JPH10337473A - チタン含有固体触媒及びオキシラン化合物の製造方法 - Google Patents

チタン含有固体触媒及びオキシラン化合物の製造方法

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JPH10337473A
JPH10337473A JP10059850A JP5985098A JPH10337473A JP H10337473 A JPH10337473 A JP H10337473A JP 10059850 A JP10059850 A JP 10059850A JP 5985098 A JP5985098 A JP 5985098A JP H10337473 A JPH10337473 A JP H10337473A
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JP
Japan
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compound
catalyst
titanium
hydroperoxide
pore diameter
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JP10059850A
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English (en)
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Junpei Tsuji
純平 辻
Kenji Uchida
健司 内田
Masaru Ishino
勝 石野
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン型化合物と有機ハイドロパーオキ
サイドとを反応させてオキシラン化合物を製造するチタ
ン含有固体触媒であって、活性が高く、公知法より小さ
な反応器で目的の変換を行うことを可能とする触媒、及
び該触媒を用いるオキシラン化合物の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 オレフィン型化合物と有機ハイドロパー
オキサイドとを反応させてオキシラン化合物を製造する
チタン含有固体触媒であって、(1)水銀圧入法にて求
めた平均細孔直径(D)が5nm以上であり、細孔容積
の少なくとも60%がD±0.3D(nm)の範囲の細孔
径を有する細孔からなる細孔分布を示すシリカ担体上に
チタン化合物を担持し、更に(2)焼成する、ことによ
って得られる触媒、及び該触媒を用いるオキシラン化合
物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタン含有固体触
媒及びオキシラン化合物の製造方法に関するものであ
る。更に詳しくは、本発明は、オレフィン型化合物と有
機ハイドロパーオキサイドとを反応させてオキシラン化
合物を製造するチタン含有固体触媒であって、活性が高
く、公知法より小さな反応器で目的の変換を行うことを
可能とする触媒、及び該触媒を用いるオキシラン化合物
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン型化合物と、有機ハイドロパ
ーオキサイドをチタン含有固体触媒触媒を用いて反応さ
せ、オレフィン型化合物をオキシラン化合物に変換する
方法は公知である(特公昭56−35941号公報、5
4−40525号公報、54−40526号公報、50
−30049号公報、特開平8−269031号公
報)。
【0003】チタン含有固体触媒触媒はいろいろな方法
で作ることができる。担体シリカを溶媒中でチタン化合
物で含浸し焼成する調製法は、有用な方法の一つであ
る。しかしこれまでどのような平均細孔直径の担体シリ
カを用いて調製した触媒が高活性を示すかは明らかでな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、オレフィン型化合物と
有機ハイドロパーオキサイドとを反応させてオキシラン
化合物を製造するチタン含有固体触媒であって、活性が
高く、公知法より小さな反応器で目的の変換を行うこと
を可能とする触媒、及び該触媒を用いるオキシラン化合
物の製造方法を提供する点に存するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のうち
一の発明は、オレフィン型化合物と有機ハイドロパーオ
キサイドとを反応させてオキシラン化合物を製造するチ
