JP2001214033A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2001214033A
JP2001214033A JP2000028503A JP2000028503A JP2001214033A JP 2001214033 A JP2001214033 A JP 2001214033A JP 2000028503 A JP2000028503 A JP 2000028503A JP 2000028503 A JP2000028503 A JP 2000028503A JP 2001214033 A JP2001214033 A JP 2001214033A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エリア実装型半導体装置に適し、成形後や半
田処理時の反りが小さく、耐半田クラック性に優れ、且
つ難燃性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提
供すること。 【解決手段】 (A)一般式(1)で示されるエポキシ
樹脂を総エポキシ樹脂中に30〜100重量%含むエポ
キシ樹脂、(B)一般式(2)で示されるナフトールア
ラルキル樹脂を総樹脂硬化剤中に30〜100重量%含
む樹脂硬化剤、(C)無機充填材、及び(D)硬化促進
剤を必須成分とし、総エポキシ樹脂中のエポキシ基数に
対する総樹脂硬化剤中のフェノール性水酸基数の比が
0.9を越え2.0以下であり、無機充填材の含有量
が、総エポキシ樹脂と総樹脂硬化剤の合計量100重量
部当たり250〜1400重量部であり、硬化促進剤の
含有量が、総エポキシ樹脂と総樹脂硬化剤の合計量10
0重量部当たり0.4〜20重量部であることを特徴と
するエリア実装型半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (nは平均値で1〜10の正数) 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板や
金属リードフレームの片面に半導体素子を搭載し、その
搭載面側の実質的に片面のみを樹脂封止されたいわゆる
エリア実装型半導体装置に適した半導体封止用エポキシ
樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、軽量化、高機
能化の市場動向において、半導体素子の高集積化が年々
進み、又、半導体装置の表面実装化が促進されるなか
で、新規にエリア実装型半導体装置が開発され、従来構
造の装置から移行し始めている。エリア実装型半導体装
置としては、ボールグリッドアレイ(以下、BGAとい
う)、あるいは更に小型化を追求したチップサイズパッ
ケージ(以下、CSPという)等が代表的であるが、こ
れらは従来のQFP、SOP等に代表される表面実装型
半導体装置では限界に近づいている多ピン化・高速化へ
の要求に対応するために開発されたものである。構造と
しては、ビスマレイミド・トリアジン(以下、BTとい
う)樹脂/銅箔回路基板に代表される硬質回路基板、あ
るいはポリイミド樹脂フィルム/銅箔回路基板に代表さ
れるフレキシブル回路基板の片面上に半導体素子を搭載
し、その半導体素子搭載面、即ち基板の片面のみがエポ
キシ樹脂組成物等で成形・封止されている。又、基板の
半導体素子搭載面の反対面には、半田ボールを2次元的
に並列して形成し、半導体装置を実装する回路基板との
接合を行うという特徴を有している。更に、半導体素子
を搭載する基板としては、上記有機回路基板以外にもリ
ードフレーム等の金属基板を用いる構造も開発されてい
る。
【0003】これらエリア実装型半導体装置の構造は、
基板の半導体素子搭載面のみをエポキシ樹脂組成物で封
止し、半田ボール形成面側は封止しないという片面封止
の形態をとっている。ごく希に、リードフレーム等の金
属基板等では、半田ボール形成面でも数十μm程度の封
止樹脂層が存在することもあるが、半導体素子搭載面で
は数百μmから数mm程度の封止樹脂層が形成されるた
め、実質的に片面封止となっている。このため、有機基
板や金属基板とエポキシ樹脂組成物の硬化物との間での
熱膨張・熱収縮の不整合、あるいはエポキシ樹脂組成物
の成形・硬化時の硬化収縮による影響で、これらの半導
体装置では成形直後から反りが発生しやすい。又、これ
らの半導体装置を実装する回路基板上に半田接合を行う
場合、200℃以上の加熱工程を経るが、この際にも半
導体装置の反りが発生し、多数の半田ボールが平坦とな
らず、半導体装置を実装する回路基板から浮き上がって
しまい、電気的接合の信頼性が低下する問題が起こる。
基板上の実質的に片面のみをエポキシ樹脂組成物で封止
した半導体装置において、反りを低減するには、基板の
線膨張係数とエポキシ樹脂組成物の硬化物の線膨張係数
を近づけること、及びエポキシ樹脂組成物の成形・硬化
時の硬化収縮量を小さくすることの二つの方法が重要で
ある。基板としては、有機基板では、BT樹脂やポリイ
ミド樹脂のような高いガラス転移温度(以下、Tgとい
