JP2012102349A - ジルコニウム合金材料 - Google Patents

ジルコニウム合金材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2012102349A
JP2012102349A JP2010249543A JP2010249543A JP2012102349A JP 2012102349 A JP2012102349 A JP 2012102349A JP 2010249543 A JP2010249543 A JP 2010249543A JP 2010249543 A JP2010249543 A JP 2010249543A JP 2012102349 A JP2012102349 A JP 2012102349A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zirconium alloy
less
alloy material
highly corrosion
material according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010249543A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5916286B2 (ja
Inventor
Makoto Ishibashi
良 石橋
Masatoshi Inagaki
正寿 稲垣
Hideo Soneda
秀夫 曽根田
Naoya Okizaki
直也 沖崎
Tomomi Nakamura
友美 中村
Giichi Todaka
義一 戸高
Hiroaki Higashi
宏昭 東
Nozomi Adachi
望 足立
Minoru Umemoto
実 梅本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2010249543A priority Critical patent/JP5916286B2/ja
Priority to US13/291,277 priority patent/US8989339B2/en
Publication of JP2012102349A publication Critical patent/JP2012102349A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5916286B2 publication Critical patent/JP5916286B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C3/00Reactor fuel elements and their assemblies; Selection of substances for use as reactor fuel elements
    • G21C3/02Fuel elements
    • G21C3/04Constructional details
    • G21C3/06Casings; Jackets
    • G21C3/07Casings; Jackets characterised by their material, e.g. alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C16/00Alloys based on zirconium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/16Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of other metals or alloys based thereon
    • C22F1/18High-melting or refractory metals or alloys based thereon
    • C22F1/186High-melting or refractory metals or alloys based thereon of zirconium or alloys based thereon
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C3/00Reactor fuel elements and their assemblies; Selection of substances for use as reactor fuel elements
    • G21C3/30Assemblies of a number of fuel elements in the form of a rigid unit
    • G21C3/32Bundles of parallel pin-, rod-, or tube-shaped fuel elements
    • G21C3/324Coats or envelopes for the bundles
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C3/00Reactor fuel elements and their assemblies; Selection of substances for use as reactor fuel elements
    • G21C3/30Assemblies of a number of fuel elements in the form of a rigid unit
    • G21C3/32Bundles of parallel pin-, rod-, or tube-shaped fuel elements
    • G21C3/34Spacer grids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D2221/00Treating localised areas of an article
    • C21D2221/10Differential treatment of inner with respect to outer regions, e.g. core and periphery, respectively
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D7/00Modifying the physical properties of iron or steel by deformation
    • C21D7/02Modifying the physical properties of iron or steel by deformation by cold working
    • C21D7/04Modifying the physical properties of iron or steel by deformation by cold working of the surface
    • C21D7/08Modifying the physical properties of iron or steel by deformation by cold working of the surface by burnishing or the like
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Abstract

【課題】製造工程における熱履歴によらず、高い耐食性を有するジルコニウム合金材料を提供する。
【解決手段】質量%でSn:0.001〜1.9%、Fe:0.01〜0.3%、Cr:0.01〜0.3%、Ni:0.001〜0.3%、Nb:0.001〜3.0%、0.027%以下のC、0.025%以下のN、4.5%以下のHf及び0.16%以下のOを含み、残部が不可避不純物とZrとからなるジルコニウム合金を用い、少なくとも表面部に塑性ひずみ3以上又はビッカース硬さで260HV以上となる冷間加工を施工し、前記冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化する。
【選択図】図8

