JPH10339952A - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

Info

Publication number
JPH10339952A
JPH10339952A JP27264097A JP27264097A JPH10339952A JP H10339952 A JPH10339952 A JP H10339952A JP 27264097 A JP27264097 A JP 27264097A JP 27264097 A JP27264097 A JP 27264097A JP H10339952 A JPH10339952 A JP H10339952A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gelatin
solubility
layer
supporting body
nucleus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP27264097A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Ishikura
弘之 石倉
Etsuji Tanaka
悦二 田中
Toshiro Kondo
敏郎 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP27264097A priority Critical patent/JPH10339952A/ja
Publication of JPH10339952A publication Critical patent/JPH10339952A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】銀錯塩拡散転写法を利用し、水洗工程におい
て、水洗液中に感光層が溶出する際に、水洗液中からの
感光層中のバインダー(例えばゼラチン等)の除去が速
やかになされ、水洗液中にゼラチン等が滞留し、再び支
持体表面上に吸着して著しく印刷性を阻害したり、長期
の液中の滞留による腐敗や、処理液のランニング性能を
低下させず、かつ自動現像処理機で処理する際に乳剤層
の支持体からの脱膜や処理中における乳剤膜の取扱いに
よる擦り傷、輸送ローラーへの粘着を生じさせない平版
印刷版を提供する。 【解決手段】アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層
の間に物理現像核を有する平版印刷版において、構成層
の上部側の溶解性が下部側のそれより低いことを特徴と
する平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする平版印刷版、特に銀錯塩拡散転写法を用い
る平版印刷版およびその製版処理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平
版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及び
エディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー
・ハライド・ディフュージョン・プロセシズ」、第10
1頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】DTR法を用いた平版印刷版には、転写材
料(感光材料)と受像材料を別々にしたツーシートタイ
プ、あるいはそれらを一枚の支持体上に設けたモノシー
トタイプの2方式が知られている。ツーシートタイプの
平版印刷版については、特開昭57−158844号公
報に詳しく記載されている。又、モノシートタイプにつ
いては、特公昭48−30562号、同51−1576
5号、特開昭51−111103号、同52−1501
05号などの各公報に詳しく記載されている。
【0004】アルミニウム板を支持体としたDTR法を
利用したモノシートタイプの平版印刷版は、特開昭57
−118244号、同57−158844号、同63−
260491号、特開平3−116151号、同4−2
82295号、米国特許第4,567,131号、同第
5,196,290号などの各公報に詳しく記載されて
おり、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板を支持
体とし、その上に物理現像核を担持し、更にその上に感
光性ハロゲン化銀乳剤層を設けた構成になっている。そ
れによれば、上記平版印刷版を像露光し、DTR現像し
た後、ハロゲン化銀乳剤層等の構成層を水洗液で洗浄し
て除去すると転写銀像を担持するアルミニウム支持体が
残り、これを平版印刷版として使用する。
【0005】現像処理後のハロゲン化銀乳剤層を除去し
銀画像を表面に担持した支持体を得るための水洗工程に
