JP3368849B2 - 試験片の加工装置および方法 - Google Patents

試験片の加工装置および方法

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JP3368849B2
JP3368849B2 JP31882898A JP31882898A JP3368849B2 JP 3368849 B2 JP3368849 B2 JP 3368849B2 JP 31882898 A JP31882898 A JP 31882898A JP 31882898 A JP31882898 A JP 31882898A JP 3368849 B2 JP3368849 B2 JP 3368849B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料の引張試
験など機械的、物理的性質を試験するために用いられる
試験片の加工装置および加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属製品で20mm以下の薄板は、板状
または平板状の試験片、たとえばJIS5号試験片など
による引張り試験が規定されているが、特にアルミニウ
ムなどの軟質材はバリが生じ易く、引張り試験片成形の
ネックとなっている。
【0003】試験片に加工される被加工部材(「元板」
ともいう)は、板材をプレスの打ち抜きか鋸盤の切り出
しにより加工するが、バリは避けられない。また、試験
片に加工する際には、被加工部材を多数積み重ねて切削
するが、バリによる隙間が新たな切削バリを発生させ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の加工装置または加工方法は、試験片の巾方向片側面
(端面)を切削し、掴み換え反対側側面を切削する場
合、バリは少なくなるが、煩雑であり掴み換え時に各試
験片がずれて各試験片の仕上げ寸法誤差が生じ易く精度
保証が出来ない。また、長手方向の引張り試験時の掴み
部である両端部を固定し切削する場合、各試験片間にバ
リによる隙間が残り精度保証はできるがバリの発生は避
けられない。
【0005】本発明の課題は、バリのない寸法精度の良
好な試験片を容易に得られることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、機械的、物理的性質を試験するために用いら
れる板状の試験片の加工装置において、前記試験片に加
工される板状の被加工部材を複数重ねて押える押え手段
と、略円柱の外側面に切刃を有し回転する切削工具と、
前記切削工具の切刃を前記被加工部材の長手方向に沿っ
て移動させる第1の移動装置と、前記切削工具の切刃を
前記被加工部材の長手方向の一方の側から他方の側に相
対的に移動させかつそれぞれの側の側面に押し付ける第
2の移動装置とを備えてなり、前記押え手段は、前記被
加工部材が載置されるクランプベースと、該クランプベ
ースと前記被加工部材を挟んで対向し、該クランプベー
スと前記被加工部材の長手方向を挟んだ両端部で結合さ
れるクランプトップとを備え、前記クランプベースおよ
び前記クランプトップは、前記被加工部材を長手方向の
全長にわたって押え、前記被加工部材の長手方向と直交
する方向の幅が前記試験片の仕上げ幅より小さく形成さ
なることである。第2の移動装置により試験片に加工
される被加工部材の長手方向側面に、略円柱の外側面に
切刃を有し回転する切削工具の切刃を押し付け、被加工
部材の長手方向側面を容易に切削し、板状の試験片を得
ることができる。
【0007】
【0008】押え手段により被加工部材の長手方向中央
部を押える。工具回転手段により切削工具を回転させ、
押し付け手段の第2の移動装置により被加工部材と切削
工具とを長手方向と直交する方向に相対的に移動させ、
被加工部材の側面に切削工具を押し付け、被加工部材の
側面に切り込むことができる。さらに、第1の移動装置
により被加工部材と切削工具とを長手方向に相対的に移
動させることにより、被加工部材を長手方向に加工する
ことができる。また、押え手段により被加工部材の中央
部を長手方向に渡って押え固定するので、切削工具によ
りバリのある被加工部材の側面を切削することによりバ