Description

本発明は、ジルコニウム合金材料に関する。
ジルコニウム合金は、耐食性に優れることから、化学製品製造装置・機器用材料に用いられている。また、ジルコニウム合金は、熱中性子吸収断面積が小さいことから、燃料被覆管、チャンネルボックスなどの原子炉内機器用材料として用いられている。
例えば、加圧水型や沸騰水型に代表される軽水炉の核燃料被覆管、スペーサ及びチャネルボックスには、ASTM規格のB811に既定されるR60802若しくはR60804、又はJIS規格のH4751に既定されるZrTN802D若しくはZrTN804Dなど、質量%で1.2〜1.7%のSnを含有するジルコニウム合金が使用されている。また、重水炉などの圧力管には、ASTM規格のB811に既定されるR60901など、質量%で2.0〜3.0%のNbを含有するジルコニウム合金が使用されている。
原子炉内機器用材料の使用環境においては、ジルコニウム合金といえども長時間の使用により腐食が進行する。その結果、厚い皮膜が形成されるため、熱伝達係数が低下する。
燃料棒においては、ウランペレットの温度の上昇によりFPガス(気体状態の核分裂生成物(Fission Product:FP))放出を加速し、内圧を上昇させて被覆管の破壊を招く可能性や、腐食の進行に伴い、水素吸収量が増加して水素脆化の原因にもなりうる。このことから、腐食は、ジルコニウム合金から構成される機器の使用寿命を決める一つの要因と考えられている。
ジルコニウム合金で構成された機器を長時間使用するためには、耐食性の更なる向上が望まれる。このため、ジルコニウム合金の耐食性を向上させることを目的として、製造プロセスの改良、合金組成の改良等が検討されている。
ジルコニウム合金は、常温で安定なα相(六方最密充填構造:HCP)に対して、合金組成によって変態温度が変化するものの、約950℃以上の高温で安定なβ相領域が存在し、その中間にα+βの2相領域が存在する。
ジルコニウム合金材料の製造工程においては、溶解に続いて鍛造を行って作製したビレットに対して、耐食性向上や材質全体の均質化を目的としてβ単相領域に保持後急冷するβ焼入れと呼ばれる溶体化処理を施す。β焼入れ後、必要であれば熱間加工を行い、それに続いて、α+β相領域若しくはα相領域における焼鈍しを挟みながら冷間加工を繰り返して、所定の部材の形状に成形する。なお、上記の溶体化処理は、α+β相領域に保持して急冷する場合もある。
Sn含有ジルコニウム合金においては、Zr(Cr、Fe)、Zr(Ni、Fe)といった金属間化合物が析出する。Nb含有ジルコニウム合金においては、β−ジルコニウム又はβ−ニオビウムが析出する。さらに、SnやFeを含有する場合は、(Zr、Nb)Fe、(Zr、Nb)Fe、Zr(Fe、Nb)、Zr(Fe、Nb)等の金属間化合物が析出する。これらの析出物は、β焼入れ後に高温で保持している間に析出し、成長する。
β焼入れ後の形状成形工程においては、合金の集合組織形成及び析出物の生成・成長を考慮して、適正な条件になるように加工度や焼鈍し条件を制御している。集合組織は、合金の照射成長、水素脆化などに関わり、析出物は耐食性に関わる。析出物が大きく成長すると、耐食性を損なうため、β焼入れ後の形状成形工程における熱履歴は、高温に長時間保持されることを避けるように制御されている。
β焼入れの冷却速度が高いと耐食性が向上することが知られている。
特許文献1には、β焼入れの冷却媒体を水の代わりに液体ナトリウムを用いたSn含有ジルコニウム合金が開示されている。
特許文献2〜5には、均一腐食を抑制して耐食性を向上させるため、Snの含有量を低減したジルコニウム合金が開示されている。
特許文献6〜7には、Sn含有ジルコニウム合金の耐食性を向上させるため、Feの含有量を増加してFe/Ni含有量比を既定したジルコニウム合金が開示されている。
特許文献8〜9には、照射環境下でも高い耐食性を示すとして、β焼入れ後540℃で16時間熱処理を施した平均粒径30〜150nmのβ−ニオビウムが微細分散したSn−Nb含有ジルコニウム合金が開示されている。
核燃料被覆管の場合、通常は形状成形工程で最終焼鈍しを行った後、ロール矯正機にて真直化し、外表面を機械的研磨若しくは酸洗にて仕上げられる。特許文献10〜11には、製造の最終段階において、表面にショットピーニングを施した後、560〜620℃の熱処理を施すことにより、外表面の平均結晶粒径を3μm以下、厚さが1〜100μmの微細結晶組織層を形成して耐食性を向上させたジルコニウム合金核燃料被覆管が開示されている。
特開2001−262259号公報 特開昭63−33535号公報 特開昭64−39589号公報 特開平2−271291号公報 特開平10−273746号公報 特許第2600057号公報 特許第2790138号公報 特開平11−101887号公報 特開平11−109072号公報 特開平11−52087号公報 特開2000−105289号公報
本発明の目的は、製造工程における熱履歴によらず、高い耐食性を有するジルコニウム合金材料を提供することにある。
本発明のジルコニウム合金材料は、少なくとも表面部に塑性ひずみ3以上又はビッカース硬さで260HV以上となる冷間加工を施工し、前記冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化したものである。前記表面の残留応力は、圧縮にすることが望ましい。
本発明によれば、ジルコニウム合金材料の耐食性を向上できるため、機器の信頼性や長寿命化を図ることができる。また、ジルコニウム合金材料作製の最終工程で本発明の工程を適用することにより、ジルコニウム合金材料の成形工程における熱履歴に関わりなく耐食性を向上できるため、製造工程の効率化を図ることができる。
本発明の条件の検討に用いた高圧ねじり加工試験装置の要部を示す断面図である。 高圧ねじり加工試験材のビッカース硬さと相当塑性ひずみ量との関係を示すグラフである。 通常の機械加工研削を施工した表面の断面ビッカース硬さの深さ方向分布を示すグラフである。 高圧ねじり加工試験材のビッカース硬さに及ぼす熱処理温度の影響を示すグラフである。 高圧ねじり加工試験材およびその熱処理材を透過電子顕微鏡によって観察した組織及び電子線回折の結果を示す画像である。 高圧ねじり加工試験材およびその熱処理材を透過電子顕微鏡によって観察した組織及び電子線回折の結果を示す画像である。 高圧ねじり加工試験材およびその熱処理材を透過電子顕微鏡によって観察した組織及び電子線回折の結果を示す画像である。 通常の機械加工研削を施工した表面部の断面を透過電子顕微鏡によって観察した組織を示す画像である。 図6Aの拡大画像である。 高温水中に浸漬した未加工材の表面の反射電子像である。 高温水中に浸漬した通常の機械加工材の表面の反射電子像である。 高温水中に浸漬した高圧ねじり加工材の表面の反射電子像である。 高温水中に浸漬した高圧ねじり加工材を300℃で熱処理した材料の表面の反射電子像を示す図である。 高温水中に浸漬した高圧ねじり加工材を400℃で熱処理した材料の表面の反射電子像を示す図である。 高温水中に浸漬した各材料の表面に観察された瘤状腐食生成物の数密度及び平均粒径を示すグラフである。 実施例の燃料集合体を示す断面図である。 実施例のチャンネルボックスを示す斜視図である。 図10Aのチャンネルボックスの断面図である。 実施例のチャンネルボックスを示す斜視図である。 図10Aのチャンネルボックスの断面図である。 図10Aのチャンネルボックスの断面図である。 実施例のチャンネルボックスを示す斜視図である。 実施例の核燃料棒を示す部分断面図である。 実施例のウォータロッドを示す部分断面図である。 実施例のウォータロッドを示す部分断面図である。 実施例のスペーサを示す上面図である。 実施例のスペーサを示す上面図である。 図17のセル31を示す斜視図である。
