JPH10337029A - サイリスタ変換器 - Google Patents

サイリスタ変換器

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JPH10337029A
JPH10337029A JP9136294A JP13629497A JPH10337029A JP H10337029 A JPH10337029 A JP H10337029A JP 9136294 A JP9136294 A JP 9136294A JP 13629497 A JP13629497 A JP 13629497A JP H10337029 A JPH10337029 A JP H10337029A
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JP
Japan
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thyristor
gate
thyristor valve
circuit
output
Prior art date
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JP9136294A
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Inventor
Katsuro Ito
克郎 伊藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイリスタのジャンクション温度の高い状態
でゲートブロックを行うと素子を破壊する恐れがある。 【解決手段】 ゲートブロック信号が入力された後にタ
ーンオフタイムが確保できずターンオフに失敗した場合
には、ターンオフに失敗したアームのみ交流側の遮断器
が開放するまでの期間は、ゲートブロックすることなく
サイリスタに順方向電圧が印加されるとゲートパルスを
与えターンオンさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流送電等に用い
られる複数のサイリスタを直列接続して構成するサイリ
スタ変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にサイリスタは、通電終了後或る時
間が経過しないと順方向耐圧が回復しない。この回復に
必要な時間の目安としてターンオフタイム(Tq )があ
る。サイリスタ変換器がインバータ運転を行っていると
き、通電終了後にサイリスタに加わる逆電圧期間を余裕
角(γ)と呼んでいるが、通常はこの余裕角がターンオ
フタイムより大きくなるように制御角が選定される。
【0003】しかし、交流系統の波形歪みの発生等によ
り余裕角がターンオフタイムより小さくなるとサイリス
タは逆圧後引き続いて印加される順方向電圧を阻止でき
ず、自己点弧する。この現象は転流失敗と呼ばれる。ま
た、複数のサイリスタが直列に接続されている場合に
は、個々のサイリスタのターンオフタイムにバラツキが
あるため、小さな余裕角に場合に転流失敗するサイリス
タとしないサイリスタが発生する。この現象は部分転流
失敗と呼ばれる。部分転流失敗が発生すると、転流失敗
していないサイリスタに全回路電圧が加わるので、転流
失敗したサイリスタが多いと電圧を阻止した転流失敗を
していないサイリスタに耐圧以上の順電圧が加わり破損
してしまうことがある。
【0004】こうした不具合に対処するために、従来
は、余裕角が直列接続されたサイリスタのターンオフタ
イムの最大値より小さくなったら、全てのサイリスタに
ゲートパルスを供給して強制的にターンオンさせること
により保護していた。これは、強制点弧保護と呼ばれ
る。
【0005】また、サイリスタ変換器の運転中に、アー
ムが電圧阻止能力を失って短絡状態になるアーム短絡が
起こることがある。アーム短絡が発生すると電圧の阻止
能力を失ったアームばかりか正常に通電中のアームにも
短絡電流が流れる。この短絡電流は系統側のインピーダ