リが除去され、被加工部材同士の隙間はなくなり、バリ
のほとんどない試験片が得られる。また、押え手段は被
加工部材の中央部を長手方向に渡って押え固定するの
で、切削工具は押え手段に接触することなく被加工部材
の側面を切削工具の側面で容易に切削し、所要形状の試
験片に切削できる。
【0009】そして、前記工具回転手段を前記切削工具
の軸方向に移動させる工具移動手段を備えてなることで
ある。工具移動手段を備えることにより、被加工部材の
一方の片側側面を加工した後に、工具回転手段を切削工
具の軸方向、たとえば上方向に移動させ、切削工具が被
加工部材の他方の片側側面に位置するように移動させ、
被加工部材の他方の側面を加工することができる。
【0010】本発明の試験片の加工装置は、切削工具を
回転させて被加工部材の側面に押し付けて加工するの
で、無理なく切削することが可能であり、バリのない寸
法精度の良好な試験片を容易に得ることができる。被加
工部材が薄板の場合であっても、当て板を介して押える
ことにより切削が可能である。切削の際は、被加工部材
の形状に応じて切削工数を選択する。各コースともに2
〜4回の荒削りを行った後に、1〜2回の仕上げ切削を
行う。この切削条件の違いにより切削工具の回転数、被
加工物の切り込み量と長手方向への移動速度が最適とな
るように設定され、反復切削加工を行う。そして、この
切削工具を被加工部材に押し付けて切削する時に、切削
きり屑が細かく分断されて下に落ちるので、試験片の表
面に発生した切削きり屑の巻き込みによる加工傷を付け
ることがない。また、熱の発生も少なく寸法精度の良好
な試験片が得られる。
【0011】また、本発明の機械的、物理的性質を試験
するために用いられる板状の試験片の加工方法は、前記
試験片に加工される被加工部材を複数重ね、押え手段に
よって該被加工部材を長手方向全長にわたって押えると
ともに、略円柱の外側面に切刃を有する切削工具を回転
させながら該切刃を前記被加工部材の長手方向に沿った
一方の側面に押し付け、該被加工部材と前記切削工具を
前記長手方向に相対的に移動させながら切削加工し、前
記切削工具を前記長手方向と直交する方向に移動し、該
被加工部材の他方の側面に押し付け、該被加工部材と前
記切削工具を前記長手方向に移動させながら切削加工し
てなり、前記押え手段は、前記被加工部材が載置される
クランプベースと、該クランプベースと前記被加工部材
を挟んで対向し、該クランプベースと前記被加工部材の
長手方向を挟んだ両端部で結合されるクランプトップと
を備えてなり、前記クランプベースおよび前記クランプ
トップは、前記被加工部材の長手方向と直交する方向の
幅が前記試験片の仕上げ幅より小さく形成されなること
を特徴とするものである。
【0012】上記試験片の加工方法は、先の加工装置と
同様に、無理なく切削することが可能になり、バリのな
い寸法精度の良好な試験片を容易に得ることができる。
被加工部材が薄板の場合であっても、当て板を介して押
えることができる。また、切削工具を被加工部材に押し
付け切削する時に、切削きり屑の巻き込みが連続して発
生することがなく細かく分断されて下に落ちるので、試
験片の表面に切削きり屑による加工傷を付けることがな
い。また、熱の発生も少なく寸法精度の良好な試験片が
得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る試験片の加工
装置および加工方法の実施の形態を図面に基づいて詳細
に説明する。尚、図1〜8において、同一又は同等部分
には同一符号を付けて示す。
【0014】図1は、本発明に係る試験片の加工装置の
一実施形態を示す正面図である。図2は、図1の左側面
図である。図3は、図1の I−I 線断面図である。図4
は、図1の平面図である。本実施形態の試験片の加工装
置1は、金属材料の機械的、物理的性質の試験、たとえ
ば引張試験などに使用する板状の試験片の加工に使用さ
れるもので、たとえばJIS5号引張試験片を自動成形
する場合に最適な加工装置である。試験片に加工される
べき被加工部材(「元板」ともいう)の長手方向両端外
側のテーブルの下に油圧シリンダーを設け、押え板(ま
たは後述のクランプトップ6)を介し多数の被加工部材
の中央を継続して押えて、これら各被加工部材を密着さ