本発明は、新規なジルコニウム合金材料の製造方法に関し、特に、耐食性が要求される材料、機器及び構造物に好適なジルコニウム合金に関する。
本発明は、冷間加工(大ひずみ加工ともいう。)にて大きな塑性ひずみを加え、熱処理ならびに表面研磨を施すことによって、高い耐食性を示すジルコニウム合金材料を提供するものである。
本発明の高耐食ジルコニウム合金材料(高耐食ジルコニウム合金部材)は、質量%でSn:0.001〜1.9%、Fe:0.01〜0.3%、Cr:0.01〜0.3%、Ni:0.001〜0.3%、Nb:0.001〜3.0%、0.027%以下のC、0.025%以下のN、4.5%以下のHf及び0.16%以下のOを含み、残部が不可避不純物とZrとからなるジルコニウム合金であって、材料の少なくとも表面部に塑性ひずみ3以上の冷間加工を施工し、加工層を残した状態でその表面を機械的または化学的な研磨手法によって平坦化したことを特徴とする。
ここで、大ひずみ加工とは、塑性ひずみ3以上の冷間加工をいう。
また、機械的な研磨手法(機械的研磨手法)とは、硬質の研磨砥粒を用いて段階的にその粒度を細かくしながら研磨面を擦り、平坦に磨くことをいう。なお、研磨面を適切な溶媒に浸漬して上記の研磨操作を行ってもよい。化学的な研磨手法(化学的研磨手法)とは、酸などの薬品を用い、研磨面を溶解することにより平坦に磨くことをいう。
なお、これらの中間的な手法として、アルゴンなどのイオン粒子を研磨面に照射することにより平坦化するものもあり、本発明の機械的または化学的な研磨手法においては、これを含むものとする。
本発明の高耐食ジルコニウム合金材料は、質量%でSn:0.001〜1.9%、Fe:0.01〜0.3%、Cr:0.01〜0.3%、Ni:0.001〜0.3%、Nb:0.001〜3.0%、0.027%以下のC、0.008%以下のN、0.010%以下のHf及び0.16%以下のOを含み、残部が不可避不純物とZrとからなるジルコニウム合金であって、材料の少なくとも表面部に塑性ひずみ3以上の冷間加工を施工し、加工層を残した状態でその表面を機械的または化学的な研磨手法によって平坦化したことを特徴とする。
本発明の高耐食ジルコニウム合金材料は、材料の少なくとも表面部に塑性ひずみ3以上の冷間加工を施工した後、250〜550℃で熱処理を施し、加工層を残した状態でその表面を機械的または化学的な研磨手法によって平坦化したことを特徴とする。
本発明の高耐食ジルコニウム合金材料は、機械的または化学的な研磨手法によって平坦化した表面の残留応力が圧縮であることを特徴とする。
本発明の高耐食ジルコニウム合金材料は、上記の熱処理を施した後、550℃以下で塑性ひずみ3未満の塑性加工を施し、塑性ひずみ3以上の冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化したものであることを特徴とする。
本発明の高耐食ジルコニウム合金材料は、上記の塑性加工を施し、再度加熱して550℃以下で熱処理を施した後、塑性ひずみ3以上の冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化したものであることを特徴とする。
本発明の高耐食ジルコニウム合金材料は、原子炉燃料集合体の核燃料被覆管、スペーサおよびチャネルボックスの構成材であることを特徴とする。
ジルコニウム合金の耐食性、特に沸騰水型原子炉にみられるノジュラー腐食は、析出物の寸法や組成比と相関があり、β焼入れ後の熱履歴が低温または短時間であるほど析出物の寸法が小さく、ノジュラー腐食が抑制される。一方、β焼入れ後の形状成形工程においては、材料の用途に応じて、好適な集合組織や機械的特性を示すように適正な加工度及び焼鈍し条件に制御する。そのため、耐食性は考慮されるものの、耐食性に最適化された加工熱処理条件ではなく、他の特性についても加工熱処理条件が耐食性の制約を受ける。
鋭意研究を行った結果、β焼入れを行わなくても、ジルコニウム合金に大きな塑性ひずみで冷間加工することによって析出物がジルコニウム合金基材に固溶すること、250〜550℃の焼鈍しによって再析出するものの粒径が小さく微細に分散すること、及び、析出物が固溶した状態や微細に分散した状態の耐食性は冷間加工前と比べて優れることがわかった。さらに、析出物をジルコニウム合金基材に固溶させるには、塑性ひずみ3以上の冷間加工を付与する必要がある。
加工によって生じた腐食起点となりうる凹凸を機械的もしくは化学的手法で研磨して平坦化することが耐食性を向上する上で重要である。また、研磨によって加工時に生じた表面の引張残留応力を緩和し、更に圧縮化することができる。高温水など水素を吸収する環境で使用された場合、吸収した水素が板状の水素化物として析出するが、温度を降下した際に表面に平行な方向に引張応力がかかると水素化物の配向が板厚方向に変化し、水素脆化を招く可能性がある。表面に圧縮残留応力が予め付与されていれば、温度を降下時の引張応力と相殺し、水素化物の板厚方向への配向を抑制することができる。
以下、組成に関する百分率(%)は質量基準である。
スズ(Sn)は、ジルコニウム合金でα相安定化元素として作用し、強度を増加させる主要元素である。耐食性の観点からは、Snの含有率を低いほど望ましいと考えられている。Sn含有率が1.9%より大きくなると、耐食性が低下する。このため、本発明のジルコニウム合金のSn含有率は、1.9%以下とすることが望ましい。
鉄(Fe)は、ジルコニウム合金で耐食性を向上させる元素として添加されている。使用環境に応じて、他の耐食性向上元素であるクロム(Cr)及びニッケル(Ni)とのバランスで添加量が設定されている。ただし、Fe含有率が0.3%より大きくなると、耐食性が低下する。このため、本発明のジルコニウム合金のFe含有率は、0.3%以下とすることが望ましい。
クロム(Cr)は、ジルコニウム合金で耐食性を向上させる元素として添加されている。使用環境に応じて、他の耐食性向上元素であるFe及びNiとのバランスで添加量が設定されている。ただし、Cr含有率が0.3%より大きくなると、耐食性が低下する。このため、本発明のジルコニウム合金のCr含有率は、0.3%以下とすることが望ましい。
