JPH11228553A - チタン含有固体触媒及びオキシラン化合物の製造方法 - Google Patents

チタン含有固体触媒及びオキシラン化合物の製造方法

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JPH11228553A
JPH11228553A JP10035784A JP3578498A JPH11228553A JP H11228553 A JPH11228553 A JP H11228553A JP 10035784 A JP10035784 A JP 10035784A JP 3578498 A JP3578498 A JP 3578498A JP H11228553 A JPH11228553 A JP H11228553A
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hydroperoxide
organic
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Masaru Ishino
勝 石野
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一敬 信原
Mikio Kato
幹男 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン型化合物と、有機ハイドロパーオ
キサイドをチタン含有固体触媒を用いて反応させ、オレ
フィン型化合物をオキシラン化合物に変換する方法であ
って、選択率及び活性ともに優れており、公知法より小
さな設備、エネルギーで目的の変換を行うことを可能と
する触媒、及び該触媒を用いるオキシラン化合物の製造
方法を提供する。 【解決手段】 オレフィン型化合物と有機ハイドロパー
オキサイドとを反応させてオキシラン化合物を製造する
チタン含有固体触媒であって、(1)シリカ担体上にチ
タン化合物を担持し、次に(2)焼成し、次に(3)p
Hが2〜9の水溶液で含浸処理し、次に(4)乾燥し、
次に(5)シリル化することにより得られる触媒、及
び、該触媒の存在下、オレフィン型化合物と有機ハイド
ロパーオキサイドとを反応させるオキシラン化合物の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタン含有固体触
媒及びオキシラン化合物の製造方法に関するものであ
る。更に詳しくは、本発明は、オレフィン型化合物と、
有機ハイドロパーオキサイドをチタン含有固体触媒を用
いて反応させ、オレフィン型化合物をオキシラン化合物
に変換する方法であって、選択率及び活性ともに優れて
おり、公知法より小さな設備、エネルギーで目的の変換
を行うことを可能とする触媒、及び該触媒を用いるオキ
シラン化合物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン型化合物と、有機ハイドロパ
ーオキサイドをチタン含有固体触媒を用いて反応させ、
オレフィン型化合物をオキシラン化合物に変換する方法
は公知である(特公昭56−35941号公報、54−
40525号公報、54−40526号公報、50−3
0049号公報、特開平8−269031公報)。
【0003】チタン含有固体触媒はいろいろな方法で作
ることができる。シリカにチタン化合物を担持し、焼成
する調製法は、有用な方法の一つである。特に焼成後シ
リル化処理した触媒が良いとされてきた。さらにシリル
化の前の焼成済触媒に水和処理を施すと反応成績が向上
すると記されている。水和処理の方法としては、触媒を
100℃以上(好ましくは300〜450℃)の高温で
水蒸気と接触させるか又は水と接触させそれからそれを
加熱するという2つの方法が開示されている。第一の方
法は、高温の蒸気を発生させるための装置が必要であ
り、かつ調製した触媒の活性が低いという欠点があり、
第二の方法は、どのようなpHの水でどのような処理を
すれば選択率及び活性ともにすぐれた触媒ができるのか
が不明であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、オレフィン型化合物
と、有機ハイドロパーオキサイドをチタン含有固体触媒
を用いて反応させ、オレフィン型化合物をオキシラン化
合物に変換する方法であって、選択率及び活性ともに優
れており、公知法より小さな設備、エネルギーで目的の
変換を行うことを可能とする触媒、及び該触媒を用いる
オキシラン化合物の製造方法を提供する点に存するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明のうち一の発明は、オレフィン型化合物と
有機ハイドロパーオキサイドとを反応させてオキシラン
化合物を製造するチタン含有固体触媒であって、(1)