ンスと変換器用変圧器の漏れインピーダンスによって制
限されるだけであるので、大きな値となり、場合によっ
ては通電中の健全アームのサイリスタも接合温度の過大
な上昇により破壊することがある。従って、アーム短絡
が発生した場合は故障電流をレベル検出器で検出し、全
アームのゲートパルスをブロックし、事故が他のアーム
に波及しないようにしていた。
【0006】図11は、サイリスタ変換器の構成図であ
る。交流系統に変換器用変圧器1を介してサイリスタバ
ルブ2u〜2zからなるサイリスタブリッジ3が接続さ
れている。サイリスタバルブ2u〜2zにはゲートパル
ス発生装置4が接続され、制御保護装置5からのサイリ
スタバルブの点弧タイミングを指令するPHS信号とサ
イリスタバルブから取り込む各サイリスタバルブの順電
圧信号(FV信号)と逆電圧信号(RV信号)により適
切なタイミングでサイリスタバルブ2u〜2zにゲート
パルスを与えている。
【0007】制御保護装置5には、起動停止位相制御回
路6があり、PHS信号とゲートパルス発生装置4の出
力停止信号であるゲートブロック信号GB1が出力され
る。通常のサイリスタ変換器の停止は、このGB1信号
が”1”になることにより行われる。
【0008】電流検出器7a〜7cの出力は、レベル検
出器8に入力され、レベル検出器8の出力はOR回路9
に入力される。OR回路10には、OR回路9の出力G
B2と起動停止位相制御回路6の出力GB1が入力さ
れ、その出力はゲートパルス発生装置4に送られる。
【0009】図12は、ゲートパルス発生装置4のV相
1アーム分のブロック図であり、リセット優先のフリッ
プフロップ11と、セット優先のフリップフロップ12
と、OR回路13と、一方の入力が反転となっているA
ND回路14と、オンディレイ15と、AND回路16
と、パルス発生回路17とからなっている。オンディレ
イ15の時限T1はサイリスタの電圧分担アンバランス
を考慮した上でサイリスタのターンオンタイムTq より
大きな値(数百μs)に設定される。
【0010】通常運転時は、サイリスタバルブ2vが通
電すべき期間に制御保護装置5から送られるPHS信号
vによってフリップフロップ11がセットされ、更にフ
リップフロップ12がセットされる。このときサイリス
タバルブ2vに順電圧が印加されているとFV信号v
が”1”であるのでAND回路16の出力が”1”とな
り、パルス発生回路17によりV相ゲートパルスGPv
がサイリスタバルブ2vに与えられターンオンする。
【0011】オンすべき期間が終了すると、起動停止位
相制御回路6よりPHS信号wが”1”となりフリップ
フロップ11をリセットする。サイリスタバルブ2wに
ゲートパルスが与えられ、電流がサイリスタバルブ2v
からサイリスタバルブ2wに転流すると、サイリスタバ
ルブ2vに逆電圧が印加され、逆電圧信号RVvがサイ
リスタバルブ2vよりゲートパルス発生装置4に与えら
れる。
【0012】ここでサイリスタバルブ2vに加わる余裕
角γの期間が所定時間T1より長い場合はオンディレイ
15の出力が”1”となり、フリップフロップ12をリ
セットする。従って、その後サイリスタバルブ2vに順
電圧が加わりFV信号vが”1”となってもフリップフ
ロップ12の出力は”0”であるため、AND回路16
の出力は”0”であるので、ゲートパルスGPvは出力
されないで、次に制御保護装置5から送られるPHS信
号vによってフリップフロップ11がセットされるまで
この状態を保つ。一方、サイリスタバルブ2vに加わる
余裕角γの期間が所定時間T1より短い場合は、先に述
べたように部分転流失敗の可能性がある。この場合は、
オンディレイ15の出力が”1”となる前にサイリスタ
バルブ2vに順電圧が加わりFV信号vが”1”とな
り、フリップフロップ12の出力も”1”であるため、
AND回路16の出力は”1”となり、ゲートパルスG
Pvがサイリスタバルブ2vに与えられ、サイリスタバ
ルブ2vを構成する全てのサイリスタが再びターンオン
し部分転流失敗による過電圧からサイリスタは保護され