せ切削バリの介入を無くす。さらに、エンドミルカッタ
−などの切削工具とXYテーブルをシーケンサーとサー
ボモーターやインバーターと組合わせ、全自動運転によ
り人力の介入を不要とするものである。
【0015】図1に示すように、試験片の加工装置1
は、試験片に加工されるべき被加工部材67の長手方向
68側面に、回転する略円柱のエンドミルカッタ−(切
削工具)18の外側面を押し付ける押し付け手段23を
備える。エンドミルカッタ−18の外側面には、切刃1
9が形成されている。さらに、試験片の加工装置1は、
被加工部材67の長手方向中央部70(図2)を押える
押え手段5と、エンドミルカッタ−18を回転させる工
具回転手段14と、この工具回転手段14をエンドミル
カッタ−18の軸方向20に移動させる工具移動手段4
4とを備える。
【0016】押し付け手段23は、被加工部材67とエ
ンドミルカッタ−18とを長手方向68に相対的に移動
させる第1の移動装置24と、被加工部材67とエンド
ミルカッタ−18とを長手方向と直交する方向に相対的
に移動させる第2の移動装置34とを有する。
【0017】図3に示すように、第2の移動手段34
は、被加工部材67の載置されたベース盤41に固定さ
れたナット部材39と、これに噛み合う精密ボールねじ
38とを有し、さらに精密ボールねじ38は、インナベ
ース37に固定されたサポートユニット40によって軸
支され、ACサーボモータ35によってEカップリング
36を介して回転駆動される。なお、ベース盤41は第
1の移動手段24と共通のクロスLMガイド31によっ
て長手方向68と直交する方向72に摺動自在に支持さ
れている。
【0018】図5は、図1の II部詳細図である。第1
の移動手段24は、図示していない被加工部材67の載
置されるベース盤41に固定されたナット部材30と、
これに噛み合う精密ボールねじ29とを有し、さらに精
密ボールねじ29は、サポートユニット32によって軸
支され、ACサーボモータ28によってEカップリング
33を介して回転駆動される。なお、ベース盤41はク
ロスLMガイド31によって長手方向68に摺動自在に
支持される。
【0019】図1に示すように、工具回転手段14は、
ギアードモーター15、スピンドルユニット16および
コレットスピンドル17を有し、ギアードモーター15
の回転をスピンドルユニット16およびコレットスピン
ドル17を介してエンドミルカッター18に伝達する。
【0020】図2、3に示すように、工具移動手段44
は、工具回転手段14を固定するスピンドルベース45
を支持するLMガイド46と、スピンドルベース45を
介して工具回転手段14をエンドミルカッターの軸方向
(上下方向)20に移動させるエアーシリンダー48
と、エアーシリンダー48のピストンロッド49が締結
手段で固定されるトッププレート50とを有する。
【0021】図6は、図1のIII部詳細で押え手段5を
示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。図7
は、図6の IV−IV 線断面図である。押え手段5は、被
加工部材67の長手方向68の中央部70に当てられる
クランプトップ6と、このクランプトップ6の両側に一
端が螺合される二つのプルボルト9と、二つのプルボル
ト9の各他端がピストンロッドの先端に螺合されクラン
プトップ6を二つのプルボルト9を介して押え付ける二
つの薄形の油圧シリンダー10と、被加工部材67を載
置するクランプベース7とを有する。油圧シリンダー1
0は、ニューマロック11(図1、2)によって空気圧
から高圧に増圧された油圧によって作動する。クランプ
ベース7は、押し付け手段のベース盤41に補助部材4
2およびボルト8を介して固定される。
【0022】なお、図1〜4において、符号51は右フ
レームベース、符号52は左フレームベース、符号53
はベースサポート、符号54、55はアンカベース、符
号56はビフラマウントをそれぞれ示す。
【0023】以上の構造を有する本実施形態の試験片の
加工装置1は、次のように作用する。すなわち、図1、
2において、押し付け手段23により被加工部材の長手
方向68側面に、略円柱の外側面に切刃を有し回転する
切削工具、たとえばエンドミルカッターの切刃19を押
