JPH1152087A - 核燃料被覆管およびその製造方法 - Google Patents

核燃料被覆管およびその製造方法

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JPH1152087A
JPH1152087A JP9205835A JP20583597A JPH1152087A JP H1152087 A JPH1152087 A JP H1152087A JP 9205835 A JP9205835 A JP 9205835A JP 20583597 A JP20583597 A JP 20583597A JP H1152087 A JPH1152087 A JP H1152087A
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JP
Japan
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cladding tube
nuclear fuel
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zirconium alloy
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JP9205835A
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Inventor
Hiroshi Tateishi
浩史 立石
Emiko Higashinakagaha
恵美子 東中川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被覆管本体と端栓との溶接部および熱影響部
近傍の白色均一腐食を抑制した長期間使用可能な核燃料
被覆管の提供しようとするものである。 【解決手段】 核燃料ペレットが装填されるジルコニウ
ム合金からなる被覆管本体と、この被覆管本体の端部を
密閉するための端栓とを備え、前記被覆管本体と前記端
栓とが溶接により接続された核燃料被覆管において、前
記被覆管本体と前記端栓との溶接部および熱影響部近傍
の表面層は、ジルコニウム合金の平均結晶粒径が2μm
以下であり、かつ厚さが1〜100μmであることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核燃料被覆管およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】現在、原子炉に使用されている核燃料被覆
管は、ジルコニウム合金からなる被覆管本体と、この本
体の上下端部に設けられ、前記本体内部を密閉するため
の上部端栓および下部端栓とを備えた構造を有する。前
記被覆管本体の内部には、例えば酸化ウラン、酸化プル
トニウムからなる核燃料ペレットが複数個装填されてい
る。この核燃料ペレットは、前記上部端栓に一端が当接
されたスプリングにより固定されている。前記被覆管本
体と上部端栓および下部端栓とは、それぞれ溶接により
接続されている。
【0003】このような被覆管本体は、高温高圧の水蒸
気のような特殊な条件下に曝される。このため、前記被
覆管本体は前記条件下において高い強度や優れた耐食性
が要求される。
【0004】被覆管本体を構成する材料としては、ジル
カロイ−2、ジルカロイ−4等のジルコニウムを主成分
とする合金が使用されている。この合金には、強度や耐
食性を向上させるために種々の元素、例えばSn、F
e、Cr、Ni等が添加されている。
【0005】また、耐食性を向上させるため、製造工程
中、被覆管本体に対しβ−急冷処理を施している。これ
は合金中の添加元素とジルコニウムによって形成される
析出物、例えばZr(Cr,Fe)2やZr2(Ni,
Fe)を均一微細に分布させるために行う処理である。
この処理を施すことにより、耐食性、特に耐ノジュラ−
コロ−ジョン性を向上させることができる。ここで、ノ
ジュラ−コロ−ジョンとは、白色の斑点状の腐食であ
り、従来の核燃料被覆管においては、特に核燃料被覆管
の下部に発生する。
【0006】従来の核燃料被覆管においては、前述した
