JPH10339793A - 水質制御システムおよび水質制御方法 - Google Patents

水質制御システムおよび水質制御方法

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JPH10339793A
JPH10339793A JP9149560A JP14956097A JPH10339793A JP H10339793 A JPH10339793 A JP H10339793A JP 9149560 A JP9149560 A JP 9149560A JP 14956097 A JP14956097 A JP 14956097A JP H10339793 A JPH10339793 A JP H10339793A
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water
corrosion
water quality
quality control
temperature
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JP9149560A
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Yukio Henmi
幸雄 逸見
Nagayoshi Ichikawa
長佳 市川
Yutaka Uruma
裕 閏間
Kazuya Yamada
和矢 山田
Hideji Seki
秀司 関
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 BWR一次系、PWR二次系等の水を冷却材
とするボイラー・システムや冷却系において、腐食生成
物の発生、持ち込み、付着等を抑制し、差圧上昇や伝熱
面での不純物の濃縮等を防止する水質制御システムおよ
び方法を提供する。 【解決手段】 本発明では、材料のクロム等の含有率を
調整し、かつ機械研磨により表面を圧縮応力状態とし
て、均一な防食性皮膜が形成されるようにする。また、
材料表面に貴金属等の物質を付与し、腐食電位を安定し
て制御する。さらに、水中の酸素および水素の濃度を調
整し、腐食生成物の発生を抑制する、または酸素の 2〜
5倍モル量の水素を添加して、不溶解性腐食生成物の付
着を防止する、あるいはNi、Zn等の金属イオンの制
御により、不純物流入時のpΗを緩衝し、防食皮膜を安
定化させる方法などが採られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水質制御システム
および水質制御方法に係わり、特に水を冷却材とする沸
騰水型原子力発電プラント一次系、加圧水型原子力発電
プラント二次系および火力発電プラント等のボイラー・
システムや、加圧水型原子力発電プラント一次系および
核融合炉等の冷却系において、腐食生成物の発生、持ち
込みおよび付着を抑制し、材料の腐食を抑えるための水
質制御システムおよび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、加圧水型原子力発電プラント
二次系および火力発電プラントのような、水を冷却材と
するボイラー・システムにおいては、冷却水中の酸素濃
度を極力低く抑え、pΗをアルカリ側に調整して、ボイ
ラーを構成する材料の腐食抑制を図っている。
【0003】しかしこのような水質制御を実施している
にも関わらず、鉄を主体とする不溶解性の腐食生成物の
発生量は、運転サイクル当たりシステム全体で1000kgに
も達する。そして、これらの不溶解性腐食生成物は、 1
50℃以上の給水系統およびボイラー系統で、伝熱管、ポ
ンプ、弁、流量計等に付着し、差圧上昇、伝熱性能の低
下、および材料腐食や機器の性能低下などの悪影響を与
えている。
【0004】特に、高温の給水加熱器(ヒータ)やボイ
ラーの伝熱管の表面には、それぞれ300kg程度が付着す
るため、高温の給水加熱器では定期検査時に洗浄を行な
うことが恒常化しており、長期的にはボイラーについて
も、管支持板の穴部の閉塞とそれに起因するボイラー水
位の振動が発生し、出力低下が余儀なくされる事態が予
測される。また、耐食性の低い MA600等のNi基合金で
は、不純物の濃縮により伝熱管の局部腐食が生じてい
る。
【0005】また、これらのプラントでは、アルカリ等
の薬剤を使用するため、沸騰水型原子力発電プラントで
の純水を基本とする水処理に比べて、使用した水の環境
への放出が問題となる。さらに、pHがアルカリ性であ
るため、中性の純水に比べて復水浄化系(脱塩器)の出
口水のアニオン種の濃度が高く、水の純度が劣るという
問題があった。また、イオンブレークの期間が短く再生
頻度が高いため、多量の廃棄物が発生していた。
【0006】ところで、ボイラー伝熱管の構成材料とし
てNi基合金を使用する加圧水型原子力発電プラント二
次系では、Zr合金を燃料被覆管に使用する沸騰水型原
子力発電プラントに比べて、より厳しい不純物管理を行
なう必要がある。すなわち、ボイラーに持ち込まれた銅
は、伝熱管表面での鉄クラッドの固着化を引き起こし、
材料の腐食環境を厳しくするため、冷却材として海水が
使用された主復水器の冷却管では、海水の漏洩を低減す
るため、従来の銅合金をチタンに変えている。また、給
水系統での腐食生成物の低減のために、給水加熱器の伝
熱管を、銅合金の管からステンレス鋼からなる管に変更
している。
【0007】さらに、加圧水型原子力発電プラント二次
系および火力発電プラントでは、エロージョン・コロー
ジョン部に使用された炭素鋼は、減肉が進行しており、
定期検査時に材料の取り替えが行われている。したがっ
て、主蒸気、復水および給水系統(ヒータ・ドレン系を
含む)の構成材料は、沸騰水型原子力発電プラントと同
じものに近づきつつある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一方、最新の沸騰水型
原子力発電プラントにおいては、中性純水管理で、ター
ビン系、ヒーター・ドレン系、復水系における腐食発生
量の大きい部分の材料を、炭素鋼から耐食性に優れた低
合金鋼等に変更したため、水素注入を行なわない条件
で、給水での鉄を主成分とする不溶解性腐食生成物の濃
度は、ボイラー入口部に相当する最終給水で0.1ppbとい
う低い値を達成している。
【0009】しかし、主復水器の冷却管を銅合金の管か
らチタン管に変更することにより、海水の漏洩は無くな
ったものの、復水の全量および低温のヒータ・ドレン水
を復水浄化系のイオン交換樹脂塔(脱塩塔)で処理して
いるため、脱塩塔の樹脂からの不純物の発生が、加圧水
型原子力発電プラント二次系と比べて大きくなってい
る。また最新のプラントでは、効率向上の目的で出力密
度を増加させるため、水の放射線分解による酸素や過酸
化水素等の濃度が増加している。そして、このような水
質要因により、腐食環境はより厳しくなっており、原子
炉材料の局部腐食が問題となっているばかりでなく、腐
食の増加は放射能の発生・移行挙動の面にも影響を与え
ている。
【0010】さらに、沸騰水型および加圧水型の原子力
発電プラントにおいては、燃料被覆管にZr合金を使用
しているため、材料腐食の点から 300℃以上の高温・高
圧の蒸気が得られず、火力発電プラント等に比べてター
ビンの熱効率の点で劣るという問題があった。
【0011】またさらに、高温水中での不純物除去のた
めに、非ろ過助剤型の電磁フィルターや金属またはセラ
ミックスの高温フィルターが開発されているが、これら
のフィルターでは、除去率を向上させるためにろ過水と
の接触面積を増大させると、ろ材からの腐食生成物の溶
出が増加したり、あるいは差圧上昇を起こして逆洗によ
り差圧が回復しない。このように寿命に問題があるた
め、前記フィルターは実機採用に至っていないのが現状
であった。
【0012】さらに、腐食抑制方法としては、材料表面
にPt等の貴金属を付着させ、使用条件との組み合わせ
により、材料の腐食電位を低下させる方法が、貴金属の