ニッケル(Ni)は、ジルコニウム合金で耐食性を向上させる元素として添加されている。使用環境に応じて、他の耐食性向上元素であるFe及びCrとのバランスで添加量が設定されている。ただし、Ni含有率が0.3%より大きくなると、耐食性が低下する。このため、本発明のジルコニウム合金のNi含有率は、0.3%以下とすることが望ましい。
ニオブ(Nb)は、ジルコニウム合金で耐食性、水素吸収防止及び強度を向上させる元素として添加されている。熱中性子吸収断面積が小さいことから、数パーセントの添加でも中性子経済性を確保できる。ただし、Nb含有率が3.0%より大きくなると、耐食性が低下する。このため、本発明のジルコニウム合金のNb含有率は、3.0%以下とすることが望ましい。
炭素(C)は、ジルコニウムとの親和力が大きく、炭化物を形成しやすい。固溶強化により機械的強度を増加させる役割がある。一方、C含有率が0.027%より大きくなると、耐食性が低下する。このため、本発明のジルコニウム合金のC含有率は、0.027%以下とした。
窒素(N)は、ジルコニウムとの親和力が大きく、窒化物を形成しやすい。固溶強化により機械的強度を増加させる役割がある。N含有率が0.025%より大きくなると、耐食性が低下する。このため、本発明のジルコニウム合金のN含有率は、0.025%以下とすることが望ましい。0.025%以下とした。また、更に耐食性の要求される使用環境においては、本発明のジルコニウム合金のN含有率は、0.008%以下とすることが望ましい。
酸素(O)は、ジルコニウムとの親和力が大きく、通常の溶解プロセスにおいては0.06〜0.16%程度取り込まれる。固溶強化で機械的強度を増加させる役割をする一方、O含有率が0.16%より大きくなると、延靭性が低下する。このため、本発明のジルコニウム合金のO含有率は、0.16%以下とすることが望ましい。
ハフニウム(Hf)は、ジルコニウムの精錬時から不純物として含まれる。本発明においては、一般用途のジルコニウム合金の規格(ASTM)に従い、Hf含有率が4.5%以下とした。また、Hfは、ジルコニウムと比べて熱中性子吸収断面積が600倍と大きいため、熱中性子吸収断面積を小さくすることが要求される原子炉の炉内機器の材料として適用する場合においては、ジルコニウム合金にHfが混入することを極力避けたい。Hf含有率が0.010%より大きくなると、中性子経済性が低下する。このため、本発明のジルコニウム合金のHf含有率は、0.010%以下とすることが望ましい。
上記の範囲の合金元素を含むジルコニウム合金は、耐食性を向上させるために添加した元素が析出物を生成し、その析出物が粗大化すると耐食性を低下させるが、ジルコニウム材料において少なくとも表面部に塑性ひずみ3以上の冷間加工を施工し、加工層を残した状態でその表面を機械的または化学的な研磨手法によって平坦化することによって、高耐食なジルコニウム合金材料が得られる。
上記の条件を満たすジルコニウム合金材料を構成部品に用いることにより、耐食性を向上できるため、機器の信頼性や長寿命化を図ることができる。また、ジルコニウム合金材料作製の最終工程で本発明の工程を適用することにより、ジルコニウム合金材料の成形工程における熱履歴に関わりなく耐食性を向上できるため、製造工程の効率化を図ることができる。
表1は、本発明の実施例として用いられた供試材の化学成分である。Sn含有ジルコニウム合金1及び2は、耐食性向上のため、Fe、Cr及びNiが添加されている。Nb含有ジルコニウム合金は、いずれの材料も、溶体化熱処理、熱間圧延につづき、冷間圧延で成形した後、焼鈍熱処理を施している。
Figure 2012102349
図1は、本発明の条件検討に用いた高圧ねじり加工試験装置の要部を示す模式断面図である。
本図に示す高圧ねじり加工試験装置は、本発明の加工条件を検討するにあたり、負荷圧力(静水圧)及び付与塑性ひずみを定量的に取り扱うためのものである。供試材より板厚0.85mm、直径10mmの試験片101を切り出し、この試験片101を上部アンビル102と下部アンビル103との間に設けた試験片圧縮部で挟み、所定の圧力104を負荷した状態で一方のアンビルを回転速度0.2rpmで回転させる。このとき、試験片101には、下記数式(1)に示すせん断ひずみγが付与される。
Figure 2012102349
上記数式(1)において、rは回転中心からの距離、Nは回転回数、tは圧力を負荷した状態における板厚0.6mmである。
この高圧ねじり加工試験においては、非常に大きなひずみを付与することができ、弾性ひずみに対して塑性ひずみが非常に大きくなるため、塑性ひずみとして扱った。引張塑性ひずみに相当する塑性ひずみ量εeqを、せん断塑性ひずみγから下記数式(2)にて換算した。
Figure 2012102349
図2は、表1のSn含有ジルコニウム合金1に対して付加圧力1.5〜2.5GPaにて高圧ねじり加工を施した後のビッカース硬さと相当塑性ひずみとの関係を示すグラフである。
ビッカース硬さは、試験片の研磨面を測定しており、各測定位置の回転中心からの距離に応じて上記数式(1)及び(2)から算出した相当塑性ひずみに対するビッカース硬さを示している。
図3は、表1のSn含有ジルコニウム合金1を一般に用いられる条件でフライス加工にて研削した表面の断面硬さの深さ分布を示したものである。
高圧ねじり加工を施した材料は、未加工材よりも100HV以上高く、通常の機械加工を施工した表面での表面近傍の硬さよりも高い。これは高圧ねじり加工によって大きな塑性ひずみが付与されたためであり、通常条件の機械加工を施工した表面では図2に示した高圧ねじり加工の塑性ひずみ量に至っていないといえる。
図4は、表1のSn含有ジルコニウム合金1に対して付加圧力2.5GPaにて高圧ねじり加工を施した後、300℃、400℃及び500℃にて1時間の熱処理を実施した試験片のビッカース硬さを示したものである。
本図から400℃以下の熱処理の場合、熱処理前と比べて硬さの変化はほとんどない。これに対して、500℃の熱処理で硬さが低下している。
図5A〜5Cは、図4の高圧ねじり加工材とその熱処理材について透過電子顕微鏡明視野像及び電子線回折図形を示したものである。高圧ねじり加工ままの組織は、結晶粒径100nm程度と微細結晶組織を呈しており、回折図形からジルコニウムα相のみが確認され、析出物は確認されなかった。これは図2に示す相当塑性ひずみ3の領域においても同様であった。
未加工材においては、Zr(Cr、Fe)、Zr(Ni、Fe)といった金属間化合物が粒径0.1〜0.4μmで分布していることから、少なくとも塑性ひずみ3以上の冷間加工によって析出していた金属間化合物がジルコニウム合金基材にほとんど固溶したといえる。また、500℃の熱処理材においては、結晶粒が大きく、粒内に数nm乃至50nmの金属間化合物が析出している。電子線回折像からも金属間化合物の生成が確認できる。400℃の熱処理材においては、500℃の熱処理材ほど明確ではないが、電子線回折像に金属間化合物の生成を示すわずかなスポットが確認されており、量は少ないものの金属間化合物が析出している。
