JPH10338981A - 出隅部用パネルの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、出隅部用パネルの長手方向の小口
面から入隅面までの寸法が比較的小さい場合でも十分な
強度で出隅部用パネルを建物の躯体に確実に取り付ける
ことが出来ると共に、出隅部用パネルの外観の美観を維
持することが出来る出隅部用パネルの取付構造を提供す
ることを可能にすることを目的としている。 【解決手段】 コーナーパネル１の長手方向の小口面１
ａに穴１ｂを穿設し、フランジ３に立設されると共に突
起２ａを有する棒状部材２を穴１ｂに挿入して固定し、
躯体４に固定したアングルピース５にフランジ３を固定
してコーナーパネル１を躯体４に取り付けるように構成
したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建物の出隅部にＰ
Ｃ版やＡＬＣ版等の出隅部用パネルを取り付ける出隅部
用パネルの取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の建物の出隅部用パネルの取付構造
の一例を図６及び図７を用いて説明する。図６（ａ）は
第１の従来例としての挿入筋構法の出隅部の構成を示す
斜視図、図６（ｂ）は図６（ａ）の横断面説明図であ
る。図６（ａ），（ｂ）に示すように、柱等の躯体51に
溶接により立設された目地プレート52にＬ型形状のコー
ナープレート53の一片が溶接により固定される。一方、
出隅部用パネルであるコーナーパネル54に表面側から穴
54ａをあけ、この穴54ａに表面側からストレートボルト
55を挿入し、コーナープレート53の他片に穿設された穴
53ａに挿通して裏面側でナット56により固定する。

【０００３】図７（ａ）は第２の従来例としてのＨＤＲ
構法の出隅部の構成を示す斜視図、図７（ｂ）は図７
（ａ）の横断面説明図である。図７（ａ），（ｂ）に示
すように、柱等の躯体51に溶接により立設された目地プ
レート52にＬ型形状のコーナープレート53の一片が溶接
により固定される。一方、出隅部用パネルであるコーナ
ーパネル54の内部にはアンカー鋼棒57が埋設され、該ア
ンカー鋼棒57に係合してＯボルト58が取り付けられて該
コーナーパネル54の裏面から突出している。そして、Ｏ
ボルト58をコーナープレート53の他片に穿設された穴53
ａに挿通して裏面側でナット56により固定する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
各従来例では、図８に示すように、コーナーパネル54の
サイズが比較的小さく、該コーナーパネル54の長手方向
の小口面54ｂから入隅面54ｃまでの寸法ａが例えば５０
mm程度で比較的小さく形成された場合には、互いに直交
すると共に略同じ高さ位置に設けられた各２つのストレ
ートボルト55或いはＯボルト58同士が図８に示すように
互いに干渉し合い、ストレートボルト55或いはＯボルト
58が取り付けられなくなるという問題がある。

【０００５】また、互いに直交するストレートボルト55
或いはＯボルト58の高さ位置を上下方向にずらして該ス
トレートボルト55或いはＯボルト58同士の干渉を回避し
た場合でも、該ストレートボルト55或いはＯボルト58が
配置されるコーナーパネル54の長手方向の小口面54ｂか
らの距離ｂが比較的短いため取付部位の強度が小さくな
り、所定の強度を確保するためにはストレートボルト55
或いはＯボルト58の本数を増やす必要があり、部品点数
及び取付工数が増大してコストアップになるという問題
がある。

【０００６】また、前記第１の従来例では、コーナーパ
ネル54の取付後、該コーナーパネル54の表面側のストレ
ートボルト55用の穴54ａを埋め戻す必要があり、外観の
美観を維持するために入念な埋め戻し作業が必要にな
り、施工工数が増大するという問題がある。

【０００７】本発明は前記課題を解決するものであり、
その目的とするところは、出隅部用パネルの長手方向の
小口面から入隅面までの寸法が比較的小さい場合でも十
分な強度で出隅部用パネルを建物の躯体に確実に取り付
けることが出来ると共に、出隅部用パネルの外観の美観
を維持することが出来る出隅部用パネルの取付構造を提
供せんとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係る代表的な構成は、出隅部用パネルの長手
方向の小口面の該小口面に対して垂直方向に設けた穴
に、フランジに対して垂直方向に立設した棒状部材を挿
入すると共に、該フランジを前記小口面に当接して固定
し、前記フランジを建物の躯体に固定することで前記出
隅部用パネルを前記躯体に取り付けるように構成したこ
とを特徴とする出隅部用パネルの取付構造である。