電気化学的性質から容易に考え付かれ、実施が検討され
ている。しかしながら、実機の材料表面では腐食が進行
しているため、付着させた貴金属が、母材金属の腐食溶
出により剥離して冷却水中に放出されたり、あるいは、
冷却水中からの腐食生成物の付着や材料自体の腐食によ
り、腐食生成物が貴金属を覆って電位の低下効果を弱め
るため、貴金属の有効寿命が短く、実機適用上問題があ
った。
【0013】本発明は、これらの問題を解決するために
なされたもので、沸騰水型原子力発電プラント一次系、
加圧水型原子力発電プラント二次系および火力発電プラ
ント等の、水を冷却材とするボイラー・システムや冷却
系において、水の純度や環境に対する影響の点で問題と
なる薬剤等を使用せず、腐食生成物の発生を抑制しかつ
腐食生成物の適切な除去を行なうことにより、機器や配
管への不溶解性腐食生成物の付着を防止し、差圧上昇や
沸騰伝熱面での不純物の濃縮率の増大等を防止する水質
制御システムおよび水質制御方法を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の水質制御システ
ムは、水と接触する部分の構成材料として、鉄またはク
ロムの含有率が調整された金属材料が使用され、かつ該
金属材料の表面が機械的研磨により圧縮応力が残留した
状態とされて、表面のクロム含有率が母材より高められ
るとともに、均一な防食性皮膜が形成されるように構成
されており、さらに前記材料表面に腐食電位を安定して
制御する物質が付与された機器および/または配管を備
えたことを特徴とする。
【0015】また、本発明の第2の水質制御システム
は、不純物の発生の少ない材料から構成され、化学種別
に選択して不純物の流入を検知し除去する浄化装置、お
よび/または各種機器のドレン水を給水に回収し、給水
配管と復水配管とを連結して給水系と復水系の不純物お
よび腐食生成物をそれぞれ除去する浄化装置を備えたこ
とを特徴とする。
【0016】さらに、本発明の水質制御方法は、アルカ
リ性の薬剤を使用することなく水質を中性純水に保つと
ともに、水中の酸素および水素の濃度をそれぞれ最適範
囲に調整し、材料からの腐食生成物の発生を抑制する方
法、酸素の 2〜 5倍のモル量の水素を添加して不溶解性
腐食生成物の付着を防止し、かつ水中への貴金属の注入
により、該貴金属を材料表面に付与して腐食電位を低減
し、前記材料からの金属溶出や局部腐食を抑制する方
法、および不純物流入時のpΗを緩衝し、かつ材料表面
に生成される防食皮膜を安定化させる金属イオンの濃度
を測定し、注入により該金属イオンの濃度を最適値に制
御する方法のうちの、1つ以上の方法を備えたことを特
徴とする。
【0017】本発明の水質制御システムおよび水質制御
方法においては、給水の酸素濃度を、 20ppb以上 50ppb
以下でできるだけ 20ppbに近い値に制御することが望ま
しく、さらに高温給水系でのクロムの溶出を抑えるとと
もに、ボイラーでの材料の腐食電位を積極的に低下さ
せ、クロムの溶出を極力ゼロにすることが望ましい。そ
のために、材料の腐食電位を低下させる貴金属やTiO
2 等の物質を材料表面に付着させ、かつ酸素濃度の 2倍
以上の水素濃度(モル濃度)となるように、水質制御を
行なう。なお、水素の注入添加量は、Ptで 4mg/m2
上、Ruで 2mg/m2 以上の付着密度が存在すれば、酸素
の 2倍量で充分である。しかし、その付着密度のばらつ
きや性能劣化等を考慮すると、 2〜 5倍(モル量)の範
囲に制御することが望ましい。
【0018】また、本発明では、ボイラー・システムで
の酸素濃度および水素濃度の制御を厳密に行なうことが
できるように、主蒸気出口、高温と低温の給水加熱器の
入口(ヒータ・ドレン水でも良い)、復水器および復水
の5か所で、それぞれ酸素を注入するとともに、高温の
給水加熱器の入口(高温のヒータ・ドレン水でも良い)
に、酸素の 2〜 5倍(モル量)の水素を注入し、不足分
を補給できるようにする。また、給水加熱器や脱気器
は、脱気が充分に行なわれるように、気相側に加熱水ま
たは蒸気が入り冷却されて下部に溜まる構造とし、かつ
酸素分圧を調整することができるように、気相側に抽気
量を調整できるベントラインを接続し、さらに液層側に
ガスを注入できるように構成する。そして、このような
給水加熱器(主として脱気を目的とした脱気器を含む)
のベントラインおよび復水器の脱気ラインに、抽気調整
弁を付けることにより、酸素が過剰な場合に抽気量を増
加させて酸素の過剰分を除き、逆に酸素が不足する場合
に、抽気量を下げるとともに酸素を注入し、所定の濃度
に調整することができる。
【0019】また、制御対象とする復水、高温および低
温の給水配管の3か所に酸素計を、高温の給水配管に水
素計をそれぞれ設置し、その検出値により、抽気量と注
入量とを制御するように構成する。さらに、ボイラー伝
熱管の腐食電位を測定するためのモニターを設置し、給
水に注入する水素量の制御や貴金属等の付着材料の診断
に使用することができる。なお、給水に注入される水素
は、通常酸素の 2倍のモル量で充分であるが、付着した
貴金属の性能が劣化した場合には、水素注入量を増加さ
せることにより、腐食電位を下げることが可能である。
【0020】さらに、系統水のpH制御は、環境の点で
問題となるアルカリ性の薬品の添加を行わず、中性純水
管理方式とする。また、ボイラー水中の金属(Niおよ
びZn)イオンの濃度を1ppb以上に高め、ボイラー材料
の表面に生成する防食性の皮膜を安定化させるととも
に、不純物が流入した際のpΗ緩衝剤として機能させ
る。なお、Νi(イオン)の濃度を高めるためには、ボ
イラー入口の鉄濃度を0.1ppb以下にすることが望まし
い。そして、ボイラー水中のNiおよびZnの濃度がそ
れぞれ1ppbに満たない場合には、金属注入装置により、
NiまたはZnを溶解度を越えて範囲で注入するように
構成する。ここで、これらの金属イオンの測定には、イ
オンクロマトグラフィー、イオンマス、ICP、レーザ
ー等の分光分析器等を使用することができ、その他に
も、高感度で連続測定が可能であれば種類を限定せずに
測定・分析器を使用することができる。
【0021】さらに本発明においては、ボイラー・シス
テムへの浄化装置からの不純物の発生・持ち込みを最小
にするために、以下の方式を採用することで、使用する
イオン交換樹脂量をより少なくしている。
【0022】すなわち、ボイラー水および復水の浄化
は、それぞれボイラー内および復水器ホットウェル内に
設置された不純物水質計器の指示値に基づいて、浄化流
量を制御するとともに、バルブの切り替えにより、浄化
する系統水の選択切り替えを行なう。これにより、不必
要な系統水の浄化を抑え、浄化装置からの不純物の発生
を抑え、ボイラー・システムへの不純物の流入を抑制す
ることができる。また、浄化装置に使用されるイオン交
換樹脂を非再生タイプとすることにより、樹脂の逆再生
に伴う薬剤等の流出を防止することができる。さらに、
このようなイオン交換樹脂の前段にフィルターを配置す
ることにより、樹脂の酸化劣化や油分等の汚染を回避す
ることができる。定期検査時のように浄化装置を使用し
ない場合に、樹脂の酸化劣化等を防止するためには、隔
離弁を設置し脱気水満水保管ができるようにする。
【0023】タービン系および給水ヒータ・ドレン系か
ら給水への水の環流においては、鉄等の不溶解性腐食生
成物の発生、機器・配管への付着傾向および浄化装置の
性能を考慮して、50℃以上 100℃以下と 150℃以上の2
つの温度領域に分け、機器への不溶解性腐食生成物の付
着を防止するとともに、ボイラーへの持ち込みを低減さ
せる。炭素鋼の腐食形態は、 150℃以上の温度では、酸
化物の溶解度が小さいため冷却水への腐食の放出が少な
いので、腐食生成した錆は、酸化物として材料表面に析
出し、皮膜の成長とともに腐食速度も小さくなる。一
方、 100℃以下の低温では、酸化物の溶解度が高いため
溶出が多くなり、腐食生成物の多くは冷却水中に放出さ
れるため、腐食速度も大きくなる。
