JPH095485A - 核燃料被覆管及びその製造方法 - Google Patents

核燃料被覆管及びその製造方法

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JPH095485A
JPH095485A JP7155662A JP15566295A JPH095485A JP H095485 A JPH095485 A JP H095485A JP 7155662 A JP7155662 A JP 7155662A JP 15566295 A JP15566295 A JP 15566295A JP H095485 A JPH095485 A JP H095485A
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JP
Japan
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cladding tube
nuclear fuel
end plug
welding
corrosion
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JP7155662A
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English (en)
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Emiko Higashinakagaha
恵美子 東中川
Hiroshi Kubo
浩 久保
Minoru Obata
稔 小畑
Yoshimi Hisatsune
善美 久恒
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、被覆管本体と端栓とが溶接により接
続された核燃料被覆管において、被覆管本体と端栓との
溶接熱影響部の外表面における引張り応力を除去したこ
とを特徴とする核燃料被覆管及び核燃料被覆管の製造方
法である。 【効果】本発明によれば、溶接部付近のノジュラーコロ
ージョンの発生が抑制でき、長期間に亘って安全に使用
できる核燃料被覆管を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は核燃料被覆管及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来技術】現在、原子炉に使用されている核燃料被覆
管は概ね以下に示す構造を有している。図1に核燃料被
覆管の縦方向の断面概略図を示す。被覆管本体1はジル
コニウム合金よりなり、内部には例えば、酸化ウランあ
るいは酸化プルトニウムからなる核燃料ペレット2が複
数個積層装填されている。被覆管本体1の端部には上部
端栓3と下部端栓4が設けられており被覆管内部は密閉
された状態となっている。核燃料ペレット2は上部端栓
3に一端が当接したスプリング5により固定されてい
る。このとき被覆管本体1と上部端栓3、被覆管本体1
と下部端栓4は溶接により接続されている。
【0003】このような被覆管本体は高温高圧の水蒸気
に晒されるという特殊な条件下にあるため、強度はもと
よりこのような条件下における耐食性が要求される。被
覆管本体を構成する材料としてはジルカロイ−2、ジル
カロイ−4などのジルコニウムを主成分とする合金が使
用されている。該合金には耐食性や強度を向上させるた
めに種々の元素、例えばCr,Ni,Fe,Snなどが
添加されている。
【0004】また、被覆管本体の耐食性を向上させるた
めに、製造工程中で被覆管に対しβ−急冷処理を施して
いる。これは合金中の添加元素とジルコニウムによって
形成される析出物、例えばZr(Cr,Fe)2 やZr
2 (Ni,Fe)を均一に分散させたり、あるいはC
r,Fe,Niを固溶させたりするために行う処理であ
り、この処理を施すことにより、耐食性、特に耐ノジュ
ラーコロージョン性を向上させることができる。
【0005】ノジュラーコロージョンとは、腐食反応に
よる白色の斑点状の腐食であり、ジルコニウム合金表面
に酸化膜が形成された状態で、ジルコニウム合金と原子
炉内の高温水とが反応し、生成された水素が合金基材と
表面の酸化膜との間に蓄積して腐食生成物を形成するも
のである。旧来の核燃料被覆管においては特に温度や圧
力点で過酷な条件下にある核燃料被覆管の下方に発生し
やすいものであった。
【0006】現行の核燃料被覆管においては上記のよう
な材料や製造方法を使用することにより耐ノジュラーコ
ロージョン特性を向上させており、現在の使用期限であ
る4年間は十分な耐食性、強度を保持することができ
る。
【0007】しかしながら現在、経済性の観点から核燃
料被覆管の使用可能な期間のさらなる延長が望まれてい
る。本発明者らは、核燃料被覆管を現行よりさらに長期
間使用した場合について試験・検討した結果、被覆管本
体と下部端栓との溶接部、特に晒される条件が過酷な被
覆管本体と下部端栓との溶接部付近にノジュラーコロー
ジョンや白色均一腐食が発生することがわかった。この