一方、図6Aは、通常条件で機械加工研削した表面について、表面部の断面を透過電子顕微鏡で観察した明視野像を示したものである。図6Bは、図6Aの一部を拡大して示したものである。
この表面部は、図5Aに示す高圧ねじり加工材と同様に粒径数百nmの微細結晶組織を呈する一方、金属間化合物と同様の組成を示す非晶質の粒(図6Bの中央部(非晶質粒301))を含有している。これは、大きな塑性ひずみ量を付与したことにより、金属間化合物が非晶質化したものの、ジルコニウム合金基材への固溶には至らなかったことを示している。
非晶質粒301は、材料の表面に露出していると材料の腐食の原因となる。
図7A〜7Eは、未加工材(図7A)、通常の機械加工材(図7B)、高圧ねじり加工材(as−HPT、図7C)、高圧ねじり加工材を300℃で熱処理した材料(図7D)及び高圧ねじり加工材を400℃で熱処理した材料(図7E)について288℃、溶存酸素濃度8ppmの高温水中に1000時間浸漬し、浸漬後に試験片の表面を観察した反射電子像を示したものである。
未加工材、高圧ねじり加工材及びその熱処理材の試験片は、表面を機械研磨した後、硝フッ酸にて化学研磨し、Ra0.2μm以下に平坦化して仕上げた。浸漬後、表面に粒状の腐食生成物が観察された。これらは基材表面に厚さ1μm程度の一様な酸化皮膜の外側に生成している。粒状腐食生成物の断面を分析すると、金属間化合物と同様にFe、Niが濃化したCr酸化物であり、その中央部付近はFe、Ni及びCrの濃度が比較的高いことがわかった。このことから、基材の表面部に露出した金属間化合物もしくはその非晶質化したものが腐食起点になって粒状腐食生成物を生じていることがわかった。
図8は、高温水中に浸漬した各材料の表面に観察された粒状腐食生成物の数密度及び平均粒径を示したものである。ここで、数密度は、腐食の度合いを表す数値である。
粒径0.1〜0.4μmの金属間化合物又はその非晶質化したものが存在する未加工材および通常の機械加工表面においては、粒状腐食生成物が一面に観察されたのに対して、金属間化合物が固溶状態もしくはわずかに析出した状態と考えられる高圧ねじり加工直後及び300℃熱処理後においては、粒状腐食生成物がほとんど観察されなかった。また、熱処理により金属間化合物の生成が確認されるようになった400℃熱処理後においては、粒状腐食生成物の数密度が300℃熱処理材と比べて増加している。
このことから、塑性ひずみ3以上の冷間加工を施し、析出している金属間化合物をジルコニウム合金基材に固溶させることにより、粒状腐食生成物の生成が抑制されることがわかる。
表1に示すSn含有ジルコニウム合金2の未加工材においては、Zr(Cr、Fe)、Zr(Ni、Fe)といった金属間化合物が粒径0.1〜0.4μmで析出している。また、Nb含有ジルコニウム合金の未加工材においては、β−ニオビウムが粒径0.1〜0.5μmで析出している。
これらの未加工材に塑性ひずみ量3以上の高圧ねじり加工を施すことにより、析出物がジルコニウム基材にほとんど固溶する。400℃以上の熱処理を施すと析出物が再析出する。高温水による腐食特性も、加工ままおよび500℃までの熱処理においては、未加工材よりも良好であった。
次に、ジルコニウム合金板の表面に回転する工具を押し付け、バニッシングして表面部を塑性流動させる施工を行い、その材料を300℃で1時間の熱処理を行い、最後に、表面の凹凸を平坦化するように機械研磨及びそれにつづく化学研磨を実施した。
表面部のビッカース硬さは280HVを示し、表面部から採取した試験片を高温水中で1000時間浸漬したところ、粒状の腐食生成物が数密度で6.2個/mしか観察されなかった。
図9は、本発明のジルコニウム合金材料を用いた燃料集合体を示したものである。
本図において、燃料集合体201は、核燃料棒1(核燃料被覆管)及びウォータロッド2を上部タイプレート5、下部タイプレート6、スペーサ7等により整列した束とし、チャンネルボックス4で覆った構成を有する。上部タイプレート5には、核燃料棒貫通孔10及びウォータロッド固定ネジ3が設けてある。また、上部タイプレート5の上部には、ハンドル11が付設してある。上部タイプレート5と核燃料棒1との間には、核燃料棒伸び代9が設けてある。チャンネルボックス4の下部には、チャンネルボックス嵌合代8が設けてある。
また、図10B、図11B及び図11Cは、本発明を適用して作製した各種チャンネルボックスを示す断面図である。
チャンネルボックス4は、いずれも四角柱状である。
図10A及び10Bに示すチャンネルボックス4は、コーナー部及び辺部の厚さが一様である。
図11A〜11Cに示すチャンネルボックス4は、厚肉コーナー部20及び辺部21を有する。
図12に示すチャンネルボックス4は、厚肉コーナー部20、上部辺部22及び下部辺部23を有する。
図13は、本発明を適用して作製した核燃料棒を示す部分断面図である。
本図において、核燃料棒1は、核燃料ペレット25を内蔵した被覆管24で構成されている。被覆管24の上部には、プレナムスプリング26が内蔵されている。被覆管24の両端部は、端栓27で封じられている。被覆管24は、細径部28を有する。
図14及び図15は、本発明を適用して作製したウォータロッドを示す部分断面図である。
図14に示すウォータロッド2は、直径が一様な中空円筒状であり、その両端部を端栓30で封じてある。
図15に示すウォータロッド2は、中央部に太径部29を有し、その両端側には、細径部28を有している。また、両端部は、端栓30で封じられている。
図16及び図17は、本発明を適用して作製したスペーサを示す上面図である。
図17においては、スペーサ7が多数のセル31を組み合わせて構成されている。
図18は、図17に示すスペーサを構成するセルの拡大斜視図である。
本図に示すように、セル31は、嵌め合わせるために変形させた部位(凹部又は開口部)を有している。
本発明のジルコニウム合金材料は、優れた耐食性が望まれている化学製品製造装置機器、原子炉の炉内機器等に適用可能である。
1:核燃料棒、2:ウォータロッド、3:ウォータロッド固定ネジ、4:チャンネルボックス、5:上部タイプレート、6:下部タイプレート、7:スペーサ、8:チャンネルボックス嵌合代、9:核燃料棒伸び代、10:核燃料棒貫通孔、11:ハンドル、20:厚肉コーナー部、21:辺部、22:上部辺部、23:下部辺部、24:被覆管、25:核燃料ペレット、26:プレナムスプリング、27:端栓、28:細径部、29:太径部、30:端栓、31:セル、101:試験片、102:上部アンビル、103:下部アンビル、104:圧力、201:燃料集合体。
表面部のビッカース硬さは280HVを示し、表面部から採取した試験片を高温水中で1000時間浸漬したところ、粒状の腐食生成物が数密度で6.2個/しか観察されなかった。