タン含有固体触媒であって、(1)水銀圧入法にて求め
た平均細孔直径(D)が5nm以上であり、細孔容積の
少なくとも60%がD±0.3D(nm)の範囲の細孔径
を有する細孔からなる細孔分布を示すシリカ担体上にチ
タン化合物を担持し、更に(2)焼成する、ことによっ
て得られる触媒に係るものである。
【0006】また、本発明のうち他の発明は、上記の触
媒の存在下、オレフィン型化合物と有機ハイドロパーオ
キサイドとを反応させるオキシラン化合物の製造方法に
係るものである。
【0007】本発明の方法を用いれば、平均細孔直径5
nm未満のものを担体として用いた場合に比べて、活性
が著しく高い。
【0008】
【発明の実施の形態】適当な固体シリカは、二酸化物の
形の珪素を50%以上、好ましくは75%以上、最も好
ましくは90%以上含有するものである。固体シリカ
は、比較的大きい比表面積を有することが好ましく、比
表面積は好ましくは1m2/g以上であり、一層好まし
くは25〜800m2/gである。
【0009】シリカは、凝固又は相互に結合した非晶質
シリカ粒子からなる比較的高密度かつ密充填型の多孔性
合成シリカであることが好ましく、その例にはシリカゲ
ルや沈降シリカなどがあげられる。これらの製法及び性
質は、R.G.アイラー著「ザ、コロイド、ケミスト
リ、オブ、シリカ、アンド、シリケート」(米国ニュー
ヨークのコーネル大学出版部1955年発行)の第VI
章、及び米国特許第2,657,149号公報に記載さ
れている。市場で入手できるシリカゲルのうちでは、比
表面積25〜700m2/g、細孔容積0.3〜2.0m
l/g、シリカ含有量99重量%以上のシリカゲルが好
ましく使用される。
【0010】担体シリカの水銀圧入法にて求めた平均細
孔直径は5nm以上である必要がある。8nm以上45
nm以下が好ましい。12nm以上40nm以下がより
好ましい。平均細孔直径が5nm未満だと活性が著しく
低下する。原因は明らかではないが、平均細孔直径が小
さいとオレフィンや有機ハイドロパーオキサイドが細孔
内で十分拡散できないせいで活性が低いのではないかと
考えられる。加えて興味深いことに平均細孔直径が12
nmより大きいと、プロピレンオキサイド(PO)選択
率が著しく高くなるということもわかった。
【0011】担体シリカの細孔径分布は本質的に単一で
ある必要がある。すなわち、水銀圧入法にて求めた平均
細孔直径(D)に対して、細孔容積の少なくとも60%
が、D±0.3D(nm)の範囲の細孔径を有する細孔か
らなる細孔分布を示す必要がある。
【0012】チタン担持には気相担持法、液相担持法の
両者が適用できる。気相担持においては担持温度におい
て蒸気となりうる無機酸及び有機酸のチタン塩類及びチ
タン酸エステル類が適用される。また液相担持において
は溶媒に可溶性の無機酸及び有機酸のチタン塩類及びチ
タン酸エステル類を用いることができる。
【0013】チタン化合物の例としては、チタン酸テト
ラメチル、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトラプロ
ピル、チタン酸テトライソプロピル、チタン酸テトラブ
チル、チタン酸テトライソブチル、チタン酸テトラ-2-
エチルヘキシル、チタン酸テトラオクタデシル、四塩化
チタン、四臭化チタン、四沃化チタン、チタニウム(IV)
オキシアセチルアセトナート、チタニウム(IV)ジイソプ
ロポキシドビスアセチルアセトナートをあげることがで
きる。乾燥及び/又は焼成段階を経るか又は経ない多段
階含浸法を用いることもできる。
【0014】液相担持における好適な担持・洗浄用溶媒
としては、一般に炭素数1〜約12の常温で液状のオキ
サ及び/又はオキソ置換炭化水素を用いることができ
る。この種類の好適な溶媒としてはアルコール類、ケト
ン類、エーテル類(非環式及び環式のもの)及びエステ
ル類を用いることができる。例えば、メタノール、エタ
ノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、
イソプロパノール、n−ブタノール及びオクタノールの
ようなヒドロキシ置換炭化水素;アセトン、ジエチルケ
トン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン
のようなオキソ置換炭化水素;ジイソブチルエーテルや
テトラヒドロフランのような炭化水素エーテル;及び酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル及びプロピオン酸ブ
チルのような炭化水素エステル等があげられる。
【0015】液相担持に引続いて、吸収されている溶媒
