JPH10338735A - 難燃性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

難燃性エポキシ樹脂組成物

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JPH10338735A
JPH10338735A JP10206098A JP10206098A JPH10338735A JP H10338735 A JPH10338735 A JP H10338735A JP 10206098 A JP10206098 A JP 10206098A JP 10206098 A JP10206098 A JP 10206098A JP H10338735 A JPH10338735 A JP H10338735A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin
group
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composition
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Application number
JP10206098A
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English (en)
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Toshio Shiobara
利夫 塩原
Satoshi Okuse
聡 奥瀬
Takayuki Aoki
貴之 青木
Hideto Kato
英人 加藤
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂として、エポキシ当
量が185以上であり、2個のベンゼン環が互いに直接
又は脂肪族不飽和二重結合を介して共役しうる構造を1
個以上分子構造中に持つ骨格を有し、かつ炭素数の50
%以上がSP2型の原子軌道を有する炭素であるエポキ
シ樹脂、(B)フェノール樹脂として、水酸基当量が1
60以上であり、かつ炭素数の85%以上がSP2型の
原子軌道を有する炭素であるフェノール樹脂、(C)ポ
リイミド系樹脂をエポキシ樹脂とフェノール樹脂との合
計量100重量部に対して1〜20重量部、(D)無機
質充填剤を組成物全体に対して70体積%以上を含有し
てなり、かつ臭素化合物及びアンチモン化合物を実質的
に含有していないことを特徴とする難燃性エポキシ樹脂
組成物。 【効果】 本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、臭素
化合物やアンチモン化合物が配合されなくとも、高い難
燃性を有し、高温信頼性に優れた硬化物を与えるもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性が高く、高
温信頼性に優れ、半導体封止用として有効な難燃性エポ
キシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、エポキシ樹脂組成物は、半導体封止材として広く使
用されているが、近年、デバイスの高速化に伴い素子の
発熱量が非常に大きくなりパッケージ自体が高温になる
ことから、信頼性の上で大きな問題となってきている。
また、一方では耐半田リフロー性を改善するため、封止
材にはガラス転移温度が100℃前後の封止樹脂が使用
されるようになってきている。このような背景のもと、
いかにして封止材の高温での信頼性を維持するかが半導
体業界において重要な課題である。
【0003】高温での不良として最も問題となるもの
は、高温下で難燃剤として封止材中に配合されている臭
素化合物やアンチモン化合物が分解し、金線とアルミニ
ウムの接続部で化学反応を起こし、接続部の抵抗が大き
くなったり、場合によっては断線に至るものである。こ
の不良は特に封止材としてガラス転移温度の低い材料を
使用した場合に顕著になる。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、臭素化合物及びアンチモン化合物を使用しなくとも
高い難燃性を有し、しかも高温信頼性に優れ、特に半導
体封止用として好適な難燃性エポキシ樹脂組成物を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、(A)エポキシ樹脂として、エポキシ当量が18
5以上であり、2個のベンゼン環が互いに直接又は脂肪
族不飽和二重結合を介して共役しうる構造を1個以上分
子構造中に持つ骨格を有し、かつ炭素数の50%以上が
SP2型の原子軌道を有する炭素であるエポキシ樹脂、
(B)フェノール樹脂として、水酸基当量が160以上
であり、かつ炭素数の85%以上がSP2型の原子軌道
を有する炭素であるフェノール樹脂を使用すると共に、
(C)ポリイミド系樹脂をエポキシ樹脂とフェノール樹
脂との合計量100重量部に対して1〜20重量部併用
し、かつ(D)無機質充填剤を組成物全体に対して70
体積%以上配合することにより、臭素化合物やアンチモ
ン化合物を用いなくとも難燃化が可能となり、高温での
信頼性に優れた半導体封止用として優れた性能を持つエ