おいては、除去される感光性乳剤層等の構成層が未硬膜
であることより、比較的容易に水洗液中に溶出するので
あるが、水洗液中からの感光層中のバインダー(例えば
ゼラチン等)の除去(例えばフィルターによるろ過等)
が速やかになされず、水洗液中にゼラチン等が滞留し、
再び支持体表面上に吸着し著しく印刷性(インキ受理
性)を阻害したり、長期の液中の滞留による腐敗や、処
理液のランニング性能を低下する要因となっていた。
【0006】また別の問題点として、一般的に未硬膜の
感光性ハロゲン化銀乳剤層を用いるため、自動現像処理
装置で処理する場合、ハロゲン化銀乳剤層が現像液で膨
潤し、ハロゲン化銀乳剤層の支持体からの脱膜や処理中
における乳剤膜の擦り傷、乳剤層の搬送ローラへの付着
などがしばしば生ずる。これは銀像の転写不良の原因と
もなり、特にインキ受理性、耐刷性に悪影響がみられ
る。
【0007】一方、特開平8−110641号には平均
分子量7万以下の低分子量ゼラチンを用いたアルミニウ
ム印刷版が開示されており、このような低分子量ゼラチ
ンを用いると、インキ受理性が向上することが記載され
ている。しかし、ゼラチンの平均分子量が小さくなる
と、インキ受理性は向上し易いが、上述したゼラチンに
基づく欠点がより現れやすくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、水洗工程で使用される水洗処理液中に感光層が溶出
する際に、水洗液中からの感光層中のバインダー(例え
ばゼラチン等)の除去が速やかになされ、水洗液中にゼ
ラチン等が滞留し、再び支持体表面上に吸着して、印刷
性を阻害したり、長期の液中の滞留によるゼラチンの腐
敗や、水洗液のランニング性能を低下させない平版印刷
版を提供することである。第二の目的は、自動現像処理
機で処理する際に乳剤層の支持体からの脱膜や処理中に
おける乳剤膜の擦り傷、搬送ローラへの付着を生じさせ
ない平版印刷版を提供することである。本発明の更なる
目的は、上記の目的に加えて、優れたインキ受理性を有
する平版印刷版を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ハ
ロゲン化銀乳剤層等の構成層の上部と下部で溶解性に差
を設ける、端的には支持体から遠い側(上部側)のみ硬
化することで達成される。また低分子量ゼラチンを含有
する場合には、ローラへの付着がなく、さらに表面の物
理的強度を高めているにもかかわらず、インキ受理性に
も優れた平版印刷版が得られた。
【0010】
【発明の実施の形態】すなわち本発明は、アルミニウム
支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する
平版印刷版において、上記核の上に設けられた構成層の
上部側の溶解性と下部側(支持体に近い側)の溶解性を
コントロールして、前者を後者に比較して溶解性を低く
することにより、水洗工程で構成層の剥離を容易に引き
起こし、上述の目的を達成しうることを見出した。ここ
で溶解性とは、水洗液に対する溶解性を意味するが、水
に対する溶解性と理解してもよい。
【0011】本発明の態様としては以下のようなものが
ある。1つの態様は、上記核の上に設けられる構成層が
ハロゲン化銀乳剤層のみの場合、乳剤層を複数の層に
し、溶解性が高く支持体に最も近い乳剤層Aと、乳剤層
Aより溶解性が低く乳剤層Aより上の乳剤層B(さらに
乳剤層Bは複数の層でもよく、その場合、最上の乳剤層
が最も溶解性が低いことが好ましい)とからなる。別の
態様は、溶解性が高いハロゲン化銀乳剤層の上に、それ
より溶解性が低い非感光性層(オーバー層)を設ける。
さらに別の態様は、溶解性が低いハロゲン化銀乳剤層の
下にそれより溶解性が高い非感光性層(下塗層)を設け
る。
【0012】本発明において、構成層の溶解性をコント
ロールするための技術の1つに耐拡散性の硬膜剤を使用
する方法がある。耐拡散性の硬膜剤としては、好ましく
は高分子硬膜剤が用いられる。その使用に関しては特に
制限はなく、たとえば米国特許第3,057,723
号、同3,396,029号、同4,161,407号
等に記載されている硬膜剤が使用可能である。高分子硬
膜剤の代表的なものは次のようなものが挙げられる。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】但し、Mは水素原子、ナトリウム原子、カ
リウム原子であり、x、yはそれぞれ各ユニットの仕込
みのモル%であり、上記に限られるものではなくxは0
から99まで、yは1から100までの値を取りうる。
【0019】本明細書において、構成層の溶解性は、異
なる層において明確な臨界線を有している必要はなく、
溶解性のコントロール手段によっては、下部側から上部
側に連続して溶解性が低くなっていても良い。要する
に、アルミニウム支持体上の核層に隣接しているコロイ
ド層が水洗処理により構成層全体を除去するのに支障が