シリカ担体上にチタン化合物を担持し、次に(2)焼成
し、次に(3)pHが2〜9の水溶液で含浸処理し、次
に(4)乾燥し、次に(5)シリル化することにより得
られる触媒に係るものである。
【0006】また、本発明のうち他の発明は、上記の触
媒の存在下、オレフィン型化合物と有機ハイドロパーオ
キサイドとを反応させるオキシラン化合物の製造方法に
係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】担体としての適当な固体シリカ
は、二酸化物の形の珪素を50%以上、好ましくは75
%以上、最も好ましくは90%以上含有するものであ
る。固体シリカは、比較的大きい比表面積を有すること
が好ましく、比表面積は好ましくは1m2/g以上であ
り、一層好ましくは25〜800m2 /gである。
【0008】シリカは、凝固又は相互に結合した非晶質
シリカ粒子からなる比較的高密度かつ密充填型の多孔性
合成シリカであることが好ましく、その例にはシリカゲ
ルや沈降シリカなどがあげられる。これらの製法及び性
質は、R.K.アイラー著「ザ、コロイド、ケミスト
リ、オブ、シリカ、アンド、シリケート」(米国ニュー
ヨークのコーネル大学出版部1955年発行)の第VI
章、及び米国特許第2,657,149号公報に記載さ
れている。市場で入手できるシリカゲルのうちでは、比
表面積25〜700m2 /g、細孔容積0.3〜2.0
ml/g、シリカ含有量99重量%以上のシリカゲルが
好ましく使用される。
【0009】さらにまた、凝固操作によって生成され、
オープンパック構造を有し、崩壊し易く、かつゆるく結
合している非晶質シリカ粒子からなる合成シリカ粉末も
適当であり、その例には、水素及び酸素を四塩化珪素又
は四弗化珪素と燃焼操作を行うことによって得られる焼
成シリカ(fumed pyrogenic sili
ca)があげられる。この種のシリカは種々の業者によ
って製造、販売されており、たとえばカボット社(キャ
ブ−O−シル)及びデグツサ社(エアロシル)から販売
されている(前記の「キャブ−O−シル」及び「エアロ
シル」は登録商標である)。これらのシリカ製品のうち
では、比表面積が50〜500m2 /gであり、シリカ
含有量が99%以上である製品が最も好ましい。
【0010】さらに、固体シリカとして、結晶質の多孔
性シリカも適当である。結晶質の多孔性シリカとしては
例えばハイシリカゼオライト(アルミ等他の金属が僅か
しか入っていないゼオライト)があげられる。ハイシリ
カゼオライトの例としてはペンタシル型ゼオライトであ
るシリカライト等が知られている( R.W. Grose andE.
M. Flanigen, US4061724(1977)(to UCC))。また、結晶
質ではないが、規則的な細孔構造を有するMCM41
(J.S.Beck,et al.,J.Am.Chem.Soc.,114, 10834(199
2))も担体として用いることができる。
【0011】Ti担持には気相担持法、液相担持法の両
者が適用できる。
【0012】気相担持においては担持温度において蒸気
となりうる無機酸及び有機酸のチタン塩及びチタン酸エ
ステル類が適用される。また液相担持においては溶媒に
可溶性の無機酸及び有機酸のチタン塩類及びチタン酸エ
ステルを用いることができる。
【0013】チタン化合物の例としては、チタン酸テト
ラメチル、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトラプロ
ピル、チタン酸テトライソプロピル、チタン酸テトラブ
チル、チタン酸テトライソブチル、チタン酸テトラ-2-
エチルヘキシル、チタン酸テトラオクタデシル、四塩化
チタン、四臭化チタン、四沃化チタン、チタニウム(I
V)オキシアセチルアセトナート、チタニウム(IV)ジ
イソプロポキシドビスアセチルアセトナートをあげるこ
とができる。乾燥及び/又は焼成段階を経るか又は経な
い多段階担持法を用いることもできる。
【0014】液相担持における好適な担持・洗浄用溶媒
としては、一般に炭素数1〜約12の常温で液状のオキ
サ及び/又はオキソ置換炭化水素を用いることができ
る。この種類の好適な溶媒としてはアルコール類、ケト
ン類、エーテル類(非環式及び環式のもの)及びエステ
ル類を用いることができる。例えば、メタノール、エタ
ノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、
イソプロパノール、n−ブタノール及びオクタノールの
ようなヒドロキシ置換炭化水素;アセトン、ジエチルケ
トン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン
のようなオキソ置換炭化水素;ジイソブチルエーテルや
テトラヒドロフランのような炭化水素エーテル;及び酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル及びプロピオン酸ブ