Claims (17)

  1. 質量%でSn:0.001〜1.9%、Fe:0.01〜0.3%、Cr:0.01〜0.3%、Ni:0.001〜0.3%、Nb:0.001〜3.0%、0.027%以下のC、0.025%以下のN、4.5%以下のHf及び0.16%以下のOを含み、残部が不可避不純物とZrとからなるジルコニウム合金で形成され、少なくとも表面部に塑性ひずみ3以上又はビッカース硬さで260HV以上となる冷間加工を施工し、前記冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化したものであることを特徴とする高耐食ジルコニウム合金材料。
  2. 質量%でSn:0.001〜1.9%、Fe:0.01〜0.3%、Cr:0.01〜0.3%、Ni:0.001〜0.3%、Nb:0.001〜3.0%、0.027%以下のC、0.008%以下のN、0.010%以下のHf及び0.16%以下のOを含み、残部が不可避不純物とZrとからなるジルコニウム合金で形成され、少なくとも表面部に塑性ひずみ3以上又はビッカース硬さで260HV以上となる冷間加工を施工し、前記冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化したものであることを特徴とする高耐食ジルコニウム合金材料。
  3. 前記冷間加工を施工した後、250〜550℃で熱処理を施し、前記冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の高耐食ジルコニウム合金材料。
  4. 前記熱処理を施した後、550℃以下で塑性ひずみ3未満の塑性加工を施し、前記冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化したものであることを特徴とする請求項3記載の高耐食ジルコニウム合金材料。
  5. 前記塑性加工を施し、再度加熱して550℃以下で熱処理を施した後、前記冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化したものであることを特徴とする請求項4記載の高耐食ジルコニウム合金材料。
  6. 機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化した表面の残留応力が圧縮であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の高耐食ジルコニウム合金材料。
  7. 原子炉の燃料集合体の核燃料被覆管、スペーサ又はチャネルボックスの構成材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の高耐食ジルコニウム合金材料。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の高耐食ジルコニウム合金材料を用いたことを特徴とする核燃料被覆管。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の高耐食ジルコニウム合金材料を用いたことを特徴とする燃料集合体用スペーサ。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の高耐食ジルコニウム合金材料を用いたことを特徴とする燃料集合体用チャネルボックス。
  11. 質量%でSn:0.001〜1.9%、Fe:0.01〜0.3%、Cr:0.01〜0.3%、Ni:0.001〜0.3%、Nb:0.001〜3.0%、0.027%以下のC、0.025%以下のN、4.5%以下のHf及び0.16%以下のOを含み、残部が不可避不純物とZrとからなるジルコニウム合金を用い、少なくとも表面部に塑性ひずみ3以上又はビッカース硬さで260HV以上となる冷間加工を施工し、前記冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化することを特徴とする高耐食ジルコニウム合金材料の製造方法。
  12. 質量%でSn:0.001〜1.9%、Fe:0.01〜0.3%、Cr:0.01〜0.3%、Ni:0.001〜0.3%、Nb:0.001〜3.0%、0.027%以下のC、0.008%以下のN、0.010%以下のHf及び0.16%以下のOを含み、残部が不可避不純物とZrとからなるジルコニウム合金を用い、少なくとも表面部に塑性ひずみ3以上又はビッカース硬さで260HV以上となる冷間加工を施工し、前記冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化することを特徴とする高耐食ジルコニウム合金材料の製造方法。
  13. 前記冷間加工を施工した後、250〜550℃で熱処理を施し、前記冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化することを特徴とする請求項11又は12に記載の高耐食ジルコニウム合金材料の製造方法。
  14. 前記熱処理を施した後、550℃以下で塑性ひずみ3未満の塑性加工を施し、前記冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化することを特徴とする請求項13記載の高耐食ジルコニウム合金材料の製造方法。
  15. 前記塑性加工を施し、再度加熱して550℃以下で熱処理を施した後、前記冷間加工を施工した層を残した状態でその表面を機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化することを特徴とする請求項14記載の高耐食ジルコニウム合金材料の製造方法。
  16. 機械的又は化学的な研磨手法によって平坦化した表面の残留応力が圧縮であることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の高耐食ジルコニウム合金材料の製造方法。
  17. 原子炉の燃料集合体の核燃料被覆管、スペーサ又はチャネルボックスを形成することを特徴とする請求項11〜16のいずれか一項に記載の高耐食ジルコニウム合金材料の製造方法。
JP2010249543A 2010-11-08 2010-11-08 高耐食ジルコニウム合金材料の製造方法 Active JP5916286B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010249543A JP5916286B2 (ja) 2010-11-08 2010-11-08 高耐食ジルコニウム合金材料の製造方法
US13/291,277 US8989339B2 (en) 2010-11-08 2011-11-08 Zirconium alloy material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010249543A JP5916286B2 (ja) 2010-11-08 2010-11-08 高耐食ジルコニウム合金材料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012102349A true JP2012102349A (ja) 2012-05-31
JP5916286B2 JP5916286B2 (ja) 2016-05-11