【0024】浄化装置に使用可能な素材については、 1
00℃以下の低温であれば、現行のポリエチレンより高温
でも使用可能な、例えばポリスルホンの中空糸フィルタ
ーを、低温ヒータ・ドレンが流入した下流の給水系統に
設置することができ、この中空糸フィルターにより、腐
食の大きい領域の不溶解性の腐食生成物を一括して除去
することができる。一方、 150℃以上の高温では、現在
のところ使用可能な有機物系の素材はなく、金属やセラ
ミックスのような無機系の素材に限定される。したがっ
て、高温のタービン、給水ヒータ・ドレン系から給水系
に流入する鉄を主体とする不溶解性の腐食生成物の除去
は、 150℃以上の温度領域で使用可能な、例えば超電導
マグネタイト・フィルターまたはステンレス鋼やセラミ
ックを使用したフィルター等により行なうことが望まし
い。
【0025】ここで、金属やセラミックスをろ材とする
高温フィルターの使用にあたっては、ステンレス鋼につ
いては、高温の予備酸化処理を行なうことにより、また
セラミックスについてはバインダーを使用しないファイ
ンセラミックスの使用により、腐食生成物の付着による
差圧上昇や、溶解速度が大きくろ過特性が変化するとい
う問題を解決することが望ましい。
【0026】さらに、本発明においては、材料の選定や
表面処理(研磨および予備酸化処理)により、耐食性や
エロージョン性等が改善された素材で、伝熱管や冷却管
が構成される。
【0027】一般に、還元性の水質環境では、Ni基合
金の方がFe基合金に比べて、生成される酸化皮膜の安
定性が高い。一方、酸化性の水質環境では、逆にFe基
合金の方がNi基合金に比べて、酸化皮膜の安定性が高
い。そして、還元性の水質環境では、クロム酸化皮膜が
防食的役割を果たし、酸化性の水質環境では、内層のク
ロム酸化皮膜を保護するフェライト皮膜が防食上重要で
ある。したがって、材料の選定および研磨や予備酸化処
理のような表面処理の選定にあたり、材料表面の金属組
成が、これらの条件を満足するようにする。また、皮膜
安定化の観点から、材料表面の残留応力が圧縮状態にな
るように、研磨条件を選定することが望ましい。
【0028】腐食環境が厳しい伝熱管や冷却管にNi基
合金やFe基合金を用いる場合には、これらの材質並び
に表面処理と、皮膜を安定化する水質条件との組み合わ
せを、適切に設定することが重要である。また、材料表
面にΡt等の腐食電位を制御する物質(例えば、貴金
属)を付与したものを使用する場合にも、その性能を維
持するため、材料の表面処理(研磨、予備酸化処理)の
選定、および表面処理と皮膜を安定化する水質条件との
組み合わせを適切に行なうことが重要である。
【0029】実際、還元性雰囲気の加圧水型軽水炉(P
WR)の蒸気発生器の伝熱管には、Cr含有率が高い T
T690が使用されているが、機械研磨により、表面を平均
粗さ2μm 以下の鏡面仕上げに近い条件の圧縮応力状態
にし、 0.1〜10Torrの大気または同等の酸素分圧の不活
性ガス雰囲気で予備酸化することにより、表面に母材よ
りもはるかに高いCr含有率をもつ、 0.3μm 厚の防食
性の高い均質な皮膜が生成される。一方、酸化性の雰囲
気で使用する場合、Feの含有率が 8wt%以上でCr含
有率が18wt%以上のNi基合金に、同様の機械研磨を施
し、次いで 1気圧の大気中で予備酸化することにより、
Cr含有率が高い内層がフェライトからなる外層で完全
に被覆された、防食性の高い皮膜を形成することができ
る。
【0030】また、酸化性の雰囲気で使用する場合、SU
S316鋼に対しても同様の研磨を行ない、 280℃以上の実
機使用条件より30℃以上高い温度で、酸素を含むガスま
たは水蒸気中で予備酸化することにより、優れた防食性
をもつ層を生成することができる。これらの材料は、燃
料被覆管、ボイラー伝熱管、給水加熱器の伝熱管および
復水器の冷却管等にも適用応用することができ、さら
に、水中のNiやZn等の金属イオンの濃度を上げるこ
とで、皮膜を水質側からも安定させ、効果の持続を図る
ことができる。
【0031】さらに、これらの皮膜は安定なため、高温
フィルターのろ材の表面処理や、Pt等の貴金属を付与
し腐食電位を低下させた材料の初期性能の維持に、極め
て効果が大きく、このような表面処理の適用により、効
果が10倍以上持続する。さらに、オーステナイトステン
レス鋼自体は磁性が小さいが、酸化皮膜の形成により強
磁性体となるため、このろ材を使用し、強力な磁場を形
成する超伝導マグネットを用いれば、小容量で除去率の
高いフィルターを得ることができる。
【0032】またさらに、燃料被覆管および復水器の冷
却管に使用するZr合金およびTi合金として、実機使
用温度条件で酸素を含むガスまたは水蒸気中で予備酸化
した材料、あるいは室温で陽極酸化した材料を使用する
ことにより、腐食およびエロージョンをさらに効果的に
防止することができる。
【0033】本発明の作用について、さらに詳細に説明
する。
【0034】まず、本発明の水質制御方法において、酸
素および水素の濃度制御を行なった場合のボイラー水で
の腐食電位とpHとの関係について、PWR二次系にお
けるボイラー(蒸気発生器)伝熱管の腐食を例に挙げて
説明する。
【0035】材料としてNi基合金( MA600)を使用
し、(a)酸素濃度が 20ppbで水素濃度がゼロの場合、
(b)酸素濃度 20ppbで水素濃度が 10ppbの場合、
(c)酸素濃度が 20ppb、水素濃度が 10ppbで材料表面
に貴金属(Pt)を付着させた場合のそれぞれについ
て、ボイラー水の各部位での電位−pΗの変動範囲と局
部腐食との関係を、図1に示す。
【0036】pHの変動範囲は、現行の水質管理方法
で、給水鉄濃度が0.1ppbで0.3ppb程度の不純物(Naま
たはCl)が持ち込まれる場合の計算結果である。水素
濃度がゼロでない場合、n型半導体である鉄の酸化物が
溶出し易くなり、材料表面ではp型半導体であるクロム
酸化物が主体となる。また、水素濃度の増加に伴って水
素の酸化が増加するため、アノード電流が増加し電位は
低下する。さらに、貴金属が付与された場合には、水素
の酸化が大幅に増大するため、アノード電流が増加し、
電位は水素電極に近い値に低下する。
【0037】また、Ni基合金として、 MA600の代わり
に、クロム含有率が高い TT690のような耐食性材料を使
用した場合には、図2に示すように、局部腐食に対する
裕度がさらに大きくなる。
【0038】貴金属の付与量の適正値については、Pt
では 4mg/m2 以上、Ruでは 2mg/m2 以上の付着密度で
あれば、酸素の 2倍(モル)の水素量で充分に電位を低
減できることが、実験により確認された。また、付着の
ばらつきを考慮し、面積平均でそれぞれ 2.5倍の値とな
るよう注入量を制御すれば、 100℃以上の非沸騰の流動
水条件下で、これらの貴金属を付着させることができる
ことを実験的に確認した。なお、温度条件は、貴金属の
コロイド化が促進される温度に相当するものである。
【0039】また、本発明では、薄膜のイオン交換体を
用いることにより、注入薬剤に含まれる不純物は除去さ
れるが、Pt等の貴金属は、コロイド化により除去され
ずにそのまま注入されるため、実機適用上の不純物の流
入の問題を解決することができる。
【0040】さらに本発明においては、材料組成の選
定、研磨や予備酸化のような表面処理、およびNi等の
金属イオンの注入・制御により、貴金属を付着させた材
料の寿命を10倍以上長くすることができる。
【0041】次に、本発明の水質制御方法による酸素濃
度および水素濃度の制御と材料の腐食抑制について、沸
騰水型軽水炉(BWR)のボイラー・システムを例に挙
げて説明する。
【0042】水素の添加により原子炉系の材料の腐食電
位が低下し、ステンレス鋼やインコネル等のNi基合金
の局部腐食が低減されることは良く知られている。そこ
で、高温の給水系でステンレス鋼からのクロムの溶出が
大きく問題となっている事象に適用したところ、給水の