ポキシ樹脂組成物が得られること、またこの場合、上記
(A)〜(D)成分に加えて、(E)成分として下記平
均組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 (1) (式中、R1は非置換又は置換1価炭化水素基を示し、
aは1≦a≦3の正数である。)で示されるオルガノポ
リシロキサン又はその硬化物を上記(A),(B)及び
(C)成分の合計量100重量部に対し0.1〜10重
量部配合することにより、上記ポリイミド系樹脂との相
乗的な作用でより優れた難燃効果を発揮することを知見
した。
【0006】即ち、本発明者らは、ハロゲン化合物やア
ンチモン酸化物を使用せずにエポキシ樹脂の難燃化を図
るべく種々検討した結果、エポキシ樹脂硬化物の燃焼は
グリシジル基とフェノール性水酸基との開環反応で生成
する下記構造の結合部分の量に依存すること、またエポ
キシ樹脂とフェノール樹脂のSP2型の原子軌道を有す
る炭素の量によって影響されること、そして、上記
(A),(B)成分をエポキシ樹脂、フェノール樹脂と
して用いると共に、ポリイミド系樹脂及び無機質充填剤
を特定量以上含有させること、更に好ましくは上記オル
ガノポリシロキサンを配合することで難燃化を可能にす
ることができることを見出し、本発明を完成させたもの
である。
【0007】
【化1】
【0008】従って、本発明は、上記(A)〜(D)成
分、更に好ましくは(E)成分を含有してなり、かつ臭
素化合物及びアンチモン化合物を実質的に含有していな
いことを特徴とする難燃性エポキシ樹脂組成物を提供す
る。
【0009】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ
樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)ポリイミド系樹
脂、(D)無機質充填剤を必須成分として含有し、更に
好ましくは(E)オルガノポリシロキサン又はその硬化
物を含有してなる。
【0010】本発明において、(A)成分のエポキシ樹
脂としては、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を
持ち、エポキシ当量が185以上であり、2個のベンゼ
ン環が互いに直接又は脂肪族不飽和二重結合を介して共
役しうる構造を1個以上分子構造中に持つ骨格を有し、
かつ炭素数の50%以上がSP2型の原子軌道を有する
炭素であるエポキシ樹脂を使用するもので、このような
エポキシ樹脂であればいずれのものでも用いることがで
きる。
【0011】ここで、エポキシ樹脂骨格を構成するベン
ゼン環同士が共役しうる構造としては、ビフェニル構
造、ナフタレン環、或いは脂肪族不飽和炭素−炭素二重
結合(即ち、−CH=CH−を示す。以下、同様)で結
合されたベンゼン環などが代表的なものである。このよ
うな共役構造をエポキシ樹脂中に導入することで燃焼時
の酸化に対し抵抗力のある硬化物を得ることができる。
またこの場合、エポキシ樹脂に含まれる全炭素数の50
%以上、一般的には50〜99%、好ましくは54〜9
5%、より好ましくは57〜90%がSP2型の原子軌
道を有するものである。
【0012】即ち、樹脂骨格中に共役したベンゼン環を
含まず、SP2型の原子軌道を有する炭素数が50%未
満の樹脂は高温で熱分解が容易に起こり、ガスが発生
し、燃焼が持続する結果となる。本発明者らの実験では
共役したベンゼン環を有し、SP2型の原子軌道を有す
る炭素数が50%以上、一般的には50〜99%、好ま
しくは54〜95%、より好ましくは57〜90%であ
れば燃焼の継続を抑制できることが明らかとなったもの
である。また、フェノール性水酸基との結合で生ずる脂
肪族結合の密度をできるだけ小さくするため、エポキシ
当量は185以上、特に185〜1,000のエポキシ
樹脂を使用する。185未満では反応で生ずる脂肪族結
合の密度が高くなり、燃焼が継続し、本発明の目的を達
成し得ない。
【0013】このようなエポキシ樹脂として、以下の構
造を有するものを代表例として挙げることができる。
【0014】
【化2】 (nは上記各式においてそれぞれのエポキシ当量を18
5以上、特に185〜1,000とする0又は正の数で
ある。)
【0015】なお、本発明においては、必要に応じ、上
記エポキシ樹脂の他に、難燃性に影響を及ぼさない範囲
で従来から公知の一分子当り2個以上のエポキシ基を持
ったエポキシ樹脂を配合することができる。このような
エポキシ樹脂としては、上記(A)のエポキシ樹脂の要
件を備えていないビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ
樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが例示さ
れる。これらエポキシ樹脂の中でもナフタレン型エポキ
シ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂や下記構造式で示さ
れる液晶構造を有するものが望ましい。
【0016】
【化3】
【0017】この(A)成分以外のエポキシ樹脂は、組
成物中のエポキシ樹脂全体の30重量%以下、好ましく
は0〜20重量%、より好ましくは0〜10重量%程度
