JPH10338418A - ベルトトラバース装置 - Google Patents

ベルトトラバース装置

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JPH10338418A
JPH10338418A JP14876597A JP14876597A JPH10338418A JP H10338418 A JPH10338418 A JP H10338418A JP 14876597 A JP14876597 A JP 14876597A JP 14876597 A JP14876597 A JP 14876597A JP H10338418 A JPH10338418 A JP H10338418A
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JP
Japan
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traverse
gear
belt
yarn
speed change
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Application number
JP14876597A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Jinyama
達夫 陣山
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Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ベルトトラバース装置における位相調整作業を
容易化する。 【解決手段】 ベルトトラバース装置Tにおけるトラバ
ース機構部20を着脱可能とすると共に、変速機構部1
0からトラバース機構部20へ駆動力を伝達する手段
を、出力ギアfと入力ギアgとの噛み合わせによるもの
とする。変速機構部10とトラバース機構部20の位相
調整をそれぞれ別個に行ったのち、トラバース機構部2
0を変速機構部10に接合して、出力ギアfと入力ギア
gとを噛み合わせる。これにより、所要の位相調整作業
が完了するので、作業が非常に容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糸条の巻取装置な
どに用いられるベルトトラバース装置に関し、各種調整
作業を簡単に行えるようにすることを目的とする。
【0002】
【従来の技術】糸条を巻き取ってパッケージを形成する
ための巻取装置は一般に、糸条の巻取機構と糸条のトラ
バース装置とを備え、モーター等の駆動源から与えられ
る駆動力により、糸条をトラバース装置で左右に往復移
動(トラバース)させつつ、巻取機構で紙管等に巻き返
すことによってパッケージを形成するように構成されて
いる。
【0003】このような巻取装置に用いられるトラバー
ス装置としては、綾振り溝付きのドラムによるもののほ
か、ベルトトラバースによるものが知られている。前者
は、トラバースによって糸条の撚りが変化してしまうと
いう欠点がある。これに対し後者のベルトトラバース装
置は、このような欠点が発生するおそれがないので、特
に絹糸や合繊糸の巻き返しに有効である。
【0004】ところでパッケージの種類には、円筒形の
チーズ巻以外に、円錐又は円錐台形のコーン巻がある。
コーン巻パッケージを形成するには、小径部と大径部と
でトラバース速度を変更する必要がある。そこで従来、
モーターの駆動力をトラバース機構部へ伝達する経路の
途中に変速機構部を介在させ、大径部を形成するときは
糸条のトラバース速度を小径部を形成するときよりも遅
くなるように設定することが提案されている。すなわ
ち、小径部はトラバース速度を高め、大径部ではトラバ
ース速度を小さくすることにより、目的とするコーン巻
パッケージを得ることができる。
【0005】このように、変速機構部でトラバース装置
のトラバース速度を変更することによりコーン巻パッケ
ージを形成する場合、ベルトトラバース装置を用いた巻
取装置においては下記〜の調整作業が必要となる。
【0006】まず、ベルトトラバース装置は、移動方
向が反対に設定された上下1組のトラバースベルトを有
しており、各トラバースベルトに設けたトラバースガイ
ド間の糸条の受渡し位置を調整する必要がある。一般に
ベルトトラバース装置の場合、上下のトラバースガイド