チルのような炭化水素エステル等があげられる。
【0015】液相担持に引続いて、吸収されている溶媒
が除かれる。この溶媒除去操作はデカンテーション、濾
過、遠心分離、真空排気、乾燥及びその他の操作を含ん
でいてもよい。この溶媒除去段階ではシリカから少なく
とも80%、好ましくは少なくとも95%の過剰の含浸
用溶媒を除くように条件を選択することが重要である。
【0016】特開平8−269031号公報に記載のあ
るとおり担持処理の後洗浄を行うことが好ましい。洗浄
用溶媒とTi担持後の触媒を十分に混合した後、液相部
を、濾過あるいはデカンテーションなどの方法により分
離する。この操作を必要回数繰り返す。洗浄の終了はた
とえば液相部の分析により知ることができる。洗浄温度
は0〜100℃が好ましく10〜60℃がより好まし
い。洗浄終了後、含浸溶媒除去工程と同様の手法により
残存する洗浄用溶媒を除く。この溶媒除去は多量の溶媒
の回収を行うと同時に、焼成期間中における引火危険を
少なくし、かつその後のより高温度での焼成中における
触媒組織中での多量の揮発性溶媒の急激な蒸発に起因す
る触媒の物理的強度の低下を防止するのに役立ってい
る。25℃〜200℃での乾燥は溶媒除去法として有効
である。
【0017】溶媒除去段階の後で、この触媒組成物を焼
成する。即ち非還元性気体、例えば窒素、アルゴン又は
二酸化炭素もしくは酸素含有気体、例えば空気の雰囲気
下に加熱する。焼成の1つの役割はチタンをその担持さ
れた形、即ちハロゲン化物又はアルカノレート等から不
溶性の化学結合した酸化物に転化させることにある。焼
成の他の役割は触媒を活性化することにある。焼成温度
は400〜900℃で十分であり、400〜800℃の
温度が推奨される。通常の焼成時間は1〜18時間であ
る。
【0018】焼成済触媒にpHが2〜9、好ましくは3
〜5の水で含浸後乾燥処理後シリル化を行うと、水含浸
処理を行わない場合に比べて活性は同等レベルで選択率
が著しく上昇する。含浸水溶液のpHが2未満又は9よ
り大きい場合には活性低下が著しい。また水蒸気処理の
場合も活性低下著しい。
【0019】水含浸温度は0〜100℃が好ましい。1
0〜60℃がさらに好ましい。水含浸は攪拌を行っても
行わなくても良い。pHを好ましい範囲に調製するには水
に酸又は塩基を溶解すれば良い。酸としては例えば無機
酸である塩酸、硫酸、硝酸、有機酸である蟻酸、酢酸、
プロピオン酸などがあげられる。塩基としては例えば無
機塩基であるアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、有機塩基であ
るトリエチルアミン、パラトルエンスルホン酸などがあ
げられる。含浸後ろ過等の方法により水を除く。その
後、洗浄水が中性になるまで水で洗浄するのが好まし
い。水を除いた後真空下又は窒素あるいは空気雰囲気下
で100〜200℃で1〜20時間乾燥する。この触媒
をシリル化に供する。
【0020】シリル化剤の例には有機シラン、有機シリ
ルアミン、有機シリルアミドとその誘導体、及び有機シ
ラザン及びその他のシリル化剤があげられる。有機シラ
ンの例としては、クロロトリメチルシラン、ジクロロジ
メチルシラン、クロロブロモジメチルシラン、ニトロト
リメチルシラン、クロロトリエチルシラン、ヨードジメ
チルブチルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ク
ロロジメチルシラン、ジメチルn-プロピルクロロシラ
ン、ジメチルイソプロピルクロロシラン、t-ブチルジメ
チルクロロシラン、トリプロピルクロロシラン、ジメチ
ルオクチルクロロシラン、トリブチルクロロシラン、ト
リヘキシルクロロシラン、ジメチルエチルクロロシラ
ン、ジメチルオクタデシルクロロシラン、n-ブチルジメ
チルクロロシラン、ブロモメチルジメチルクロロシラ
ン、クロロメチルジメチルクロロシラン、3-クロロプロ
ピルジメチルクロロシラン、ジメトキシメチルクロロシ
ラン、メチルフェニルクロロシラン、トリエトキシクロ
ロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、メチルフェ
ニルビニルクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラ
ン、ジフェニルクロロシラン、ジフェニルメチルクロロ
シラン、ジフェニルビニルクロロシラン、トリベンジル
クロロシラン、3-シアノプロピルジメチルクロロシラン
があげられる。有機シリルアミンの例としては、N-トリ
メチルシリルイミダゾール、N-t-ブチルジメチルシリル
イミダゾール、N-ジメチルエチルシリルイミダゾール、
N-ジメチルn-プロピルシリルイミダゾール、N-ジメチル
イソプロピルシリルイミダゾール、N-トリメチルシリル