酸素濃度の 2倍(モル濃度)の水素添加により、酸素濃
度 50ppbまでクロム発生の急激な増加がないことが判明
した。
【0043】このことから、復水および給水での酸素濃
度は、20〜 50ppbが適正な制御範囲となる。但し、高温
の給水加熱器からのクロム発生を低減し、ボイラー内で
の局部腐食に対して裕度を持たせるためには、酸素濃度
は 20ppbに近いほど望ましい。なお、現行のΒWRにお
いては、復水系への酸素注入の調整機構のみで、主蒸
気、高温および低温のヒータ・ドレン水、復水および最
終給水での酸素濃度は、それぞれ 20ppm、 40ppb、 20p
pb、 10ppbおよび 30ppbに維持されている。
【0044】本発明では、ボイラーの出口、給水系およ
び復水系にそれぞれ設置した酸素計と水素計の検出値に
より、不足分の酸素および水素が補われ、過剰な場合に
は抽気量を増加させることにより脱気される。そして、
酸素分圧の微少調整が可能なように、給水加熱器、脱気
器および復水器が、それぞれ酸素注入並びに脱気が容易
な構造となっており、このように構成することで、高温
および低温のヒータ・ドレン水、復水および最終給水で
の酸素濃度が、それぞれほぼ理想的な 20ppbに維持され
ている。なお、酸素は空気でも良いが、BWRでは、水
の放射線分解反応により窒素が硝酸に変わるので、空気
の使用は不適である。また、システム全体としては、水
素の燃焼を避けるために、オフガス系に水素と酸素とを
再結合させる再結合器が必要であり、全酸素注入量が水
素注入量の 2倍(モル)以上になるように運用される。
【0045】次に、本発明の水質制御システムによるボ
イラーへの不純物の流入抑制について、PWR二次系を
例に挙げて説明する。
【0046】本発明の水質制御システムにより、復水器
の冷却管をチタンで構成した場合、海水の漏洩(リー
ク)等の発生は皆無に近く減少される。この場合、ボイ
ラー・システムに流入する不純物は、主として、復水浄
化系のイオン交換樹脂の逆再生によって流出するNaお
よびClと、イオン交換樹脂の劣化による分解生成物で
ある。NaとCl、およびイオン交換樹脂の劣化による
代表的な分解生成物である硫酸イオンの濃度は、現状の
再生運用では0.3ppb程度になっている。
【0047】本発明において、浄化流量を復水の全量で
はなく例えば一つの復水器分(全復水流量の 1/3)に少
なくすると、比例して浄化装置のイオン交換樹脂量が少
なくなるため、前記不純物のボイラー水での濃度は0.1p
pb程度になる。そして、一つの復水器当たり2系統の冷
却管束およびホットウェルをもつ復水器を使用したボイ
ラー・システムにおいては、浄化装置の容量は、1つの
ホットウェルに相当する現行の 1/6になり、前記不純物
の濃度は 0.05ppb程度にさらに減少する。
【0048】また、本発明のシステムにおける浄化装置
では、イオン交換樹脂の前に中空糸フィルター等の高性
能なフィルターを設けることにより、不溶解性の腐食生
成物を効果的に除去することができ、さらにイオン交換
樹脂の逆洗を要しないうえに、逆洗や再生を行なう付帯
設備を必要としない。こうして、樹脂層の混合による出
口水質の低下や逆再生のおそれがなく、極めて良好な水
質が得られる。また、イオン交換樹脂を使用しない場合
には、脱気水満水保管を適用すれば、樹脂の酸化劣化も
小さくなり、不純物の流入を現行プラントの1/10程度に
改善することができる。
【0049】さらに、このような浄化装置は、全復水流
量の 1/3程度の浄化容量があれば良い。そして、定期点
検後の再起動時に、タービン系で使用された薬剤の残留
による不純物の発生が大きい場合があるが、このとき発
生する油分等の不純物は、イオン交換樹脂の前段の置か
れた高性能フィルターに、油捕集用のろ過助剤やヘマタ
イト等の酸化物をプリコートすることにより捕集するこ
とができ、こうして高性能フィルターやイオン交換樹脂
の劣化を防ぐことができる。
【0050】次に、本発明のシステムによるボイラーへ
の腐食生成物の持ち込みの改善について、BWR一次系
を例に挙げて説明する。
【0051】現行のプラントでは、低温のヒータ・ドレ
ン水から給水に流入した鉄は、中空糸フィルターに比べ
て除去率の小さい脱塩塔で浄化しているにもかかわら
ず、定格出力運転時では、最終給水での鉄濃度は0.1ppb
程度に維持されている。また、最終給水の鉄濃度に占め
る低温のヒータ・ドレン水からの流入分は、約 8割とな
っている。
【0052】本発明では、現行の脱塩塔よりさらに高温
部にも設置することができ、かつ100℃以下の低温部で
発生した鉄をほぼ完全に除去することができる中空糸フ
ィルターが設置されているため、最終給水の鉄濃度の 8
割を占める低温のヒータ・ドレン水からの流入分を、ほ
ぼゼロにすることができる。
【0053】なお、水の粘性の低下により差圧は減少す
るので、現行の40℃使用に比べて、フィルターのサイズ
を 1/2以下にすることができる。また、酸素および水素
も理想的な濃度範囲に制御されているため、系統での腐
食生成物の発生量も低減させることができる。さらに、
現行プラントでは浄化を行なっていない高温のヒータ・
ドレン水も同様に浄化するようにすれば、現行の 0.02p
pb程度の持ち込み分もほぼゼロにすることができる。
【0054】また、高温の給水系では、ボイラー水の再
循環等により、高温で酸化処理を行なって防食性の高い
皮膜を形成し、腐食の発生を低減することができる。そ
して定期検査時には、給水系に設置したフィルターより
下流部で、隔離弁により脱気水満水または窒素封入等に
より腐食発生を低減し、また起動時には、給水と復水と
を連結した配管を使用して浄化運転を行なうことで、ボ
イラーへの腐食生成物の持ち込みを効果的に抑制するこ
とができる。
【0055】さらに、本発明では、有害な鉄酸化物が除
去される一方、有用なニッケルは除去されないようにな
っており、高温フィルターにイオン交換体を付与するこ
とにより、他の有害な不純物を選択的に除去することも
可能である。
【0056】またさらに、本発明においては、 150℃以
上の高温系で中空糸フィルター並の高い除去性能を示
す、高耐食性ステンレス鋼のような金属や無機系のろ材
を用いた超伝導電磁フィルターや、中空型の焼結フィル
ター等を使用することも可能である。すなわち、従来か
ら高温フィルターとして使用されている材料は、ろ材の
腐食が大きく、ろ過した腐食生成物がろ材の腐食酸化物
と固着して、逆洗により差圧を回復することができなか
ったり、あるいはろ材自体が腐食生成物の発生源となっ
たりして、所定のろ過性能が得られない等の問題があっ
たが、本発明では、ステンレス鋼のような金属のろ材に
対して、防食性の高い皮膜を使用温度より高い温度で付
与することにより、従来に比べて10倍以上の寿命をもた
せることができる。また、酸化皮膜に磁性を付与するこ
とができるので、磁気フィルターの場合は除去率も改善
することが可能である。
【0057】次に、本発明の水質制御方法によるボイラ
ー水でのpHおよび金属(Ni等)イオンの制御につい
て、PWR二次系を例に挙げて説明する。
【0058】不純物の持ち込みがなければ、pHは中性
を示すが、本発明では、特に酸化物の皮膜を安定化し、
NaおよびCl等の不純物が流入した場合にpHの変動
を緩衝する金属として、NiおよびZnが使用される。
これらの金属は、クラッドが主体の鉄を除去する一方、
イオン性のNiは、ポリスルホン等の耐熱性の中空糸フ
ィルターを通過してボイラーに持ち込まれる。したがっ
て、最終給水でのNiイオン濃度は、現行のBWRにお
ける値( 0.03ppb)より 2倍以上高い 0.06ppb以上とな
る。
【0059】本発明では、最終給水での鉄の濃度は0.1p
pb以下、Ni濃度は 0.06ppb以上となっており、熱力学
的に安定なNi−Fe系化合物であるNiFe2 4
比べて、Niが過剰となっている。ボイラー伝熱管の構
成材料としてNi基合金を使用した場合には、ボイラー
部での腐食発生によるNi量は、Fe量より多くなるた