し付け、被加工部材の長手方向側面を容易に切削し、板
状の試験片を得ることができる。
【0024】さらに、押え手段5により被加工部材の長
手方向中央部70を押え、工具回転手段14によりエン
ドミルカッター18を回転させる。押し付け手段の第2
の移動装置34により被加工部材67とエンドミルカッ
ター18とを長手方向と直交する方向に相対的に移動さ
せ、被加工部材67の側面にエンドミルカッター18の
切刃を押し付け、被加工部材67の側面を切削すること
ができる。
【0025】さらに、第1の移動装置24により被加工
部材67とエンドミルカッター18とを長手方向68に
相対的に移動させることにより、被加工部材67を長手
方向に加工することができる。また、押え手段5により
被加工部材の中央部70を長手方向68に渡って押え固
定するので、エンドミルカッター18によりバリのある
被加工部材の側面を切削することによりバリが除去さ
れ、被加工部材同士の隙間はなくなり、バリのほとんど
ない試験片が得られる。また、押え手段5は被加工部材
の中央部70を長手方向68に渡って押え固定するの
で、エンドミルカッター18は押え手段5に接触するこ
となく被加工部材67の側面をエンドミルカッター18
の側面で容易に切削できる。
【0026】そして、工具移動手段44を備えることに
より、被加工部材67の一方の片側側面を加工した後
に、工具回転手段44をエンドミルカッターの軸方向2
0に移動させ、エンドミルカッターが被加工部材67の
他方の片側側面に位置するように移動させ、被加工部材
67の他方の側面を加工することができる。
【0027】図8は、被加工部材の側面をエンドミルカ
ッターで切削する状態の説明図である。被加工部材67
の板厚が異なるものを複数枚重ねた例である。エンドミ
ルカッター18を回転させて被加工部材67の側面に押
し付け、先ず一番外側の2点鎖線73まで1回目の荒削
り切削を行い、次に2番目の2点鎖線74まで2回目の
荒削り切削を行う。次に、3番目の2点鎖線75まで中
削り切削を行い、最後に4番目の2点鎖線76まで仕上
げ切削を行う。また、エンドミルカッター18の移動の
順番としては、図6(A)に示すように、たとえば1回
目の荒削り切削の場合は、a側面を切削し、b側を廻っ
てc側面を切削し、続いてd側を廻って被加工部材67
を1周する。2回目の荒削り切削および仕上げ切削にお
いても同様に各切削とも被加工部材67を1周する。
【0028】本発明の試験片の加工装置1は、エンドミ
ルカッター18を回転させて被加工部材67の側面に押
し付けて加工するので、無理なく切削することが可能で
あり、バリのない寸法精度の良好な試験片を容易に得る
ことができる。被加工部材67が薄板の場合であって
も、当て板を介して押えることにより良好に切削が可能
である。切削の際は、被加工部材67の形状に応じて切
削工数を選択する。各コースともに2〜4回の荒削りを
行った後に、1〜2回の仕上げ切削を行う。この切削条
件の違いによりエンドミルカッター18の回転数、被加
工部材67の切り込み量と長手方向への移動速度が最適
となるように設定され、反復切削加工を行う。そして、
このエンドミルカッター18を被加工部材67に押し付
けて切削する時に、切削きり屑が細かく分断されて下に
落ちるので、試験片の表面に発生した切削きり屑の巻き
込みによる加工傷を付けることがない。また、熱の発生
も少なく寸法精度の良好な試験片が得られる。
【0029】次に、本発明の試験片の加工方法の実施形
態について、図1、2を利用して説明する。本発明の試
験片の加工方法は、機械的、物理的性質を試験するため
に用いられる板状の試験片の加工方法であって、たとえ
ばJIS5号引張試験片を自動成形する場合に最適であ
る。すなわち、積み重ねた多数の試験片に加工される被
加工部材(元板)67の長手方向68に平行に被加工部
材の中央部70を押さえ、巾方向の被加工部材67の端
側面の全面を片端面ずつ数回に分け交互に切削(荒削
り)し、目的の形状と寸法に仕上げ、被加工部材67の
掴み換えを無くすことにより全数の被加工部材の寸法精
度を保証する方法である。
【0030】この試験片の加工方法は、試験片に加工さ
れる被加工部材67の長手方向中央部70を押えるとと
もに、略円柱の外側面に切刃19を有するエンドミルカ
