JP3658973B2 - チタン含有固体触媒及びオキシラン化合物の製造方法 - Google Patents

チタン含有固体触媒及びオキシラン化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタン含有固体触媒及びオキシラン化合物の製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、オレフィン型化合物と、有機ハイドロパーオキサイドをチタン含有固体触媒を用いて反応させ、オレフィン型化合物をオキシラン化合物に変換する方法であって、選択率及び活性ともに優れており、公知法より小さな設備、エネルギーで目的の変換を行うことを可能とする触媒、及び該触媒を用いるオキシラン化合物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン型化合物と、有機ハイドロパーオキサイドをチタン含有固体触媒を用いて反応させ、オレフィン型化合物をオキシラン化合物に変換する方法は公知である(特公昭56−35941号公報、54−40525号公報、54−40526号公報、50−30049号公報、特開平8−269031公報)。
【0003】
チタン含有固体触媒はいろいろな方法で作ることができる。シリカにチタン化合物を担持し、焼成する調製法は、有用な方法の一つである。特に焼成後シリル化処理した触媒が良いとされてきた。さらにシリル化の前の焼成済触媒に水和処理を施すと反応成績が向上すると記されている。水和処理の方法としては、触媒を100℃以上(好ましくは300〜450℃)の高温で水蒸気と接触させるか又は水と接触させそれからそれを加熱するという2つの方法が開示されている。第一の方法は、高温の蒸気を発生させるための装置が必要であり、かつ調製した触媒の活性が低いという欠点があり、第二の方法は、どのようなpHの水でどのような処理をすれば選択率及び活性ともにすぐれた触媒ができるのかが不明であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、オレフィン型化合物と、有機ハイドロパーオキサイドをチタン含有固体触媒を用いて反応させ、オレフィン型化合物をオキシラン化合物に変換する方法であって、選択率及び活性ともに優れており、公知法より小さな設備、エネルギーで目的の変換を行うことを可能とする触媒、及び該触媒を用いるオキシラン化合物の製造方法を提供する点に存するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明のうち一の発明は、オレフィン型化合物と有機ハイドロパーオキサイドとを反応させてオキシラン化合物を製造するチタン含有固体触媒であって、
(1)シリカ担体上にチタン化合物を担持し、次に
(2)焼成し、次に
(3)pHが3〜5の水溶液で含浸処理し、次に
(4)乾燥し、次に
(5)シリル化する
ことにより得られる触媒に係るものである。
【0006】
また、本発明のうち他の発明は、上記の触媒の存在下、オレフィン型化合物と有機ハイドロパーオキサイドとを反応させるオキシラン化合物の製造方法に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
担体としての適当な固体シリカは、二酸化物の形の珪素を50%以上、好ましくは75%以上、最も好ましくは90%以上含有するものである。固体シリカは、比較的大きい比表面積を有することが好ましく、比表面積は好ましくは1m2 /g以上であり、一層好ましくは25〜800m2 /gである。
【0008】
シリカは、凝固又は相互に結合した非晶質シリカ粒子からなる比較的高密度かつ密充填型の多孔性合成シリカであることが好ましく、その例にはシリカゲルや沈降シリカなどがあげられる。これらの製法及び性質は、R.K.アイラー著「ザ、コロイド、ケミストリ、オブ、シリカ、アンド、シリケート」(米国ニューヨークのコーネル大学出版部1955年発行)の第VI章、及び米国特許第2,657,149号公報に記載されている。市場で入手できるシリカゲルのうちでは、比表面積25〜700m2 /g、細孔容積0.3〜2.0ml/g、シリカ含有量99重量%以上のシリカゲルが好ましく使用される。
【0009】