Family

ID=46019630

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010249543A Active JP5916286B2 (ja) 2010-11-08 2010-11-08 高耐食ジルコニウム合金材料の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8989339B2 (ja)
JP (1) JP5916286B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015134946A (ja) * 2014-01-17 2015-07-27 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 高耐食性ジルコニウム合金材料並びにそれを用いた燃料被覆管、スペーサ、ウォーターロッド及びチャンネルボックス
CN110284027A (zh) * 2019-08-06 2019-09-27 中国核动力研究设计院 一种耐碱性水质腐蚀的锆基合金
CN111218632A (zh) * 2020-01-13 2020-06-02 中国科学院金属研究所 一种锆及锆合金粗晶的制备方法
JP2021012151A (ja) * 2019-07-09 2021-02-04 日本製鉄株式会社 金属材料の評価方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10128004B2 (en) 2013-10-04 2018-11-13 Westinghouse Electric Company Llc High temperature strength, corrosion resistant, accident tolerant nuclear fuel assembly grid
RU2688086C1 (ru) * 2018-12-20 2019-05-17 Общество с ограниченной ответственностью "Сталь-Дон-Титан" Сплав для поглощения тепловых нейтронов на основе циркония
JP7427626B2 (ja) * 2021-03-18 2024-02-05 株式会社東芝 チャンネルボックス及び燃料集合体

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61272359A (ja) * 1985-05-29 1986-12-02 Nippon Nuclear Fuel Dev Co Ltd ジルコニウム基合金製被覆管の製造方法
JPS6439358A (en) * 1987-08-03 1989-02-09 Kobe Steel Ltd Production of zircaloy atomic fuel shielding pipe
JPH10273746A (ja) * 1997-01-28 1998-10-13 Sumitomo Metal Ind Ltd 冷間加工性と耐食性に優れたジルコニウム合金、この合金を用いた核燃料被覆用二重管およびその製造方法
JPH10339793A (ja) * 1997-06-06 1998-12-22 Toshiba Corp 水質制御システムおよび水質制御方法
JP2008509281A (ja) * 2004-08-04 2008-03-27 アレヴァ エヌペ 原子炉用の燃料クラッド管の製造方法及びそれによって得られる管
JP2010229507A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Hitachi Ltd ジルコニウム材料