材料の使用や製造方法の採用により耐ノジュラ−コロ−
ジョン特性を向上できるとともに、現在の使用期限であ
る4年間において十分な耐食性を保持することが出来、
かつ強度も維持することが可能になる。
【0007】しかしながら、現在、核廃棄物減量化や経
済性の観点から、核燃料被覆管の使用可能な期間をさら
に延長することが望まれている。核燃料被覆管を現行よ
り更に長期間使用する試験を行うと、核燃料被覆管の下
部に位置する被覆管本体と下部端栓との溶接部および熱
影響部近傍および被覆管本体に白色均一腐食が発生す
る。このような腐食による生成物は、経時的には被覆管
本体の表面に集積し、遂には表面から剥離する。この剥
離現象はブレイク・アウェイと呼ばれる。このブレイク
・アウェイが起こると、核燃料被覆管は水素吸収量の増
加に起因する脆化で強度が低下し、安全性が損なわれ
る。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】上述したように従来
の核燃料被覆管においては、被覆管本体と端栓との溶接
部および熱影響部近傍や被覆管本体に白色均一腐食が発
生し、長時間使用することができなかった。
【0009】本発明は、被覆管本体と端栓との溶接部お
よび熱影響部近傍の白色均一腐食を抑制した長期間使用
可能な核燃料被覆管の提供しようとするものである。本
発明は、被覆管本体の白色均一腐食を抑制し、さらに寸
法精度を維持して安全性に優れ長期間使用可能な核燃料
被覆管の提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる核燃料被
覆管は、核燃料ペレットが装填されるジルコニウム合金
からなる被覆管本体と、この被覆管本体の端部を密閉す
るための端栓とを備え、前記被覆管本体と前記端栓とが
溶接により接続された核燃料被覆管において、前記被覆
管本体と前記端栓との溶接部および熱影響部近傍の表面
層は、ジルコニウム合金の平均結晶粒径が2μm以下で
あり、かつ厚さが1〜100μmであることを特徴とす
るものである。
【0011】本発明に係わる別の核燃料被覆管は、ジル
コニウム合金からなる被覆管本体を有する核燃料被覆管
において、前記被覆管本体は、ジルコニウム合金の平均
結晶粒径が5〜10μmの基体と、この基体表面に位置
し、ジルコニウム合金の平均結晶粒径が2μm以下で、
厚さが1〜100μmの表面層とからなることを特徴と
するものである。
【0012】本発明に係わる核燃料被覆管の製造方法
は、核燃料ペレットが装填されるジルコニウム合金から
なる被覆管本体と、この本体の端部を密閉するための端
栓とを溶接する工程と、前記溶接部の結晶粒を微細化す
る工程とを具備したことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる核燃料被覆
管を図1を参照して詳細に説明する。図1は、核燃料被
覆管の縦方向の断面概略図である。被覆管本体1は、ジ
ルコニウム合金よりなり、内部に例えば、酸化ウラン、
または酸化プルトニウムからなる核燃料ペレット2が複
数個装填されている。上部端栓3と下部端栓4は、被覆
管本体1の端部にそれぞれ設けられ、前記本体1内部を
密閉している。前記核燃料ペレット2は、前記上部端栓
3に一端が当接したスプリング5により固定されてい
る。前記被覆管本体1と前記上部端栓3および前記被覆
管本体1と前記下部端栓4は、溶接により接続されてい
る。
【0014】前記被覆管本体を構成するジルコニウム合
金としては、Zrを主成分とする合金、例えば重量%で
Sn:1.0〜1.7%、Fe:0.07〜0.20
%、Cr:0.05〜0.15%、Ni:0.03〜
0.08%、残部Zrの組成を有するジルカロイ−2、
もしくは重量%でSn:1.0〜1.7%、Fe:0.
18〜0.24%、Cr:0.05〜0.15%、残部
Zrの組成を有するジルカロイ−4、または前記ジルカ
ロイ−2またはジルカロイ−4に0.2%以上のMoお
よび0.1%以上のNbの少なくとも一種を合計量で
2.0%以下含有した合金、Zr−2.5%Nb系ジル
コニウム合金、Zr−1%Nb系ジルコニウム合金、或
いはオ−ゼナイト等のジルコニウム合金等が挙げられ