の範囲で配合することができる。
【0018】これらエポキシ樹脂中の全塩素含有量は1
500ppm以下、望ましくは1000ppm以下であ
ることが好ましい。また、120℃で50%エポキシ樹
脂濃度における20時間での抽出水塩素が5ppm以下
であることが好ましい。全塩素含有量が1500ppm
を超えたり、抽出水塩素が5ppmを超えると半導体の
耐湿信頼性が低下する場合がある。
【0019】本発明の(B)成分のフェノール樹脂とし
ては、1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基
を持ち、水酸基当量が160以上、好ましくは160〜
1,000、より好ましくは190〜500であり、か
つ炭素数の85%以上がSP2型の原子軌道を有する炭
素であるフェノール樹脂を使用する。即ち、難燃化には
エポキシ樹脂よりフェノール樹脂の構造が大きく影響す
るものであり、フェノール樹脂としては、85%以上
(即ち85〜100%)、好ましくは85〜99%、よ
り好ましくは90〜95%がSP2型の原子軌道を有す
る炭素でなければならない。85%未満では燃焼性の高
い炭素が多くなり容易に燃焼が継続する。また、燃焼を
抑制するにはエポキシ樹脂同様、フェノール樹脂中の水
酸基当量を制御しなければならない。難燃化のためには
水酸基当量が160以上、好ましくは160〜1,00
0、より好ましくは190〜500、更に好ましくは1
95〜400である。水酸基当量が160未満ではエポ
キシ基との反応で生成する結合の量が多くなり燃えやす
くなる。
【0020】フェノール樹脂としては、水酸基当量が1
60以上、好ましくは160〜1,000、より好まし
くは190〜500で、炭素数の85%以上がSP2
の原子軌道を有する炭素であるフェノール樹脂であれば
いかなるものでも使用可能であるが、この種のフェノー
ル樹脂としては下記構造のものが代表的なものである。
【0021】
【化4】 (nは上記各式においてそれぞれのフェノール性水酸基
当量を160以上、好ましくは160〜1,000とす
る0又は正の数である。)
【0022】本発明においては、これら(B)成分のフ
ェノール樹脂の他に、必要により難燃性に影響を及ぼさ
ない範囲で従来から公知の一分子当り2個以上のフェノ
ール性水酸基を持ったフェノール樹脂を配合することが
できる。このようなフェノール樹脂としては、特に、フ
ェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、
フェノールアラルキル樹脂などが代表的なものである。
【0023】この(B)成分以外のフェノール樹脂は、
組成物中のフェノール樹脂全体の20重量%以下、好ま
しくは0〜10重量%、より好ましくは0〜5重量%程
度の範囲で配合することができる。
【0024】フェノール樹脂もエポキシ樹脂同様、12
0℃の温度で抽出される塩素イオンやナトリウムイオン
などはいずれも10ppm以下、望ましくは5ppm以
下であることが好ましい。
【0025】エポキシ基とフェノール性水酸基の混合比
率はフェノール性水酸基1モルに対しエポキシ基が0.
6〜1.3モルであればよい。望ましくは0.7〜1.
1モルである。更に望ましくは0.8〜1.0モルであ
る。0.6モル未満では架橋密度が低くなり、十分な強
度が得られない上、フェノール性水酸基が多量に残る結
果、耐湿信頼性や高温での信頼性が低下する場合があ
る。一方、1.3モルを超えると架橋密度が低くなりガ
ラス転移温度が低下し、更に残存エポキシ基や反応で生
成する脂肪族結合の比率が増加し難燃性に悪影響を与え
るおそれがある。
【0026】なお、本発明においては、硬化促進剤とし
て、リン系、イミダゾール誘導体、シクロアミジン系誘
導体などを使用することができる。硬化促進剤の量とし
ては、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計量100重
量部に対し、0.01〜10重量部であることが好まし
い。
【0027】本発明においては、難燃性を向上させるた
めに、(C)成分としてポリイミド系樹脂を配合する。
このポリイミド系樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリ
アミドイミド樹脂等が挙げられ、下記一般式(2)で示
されるポリマーを主たる構成単位とするポリイミド樹脂
や、下記一般式(3)で示されるポリマーを主たる構成
単位とするポリアミドイミド樹脂が好適であるが、特に
下記一般式(2)で示されるポリマーを主たる構成単位
とするポリイミド樹脂が好ましい。
【0028】
【化5】 (nは1以上、好ましくは樹脂の重量平均分子量が50
00〜300000程度となる数である。)
【0029】上記式中、R2はテトラカルボン酸二無水
物から2個の酸無水物基(−CO)2Oを除いた残基で
あり、少なくとも2個以上の炭素原子を有する四価の有
機基である。ポリイミド系ポリマーの耐熱性の面から、
2はポリマー主鎖のカルボニル基との結合が芳香族環
或いは芳香族複素環から直接行われる構造を有するもの
が好ましい。従って、R2としては芳香族環或いは芳香
族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の四価の有機基
が好ましい。R2の好ましい具体例としては下記のもの
