JPH1034468A - 多品種ワークの固定治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳造加工された各種ワークのバリ取り加工、
あるいは湯口部排除加工の際に用いられるワークの固定
治具、特に、多品種にわたるそれぞれ異なったワークを
自在に固定し得る多品種ワークの固定治具であって、多
品種にわたる異なったワークをそれぞれ自在に固定し得
て各ワークの専用治具を必要とせず、したがって、装置
が小型化され、かつ治具入れ替え装置も必要とせず、さ
らに加工屑の堆積が防止される。 【構成】 加工すべきワーク３を所定の加工位置に位置
決めするワーク位置決め機構１と、この位置決め機構に
よって位置決めされたワークをクランプするクランプ機
構２とからなり、前記位置決め機構１がプログラムデー
タによって数値制御され、これにより、多品種にわたる
いかなるワーク３をも所定の加工位置に位置決めし得る
ようにし、さらに、前記クランプ機構２が多数のクラン
プにより構成され、これにより、多品種にわたるいかな
るワーク３をもクランプし得るように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は鋳造加工された各種
ワークのバリ取り加工、あるいは湯口部排除加工の際に
用いられるワークの固定治具に係り、特に、多品種にわ
たるそれぞれ異なったワークを自在に固定し得る多品種
ワークの固定治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車の各種部品、例えば、シリンダー
ヘッド、シリンダーブロック、インテークマニホールド
等はアルミや鉄を鋳造加工して製造される。この鋳造に
よって得られる鋳造品（ワーク）はバリや湯口部を有し
ているため、ワークを治具に収納固定し、ワーク加工装
置を用いて仕上加工を施すことにより、これらバリや湯
口部を排除しなければならない。しかも、これらワーク
は多品種にわたっており、それぞれ大きさ、形状等を異
にするものである。

【０００３】上記ワークを固定する治具として、従来、
特定品種のワークのみにしか適用されない特定治具が使
用されているが、これでは不便であるため、前記特定治
具を自動入替装置により、多種類配置して多品種にわた
る異なったワークを固定し得るようにした固定治具が開
発されている。

【０００４】この種の固定治具として、従来、図３に示
される治具段取替方式が知られてる。図３において、10
はバリ取り加工ないしは湯口部取り加工すべきワークで
あって、治具段取替装置11に備えられワーク固定治具12
の載置台15上に配置され、この載置台15に備えられたク
ランプ機構13によって固定される。

【０００５】このワーク固定治具12の載置台15は上述の
ワーク10に適合した特定のものであって、クランプ機構
13も上述のワーク10に適合する。

【０００６】上述のワーク10はそれぞれ多品種にわたる
異なった形状、大きさのものであるので、これらを固定
するワーク固定治具12、12・・・ 12もまたそれぞれ各ワー
ク10の形状、大きさに適合した専用の載置台15を有す
る。すなわち、ワーク固定治具12、12 ・・・12の載置台1
5、15・・・ 15はそれぞれ大きさ、形状を異にし、かつク
ランプ機構13、13・・・ 13もそれぞれのワーク10に適合し
た専用のものである。

【０００７】ワーク固定治具12に固定されたワーク10は
ワーク加工装置14により位置決めされ、図示しない加工
用ツールによりバリや湯口部が取り除かれ、仕上処理が
施される。次いで、治具段取装置11を回転して隣接する
別のワーク固定治具12をワーク加工装置14に誘導し、こ
のワーク固定治具12に適合する別品種のワーク10をこの
治具12に固定して同様にして仕上処理を行う。この操作
を順次に繰り返して多品種のワークの仕上処理を行う。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述公知の治
具段取替方式では、各ワークの形状、大きさにそれぞれ
適合する専用のワーク固定治具を複数個備えたものであ
るので、各ワークの専用固定治具を必要とするのみなら
ず、装置が大型化され、かつ、治具入れ替え装置も必要
となり、さらに、加工屑が装置に堆積されるという欠点
を有している。