め、過剰なNiはイオン形態となり、ボイラーのブロー
ダウン水の浄化量が給水量の 1%未満であれば、ボイラ
ー水のNiイオン濃度は1ppb以上となる。FeがNiに
比べて過剰であれば、ボイラー水のNiイオン濃度は、
285℃で0.2ppb程度の値を示す。
【0060】また、Ni基合金の表面の皮膜はNiOと
Cr2 3 とであるが、Niイオン濃度が高い条件で
は、外層のNiOが安定化するため、内層のCr2 3
も安定化する。NiがFeに比べて不足する場合には、
イオンクロマトグラフィー等で分析測定し、不足分を注
入すれば良い。また、Znイオン濃度を高めた場合、Z
nがCr2 3 を安定化させる。なお、炭素鋼の場合に
は、Niに対してはNiFe2 4 を生成するが、腐食
抑制のためにはさらに高いNi濃度を必要とする。ま
た、Znに対してはZnFe2 4 を生成するが、腐食
はかえって増加する。したがって、BWRにおいては、
現行の原子炉の浄化系や残留熱除去系の炭素鋼配管を、
ステンレス鋼に変更することが望ましい。
【0061】また、Niはフェライトおよびクロマイト
の皮膜をそれぞれ強化するので、酸化性と還元性の両者
の水質に適用性がある。酸化性および還元性の水質にお
いて、5ppbのNi濃度で腐食をそれぞれ 3割および 6割
低減できることが確認されている。一方、Znは還元性
の水質でクロマイトの皮膜を強化する。
【0062】次に、本発明により鉄分を低減させること
の重要性を、PWR二次系のボイラー・システムでの伝
熱管の腐食や、鉄酸化物の付着による差圧の抑制を例に
挙げて説明する。
【0063】ボイラーに流入したNaやClの不純物
は、ボイラー伝熱面での沸騰により濃縮される。BWR
の燃料被覆管表面での不純物の濃縮率を調べたところ、
沸騰伝熱面での濃縮は単位面積当たりの熱量に比例し、
定格出力では、鉄を主体とする酸化物が 10g/m2 程度の
密度で付着するごとに、濃縮率が約 3倍に上昇すること
がわかった。PWRにおいて、給水の鉄濃度を0.1ppb以
下に抑制した場合、プラントの全生涯に持ち込まれる鉄
の付着による不純物の濃縮倍率は、高々 3倍である。
【0064】一方、ボイラー伝熱管の管板部等での鉄の
付着による不純物の濃縮倍率は、1000倍にも達する。ま
た、管板部での不純物の濃縮倍率は、堆積した鉄を主成
分とする不溶解性腐食生成物の量の他に、管板部の形状
に依存する。さらに、ボイラー伝熱管と管支持板部との
隙間部では、不純物の濃縮倍率は、部位の形状と、同部
位での鉄を主成分とする不溶解性腐食生成物の付着量と
に依存する。
【0065】本発明では、給水系からボイラーへの鉄を
主成分とする不溶解性腐食生成物の持ち込みを低減する
ことにより、図3に示すように、プラントの全生涯(運
転寿命全体)に亘り、ボイラー伝熱管に新品同様の低い
汚れ係数が維持される。また、このような少ない持ち込
み量では、図4に示すように、高温の給水加熱器への不
溶解性腐食生成物の流入および付着による差圧上昇も低
く、問題とはならない。なお、本発明では、PWR二次
系のボイラー伝熱管の管板部や管支持板部は、それぞれ
鉄酸化物が除去し易い構造とし、かつ隙間部の流路面積
が大きく、差圧上昇や不純物の濃縮が起こりにくい形状
とすることが望ましい。
【0066】また、本発明では、不純物であるNaやC
lの濃度が、最大 0.03ppbに改善されるのに対して、p
H緩衝剤でありかつ皮膜を安定化する働きを有するNi
イオンの濃度は、1ppb以上となっている。また、給水か
らの鉄を主成分とする不溶解性腐食生成物の流入が極く
微量で、ボイラー伝熱面での伝熱性能は新品同様であ
り、伝熱管の管板部および管支持板部での不純物の最大
濃縮倍率が約1000倍であることから、濃縮部位でのNa
およびClの最大濃度は 30ppbとなるが、pHはほぼ中
性の 5.6付近に維持することができる。また、Ni濃度
が高いため皮膜は安定化する。Znについても、Niと
同様な作用があり、同様に使用することができる。
【0067】次に、本発明における表面処理を含む材料
選定の効果について説明する。
【0068】放射能のバウンダリーとなる核燃料被覆
管、系統水のバウンダリーとなる伝熱管や冷却管および
機器・配管材料については、局部腐食、エロージョンお
よびフレッティング等の防止に留意して選定する必要が
ある。
【0069】一般に、酸化物は金属より硬度が大きく、
エロージョンやフレッティングに強い。また、現行のZ
r合金を使用した燃料チャンネルボックスでは、機械研
磨により材料表面に圧縮の残留応力層が形成され、防食
性が向上することが確認されている。このように、機械
研磨により表面が圧縮状態にされるため、酸化物の形成
に伴い、界面の引っ張り応力が改善される。また、機械
研磨による表面の凹凸の緩和は、均一な酸化を助長す
る。
【0070】ステンレス鋼を機械研磨し電解すると、表
面が圧縮応力が残留した状態になり、厚さが 1nm程度の
Cr含有率の高い層が形成される。そして、この層の形
成により、その後の酸化処理と組み合わされて良好な防
食性皮膜が形成される。Ni基合金については、析出物
があるため良好な電解研磨法は開発されていないが、機
械研磨により表面が圧縮応力の状態となり、均質な防食
性の高い皮膜が形成される。
【0071】さらに、予備酸化時の酸素分圧を変えるこ
とにより、Ni基合金やステンレス鋼における皮膜の性
状を変化させることができる。すなわち、低酸素分圧お
よび高酸素分圧でそれぞれ生成された皮膜は、それぞれ
低酸素濃度および高酸素濃度の条件で熱力学的に安定で
あり、優れた防食性を示す。
【0072】ステンレス鋼、およびFeを 8wt%以上C
rを18wt%以上含むNi基合金については、高温大気中
で、内層のクロム皮膜を完全にフェライトで被覆した2
層構造をもつ皮膜が形成され、この皮膜は酸化性の水質
条件で全面腐食並びに局部腐食に対する耐食性に優れ、
腐食率を1/10以下にすることができる。一方、 0.1〜10
Torr以下の低酸素分圧では、高温酸化により、母材に比
べてCr含有率が高い皮膜が表面に形成され、還元性の
水質条件で良好な耐食性を示す。特に、30wt%以上のC
rを含む TT690は、耐食性が良好であり、機械研磨と高
温酸化処理により、腐食率を1/10以下にすることができ
る。
【0073】酸化処理の温度依存性については、熱処理
により硬度が増大するNi基合金では、 800℃以下の範
囲であれば、高い温度で生成された皮膜の方が耐食性に
優れていることが知られている。一方、ステンレス鋼
(SUS316)については、図5に示すように、 250℃付近
で腐食速度が最大となり、高温側で温度が高くなるにつ
れて腐食が減少することが知られている。また、使用温
度より高い温度で酸化させた場合には、より低温の使用
条件で、酸化なしの材料に比べて大幅に腐食速度が低減
する。したがって、Ni基合金やステンレス鋼のような
材料に、使用温度より大幅に高い温度で酸化処理を施す
ことにより、耐食性に優れた酸化皮膜が形成され、腐食
速度が低減される。
【0074】以上説明したように、本発明の水質制御シ
ステムおよび方法によれば、系統材料の局部腐食や全面
腐食に対する耐食性が改善されるうえに、腐食に伴って
加速される酸化物の生成や、鉄を主成分とする不溶解性
腐食生成物の付着が抑えられ、差圧上昇が改善される。
また、材料の表面処理によっても差圧上昇が改善され
る。この効果は、特に金属材料をろ材とする高温フィル
ターにおいて重要であり、効率的な浄化を行なうことが
できる。
【0075】さらに、材料表面に形成される酸化皮膜
は、水質側からの金属イオンの制御により強化されて、
相乗的な効果が得られるので、材料の腐食がより低減さ
れる。このように本発明においては、表面処理を含む系
統材料の選定を行ない、浄化系の最適設計を行なうこと
により、環境に悪影響を及ぼすおそれのある薬品を使用
することなく、水質制御を効率的に行なうことができ、
材料信頼性が高くメンテナンスの必要性の少ない安価な