【０００９】本発明は、上述の如く構成したので、出隅
部用パネルの長手方向の小口面の穴に挿入して固定され
た棒状部材が立設するフランジを建物の躯体に固定して
出隅部用パネルを躯体に取り付けることで、出隅部用パ
ネルの長手方向の小口面から入隅面までの寸法が比較的
小さい場合でも十分な強度で出隅部用パネルを建物の躯
体に確実に取り付けることが出来、出隅部用パネルの外
観の美観を維持することが出来る。

【００１０】従って、前述の各従来例のように取付用の
ボルトが干渉することがない。

【００１１】また、前記棒状部材の前記出隅部用パネル
内に挿入される長さを該出隅部用パネルの長手方向の小
口面から入隅面までの寸法よりも深い長さで構成した場
合には、出隅部用パネルの取付強度を確保することが出
来、好ましい。

【００１２】また、前記棒状部材の前記出隅部用パネル
内に挿入される部位の外周面に突起を設けた場合には、
該突起により出隅部用パネルに棒状部材が強固に係止さ
れ、建物の躯体に取り付ける際に、棒状部材の脱落を防
止することが出来、安全に取付作業を行うことが出来
る。

【００１３】また、前記フランジをＬ型金具の一片に固
定し、該Ｌ型金具の他片を前記建物の躯体に固定した場
合には、Ｌ型金具を介してフランジを躯体に強固に固定
することが出来る。

【００１４】また、前記フランジをＬ型形状で構成し、
該Ｌ型形状のフランジの一片に前記棒状部材を設け、該
Ｌ型形状のフランジの他片を前記建物の躯体に固定した
場合には、フランジを躯体に強固に固定することが出来
ると共に、前記Ｌ型金具を省略して部品点数及び取付工
数を削減することが出来る。

【００１５】また、Ｌ型金具の一片に貫通して設けた穴
に前記フランジに立設した棒状部材を挿通すると共に、
前記出隅部用パネルの長手方向の小口面の穴に該棒状部
材を挿入して該フランジを前記Ｌ型金具の一片に当接さ
せると共に該Ｌ型金具の一片を前記小口面に当接して固
定し、該Ｌ型金具の他片を前記建物の躯体に固定した場
合には、Ｌ型金具の一片に穿設した穴を例えば長穴とす
ることで、該長穴に沿って棒状部材をスライドさせて出
隅部用パネルの取付位置の位置合わせが出来ると共に、
これにより躯体等の寸法誤差を吸収することも出来る。

【００１６】

【発明の実施の形態】図により本発明に係る出隅部用パ
ネルの取付構造の一実施形態を具体的に説明する。図１
は本発明に係る出隅部用パネルの取付構造を示す横断面
説明図、図２及び図３は本発明に係る出隅部用パネルの
取付構造を示す縦断面説明図、図４（ａ）は平板状のフ
ランジに立設した棒状部材の構成を示す斜視図、図４
（ｂ）は棒状部材の出隅部用パネルへの挿入長さを示す
図、図５（ａ）はＬ型形状のフランジに立設した棒状部
材の構成を示す斜視図、図５（ｂ）はＬ型金具の一片に
穿設した長穴に平板状のフランジに立設した棒状部材を
挿通した構成を示す斜視図である。

【００１７】図１〜図３において、本発明に係る出隅部
用パネルの取付構造は、建物の出隅部にＰＣ版やＡＬＣ
版等で構成される出隅部用パネルとなるコーナーパネル
１を取り付ける際に好適な取付構造であり、コーナーパ
ネル１の長手方向の小口面１ａには、該小口面１ａに対
して垂直方向に、後述する棒状部材２の外径及び長さｌ
に対応する所定の径及び深さで穿設した穴１ｂが設けら
れている。

【００１８】そして、前記コーナーパネル１の穴１ｂに
対して、鋼板等で構成される平板状のフランジ３に対し
て溶接等により垂直方向に立設した所定の外径及び長さ
ｌを有する鋼材等で構成される棒状部材２を挿入すると
共に、該フランジ３をコーナーパネル１の長手方向の小
口面１ａに当接して固定する。

【００１９】ここで、棒状部材２のコーナーパネル１内
に挿入される長さｌは、図４（ｂ）に示すように、コー
ナーパネル１の長手方向の小口面１ａから入隅面１ｃま
での寸法ａよりも深い長さになるように設定されてお
り、これにより、コーナーパネル１の取付強度を確保す
ることが出来るようになっている。