る。特に、ジルカロイ−2またはジルカロイ−4は、高
強度で耐食性に優れているため好ましい。
【0015】前記端栓の材料としても、前述したジルコ
ニウム合金を用いることが好ましい。本発明に係わる核
燃料被覆管は、内面に純ジルコニウムからなるライナ−
層を有することを許容する。
【0016】前記被覆管本体1と前記上部端栓3,下部
端栓4との溶接部および熱影響部近傍の表面層は、ジル
コニウム合金の平均結晶粒径が2μm以下で、かつ厚さ
が1〜100μmである。このような表面層のジルコニ
ウム合金の平均結晶粒径の微細化は、例えば前記溶接部
および熱影響部近傍に硬質の微粒子を噴射させるショッ
トピーニング法により結晶を乱し、その後非酸化性雰囲
気中でか熱処理することにより再結晶化させて小さな結
晶粒を生成する方法が採用される。この時の加熱処理
は、ジルコニウム合金の再結晶温度の±50℃以内の温
度、1分〜100時間程度行うことか好ましい。前記加
熱温度を高くし過ぎたり、その処理時間を長くすると、
再結晶化が進み過ぎて結晶粒の微細化が困難になる。一
方、前記加熱温度を低くくし過ぎたり、その処理時間を
短くし過ぎたりすると、再結晶が進まず、微細な結晶粒
が得られなくなるばかりか、応力が残留する恐れがあ
る。
【0017】前記被覆管本体と前記端栓との溶接部およ
び熱影響部近傍の表面層は、溶接後の未処理状態ではジ
ルコニウム合金の平均結晶粒径が約5〜30μmであ
る。このような結晶粒径が粗い表面層を有する被覆管本
体は、長時間の使用により白色均一腐食が発生する。
【0018】本発明のように溶接部および熱影響部近傍
の表面層のジルコニウム合金の平均結晶粒径を2μm以
下にすることによって、被覆管本体の酸化腐食に対する
抵抗を高くすることができる。より好ましい溶接部およ
び熱影響部近傍の表面層のジルコニウム合金の平均結晶
粒径は、1μm以下である。このような溶接部および熱
影響部近傍の表面層を有する被覆管本体は、より長時間
の使用でも白色均一腐食の生成を抑制することが可能に
なる。なお、溶接部および熱影響部近傍の表面層におい
て、ジルコニウム合金の平均結晶粒径の下限値は実質的
に0.01μmとすればよい。現在の技術水準では0.
01μmより小さい平均結晶粒径を実現するのは困難で
ある。
【0019】前記溶接部および熱影響部近傍の表面層の
厚さは、1〜100μmである。前記表面層の厚さを1
μm未満にすると、酸化腐食に対する抵抗を持続させる
ことが困難になる。前記表面層の厚さが100μmを超
えると、被覆管本体部分の溶接部および熱影響部近傍に
おいて、内側の基体部分の厚さに比べて表面層の厚さが
相対的に増大して被覆管本体のクリ−プ伸びに影響を与
える恐れがある。より好ましい表面層の厚さは、20〜
100μmである。
【0020】以上説明した本発明によれば、前記被覆管
本体と前記端栓との溶接部および熱影響部近傍の表面層
のジルコニウム合金の平均結晶粒径を、通常観察される
5〜30μmの平均粒径と比べ小さい値(2μm以下)
に抑制し、かつ前記表面層の厚さを1〜100μmにす
ることによって、白色均一腐食の発生を通常より長時間
側に遅延させることができる。
【0021】次に、本発明に係わる別の核燃料被覆管を
詳細に説明する。この核燃料被覆管は、前述した図1に
示す構造において、ジルコニウム合金の平均結晶粒径が
5〜10μmの基体と、この基体表面に位置し、ジルコ
ニウム合金の平均結晶粒径が2μm以下で、厚さが1〜
100μmの表面層とからなる被覆管本体を備える。こ
のような表面層のジルコニウム合金の平均結晶粒径の微
細化は、例えば前記被覆管本体に硬質の微粒子を噴射さ
せるショットピーニング法により結晶を乱し、その後非
酸化性雰囲気中でか熱処理することにより再結晶化させ
て小さな結晶粒を生成する方法が採用される。この時の
加熱処理は、ジルコニウム合金の再結晶温度の±50℃
以内の温度、1分〜100時間程度行うことか好まし
い。前記加熱温度を高くし過ぎたり、その処理時間を長
くすると、再結晶化が進み過ぎて結晶粒の微細化が困難
になる。一方、前記加熱温度を低くくし過ぎたり、その
処理時間を短くし過ぎたりすると、再結晶が進まず、微
細な結晶粒が得られなくなるばかりか、応力が残留する