ジメチルアミン、N-トリメチルシリルジエチルアミン,N
-トリメチルシリルピロール、N-トリメチルシリルピロ
リジン、N-トリメチルシリルピペリジン、1-シアノエチ
ル(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、ペンタフルオロ
フェニルジメチルシリルアミン、があげられる。有機シ
リルアミド及び誘導体の例としては、N,O-ビストリメチ
ルシリルアセトアミド、N,O-ビストリメチルシリルトリ
フルオロアセトアミド、N-トリメチルシリルアセトアミ
ド、N-メチル-N-トリメチルシリルアセトアミド、N-メ
チル-N-トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N
-メチル-N-トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミ
ド、N-(t-ブチルジメチルシリル)-N-トリフルオロアセ
トアミド、N,O-ビス(ジエチルハイドロシリル)トリフ
ルオロアセトアミドがあげられる。有機シラザンの例と
してはヘキサメチルジシラザン、ヘプタメチルジシラザ
ン、1,1,3,3-テトラメチルジシラザン,1,3-ビス(クロ
ロメチル)テトラメチルジシラザン、1,3-ジビニル-1,
1,3,3-テトラメチルジシラザン、1,3-ジフェニルテトラ
メチルジシラザンがあげられる。その他のシリル化剤と
しては、N-メトキシ-N,O-ビストリメチルシリルトリフ
ルオロアセトアミド、N-メトキシ-N,O-ビストリメチル
シリルカーバメート、N,O-ビストリメチルシリルスルフ
ァメートメート、トリメチルシリルトリフルオロメタン
スルホナート、N,N'- ビストリメチルシリル尿素があげ
られる。好ましいシリル化剤はヘキサメチルジシラザン
である。
【0021】前記の触媒は、たとえば粉末、フレーク、
球状粒子、ペレットのごとき任意の物理的形態で使用で
きる。
【0022】エポキシ化反応は上述の方法により調製し
た触媒の存在下、有機ハイドロパーオキサイドとオレフ
ィンとの反応により実施される。
【0023】有機ハイドロパーオキサイドは、一般式
R−O−O−H(ここにRは1価のヒドロカルビル基で
ある。)を有する化合物であって、これはオレフィン型
化合物と反応して、オキシラン化合物及び化合物R−O
Hを生成する。
【0024】好ましくは、基Rは炭素原子を3〜20個
を有する基である。最も好ましくは、これは炭素原子3
〜10個のヒドロカルビル基、特に、第2又は第3アル
キル基又はアラルキル基である。これらの基のうちで特
に好ましい基は第3アルキル基、及び第2又は第3アラ
ルキル基であって、その具体例には第3ブチル基、第3
ペンチル基、シクロペンチル基、1−フェニルエチル−
1基、2−フェニルプロピル−2基があげられ、さらに
また、テトラリン分子の脂肪族側鎖から水素原子を除去
することによって生じる種々のテトラニリル基もあげら
れる。
【0025】エチルベンゼンハイドロパーオキサイドを
使用した場合には、その結果得られるヒドロキシル化合
物は1−フェニルエタノールであり、これは脱水反応に
よってスチレンに変換できる。クメンハイドロパーオキ
サイドを使用した場合には、その結果得られるヒドロキ
シル化合物は2−フェニル-2-プロパノールである。こ
れは脱水反応によってα−メチルスチレンに変換でき
る。スチレン及びα−メチルスチレンの両者は工業的に
有用な物質である。
【0026】第3ペンチルハイドロパーオキサイドを使
用したときに得られる第3ペンチルアルコールの脱水反
応によって生じる第3アミレンは、イソプレンの前駆体
として有用な物質である。第3ペンチルアルコールはオ
クタン価向上剤であるメチル第3ペンチルエーテルの前
駆体としても有用である。t-ブチルハイドロパーオキサ
イドを使用したときに得られるt-ブチルアルコールはオ
クタン価向上剤であるメチル-t-ブチルエーテルの前駆
体として有用な物質である。
【0027】原料物質として使用される有機ハイドロパ
ーオキサイドは、希薄又は濃厚な精製物又は非精製物で
あってよい。
【0028】少なくとも1つのオレフィン型二重結合を
有する有機化合物を有機ハイドロパーオキサイドと反応
させることができる。該化合物は非環式、単環式、二環
式又は多環式化合物であってよく、かつ、モノオレフィ
ン型、ジオレフィン型又はポリオレフィン型のものであ
ってよい。オレフィン結合が2以上ある場合には、これ
は共役結合又は非共役結合であってよい。炭素原子2〜
60個のオレフィン型化合物が一般に好ましい。置換基
を有していてもよいが、置換基は比較的安定な基である
ことが好ましい。このような炭化水素の例にはエチレ
ン、プロピレン、ブテン-1、イソブチレン、ヘキセン-
1、ヘキセン-2、ヘキセン−3、オクテン−1、デセン