が除かれる。この溶媒除去操作はデカンテーション、濾
過、遠心分離、真空排気、乾燥及びその他の操作を含ん
でいてもよい。この溶媒除去段階ではシリカから少なく
とも80%、好ましくは少なくとも95%の過剰の担持
用溶媒を除くように条件を選択することが重要である。
【0016】特開平8−269031号公報に記載のあ
るとおり液相担持処理後に洗浄を行うことが好ましい。
洗浄用溶媒とチタン担持後の触媒を十分に混合した後、
液相部を、濾過あるいはデカンテーションなどの方法に
より分離する。この操作を必要回数繰り返す。洗浄の終
了はたとえば液相部の分析により知ることができる。洗
浄温度は0〜100℃が好ましく、10〜60℃がより
好ましい。洗浄終了後、含浸溶媒除去工程と同様の手法
により残存する洗浄用溶媒を除く。この溶媒除去は多量
の溶媒の回収を行うと同時に、焼成期間中における引火
危険を少なくし、かつその後のより高温度での焼成中に
おける触媒組織中での多量の揮発性溶媒の急激な蒸発に
起因する触媒の物理的強度の低下を防止するのに役立っ
ている。25〜200℃での乾燥は溶媒除去法として有
効である。
【0017】チタン担持後、この触媒組成物を焼成す
る。即ち非還元性気体、例えば窒素、アルゴン又は二酸
化炭素もしくは酸素含有気体、例えば空気の雰囲気下に
加熱する。焼成の1つの役割はチタンをその担持された
形、即ちハロゲン化物又はアルカノレート等から不溶性
の化学結合した酸化物に転化させることにある。焼成の
他の役割は触媒を活性化することにある。焼成温度は4
00〜900℃で十分であり、400〜800℃の温度
が推奨される。通常の焼成時間は1〜18時間である。
【0018】得られた触媒はその使用前にシリル化剤と
反応させるのが好ましい。シリル化剤の例には有機シラ
ン、有機シリルアミン、有機シリルアミドとその誘導
体、及び有機シラザン及びその他のシリル化剤があげら
れる。有機シランの例としては、クロロトリメチルシラ
ン、ジクロロジメチルシラン、クロロブロモジメチルシ
ラン、ニトロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラ
ン、ヨードジメチルブチルシラン、クロロジメチルフェ
ニルシラン、クロロジメチルシラン、ジメチルn-プロピ
ルクロロシラン、ジメチルイソプロピルクロロシラン、
t-ブチルジメチルクロロシラン、トリプロピルクロロシ
ラン、ジメチルオクチルクロロシラン、トリブチルクロ
ロシラン、トリヘキシルクロロシラン、ジメチルエチル
クロロシラン、ジメチルオクタデシルクロロシラン、n-
ブチルジメチルクロロシラン、ブロモメチルジメチルク
ロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、3-
クロロプロピルジメチルクロロシラン、ジメトキシメチ
ルクロロシラン、メチルフェニルクロロシラン、トリエ
トキシクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、
メチルフェニルビニルクロロシラン、ベンジルジメチル
クロロシラン、ジフェニルクロロシラン、ジフェニルメ
チルクロロシラン、ジフェニルビニルクロロシラン、ト
リベンジルクロロシラン、3-シアノプロピルジメチル
クロロシランがあげられる。有機シリルアミンの例とし
ては、N-トリメチルシリルイミダゾール、N-t-ブチルジ
メチルシリルイミダゾール、N-ジメチルエチルシリルイ
ミダゾール、N-ジメチルn-プロピルシリルイミダゾー
ル、N-ジメチルイソプロピルシリルイミダゾール、N-ト
リメチルシリルジメチルアミン、N-トリメチルシリルジ
エチルアミン,N-トリメチルシリルピロール、N-トリメ
チルシリルピロリジン、N-トリメチルシリルピペリジ
ン、1-シアノエチル(ジエチルアミノ)ジメチルシラ
ン、ペンタフルオロフェニルジメチルシリルアミン、が
あげられる。有機シリルアミド及び誘導体の例として
は、N,O-ビストリメチルシリルアセトアミド、N,O-ビス
トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N-トリメ
チルシリルアセトアミド、N-メチル-N-トリメチルシリ
ルアセトアミド、N-メチル-N-トリメチルシリルトリフ
ルオロアセトアミド、N-メチル-N-トリメチルシリルヘ
プタフルオロブチルアミド、N-(t-ブチルジメチルシリ
ル)-N-トリフルオロアセトアミド,N,O-ビス(ジエチル
ハイドロシリル)トリフルオロアセトアミドがあげられ
る。有機シラザンの例としてはヘキサメチルジシラザ