恐れがある。
【0022】前記基体のジルコニウム合金の平均結晶粒
径を5μm未満にすると、クリ−プ強度が低下する傾向
を示し、更に、圧延、焼鈍の繰り返し数が増加し、核燃
料被覆管としての製造コストが上昇する。一方、前記基
体のジルコニウム合金の平均結晶粒径が10μmを超え
るとと、靭性が劣化し、核燃料被覆管としての信頼性が
維持できなくなる恐れがある。
【0023】前記被覆管本体の表面層は、通常、ジルコ
ニウム合金の平均結晶粒径が4〜5μmである。このよ
うな結晶粒径が粗い表面層を有する被覆管本体は、長時
間の使用により白色均一腐食が発生する。
【0024】本発明のように被覆管本体の表面層のジル
コニウム合金の平均結晶粒径を2μm以下にすることに
よって、被覆管本体の酸化腐食に対する抵抗を高くする
ことができる。より好ましい表面層の平均結晶粒径は、
1μm以下である。のような表面層を有する被覆管本体
は、より長時間の使用でも白色均一腐食の生成を抑制す
ることが可能になる。なお、表面層において、ジルコニ
ウム合金の平均結晶粒径の下限値は実質的に0.01μ
mとすればよい。現在の技術水準では0.01μmより
小さい平均結晶粒径を実現するのは困難である。前記表
面層の厚さを1μm未満にすると、酸化腐食に対する抵
抗を持続させることが困難になる。前記表面層の厚さが
100μmを超えると、被覆管本体において、内側の基
体部分の厚さに比べて表面層の厚さが相対的に増大して
被覆管本体のクリ−プ伸びに影響を与える恐れがある。
より好ましい表面層の厚さは、70〜100μmであ
る。
【0025】以上説明した本発明に係わる別の核燃料被
覆管によれば、被覆管本体の白色均一腐食を抑制し、さ
らに寸法精度を維持して安全性に優れ長期間使用するこ
とができる。
【0026】すなわち、被覆管本体におけるジルコニウ
ム合金の平均結晶粒径を、通常観察される4〜5μmの
平均粒径と比べ小さい値(2μm以下)に抑制すること
によって、白色均一腐食の発生を通常より長時間側に遅
延させるできる。しかしながら、被覆管本体全体の平均
結晶粒径を2μm以下にすると、前記本体がクリ−プ伸
びが著しくなり、核燃料被覆管としての寸法精度が保て
なくなる。
【0027】このようなことから、本発明は被覆管本体
の表面層におけるジルコニウム合金の平均結晶粒径を、
通常観察される4〜5μmの平均粒径と比べ小さい値
(2μm以下)に抑制することによって、白色均一腐食
の発生を通常より長時間側に遅延させるできる。つま
り、被覆管本体の表面層に耐食性の機能を持たせる。一
方、被覆管本体の基体のジルコニウム合金の平均結晶粒
径を、5〜10μmのように通常観察される4〜5μm
の平均粒径に比べて大きい値にすることによって、クリ
ープ強度の弱い表面層が存在した状態で所定のクリ−プ
強度を維持させることが可能になる。
【0028】
【実施例】以下、本発明のより好ましい実施例を説明す
る。 (実施例1−3および比較例1−3)工業的に通常に施
工されている冷間加工と焼鈍の条件を調節し、ジルカロ
イ−2から成る肉厚900μmの被覆管本体とジルカロ
イ−2からなる端栓とを溶接した。つづいて、前記溶接
部に平均粒径3μmの鉄鋼からなる微粒子を噴射させる
ショットピ−ニングを行った後、580℃の温度で2時
間熱処理を施した。
【0029】前記被覆管本体の溶接部、およびショット
ピーニングと熱処理後の同溶接部表面層の平均結晶粒径
をSEM(Scanning Electron Microscope)による断面
観察により観察した。その結果を下記表1に示す。
【0030】(実施例2)工業的に通常に施工されてい
る冷間加工と焼鈍の条件を調節し、ジルカロイ−2から
成る肉厚900μmの被覆管本体とジルカロイ−2から
なる端栓とを溶接した。つづいて、前記溶接部に平均粒
径2μmのジルコニアからなる微粒子を噴射させるショ
ットピ−ニングを行った後、620℃で2時間熱処理を
施した。
【0031】前記被覆管本体の溶接部、およびショット
ピーニングと熱処理後の同溶接部表面層の平均結晶粒径
をSEMによる断面観察により観察した。その結果を下
記表1に示す。
【0032】(実施例3)工業的に通常に施工されてい