【００２０】また、前記棒状部材２のコーナーパネル１
内に挿入される部位の外周面には、図４（ａ）に示すよ
うに、突起２ａが設けられており、棒状部材２をコーナ
ーパネル１の穴１ｂに挿入した際に該突起２ａがコーナ
ーパネル１の穴１ｂの内周壁に食い込んで棒状部材２と
コーナーパネル１とを強固に係止して固定出来るように
なっている。この突起２ａによりコーナーパネル１に棒
状部材２が強固に係止され、建物の柱等の躯体４に取り
付ける際に、棒状部材２の脱落を防止することが出来、
安全に取付作業を行うことが出来る。

【００２１】一方、建物の柱等の躯体４の所定位置には
Ｌ型金具からなるアングルピース５が溶接等により固定
されており、該アングルピース５の起立片５ａはコーナ
ーパネル１とこれに隣設される壁パネル６との間の目地
部７に配置される。

【００２２】そして、前記フランジ３をアングルピース
５の起立片５ａに溶接等に固定することでコーナーパネ
ル１を躯体４に取り付けることが出来る。上記構成によ
れば、コーナーパネル１の長手方向の小口面１ａから入
隅面１ｃまでの寸法ａが比較的小さい場合でも十分な強
度でコーナーパネル１を躯体４に確実に取り付けること
が出来、前述した各従来例のように取付用のボルトが干
渉するような不具合も生じない。また、アングルピース
５を介してフランジ３を躯体４に強固に固定することが
出来る。

【００２３】図２はコーナーパネル１の上下部を上記構
成により取り付けたものである。図２中、８は躯体４の
所定位置に溶接等により固定された自重受け金具であ
り、上位に配置されるコーナーパネル１の下面１ｄに当
接して該コーナーパネル１の自重を受けて支持する。

【００２４】図３はコーナーパネル１の下部のみを上記
構成により取り付け、該コーナーパネル１の上部は他の
取付方法により取り付けたものである。下位に配置され
たコーナーパネル１の上面１ｅには、該上面１ｅに対し
て垂直方向に設けた穴１ｆが穿設されており、前述と略
同様な平板状のフランジ３に立設された棒状部材２が穴
１ｆに挿入されて固定され、自重受け金具８の裏面にフ
ランジ３を溶接等により固定する。尚、コーナーパネル
１の下面１ｄは、図２と同様に自重受け金具８により支
持される。

【００２５】図５（ａ）は前述の棒状部材２を立設した
フランジ３とアングルピース５とを一体化して部品点数
を削減したものであり、フランジ３をＬ型形状で構成
し、該Ｌ型形状のフランジ３の一片に棒状部材２を立設
して、該Ｌ型形状のフランジ３の他片を躯体４に固定す
るように構成したものである。

【００２６】上記構成によれば、フランジ３を躯体４に
対して強固に固定することが出来ると共に、前記アング
ルピース５を省略して部品点数及び取付工数を削減する
ことが出来、好ましい。

【００２７】図５（ｂ）はアングルピース５の起立片５
ａに長穴５ｂを設け、該長穴５ｂに棒状部材２を挿通で
きるようにしたものであり、アングルピース５の起立片
５ａに貫通して設けた長穴５ｂにフランジ３に立設した
棒状部材２を挿通すると共に、コーナーパネル１の長手
方向の小口面１ａの穴１ｂに該棒状部材２を挿入して該
フランジ３をアングルピース５の起立片５ａに当接させ
ると共にアングルピース５の起立片５ａをコーナーパネ
ル１の長手方向の小口面１ａに当接して固定し、該アン
グルピース５の他片を躯体４に固定するように構成した
ものである。

【００２８】上記構成によれば、アングルピース５の起
立片５ａに設けた長穴５ｂに沿って棒状部材２をスライ
ドさせてコーナーパネル１の取付位置の位置合わせが出
来ると共に、躯体４の寸法誤差を吸収することも出来
る。

【００２９】

【発明の効果】本発明は、上述の如き構成と作用とを有
するので、出隅部用パネルの長手方向の小口面の穴に挿
入して固定された棒状部材が立設するフランジを建物の
躯体に固定して出隅部用パネルを躯体に取り付けること
で、出隅部用パネルの長手方向の小口面から入隅面まで
の寸法が比較的小さい場合でも十分な強度で出隅部用パ
ネルを建物の躯体に確実に取り付けることが出来る。従
って、前述の各従来例のように取付用のボルトが干渉す
ることがない。

【００３０】また、前記棒状部材の前記出隅部用パネル
内に挿入される長さを該出隅部用パネルの長手方向の小
口面から入隅面までの寸法よりも深い長さで構成した場
合には、出隅部用パネルの取付強度を確保することが出
来、好ましい。