が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
【化6】 (式中、結合手はポリマー主鎖の酸無水物残基のカルボ
ニル基との結合を表し、COは結合手の他端の炭素原子
に対してオルト位に位置する。)
【0031】なお、ポリイミドは上記一般式(2)中の
2がこれらのうちただ1種から構成されていてもよい
し、2種以上から構成される共重合体であってもよい。
2として特に望ましいものは下記のものである。
【0032】
【化7】
【0033】上記式中、R3はジアミン化合物から2個
のアミノ基を除いたジアミン化合物の残基であり、少な
くとも2個以上の炭素原子を有する二価の有機基であ
る。ポリイミド系ポリマーの耐熱性の面から、R3はポ
リマー主鎖のアミド基及び/又はイミド基との結合が芳
香族環から直接行われる構造を有するものが好ましい。
従って、R3としては芳香族環を含有し、かつ炭素数6
〜30の二価の有機基が好ましい。R3の好ましい具体
例としては下記のものが例示される。
【0034】
【化8】
【0035】なお、ポリイミド系樹脂は式(2)又は
(3)中のR3がこれらのうちただ1種から構成されて
いてもよいし、2種以上から構成される共重合体であっ
てもよい。
【0036】R3として特に望ましいものは下記のもの
である。
【0037】
【化9】
【0038】また、R4は水素原子又はメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ter
t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基である。
【0039】R5はトリカルボン酸1無水物又はそのエ
ステル化合物から1個の酸無水物基と1個のカルボン酸
基又はそのエステル基を除いた残基であり、芳香族環又
は芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜20、好まし
くは6〜10の三価の有機基であり、具体的には下記の
ものを例示することができる。
【0040】
【化10】
【0041】更に、上記一般式(2)又は(3)で示さ
れるポリイミド系樹脂をエポキシ樹脂に添加し、シリコ
ンチップやリードフレーム材との接着性を向上させるた
めに、耐熱性を低下させない範囲で、シロキサン構造を
有する脂肪族ジアミンと共重合したり、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン等のアミノ官能性基含有アルコ
キシシランを添加することもできる。
【0042】シロキサン構造を有する脂肪族ジアミンの
好ましい具体例としては下記のもの等が挙げられる。
【0043】
【化11】
【0044】上記シロキサン構造を有する脂肪族ジアミ
ンの共重合量は、上記式(2)、(3)で示されるポリ
イミドを合成する際の原料であるH2N−R3−NH2
示されるジアミン成分の30モル%以下、好ましくは0
〜10モル%、より好ましくは0〜5モル%、更に好ま
しくは1〜3モル%であることが耐熱性の面から好まし
い。また、アミノシランの添加量はポリイミド系樹脂に
対し0〜10重量%、特に0.5〜5重量%であること
が耐熱性の面から好ましい。
【0045】この種のポリイミド系樹脂としては重合度
及び組成(原料)を調整することにより軟化点を170
〜300℃の範囲としたものを好適に用いることができ
る。分子量としては、重量平均で5000〜30000
0程度の範囲が好ましい。また、形状も粉末状から極性
溶剤に溶解したワニス状と多岐にわたっているが、いず
れのものでもよく、エポキシ樹脂組成物に添加する際
は、微粉末としてエポキシ樹脂組成物を構成する成分と
均一に混合した後、混練するか、予めエポキシ樹脂やフ
ェノール樹脂と溶融或いは溶剤中で溶解混合した後、溶
剤を留去し使用するかなど、種々の方法が採用され得、
特に添加方法は限定されるものではない。
【0046】ポリイミド系樹脂の添加量はエポキシ樹脂
とフェノール樹脂の合計量100重量部に対し1〜20
重量部、望ましくは3〜10重量部である。1重量部未
満ではエポキシ樹脂硬化物の燃焼を抑えるには少なすぎ
る上、接着性の向上効果も少ない。また、20重量部を
超えると燃焼抑制効果は十分であるが、組成物全体の粘
度が高くなりすぎて成形時金線の変形や未充填を引き起
こす。
【0047】本発明の組成物の(D)成分は無機質充填
剤である。本発明に使用される無機質充填剤としては、
ボールミルなどで粉砕した溶融シリカや火炎溶融するこ
とで得られる球状のシリカ、ゾルゲル法などで製造され
る球状シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ボロンナイトラ
イド、窒化アルミ、窒化珪素、マグネシア、マグネシウ
ムシリケートなどが使用される。半導体素子が発熱の大
きい素子の場合、熱伝導率ができるだけ大きく、かつ膨
張係数の小さなアルミナ、ボロンナイトライド、窒化ア
ルミ、窒化珪素などを充填剤として使用することが望ま
しい。また、溶融シリカなどとブレンドして使用しても
よい。
【0048】ここで、より精密なデバイスを封止するた
めには175℃での溶融粘度が200ポイズ以下、望ま
しくは100ポイズ以下のエポキシ樹脂が望まれてい