なく、上部側は本発明の目的を達成する程度に溶解性が
低ければよい。したがって、高分子硬膜剤と拡散性の低
分子硬膜剤を併用しても良く、また高分子硬膜剤の適用
法として、水または適当な有機溶媒に溶かした硬膜剤溶
液を乾燥した感光性乳剤層表面に直接塗布し乾燥するこ
ともできる。
【0020】高分子硬膜剤は、オーバー層あるいはハロ
ゲン化銀乳剤層等の親水性コロイド、好ましくはゼラチ
ンを含む塗布液に添加して適用されるが、他の高分子バ
インダーを含まない高分子硬膜剤の溶液をオーバー層あ
るいは下塗層として適用しても良い。高分子硬膜剤の使
用量は、硬膜剤の種類、適用する態様、上部側の硬膜の
程度等により異なるが、高分子硬膜剤の反応基の量で規
定して添加される。一般的には、親水性コロイド100
g当たり0.0001〜100ミリ当量(meq)、高
分子硬膜剤単独の場合は1m2当たり0.01〜1gの範
囲である。
【0021】本発明に用いられる低分子量ゼラチンは、
平均分子量約7万以下のゼラチンであり、例えば特開平
1−158426号、同平4−340539号、同平8
−110641号等に記載されている。
【0022】本発明に用いられる低分子量ゼラチンの製
造法は、前記特許に記載されている方法、例えば好まし
くは酵素分解処理により製造することが出来る。平均分
子量は約7万以下、好ましくは約3千〜約5万程度の範
囲である。使用する量は平均分子量などによって異なる
が、ハロゲン化銀乳剤層に含有させる場合には、該乳剤
層の写真用ゼラチン(平均分子量約10万前後以上のゼ
ラチンである)に対し、約3〜約200重量%、好まし
くは約5〜約150重量%の割合を目安にして添加する
ことが好ましい。
【0023】本発明に用いられる低分子量ゼラチンは、
ハロゲン化銀乳剤層に用いるのが好ましいが、核層ある
いは必要に応じて設けてもよい乳剤層と核層の間の中間
層に用いてもよく、その場合は低分子量ゼラチン単独で
あっても、写真用ゼラチンと併用してもよい。もちろん
複数の層に用いてもよい。
【0024】本発明の平版印刷版に用いられるアルミニ
ウム支持体は、印刷時における湿し水に対する濡れ(保
水性)を良くするため、また感光層との密着を良くする
ため、その表面を粗面化することが行われる。この粗面
化処理(いわゆるグレイニング)には、ボールグレイニン
グ、ワイヤグレイニング、ブラシグレイニング等の機械
的粗面化処理、塩化物、フッ化物等で化学的にアルミニ
ウムを溶解することにより行う化学的粗面化処理、及び
電気化学的にアルミニウムを溶解することにより行う電
解粗面化処理、及びこれらの方法を併用した粗面化方法
が知られている。例えば特開昭48−28123号、同
53−123204号、同54−146234号、同5
5−25381、同55−132294号、同56−5
5291号、同56−150593号、同56−288
93号、同58−167196号、米国特許第2,34
4,510号、同第3,861,917号、同第4,3
01,229号などがある。アルミ板の表面形状につい
ても、米国特許第2,344,510号は機械的粗面化
と電解粗面化を行い重畳的に複合した砂目構造、米国特
許第4,301,229号はピット径の累積度数分布と
中心線平均粗さ、米国特許第3,861,917号は粗
面の深さ、カナダ特許第955,449号は粗面の山の
高さと直径、西ドイツ特許第1,813,443号は粗
面の高低差についてそれぞれ記載されている。
【0025】このように印刷版用アルミニウム板の粗面
化処理は、平版印刷版の種類、印刷用途などによって、
粗面の形状、構造等の異なる極めて多くの粗面化アルミ
板が、種々の陽極酸化処理と組み合わせて提案されてい
る。
【0026】粗面化処理を行った後、陽極酸化処理を行
う必要がある。陽極酸化処理は、従来よりよく知られて
いる方法を用いる事が出来るが、硫酸が最も有用な電解
液として用いられる。それに次いで、リン酸、硝酸など
も有用な電解液である。更に特開昭55-28400号明細書に
開示されている硫酸とリン酸の混合液も又有用である。
【0027】また、陽極酸化処理を行なった後、必要に
応じて後処理を行うことが出来る。例えば、英国特許第
1,230,447号に開示されたポリビニルホスホン
酸の水溶液中に浸漬処理する方法が用いられる。また、
必要に応じて、特開平3−116151号、同4−28
2295号のような下塗層(中間層)を設けることも可
能である。
【0028】本発明で用いられる物理現像核層の物理現
像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるも
のでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜
鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使
用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用