さらにまた、凝固操作によって生成され、オープンパック構造を有し、崩壊し易く、かつゆるく結合している非晶質シリカ粒子からなる合成シリカ粉末も適当であり、その例には、水素及び酸素を四塩化珪素又は四弗化珪素と燃焼操作を行うことによって得られる焼成シリカ(fumed pyrogenic silica)があげられる。この種のシリカは種々の業者によって製造、販売されており、たとえばカボット社(キャブ−O−シル)及びデグツサ社(エアロシル)から販売されている(前記の「キャブ−O−シル」及び「エアロシル」は登録商標である)。これらのシリカ製品のうちでは、比表面積が50〜500m2 /gであり、シリカ含有量が99%以上である製品が最も好ましい。
【0010】
さらに、固体シリカとして、結晶質の多孔性シリカも適当である。結晶質の多孔性シリカとしては例えばハイシリカゼオライト(アルミ等他の金属が僅かしか入っていないゼオライト)があげられる。ハイシリカゼオライトの例としてはペンタシル型ゼオライトであるシリカライト等が知られている( R.W. Grose and E. M. Flanigen, US4061724(1977)(to UCC))。
また、結晶質ではないが、規則的な細孔構造を有するMCM41(J.S.Beck,et al.,J.Am.Chem.Soc.,114, 10834(1992))も担体として用いることができる。
【0011】
Ti担持には気相担持法、液相担持法の両者が適用できる。
【0012】
気相担持においては担持温度において蒸気となりうる無機酸及び有機酸のチタン塩及びチタン酸エステル類が適用される。また液相担持においては溶媒に可溶性の無機酸及び有機酸のチタン塩類及びチタン酸エステルを用いることができる。
【0013】
チタン化合物の例としては、チタン酸テトラメチル、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトラプロピル、チタン酸テトライソプロピル、チタン酸テトラブチル、チタン酸テトライソブチル、チタン酸テトラ-2-エチルヘキシル、チタン酸テトラオクタデシル、四塩化チタン、四臭化チタン、四沃化チタン、チタニウム(IV)オキシアセチルアセトナート、チタニウム(IV)ジイソプロポキシドビスアセチルアセトナートをあげることができる。乾燥及び/又は焼成段階を経るか又は経ない多段階担持法を用いることもできる。
【0014】
液相担持における好適な担持・洗浄用溶媒としては、一般に炭素数1〜約12の常温で液状のオキサ及び/又はオキソ置換炭化水素を用いることができる。この種類の好適な溶媒としてはアルコール類、ケトン類、エーテル類(非環式及び環式のもの)及びエステル類を用いることができる。例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロパノール、n−ブタノール及びオクタノールのようなヒドロキシ置換炭化水素;アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンのようなオキソ置換炭化水素;ジイソブチルエーテルやテトラヒドロフランのような炭化水素エーテル;及び酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル及びプロピオン酸ブチルのような炭化水素エステル等があげられる。
【0015】
液相担持に引続いて、吸収されている溶媒が除かれる。この溶媒除去操作はデカンテーション、濾過、遠心分離、真空排気、乾燥及びその他の操作を含んでいてもよい。この溶媒除去段階ではシリカから少なくとも80%、好ましくは少なくとも95%の過剰の含浸用溶媒を除くように条件を選択することが重要である。
【0016】
特開平8−269031号公報に記載のあるとおり担持処理の後洗浄を行うことが好ましい。洗浄用溶媒とTi担持後の触媒を十分に混合した後、液相部を、濾過あるいはデカンテーションなどの方法により分離する。この操作を必要回数繰り返す。洗浄の終了はたとえば液相部の分析により知ることができる。洗浄温度は0〜100℃が好ましく10〜60℃がより好ましい。洗浄終了後、含浸溶媒除去工程と同様の手法により残存する洗浄用溶媒を除く。この溶媒除去は多量の溶媒の回収を行うと同時に、焼成期間中における引火危険を少なくし、かつその後のより高温度での焼成中における触媒組織中での多量の揮発性溶媒の急激な蒸発に起因する触媒の物理的強度の低下を防止するのに役立っている。25℃〜200℃での乾燥は溶媒除去法として有効である。