が、トラバースベルトの左右両端部で重なり、ここで糸
条の受渡しが行われるように設定される。
【0007】次に、上記トラバースガイド間の受渡し
タイミングと、変速機構における速度変化の周期とを調
整することが必要である。すなわち、糸条の受渡しが行
われるトラバースベルトの一端部がパッケージの最小径
部、他端部が最大径部に対応しているので、最小径部側
のトラバースベルト端部においては糸条のトラバース速
度が最大となり、最大径部側のトラバースベルト端部に
おいてはトラバース速度が最小となるように、速度の変
化周期を設定しなくてはならない。
【0008】さらに、糸条のパッケージと接してこれ
を回転駆動するドラムの表面には、両端部に綾落ち防止
用のガイド溝が円周方向の一部に設けられるが、糸条の
受渡し時に糸条をガイド溝に係合させて綾落ちが起きな
いように、ドラム位置の設定を行わねばならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のトラバース装置
は、変速機構部からトラバース機構部へ駆動力を伝達す
る手段がタイミングベルトで構成されている。従って、
巻取装置における前記乃至の各調整作業は、トラバ
ース装置を組み付けたのち、変速機構部からトラバース
機構部へ駆動力を伝達するタイミングベルトや、糸条の
トラバースを行うトラバースベルトなどについて、プー
リーとの噛み合い位置を変更するという方法で行ってい
る。ところが、ベルトに張力を与えない状態で前記調整
作業を行うと、張力を付与したあとでタイミングがずれ
ることがある。それ故、従来のベルトトラバース装置
は、タイミング調整作業を、ベルトに張力を付与したま
まの状態で行わねばならず、非常に困難である。従っ
て、例えばメンテナンス等のため一旦運転を停止させた
のち、運転を再開するに際し前記各調整作業を完了する
のに、かなりの手間と時間がかかるという欠点を抱えて
いる。
【0010】そこで、トラバース機構部を変速機構部に
対し着脱可能とし、トラバース機構部におけるトラバー
スベルトの受け渡し位置の調整作業と、巻取用ドラムの
変速機構部に対する位置調整作業とを、それぞれ独立に
行えるように構成し、両者の位相を合わせてトラバース
機構部を変速機構部に接続することで調整作業を完了で
きるようにすることが検討されている。
【0011】しかしながら、この場合にも、トラバース
機構部を変速機構部に接続する際、駆動力の伝達手段で
あるタイミングベルトのベルト掛け作業や、タイミング
ベルトへ駆動力を伝達するためのギアの嵌め込み作業等
が必要であり、しかも、これらの作業は巻取装置のフレ
ームの後面側の作業となるため、作業性があまり良好と
は言えないという問題を有している。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の問
題に鑑み、ベルトトラバース装置における各種調整作業
を容易にすべく創案されたものであって、その特徴とす
るところは、モーター等の駆動源から駆動力が入力され
る変速機構部と、該変速機構部に接続され移動方向が異
なる一組のトラバースベルトを有するトラバース機構部
とを備えたベルトトラバース装置において、前記変速機
構部から前記トラバース機構部へ駆動力を伝達する手段
がギアの噛み合わせから成り、前記トラバース機構部は
着脱可能に構成されていることである。
【0013】上記ベルトトラバース装置にあっては、ト
ラバース機構部と変速機構部との接合部を、前記トラバ
ース機構部における入力ギアの軸と、前記変速機構部に
おける出力ギアの軸との間に位置させることが望まし
い。
【0014】また前記トラバース機構部における入力ギ
ア及び前記変速機構部における出力ギアは、平ギアとす
ることが望ましい。
【0015】なお本発明は、チーズ巻き専用の変速機構
を持たないベルトトラバース装置に対しても有効であ
る。この場合、当該ベルトトラバース装置の構成は、モ
ーター等の駆動源から駆動力が入力される駆動伝達部か
ら、トラバース機構部へ駆動力を伝達する手段をギアの
噛み合わせから成るものとし、前記トラバース機構部を
着脱可能に構成すればよい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係るベルトトラバース装
置(以下「トラバース装置」と言う)Tを、糸条Sをコ
ーン巻きパッケージPに巻き取る巻取装置Aへ適用した
場合の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、