う)を有する樹脂が広く用いられており、これらはエポ
キシ樹脂組成物の成形温度である170℃近辺よりも高
いTgを有する。従って、成形温度から室温までの冷却
過程では有機基板の線膨張係数α1(以下、α1とい
う)の領域のみで収縮するので、エポキシ樹脂組成物の
硬化物もTgが高く、且つα1が有機基板と同じであ
り、更に硬化収縮量がゼロであれば反りはほぼゼロであ
ると考えられる。このため、トリフェノールメタン型エ
ポキシ樹脂とトリフェノールメタン型フェノール樹脂と
の組合せによりTgを高くし、無機充填材の配合量でα
1を合わせる手法が既に提案されている。
【0004】又、赤外線リフロー、ベーパーフェイズソ
ルダリング、半田浸漬等の手段での半田処理による半田
接合を行う場合、エポキシ樹脂組成物の硬化物並びに有
機基板からの吸湿により半導体装置内部に存在する水分
が高温で急激に気化することによる応力で半導体装置に
クラックが発生したり、有機基板の半導体素子搭載面と
エポキシ樹脂組成物の硬化物との界面で剥離が発生する
こともあり、エポキシ樹脂組成物の硬化物の高強度化、
低応力化、低吸湿化とともに、有機基板との高密着性も
求められる。従来のBGAやCSP等のエリア実装型半
導体装置には、反りの低減のためにトリフェノールメタ
ン型エポキシ樹脂とトリフェノールメタン型フェノール
樹脂を樹脂成分とするエポキシ樹脂組成物が用いられて
きた。このエポキシ樹脂組成物は、Tgが高く、硬化
性、熱時曲げ強度に優れた特性を有しているが、硬化物
の吸湿率が高く、又、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が
比較的高く、無機充填材の高充填化には限界があり、低
吸湿化が不十分で、耐半田クラック性には問題があっ
た。一方、従来のQFPやSOP等の表面実装型半導体
装置では、半田実装時のクラックや各素材界面での剥離
の防止のために、ビフェニル型エポキシ樹脂に代表され
るような結晶性エポキシ樹脂を使用しているが、トリフ
ェノールメタン型エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組
成物の硬化物と比較して熱時曲げ強度が低く、且つ硬化
が遅いのが問題であった。そこで、反りが小さく、硬化
性、熱時曲げ強度に優れ、且つ低吸湿性、耐半田クラッ
ク性に優れるエポキシ樹脂組成物を得るため、トリフェ
ノールメタン型エポキシ樹脂と結晶性エポキシ樹脂の特
徴を生かすべく、エポキシ樹脂組成物の製造時に両方の
エポキシ樹脂を適正量併用したり、予め両方のエポキシ
樹脂を溶融混合したものを用いても、トリフェノールメ
タン型エポキシ樹脂を用いた時の反りが小さく、硬化
性、熱時曲げ強度に優れるという特徴と、結晶性エポキ
シ樹脂を用いた時の低吸湿性、耐半田クラック性に優れ
るという特徴を両立することはできておらず、不十分で
あった。
【0005】又、これらのエポキシ樹脂組成物中には、
難燃性を確保するために難燃剤としてハロゲン系難燃剤
とアンチモン系難燃剤が配合されている。ところが、環
境・衛生の点からハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃
剤を使用しない難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物の開
発が要求されている。この要求に対して、水酸化アルミ
ニウムや水酸化マグネシウム等の水酸化物、硼素系化合
物が検討されてきたが、多量に配合しないと難燃性の効
果が発現しせず、又、不純物が多く耐湿性に問題がある
ことから実用化されていない。又、赤燐系の難燃剤は、
少量の添加で効果があり、エポキシ樹脂組成物の難燃化
に有用であるが、赤燐は微量の水分と反応し、フォスフ
ィンや腐食性の燐酸を生じるため耐湿性に問題があり、
耐湿性に対する要求が極めて厳しい半導体封止用エポキ
シ樹脂組成物には使用できない。このため、赤燐粒子を
水酸化アルミニウム、金属酸化物、その他無機化合物、
熱硬化性樹脂等の有機化合物で被膜し、赤燐の安定化を
はかっているが、依然、耐湿性に問題があり、難燃性・
耐湿性が両立し、難燃剤を使用しないエポキシ樹脂組成
物がないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形後や半
田処理時の反りが小さく、耐半田クラック性に優れ、且
つ難燃性に優れるエリア実装型半導体封止用エポキシ樹
脂組成物、及びこれを用いた半導体装置を提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、 [1] (A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂を
総エポキシ樹脂中に30〜100重量%含むエポキシ樹
脂、(B)一般式(2)で示されるナフトールアラルキ
ル樹脂を総樹脂硬化剤中に30〜100重量%含む樹脂
硬化剤、(C)無機充填材、及び(D)硬化促進剤を必
須成分とし、総エポキシ樹脂中のエポキシ基数に対する
総樹脂硬化剤中のフェノール性水酸基数の比が0.9を
越え2.0以下であり、無機充填材の含有量が、総エポ