【0017】
溶媒除去段階の後で、この触媒組成物を焼成する。即ち非還元性気体、例えば窒素、アルゴン又は二酸化炭素もしくは酸素含有気体、例えば空気の雰囲気下に加熱する。焼成の1つの役割はチタンをその担持された形、即ちハロゲン化物又はアルカノレート等から不溶性の化学結合した酸化物に転化させることにある。焼成の他の役割は触媒を活性化することにある。焼成温度は400〜900℃で十分であり、400〜800℃の温度が推奨される。通常の焼成時間は1〜18時間である。
【0018】
焼成済触媒にpHが3〜5の水で含浸後乾燥処理後シリル化を行うと、水含浸処理を行わない場合に比べて活性は同等レベルで選択率が著しく上昇する。含浸水溶液のpHが未満又はより大きい場合には活性低下が著しい。また水蒸気処理の場合も活性低下著しい。
【0019】
水含浸温度は0〜100℃が好ましい。10〜60℃がさらに好ましい。水含浸は攪拌を行っても行わなくても良い。pHを好ましい範囲に調製するには水に酸又は塩基を溶解すれば良い。酸としては例えば無機酸である塩酸、硫酸、硝酸、有機酸である蟻酸、酢酸、プロピオン酸などがあげられる。塩基としては例えば無機塩基であるアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、有機塩基であるトリエチルアミン、パラトルエンスルホン酸などがあげられる。含浸後ろ過等の方法により水を除く。その後、洗浄水が中性になるまで水で洗浄するのが好ましい。水を除いた後真空下又は窒素あるいは空気雰囲気下で100〜200℃で1〜20時間乾燥する。この触媒をシリル化に供する。
【0020】
シリル化剤の例には有機シラン、有機シリルアミン、有機シリルアミドとその誘導体、及び有機シラザン及びその他のシリル化剤があげられる。有機シランの例としては、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、クロロブロモジメチルシラン、ニトロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン、ヨードジメチルブチルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、クロロジメチルシラン、ジメチルn-プロピルクロロシラン、ジメチルイソプロピルクロロシラン、t-ブチルジメチルクロロシラン、トリプロピルクロロシラン、ジメチルオクチルクロロシラン、トリブチルクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、ジメチルエチルクロロシラン、ジメチルオクタデシルクロロシラン、n-ブチルジメチルクロロシラン、ブロモメチルジメチルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、3-クロロプロピルジメチルクロロシラン、ジメトキシメチルクロロシラン、メチルフェニルクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、メチルフェニルビニルクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジフェニルビニルクロロシラン、トリベンジルクロロシラン、3-シアノプロピルジメチルクロロシランがあげられる。有機シリルアミンの例としては、N-トリメチルシリルイミダゾール、N-t-ブチルジメチルシリルイミダゾール、N-ジメチルエチルシリルイミダゾール、N-ジメチルn-プロピルシリルイミダゾール、N-ジメチルイソプロピルシリルイミダゾール、N-トリメチルシリルジメチルアミン、N-トリメチルシリルジエチルアミン,N-トリメチルシリルピロール、N-トリメチルシリルピロリジン、N-トリメチルシリルピペリジン、1-シアノエチル(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、ペンタフルオロフェニルジメチルシリルアミン、があげられる。