同実施形態の概略構成を示す斜視図、図2はトラバース
装置Tの概略構成を示す正面図、図3は同装置Tの概略
の平面図である。
【0017】この巻取装置Aは、モーター2等の駆動
源、モーター2の駆動軸2aに連結したプーリー3から
ベルト4を介して駆動力が伝達されるプーリー5、パッ
ケージPの周面に接触し前記プーリー5を回転軸6aに
接続したフリクションドラム6(以下、単にドラム6と
言う)を備える。ドラム6の表面における左右両端部近
くには、糸条の綾落ちを防止するためのガイド溝7が、
円周方向の一部に形成されている。
【0018】モーター2の駆動力は、プーリー3からベ
ルト4を介してプーリー5へ伝達され、該プーリー5か
らドラム6及びトラバース装置Tの変速機構部10へ回
転駆動力が伝達される。ドラム6はパッケージPを回転
駆動して、テーパ紙管Qを芯として糸条Sを巻き取るよ
うに構成されている。
【0019】トラバース装置Tは、変速機構部10と、
これに接続されるトラバース機構部20とから成る。モ
ーター2の駆動力を、トラバース装置Tの変速機構部1
0からトラバース機構部20へ伝達する機構は次のとお
りである。モーター2の回転駆動力は、ドラム6の回転
軸6aに連結したギアaから変速機構部10へ入力され
る。すなわちギアaと噛み合うギアb(本例ではギア
a,bをベベルギアとする)及びギアbと同軸に連結さ
れたギアcを介し、一次側ギア10Aへ伝達される。一
次側ギア10Aが回転駆動されることにより、後述する
機構によって二次側ギア10Bが所定の変速状況で回転
し、この変速する回転駆動力が、二次側ギア10Bと噛
み合うギアd及びこれと同軸に連結されたギアeを回転
させる。そして、ギアeと噛み合う出力ギアfを通じ、
トラバース機構部20の入力ギアgへ駆動力が伝達され
る。
【0020】トラバース機構部20は、糸条Sを係止す
るトラバースガイド40をそれぞれ備える上下平行に張
架されたトラバースベルト21,22を、互いに反対方
向へ周回移動させるためのものであって、図3に示す如
く、変速機構部10を支持するフレーム17,18に対
し、ボルト19により着脱可能なユニットに構成されて
いる。トラバース機構部20の構成は、トラバースベル
ト21,22のほか、タイミングベルト25,26、プ
ーリー23,24,28乃至34、並びに、入力ギア
g,ギアj及びkから構成されている。なおギアj,k
は、外側から着脱操作が可能な位置に取り付けられてい
る。
【0021】上側のトラバースベルト21はプーリー3
0,31間に張架され、下側のトラバースベルト22は
プーリー29,32間に張架されている。変速機構部1
0の出力ギアfと噛み合う入力ギアgにはプーリー23
が同軸に連結され、このプーリー23、プーリー24及
びプーリー28間に、タイミングベルト25が張架され
ている。またプーリー33,34間に、タイミングベル
ト26が張架されている。同軸に配列されたプーリー2
4とギアj、及び、プーリー34とギアkは、いずれも
一体回転し、且つ、ギアjとギアkとは噛み合って連動
するように構成されている。
【0022】同軸に配列したプーリー28,29,30
のうち、プーリー28と30とが一体回転し、プーリー
29はこれらに対して自由回転する。同様に、同軸配列
のプーリー31,32,33のうち、プーリー32と3
3とが一体回転し、プーリー31はこれらに対して自由
回転する。なお、同軸に配列した前記プーリー28,2
9,30はボス41により、プーリー31,32,33
はボス42により、それぞれ取り外し可能に組み付けら
れている。(図2参照)。
【0023】なお、トラバース機構部20を平面視した
状態の概略構成を示す図3には、図1及び図2において
図示を省略したテンションプーリー35乃至38を書き
加えてある。テンションプーリー35は上側のトラバー
スベルト21の張力調整用、テンションプーリー36は
下側のトラバースベルト22の張力調整用、テンション
プーリー37はプーリー23,24,28間に張架した
タイミングベルト25の張力調整用、テンションプーリ
ー38は、プーリー33,34間に張架したタイミング
ベルト25の張力調整用である。
【0024】変速機構部10の出力ギアfから入力ギア
gへ入力される回転駆動力は、プーリー23へ伝達され
る。これによりプーリー23,24,28間に張架した
タイミングベルト25が駆動され、プーリー28と同軸
に連結したプーリー30を回転させて、プーリー30,