ボイラー・システムや冷却系を提供することができる。
【0076】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0077】図6は、本発明の水質制御システムおよび
方法をPWRの二次系に適用した実施例を示す系統概略
図である。
【0078】図において、符号1はボイラーである蒸気
発生器を示し、符号2は、この蒸気発生器1内で管板3
に溶接され取り付けられたU字型の伝熱管(ボイラー・
チューブ)を示す。ここで、伝熱管2は、クロムを約30
wt%の割合で含有する耐食性合金( TT690)から構成さ
れ、溶体化処理後、10-1〜10Torrの酸素分圧のガス雰囲
気で高温熱処理が行われている。その結果、表面に耐食
性に優れたクロム酸化物が形成され、表面のクロムの含
有率が、母材における含有率(30wt%)より高くなって
いる。
【0079】また、管板3の上部面(2次側)は凹面と
されており、2次側の水を抜いた状態で、リング形状の
フラッシング配管4より清浄水を注入し、管板3の上部
凹面の中央部に接続されたブローダウン配管5から、溜
まり酸化物を排出できるように構成されている。さら
に、伝熱管2の束は、管支持板6により支持されてい
る。管板3および管支持板6は、伝熱管2と同質の材料
で構成され、腐食電位の違いによる隣接腐食が起こらな
い設計となっている。また管支持板6は、くり抜き穴を
もつ平板状とするだけでなく、グリッドやセル形状でバ
ネで管を保持する構造としても良い。
【0080】蒸気発生器1で発生した蒸気は、主蒸気配
管7を通り高圧タービン8に導かれる。主蒸気配管7に
は、酸素注入ライン9が接続されており、蒸気中の酸素
濃度が5ppm以上となるように酸素が注入される。
【0081】高圧タービン8を駆動した蒸気は、再加熱
器10により加熱され、低圧タービン11に導かれる。
ここで、再加熱器10のステンレス鋼からなる伝熱管1
2は、実機での使用温度より高い条件で、酸素を含む蒸
気中で予備酸化処理が行われており、表面にエロージョ
ンおよびコロージョンに強い酸化物が形成されている。
【0082】次いで、低圧タービン11を駆動した湿り
蒸気は、複数存在する復水器13内に設置された冷却管
14により冷却されて復水となり、ホットウェル15に
集められる。ここで、復水器冷却管14は、チタン等の
海水に強い材料で構成されており、陽極酸化により表面
にエロージョンおよびコロージョンに強い酸化物が形成
されている。また、この冷却管14の材質は、非銅合金
であるステンレス鋼でも良く、その場合は、予備酸化処
理により表面にエロージョンおよびコロージョンに強い
酸化物が形成されたものを用いる。なお、符号16は、
ホットウェル15に設置された海水漏洩検出器を示し、
海水に含まれるNa等に対する感度の良いセンサーが使
用される。
【0083】さらに、ホットウェル15の出口配管17
には、遮断弁18と、復水配管19と復水浄化系との流
路を切り替える切り替え弁20が、それぞれ取り付けら
れている。そして、海水漏洩が検出された場合には、切
り替え弁20を浄化系に切り替えて浄化を行ない、海水
漏洩の程度が大きい場合には、遮断弁18を閉塞するす
るように構成されている。
【0084】復水浄化系の浄化装置21は、非再生型の
中空糸等のフィルターとイオン交換樹脂を用いた脱塩塔
とから成り、全復水流量の一部、例えば復水器13が3
つある場合には全復水流量の 1/3と、蒸気発生器1の最
大のブローダウン水量とを浄化できる容量を持ち、海水
漏洩がない場合には、復水の一部を浄化する。
【0085】このような復水浄化系の入口配管には、蒸
気発生器1のブローダウン配管5が接続されており、ブ
ローダウン水が減圧された後、浄化される復水と混合さ
れるようになっている。浄化された水は、上流側で酸素
注入ライン9が接続された復水配管19に流入する。
【0086】また、高圧タービン8、再加熱器10、低
圧タービン11等のドレン水は、それぞれ熱交換器で給
水を加熱した後冷却され、給水にもどる。これらのドレ
ンは、給水配管22に接続された高温( 150℃以上)の
給水ドレン配管23と低温(100℃以下)の給水ドレン
配管24とから、給水に流入する。そして、給水配管2
2において、低温の給水ドレンが流入した下流に、非再
生型のポリスルホン等の耐熱性中空糸の高温フィルター
25が設置されており、この高温フィルター25で浄化
された給水は、低温の給水加熱器26で加熱される。こ
こで、低温の給水加熱器26の伝熱管27は、非銅合金
であるステンレス鋼から構成されている。
【0087】また、高温の給水ドレン配管23には、ス
テンレス鋼をろ材とし、ろ材表面に予備酸化処理により
フェライト等の耐食性に優れた磁性酸化物が形成された
高温フィルター28が設置されている。なお、この高温
フィルター28は、高温の給水加熱器29の入口配管に
設置しても良く、その場合には、前記した非再生型の耐
熱性中空糸の高温フィルター25は設置する必要がな
い。
【0088】高温給水加熱器29においては、上部気相
側に高温水または高温蒸気が流入し、これが伝熱管30
により冷却されて下部に溜まり、ドレンされる。ここ
で、高温給水加熱器29の伝熱管30は、ステンレス鋼
から構成され、かつ予備酸化処理により防食性の酸化物
が形成されている。また、高温給水加熱器29の上部気
相側には、抽気量調整弁31が配設されたベントライン
32が取付けられ、抽気がなされている。さらに、高温
給水加熱器29および低温給水加熱器26のドレン側に
は、それぞれ酸素注入ライン9が接続されている。これ
らの酸素注入ライン9は、下流の給水ドレン配管23、
24や給水配管22に接続しても良い。
【0089】さらに、蒸気発生器1の入口配管に相当す
る最終給水配管33、低温の給水ドレン流入ラインの下
流の給水配管22、および復水系の酸素注入ライン9の
上流の復水配管19には、それぞれ酸素計34が設置さ
れている。最終給水配管33には、水素計35も設置さ
れている。そして、これら酸素計34および水素計35
の検出値に基づいて、酸素注入量および抽気量を調整す
ることにより、酸素濃度および水素濃度がそれぞれ制御
される。復水および給水での酸素濃度は20〜 50ppbの範
囲とし、高温の給水では前記範囲内でできるだけ 20ppb
に近い値に制御される。
【0090】またさらに、高温給水加熱器29の入口配
管36には、水素注入ライン37が接続されており、蒸
気発生器1内の非沸騰部に設置された腐食電位計38の
指示値に基づいて、給水の酸素の 2〜 5倍のモル量(濃
度)になるように、水素の注入量が調節される。なお、
水素注入ライン37は、高温給水加熱器29のドレン側
または給水ドレン配管23に接続しても良い。また、腐
食電位計38は、蒸気発生器1の伝熱管2と同一の材料
と白金との間の電位差を測定する機器であり、伝熱管2
と同一の材料としては、試験片でも実機の材料そのもの
でも良い。
【0091】さらに、蒸気発生器1のブローダウン配管
5には、イオンクロマトグラフィー等の高感度の分析機
器39が設けられ、この分析機器39により、ブローダ
ウン配管5から採取された水の金属(Ni、Zn等)イ
オンおよび不純物(Νa、Cl等)イオンをそれぞれ連
続的に測定し、ブローダウン配管5の流量を制御した
り、あるいは最終給水配管33に設置された金属注入装
置40からの金属イオンの注入量を決定するようになっ
ている。なお、分析機器39としては、高感度で連続測
定が可能な測定機器であれば、イオンクロマトグラフィ
ーに限らず、イオン・マスやICP、レーザーを用いた
分光分析器等を使用することもできる。また、ブローダ
ウン流量の制御は、弁によるON、OFF制御でも良い
が、連続的に流量を変化させても良い。
【0092】またさらに、最終給水配管33には、金属
注入装置40とともに、Pt等の貴金属の注入装置41
が接続されている。そして、このような貴金属注入装置
41と金属注入装置40により、イオンクロマトグラフ
ィー等の分析機器39により測定される金属イオンの濃