ッター18を回転させながら、この切刃を被加工部材6
7の側面に押し付け、被加工部材67とエンドミルカッ
ター18を長手方向68に相対的に移動させながら切削
加工する。
【0031】上記加工方法により、上記加工装置と同様
に、無理なく切削することが可能になり、バリのない寸
法精度の良好な試験片を容易に得ることができる。被加
工部材が薄板の場合であっても、当て板を介して押える
ことにより切削が可能である。また、エンドミルカッタ
ー18を被加工部材67に押し付け切削する時に、切削
きり屑の巻き込みが連続して発生することがなく細かく
分断されて下に落ちるので、試験片の表面に切削きり屑
による加工傷を付けることがない。また、熱の発生も少
なく寸法精度の良好な試験片が得られる。
【0032】この際、被加工部材67の材質、エンドミ
ルカッタ−18の回転数、切削油の種類、温度などの条
件により、被加工部材67への切り込み量と長手方向6
8への移動速度を調整し、必要に応じて反復切削加工を
行う。さらに、エンドミルカッタ−18に荒削りと仕上
げ切削に応じた適正回転を与えることにより良好な切削
面、適正な加工能力、刃先寿命の延長をもたらすことが
できる。
【0033】次に、試験片の加工装置および方法の特徴
について、まとめて挙げる。
【0034】(1) 形状や位置の定まらぬ多数の被加工部
材を押え板またはクランプトップの中央部に案内し易く
し、削り残りを防ぐと共に、材質や板厚に関係無く全数
の被加工部材があたかも1枚の厚板状とさせ、精度の保
証された刃具との組合わせと仕上げ切削により、必要精
度が確保出来る。
【0035】(2) 被加工部材の従来チャック部として利
用した個所も同時に切削することにより同部のバリを無
くし、引っ張り試験機への装着が容易となり、装着の自
動化も可能となる。
【0036】(3) 軽く湾曲した被加工部材や0.1mm
の極薄板も多数の被加工部材と同時に積み重ね、中央部
を広範囲で押えることにより歪みやしわの発生を防ぐこ
とができる。
【0037】(4) 被加工部材の中央部の押え板以外の巾
方向のはみ出しをなくし、エンドミルカッタ−などの刃
具により巾方向の側面の全面切削を可能にすると共に、
切削により減少する押え代を継続して押えることが必要
であり、寸法形状の大きい油圧シリンダーと配管をテー
ブルの下に設け、常時加圧を加えることにより目的を達
成する。
【0038】(5) (1)項との組合わせにより被加工部材
の密着を阻害しているバリを数回の荒削りにより削除す
ることにより被加工部材間の隙間を無くし、あたかも1
枚板の状態を作り、被加工部材間の隙間に生じる切削バ
リをなくすことができる。
【0039】(6) たとえば5号試験片の形状は長手方向
に対して巾方向は1/9程と狭く、未切削となる押え板
部のバリも範囲が狭く、継続する押し付け力に負けて潰
され、被加工部材の密着の阻害とならない。この有利な
形状を最大限に生かす唯一の装置、方法である。
【0040】(7) 巾方向にはみ出しの無い形状は上下や
巾方向の無駄な動きを不要とし、短時間で効率の良い切
削加工ができる。
【0041】(8) 重ねた板の両端の板をダミー板として
対応すれば、必要数の被加工部材の切削バリを防ぐこと
ができる。
【0042】(9) 切削工具に直径30mmエンドミルカ
ッタ−を用いることにより、試験片のR部を加工し、Y
X軸のサーボーモーターによる高度な曲線加工を不要と
する。このために汎用機器の組み合わせにより製作費用
を安価になると共に制御や操作が簡単となり、トラブル
の発生も少なく対応も容易となる。
【0043】(10) 被加工部材の着脱以外は人手の介入
を不要とし、コストを削減するとともに加工技能や難解
な操作と作業の危険を排除することができる。
【0044】(11) 加工技能などの制約が無くなり何時
でも必要な時に、高品位な試験片が短時間で入手でき
る。
【0045】
【実施例】本実施形態の試験片の加工装置1(「本発明
装置」と表す)を、比較例として 横フライス盤とマシンバイスを用いた従来加工装置
(「横フライス盤」と表す)、 NCフライス盤に市販治具を用い、チャック部を固
定する装置(「NCフライス盤」と表す)、と比較した