31間に張架したトラバースベルト21を矢印(図1参
照)の方向へ駆動する。
【0025】このとき、前記プーリー24が回転駆動さ
れることにより、同軸に連結したギアjが回転し、これ
と噛み合うギアkを逆方向へ回転させる。すると同軸に
連結したプーリー34が回転するので、タイミングベル
ト26を通じてプーリー33が回転する。その結果、こ
れと同軸に連結したプーリー32が回転し、プーリー2
9,32間に張架したトラバースベルト22を、前記ト
ラバースベルト21とは反対の方向へ駆動する。
【0026】かかる機構により、上下のトラバースベル
ト21,22は互いに反対方向へ周回移動する。そし
て、各トラバースベルト21,22それぞれに設けた上
下のトラバースガイド40,40間で、糸条Sの受け渡
しをすることにより、糸条SをパッケージPの巻き幅に
相当する所定範囲内で往復移動させることができるよう
になされている。
【0027】次に、前記変速機構部10の構造及びその
変速機能について説明する。図4に示すように、変速機
構部10における一次側ギア10Aの回転軸11と、二
次側ギア10Bの回転軸12とは、回転中心が偏心する
「食い違い軸」に構成されている。すなわち同図(A)
に示す如く、一次側ギア10Aの回転軸11と二次側ギ
ア10Bの回転軸12とを、それぞれの回転中心r1
2 が距離Xだけ偏心するように配置すると共に、一次
側ギア10Aの回転軸11の先端に第1ディスク13を
設け、二次側ギア10Bの回転軸12の先端に第2ディ
スク14を設ける。そして第1ディスク13の適所に固
定したピン15を、第2ディスクに形成した長孔16内
へ移動可能に嵌合して両者を連結する。
【0028】かかる構成により、二次側ギア10Aの回
転駆動力は、第1ディスク13と第2ディスク14とを
連結するピン15により、二次側ギア10Bへ伝達され
る。このとき、図4(B)に示す通り、第1ディスク1
3の回転中心r1 と第2ディスク14の回転中心r2
は距離Xだけ偏心しているため、第1ディスク13が回
転する間、第2ディスク14の回転中心r2 からピン1
5までの距離が時々刻々変化する。これはすなわち、ピ
ン15は一定の周速度で回転するが、その間、ピン15
から第2ディスク14の回転中心r2 までの回転半径が
変化するため、第2ディスク14の角速度が時々刻々変
化することを意味する。故に、第1ディスク13が等速
で1回転する間に、第2ディスク14は非等速で1回転
することになる。依って、第2ディスク14に連結した
二次側ギア10Bを通じてトラバース機構部20へ出力
される回転駆動力の回転速度が一定周期で変動するか
ら、トラバースベルト21,22の移動速度すなわちト
ラバース速度が、一定周期で増減する。
【0029】前記食い違い軸を用いた変速機構部10
は、1回転が変速の1周期である。一方、コーン巻パッ
ケージを形成する場合、小径部はトラバース速度を高
め、大径部ではトラバース速度を小さくする必要があ
る。従って、変速機構部10の入二次側ギア10A,1
0Bの1回転あたり、糸条Sのトラバースが1往復とな
ると共に、コーン巻パッケージPにおける最小径部でト
ラバース速度が最大、パッケージPの最大径部でトラバ
ース速度が最小となるように設定しておけば、目的とす
るコーン巻パッケージを得ることができる。
【0030】なお、第1ディスク13の回転中心r1
らピン15中心までの寸法をR、第1ディスク13と第
2ディスク14の偏心量をXとすると、変速比は(R+
X)/(R−X)で表される。通常のコーン巻では変速
比が1.3程度に設定されるが、偏心量Xの値を任意に
変えることにより、無段階に変速比を変更して、各種仕
様に応じた所望形態のコーン巻パッケージを形成するこ
とが可能である。また変速比を1に設定可能とすれば、
チーズ巻パッケージの形成も可能である。
【0031】変速比の変更は、一次側ギア10A及び第
1ディスク13を定位置とし、二次側ギア10B及び第
2ディスク14を回転軸に対し直角な方向へ移動させ
て、偏心量Xを増減させることにより可能である。但し
このとき、二次側ギア10Bの位置変更に伴い、ギアd
及びeの位置も変更する必要が生ずるため、ギアeとト
ラバース機構部20の入力ギアgとの間隔が変化する。
しかるに、入力ギアgの位置変更は難しい。そこで、本
実施形態では、出力ギアfを可動であって且つ直径がギ
アeとギアgとの間隔よりも大きいものとし、ギアe,
gの間隔の増減に応じ、適切に噛み合うようギア位置を