【０００９】そこで、本発明の目的は多品種にわたる異
なったワークをそれぞれ自在に固定し得て各ワークの専
用治具を必要とせず、したがって、装置が小型化され、
かつ治具入れ替え装置も必要とせず、さらに加工屑の堆
積が防止され、上述の公知技術に存する欠点を改良した
多品種ワークの固定治具を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の多品種ワークの固定治具によれば、加工す
べきワークを所定の加工位置に位置決めするワーク位置
決め機構と、この位置決め機構によって位置決めされた
ワークをクランプするクランプ機構とからなり、前記位
置決め機構がプログラムデータによって数値制御され、
これにより多品種にわたるいかなるワークをも所定の加
工位置に位置決めし得るようにし、さらに、前記クラン
プ機構が多数のクランプにより構成され、これにより多
品種にわたるいかなるワークをもクランプし得るように
することを特徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面を用いて
詳述する。

【００１２】図１は本発明にかかる多品種ワーク固定治
具の一具体例の斜視図であり、図２は本発明にかかるワ
ーク位置決め機構およびクランプ機構の機能を表した説
明図である。

【００１３】図１および図２に示されるように、本発明
にかかる治具Ｘは基本的にはワーク位置決め機構１と、
クランプ機構２とから構成される。

【００１４】ワーク位置決め機構１は加工すべきワーク
３を載置台４上の所定の加工位置に位置決めするもので
あって、治具Ｘの外に設置されたプログラムデータによ
って数値制御（ＮＣ制御）され、多品種にわたる異なっ
たワーク３を所定の加工位置に自動的に位置決めする。

【００１５】例えば、図２に示されるように、ワーク位
置決め機構１のＬ型固定棒５の先端片６（折り曲がり部
分）をワーク３の空洞７内に挿入し、この状態でワーク
位置決め機構１の押圧片８をＮＣ制御によって矢印方向
に押圧すると、先端片６が空洞７の内壁に押圧されてワ
ーク３が位置決めされ、固定される。

【００１６】クランプ機構２は載置台４上に位置決め載
置されたワーク３をクランプするものであって、多数の
並列されたクランプによって構成される。この種のクラ
ンプ機構２は特定のクランプがワーク３の特定位置を限
定してクランプするものではなく、多数のクランプによ
って不特定のワーク位置をクランプするものである。

【００１７】したがって、本発明にかかるクランプ機構
２は形状、大きさ等の異なるいかなるワーク３でさえも
いずれかのクランプによってクランプされ、多品種にわ
たるワークをクランプすることができる。なお、クラン
プ機構１は図２に示されるように、ワーク３の両側に設
けてワーク３を両側からクランプすることが好ましい。

【００１８】上述のようにして載置台４上に固定された
ワーク３はワーク加工装置９により位置決めされ、図示
しない加工用ツールによりバリや湯口部が取り落とさ
れ、仕上げ加工が施される。

【００１９】

【発明の効果】上述の本発明治具は位置決め機構１が外
部設置の所望のプログラムデータによって数値制御され
るから、多品種にわたるいかなるワークをも所定の加工
位置に位置決めし得、さらにクランプ機構２が多数の並
列されたクランプによって構成されるから、多品種にわ
たるいかなるワークをもクランプし得る。

【００２０】したがって、本発明治具は多品種にわたる
異なったワークを自在に固定し得て、従来のように各ワ
ークの専用治具を必要とせず、このため、従来のものよ
りも３分の２の大きさに小型化され、かつ治具入れ替え
装置も必要としない。

【００２１】さらに、本発明治具は図２に示される従来
の治具段取替装置と異なって面積が小さいため、加工屑
の堆積場所が小さく、したがって、加工屑はほとんど堆
積されない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる治具の一具体例の斜視図であ
る。

【図２】本発明のワーク位置決め機構およびクランプ機
構の機能を表した説明図である。

【図３】従来の多品種ワークの固定治具の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ ワーク位置決め機構 ２ クランプ機構 ３ ワーク ４ 載置台 Ｘ 本発明にかかる治具

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加工すべきワークを所定の加工位置に位
   置決めするワーク位置決め機構と、この位置決め機構に
   よって位置決めされたワークをクランプするクランプ機
   構とからなり、前記位置決め機構がプログラムデータに
   よって数値制御され、これにより、多品種にわたるいか
   なるワークをも所定の加工位置に位置決めし得るように
   し、さらに、前記クランプ機構が多数のクランプにより
   構成され、これにより、多品種にわたるいかなるワーク
   をもクランプし得るようにすることを特徴とする多品種
   ワークの固定治具。