る冷間加工と焼鈍の条件を調節し、ジルカロイ−2から
成る肉厚900μmの被覆管本体とジルカロイ−2から
なる端栓とを溶接した。つづいて、前記溶接部の熱影響
部に平均粒径2μmのニッケル基合金インコネル600
からなる微粒子を噴射させるショットピ−ニングを行っ
た後、620℃で2時間の熱処理を施した。
【0033】前記被覆管本体の熱影響部、およびショッ
トピーニングと熱処理後の同溶接部表面層の平均結晶粒
径をSEMによる断面観察により観察した。その結果を
下記表1に示す。
【0034】(比較例1)工業的に通常に施工されてい
る冷間加工と焼鈍の条件を調節し、ジルカロイ−2から
成る肉厚900μmの被覆管本体とジルカロイ−2から
なる端栓とを溶接した。つづいて、前記溶接部に平均粒
径3μm鉄鋼からなる微粒子を噴射させるショットピ−
ニングを行った後、700℃で2時間熱処理を施した。
【0035】前記被覆管本体の溶接部、およびショット
ピーニングと熱処理後の同溶接部表面層の平均結晶粒径
をSEMによる断面観察により観察した。その結果を下
記表1に示す。
【0036】(比較例2)工業的に通常に施工されてい
る冷間加工と焼鈍の条件を調節し、ジルカロイ−2から
成る肉厚900μmの被覆管本体とジルカロイ−2から
なる端栓とを溶接した。つづいて、前記溶接部の熱影響
部に平均粒径0.5μmのジルコニアからなる微粒子を
噴射させるショットピ−ニングを行った後、590℃2
時間熱処理を施した。
【0037】前記被覆管本体の熱影響部、およびショッ
トピーニングと熱処理後の同溶接部表面層の平均結晶粒
径をSEMによる断面観察により観察した。その結果を
下記表1に示す。
【0038】(比較例3)工業的に通常に施工されてい
る冷間加工と焼鈍の条件を調節し、ジルカロイ−2から
成る肉厚900μmの被覆管本体とジルカロイ−2から
なる端栓とを溶接した。
【0039】前記被覆管本体の溶接による熱影響部の平
均結晶粒径をSEMによる断面観察により観察した。そ
の結果を下記表1に示す。得られた実施例1−3よび比
較例1−3の核燃料被覆管をそれぞれ高温高圧水蒸気試
験装置であるオ−トクレ−ブに装荷し、773K、1
0.3MPaの条件で20日間腐食試験した後、外観観
察により色を判定すると共に、SEMによる断面観察か
ら酸化被膜の厚さを求めた。その結果を下記表1に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】前記表1から明らかなように実施例1−3
の核燃料被覆管は、それらの溶接部、熱影響部が比較例
1−3の核燃料被覆管の溶接部、熱影響部に比較して白
色均一腐食の抑制効果が高いことがわかる。
【0042】(実施例4)工業的に通常に施工されてい
る冷間加工と焼鈍の条件を調節し、ジルカロイ−2から
なる肉厚900μmの被覆管本体に平均粒径2.5μm
の鉄鋼からなる微粒子を噴射させるショットピ−ニング
を行った後、580℃で2時間熱処理を施した。
【0043】前記被覆管本体(基体)、およびショット
ピーニングと熱処理後の表面層の平均結晶粒径をSEM
による断面観察により観察した。その結果を下記表2に
示す。
【0044】(実施例5)工業的に通常に施工されてい
る冷間加工と焼鈍の条件を調節し、ジルカロイ−2から
なる肉厚900μmの被覆管本体に平均粒径5μmの鉄
鋼からなる微粒子を噴射させるショットピ−ニングを行
った後、560℃で2時間熱処理を施した。
【0045】前記被覆管本体(基体)、およびショット
ピーニングと熱処理後の表面層の平均結晶粒径をSEM
による断面観察により観察した。その結果を下記表2に
示す。
【0046】(実施例6)工業的に通常に施工されてい
る冷間加工と焼鈍の条件を調節し、ジルカロイ−2から
なる肉厚900μmの被覆管本体に平均粒径1μmのジ
ルコニアからなる微粒子を噴射させるショットピ−ニン
グを行った後、615℃で2時間熱処理を施した。
【0047】前記被覆管本体(基体)、およびショット
ピーニングと熱処理後の表面層の平均結晶粒径をSEM
による断面観察により観察した。その結果を下記表2に
示す。
【0048】(比較例4)工業的に通常に施工されてい
る冷間加工と焼鈍の条件を調節し、ジルカロイ−2から