る。
【0013】ところが、何らかの原因により、サイリス
タバルブ2vの通電中に例えばサイリスタバルブ2uが
短絡故障を発生したときには、短絡電流が変圧器1とサ
イリスタバルブ2vとサイリスタバルブ2uの間を流れ
る。このときの電流は定格の数倍に及ぶ。このような事
故電流をサイリスタバルブは流し続けることはできない
ので、電流検出器7aにより検出し、レベル検出器8に
よりその値が所定値を越えたときにはOR回路9の出力
GB2が”1”となり、OR回路10を経由してゲート
パルス発生装置4に送られフリップフロップ11をリセ
ットする。従って、通電中のサイリスタバルブは次に逆
電圧が印加されその期間がT1以上であればフリップフ
ロップ12をリセットするのでそれ以上ゲートパルスは
与えられないためターンオフし、短絡電流はそれ以上流
れなくなる。尚、制御保護装置5はGB信号を出力する
と同時に図示されていない変圧器1の交流側に接続され
ている遮断器にトリップ指令を出力する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
保護には以下の問題点がある。何らかの原因により、サ
イリスタバルブ2vの通電中に例えばサイリスタバルブ
2uが短絡故障を発生したときには、短絡電流が変圧器
1とサイリスタバルブ2vとサイリスタバルブ2uの間
を流れる。このときの電流は定格の数倍に及ぶ。このよ
うな事故電流をサイリスタバルブは流し続けることはで
きないので、電流検出器7aにより検出し、レベル検出
器8によりその値が所定値を越えたときにはOR回路9
の出力GB2が”1”となり、OR回路10を経由して
ゲートパルス発生装置4に送られフリップフロップ11
をリセットする。
【0015】ここで、通電中のサイリスタバルブに逆電
圧が印加されその期間がT1以上であればフリップフロ
ップ12をリセットするのでそれ以上ゲートパルスは与
えられないためターンオフし、短絡電流はそれ以上流れ
なくなるが、サイリスタバルブに逆電圧が印加されその
期間がT1以下であればフリップフロップ12をリセッ
トすることができないので、次にサイリスタバルブ2v
に順電圧が印加されFV信号vが”1”になると、AN
D回路16の出力は”1”となり、ゲートパルスGPv
がサイリスタバルブ2vに与えられるので、サイリスタ
バルブ2vは再びターンオンし、短絡電流が流れ続け
る。
【0016】周知の如く、サイリスタの耐圧はジャンク
ション温度が概略125℃を越えると急激に低下する。
ところが、通常サイリスタバルブは1サイクルの故障電
流に対しては概略ジャンクション温度125℃程度まで
の温度となるようにし、その後の順電圧印加に耐えられ
るように設計するが、2サイクルの故障電流に対しては
サイリスタのジャンクション温度が上昇してしまうの
で、サイリスタが所定の阻止能力を失っており、順電圧
に対してブレークダウンしてサイリスタを故障させてし
まう可能性があった。
【0017】すなわち、1サイクルの故障電流は通常サ
イリスタバルブをゲートブロックすることは可能である
が、交流系統の電圧歪みなどで逆電圧期間が十分確保で
きないときには部分転流失敗によるサイリスタバルブ2
vの故障を防ぐために保護ゲートパルスを出力するの
で、2サイクル目の電流ゼロ点後の時刻においてはサイ
リスタバルブ2vを構成するサイリスタのジャンクショ
ン温度はゲートブロック可能な許容温度を遥かに越えて
しまい、サイリスタバルブ2vを構成するサイリスタを
破壊させてしまう可能性があった。
【0018】よって、本発明は、従来の上記不具合を解
決し、アーム短絡などの発生時にゲートブロック失敗が
生じてもサイリスタが破損することがないサイリスタ変
換器を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係るサイリスタ変換器では、ア
ーム短絡などにより故障電流が発生すると、ゲートブロ
ックを行うが、交流の波形歪みなどの影響により逆電圧
印加期間が短いとターンオフタイムを確保する前に順方