変更することで、対処することが可能なように構成し
た。
【0032】ところで、糸条の巻取装置にトラバース装
置Tを用いる場合、下記乃至の調整作業が必要とな
ることはすでに述べた通りである。 トラバースベルトに設けたトラバースガイド間の糸条
の受渡し位置の調整。普通は、上下のトラバースガイド
が、トラバースベルトの左右両端部で重なるように設定 上記トラバースガイド間の受渡しタイミングと、変速
機構における速度変化の周期との調整。すなわち、パッ
ケージの最小径部においては糸条のトラバース速度が最
大となり、最大径部においてはトラバース速度が最小と
なるように設定 糸条の受渡し時に、糸条がドラム表面の綾落ち防止用
のガイド溝と係合するように、ドラム位置を設定
【0033】前記各調整作業を容易に行えるようにする
ため、本実施形態では次のa乃至eの構成を採用した。 (a)トラバース機構部20をユニット化し、着脱可能
とすること (b)変速機構部10の出力ギアfとトラバース機構部
20の入力ギアgとを噛み合わせることにより、駆動力
が伝達されるように構成すること、及び、トラバース機
構部20を取り付けることにより、出力ギアfと入力ギ
アgとが噛み合うように設定すること (c)トラバース機構部20のギアkを着脱可能にする
と共に、外側から当該ギアkの着脱操作を行えるように
構成すること (d)ドラムを任意の回転位置で固定できるように、テ
ーパーロック機構を採用したこと
【0034】前記の受渡し位置の調整は、以下のよう
にして行う。トラバース機構部20をトラバース装置T
から取り出し、ギアkを取り外す。プーリー間に架け渡
したトラバースベルト21,22及びタイミングベルト
25,26それぞれに、テンションプーリー36乃至3
8(図3参照)で所要の張力を付与すると共に、各トラ
バースガイド40,40が、トラバースベルト21,2
2のいずれか一端部において上下に重なるように調整す
る。この状態を適当な治具で保持し、ギアkを装着して
ギアjと噛み合わせれば、糸条Sのトラバースガイド4
0,40間の受渡し位置が、適正な状態に固定される。
なおギアjの方を着脱可能として、上記作業を行うこと
も可能である。
【0035】前記のタイミング調整作業は次のように
して行う。まず変速機構部10の位相をトラバース機構
部20と合致するように調整する。すなわち、変速状況
が調整後の前記トラバースガイド位置と適合するよう
に(回転速度が最大又は最小となるように)、一次側ギ
ア10Aと二次側ギア10Bの位置関係を調整する。こ
のとき、二次側ギア10Bの回転速度が最大(又は最
小)となる位置を示すマーキングを、例えば変速機構部
10を支持するフレーム等に施しておけば、上記調整作
業が非常に簡単になる。次いで、前記手順に基づき、糸
条の受渡し位置を適正に調整したのち、この状態を適宜
治具で保持したトラバース機構部20を、フレーム18
(図3参照)の所定箇所へ3〜4本のボルト19で固定
し、入力ギアgを出力ギアfに噛み合わせる。これによ
り、糸条の受渡しタイミングとトラバース速度の変速状
況とが適正に調整された状態が得られる。
【0036】前記については、前述のようにして、糸
条の受渡し位置の調整、及び、受渡しタイミングと変速
状況との調整を施したのち、適宜治具でトラバースガイ
ドを糸条の受渡し位置に保持し、かかる保持状態と適合
するように、ドラム6の位置を調整して固定する。本例
のドラム6は、図2及び図5に示すように、端部に配置
したテーパ利用の固定用部材8により、回転軸6aに対
し任意の角度(位相)で固定できるように構成されてい
る。
【0037】固定用部材8は、図5に示す如く、回転軸
6aの外周面に接する第1のテーパ部材8a,8a、ド
ラム6の内周面に接する第2のテーパ部材8b,8b、
及びボルト8c,8cから成っており、各部材は2個一
組が回転軸6aに対し軸対称に配置されている。また、
第1のテーパ部材8aにはボルト8cを挿通自在な貫通
孔8dが、第2のテーパ部材8aにはボルト8cが螺合
し得るネジ孔8eがそれぞれ形成されている。ボルト8
cを、第1テーパ部材8aの貫通孔8dに挿通し、第2
テーパ部材8bのネジ孔8eに螺合させて締めつけるこ
とにより、第2テーパ部材8bが第1テーパ部材8aに
引きつけられる。これにより両テーパ部材8a,8bが
互いに傾斜面で接して摺動し、第1テーパ部材8aは回
転軸6aの外周面に、第2テーパ部材8bはドラム6の
内周面にそれぞれ圧接され、その結果、ドラム6と回転