結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1により、特に、切削加工の技能は不要
となり、切削バリの発生を防止し、薄板の変形も防止で
きた。
【0048】
【発明の効果】本発明の試験片の加工装置または加工方
法によれば、バリのない寸法精度の良好な試験片を容易
に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る試験片の加工装置の一実施形態を
示す正面図である。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】図1の I−I 線断面図である。
【図4】図1の平面図である。
【図5】図1の II部詳細図である。
【図6】図1のIII部詳細を示し、(A)は平面図、
(B)は正面図である。
【図7】図6の IV−IV 線断面図である。
【図8】被加工部材の側面をエンドミルカッターで切削
する状態の説明図である。
【符号の説明】
1 試験片の加工装置 5 押え手段 14 工具回転手段 18 エンドミルカッター(切削工具) 19 切刃 20 軸方向 23 押し付け手段 24 第1の移動装置 34 第2の移動装置 44 工具移動手段 67 被加工部材 68 長手方向 69 側面 70 中央部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/28 B23C 3/00 B23C 5/10 G01N 3/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械的、物理的性質を試験するために用
    いられる板状の試験片の加工装置において、前記試験片
    に加工される板状の被加工部材を複数重ねて押える押え
    手段と、略円柱の外側面に切刃を有し回転する切削工具
    と、前記切削工具の切刃を前記被加工部材の長手方向に
    沿って相対移動させる第1の移動装置と、前記切削工具
    の切刃を前記被加工部材の長手方向の一方の側から他方
    の側に相対的に移動させかつそれぞれの側の側面に押し
    付ける第2の移動装置とを備えてなり、 前記押え手段は、前記被加工部材が載置されるクランプ
    ベースと、該クランプベースと前記被加工部材を挟んで
    対向し、該クランプベースと前記被加工部材の長手方向
    を挟んだ両端部で結合されるクランプトップとを備え、 前記クランプベースおよび前記クランプトップは、前記
    被加工部材を長手方向の全長にわたって押え、前記被加
    工部材の長手方向と直交する方向の幅が前記試験片の仕
    上げ幅より小さく形成されなる 試験片の加工装置。
  2. 【請求項2】 請求項において、前記工具回転手段を
    前記切削工具の軸方向に移動させる工具移動手段を備え
    てなる試験片の加工装置。
  3. 【請求項3】 機械的、物理的性質を試験するために用
    いられる板状の試験片の加工方法において、前記試験片
    に加工される被加工部材を複数重ね、押え手段によって
    該被加工部材を長手方向全長にわたって押えるととも
    に、略円柱の外側面に切刃を有する切削工具を回転させ
    ながら該切刃を前記被加工部材の長手方向に沿った一方
    側面に押し付け、該被加工部材と前記切削工具を前記
    長手方向に相対的に移動させながら切削加工し、前記切
    削工具を前記長手方向と直交する方向に移動し、該被加
    工部材の他方の側面に押し付け、該被加工部材と前記切
    削工具を前記長手方向に移動させながら切削加工してな
    り、 前記押え手段は、前記被加工部材が載置されるクランプ
    ベースと、該クランプベースと前記被加工部材を挟んで
    対向し、該クランプベースと前記被加工部材の長手方向
    を挟んだ両端部で結合されるクランプトップとを備えて
    なり、 前記クランプベースおよび前記クランプトップは、前記
    被加工部材の長手方向と直交する方向の幅が前記試験片
    の仕上げ幅より小さく形成されなることを特徴と する
    験片の加工方法。
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