いることもできる。これらの詳細及び製法については、
例えば、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク
(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ
著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディ
フュージョン・プロセシズ」を参照し得る。
【0029】本発明の印刷版の感光性ハロゲン化銀乳剤
層には親水性保護コロイドとして各種親水性コロイドを
用いる事が出来る。即ち、酸処理ゼラチン、アルカリ処
理ゼラチン、ゼラチン誘導体、グラフト化ゼラチン等各
種ゼラチンを用いる事が出来る他、ポリビニルピロリド
ン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコー
ル、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリ
アクリル酸等の親水性高分子化合物を単独で、または二
種類以上組み合わせて含有させる事が出来る。用いられ
る親水性コロイドとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導
体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が
挙げられる。
【0030】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀乳
剤の種類としては、一般に用いられる塩化銀、臭化銀、
ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から
選択される。また乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型
のいずれでもよい。これらのハロゲン化銀乳剤は必要に
応じて化学増感あるいはスペクトル増感することが出来
る。
【0031】更に、アルミ板上に塗布する感光性ハロゲ
ン化銀の銀量は、0.5g/m2以上3.0g/m2以下の
範囲が好ましい。
【0032】本発明で用いられる現像液には、現像主
薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3-ピラゾリジノ
ン類が好ましく、これらの主薬は版材構成層中に含むい
わゆる主薬内蔵型の形態で用いられても良い。アルカリ
性物質としては、公知の水酸化カリウム、水酸化ナトリ
ウム、第三リン酸カリウム、第三リン酸ナトリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ
酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム(SiO2/Na2O)などの
ような無機アルカリ剤、或いはアミン化合物、保恒剤、
例えば、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、増粘剤、
例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチ
ルセルロース、カブリ防止剤、例えば、臭化カリウム、
色調剤、例えば1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ール、現像変成剤、例えばポリオキシアルキレン化合物
等の添加剤等を含ませることが出来る。
【0033】現像液のpHとして通常約10〜14、好
ましくは約12〜14であるが、使用する平版印刷版の
アルミニウム支持体の前処理(例えば陽極酸化)条件、写
真要素、所望の像、現像液中の各種化合物の種類及び
量、現像条件等によって異なる。
【0034】現像により粗面化され陽極酸化されたアル
ミ基材上に銀画像を形成した後、基材上に尚存在する過
剰のアルカリ性溶液は、好ましくは基材を1対の絞りロ
ーラを通過させ案内することで除去することが望まし
い。
【0035】物理現像核層中でかくして得られた銀画像
は続いて水洗液で物理現像核層を含有する層上の全ての
構成層を洗い落とすことにより露出される。
【0036】本発明に用いられる水洗液のpHは4〜9
程度であるが、pH8以下が好ましく、特にpH4〜7
が好ましい。リン酸塩、クエン酸等の緩衝剤を含んでも
良い。
【0037】さらに水洗液には、蛋白質分解酵素、メル
カプト化合物などの親油化剤を含有しても良い。水洗液
に使用する処理液の温度は20〜35℃程度が好まし
い。
【0038】水洗処理された平版印刷版は、アラビアゴ
ム、デキストリン等の保護コロイドを含む仕上げ液によ
る処理が施される。仕上げ液には、蛋白質分解酵素、メ
ルカプト化合物などの親油化剤を含有しても良い。
【0039】
【実施例】以下、実施例により更に詳細に説明するが、