軸6aとが一体回転し得るように固定される。
【0038】このように本実施形態においては、固定用
部材8によって、ドラム6を回転軸6aに対し任意の角
度(位相)で固定することを可能にしている。従って、
ドラム6を支持するフレーム等に、糸条Sの受渡し時に
おける適正なドラム6位置を示すマーキングを施してお
けば、当該ドラム6の位置調整作業をきわめて簡単に行
うことができ、その結果、受渡し時における糸条Sのガ
イド溝7に対する係合状態が適正になり、綾落ちを確実
に防止することができる。
【0039】次に、本発明の応用例について説明する。
図6は、本発明に係るベルトトラバース装置Tを組み込
んだ自動ワインダー50の全体構成を示すものであり、
図7は、その主要部を示すものである。図示する自動ワ
インダー50は、給糸パッケージ60から糸条Sを解舒
しつつ、これを最上部のクレードル51により着脱可能
に保持されるテーパ紙管Qに巻き取って、コーン巻パッ
ケージを形成するためのものである。
【0040】なお本例では、ベルトトラバース装置Tの
うち、紙管Qに回転駆動力を与えるドラム6と、糸条S
を左右にトラバースするトラバース機構部20とから成
る部分(図7参照)を、ワインダー50のフレーム59
に対してボルトにより一体的に着脱可能な構造とし、変
速機構部10、及び該変速機構部10へモーター2の回
転駆動力を伝達するための機械要素(すなわちベルト
4,プーリー5及びギアa,b,c)は、フレーム59
内に収納するものとした。
【0041】また、変速機構部10の位相をトラバース
機構部20に合わせるためのマーキングを外側から見や
すいようにするため、フレーム59の適所に窓(図示せ
ず)等を設けておくことが望ましい。
【0042】前記自動ワインダー50の動作を説明する
と、通常の糸条巻取時は、給糸パッケージ60から解舒
した糸条Sを、ガイド57に沿わせたのち、ドラム6に
より回転駆動されるテーパ紙管Qに巻き返す。このとき
糸条Sは、トラバース装置Tにより、コーン巻パッケー
ジを形成するのに最適な一定周期で速度を増減させなが
ら左右にトラバースされる。巻取動作中、糸欠点検出器
53が、糸条Sにおける糸欠点の有無を監視し、またテ
ンサー56が、糸条Sの張力の調節を行う。
【0043】糸欠点検出器53が糸条Sに何らかの欠陥
又は異常を検出したときは、モーター2によるドラム6
の駆動を停止するとともに、糸欠点検出器53に備えら
れているカッターで糸条Sを切断する。切断された糸条
Sの給糸側部分(下糸)は、常時吸引している下糸吸引
口55で吸引される。他方、切断された糸条Sの巻取側
部分(上糸)は惰性回転するドラム6によって紙管Qに
巻き取られる。引き続き、ドラム6を逆転させて糸条S
を少し送り出すとともに、上糸吸引部材58を上方に旋
回させて上糸を捕捉した後、再度下方に旋回させて捕捉
した上糸を糸継装置52へ導く。一方、下糸吸引部材5
4を下方に旋回させて、下糸吸引口55に吸引されてい
る下糸を捕捉した後、再度上方へ旋回させ、捕捉した下
糸を糸継装置52へ導く。このようにして糸継装置52
へ導かれた上糸及び下糸は、糸継装置52において旋回
エア流により繋がれる。糸継処理を完了したならば、モ
ーター2の正方向(巻取方向)の回転を開始して糸条S
の巻取工程を再開する。
【0044】本発明の実施形態は、前述したものに限定
されるものではない。例えば、本発明を、チーズ巻き専
用の変速機構部を持たないベルトトラバース装置に適用
することも可能である。この場合、ドラム位置とトラバ
ース機構部の位相とを合わせる必要があるが、それぞれ
を別個に調整したのち、トラバース機構部を駆動伝達部
に接合して、出力ギアと入力ギアとを噛み合わせるだけ
で、所要の調整作業を完了させることができるので、非
常に簡単である。
【0045】その他、本発明は、状況に応じて適宜変更
することを妨げない。
【0046】
【発明の効果】本発明に係るベルトトラバース装置は、
トラバース機構部を着脱可能とすると共に、変速機構部
からトラバース機構部への駆動力の伝達手段をギアの噛
み合わせによるものとしたので、トラバース機構部と変
速機構部それぞれの位相調整を独立に行ったのち、トラ
バース機構部を取り付けてギアを噛み合わせるだけで、
両者の位相を合致させることができる。従って、必要な
作業工数が少なくなると共に、装置の前面での作業のみ
とすることができるから、糸条の受け渡し調整作業がき
わめて簡単になる。また、その結果、メンテナンスのた