る。そのため無機質充填剤としては球状の最密充填が可
能な粒度分布を持ったものが望ましい。ここで使用する
ことができる充填剤の粒度分布は、平均粒径(例えばレ
ーザー光回折法等による重量平均として)が4〜30μ
mで、充填剤中の10〜40重量%が3μm以下の微細
な粒径の無機質充填剤であって、最大粒径が74μm以
下、より望ましくは最大粒径が50μm以下の粒度分布
を持ち、比表面積が3.0m2/g以下、望ましくは
1.0〜2.5m2/gであるものが望ましい。
【0049】この場合、充填剤の最密充填化とチクソ性
付与により組成物の低粘度化と樹脂組成物の流動性制御
に平均粒径0.5μm以下の充填剤が非常に重要な役割
を演ずる。従って、平均粒径0.5μm以下、より望ま
しくは0.05〜0.3μmの微粉の充填剤を配合する
ことが好ましい。この種の充填剤は球状が望ましく、比
表面積が10〜50m2/gのものがよい。より望まし
い充填剤の比表面積は15〜40m2/gである。
【0050】なお、チクソ性付与のためアエロジルなど
の超微粒子シリカを添加することもできるが、この種の
超微粒子シリカを使用する場合は、予めボールミル等の
混合装置を用い、他の充填剤と均一に混合した後、使用
した方がよい。
【0051】この平均粒径0.5μm以下の微粉状充填
剤は、無機質充填剤全体の10重量%以下、好ましくは
0.5〜10重量%。特に1〜7重量%程度で配合する
ことができる。
【0052】無機質充填剤の使用量は70体積%以上で
なければならない。70体積%未満では樹脂量が多くな
り硬化物の燃焼が継続する。特に望ましい無機質充填剤
の含有量は70〜85体積%である。無機質充填剤の含
有量が85体積%を超えると粘度が高くなりすぎて成形
が困難になるおそれがある。
【0053】本発明においては、上記(A)〜(D)成
分に加え、下記平均組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 (1) で示されるオルガノポリシロキサン又はその硬化物を配
合することが好ましく、これによって更に難燃性を向上
させることができる。
【0054】なお、オルガノポリシロキサン又はその硬
化物の難燃効果としては、以下のことを挙げることがで
きる。即ち、オルガノポリシロキサン又はその硬化物は
燃焼することにより、二酸化炭素、一酸化炭素、水など
を発生し、シリカ(SiO2)を灰分として残す。ま
た、一般的にオルガノポリシロキサン又はその硬化物の
燃焼状態は他のオイル(鉱物油等)に比較して、発生す
るガス量が少なく、燃焼熱も小さいため炎も小さく、周
辺への延焼を抑制するものである。
【0055】ここで、上記式(1)において、R1は非
置換又は置換1価炭化水素基であり、非置換1価炭化水
素基としては、炭素数1〜10、特に1〜6のものが好
ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシ
ル基、オクチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル
基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェ
ニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジ
ル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などが挙げら
れる。また、置換1価炭化水素基としては、上記非置換
の1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン
原子(例えばフッ素)、シアノ基などで置換したものの
ほか、置換基としてアミノ基、エポキシ基、カルボキシ
ル基、カルビノール基、(メチル)スチリル基、(メ
タ)アクリル基、メルカプト基、ポリエーテル基、高級
脂肪酸エステル基、炭素数12以上の高級アルキル基な
どの官能基を含有する一価の基が挙げられる。なお、こ
れらの官能基は、通常炭素数2〜10、特には炭素数3
〜8程度の、酸素原子又はイミノ基(−NH−)を介在
してもよい非置換又はヒドロキシ置換のアルキレン基、
アリーレン基又はこれらを組合せたアルキレンアリーレ
ン基を介して珪素原子に結合する。
【0056】また、式(1)において、aは1≦a≦
3、特に1.5≦a≦2.5の範囲の正数である。
【0057】ここで、上記式(1)で示されるオルガノ
ポリシロキサン化合物としては、その構造から分類して
以下のものを挙げることができる。
【0058】分子中に官能性基で置換された1価炭化水
素基を含有しない無官能性のオルガノポリシロキサン化
合物としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニ
ルポリシロキサン等が挙げられる。
【0059】変性オルガノポリシロキサン化合物として
は、アミノ変性ポリオルガノシロキサン、エポキシ変性
オルガノポリシロキサン、カルボキシル変性オルガノポ
リシロキサン、カルビノール変性オルガノポリシロキサ
ン、メタクリル変性オルガノポリシロキサン、メルカプ
ト変性オルガノポリシロキサン、フェノール変性オルガ
ノポリシロキサン、片末端反応性オルガノポリシロキサ
ン、異種官能基変性オルガノポリシロキサン、ポリエー