キシ樹脂と総樹脂硬化剤の合計量100重量部当たり2
50〜1400重量部であり、硬化促進剤の含有量が、
総エポキシ樹脂と総樹脂硬化剤の合計量100重量部当
たり0.4〜20重量部であることを特徴とするエリア
実装型半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
【化3】 (nは平均値で1〜10の正数)
【0008】
【化4】 (nは平均値で1〜7の正数) [2] 第[1]項記載の組成物に、(E)難燃剤を配
合してなることを特徴とするエリア実装型半導体封止用
エポキシ樹脂組成物、 [3] (E)難燃剤が、総ポキシ樹脂組成物中に0.
05〜10重量%である第[2]項記載のエリア実装型
半導体封止用エポキシ樹脂組成物、 [4] 基板の片面に半導体素子が搭載され、この半導
体素子が搭載された基板面側の実質的に片面のみが第
[1]〜[3]項記載のいずれかのエポキシ樹脂組成物
によって封止されていることを特徴とする半導体装置、
を提供するものであり、エリア実装型半導体装置での成
形後や半田処理時の反りが小さく、耐半田クラック性に
優れ、且つ難燃性に優れる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者は、エポキシ樹脂組成物
において、特定のエポキシ樹脂と特定の樹脂硬化剤との
組合せが、低硬化収縮性、耐湿信頼性、難燃性に優れる
ことを見出した。本発明のエポキシ樹脂とは、分子中に
ビフェニル骨格を含むノボラック構造のエポキシ樹脂の
ことであり、本発明の樹脂硬化剤とは、分子中にα−ナ
フトール骨格を含むノボラック構造のフェノール樹脂
(以下、ナフトールアラルキル樹脂という)のことであ
る。エポキシ樹脂、フェノール樹脂にビフェニル骨格や
α−ナフトール骨格のような芳香族環が含まれると、分
子間の結合エネルギーが大きくなり、燃焼による分解が
起こりにくくなるため難燃性が発現する。エポキシ樹
脂、フェノール樹脂の分子中の芳香族環数は多い方、即
ち、ナフタレンよりアントラセンの方が燃えにくくなり
難燃性は向上するが、軟化点が高くなり過ぎ、流動性の
問題があり、ビフェニル骨格、α−ナフトール骨格が難
燃性と流動性のバランスが良く最適である。
【0010】又、本発明のエポキシ樹脂、ナフトールア
ラルキル樹脂は、疎水性の芳香族環を有していること
と、架橋間距離が汎用のエポキシ樹脂(オルソクレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂等)やフェノール樹脂(フ
ェノールノボラック樹脂等)と比較して大きいために、
吸湿率が比較的低く、従って、本発明のエポキシ樹脂組
成物を用いた半導体装置は、実装時の半田処理下でも高
い信頼性を得ることができる。
【0011】本発明で用いる一般式(1)で示されるエ
ポキシ樹脂は、分子中にビフェニル誘導体を含むノボラ
ック構造のエポキシ樹脂であり、例えば、フェノールと
ビスメチレンビフェノール類をフリーデル・クラフツ・
アルキル化反応させて得られたフェノール樹脂をグリシ
ジルエーテル化させて得られるエポキシ樹脂等が挙げら
れる。一般式(1)中のnは、平均値で1〜10の正数
が好ましい。1未満だと硬化後の特性、例えば低吸湿性
や難燃性等が十分に表れず好ましくない。10を越える
とトランスファー成形時での流動性が低下し、成形性が
劣化する傾向があるので好ましくない。含有量として
は、総エポキシ樹脂中に30〜100重量%が好まし
く、特に50〜100重量%が好ましい。30重量%未
満だと難燃性が不十分なので好ましくない。又、一般式
(1)のエポキシ樹脂の特性を損なわない範囲で、他の
エポキシ樹脂を併用できる。併用できるエポキシ樹脂と
しては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂
等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良
い。
【0012】本発明で用いる一般式(2)で示されるナ
フトールアラルキル樹脂は、剛直なα−ナフトール骨格
を1分子中少なくとも2個以上有するため、エポキシ樹
脂組成物の硬化物の吸湿率が低くなるという特徴を有し
ている。更に、β−ナフトール骨格を有する樹脂硬化剤
と比較して、硬化時のエポキシ樹脂組成物の硬化収縮量
が小さく、接着強度の低下あるいは硬化物のTgの低下
等が生じにくいという特徴を有している。一般式(2)
中のnは、平均値で1〜7の正数が好ましい。1未満だ
と反応性が十分でなく、硬化性に劣るためので好ましく
ない。7を越えるとトランスファー成形時での流動性が
低下し、成形性が劣化する傾向があるので好ましくな
い。含有量としては、総樹脂硬化剤中に30〜100重
量%が好ましく、特に50〜100重量%が好ましい。
30重量%未満だと低吸湿性及び難燃性が不十分なので
好ましくない。又、一般式(2)のナフトールアラルキ
ル樹脂の特性を損なわない範囲で、他の樹脂硬化剤を併
用できる。併用できる樹脂硬化剤としては、例えば、フ
ェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、
ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェノール
アラルキル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフ
ェノールメタン化合物等が挙げられ、これらは単独でも
混合して用いても良い。
【0013】特に、一般式(1)で示されるエポキシ樹
脂が総エポキシ樹脂中に50重量%以上、かつ一般式
(2)のナフトールアラルキル樹脂が総樹脂硬化剤中に
50重量%以上であれば、難燃剤を配合しなくてもV−
0レベルの難燃性を得ることが可能となるので好まし
い。又、難燃剤を添加する場合でも、極少量で効果を発
揮することができるため、硬化性や耐湿性を低下させず
に十分な難燃性を得ることができる。この場合、難燃剤
は総ポキシ樹脂組成物中に10重量%以下が好ましい。
10重量%を越えると、硬化性や耐湿性等が低下してし
まい、好ましくない。総エポキシ樹脂中のエポキシ基数
に対する総樹脂硬化剤中のフェノール性水酸基数の比と
しては、0.9を越え2.0以下が好ましく、特に好ま
しくは1〜1.5である。0.9以下であっても、2.
0を越えても、エポキシ樹脂組成物の硬化性の低下、あ
るいは硬化物のTgの低下等が生じるので好ましくな
い。
【0014】本発明で用いる無機充填材の種類について
は特に制限はなく、一般に封止材料に用いられているも
のを使用することができる。例えば、溶融破砕シリカ、
溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、アルミ
ナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タルク、ク
レー、ガラス繊維等が挙げられ、特に溶融球状シリカが
好ましい。球状シリカの形状としては、流動性改善のた
めに限りなく真球状であり、且つ粒度分布がブロードで
あることが好ましい。含有量としては、成形性と信頼性
のバランスから、総エポキシ樹脂と総樹脂硬化剤の合計
量100重量部当たり250〜1400重量部が好まし
い。250重量部未満だと難燃性が得られず、1400
重量部を越えると成形性の問題が生じ好ましくない。本
発明の無機充填材は、予め十分に混合しておくことが好
ましい。又、必要に応じて、無機充填材をカップリング
剤やエポキシ樹脂あるいは樹脂硬化剤で予め処理して用
いても良く、処理の方法としては、溶剤を用いて混合し
た後に溶媒を除去する方法や直接無機充填材に添加し、
混合機を用いて処理する方法等がある。
【0015】本発明で用いる硬化促進剤としては、エポ
キシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させる
ものであればよく、一般に封止材料に用いられているも
のを使用することができる。例えば、1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホ
スフィン、ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダ
ゾール等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いて
も良い。含有量としては、総エポキシ樹脂と総樹脂硬化
剤の合計量100重量部当たり0.4〜20重量部が好
ましい。0.4重量部未満だと、加熱成形時に十分な硬
化性が得られないおそれがある。一方、20重量部を越
えると、硬化が速すぎて成形時に流動性が低下し、充填
不良等が生ずるおそれがある。
【0016】本発明で用いる難燃剤としては、例えば、
臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン系化合物、三酸化アン
チモンや五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、赤燐
等のリン化合物、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシ
ウム等の水酸化物、硼素系化合物、シリコーン系化合物
等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良
い。難燃剤の配合量としては、総ポキシ樹脂組成物中に
0.05〜10重量%が好ましい。0.05重量%未満
だと、十分な難燃性が得られないおそれがある。一方、
10重量%を越えると、硬化性の不良や耐湿性の低下等
が生ずる恐れがある。
【0017】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分又は(A)〜(E)成分の他、必要に応じて
酸化ビスマス水和物等の無機イオン交換体、γ-グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング
剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シリコー
ンオイル、シリコーンゴム等の低応力化成分、天然ワッ