−1、スチレン、シクロヘキセンがあげられる。適当な
ジオレフィン型炭化水素の例にはブタジエン、イソプレ
ンがあげられる。置換基が存在してもよく、その例には
ハロゲン原子があげられ、さらにまた、酸素、硫黄、窒
素原子を、水素及び/又は炭素原子と共に含有する種々
の置換基が存在してもよい。特に好ましいオレフィン型
化合物はオレフィン型不飽和アルコール、及びハロゲン
で置換されたオレフィン型不飽和炭化水素であり、その
例にはアリルアルコール、クロチルアルコール、塩化ア
リルがあげられる。特に好適なものは炭素原子3〜40
個のアルケンであって、これはヒドロキシル基又はハロ
ゲン原子で置換されていてもよい。
【0029】オキシラン化合物は有用な工業用化学品で
ある。プロピレンオキサイドは、重合反応又は共重合反
応によって有用な重合体生成物に変換できる。塩化アリ
ルから得られるエピクロロヒドリンも工業的に重要であ
る。エピクロロヒドリンはグリセリンに変換できる。ア
リルアルコールから得られたオキシラン化合物から、グ
リセリンを製造することも可能である。
【0030】エポキシ化反応は、溶媒及び/又は希釈剤
を用いて液相中で実施できる。溶媒及び希釈剤は、反応
時の温度及び圧力のもとで液体であり、かつ、反応体及
び生成物に対して実質的に不活性なものでなければなら
ない。溶媒は使用されるハイドロパーオキサイド溶液中
に存在する物質からなるものであってよい。例えばエチ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド(EBHP)がEB
HPとその原料であるエチルベンゼンとからなる混合物
であるばあいには、特に溶媒を添加することなく、これ
を溶媒の代用とすることも可能である。
【0031】希釈剤としてさらに第二の溶媒を用いるこ
とができ、希釈剤として有用な溶媒としては、芳香族の
単環式化合物(たとえばベンゼン、トルエン、クロロベ
ンゼン、ブロモベンゼン、オルトジクロロベンゼン)、
及びアルカン(たとえばオクタン、デカン、ドデカン)
などがあげられる。余剰量のオレフィン型反応体を溶媒
として使用することも可能である。すなわち、有機ハイ
ドロパーオキサイドと
【0032】一緒に供給された溶媒と共に、余剰量のオ
レフィン型反応体が溶媒として使用できる。溶媒全体の
使用量は、(ハイドロパーオキサイドモル当たり)20
モル以下であることが好ましい。
【0033】エポキシ化反応温度は一般に0〜200℃
であるが、25〜200℃の温度が好ましい。圧力は、
反応混合物を液体の状態に保つのに充分な圧力でよい。
一般に圧力は100〜10000KPaであることが有
利である。
【0034】エポキシ化反応の終了後に、所望生成物を
含有する液状混合物が触媒組成物から容易に分離でき
る。次いで液状混合物を適当な方法によって精製でき
る。精製は分別蒸留、選択抽出、濾過、洗浄等を含む。
溶媒、触媒、未反応オレフィン、未反応ハイドロパーオ
キサイドは再循環して再び使用することもできる。本発
明方法は、スラリー、固定床の形の触媒を使用して有利
に実施できる。大規模な工業的操作の場合には、固定床
を用いるのが好ましい。本発明の方法は、回分法、半連
続法又は連続法によって実施できる。反応体を含有する
液を固定床に通した場合には、反応帯域から出た液状混
合物には、触媒が全く含まれていないか又は実質的に含
まれていない。
【0035】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明する。 実施例1触媒の調製 窒素気流下、チタン酸テトライソプロピル(2.2g)
のイソプロパノール(20ml)溶液に攪拌下アセチル
アセトン(1.6g)をゆっくり滴下した後30分室温
で攪拌した。市販シリカゲル(表面積326m2/g、
平均細孔直径10nm,50g)とイソプロパノール
(230ml)の混合物に、上記の液を滴下した後、1
時間室温で攪拌後混合物を濾過した。固体部分を3回イ
ソプロパノールで洗浄した(計250ml)。固体部を
空気雰囲気下150℃で2時間乾燥した。更に空気雰囲
気下600℃で4時間焼成した。焼成品(8g)をHC
l(塩酸)水溶液(pH=4)に含浸し、室温で2時間攪
拌した。液を濾別し、固体部を、濾液が中性になるまで
水洗した。固体部を空気雰囲気下、180℃で5時間焼
成した。この物質(7g)、ヘキサメチルジシラザン
(2.8g)、トルエン(35g)を混合し、攪拌下、
1時間加熱還流した。混合物から濾過により液を留去し
た。トルエン(100g)で洗浄し、真空乾燥(120
℃、10mmHg、3時間)することにより触媒を得
た。
【0036】プロピレンのエチルベンゼンハイドロパー
オキサイト゛(EBHP)を用いるエポキシ化反応による
プロピレンオキサイド(PO)の合成 上記の方法により得た触媒(仕込み基準のTi含有量
0.75wt%、3g)、35%エチルベンゼンハイド