向電圧が印加され、サイリスタバルブは再びターンオン
する。すると当然過電流を再び流すことになるので、サ
イリスタのジャンクション温度は上昇し、ゲートブロッ
クを行うと素子が破壊される温度に達する。よって、ゲ
ートブロック信号が入力された後にターンオフタイムが
確保できずターンオフに失敗した場合にはターンオフに
失敗したアームのみ所定期間ゲートブロックすることな
くサイリスタバルブに順方向電圧が印加されるとゲート
パルスを与えターンオンさせることにより、ジャンクシ
ョン温度が許容値を越えている状態でゲートブロックし
てしまうことがないためサイリスタバルブを破壊するこ
とがなくなる。
【0020】本発明の請求項2に係るサイリスタ変換器
では、アーム短絡などにより故障電流が発生すると、ゲ
ートブロックを行うが、交流の波形歪みなどの影響によ
り逆電圧印加期間が短いとターンオフタイムを確保する
前に順方向電圧が印加され、サイリスタバルブは再びタ
ーンオンする。すると当然過電流を再び流すことになる
ので、サイリスタのジャンクション温度は上昇し、ゲー
トブロックを行うと素子が破壊される温度に達する。よ
って、ゲートブロック信号が入力された後にターンオフ
タイムが確保できずターンオフに失敗した場合にはター
ンオフに失敗したアームのみ交流側に設けられた遮断器
が開放されるまでの期間はゲートブロックすることなく
サイリスタバルブに順方向電圧が印加されるとゲートパ
ルスを与えターンオンさせることにより、ジャンクショ
ン温度が許容値を越えている状態でゲートブロックして
しまうことがないためサイリスタバルブを破壊すること
がなくなる。
【0021】本発明の請求項3に係るサイリスタ変換器
では、アーム短絡などにより故障電流が発生すると、ゲ
ートブロックを行うが、交流の波形歪みなどの影響によ
り逆電圧印加期間が短いとターンオフタイムを確保する
前に順方向電圧が印加され、サイリスタバルブは再びタ
ーンオンする。すると当然過電流を再び流すことになる
ので、サイリスタのジャンクション温度は上昇し、ゲー
トブロックを行うと素子が破壊される温度に達する。よ
って、ゲートブロック信号が入力された後にターンオフ
タイムが確保できずターンオフに失敗したことを、ゲー
トパルスがサイリスタバルブに与えられたことにより検
出して、ターンオフに失敗した場合にはターンオフに失
敗したアームのみ所定期間ゲートブロックすることなく
サイリスタバルブに順方向電圧が印加されるとゲートパ
ルスを与えターンオンさせることにより、ジャンクショ
ン温度が許容値を越えている状態でゲートブロックして
しまうことがないためサイリスタバルブを破壊すること
がなくなる。
【0022】本発明の請求項4に係るサイリスタ変換器
では、アーム短絡などにより故障電流が発生すると、ゲ
ートブロックを行うが、交流の波形歪みなどの影響によ
り逆電圧印加期間が短いとターンオフタイムを確保する
前に順方向電圧が印加され、サイリスタバルブは再びタ
ーンオンする。すると当然過電流を再び流すことになる
ので、サイリスタのジャンクション温度は上昇し、ゲー
トブロックを行うと素子が破壊される温度に達する。よ
って、ゲートブロック信号が入力された後にターンオフ
タイムが確保できずターンオフに失敗したことを、サイ
リスタバルブに第2の所定期間以上の逆電圧が印加され
ないことにより検出して、ターンオフに失敗した場合に
はターンオフに失敗したアームのみ所定期間ゲートブロ
ックすることなくサイリスタバルブに順方向電圧が印加
されるとゲートパルスを与えターンオンさせることによ
り、ジャンクション温度が許容値を越えている状態でゲ
ートブロックしてしまうことがないためサイリスタバル
ブを破壊することがなくなる。
【0023】本発明の請求項5に係るサイリスタ変換器
では、アーム短絡などにより故障電流が発生すると、ゲ
ートブロックを行うが、交流の波形歪みなどの影響によ
り逆電圧印加期間が短いとターンオフタイムを確保する
前に順方向電圧が印加され、サイリスタバルブは再びタ
ーンオンする。すると当然過電流を再び流すことになる