めに装置を停止させる時間を短縮することができる。
【0047】変速機構部とトラバース機構部との接合箇
所を、出力ギアと入力ギアとの間に位置させたので、両
者の接合作業が容易であり、しかも出力ギアと入力ギア
とを噛み合わせが確実になる。
【0048】変速機構部の出力ギアとトラバース機構部
の入力ギアとを平ギアで構成することにより、両者の噛
み合わせが容易となるから、作業性が良好である。
【0049】さらに本発明は、変速機構部を持たないベ
ルトトラバース装置に適用した場合にも、有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るベルトトラバース装置を、糸条
の巻取装置に適用した場合における一実施形態の概略構
成を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係るベルトトラバース装置の一実施
形態の概略構成を示す正面図である。
【図3】 本発明に係るベルトトラバース装置の一実施
形態の概略構成を示す平面図である。
【図4】 本発明に係るベルトトラバース装置における
変速機構部の一例の概略構成を示すものであって、
(A)は部分断面した正面図、(B)は要部の側面図で
ある。
【図5】 本発明に係るベルトトラバース装置における
ドラム固定構造の一例を示すものであって、図(A)は
要部の正面断面図、図(B)は図(A)のB−B線にお
ける側面断面図である。
【図6】 本発明に係るベルトトラバース装置を組み込
んだ自動ワインダーを示す斜視図である。
【図7】 本発明に係るベルトトラバース装置における
取り外し可能部分を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 モーター 3 プーリー 4 ベルト 5 プーリー 6 フリクションドラム 7 ガイド溝 10 変速機構部 10A 一次
側ギア 10B 二次側ギア 11 回転軸 12 回転軸 13 第1デ
ィスク 14 第2ディスク 15 ピン 16 長孔 17,18
フレーム 19 ボルト 20 トラバ
ース機構部 21,22 トラバースベルト 23,24
プーリー 25,26 タイミングベルト 28〜34
プーリー 35〜38 テンションプーリー 40 トラバ
ースガイド 41,42 ボス 50 自動ワ
インダー A 巻取装置 P パッケー
ジ Q 紙管 R 第1ディ
スクの回転半径 r1 第1ディスクの回転中心 r2 第2デ
ィスクの回転中心 S 糸条 T ベルトト
ラバース装置 X 偏心量 a〜e ギア f 出力ギア g 入力ギア k,j ギア

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モーター等の駆動源から駆動力が入力され
    る変速機構部と、該変速機構部に接続され移動方向が異
    なる一組のトラバースベルトを有するトラバース機構部
    とを備えたベルトトラバース装置において、前記変速機
    構部から前記トラバース機構部へ駆動力を伝達する手段
    がギアの噛み合わせから成り、前記トラバース機構部は
    着脱可能に構成されていることを特徴とするベルトトラ
    バース装置。
  2. 【請求項2】前記トラバース機構部と前記変速機構部と
    の接合部が、前記トラバース機構部における入力ギアの
    軸と、前記変速機構部における出力ギアの軸との間に位
    置している請求項1に記載のベルトトラバース装置。
  3. 【請求項3】前記トラバース機構部における入力ギア及
    び前記変速機構部における出力ギアが平ギアである請求
    項1又は2に記載のベルトトラバース装置。
  4. 【請求項4】モーター等の駆動源から駆動力が入力され
    る駆動伝達部と、該駆動伝達部に接続され移動方向が異
    なる一組のトラバースベルトを有するトラバース機構部
    とを備えたベルトトラバース装置において、前記駆動伝
    達部から前記トラバース機構部へ駆動力を伝達する手段
    がギアの噛み合わせから成り、前記トラバース機構部は
    着脱可能に構成されていることを特徴とするベルトトラ
    バース装置。
JP14876597A 1997-06-06 1997-06-06 ベルトトラバース装置 Pending JPH10338418A (ja)

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