表皮の係合部が覆われてなるので、表面側からは該係合
部が見えず、意匠を損ねることがない。

【００２０】請求項３の発明によれば、請求項２記載の
効果に加え、前記表皮の貫通穴により前記突起部を挿入
可能なるので、係合部の保持が確実になる。

【００２１】請求項４の発明によれば、請求項１乃至請
求項３何れか記載の効果に加え、前記一方の部材の一様
の芯材は、第１表皮部材と第２表皮部材とより覆われ、
該第１、第２表皮部材は、相互に支持され、しかも芯材
に係合支持されてなるので、木目込み作業を廃止しても
中接ぎを可能できる。

【００２２】請求項５の発明によれば、請求項１乃至請
求項４何れか記載の効果に加え、前記第１表皮部材及び
第２表皮部材は、相互に異質であるので、中接ぎの材料
選択の自由度が著しく増大することになる。

【００２３】請求項６の発明によれば、請求項５記載の
効果に加え、前記第１表皮部材が布地などファブリック
系の材料よりなり、前記第２表皮部材がポリ塩化ビニル
など合成樹脂フィルム系よりなるので、第２表皮部材が
安価でも第１表皮部材によって豪華な雰囲気を醸し出す
ことができる。

【００２４】請求項７の発明によれば、請求項１乃至請
求項６何れか記載の効果に加え、第１表皮部材の他端部
の第４貫通穴を、前記一方の部材の芯材の第２突起部に
係合することで、第１表皮部材が支持され、第１表皮部
材の他端部の第２貫通穴及び前記芯材の第３貫通穴内
に、前記第２表皮部材の舌片が係合されることで、前記
第１表皮部材及び第２表皮部材が芯材に確実に且つ簡易
に保持されることになる。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面と共に説明する。

【００２６】図１乃至図５は、本発明の第１の実施形態
に係る内装化粧部材を示している。即ち、自動車の内装
化粧部材としての合成樹脂製のドアトリム１は、一方の
部材としての上部材２と、他方の部材としての下部材３
とよりなる。

【００２７】該上部材２の一端部としての下端部２ａに
は、前記下部材３の一端部としての上端部３ａを重ね合
わせて、ビス１２を、前記下部材３の上端部３ａに形成
したボス部１８に螺合させることで、相互に固設してな
る。

【００２８】前記下部材３の上端部３ａは、乗員の肘を
サポート可能なるように、アームレスト状に形成されて
なる。

【００２９】また、前記上部材２の他端部としての上端
部２ｂにシール部材４を支持してなる。

【００３０】また、該上部材２は、図示しないドアイン
ナパネルを覆うようにポリプロピレン複合材などで形成
されてなる芯材５及び該芯材５を覆う表皮６より少なく
とも構成されてなり、該芯材５の上端部に垂下部５ｂを
形成して前記シール部材４を保持してなる。

【００３１】前記上部材２の上端部２ｂの芯材５には、
該芯材５を覆う前記表皮６に係合可能な突起部７が形成
されてなる。

【００３２】前記突起部７による前記表皮６の係合部８
に形成されてなる貫通穴９は、前記シール部材４のリッ
プ４ａによって覆われてなる。

【００３３】前記上部材２の芯材５を覆う表皮６は、前
記上部材２の一端部２ａ側に配設されてなり、布地など
ファブリック系の材料よりなる第１表皮部材１０と、前
記上部材２の他端部２ｂ側に配設されてなり、前記第１
表皮部材１０に対して異質のポリ塩化ビニルなど合成樹
脂フィルム系よりなる第２表皮部材１１とよりなる。

【００３４】該第１表皮部材１０は、表皮６の一端部で
もある一端部としての下端部１０ａが、前記したよう
に、前記下部材３の一端部３ａによって支持され、その
他端部としての上端部１０ｂが、前記上部材２の芯材５
に形成されてなる第２突起部１３に係合されてなる。

【００３５】前記第２表皮部材１１は、一端部としての
下端部１１ａが、前記第１表皮部材１０及び前記芯材５
に形成された第２、第３貫通穴１４、１５内に係合支持
されてなり、表皮６の他端部でもある他端部としての上
端部１１ｂが、前記突起部７に係合されてなる。

【００３６】第１表皮部材１０の上端部１０ｂには、前
記上部材２の芯材５に形成されてなる第２突起部１３が
係合可能な第４貫通穴１６と、前記第２表皮部材１１の
下端部１１ｂが係合可能な前記第２貫通穴１４とが、前
後に断続的に形成されてなり、前記第２表皮部材１１の
下端部１１ａには、前記第１表皮部材１０及び前記芯材
５の第２、第３貫通穴１４、１５内に係合可能な舌片１
７が前後に断続的に形成されてなる。

【００３７】以上より明らかなように、本発明の第１の
実施形態によれば、上部材２の芯材５を覆う第１表皮部
材１０の下端部１０ａの上に、下部材３の一端部３ａを
重ね合わせて相互に固設することで、該第１表皮部材１
０の一端部１０ａが保持されてなり、前記第２表皮部材
１１の上端部１１ｂが、前記上部材２の他端部２ｂの芯
材５に形成されてなる突起部７によって係合されること
で、内装化粧部材１の材料の投入量を少なくし、組立の
簡易化による原価を著しく低減することができる。

【００３８】また、前記シール部材４によって前記突起
部７による前記第２表皮部材１１の上端部１１ｂの係合
部８が覆われてなるので、表面側からは該係合部８が見
えず、意匠を損ねることがない。