ので、サイリスタのジャンクション温度は上昇し、ゲー
トブロックを行うと素子が破壊される温度に達する。よ
って、ゲートブロック信号が入力された後にターンオフ
タイムが確保できずターンオフに失敗したことを、サイ
リスタバルブにアーム短絡が発生したときのサイリスタ
のジャンクション温度でのターンオフタイム以上の逆電
圧が印加されないことにより検出して、ターンオフに失
敗した場合にはターンオフに失敗したアームのみ所定期
間ゲートブロックすることなくサイリスタバルブに順方
向電圧が印加されるとゲートパルスを与えターンオンさ
せることにより、ジャンクション温度が許容値を越えて
いる状態でゲートブロックしてしまうことがないためサ
イリスタバルブを破壊することがなくなる。
【0024】本発明の請求項6に係るサイリスタ変換器
では、アーム短絡などにより故障電流が発生すると、ゲ
ートブロックを行うが、交流の波形歪みなどの影響によ
り逆電圧印加期間が短いとターンオフタイムを確保する
前に順方向電圧が印加され、サイリスタバルブは再びタ
ーンオンする。すると当然過電流を再び流すことになる
ので、サイリスタのジャンクション温度は上昇し、ゲー
トブロックを行うと素子が破壊される温度に達する。よ
って、ゲートブロック信号が入力された後にジャンクシ
ョン温度を検出し、ジャンクション温度が所定値以上の
場合にはゲートブロックすることなくサイリスタバルブ
に順方向電圧が印加されるとゲートパルスを与えターン
オンさせることにより、ジャンクション温度が許容値を
越えている状態でゲートブロックしてしまうことがない
ためサイリスタバルブを破壊することがなくなる。
【0025】本発明の請求項7に係るサイリスタ変換器
では、アーム短絡などにより故障電流が発生すると、ゲ
ートブロックを行うが、交流の波形歪みなどの影響によ
り逆電圧印加期間が短いとターンオフタイムを確保する
前に順方向電圧が印加され、サイリスタバルブは再びタ
ーンオンする。すると当然過電流を再び流すことになる
ので、サイリスタのジャンクション温度は上昇し、ゲー
トブロックを行うと素子が破壊される温度に達する。よ
って、ゲートブロック信号が入力された後にジャンクシ
ョン温度をサイリスタを冷却する冷媒の温度と電流検出
手段の出力とから演算し、ジャンクション温度が所定値
以上の場合にはゲートブロックすることなくサイリスタ
バルブに順方向電圧が印加されるとゲートパルスを与え
ターンオンさせることにより、ジャンクション温度が許
容値を越えている状態でゲートブロックしてしまうこと
がないためサイリスタバルブを破壊することがなくな
る。
【0026】本発明の請求項8に係るサイリスタ変換器
では、アーム短絡などにより故障電流が発生すると、ゲ
ートブロックを行うが、交流の波形歪みなどの影響によ
り逆電圧印加期間が短いとターンオフタイムを確保する
前に順方向電圧が印加され、サイリスタバルブは再びタ
ーンオンする。すると当然過電流を再び流すことになる
ので、サイリスタのジャンクション温度は上昇し、ゲー
トブロックを行うと素子が破壊される温度に達する。サ
イリスタのジャンクション温度はサイリスタバルブのア
ームを流れる電流に関係するので、ゲートブロック信号
が入力された後にサイリスタバルブのアームを流れる電
流が所定値以上の場合にはゲートブロックすることなく
サイリスタバルブに順方向電圧が印加されるとゲートパ
ルスを与えターンオンさせることにより、ジャンクショ
ン温度が許容値を越えている状態でゲートブロックして
しまうことがないためサイリスタバルブを破壊すること
がなくなる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。本発明の第1の実施の形態
について図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本
発明の第1の実施の形態のサイリスタ変換器の構成図で
ある。ここでは、図11に示したものと同様の構成要素
については同一符号を付し説明を省略する。図11と異
なる点は、OR回路9の出力がオフディレイ18を介し