有機シリルアミド及び誘導体の例としては、N,O-ビストリメチルシリルアセトアミド、N,O-ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N-トリメチルシリルアセトアミド、N-メチル-N-トリメチルシリルアセトアミド、N-メチル-N-トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N-メチル-N-トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、N-(t-ブチルジメチルシリル)-N-トリフルオロアセトアミド、N,O-ビス(ジエチルハイドロシリル)トリフルオロアセトアミドがあげられる。有機シラザンの例としてはヘキサメチルジシラザン、ヘプタメチルジシラザン、1,1,3,3-テトラメチルジシラザン,1,3-ビス(クロロメチル)テトラメチルジシラザン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシラザン、1,3-ジフェニルテトラメチルジシラザンがあげられる。その他のシリル化剤としては、N-メトキシ-N,O-ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N-メトキシ-N,O-ビストリメチルシリルカーバメート、N,O-ビストリメチルシリルスルファメートメート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート、N,N'- ビストリメチルシリル尿素があげられる。好ましいシリル化剤はヘキサメチルジシラザンである。
【0021】
前記の触媒は、たとえば粉末、フレーク、球状粒子、ペレットのごとき任意の物理的形態で使用できる。
【0022】
エポキシ化反応は上述の方法により調製した触媒の存在下、有機ハイドロパーオキサイドとオレフィンとの反応により実施される。
【0023】
有機ハイドロパーオキサイドは、一般式 R−O−O−H(ここにRは1価のヒドロカルビル基である。)を有する化合物であって、これはオレフィン型化合物と反応して、オキシラン化合物及び化合物R−OHを生成する。
【0024】
好ましくは、基Rは炭素原子を3〜20個を有する基である。最も好ましくは、これは炭素原子3〜10個のヒドロカルビル基、特に、第2又は第3アルキル基又はアラルキル基である。これらの基のうちで特に好ましい基は第3アルキル基、及び第2又は第3アラルキル基であって、その具体例には第3ブチル基、第3ペンチル基、シクロペンチル基、1−フェニルエチル−1基、2−フェニルプロピル−2基があげられ、さらにまた、テトラリン分子の脂肪族側鎖から水素原子を除去することによって生じる種々のテトラニリル基もあげられる。
【0025】
エチルベンゼンハイドロパーオキサイドを使用した場合には、その結果得られるヒドロキシル化合物は1−フェニルエタノールであり、これは脱水反応によってスチレンに変換できる。クメンハイドロパーオキサイドを使用した場合には、その結果得られるヒドロキシル化合物は2−フェニル-2-プロパノールである。これは脱水反応によってα−メチルスチレンに変換できる。スチレン及びα−メチルスチレンの両者は工業的に有用な物質である。
【0026】
第3ペンチルハイドロパーオキサイドを使用したときに得られる第3ペンチルアルコールの脱水反応によって生じる第3アミレンは、イソプレンの前駆体として有用な物質である。第3ペンチルアルコールはオクタン価向上剤であるメチル第3ペンチルエーテルの前駆体としても有用である。t-ブチルハイドロパーオキサイドを使用したときに得られるt-ブチルアルコールはオクタン価向上剤であるメチル-t-ブチルエーテルの前駆体として有用な物質である。
【0027】
原料物質として使用される有機ハイドロパーオキサイドは、希薄又は濃厚な精製物又は非精製物であってよい。
【0028】