ロパーオキサイド(24g)、プロピレン(17g)を
磁気攪拌機付きオートクレーブに仕込み、90℃で1時
間反応した。反応成績を表1に示す。また、図1には縦
軸にPO選択率、横軸に活性を表すEBHP残存率を示
した。
【0037】実施例2、3及び比較例1〜4 水含浸処理条件が、表1又は表2のそれぞれに記載され
ている条件である点を除き実施例1と同等の方法により
触媒を得た。水含浸処理を行わなかった比較例1の触媒
については30分、1時間、2時間それぞれの反応時間
を、実施例1の触媒については1時間、2時間それぞれ
の反応時間を用いて活性評価を行った。エポキシ化反応
成績を表1及び表2に示す。また、図1に実施例1と同
様にPO選択率と活性の関係を示した。
【0038】図1において、水溶液含浸処理を施した場
合(実施例1〜3)と処理しない場合(比較例1)の選
択率−活性曲線を比較すると、水溶液含浸処理によって
選択率が著しく向上している。また水蒸気処理およびp
H=1又はpH=11の水溶液含浸処理の場合(比較例
2〜4)は、選択率の向上は見られるものの活性低下の
度合いが大きく、実施例の触媒に比べて性能が悪い。こ
れらの結果からpHが2〜9の水溶液で含浸処理するこ
との効果は明らかである。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】*1:水蒸気処理条件 400℃×3時間 ・EBHP転化率=消費EBHP(mol)/仕込みE
BHP(mol)×100 ・PO選択率=生成PO(mol)/消費EBHP(m
ol)×100
【0042】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、オ
レフィン型化合物と、有機ハイドロパーオキサイドをチ
タン含有固体触媒を用いて反応させ、オレフィン型化合
物をオキシラン化合物に変換する方法であって、選択率
及び活性ともに優れており、公知法より小さな設備、エ
ネルギーで目的の変換を行うことを可能とする触媒、及
び該触媒を用いるオキシラン化合物の製造方法を提供す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】水溶液含浸処理を施した場合(実施例1〜3)
と処理しない場合(比較例1)の選択率−活性曲線であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 信原 一敬 愛知県春日井市高蔵寺町2丁目1846番地 富士シリシア化学株式会社内 (72)発明者 加藤 幹男 愛知県春日井市高蔵寺町2丁目1846番地 富士シリシア化学株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン型化合物と有機ハイドロパー
    オキサイドとを反応させてオキシラン化合物を製造する
    チタン含有固体触媒であって、(1)シリカ担体上にチ
    タン化合物を担持し、次に(2)焼成し、次に(3)p
    Hが2〜9の水溶液で含浸処理し、次に(4)乾燥し、
    次に(5)シリル化することにより得られる触媒。
  2. 【請求項2】 含浸処理に使用する水溶液のpHが3〜
    5である請求項1記載の触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の触媒の存在
    下、オレフィン型化合物と有機ハイドロパーオキサイド
    とを反応させるオキシラン化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 オレフィン型化合物がプロピレンである
    請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 有機ハイドロパーオキサイドがエチルベ
    ンゼンハイドロパーオキサイドである請求項3記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 オレフィン型化合物がプロピレンであ
    り、かつ有機ハイドロパーオキサイドがエチルベンゼン
    ハイドロパーオキサイドである請求項3記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 オレフィン型化合物がプロピレンであ
    り、かつ有機ハイドロパーオキサイドがt−ブチルハイ
    ドロパーオキサイドである請求項3記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012020966A (ja) * 2010-07-15 2012-02-02 Sumitomo Chemical Co Ltd オキシムの製造方法

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