テル変性オルガノポリシロキサン、メチルスチリル変性
オルガノポリシロキサン、高級アルキル変性オルガノポ
リシロキサン、高級脂肪酸エステル変性オルガノポリシ
ロキサン、高級脂肪酸含有オルガノポリシロキサン、ト
リフルオロプロピルメチルポリシロキサン等のフッ素変
性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0060】上記無官能性及び変性オルガノポリシロキ
サンは、通常、直鎖状、環状又は分岐状の分子構造のも
のを使用することができる。
【0061】オルガノポリシロキサンレジンとしては、
メチルポリシロキサンレジンと、メチルフェニルポリシ
ロキサンレジンとに大別され、その構造中に炭素−炭素
二重結合を有するものは難燃性が高いことが知られてい
る。
【0062】メチルポリシロキサンレジンは、一般にS
iO2、CH3SiO3/2、(CH32SiO 、(CH3
3SiO1/2の構造単位を組み合わせてできる三次元網状
構造の共重合体である。
【0063】メチルフェニルポリシロキサンレジンは、
一般にSiO2、CH3SiO3/2、C65SiO3/2
(CH32SiO 、(C653SiO1/2、(CH33
SiO1/2、(C65)(CH3)SiO 、(C652
SiO の構造単位を組み合わせてできる三次元網状構造
の共重合体であり、メチルポリシロキサンレジンに比べ
耐熱性が高い。
【0064】上記式(1)で表されるオルガノポリシロ
キサン化合物の重合度(又は分子中の珪素原子の数)は
5〜1000、特に10〜200の範囲にあることが好
ましく、重合度が5未満では低分子量のため、揮発性、
相溶性において問題を生ずる場合があり、また、重合度
が1000を超える場合には粘度が高くなり、分散性が
悪くなる場合がある。
【0065】これらのオルガノポリシロキサンの中でも
特に珪素原子の含有量の多いジメチルポリシロキサンや
珪素−水素結合(即ちSiH基)を有するオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサン化合物が特に望ましい。
【0066】パッケージ表面のマーキング性や接着性、
マトリックス樹脂とオルガノポリシロキサン化合物との
相溶性の点から、マトリックス樹脂と強い親和性を有す
るポリエーテル基を有するポリエーテル変性オルガノポ
リシロキサン化合物が好適に使用される。ポリエーテル
変性オルガノポリシロキサン化合物としては、下記のポ
リエーテル変性オルガノポリシロキサン化合物を挙げる
ことができる。
【0067】
【化12】
【0068】このポリエーテル変性オルガノポリシロキ
サンとしては、具体的に下記のものを例示することがで
きる。
【0069】
【化13】
【0070】なお、上述したポリエーテル変性オルガノ
ポリシロキサン化合物を相溶化剤として用い、下記に例
示するような分子鎖末端あるいは分子鎖途中の珪素原子
に結合したアミノ官能性基あるいはエポキシ官能性基を
含有するアミノ変性オルガノポリシロキサン、エポキシ
変性オルガノポリシロキサンなどの他のオルガノポリシ
ロキサン化合物を併用してもよい。
【0071】
【化14】
【0072】このアミノ変性オルガノポリシロキサン、
エポキシ変性オルガノポリシロキサンとしては具体的に
下記のものなどを例示することができる。
【0073】
【化15】
【0074】また、本発明において、(E)成分として
用いるオルガノポリシロキサン又はその硬化物としては
特に限定されるものでなく、以下に示すものの中から適
宜選択することができる。ビニル基含有オルガノポリシ
ロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを
含有する組成物を白金触媒存在下付加反応により硬化し
たオルガノポリシロキサンゴム、末端シラノール基及び
/又はアルコキシ基封鎖オルガノポリシロキサンと、分
子中に3個以上の加水分解性官能基を有するシラン及び
/又はその部分加水分解縮合物と、縮合触媒とを含有す
る組成物を縮合反応により硬化したオルガノポリシロキ
サンゴム(ここで、縮合反応として、脱水、脱水素、脱
アルコール、脱オキシム、脱アミン、脱アミド、脱カル
ボン酸、脱ケトン等が挙げられる。)、有機過酸化物に
より加熱硬化したオルガノポリシロキサンゴム、紫外線
照射により硬化したオルガノポリシロキサンゴムあるい
は上記の各反応により硬化したSiO2単位及び/又は
RSiO3/2単位(Rは1価炭化水素基で、前記したR1
のうち、置換炭化水素基を除いた炭素数1〜10の1価
炭化水素基と同様のものが挙げられる)を含有するオル
ガノポリシロキサン樹脂などが挙げられる。これらのオ
ルガノポリシロキサン硬化物は、予め粉砕機にて粉砕
し、粉末状にしたものが用いられる。また、オルガノポ
リシロキサン硬化物は、その構造中にシラノール基、ヒ
ドロキシ基、カルボキシ基、ビニル基、アミノ基、メル
カプト基、エポキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の官
能基を有するものを用いてもよい。なお、近年、ICな
どの電子部品を成型する金型のゲートサイズはパッケー
ジの小型化、薄型化と共に小さくなったので、本発明で
用いるオルガノポリシロキサン硬化物の粒径は、成型性
の点から平均粒径50μm以下のものがよく、通常0.