少なくとも1つのオレフィン型二重結合を有する有機化合物を有機ハイドロパーオキサイドと反応させることができる。該化合物は非環式、単環式、二環式又は多環式化合物であってよく、かつ、モノオレフィン型、ジオレフィン型又はポリオレフィン型のものであってよい。オレフィン結合が2以上ある場合には、これは共役結合又は非共役結合であってよい。炭素原子2〜60個のオレフィン型化合物が一般に好ましい。置換基を有していてもよいが、置換基は比較的安定な基であることが好ましい。このような炭化水素の例にはエチレン、プロピレン、ブテン-1、イソブチレン、ヘキセン-1、ヘキセン-2、ヘキセン−3、オクテン−1、デセン−1、スチレン、シクロヘキセンがあげられる。適当なジオレフィン型炭化水素の例にはブタジエン、イソプレンがあげられる。置換基が存在してもよく、その例にはハロゲン原子があげられ、さらにまた、酸素、硫黄、窒素原子を、水素及び/又は炭素原子と共に含有する種々の置換基が存在してもよい。特に好ましいオレフィン型化合物はオレフィン型不飽和アルコール、及びハロゲンで置換されたオレフィン型不飽和炭化水素であり、その例にはアリルアルコール、クロチルアルコール、塩化アリルがあげられる。特に好適なものは炭素原子3〜40個のアルケンであって、これはヒドロキシル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0029】
オキシラン化合物は有用な工業用化学品である。プロピレンオキサイドは、重合反応又は共重合反応によって有用な重合体生成物に変換できる。塩化アリルから得られるエピクロロヒドリンも工業的に重要である。エピクロロヒドリンはグリセリンに変換できる。アリルアルコールから得られたオキシラン化合物から、グリセリンを製造することも可能である。
【0030】
エポキシ化反応は、溶媒及び/又は希釈剤を用いて液相中で実施できる。溶媒及び希釈剤は、反応時の温度及び圧力のもとで液体であり、かつ、反応体及び生成物に対して実質的に不活性なものでなければならない。溶媒は使用されるハイドロパーオキサイド溶液中に存在する物質からなるものであってよい。例えばエチルベンゼンハイドロパーオキサイド(EBHP)がEBHPとその原料であるエチルベンゼンとからなる混合物であるばあいには、特に溶媒を添加することなく、これを溶媒の代用とすることも可能である。
【0031】
希釈剤としてさらに第二の溶媒を用いることができ、希釈剤として有用な溶媒としては、芳香族の単環式化合物(たとえばベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、オルトジクロロベンゼン)、及びアルカン(たとえばオクタン、デカン、ドデカン)などがあげられる。余剰量のオレフィン型反応体を溶媒として使用することも可能である。すなわち、有機ハイドロパーオキサイドと
【0032】
一緒に供給された溶媒と共に、余剰量のオレフィン型反応体が溶媒として使用できる。溶媒全体の使用量は、(ハイドロパーオキサイドモル当たり)20モル以下であることが好ましい。
【0033】
エポキシ化反応温度は一般に0〜200℃であるが、25〜200℃の温度が好ましい。圧力は、反応混合物を液体の状態に保つのに充分な圧力でよい。一般に圧力は100〜10000KPaであることが有利である。
【0034】
エポキシ化反応の終了後に、所望生成物を含有する液状混合物が触媒組成物から容易に分離できる。次いで液状混合物を適当な方法によって精製できる。精製は分別蒸留、選択抽出、濾過、洗浄等を含む。溶媒、触媒、未反応オレフィン、未反応ハイドロパーオキサイドは再循環して再び使用することもできる。本発明方法は、スラリー、固定床の形の触媒を使用して有利に実施できる。大規模な工業的操作の場合には、固定床を用いるのが好ましい。本発明の方法は、回分法、半連続法又は連続法によって実施できる。反応体を含有する液を固定床に通した場合には、反応帯域から出た液状混合物には、触媒が全く含まれていないか又は実質的に含まれていない。
【0035】
【実施例】
以下に実施例により本発明を説明する。
実施例1
触媒の調製
窒素気流下、チタン酸テトライソプロピル(2.2g)のイソプロパノール(20ml)溶液に攪拌下アセチルアセトン(1.6g)をゆっくり滴下した後30分室温で攪拌した。市販シリカゲル(表面積326m2/g、平均細孔直径10nm,50g)とイソプロパノール(230ml)の混合物に、上記の液を滴下した後、1時間室温で攪拌後混合物を濾過した。固体部分を3回イソプロパノールで洗浄した(計250ml)。固体部を空気雰囲気下150℃で2時間乾燥した。更に空気雰囲気下600℃で4時間焼成した。焼成品(8g)をHCl(塩酸)水溶液(pH=4)に含浸し、室温で2時間攪拌した。液を濾別し、固体部を、濾液が中性になるまで水洗した。固体部を空気雰囲気下、180℃で5時間焼成した。この物質(7g)、ヘキサメチルジシラザン(2.8g)、トルエン(35g)を混合し、攪拌下、1時間加熱還流した。混合物から濾過により液を留去した。トルエン(100g)で洗浄し、真空乾燥(120℃、10mmHg、3時間)することにより触媒を得た。