クス、合成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩類もし
くはパラフィン等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤
を適宜配合しても差し支えない。本発明のエポキシ樹脂
組成物は、(A)〜(D)成分又は(A)〜(E)成
分、及びその他の添加剤等をミキサーを用いて常温混合
し、ロール、ニーダー、押出機等の混練機で溶融混練
し、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹脂組
成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導
体装置を製造するには、トランスファーモールド、コン
プレッションモールド、インジェクションモールド等の
成形方法で硬化成形すればよい。特に、本発明のエポキ
シ樹脂組成物は、エリア実装型半導体装置用に適してい
る。
【0018】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定さ
れるものではない。実施例及び比較例で用いたエポキシ
樹脂、樹脂硬化剤の略号及び構造を、まとめて以下に示
す。 ・ エポキシ樹脂1:式(3)で示されるエポキシ樹脂
(軟化点:58℃、エポキシ当量:274g/eq)
【化5】
【0019】・エポキシ樹脂2:式(4)で示される樹
脂を主成分とするエポキシ樹脂(融点:105℃、エポ
キシ当量:191g/eq)
【化6】
【0020】・エポキシ樹脂3:式(5)で示されるエ
ポキシ樹脂(軟化点:59℃、エポキシ当量:171g
/eq)
【化7】
【0021】・フェノール樹脂1:式(6)で示される
フェノール樹脂(軟化点:87℃、水酸基当量:210
g/eq)
【化8】
【0022】・フェノール樹脂2:式(7)で示される
フェノール樹脂(軟化点:79℃、水酸基当量:190
g/eq)
【化9】
【0023】・フェノール樹脂3:式(8)で示される
フェノール樹脂(軟化点:110℃、水酸基当量:98
g/eq)
【化10】
【0024】・フェノール樹脂4:式(9)で示される
フェノール樹脂(軟化点:70℃、水酸基当量170g
/eq)
【化11】
【0025】 実施例1 エポキシ樹脂1 6.34重量部 フェノール樹脂1 4.86重量部 溶融球状シリカ(平均粒径15μm、比表面積2.2m2/g) 86.00重量部 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUという ) 0.19重量部 臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量275g/eq) 0.93重量部 三酸化アンチモン 0.93重量部 カーボンブラック 0.28重量部 カルナバワックス 0.47重量部 を、常温においてミキサーで混合し、70〜120℃で
2軸ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹
脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を以下の
方法で評価した。結果を表1に示す。
【0026】評価方法 ・スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパ
イラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175
℃、注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定し
た。単位はcm。 ・硬化トルク:キュラストメータ((株)オリエンテッ
ク・製、JSRキュラストメータIVPS型)を用い
て、金型温度175℃、加熱開始90秒後のトルクを求
めた。キュラストメータにおけるトルクは硬化性のパラ
メータであり、数値の大きい方が硬化性が良好である。
単位はkgf・cm。 ・吸湿率:トランスファー成形機を用いて、金型温度1
75℃、注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で直
径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、175℃、8
時間で後硬化し、85℃、相対湿度60%の環境下で1
68時間放置し、重量変化を測定して吸湿率を求めた。
単位は重量%。 ・パッケージ反り量:トランスファー成形機を用いて、
金型温度175℃、注入圧力70kg/cm2、硬化時
間2分で225pBGA(基板は厚さ0.36mm、ビ
スマレイミド・トリアジン/ガラスクロス基板、パッケ
ージサイズは24×24mm、厚さ1.17mm、シリ
コンチップはサイズ9×9mm、厚さ0.35mm、チ
ップと回路基板のボンディングパッドとを25μm径の
金線でボンディングしている。)を成形し、175℃、
8時間で後硬化し、室温に冷却後、表面粗さ計を用い
て、パッケージのゲート側から対角線方向に、高さ方向