ような腐食による腐食生成物は経時的には外表面に集積
し、ついには表面から剥離して燃料被覆管の強度低下が
生じ、安全性が損なわれることが危惧される。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】上記したように、従
来の核燃料被覆管においては被覆管本体と端栓との溶接
部付近にノジュラーコロージョンや白色均一腐食が発生
するという現象を生じ、長期間の使用することができな
かった。本発明は以上のような点に鑑み、被覆管本体の
端栓との溶接部付近に発生するノジュラーコロージョン
や白色均一腐食の発生を抑えて、安全性に優れ、長期間
使用可能な核燃料被覆管及びその製造方法の提供を目的
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、ジ
ルコニウム合金からなる被覆管本体と、被覆管本体端部
を密閉する端栓を備え、被覆管本体と端栓とが溶接によ
り接続された核燃料被覆管において、被覆管本体と端栓
との溶接熱影響部の外表面における圧縮応力が0MPa 以
上、ジルコニウム合金の耐力以下であることを特徴とす
る核燃料被覆管にある。
【0010】また本願発明の第2の発明は、ジルコニウ
ム合金からなる被覆管本体と被覆管本体を密閉する端栓
とを溶接接合する工程を行う核燃料被覆管の製造方法に
おいて、溶接接合する工程後に被覆管本体と端栓との溶
接熱影響部の引張り応力を除去する工程を行うことを特
徴とする核燃料被覆管の製造方法である。
【0011】本願の第1または第2の発明に係る被覆管
本体を構成するジルコニウム合金としてはZrを主体と
する合金であり、例えば、重量%でPb:1.2〜1.
7%,Fe:0.07〜0.20%,Cr:0.05〜
0.15%,Ni:0.03〜0.08%,残部Zrの
組成を有するジルカロイ−2、あるいはPb:1.2〜
1.7%,Fe:0.18〜0.24%,Cr:0.0
7〜0.13%,残部Zrの組成を有するジルカロイ−
4、上記ジルカロイ−2またはジルカロイ−4に0.2
%以上のMo及び0.1%以上のNbの少なくとも一種
を合計量で2.0%以下含有した合金、Zr−2.5%
Nb系ジルコニウム合金、Zr−1%Nb系ジルコニウ
ム合金、またはオーゼナイトなどのジルコニウム合金が
あげられる。特に、ジルカロイ−2またはジルカロイ−
4が耐食性及び強度に優れており好ましい。
【0012】また、本願の第1または第2の発明に係る
端栓の材料としても上記ジルコニウム合金を適用するこ
とが望ましい。本発明に係る核燃料被覆管本体は、内面
に純ジルコニウムからなるライナー層を有していてもよ
い。
【0013】本願の第1の発明に係る核燃料被覆管にお
いてジルコニウム合金からなる被覆管本体と端栓の溶接
熱影響部の外表面においては、0MPa 以上、前記ジルコ
ニウム合金の耐力以下の圧縮応力がかかっていることを
特徴とする。このように溶接熱影響部の外表面に圧縮応
力をかけることによりノジュラーコロージョンの発生を
防止する事ができる。
【0014】溶接熱影響部の外表面にかかる圧縮応力が
0MPa 未満、すなわち引張り応力がかかった状態である
と長期間の使用により溶接部付近にノジュラーコロージ
ョンが発生する。また被覆管本体と端栓に使用されたジ
ルコニウム合金の耐力以上の圧縮応力がかかると、塑性
変形が生じてしまう。ジルコニウム合金の耐力の値は、
合金の種類によって異なるが、例えば、ジルカロイ−2
またはジルカロイ−4の場合、耐力は400〜600MP
a である。溶接熱影響部にかかる圧縮応力は、200MP
a 〜400MPa であることがより望ましい。この範囲で
あると酸化腐食にに対する抵抗も高くすることができる
ためである。
【0015】次に本願発明の第2の発明について説明す
る。通常、被覆管本体と端栓との溶接後には、溶接時の
熱影響により溶接部付近の外表面に最大で約400MP
a程度の引張り応力が残留している。そこでこのような
核燃料被覆管の被覆管本体と端栓との溶接熱影響部にお
ける圧縮応力に0MPa 以上、ジルコニウム合金の耐力以
下の圧縮応力がかかるようにするには、両者の溶接工程
後に溶接熱影響部に対して引張り応力の除去処理を施す
必要がある。したがって、本願の第2の発明は、ジルコ
ニウム合金からなる被覆管本体と被覆管本体を密閉する
端栓とを溶接接合する工程を行う核燃料被覆管の製造方
法において、溶接接合する工程後に被覆管本体と端栓と
の溶接熱影響部の引張り応力を除去する工程を行うこと
を特徴とする。
【0016】引張り応力の除去処理としては、溶接熱影
響部に焼鈍を施す方法か、あるいはショットピーニング
処理など外力を与えて圧縮応力を付与する方法が挙げら
れる。
【0017】溶接熱影響部に対する焼鈍は、400℃以
上580℃以下の温度で、0.5時間以上2.0時間以
下行なうのが望ましい。焼鈍温度が低いあるいは焼鈍時
間が短いと残留応力の除去が十分に行なわれず、焼鈍温
度が高すぎる、あるいは焼鈍時間が長すぎると、結晶粒
の粗大化、析出物の再分布および粗大化が生じ望ましく
ない。より好ましくは450℃以上470℃以下、0.