01〜50μm、特に0.1〜20μm程度のものが好
ましい。
【0075】上記オルガノポリシロキサン又はその硬化
物の添加量はエポキシ樹脂とフェノール樹脂とポリイミ
ド系樹脂との合計量100重量部に対して0.1〜10
重量部、好ましくは0.1〜5重量部、特に0.5〜2
重量部とすることが好ましく、0.1重量部未満の場合
には難燃性効果が見られなくなる場合があり、また10
重量部を超えると機械的強度が低下するためである。
【0076】更に、本発明の組成物には従来から公知の
シリコーン変性エポキシ樹脂やシリコーン変性フェノー
ル樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレンよ
りなる熱可塑性樹脂などを難燃性を低下させない範囲で
低応力化剤として添加してもよい。
【0077】また、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物
には、必要に応じ、粘度を下げる目的のために、従来よ
り公知のn−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリ
シジルエーテル、スチレンオキサイド、t−ブチルフェ
ニルグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンジエポ
キシド、フェノール、クレゾール、t−ブチルフェノー
ルのような希釈剤を添加することができる。
【0078】更に、シランカップリング剤、チタン系カ
ップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などのカ
ップリング剤やカーボンブラックなどの着色剤、ノニオ
ン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーンオイ
ルなどの濡れ向上剤や消泡剤なども場合によっては添加
することができる。
【0079】また、遊離したハロゲンをトラップするた
めのハロゲン捕捉剤を組成物全体に対して10重量%以
下、特に1〜5重量%程度添加することは、本発明の目
的、効果を損なわない限り任意とされる。
【0080】なお、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物
には、臭素化エポキシ樹脂等の臭素化合物及び三酸化ア
ンチモン等のアンチモン化合物は実質的に含有されな
い。ここで、実質的に含有されないとは、これら化合物
の組成物中の含有量が0〜1重量%、特には0〜0.1
重量%であることを意味する。
【0081】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物の製造
方法としては、上記した諸原料を高速混合機などを用
い、均一に混合した後、二本ロールや連続混練装置など
で十分混練すればよい。混練温度としては50〜110
℃が望ましい。混練後、薄くシート化し、冷却、粉砕す
ることでエポキシ樹脂組成物を製造する。
【0082】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、一
般成形材料のほか、半導体封止用として好適に用いられ
るが、この場合半導体装置としては、耐熱性の要求され
る発熱の大きな集積回路や、高度な信頼性を要求される
ものなどを挙げることができ、特に、高速メモリーやC
PUなどを封止するのに好適に用いられる。
【0083】なお、エポキシ樹脂組成物の成形方法とし
ては特に制限はないが、通常トランスファー成形にて行
うことができる。また、成形条件は、通常165〜18
5℃、1〜3分とすることができる。
【0084】
【発明の効果】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、
臭素化合物やアンチモン化合物が配合されなくとも、高
い難燃性を有し、高温信頼性に優れた硬化物を与えるも
のである。
【0085】
【実施例】以下、調製例及び実施例と比較例を示し、本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制
限されるものではない。なお、以下の例において部はい
ずれも重量部を示す。
【0086】〔調製例1〕撹拌器、温度計及び窒素置換
装置を具備したフラスコ内にテトラカルボン酸二無水物
成分としてピロメリット酸二無水物109g(0.5モ
ル)と3,3,4,4−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物161g(0.5モル)、更に溶剤としてN
−メチル−2−ピロリドン(NMP)2000gを仕込
み、これにジアミン成分として4,4−ジアミノジフェ
ニルエーテル200g(1モル)をNMP660gに溶
解した溶液を系の温度が40℃を超えないように調整し
ながら滴下した。
【0087】滴下終了後、更に室温で10時間撹拌し、
次にフラスコに水分受容器付き還流冷却器を取り付けた
後、キシレン100gを加え、反応系を180℃に昇温
してその温度を6時間保持した。この間に系中に沈殿が
生成し、またこの反応によって36gの水が生成した。
【0088】6時間後反応器を室温まで冷却し、生成し
た沈殿を回収し、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥を
行って、430gのポリイミド樹脂の粉末を得た。
【0089】回収された樹脂の赤外吸収スペクトルを観
察したところ、ポリアミック酸に基づく吸収は観測され
ず、1780cm-1と1720cm-1とにイミド基に基
づく吸収が観測された。
【0090】このポリイミド樹脂は、前記一般式(2)
において、R2、R3が下記のもので示される構造のもの
である。
【0091】
【化16】
【0092】更に、このポリイミド樹脂について、ジメ
チルアセトアミドを溶媒とするゲルパーミエーションク
ロマトグラフにてその分子量を観測したところ、ポリス
チレン換算で重量平均分子量が84000であった。ま
た、このポリイミド樹脂の軟化点は280℃であった。
【0093】〔調製例2〕調製例1の方法に従って、テ
トラカルボン酸二無水物成分として3,3,4,4−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物288g(0.98
モル)、ジアミン成分として1,3−ビス(3−アミノ
プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン74.6g(0.3モル)、2,2−ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン287.4g
(0.7モル)、分子量調整剤として無水フタル酸6g
(0.04モル)、更に溶剤としてNMP2600gを
用いてポリイミド樹脂溶液を得た。更に得られた溶液を
5Lのメタノール中に投入して、沈殿を得、これを減圧
乾燥することにより、615gの目的とするポリイミド
樹脂を得た。
【0094】このポリイミド樹脂は、前記一般式(2)
において、R2、R3が下記のもので示される構造のもの
である。
【0095】
【化17】
【0096】この樹脂の重量平均分子量は48000で
あった。また、このポリイミド樹脂の軟化点は240℃
であった。
【0097】〔調製例3〕調製例1の方法に従って、テ
トラカルボン酸二無水物成分として3,3,4,4−オ
キシジフタリックジアンハイドライド310g(1モ
ル)、ジアミン成分として下記構造式で示されるジアミ
ノシロキサン84g(0.1モル)、3,3’−ジヒド
ロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル194g(0.