の変位を測定し、変位差の最も大きい値を反り量とし
た。単位はμm。 ・ 耐半田クラック性:トランスファー成形機を用い
て、金型温度175℃、注入圧力70kg/cm2、硬
化時間2分で225pBGA(基板は厚さ0.36m
m、ビスマレイミド・トリアジン/ガラスクロス基板、
パッケージサイズは24×24mm、厚さ1.17m
m、シリコンチップはサイズ9×9mm、厚さ0.35
mm、チップと回路基板のボンディングパッドとを25
μm径の金線でボンディングしている。)を8個成形
し、175℃、8時間で後硬化した。60℃、相対湿度
60%で120時間、もしくは85℃、相対湿度60%
で168時間処理した後、IRリフロー処理(240
℃)を行った。処理後の内部の剥離、及びクラックの有
無を超音波探傷機で観察し、不良パッケージの個数を数
えた。不良パッケージの個数がn個であるとき、n/8
と表示する。 ・ 難燃性:トランスファー成形機を用いて、金型温度
175℃、注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で
試験片(厚さ1.6mm)を成形し、UL−94垂直試
験に準じてFmax、ΣFを測定し、Fmaxが10秒以内、
ΣFが50秒以内のとき、難燃性をV−0と判定した。
ただし、Fmaxはフレーミング時間の最大値(秒)、ΣF
はフレーミング時間の合計(秒)である。
【0027】実施例2〜6、比較例1〜11 表1、表2の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキ
シ樹脂組成物を得て、実施例1と同様にして評価した。
結果を表1、表2に示す。なお、実施例3、比較例1に
用いたオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエ
ポキシ当量は196g/eq、実施例4、比較例2に用
いたフェノールノボラック樹脂の水酸基当量は104g
/eqである。
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明に従うと、エリア実装型半導体装
置に適した半導体封止用エポキシ樹脂組成物が得られ、
これを用いた半導体装置は、成形後や半田処理時の反り
が小さく、耐半田クラック性に優れ、且つ難燃性に優れ
ている。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CC033 CD032 CD052 CD061 CD062 CD124 CP033 DA058 DE078 DE136 DE146 DE148 DE158 DJ016 DJ036 DJ046 DK008 DL006 EN067 EQ017 EU117 EW137 FA046 FA086 FD016 FD070 FD090 FD134 FD138 FD143 FD157 FD170 GJ02 GQ05 4M109 AA01 CA21 EA04 EB03 EB04 EB07 EB12 EC05 EC20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1)で示されるエポキシ
    樹脂を総エポキシ樹脂中に30〜100重量%含むエポ
    キシ樹脂、(B)一般式(2)で示されるナフトールア
    ラルキル樹脂を総樹脂硬化剤中に30〜100重量%含
    む樹脂硬化剤、(C)無機充填材、及び(D)硬化促進
    剤を必須成分とし、総エポキシ樹脂中のエポキシ基数に
    対する総樹脂硬化剤中のフェノール性水酸基数の比が
    0.9を越え2.0以下であり、無機充填材の含有量
    が、総エポキシ樹脂と総樹脂硬化剤の合計量100重量
    部当たり250〜1400重量部であり、硬化促進剤の
    含有量が、総エポキシ樹脂と総樹脂硬化剤の合計量10
    0重量部当たり0.4〜20重量部であることを特徴と
    するエリア実装型半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (nは平均値で1〜10の正数) 【化2】 (nは平均値で1〜7の正数)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成物に、(E)難燃剤
    を配合してなることを特徴とするエリア実装型半導体封
    止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (E)難燃剤が、総ポキシ樹脂組成物中
    に0.05〜10重量%である請求項2記載のエリア実
    装型半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 基板の片面に半導体素子が搭載され、こ
    の半導体素子が搭載された基板面側の実質的に片面のみ
    が請求項1〜3記載のいずれかのエポキシ樹脂組成物に
    よって封止されていることを特徴とする半導体装置。
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