5時間以上1時間以下行なうのが好ましい。焼鈍は非酸
化性雰囲気、例えば真空、不活性ガス、窒素ガス雰囲気
中で行なわれるのが材料の酸化劣化を防止するため望ま
しい。焼鈍は溶接熱影響部に限らず被覆管全体に施して
も差支えない。
【0018】また、としてはショットピーニング処理が
ある。ショットピーニング処理は、ショットと呼ばれる
複数の鋼球を高圧空気(通常0.3MPa 〜1MPa の空
気)で加速し、材料表面に投射する表面処理方法であ
る。この方法であると材料表面に圧縮応力をかけること
ができまた、材料表面に高強度層を形成することができ
る。
【0019】ショットピーニング処理によって材料の表
面に圧縮応力が生ずるメカニズムは、高速加速された多
数のショットが、材料に衝突する際の運動エネルギーに
よって、材料のごく表面のみが塑性変形する。しかしな
がら、材料の内面はその影響を受けず、表面層の伸展し
ようとする変形を拘束するため、伸展方向とは逆の応
力、すなわち圧縮応力が表面に発生する。この時、ショ
ットの径を変化させたり、高圧空気の圧力を調節したり
すると表面の組成変形層が数オングストローム〜数μm
にコントロールできる。
【0020】尚、ショットピーニング処理後に焼鈍工程
を行なってもよい。焼鈍を行なうことにより塑性変形部
分が再結晶化し、圧縮応力は多少減少するが、加工層が
少なくなり結晶方位が耐食優先方位に配向すし、耐ノジ
ュラーコロージョン性がより向上する点で好ましい。
【0021】また、溶接熱影響部に対し圧縮応力を付与
する別の方法としては、リング状の締め付け金具を使用
しジルコニウム合金の耐力付近(400MPa〜600MPa)の圧
力をかけて圧縮し、ついで締め付け金具を開放して圧縮
力を開放して圧縮応力を付与する方法があげられる。
【0022】以上のような、被覆管本体と端栓との溶接
熱影響部の引張り応力を除去する工程を行った後、その
後燃料ペレットを装荷して上部端栓を溶接して核燃料被
覆管を得る。燃料ペレットを装荷した後、燃料ペレット
に含有される水分を除去するために110〜200℃の
真空炉で被覆管本体を加熱してもよい。この程度の温度
での加熱であれば熱影響部における応力はほとんど変化
しない。
【0023】
【作用】本発明者らは、被覆管本体と端栓との溶接部付
近に発生するノジュラーコロージョンの発生原因につい
て検討した結果、被覆管下端と端栓との溶接熱の影響に
より発生する残留応力がその原因の一つであることを明
らかにした。被覆管本体と端栓との溶接時の熱影響によ
り溶接部付近には最大で約400 MPa程度の引張り応力
が残留するが、この引張り応力の残留部位はとりわけノ
ジュラーコロージョンや白色均一腐食の発生が激しく、
また腐食生成物の剥離は引張り応力が残留している厚さ
に生じる。
【0024】これらの現象に際し、本発明は溶接部付近
の熱影響部に生じる引張り応力を除去し、圧縮応力をか
けることによってノジュラーコロージョンの発生を防止
するものである。
【0025】
【実施例】
(実施例1)図1に示す核燃料被覆管を製造した。図1
において1は被覆管本体、2は核燃料ペレットである。
3は上部端栓であり、4は下部端栓である。核燃料ペレ
ット2は上部端栓3に一端が当接したスプリング5によ
り固定された構造である。
【0026】まず、ジルカロイ−2よりなる被覆管本体
の一端に同じくジルカロイ−2からなる下部端栓を溶接
した。燃料被覆管の溶接部付近は結晶組織が母材と異な
り、溶接による熱影響を受けていることがわかった。こ
のとき端栓の溶接による熱影響部の外表面にかかってい
る応力を測定したところ200MPaの引張り応力がかかって
いた。
【0027】尚、応力の測定方法は次の通りである。ま
ずX線回折法によってX線の入射角に対して試料を傾斜
させながら回折角2θ0 のズレを測定して図2の如くの
グラフを得た。試料の弾性係数E、ポアソン比νを使っ