ン、ヘプタメチルジシラザン、1,1,3,3-テトラメチ
ルジシラザン,1,3-ビス(クロロメチル)テトラメチ
ルジシラザン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメ
チルジシラザン、1,3-ジフェニルテトラメチルジシラ
ザンがあげられる。その他のシリル化剤としては、N-メ
トキシ-N,O-ビストリメチルシリルトリフルオロアセト
アミド、N-メトキシ-N,O-ビストリメチルシリルカーバ
メート、N,O-ビストリメチルシリルスルファメートメー
ト、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナー
ト、N,N'- ビストリメチルシリル尿素があげられる。好
ましいシリル化剤はヘキサメチルジシラザンである。
【0019】シリル化の前の焼成済触媒に水和処理を施
すこともできる。この水和処理は、(シリル化の前に)
触媒を水と接触させそれからそれを加熱すること、又は
触媒を高温で、一般には100℃以上で、好ましくは1
50〜450℃の範囲内で0.5〜6時間水蒸気と接触
させることを意味する。水和処理を300〜450℃の
温度で1〜6時間水蒸気にさらすことによって行なう
と、最も良い結果が得られる。
【0020】前記の触媒は、たとえば粉末、フレーク、
球状粒子、ペレットのごとき任意の物理的形態で使用で
きる。
【0021】エポキシ化反応は上述の方法により調製し
た触媒の存在下、有機ハイドロパーオキサイドとオレフ
ィンとの反応により実施される。
【0022】有機ハイドロパーオキサイドは、一般式
R−O−O−H (ここにRは1価のヒドロカルビル基
である。)を有する化合物であって、これはオレフィン
型化合物と反応して、オキシラン化合物及び化合物R−
OHを生成する。好ましくは、基Rは炭素原子を3〜2
0個を有する基である。最も好ましくは、これは炭素原
子3〜10個のヒドロカルビル基、特に、第2又は第3
アルキル基又はアラルキル基である。これらの基のうち
で特に好ましい基は第3アルキル基、及び第2又は第3
アラルキル基であって、その具体例には第3ブチル基、
第3ペンチル基、シクロペンチル基、1−フェニルエチ
ル−1基、2−フェニルプロピル−2基があげられ、更
にまた、テトラリン分子の脂肪族側鎖から水素原子を除
去することによって生じる種々のテトラニリル基もあげ
られる。
【0023】エチルベンゼンハイドロパーオキサイドを
使用した場合には、その結果得られるヒドロキシル化合
物は1−フェニルエタノールであり、これは脱水反応に
よってスチレンに変換できる。クメンハイドロパーオキ
サイドを使用した場合には、その結果得られるヒドロキ
シル化合物は2−フェニル-2-プロパノールである。こ
れは脱水反応によってα−メチルスチレンに変換でき
る。スチレン及びα−メチルスチレンの両者は工業的に
有用な物質である。
【0024】第3ペンチルハイドロパーオキサイドを使
用したときに得られる第3ペンチルアルコールの脱水反
応によって生じる第3アミレンは、イソプレンの前駆体
として有用な物質である。第3ペンチルアルコールはオ
クタン価向上剤であるメチル第3ペンチルエーテルの前
駆体としても有用である。t-ブチルハイドロパーオキサ
イドを使用したときに得られるt-ブチルアルコールはオ
クタン価向上剤であるメチル-t-ブチルエーテルの前駆
体として有用な物質である。
【0025】原料物質として使用される有機ハイドロパ
ーオキサイドは、希薄又は濃厚な精製物又は非精製物で
あってよい。
【0026】少なくとも1つのオレフィン型二重結合を
有する有機化合物を有機ハイドロパーオキサイドと反応
させることができる。該化合物は非環式、単環式、二環
式又は多環式化合物であってよく、かつ、モノオレフィ
ン型、ジオレフィン型又はポリオレフィン型のものであ
ってよい。オレフィン結合が2以上ある場合には、これ
は共役結合又は非共役結合であってよい。炭素原子2〜
60個のオレフィン型化合物が一般に好ましい。置換基
を有していてもよいが、置換基は比較的安定な基である
ことが好ましい。このような炭化水素の例にはエチレ
ン、プロピレン、ブテン-1、イソブチレン、ヘキセン-
1、ヘキセン-2、ヘキセン−3、オクテン−1、デセ
ン−1、スチレン、シクロヘキセンがあげられる。適当
なジオレフィン型炭化水素の例にはブタジエン、イソプ
レンがあげられる。置換基が存在してもよく、その例に
はハロゲン原子があげられ、更にまた、酸素、硫黄、窒
素原子を、水素及び/又は炭素原子と共に含有する種々
の置換基が存在してもよい。特に好ましいオレフィン型
化合物はオレフィン型不飽和アルコール、及びハロゲン
