JPH10338522A - 酸化ガリウム粉末の製造方法 - Google Patents

酸化ガリウム粉末の製造方法

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JPH10338522A
JPH10338522A JP16065897A JP16065897A JPH10338522A JP H10338522 A JPH10338522 A JP H10338522A JP 16065897 A JP16065897 A JP 16065897A JP 16065897 A JP16065897 A JP 16065897A JP H10338522 A JPH10338522 A JP H10338522A
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JP
Japan
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gallium
hydroxide
oxide
gallium oxide
oxide powder
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Application number
JP16065897A
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English (en)
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Kentaro Mito
兼太郎 三戸
Hiroshi Fujii
博 藤井
Takashi Yamada
隆司 山田
Junichiro Tanaka
順一郎 田中
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性透明酸化膜等に好適に用いられる、塩
素等の不純物の少ない酸化ガリウム粉末の製造方法を提
供する。 【解決手段】 溶融ガリウムメタルを入れた温水浴中に
塩素ガスを吹き込み、塩化ガリウム水溶液とし、これを
中和して得られる水酸化ガリウムを脱水・乾燥し、続い
てばい焼、解砕する酸化ガリウム粉末の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光体、単結晶、半導
体、導電性透明酸化膜等の電子材料に用いられる、酸化
ガリウム粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】蛍光体、単結晶、半導体、導電性透明酸化
膜等の電子材料に用いられる、酸化ガリウム粉末は、そ
の用途上、不純物量の少ないものが望まれている。不純
物量が多い場合は蛍光体、単結晶、半導体、導電性透明
酸化膜等の所望特性が低下するという問題がある。従
来、酸化ガリウムの製造方法としては、特開昭58−1
20522号に記載されているように、ガリウムを含む
酸化物を出発原料として、これを塩酸、硝酸などの溶液
に溶解し、これを精製して、酸化ガリウムを製造する方
法が知られている。しかし、この方法では酸化ガリウム
中に塩酸などが不純物として残留し、この酸化ガリウム
を用いて導電性透明酸化膜とすると、電気導電性や透明
性が低下するなどの悪影響を与える。一方、ガリウムメ
タル等の金属を出発原料として、これを溶解する場合に
は、塩酸、硫酸、硝酸もしくは王水等の強酸浴中で反応
させる。その場合、理論的には化学当量分の酸を添加す
れば金属は完全に溶解するはずである。ところが、実際
には当量以上の酸を添加しなければ完全に溶解しない。
その場合、金属が溶解した時点で、未反応の酸が不純物
として酸性浴中に残留することになり、後の工程で取り
除くことが困難である。従って、この方法でも酸化ガリ
ウム中に塩酸などが不純物として残留し、この酸化ガリ
ウムを用いて導電性透明酸化膜とすると、電気導電性や
透明性が低下するなどの悪影響を与える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、蛍光体、単
結晶、半導体、導電性透明酸化膜等の電子材料に用いら
れる、塩素等の不純物の少ない酸化ガリウム粉末を製造
する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融ガリウム
メタルを入れた温水浴中に塩素ガスを吹き込み、塩化ガ
リウム水溶液とし、これを中和して得られる水酸化ガリ
ウムを脱水・乾燥し、続いてばい焼、解砕することを特
徴とする酸化ガリウム粉末の製造方法である。本発明に
より、酸化ガリウム中に含有する塩素の品位が10〜2
00ppmと低い酸化ガリウムを製造することができ
る。
【0005】本発明に関する酸化ガリウム粉末の製造方
法は以下の各工程からなる。 1.溶解工程 ガリウムメタルを温水浴中にて、塩素ガスを吹き込んで
溶解し、塩化ガリウム水溶液とする。温水は30℃以上
に保つ必要があり、好ましくは、50℃以上がよい。5
0℃以下では、温水中の塩化ガリウムの溶解度が低下
し、30℃以下ではその傾向が著しくなるとともに、ガ
リウムメタルの融点となり、全くガリウムメタルの溶解
反応が進行しなくなる。温水中で溶融しているガリウム
メタルに、一定流量で塩素ガスを吹き込むと、ガリウム
メタルは溶解して塩化ガリウムの水溶液を得ることがで