て応力σは下式で求められる。
【0028】
【数1】
【0029】なお、その後燃料ペレットを装荷する前に
下部端栓付燃料被覆管を450℃の真空炉で1時間焼鈍
した。焼鈍前の応力を測定した位置と同位置でかかって
いる応力を同様に測定したところ、0MPaであった。
【0030】その後燃料ペレットを装荷して燃料ペレッ
トに含有される水分を除去するために110 〜160 ℃の真
空炉で1時間以上加熱し上部端栓を溶接して核燃料被覆
管を得た。
【0031】この燃料被覆管を燃料集合体に組み込み、
原子炉内で4年間通常運転した。このような原子炉内の
使用によっても実施例1の核燃料被覆管は溶接熱影響部
に際立った腐食が現れることなく、腐食生成物の剥離も
観察されなかった。 (実施例2)実施例1と同様にしてジルカロイ−2より
なる被覆管本体の一端に同じくジルカロイ−2からなる
下部端栓を溶接した。この燃料被覆管の溶接部付近は結
晶組織が母材と異なり溶接による熱影響を受けているこ
とが分かった。このとき端栓の溶接による熱影響部の外
表面にかかっている応力を実施例1と同様に測定したと
ころ200MPaの引張り応力がかかっていた。
【0032】その後熱影響部の外表面にショットピーニ
ング処理を行なった。ショットピーニング処理は0.3Mpa
の高圧空気で0.2mm 径のショットを衝突させた。操作は
同様にして作製した10本の被覆管を並べ、各々を回転さ
せながら熱影響部の外表面のみにショットが衝突するよ
うにした。ショットピーニング処理前の応力を測定した
位置と同位置で、かかっている応力を実施例1と同様に
測定したところ、圧縮応力が120MPaかかっていた。圧縮
応力がかかっている深さは外表面から約0.1 μm の深さ
までであった。外表面はほとんど変化がなく平坦であっ
た。
【0033】その後燃料ペレットを装荷して燃料ペレッ
トに含有される水分を除去するために110 〜160 ℃の真
空炉で1時間以上加熱し上部端栓を溶接して核燃料被覆
管を得た。
【0034】実施例1と同様に実施例2の燃料被覆管を
燃料集合体に組み込み、原子炉内で4年間通常運転し
た。このような原子炉内の使用によっても実施例2の核
燃料被覆管は溶接熱影響部に際立った腐食が現れること
なく、腐食生成物の剥離も観察されなかった。 (実施例3)実施例1と同様にして被覆管本体と下部端
栓とを溶接した。この燃料被覆管の溶接部付近は結晶組
織が母材と異なり溶接による熱影響を受けていることが
分かった。このとき端栓の溶接による熱影響部の外表面
にかかっている応力を実施例1と同様に測定したところ
200MPaの引張り応力がかかっていた。
【0035】その後熱影響部の外表面にリング状の締め
付け金具を用い、油圧によりジルコニウム合金の耐力近
傍の圧縮応力を付加した後、締め付け金具を外し、締め
付け金具装着前に応力を測定した位置と同位置でかかっ
ている応力を測定したところ、200 MPa の圧縮応力がか
かっていた。
【0036】その後燃料ペレットを装荷して燃料ペレッ
トに含有される水分を除去するために110 〜160 ℃の真
空炉で1時間以上加熱し上部端栓を溶接して核燃料被覆
管を得た。
【0037】実施例1と同様に実施例3の燃料被覆管を
燃料集合体に組み込み、原子炉内で4年間通常運転し
た。このような原子炉内の使用によっても実施例3の核
燃料被覆管は溶接熱影響部に際立った腐食が現れること
なく、腐食生成物の剥離も観察されなかった。
【0038】(比較例1)ジルカロイ−2よりなる被覆
管本体の一端に同じくジルカロイ−2からなる下部端栓
を溶接した。このとき端栓の溶接による熱影響部の外表
面にかかっている応力を実施例1と同様に測定したとこ
ろ200MPaの引張り応力がかかっていた。
【0039】その後燃料ペレットを装荷して燃料ペレッ
トに含有される水分を除去するために110 〜160 ℃の真