度が、1ppb以上となるように制御される。さらに、蒸気
発生器1と高温給水加熱器29とは連結配管42で連結
されており、この連結配管42を用いてボイラー水を再
循環させることにより、高温給水加熱器29において材
料表面にPt等の貴金属を付着させたり、あるいは予備
酸化を行なうことができるようになっている。なお、貴
金属の付着量は、貴金属注入量と冷却水中の貴金属残量
との差分により把握することができ、付着による効果
は、前記した腐食電位計38の指示値から判断すること
ができる。
【0093】このように構成される実施例においては、
環境に影響を及ぼす薬品を使用することなく、適切な水
質制御が行なわれており、材料の腐食が抑制されるとと
もに、腐食生成物の持ち込みおよび付着が抑制される。
【0094】次に、このような本発明の実施例における
高温給水での酸素濃度および水素濃度の制御について、
図7に基づいてさらに詳細に説明する。
【0095】この実施例では、PWR二次系の高温給水
加熱器29の上流側および下流側の酸素濃度が、それぞ
れ酸素計34により検出され、高温給水加熱器29の下
流側の水素濃度が、水素計35により検出されている。
そして、高温給水加熱器29の入口配管36に酸素注入
ライン9が、ドレン側に水素注入ライン37がそれぞれ
接続されている。また、水質制御のために、酸素濃度と
水素濃度の検出値を入力して、酸素と水素の注入を制御
し、かつ抽気調整弁31の開度を調整する制御出力を有
する制御装置43が設けられている。そして、高温給水
加熱器29の上流側の酸素濃度が下流側の酸素濃度より
高い場合には、制御装置43により、高温給水加熱器2
9に取り付けられている抽気調整弁31の開度を上げて
抽気を行ない、逆に低い場合には、酸素注入ライン9か
ら酸素の注入を行なうように構成されている。また、水
素の注入は、高温給水加熱器29の上流側の酸素濃度が
所定の濃度になるように行なわれる。
【0096】なお、水素の注入量がシステム全体での酸
素のそれの2倍モル量を超えると、水素燃焼等の問題が
発生するため、復水器(図示を省略。)より酸素が過剰
になるように補給される。また、制御装置43による制
御は、緊急性がない場合は手動で行なっても良い。さら
に、復水系では、酸素計34の検出値が所定の値になる
ように、復水と低温給水での酸素の差分に着目して、低
温給水系での酸素注入を行なえば良い。
【0097】次に、本発明を、PWR二次系のボイラー
水再循環システムに適用した実施例を、図8に示す。
【0098】この実施例では、蒸気発生器1と高温給水
加熱器29とを連結する連結配管42を用いて、蒸気発
生器1内のボイラー水が再循環されており、この再循環
システムにより、系統材料への貴金属の付着がなされて
いる。そして、高温給水加熱器29の出口濃度が、酸素
計34および水素計35によりそれぞれ検出され、各注
入ラインから給水への酸素および水素の注入量が、この
高温給水加熱器29の出口濃度と所定濃度との過不足に
より制御されるようになっている。また、系統材料への
Ptのような貴金属の付着量の確認は、腐食環境の点で
最も厳しい条件にある、蒸気発生器1内の伝熱管2の電
位を腐食電位計38によりモニタリングすることにより
行なわれ、不足分は、貴金属注入装置41からの注入に
より補填される。なお、貴金属の注入は、系統材料の単
位面積あたり10mg/m2 の付着密度を目途に注入すれば充
分である。
【0099】さらに、本発明を、PWR二次系の起動前
の浄化運転に適用した実施例を、図9に示す。
【0100】この実施例では、最終給水配管33と復水
配管19とを連結する連結配管44を使用して、起動前
の浄化運転が行なわれている。そして、不純物のイオン
濃度が高い場合には、この不純物イオンが浄化装置21
で除去された後、給水系に設置された耐熱性中空糸の高
温フィルター25に切り替えて浄化が行なわれる。不純
物イオンがほとんどない場合には、高温フィルター25
による除去だけで良い。流量の調整は、系統内のポンプ
およびバルブにより行なわれる。なお、系統の酸素濃度
の制御は、復水系および給水系にそれぞれ設置された酸
素計34の検出値を基にして、酸素注入ライン(図示を
省略。)から酸素を注入することにより行なわれる。そ
して、系統の酸素濃度を制御することにより、低温およ
び高温の給水加熱器26、29の伝熱管等に付着した鉄
が除去される。
【0101】次に、本発明を発熱炉の冷却システムに適
用した実施例を、図10に基づいて説明する。
【0102】図において、符号45はボイラーに相当す
る発熱炉を示し、この発熱炉45の温度は、冷却管46
を通る冷却水により冷却され、加熱された冷却水は熱交
換器47で冷却された後、一部が浄化装置21に流入
し、腐食生成物および不純物が除去されるようになって
いる。また、発熱炉45に供給される冷却水は、ステン
レス鋼等のろ材を使用した高温フィルター28により、
全量がろ過され不純物等が除去される。
【0103】熱交換器47の伝熱管48やその他の機器
・配管の構成材料としては、ステンレス鋼やインコネル
等の耐食性材料が使用されており、研磨や高温予備酸化
のような表面処理が行われている。また、水中に腐食電
位を調整する物質が付与され、酸素濃度や水素濃度ある
いはΝi等の金属イオンの濃度が制御されている。な
お、水素等のガスの供給は、加圧器49の気相側に、所
定分圧となるよう調整されて供給されている。
【0104】このように構成される実施例においては、
伝熱管やその他の機器・配管への放射能(Co−60等)
の付着が少ないうえに、薬品の添加が不要であり、腐食
生成物の発生がなく健全性に優れている。
【0105】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の水質制御システムおよび方法によれば、沸騰水型原子
力発電プラント一次系、加圧水型原子力発電プラント二
次系、火力発電プラント等の水を冷却材とするボイラー
・システムや、核融合炉等の冷却系において、腐食生成
物の発生、持ち込みおよび付着が抑制されるとともに、
系統材料の腐食が抑制される。また、環境問題を発生さ
せるおそれのある薬品を使用する必要がなく、システム
の洗浄が不要で、材料の局部腐食の発生が少ない。さら
に、設備コストが少ないうえに、メンテナンスをほとん
ど要しないので、定期検査期間の短縮が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水質制御方法による、Ni基合金( M
A600)の局部腐食発生水質領域の変動範囲を示すグラ
フ。
【図2】本発明の水質制御方法による、クロム含有率が
高いNi基合金( TT690)の局部腐食発生水質領域の変
動範囲を示すグラフ。
【図3】給水からの鉄の不溶解性腐食生成物の持ち込み
量とボイラー伝熱管の汚れ係数との関係を表わすグラ
フ。
【図4】高温給水加熱器への鉄の不溶解性腐食生成物の
持ち込み量と差圧上昇との関係を表わすグラフ。
【図5】高温予備酸化処理によるステンレス鋼(SUS31
6)の腐食抑制効果を表わすグラフ。
【図6】本発明をPWR二次系に適用した実施例を示す
系統概略図。
【図7】本発明を、高温給水での酸素および水素の濃度
制御に適用した実施例を示す系統概略図。
【図8】本発明を、PWR二次系のボイラー水再循環シ
ステムに適用した実施例を示す系統概略図。
【図9】本発明を、PWR二次系の起動前の浄化運転に
適用した実施例を示す系統概略図。
【図10】本発明を発熱炉の冷却システムに適用した実
施例を示す系統概略図。
【符号の説明】