【００３９】また、前記前記第２表皮部材１１の上端部
１１ｂの貫通穴９により前記突起部７を挿入可能なるの
で、係合部８の保持が確実になる。

【００４０】また、前記上部材２の一様の芯材５は、第
１表皮部材１０と第２表皮部材１１とより覆われ、該第
１、第２表皮部材１０、１１は、相互に支持され、しか
も芯材５に係合支持されてなるので、木目込み作業を廃
止しても中接ぎを可能できる。

【００４１】前記第１表皮部材１０及び第２表皮部材１
１は、相互に異質であるので、中接ぎの材料選択の自由
度が著しく増大することになる。

【００４２】前記第１表皮部材１０が布地などファブリ
ック系の材料よりなり、前記第２表皮部材１１がポリ塩
化ビニルなど合成樹脂フィルム系よりなるので、第２表
皮部材１１が安価でも第１表皮部材１０によって豪華な
雰囲気を醸し出すことができる。

【００４３】また、第１表皮部材１０の他端部１０ｂの
第４貫通穴１６を、前記上部材２の芯材５の第２突起部
１３に係合することで、第１表皮部材１０が支持され、
第１表皮部材１０の上端部１０ｂの第２貫通穴１４及び
前記芯材５の第３貫通穴１５内に、前記第２表皮部材１
１の舌片１７が係合されることで、前記第１表皮部材１
０及び第２表皮部材１１が芯材５に確実に且つ簡易に保
持されることになる。

【００４４】前記説明で、内装化粧部材としてドアトリ
ム１を、例として説明したが、これに限らず、サイドパ
ネル、バックパネルなど化粧部材が施される部位であれ
ば、本願発明の範疇であることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態に係る化粧部材の斜視
図。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図。

【図３】図１のＢーＢ線に沿う断面図。

【図４】図１のＣ−Ｃ線に沿う断面図。

【図５】図１の要部の分解斜視説明図。

【図６】従来例の図２相当断面図。

【符号の説明】

１ 内装化粧部材としての合成樹脂製のドアトリム ２ 一方の部材としての上部材 ２ａ 上部材の一端部としての下端部 ２ｂ 上部材の他端部としての上端部 ３ 他方の部材としての下部材 ３ａ 下部材の一端部としての上端部 ４ シール部材 ５ 芯材 ６ 表皮 ７ 突起部 ８ 係合部 ９ 貫通穴 １０ 第１表皮部材 １０ａ 表皮の一端部である一端部としての下端部 １１ 第２表皮部材 １１ｂ 表皮の他端部である他端部としての上端部 １３ 第２突起部 １４ 第２貫通穴 １５ 第３貫通穴 １６ 第４貫通穴 １７ 舌片

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方の部材の一端部の上に他方の部材の
   一端部を重ね合わせて相互に固設してなると共に前記一
   方の部材の他端部にシール部材を支持してなり、該一方
   の部材は、芯材及び該芯材を覆う表皮より少なくとも構
   成されてなる内装化粧部材において、 前記一方の部材の他端部の芯材には、該芯材を覆う表皮
   に係合可能な突起部が形成されてなることを特徴とする
   内装化粧部材。
2. 【請求項２】 請求項１の内装化粧部材であって、 前記突起部による表皮の係合部は、前記シール部材によ
   って覆われてなることを特徴とする内装化粧部材。
3. 【請求項３】 請求項２記載の内装化粧部材であって、 前記表皮の係合部は、前記突起部を挿入可能なる貫通穴
   により形成されてなることを特徴とする内装化粧部材。
4. 【請求項４】 請求項１乃至請求項３何れか記載の内装
   化粧部材であって、 前記一方の部材の芯材を覆う表皮は、前記一方の部材の
   一端部側に配設されてなる第１表皮部材と、前記一方の
   部材の他端部側に配設されてなる第２表皮部材とよりな
   り、 該第１表皮部材は、その一端部が前記他方の部材の一端
   部によって支持され、その他端部が前記一方の部材の芯
   材に形成されてなる第２突起部に係合されてなり、 前記第２表皮部材は、その一端部が前記突起部に係合さ
   れてなり、その他端部が前記第１表皮部材及び前記芯材
   に形成された第２、第３貫通穴内に係合支持されてなる
   ことを特徴とする内装化粧部材。
5. 【請求項５】 請求項１乃至請求項４何れか記載の内装
   化粧部材であって、 前記第１表皮部材及び第２表皮部材は、相互に異質であ
   ることを特徴とする内装化粧部材。
6. 【請求項６】 請求項５記載の内装化粧部材であって、 前記第１表皮部材は、布地などファブリック系の材料よ
   りなり、前記第２表皮部材は、ポリ塩化ビニルなど合成
   樹脂フィルム系よりなることを特徴とする内装化粧部
   材。
7. 【請求項７】 請求項１乃至請求項６何れか記載の内装
   化粧部材であって、 第１表皮部材の他端部には、前記一方の部材の芯材に形
   成されてなる第２突起部が係合可能な第４貫通穴と、前
   記第２表皮部材の他端部が係合可能な前記第２貫通穴と
   が、断続的に形成されてなり、 前記第２表皮部材の他端部には、前記第１表皮部材及び
   前記芯材の第２、第３貫通穴内に係合可能な舌片が断続
   的に形成されてなることを特徴とする内装化粧部材。