【0036】
プロピレンのエチルベンゼンハイドロパーオキサイ (EBHP)を用いるエポキシ化反応によるプロピレンオキサイド(PO)の合成
上記の方法により得た触媒(仕込み基準のTi含有量0.75wt%、3g)、35%エチルベンゼンハイドロパーオキサイド(24g)、プロピレン(17g)を磁気攪拌機付きオートクレーブに仕込み、90℃で1時間反応した。反応成績を表1に示す。また、図1には縦軸にPO選択率、横軸に活性を表すEBHP残存率を示した。
【0037】
比較例1〜4
水含浸処理条件が、表2に記載されている条件である点を除き実施例1と同等の方法により触媒を得た。水含浸処理を行わなかった比較例1の触媒については30分、1時間、2時間それぞれの反応時間を、実施例1の触媒については1時間、2時間それぞれの反応時間を用いて活性評価を行った。エポキシ化反応成績を表2に示す。また、図1に実施例1と同様にPO選択率と活性の関係を示した。
【0038】
図1において、水溶液含浸処理を施した場合(実施例)と処理しない場合(比較例1)の選択率−活性曲線を比較すると、水溶液含浸処理によって選択率が著しく向上している。また水蒸気処理およびpH=1又はpH=11の水溶液含浸処理の場合(比較例2〜4)は、選択率の向上は見られるものの活性低下の度合いが大きく、実施例の触媒に比べて性能が悪い。これらの結果からpHが2〜9の水溶液で含浸処理することの効果は明らかである。
【0039】
【表1】
Figure 0003658973
【0040】
【表2】
Figure 0003658973
【0041】
*1:水蒸気処理条件 400℃×3時間
・EBHP転化率=消費EBHP(mol)/仕込みEBHP(mol)×100
・PO選択率=生成PO(mol)/消費EBHP(mol)×100
【0042】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、オレフィン型化合物と、有機ハイドロパーオキサイドをチタン含有固体触媒を用いて反応させ、オレフィン型化合物をオキシラン化合物に変換する方法であって、選択率及び活性ともに優れており、公知法より小さな設備、エネルギーで目的の変換を行うことを可能とする触媒、及び該触媒を用いるオキシラン化合物の製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水溶液含浸処理を施した場合(実施例1)と処理しない場合(比較例1)の選択率−活性曲線である。

Claims (6)

  1. オレフィン型化合物と有機ハイドロパーオキサイドとを反応させてオキシラン化合物を製造するチタン含有固体触媒であって、
    (1)シリカ担体上にチタン化合物を担持し、次に
    (2)焼成し、次に
    (3)pHが3〜5の水溶液で含浸処理し、次に
    (4)乾燥し、次に
    (5)シリル化する
    ことにより得られる触媒。
  2. 請求項1記載の触媒の存在下、オレフィン型化合物と有機ハイドロパーオキサイドとを反応させるオキシラン化合物の製造方法。
  3. オレフィン型化合物がプロピレンである請求項2記載の製造方法。
  4. 有機ハイドロパーオキサイドがエチルベンゼンハイドロパーオキサイドである請求項2記載の製造方法。
  5. オレフィン型化合物がプロピレンであり、かつ有機ハイドロパーオキサイドがエチルベンゼンハイドロパーオキサイドである請求項2記載の製造方法。
  6. オレフィン型化合物がプロピレンであり、かつ有機ハイドロパーオキサイドがt−ブチルハイドロパーオキサイドである請求項2記載の製造方法。
JP03578498A 1998-02-18 1998-02-18 チタン含有固体触媒及びオキシラン化合物の製造方法 Expired - Fee Related JP3658973B2 (ja)

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