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1207096B (de) * 1961-03-23 1965-12-16 Euratom Verfahren zur Verbesserung der Korrosionsbestaendigkeit von Zirkoniumlegierungen
US4584030A (en) * 1982-01-29 1986-04-22 Westinghouse Electric Corp. Zirconium alloy products and fabrication processes
US4649023A (en) * 1985-01-22 1987-03-10 Westinghouse Electric Corp. Process for fabricating a zirconium-niobium alloy and articles resulting therefrom
JP2600057B2 (ja) 1985-12-09 1997-04-16 株式会社日立製作所 高耐食原子燃料用被覆管、スペーサ及びチャンネルボックスとその燃料集合体並びにその製造法
JP2790138B2 (ja) 1985-12-09 1998-08-27 株式会社日立製作所 高耐食原子燃料用被覆管,スペーサ及びチャンネルボックスとその燃料集合体並びにその製造法
JPH0762197B2 (ja) 1986-07-25 1995-07-05 株式会社神戸製鋼所 原子炉用ジルコニウム合金
ES2023983B3 (es) * 1987-07-21 1992-02-16 Siemens Ag Barra de combustible para un elemento de combustion de reactor nuclear
DE3805124A1 (de) * 1988-02-18 1989-08-31 Siemens Ag Kernreaktorbrennelement
FR2642215B1 (fr) 1989-01-23 1992-10-02 Framatome Sa Crayon pour assemblage combustible d'un reacteur nucleaire resistant a la corrosion et a l'usure
US5125985A (en) * 1989-08-28 1992-06-30 Westinghouse Electric Corp. Processing zirconium alloy used in light water reactors for specified creep rate
US5112573A (en) * 1989-08-28 1992-05-12 Westinghouse Electric Corp. Zirlo material for light water reactor applications
US5230758A (en) * 1989-08-28 1993-07-27 Westinghouse Electric Corp. Method of producing zirlo material for light water reactor applications
US5254308A (en) * 1992-12-24 1993-10-19 Combustion Engineering, Inc. Zirconium alloy with improved post-irradiation properties
JPH1152087A (ja) 1997-07-31 1999-02-26 Toshiba Corp 核燃料被覆管およびその製造方法
US5838753A (en) 1997-08-01 1998-11-17 Siemens Power Corporation Method of manufacturing zirconium niobium tin alloys for nuclear fuel rods and structural parts for high burnup
US5844959A (en) 1997-08-01 1998-12-01 Siemens Power Corporation Zirconium niobium tin alloys for nuclear fuel rods and structural parts for high burnup
JP2000105289A (ja) 1998-09-29 2000-04-11 Toshiba Corp 耐食性核燃料被覆管
JP3692006B2 (ja) 2000-03-17 2005-09-07 株式会社東芝 高耐食性ジルコニウム合金、原子炉炉心用構造材およびその製造方法
WO2004110692A1 (ja) 2003-06-12 2004-12-23 Hitachi, Ltd. 摩擦攪拌接合方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61272359A (ja) * 1985-05-29 1986-12-02 Nippon Nuclear Fuel Dev Co Ltd ジルコニウム基合金製被覆管の製造方法
JPS6439358A (en) * 1987-08-03 1989-02-09 Kobe Steel Ltd Production of zircaloy atomic fuel shielding pipe
JPH10273746A (ja) * 1997-01-28 1998-10-13 Sumitomo Metal Ind Ltd 冷間加工性と耐食性に優れたジルコニウム合金、この合金を用いた核燃料被覆用二重管およびその製造方法
JPH10339793A (ja) * 1997-06-06 1998-12-22 Toshiba Corp 水質制御システムおよび水質制御方法
JP2008509281A (ja) * 2004-08-04 2008-03-27 アレヴァ エヌペ 原子炉用の燃料クラッド管の製造方法及びそれによって得られる管
JP2010229507A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Hitachi Ltd ジルコニウム材料

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015134946A (ja) * 2014-01-17 2015-07-27 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 高耐食性ジルコニウム合金材料並びにそれを用いた燃料被覆管、スペーサ、ウォーターロッド及びチャンネルボックス
JP2021012151A (ja) * 2019-07-09 2021-02-04 日本製鉄株式会社 金属材料の評価方法
JP7295412B2 (ja) 2019-07-09 2023-06-21 日本製鉄株式会社 金属材料の評価方法
CN110284027A (zh) * 2019-08-06 2019-09-27 中国核动力研究设计院 一种耐碱性水质腐蚀的锆基合金
CN111218632A (zh) * 2020-01-13 2020-06-02 中国科学院金属研究所 一种锆及锆合金粗晶的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
US8989339B2 (en) 2015-03-24
JP5916286B2 (ja) 2016-05-11
US20120114091A1 (en) 2012-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5916286B2 (ja) 高耐食ジルコニウム合金材料の製造方法
JP4455603B2 (ja) 原子力用ジルコニウム合金組成物及びその製造方法
JP3602467B2 (ja) 高燃焼度核燃料用ニオビウム含有ジルコニウム合金管材及び板材の製造方法
JP3844256B2 (ja) 亀裂成長抵抗性に優れたジルカロイ管の製造方法
RU2759814C1 (ru) ПРОВОЛОКА ИЗ ТИТАНОВОГО СПЛАВА α+β-ТИПА И СПОСОБ ИЗГОТОВЛЕНИЯ ПРОВОЛОКИ ИЗ ТИТАНОВОГО СПЛАВА α+β-ТИПА
JP3950651B2 (ja) 優秀な耐蝕性と機械的特性を持つジルコニウム合金
US20080196801A1 (en) Preparation of nanostructured materials having improved ductility
US20100128834A1 (en) Zirconium alloys with improved corrosion resistance and method for fabricating zirconium alloys with improved corrosion resistance
CN1030261A (zh) 用于核反应堆的锆基合金管的制造方法及其应用
CN112195369B (zh) 一种耐腐蚀的高强度中子屏蔽合金材料及其制备方法
JP6588104B2 (ja) 優れた耐食性及びクリープ抵抗性を有するジルコニウム合金、及びその製造方法
Fuloria et al. Mechanical properties and microstructural evolution of ultrafine grained zircaloy-4 processed through multiaxial forging at cryogenic temperature
CN103650659B (zh) 一种核反应堆用锆基合金板材的制备方法
CN114150184A (zh) 一种低应力腐蚀敏感性的高强耐蚀Zr702L合金
KR101557391B1 (ko) 우수한 저수소흡수성 및 수소취화 저항성을 갖는 지르코늄합금의 제조방법 및 우수한 저수소흡수성 및 수소취화 저항성을 갖는 지르코늄합금 조성물
KR102276454B1 (ko) 금속 나노재료 층을 포함하는 핵 연료봉 크래딩
JP6535752B2 (ja) 多段熱間圧延を適用した核燃料用ジルコニウム部品の製造方法
EP3360980B1 (en) Iron-based composition for fuel element
Arivu et al. Comparison of the Thermal Stability in Equal‐Channel‐Angular‐Pressed and High‐Pressure‐Torsion‐Processed Fe–21Cr–5Al Alloy
Shi et al. Variation of microstructural features on the tensile property and corrosion resistance of Zr-Sn-Nb-Fe-Cu alloy
Wang et al. Microstructure and Mechanical Properties of a Two‐Phase Mg–Li Alloy Processed By Constrained Groove Pressing
JPS5822365A (ja) ジルコニウム基合金の製造方法
Tolstolutska et al. Hardening behavior of advanced structural alloys under ion irradiation
JP5430993B2 (ja) ジルコニウム材料
Zhuo et al. Out-of-Pile Performances of Zr-Sn-Nb-Fe Alloys for PWR Fuel Cladding

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140414

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140804

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140811

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20141017

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5916286

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150