勿論これらに限定されるものではない。
【0040】実施例1 厚さ0.3mmのアルミニウム板を、4%の水酸化ナト
リウム水溶液で脱脂処理した後、約1%の塩酸水溶液中
で10Vの交流を約20分間流した後、直ちに20重量
%の硫酸で1A/dm2の電流密度で5分間陽極酸化を行な
い、さらに水洗乾燥し、表面の陽極酸化されたアルミニ
ウム板を調製した。
【0041】アルミニウム支持体上に物理現像核を塗布
した。その上に、下記のハロゲン化銀乳剤層およびオー
バー層を同時塗布し乾燥した。高分子硬膜剤および比較
の硬膜剤(H−1)の使用量はそれぞれゼラチン100
g当たりの量である。乳剤層はゼラチンおよび硝酸銀と
しての銀量が各々1.5g/m2、オーバー層のゼラチンは
0.5g/m2となるように塗布した。H−1は2−ヒド
ロキシ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン・ナトリウム
塩である。
【0042】
【表1】
【0043】このようにして得られた平版印刷版に像露
光を行った後、下記の拡散転写現像液、水洗液、仕上げ
液を準備した自動現像機にて製版処理した。現像は30
℃15秒、水洗は30℃15秒、仕上げは20℃5秒の
処理で行った。
【0044】 現像液 ハイドロキノン 20g 1−フェニル−3−ピラゾリジノン 2g 無水亜硫酸ナトリウム 80g N−メチルエタノールアミン 6g チオ硫酸ナトリウム・5水塩 6g EDTA・4Na 5g ポリエチレングリコール(平均分子量400) 10g 水酸化ナトリウム 20g 脱イオン水で1,000mlにした。
【0045】 水洗液 2−メルカプト−5−n・ヘプチル−オキサジアゾール 0.5g トリエタノールアミン 13g 第1燐酸カリウム 40g 水を加えて全量を1,000mlに調整する。pHは6.0に調整した。
【0046】 仕上げ液 アラビアゴム 10g ビオプラーゼ(酵素) 2g 2−メルカプト−5−n・ヘプチル−オキサジアゾール 1g トリエタノールアミン 26g 第1燐酸ナトリウム 10g 水を加えて全量を1,000mlに調整する。pHは6.0に調整した。
【0047】各試料を幅800mm、長さ1030mm
サイズで50版製版し、5版目および50版目につい
て、印刷機エー・ビー・ディック350CD(A.B.Dick社製オフ
セット印刷機の商標)にかけ、非画像部の地汚れおよび
インキ受理性を評価した。地汚れは5,000枚の印刷
をしたときの汚れ具合で、インキ受理性は版面にインキ
ローラを接触させながら同時に紙送りを始め、良好な画
像濃度の印刷物が得られるまでの印刷枚数で、それぞれ
以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
【0048】地汚れ評価 A:全く汚れが生じない B:わずかに汚れが発生 C:かなりの汚れが発生 D:全面に著しい汚れ発生
【0049】インキ受理性評価 A:10枚以下 B:25枚以下 C:50枚以下 D:100枚以上
【0050】
【表2】
【0051】表2より明らかなように、本発明の試料3
〜10は、耐地汚れ性およびインキ受理性に優れてお
り、その効果はランニング製版しても持続されているこ
とが分かる。比較試料1は乳剤層の傷によると思われる
現像不良が生じたが、本発明試料は現像不良もなく均斉
な画像が得られた。
【0052】実施例2 実施例1の試料1の平版印刷版の乳剤層の上に、試料3
〜10で用いた高分子硬膜剤のみの溶液を1m2当たり固
形分で0.1gとなるように塗布し乾燥した。実施例1
と同様に製版し、印刷して評価した。実施例1と同様の
結果が得られた。
【0053】実施例3 実施例1の試料3〜5において、乳剤層を2等分割し、
上部側(支持体から遠い側)の乳剤層のみにゼラチンの
量当たり同量の高分子硬膜剤を含有させて平版印刷材料
を作成した。実施例1と同様に製版し、印刷して評価し
た結果、実施例1と同様な結果が得られた。これらの試
料の上には実施例1あるいは実施例2の高分子硬膜剤層
を設けることも出来る。
【0054】実施例4 電解粗面化処理と陽極酸化によって、平均直径約5μm
のプラトー上に直径0.03〜0.30μmのピットを
100μm2当たり約5,600個有し、且つそれらのピ
ットの平均直径が0.08μmである厚さ0.30mmの
アルミニウム板を得た。このアルミ板は粗面化処理後に
陽極酸化したものであり、平均粗さ(Ra)は0.5〜
0.6μmであった。
【0055】このアルミニウム支持体上に、硫化パラジ
ウム核液を塗布し、その後乾燥した。物理現像核層に含
まれる核量は、3mg/m2であった。
【0056】ハロゲン化銀乳剤の調製は、平均分子量約
10万のアルカリ処理ゼラチンAを用い、コントロール
ダブルジェット法で平均粒径0.25μmの、ヘキサク
ロロイリジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当たり0.