きる。塩素ガスはガラス管、合成樹脂管などを用いて温
水中のガリウムメタルに吹き付ける。この際、ガリウム
メタルと塩素ガスが直接接触している状態を維持する必
要がある。直接接触していないと、ガリウムメタルの溶
解反応率が低下し、当量以上の塩素ガスを消費すること
になり、好ましくない。また、塩素ガスの流量は、溶融
しているガリウムメタルの表面で発泡の見られる最低の
流量でよい。それ以上のガスを流しても、反応に寄与せ
ず、大気中にただ放出するだけである。
【0006】2.中和工程 上記で得られた塩化ガリウム水溶液のガリウム濃度は2
00g/l前後に調整する。これに、アルカリ化合物を
加えて中和し、水酸化ガリウムのスラリーを得る。な
お、塩化ガリウム水溶液のガリウム濃度は、好ましく
は、100g/l前後である。100g/l以上になる
と、水酸化ガリウムの微細な沈殿物が形成され、200
g/l以上になると、中和反応で生成する水酸化ガリウ
ムのスラリーの粘度が極端に上昇して、沈殿物は懸濁し
静置しても白濁したままであり、沈降分離できなくなる
とともに、濾過性も非常に悪くなる。 3.洗浄工程 上記工程で得られた水酸化ガリウムの沈殿物を含有する
水溶液の上澄液を抜いて、残液に水等の溶媒を加えて、
攪拌洗浄し、静置後上澄液を除去する。この操作を複数
回実施して、不純物を除去する。
【0007】4.脱水工程 上記の不純物を除去した残液を、濾過機等で脱水分離
し、水酸化ガリウムの沈殿物に含まれる液分を分離・除
去する。この際、温水をかけながら固液分離すると、脱
水と同時に不純物の除去ができる。 5.乾燥工程 水酸化ガリウムの沈殿物を乾燥し、含まれる液分を完全
に除去する。 6.加熱・酸化工程 水酸化ガリウムを500℃以上で加熱・酸化して、酸化
ガリウムとする。酸化温度は高い程、短時間で酸化物に
変換するが、300℃以上で加熱・酸化してもよい。た
だし、300℃以下では酸化物に変換せず、300℃以
下では酸化物に変換する時間が長くなる。 7.解砕工程 アトマイザー粉砕機等の粉砕機で酸化ガリウムを解砕し
て、製品の酸化ガリウム粉末を得る。
【0008】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
具体的に説明する。 実施例1 ガリウムメタルとして、ガリウム品位が99.99%以
上、不純物元素が100ppm以下のものを用いた。1
0kgのガリウムメタルを70℃の温水中に投入し、完
全に溶融した状態になってから、ガラス管を溶融したガ
リウムメタルに完全に差し込んで、塩素ガスを徐々に吹
き込んだ。塩素ガスの流量はおよそ5l/分とした。な
お、温水は一部ポンプで循環させた。この状態で6時間
反応させ、80g/lの塩化ガリウム水溶液を100l
生成させた。この塩化ガリウム水溶液を70℃に保持し
ながら、28%アンモニア水を定量ポンプで添加して、
水酸化ガリウムの沈殿物を生成させた。アンモニア水の
添加はpH7.3の反応終点までとした。生成した水酸
化ガリウムを沈降させて、温水を張り、攪拌して洗浄し
た。沈殿物が沈降のち、上澄液を排出した。同じ操作を
2度繰り返した。洗浄した水酸化ガリウムを濾過後、大
気中で150℃で20時間乾燥した。その後、水酸化ガ
リウムを900℃で3時間加熱・酸化して、酸化ガリウ
ムとした。これを冷却後、アトマイザー粉砕機により解
砕した。得られた酸化ガリウム中の塩素を分析したとこ
ろ、80ppmであった。
【0009】比較例1 ガリウムメタルとして、ガリウム品位が99.99%以
上、不純物元素が100ppm以下のものを用いた。1
0kgのガリウムメタルを70℃の温水中に投入し、完
全に溶融した状態になってから、濃塩酸を定量ポンプで
少量ずつ添加した。80g/lの塩化ガリウム水溶液を
100l生成させたところで、濃塩酸の添加を終了し
た。この塩化ガリウム水溶液を70℃に保持しながら、
28%アンモニア水を定量ポンプで添加して、水酸化ガ
リウムの沈殿物を生成させた。アンモニア水の添加はp
H7.3の反応終点までとした。生成した水酸化ガリウ
ムを沈降させて、温水を張り、攪拌して洗浄した。沈殿
物が沈降後、上澄液を排出した。同じ操作を2度繰り返
した。洗浄した水酸化ガリウムは濾過後、大気中で15
0℃で20時間乾燥した。その後、水酸化ガリウムを9
00℃で3時間加熱・酸化して、酸化ガリウムとした。
これを冷却後、アトマイザー粉砕機により解砕した。得
られた酸化ガリウム中の塩素を分析したところ、500
ppmであった。
【0010】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
り、蛍光体、単結晶、半導体、導電性透明酸化膜等の電
子材料に用いられる、塩素等の不純物の少ない酸化ガリ
ウム粉末を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融ガリウムメタルを入れた温水浴中に
    塩素ガスを吹き込み、塩化ガリウム水溶液とし、これを
    中和して得られる水酸化ガリウムを脱水・乾燥し、続い
    てばい焼、解砕することを特徴とする酸化ガリウム粉末
    の製造方法。
JP16065897A 1997-06-04 1997-06-04 酸化ガリウム粉末の製造方法 Pending JPH10338522A (ja)

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