なる肉厚900μmの被覆管本体に平均粒径0.5μm
のジルコニアからなる微粒子を噴射させるショットピ−
ニングを行った後、610℃で2時間熱処理を施した。
【0049】前記被覆管本体(基体)、およびショット
ピーニングと熱処理後の表面層の平均結晶粒径をSEM
による断面観察により観察した。その結果を下記表2に
示す。
【0050】(比較例5)工業的に通常に施工されてい
る冷間加工と焼鈍の条件を調節し、ジルカロイ−2から
なる肉厚900μmの被覆管本体に平均粒径10μmの
ニッケルからなる微粒子を噴射させるショットピ−ニン
グを行った後、580℃で2時間熱処理を施した。
【0051】前記被覆管本体(基体)、およびショット
ピーニングと熱処理後の表面層の平均結晶粒径をSEM
による断面観察により観察した。その結果を下記表2に
示す。
【0052】(比較例6)工業的に通常に施工されてい
る冷間加工と焼鈍の条件を調節し、ジルカロイ−2から
なる肉厚900μmの被覆管本体を得た。
【0053】前記被覆管本体(基体)の平均結晶粒径を
SEMによる断面観察により観察した。その結果を下記
表2に示す。得られた実施例4−6よび比較例4−6の
被覆管本体をそれぞれ高温高圧水蒸気試験装置であるオ
−トクレ−ブに装荷し、773K、10.3MPaの条
件で20日間腐食試験した後、外観観察により色を判定
すると共に、SEMによる断面観察から酸化被膜の厚さ
を求めた。実施例4−6よび比較例4−6の被覆管本体
を、561Kにて、100MPaの引っ張り荷重の下、
100日後のクリ−プ変形量を測定した。これらの結果
を下記表2に示す。
【0054】
【表2】 前記表2から明らかなように実施例4−6の被覆管本体
は比較例4−6の被覆管本体に比較して白色均一腐食の
抑制効果が高いことがわかる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の核燃料被
覆管によれば、被覆管表面の結晶粒径に起因する白色均
一腐食が抑制でき、長期間に亘って安全に使用できる核
燃料被覆管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる核燃料被覆管を示す断面概略
図。
【符号の説明】
1…被覆管本体、 2…核燃料ペレット、 3…上部端栓、 4…下部端栓、 5…スプリング。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核燃料ペレットが装填されるジルコニウ
    ム合金からなる被覆管本体と、この被覆管本体の端部を
    密閉するための端栓とを備え、前記被覆管本体と前記端
    栓とが溶接により接続された核燃料被覆管において、 前記被覆管本体と前記端栓との溶接部および熱影響部近
    傍の表面層は、ジルコニウム合金の平均結晶粒径が2μ
    m以下であり、かつ厚さが1〜100μmであることを
    特徴とする核燃料被覆管。
  2. 【請求項2】 ジルコニウム合金からなる被覆管本体を
    有する核燃料被覆管において、 前記被覆管本体は、ジルコニウム合金の平均結晶粒径が
    5〜10μmの基体と、この基体表面に位置し、ジルコ
    ニウム合金の平均結晶粒径が2μm以下で、厚さが1〜
    100μmの表面層とからなることを特徴とする核燃料
    被覆管。
  3. 【請求項3】 核燃料ペレットが装填されるジルコニウ
    ム合金からなる被覆管本体と、この本体の端部を密閉す
    るための端栓とを溶接する工程と、 前記溶接部の結晶粒を微細化する工程とを具備したこと
    を特徴とする核燃料被覆管の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8989339B2 (en) 2010-11-08 2015-03-24 Hitachi, Ltd. Zirconium alloy material
CN114944234A (zh) * 2022-04-27 2022-08-26 中国原子能科学研究院 一种端塞包壳一体化环形燃料棒及燃料组件

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