006ミリモルドープさせた、臭化銀15モル%、沃化
銀0.4モル%の塩ヨウ臭化銀乳剤を調製した。その
後、この乳剤をフロキュレーションさせ、水洗した。
【0057】さらにこの乳剤に硫黄金増感を施し、2−
メルカプト安息香酸および1−フェニル−5−メルカプ
トテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀1モル当たり1
-3モル添加した。分光増感したハロゲン化銀乳剤に平
均分子量2万の低分子量ゼラチンBをアルカリ処理ゼラ
チンAに対し10重量%加え、銀1.0gに対して総量
のゼラチン1.3gとなるよう最終調整を施し、銀量が
2.0g/m2になるよう、前記物理現像核層を塗布した
アルミ板に塗布、乾燥し、比較試料Aを作製した。
【0058】比較試料Aの乳剤層の上に、実施例1の試
料3〜10で用いたオーバー層を同時塗布して本発明の
試料8種を作製した。
【0059】これらの試料を実施例1に準じて製版し、
印刷した。比較試料Aは、インキ受理性に優れていた
が、現像液の絞りローラを出た時点で絞りローラに乳剤
膜が付着した。それに対し、本発明の試料はいづれも、
インキ受理性は比較試料Aに比べて遜色なく優れてお
り、しかも地汚れもなく、且つ絞りローラへの乳剤膜の
付着も無かった。
【0060】
【発明の効果】水洗工程において、使用される水洗液中
に感光層が溶出する際に、水洗液中からの感光層中のバ
インダー(例えばゼラチン等)の除去が速やかになさ
れ、処理液中にゼラチン等が滞留し、再び支持体表面上
に吸着し著しく印刷性を阻害したり、長期の液中の滞留
による腐敗や、処理液のランニング性能を低下させない
製版処理が可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤
    層の間に物理現像核を有する平版印刷版において、上記
    核の上に設けられた構成層の支持体から遠い側の溶解性
    が支持体に近い側の溶解性よりも低いことを特徴とする
    平版印刷版。
  2. 【請求項2】 アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤
    層の間に物理現像核を有する平版印刷材料において、少
    なくとも1つの層に低分子量ゼラチンを含有し、上記核
    の上に設けられた構成層の支持体から遠い側の溶解性が
    支持体に近い側の溶解性よりも低いことを特徴とするア
    ルミニウム平版印刷材料。
JP27264097A 1997-04-08 1997-10-06 平版印刷版 Ceased JPH10339952A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27264097A JPH10339952A (ja) 1997-04-08 1997-10-06 平版印刷版

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-89446 1997-04-08
JP8944697 1997-04-08
JP27264097A JPH10339952A (ja) 1997-04-08 1997-10-06 平版印刷版

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10339952A true JPH10339952A (ja) 1998-12-22

Family

ID=26430875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27264097A Ceased JPH10339952A (ja) 1997-04-08 1997-10-06 平版印刷版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10339952A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2864004B2 (ja) 銀塩拡散転写法による改良された印刷版を作るための像形成材料
US5436110A (en) Imaging element and method for making aluminum lithographic printing plates according to the silver salt diffusion transfer process
JPH10339952A (ja) 平版印刷版
JP2960198B2 (ja) 平版印刷版の処理方法
JP2988772B2 (ja) 平版印刷版
JP3244880B2 (ja) 平版印刷版
JP3320940B2 (ja) 平版印刷版の処理方法
JP2905156B2 (ja) 銀塩拡散転写法に従い改良された印刷版を製造するための像形成要素
JP2988776B2 (ja) 平版印刷版
JP2988774B2 (ja) 平版印刷版の製造方法
JP2000181052A (ja) 平版印刷版
JP2988773B2 (ja) 平版印刷版
JP3301852B2 (ja) 平版印刷版
JP2983757B2 (ja) 平版印刷版
JPH0756351A (ja) 平版印刷版
JP3320923B2 (ja) 平版印刷版
JP2988778B2 (ja) 平版印刷版
JP3710270B2 (ja) 平版印刷材料
JP2883973B2 (ja) 銀塩拡散転写法による改良された印刷版を作るための像形成材料
JP3301855B2 (ja) 平版印刷版の処理法
US5811216A (en) Imaging element for making an improved printing plate according to the silver salt diffusion transfer process
JPH08160624A (ja) 感光性平版印刷版の現像処理方法
JPH1069085A (ja) 銀塩拡散転写法により改良された印刷版を製造するための像形成要素
JPH09127701A (ja) 平版印刷版
JPH09222735A (ja) 平版印刷版

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050405

A045 Written measure of dismissal of application

Effective date: 20050823

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045