9モル)、溶剤としてNMP2350gを用いてポリイ
ミド樹脂溶液を得た。更に得られた溶液を5Lのメタノ
ール中に投入して沈殿を得、これを減圧乾燥することに
より、540gの目的とするポリイミド樹脂を得た。
【0098】
【化18】
【0099】このポリイミド樹脂は、前記一般式(2)
において、R2、R3が下記のもので示される構造のもの
である。
【0100】
【化19】
【0101】この樹脂の重量平均分子量は22000で
あった。また、このポリイミド樹脂の軟化点は190℃
であった。
【0102】〔実施例1〜10、比較例1〜4〕表1に
示す成分を熱二本ロールにて均一に溶融混練し、冷却、
粉砕して半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0103】
【表1】
【0104】
【化20】
【0105】
【化21】
【0106】
【化22】
【0107】溶融シリカ:平均粒径16μm、比表面積
(BET法)が1.9m2/gであり、粒径75μm以
上の成分が0.5重量%以下の球状溶融シリカ シランカップリング剤: 信越化学工業(株)製、K
BM403(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン) オルガノポリシロキサンA:信越化学工業(株)製、K
F96(分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され
た直鎖状のジメチルポリシロキサン)
【0108】
【化23】
【0109】オルガノポリシロキサンC:信越化学工業
(株)製、KF54(直鎖状のメチルフェニルポリシロ
キサン)
【0110】次にこれらの組成物につき、以下の(イ)
〜(ヘ)の諸試験を行った。結果を表2に示す。 (イ)スパイラルフロー EMMI規格に準じた金型を使用して、175℃、70
kg/cm2、成形時間120秒の条件で測定した。 (ロ)ゲル化時間 組成物のゲル化時間を175℃の熱板上で測定した。 (ハ)成形硬度 JIS K−6911に準じて175℃、70kg/c
2、成形時間120秒の条件で10×4×100mm
の試験片を成形したときの熱時硬度をバーコール硬度計
で測定した。 (ニ)難燃性 1/16インチ厚の板を成形し、175℃で5時間ポス
トキュアーした後、UL94V−0に基づき、最初の燃
焼時間と2回目の燃焼時間のトータルの燃焼時間を測定
した。 (ホ)高温信頼性 シリコンチップ上にアルミ配線を形成した模擬素子と部
分金めっきされた42アロイフレームとを、太さ30μ
mの金線でボンディングし、175℃、70kgf/c
2 、成形時間120秒の条件で14ピンDIPを成形
した。この成形で得られたパッケージを180℃で4時
間ポストキュアーした後、200℃の乾燥機に所定時間
(0時間、96時間、300時間、600時間、800
時間、1000時間)放置した。その後、樹脂硬化物を
発煙硝酸で溶かし、チップ側のボンディング部のせん断
強度を測定した。
【0111】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 //(C08L 63/00 79:08 83:04) (72)発明者 青木 貴之 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 加藤 英人 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂として、エポキシ当
    量が185以上であり、2個のベンゼン環が互いに直接
    又は脂肪族不飽和二重結合を介して共役しうる構造を1
    個以上分子構造中に持つ骨格を有し、かつ炭素数の50
    %以上がSP2型の原子軌道を有する炭素であるエポキ
    シ樹脂、(B)フェノール樹脂として、水酸基当量が1
    60以上であり、かつ炭素数の85%以上がSP2型の
    原子軌道を有する炭素であるフェノール樹脂、(C)ポ
    リイミド系樹脂をエポキシ樹脂とフェノール樹脂との合
    計量100重量部に対して1〜20重量部、(D)無機
    質充填剤を組成物全体に対して70体積%以上を含有し
    てなり、かつ臭素化合物及びアンチモン化合物を実質的
    に含有していないことを特徴とする難燃性エポキシ樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 (E)下記平均組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 (1) (式中、R1は非置換又は置換1価炭化水素基を示し、
    aは1≦a≦3の正数である。)で示されるオルガノポ
    リシロキサン又はその硬化物を上記(A),(B)及び
    (C)成分の合計量100重量部に対し0.1〜10重
    量部配合してなることを特徴とする難燃性エポキシ樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 半導体封止用である請求項1又は2記載
    の難燃性エポキシ樹脂組成物。
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