空炉で1時間以上加熱し上部端栓を溶接して核燃料被覆
管を得た。
【0040】この燃料被覆管を燃料集合体に組み込み、
原子炉内で4年間通常運転した。このような原子炉内の
使用によって4年後には比較例1の核燃料被覆管には溶
接熱影響部に白色一面腐食が現れ、腐食生成物の剥離が
一部も観察された。
【0041】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の核燃料被覆管
及び核燃料の被覆管の製造方法によれば、溶接の熱影響
に起因するノジュラーコロージョンの発生及び白色均一
腐食が抑制でき、長期間に亘って安全に使用できる核燃
料被覆管を提供することができ、工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 核燃料被覆管の断面概略図。
【図2】 試料の傾斜角と回折角との関係図。
【符号の説明】
1…被覆管本体 2…核燃料ペレット 3…上部端栓 4…下部端栓 5…スプリング
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本願の第1または第2の発明に係る被覆管
本体を構成するジルコニウム合金としてはZrを主体と
する合金であり、例えば、重量%でSn:1.2〜1.
7%,Fe:0.07〜0.20%,Cr:0.05〜
0.15%,Ni:0.03〜0.08%,残部Zrの
組成を有するジルカロイ−2,あるいはSn:1.2〜
1.7%,Fe:0.18〜0.24%,Cr:0.0
7〜0.13%,残部Zrの組成を有するジルカロイ−
4、上記ジルカロイ−2またはジルカロイ−4に0.2
%以上のMo及び0.1%以上のNbの少なくとも一種
を合計量で2.0%以下含有した合金、Zr−2.5%
Nb系ジルコニウム合金、Zr−1%Nb系ジルコニウ
ム合金、またはオーゼナイトなどのジルコニウム合金が
あげられる。特に、ジルカロイ−2またはジルカロイ−
4が耐食性及び強度に優れており好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久恒 善美 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジルコニウム合金からなり核燃料ペレット
    を装填する被覆管本体と、被覆管本体端部を密閉する端
    栓を備え、被覆管本体と端栓とが溶接により接続された
    核燃料被覆管において、被覆管本体と端栓との溶接熱影
    響部の外表面における圧縮応力が0MPa 以上、ジルコニ
    ウム合金の耐力以下であることを特徴とする核燃料被覆
    管。
  2. 【請求項2】ジルコニウム合金からなる被覆管本体と、
    被覆管本体を密閉する端栓とを溶接接合する工程を行う
    核燃料被覆管の製造方法において、溶接接合する工程後
    に被覆管本体と端栓との溶接熱影響部の外表面における
    引張り応力を除去する工程を行うことを特徴とする核燃
    料被覆管の製造方法。
JP7155662A 1995-06-22 1995-06-22 核燃料被覆管及びその製造方法 Pending JPH095485A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108778611A (zh) * 2015-11-26 2018-11-09 由俄罗斯原子能集团公司代表的俄罗斯联邦 燃料元件套管和塞之间的焊接接头
CN111554422A (zh) * 2020-04-10 2020-08-18 中核北方核燃料元件有限公司 一种消除焊缝气胀缺陷的端塞
CN112242206A (zh) * 2020-09-10 2021-01-19 中广核研究院有限公司 支撑连接装置及管式连接炉

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