【００３１】また、前記棒状部材の前記出隅部用パネル
内に挿入される部位の外周面に突起を設けた場合には、
該突起により出隅部用パネルに棒状部材が強固に係止さ
れ、建物の躯体に取り付ける際に、棒状部材の脱落を防
止することが出来、安全に取付作業を行うことが出来
る。

【００３２】また、前記フランジをＬ型金具の一片に固
定し、該Ｌ型金具の他片を前記建物の躯体に固定した場
合には、Ｌ型金具を介してフランジを建物の躯体に強固
に固定することが出来る。

【００３３】また、前記フランジをＬ型形状で構成し、
該Ｌ型形状のフランジの一片に前記棒状部材を設け、該
Ｌ型形状のフランジの他片を前記建物の躯体に固定した
場合には、フランジを建物の躯体に強固に固定すること
が出来ると共に、前記Ｌ型金具を省略して部品点数及び
取付工数を削減することが出来る。

【００３４】また、Ｌ型金具の一片に貫通して設けた穴
に前記フランジに立設した棒状部材を挿通すると共に、
前記出隅部用パネルの長手方向の小口面の穴に該棒状部
材を挿入して該フランジを前記Ｌ型金具の一片に当接さ
せると共に該Ｌ型金具の一片を前記出隅部用パネルの長
手方向の小口面に当接して固定し、該Ｌ型金具の他片を
前記建物の躯体に固定した場合には、Ｌ型金具の一片に
穿設した穴を例えば長穴とすることで、該長穴に沿って
棒状部材をスライドさせて出隅部用パネルの取付位置の
位置合わせが出来ると共に、これにより躯体等の寸法誤
差を吸収することも出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る出隅部用パネルの取付構造を示す
横断面説明図である。

【図２】本発明に係る出隅部用パネルの取付構造を示す
縦断面説明図である。

【図３】本発明に係る出隅部用パネルの取付構造を示す
縦断面説明図である。

【図４】（ａ）は平板状のフランジに立設した棒状部材
の構成を示す斜視図、（ｂ）は棒状部材の出隅部用パネ
ルへの挿入長さを示す図である。

【図５】（ａ）はＬ型形状のフランジに立設した棒状部
材の構成を示す斜視図、（ｂ）はＬ型金具の一片に穿設
した長穴に平板状のフランジに立設した棒状部材を挿通
した構成を示す斜視図である。

【図６】第１の従来例を説明する図である。

【図７】第２の従来例を説明する図である。

【図８】従来例の課題を説明する図である。

【符号の説明】

１…コーナーパネル １ａ…小口面 １ｂ…穴 １ｃ…入隅面 １ｄ…下面 １ｅ…上面 １ｆ…穴 ２…棒状部材 ２ａ…突起 ３…フランジ ４…躯体 ５…アングルピース ５ａ…起立片 ５ｂ…長穴 ６…壁パネル ７…目地部 ８…自重受け金具

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 出隅部用パネルの長手方向の小口面の該
   小口面に対して垂直方向に設けた穴に、フランジに対し
   て垂直方向に立設した棒状部材を挿入すると共に、該フ
   ランジを前記小口面に当接して固定し、前記フランジを
   建物の躯体に固定することで前記出隅部用パネルを前記
   躯体に取り付けるように構成したことを特徴とする出隅
   部用パネルの取付構造。
2. 【請求項２】 前記棒状部材の前記出隅部用パネル内に
   挿入される長さは、前記出隅部用パネルの長手方向の小
   口面から該出隅部用パネルの入隅面までの寸法よりも深
   い長さであることを特徴とする請求項１に記載の出隅部
   用パネルの取付構造。
3. 【請求項３】 前記フランジをＬ型形状で構成し、該Ｌ
   型形状のフランジの一片に前記棒状部材を設け、該Ｌ型
   形状のフランジの他片を前記建物の躯体に固定したこと
   を特徴とする請求項１に記載の出隅部用パネルの取付構
   造。
4. 【請求項４】 Ｌ型金具の一片に貫通して設けた穴に前
   記フランジに立設した棒状部材を挿通すると共に、前記
   出隅部用パネルの長手方向の小口面の穴に該棒状部材を
   挿入して該フランジを前記Ｌ型金具の一片に当接させる
   と共に該Ｌ型金具の一片を前記小口面に当接して固定
   し、該Ｌ型金具の他片を前記建物の躯体に固定したこと
   を特徴とする請求項１に記載の出隅部用パネルの取付構
   造。