で置換されたオレフィン型不飽和炭化水素であり、その
例にはアリルアルコール、クロチルアルコール、塩化ア
リルがあげられる。特に好適なものは炭素原子3〜40
個のアルケンであって、これはヒドロキシル基又はハロ
ゲン原子で置換されていてもよい。
【0027】オキシラン化合物は有用な工業用化学品で
ある。プロピレンオキサイドは、重合反応又は共重合反
応によって有用な重合体生成物に変換できる。塩化アリ
ルから得られるエピクロロヒドリンも工業的に重要であ
る。エピクロロヒドリンはグリセリンに変換できる。ア
リルアルコールから得られたオキシラン化合物から、グ
リセリンを製造することも可能である。
【0028】エポキシ化反応は、溶媒及び/又は希釈剤
を用いて液相中で実施できる。溶媒及び希釈剤は、反応
時の温度及び圧力のもとで液体であり、かつ、反応体及
び生成物に対して実質的に不活性なものでなければなら
ない。溶媒は使用されるハイドロパーオキサイド溶液中
に存在する物質からなるものであってよい。例えばエチ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド(EBHP)がEB
HPとその原料であるエチルベンゼンとからなる混合物
であるばあいには、特に溶媒を添加することなく、これ
を溶媒の代用とすることも可能である。
【0029】希釈剤として更に第二の溶媒を用いること
ができ、希釈剤として有用な溶媒としては、芳香族の単
環式化合物(たとえばベンゼン、トルエン、クロロベン
ゼン、ブロモベンゼン、オルトジクロロベンゼン)、及
びアルカン(たとえばオクタン、デカン、ドデカン)な
どがあげられる。余剰量のオレフィン型反応体を溶媒と
して使用することも可能である。すなわち、有機ハイド
ロパーオキサイドと一緒に供給された溶媒と共に、余剰
量のオレフィン型反応体が溶媒として使用できる。溶媒
全体の使用量は、(ハイドロパーオキサイドモル当た
り)20モル以下であることが好ましい。
【0030】エポキシ化反応温度は一般に0〜200℃
であるが、25〜200℃の温度が好ましい。圧力は、
反応混合物を液体の状態に保つのに充分な圧力でよい。
一般に圧力は100〜10000KPaであることが有
利である。
【0031】エポキシ化反応の終了後に、所望生成物を
含有する液状混合物が触媒組成物から容易に分離でき
る。次いで液状混合物を適当な方法によって精製でき
る。精製は分別蒸留、選択抽出、濾過、洗浄等を含む。
溶媒、触媒、未反応オレフィン、未反応ハイドロパーオ
キサイドは再循環して再び使用することもできる。本発
明方法は、スラリー、固定床の形の触媒を使用して有利
に実施できる。大規模な工業的操作の場合には、固定床
を用いるのが好ましい。本発明の方法は、回分法、半連
続法又は連続法によって実施できる。反応体を含有する
液を固定床に通した場合には、反応帯域から出た液状混
合物には、触媒が全く含まれていないか又は実質的に含
まれていない。
【0032】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明する。 実施例1
【0033】触媒調製 窒素気流下、チタン酸テトライソプロピル(2.2g)
のイソプロパノール(20ml)溶液に攪拌下アセチル
アセトン(1.6g)をゆっくり滴下した後30分室温
で攪拌した。市販シリカゲル(10〜20mesh、表
面積326m2/g、平均細孔直径10nm)(50
g)とイソプロパノール(230ml)の混合物に、上
記の液を滴下した後、1時間室温で攪拌後混合物を濾過
した。固体部分を3回イソプロパノールで洗浄した(計
250ml)。固体部を空気雰囲気下150℃で2時間
乾燥した。更に空気雰囲気下600℃で4時間焼成し
た。この物質(10g)、ヘキサメチルジシラザン(4
g)、トルエン(50g)を混合し、攪拌下、1時間加
熱還流した。混合物から濾過により液を留去した。トル
エン(100g)で洗浄し、真空乾燥(120℃、10
mmHg、3時間)することにより触媒を得た。担体表
面積あたりの仕込みTi(チタン)量は0.5μmol
/m2である。
【0034】プロピレンのエチルベンゼンハイドロパー
オキサイト゛(EBHP)を用いるエポキシ化反応による
プロピレンオキサイド(PO)の合成 このようにして合成した触媒(3g)、35%エチルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド(24g)、プロピレン
(17g)を磁気攪拌機付きオートクレーブに仕込み、
90℃で1時間反応した。反応成績を表1に示す。
【0035】実施例2 平均細孔直径15nmの担体を用いた点、担体表面積あ