1………蒸気発生器 2………蒸気発生器伝熱管 5………ブローダウン配管 7………主蒸気配管 8………高圧タービン 9………酸素注入ライン 10………再加熱器 11………低圧タービン 13………復水器 15………ホットウェル 18………遮断弁 19………復水配管 20………切り替え弁 21………浄化装置 22………給水配管 25………中空糸の高温フィルター 26………低温給水加熱器 28………ステンレス鋼をろ材とする高温フィルター 29………高温給水加熱器 31………抽気量調整弁 33………最終給水配管 34………酸素計 35………水素計 37………水素注入ライン 38………腐食電位計 39………イオンクロマトグラフィー等の分析機器 40………金属注入装置 41………貴金属注入装置 42、44………連結配管 43………制御装置 45………発熱炉 47………熱交換器 48………熱交換器伝熱管 49………加圧器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 和矢 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 関 秀司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と接触する部分の構成材料として、鉄
    またはクロムの含有率が調整された金属材料が使用さ
    れ、かつ該金属材料の表面が機械的研磨により圧縮応力
    が残留した状態とされて、表面のクロム含有率が母材よ
    り高められるとともに、均一な防食性皮膜が形成される
    ように構成されており、さらに前記材料表面に腐食電位
    を安定して制御する物質が付与された機器および/また
    は配管を備えたことを特徴とする水質制御システム。
  2. 【請求項2】 ボイラーと給水加熱器とを連結してボイ
    ラー水を再循環させることにより、前記材料を予備酸化
    し、または前記材料表面に腐食電位を低下させる物質を
    付与するボイラー水再循環システムを備えたことを特徴
    とする請求項1記載の水質制御システム。
  3. 【請求項3】 前記ボイラー水再循環システムにおい
    て、ボイラー起動の昇温時または停止の降温時に、蒸気
    を発生させることなく 100℃以上の温度で48時間保持す
    ることで、前記腐食電位を低下させる物質の付与が行な
    われるように構成したことを特徴とする請求項2記載の
    水質制御システム。
  4. 【請求項4】 腐食電位を安定して制御する物質が、貴
    金属またはTiO2であり、かつ該貴金属の材料表面へ
    の付着密度が、Ptでは 4mg/m2 以上、Ruでは 2mg/m
    2 以上となることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か1項記載の水質制御システム。
  5. 【請求項5】 前記貴金属の付与のために使用される薬
    剤中の材料腐食に有害な化学種が、薄膜のイオン交換体
    により除去されるように構成したことを特徴とする請求
    項4記載の水質制御システム。
  6. 【請求項6】 前記機器および/または配管が、耐食性
    ニッケル基合金から構成され、かつ酸素分圧が調整され
    たガス雰囲気中での熱処理により、表面に防食性の高い
    予備酸化皮膜が形成されることを特徴とする請求項1記
    載の水質制御システム。
  7. 【請求項7】 前記機器および/または配管が、耐食性
    ニッケル基合金から構成され、かつ表面が 2μm 以下の
    平均粗さに機械研磨されて、圧縮応力が残留した状態と
    なっていることを特徴とする請求項1記載の水質制御シ
    ステム。
  8. 【請求項8】 前記耐食性ニッケル基合金として、酸化
    性の水質環境では、Feの含有率が 8wt%以上でCrの
    含有率が17wt%以上のものが使用され、還元性の水質環
    境では、Crの含有率が30wt%以上のものが使用される
    ことを特徴とする請求項6または7記載の水質制御シス
    テム。
  9. 【請求項9】 不純物の発生の少ない材料から構成さ
    れ、化学種別に選択して不純物の流入を検知し除去する
    浄化装置、および/または各種機器のドレン水を給水に
    回収し、給水配管と復水配管とを連結して給水系と復水
    系の不純物および腐食生成物をそれぞれ除去する浄化装
    置を備えたことを特徴とする水質制御システム。
  10. 【請求項10】 前記ドレン水の給水への回収が、 150
    ℃以上の高温水と100℃以下の低温水との2つの系統で
    行なわれるように構成したことを特徴とする請求項9記
    載の水質制御システム。
  11. 【請求項11】 前記浄化装置が、 100℃以下の低温水
    を浄化する場合は、耐熱性の有機系ろ材を用いた中空糸
    フィルターであり、 150℃以上の高温水を浄化する場合
    は、高耐食性のステンレス鋼またはセラミックスのろ材
    を用いた超伝導電磁フィルターまたはろ過フィルターで
    あることを特徴とする請求項10記載の水質制御システ
    ム。
  12. 【請求項12】 前記ステンレス鋼のろ材は、予め実機
    使用温度より30℃以上高い 300℃以上の温度で、酸素を
    含むガスまたは高温水蒸気中で予備酸化されることによ
    り、磁性を付与されたものであることを特徴とする請求
    項11記載の水質制御システム。
  13. 【請求項13】 復水器の冷却管がチタンまたはステン
    レス鋼により構成されるとともに、海水漏洩検出器によ
    り海水の漏洩が検出された場合に、復水の流路を遮断し
    または浄化装置に切り替えるように構成したことを特徴
    とする請求項9記載の水質制御システム。
  14. 【請求項14】 前記浄化装置が、復水流量の一部とボ
    イラーのダウンブロー水とを浄化できる容量を持ち、非
    再生型の混床イオン交換樹脂の前段に非ろ過助剤型の化
    学的に安定なフィルターを配置したものであることを特
    徴とする請求項9記載の水質制御システム。
  15. 【請求項15】 給水系統に非ろ過助剤型の高温フィル
    ターを有する浄化装置が設置され、この浄化装置により
    不溶解性の腐食生成物が除去され、溶解性の腐食生成物
    は通過するように構成したことを特徴とする請求項9記
    載の水質制御システム。
  16. 【請求項16】 アルカリ性の薬剤を使用することなく
    水質を中性純水に保つとともに、水中の酸素および水素
    の濃度をそれぞれ最適範囲に調整し、材料からの腐食生
    成物の発生を抑制する方法、酸素の 2〜 5倍のモル量の
    水素を添加して不溶解性腐食生成物の付着を防止し、か
    つ水中への貴金属の注入により、該貴金属を材料表面に
    付与して腐食電位を低減し、前記材料からの金属溶出や
    局部腐食を抑制する方法、および不純物流入時のpΗを
    緩衝し、かつ材料表面に生成される防食皮膜を安定化さ
    せる金属イオンの濃度を測定し、注入により該金属イオ
    ンの濃度を最適値に制御する方法のうちの、1つ以上の
    方法を備えたことを特徴とする水質制御方法。
  17. 【請求項17】 高温の給水加熱器の入口において水素
    を注入するとともに、ボイラー出口とボイラーへの給水
    および復水系統にそれぞれ酸素を注入し、各系統の下流
    で酸素濃度および水素濃度を測定して、これらを最適範
    囲に制御することを特徴とする請求項16記載の水質制
    御方法。
  18. 【請求項18】 前記酸素濃度を、前記ボイラー出口の
    蒸気中で5ppm以上、復水および低温の給水系統で20〜 5
    0ppb、高温の給水系統で20〜 50ppbでできるだけ 20ppb
    に近い値に制御することを特徴とする請求項17記載の
    水質制御方法。
  19. 【請求項19】 ボイラー水の金属イオン濃度が、ボイ
    ラー入口において前記金属イオンの注入により、1ppb以
    上に高められることを特徴とする請求項16記載の水質
    制御方法。
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