たりの仕込みTi量を0.5μmol/m2になるようチ
タン酸テトライソプロピルとアセチルアセトンの量を調
節した点を除き実施例1と同等の方法により触媒を得
た。エポキシ化反応成績を表1に示す。
【0036】実施例3 平均細孔直径30nmの担体を用いた点、担体表面積あ
たりの仕込みTi量を0.5μmol/m2になるようチ
タン酸テトライソプロピルとアセチルアセトンの量を調
節した点を除き実施例1と同等の方法により触媒を得
た。エポキシ化反応成績を表1に示す。
【0037】実施例4 平均細孔直径50nmの担体を用いた点、担体表面積あ
たりの仕込みTi量を0.5μmol/m2になるようチ
タン酸テトライソプロピルとアセチルアセトンの量を調
節した点を除き実施例1と同等の方法により触媒を得
た。エポキシ化反応成績を表1に示す。
【0038】比較例1 平均細孔直径3nmの担体を用いた点、担体表面積あた
りの仕込みTi量を0.5μmol/m2になるようチタ
ン酸テトライソプロピルとアセチルアセトンの量を調節
した点を除き実施例1と同等の方法により触媒を得た。
エポキシ化反応成績を表1に示す。
【0039】表1において、平均細孔直径が3nmの担
体を用いた場合には活性が極めて低い。5nm以上の場
合には活性が高い。この結果より、平均細孔直径の影響
は明らかである。
【0040】
【表1】 (Ti濃度は0.5μmol/m2である)
【0041】*1 EBHP転化率 = 消費EBHP
(mol)/ 仕込みEBHP(mol)×100 *2 PO選択率= 生成PO(mol)/消費EBHP
(mol)×100 *3 低活性のため信頼性あるデータ取れず
【0042】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、オ
レフィン型化合物と有機ハイドロパーオキサイドとを反
応させてオキシラン化合物を製造するチタン含有固体触
媒であって、活性が高く、公知法より小さな反応器で目
的の変換を行うことを可能とする触媒、及び該触媒を用
いるオキシラン化合物の製造方法を提供することができ
た。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン型化合物と有機ハイドロパー
    オキサイドとを反応させてオキシラン化合物を製造する
    チタン含有固体触媒であって、 (1)水銀圧入法にて求めた平均細孔直径(D)が5n
    m以上であり、細孔容積の少なくとも60%がD±0.
    3D(nm)の範囲の細孔径を有する細孔からなる細孔分
    布を示すシリカ担体上にチタン化合物を担持し、更に
    (2)焼成する、ことによって得られる触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の触媒を、更にシリル化す
    ることにより得られる触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の触媒の存在
    下、オレフィン型化合物と有機ハイドロパーオキサイド
    とを反応させるオキシラン化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 オレフィン型化合物がプロピレンである
    請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 有機ハイドロパーオキサイドがエチルベ
    ンゼンハイドロパーオキサイドである請求項3記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 オレフィン型化合物がプロピレンであ
    り、かつ有機ハイドロパーオキサイドがエチルベンゼン
    ハイドロパーオキサイドである請求項3記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 オレフィン型化合物がプロピレンであ
    り、かつ有機ハイドロパーオキサイドがt−ブチルハイ
    ドロパーオキサイドである請求項3記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013123697A (ja) * 2011-12-16 2013-06-24 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 多孔質シラザン被覆粒子、担持触媒およびこれらの製造方法

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