てゲートパルス発生装置4に入力される点と、起動停止
位相制御回路6からのゲートブロック信号GB1が直接
ゲートパルス発生装置4に入力される点である。
【0028】図2は、本発明の第1の実施の形態のゲー
トパルス発生装置のV相1アーム分のブロック図であ
り、リセット優先のフリップフロップ11と、セット優
先のフリップフロップ12と、OR回路13と、一方の
入力が反転となっているAND回路14と、オンディレ
イ15と、AND回路16と、パルス発生回路17と、
OR回路19と、一方の入力が反転となっているAND
回路20と、AND回路21と、パルス発生回路22
と、OR回路23とからなっている。
【0029】次に、本発明の第1の実施の形態の動作に
ついて説明する。先ず、1サイクルでゲ−トブロックが
成功した場合について、図3のタイミングチャートを参
照して説明する。
【0030】時刻t1において、サイリスタバルブ2v
のターンオンと同時にサイリスタバルブ2uにアーム短
絡が発生したと仮定すると、故障電流がサイリスタバル
ブ2vとサイリスタバルブ2uを通って流れる。従っ
て、時刻t2において故障電流がレベル検出器8の検出
レベル以上になると、OR回路9を介しオフディレイ1
8で所定時間T3引き延ばされるか或いはラッチされ、
ゲートブロック信号GB2として制御保護装置5よりゲ
ートパルス発生装置4へ出力される。尚、同時に制御保
護装置5はこれ以降PHS信号を出力しなくなる。
【0031】ゲートパルス発生装置4にゲートブロック
信号GB2が入力されると、OR回路19及びOR回路
13を経由してフリップフロップ11をリセットする。
その後、故障電流が時刻t3で一旦切れ、サイリスタバ
ルブ2vに逆電圧が印加され、この後、時刻t4にサイ
リスタバルブ2vに順電圧が加わったとする。このと
き、時刻t4−時刻t3がオンディレイ15で設定され
た設定値T1より長ければ、オンディレイ15の出力
は”1”となるので、フリップフロップ12はリセット
される。従って、フリップフロップ12の出力は”0”
となる。
【0032】よって、時刻t4においてサイリスタバル
ブ2vに順電圧が加わりFV信号が検出されてもゲート
パルスは出力されず、サイリスタバルブ2vはターンオ
フ状態となり、故障電流は流れない。
【0033】次に、1サイクルでゲ−トブロックができ
なかった場合について、図4のタイミングチャートを参
照して説明する。時刻t1において、サイリスタバルブ
2vのターンオンと同時にサイリスタバルブ2uにアー
ム短絡が発生したと仮定すると、故障電流がサイリスタ
バルブ2vとサイリスタバルブ2uを通って流れる。従
って、時刻t2において故障電流がレベル検出器8の検
出レベル以上になると、OR回路9を介しオフディレイ
18で所定時間T3引き延ばされるか或いはラッチさ
れ、ゲートブロック信号GB2として制御保護装置5よ
りゲートパルス発生装置4へ出力される。尚、同時に制
御保護装置5はこれ以降PHS信号を出力しなくなる。
【0034】ゲートパルス発生装置4にゲートブロック
信号GB2が入力されると、OR回路19及びOR回路
13を経由してフリップフロップ11をリセットする。
その後、故障電流が時刻t3で一旦切れ、サイリスタバ
ルブ2vに逆電圧が印加され、この後、時刻t4にサイ
リスタバルブ2vに順電圧が加わったとする。このと
き、交流側の波形歪みなどの影響により時刻t4−時刻
t3がオンディレイ15で設定された設定値T1より短
ければ、オンディレイ15の出力は”1”とならないの
で、フリップフロップ12はリセットされない。従っ
て、フリップフロップ12の出力は”1”のままであ
る。
【0035】よって、時刻t4においてサイリスタバル
ブ2vに順電圧が加わりFV信号が検出されるとAND
回路21の出力は”1”となりサイリスタバルブ2vに
ゲートパルスが出力されるので再びターンオンし再度故
障電流が流れ始める。このとき時刻t4においてはフリ
ップフロップ11の出力が”0”であるので、AND回
路20の出力はゲートパルスGpvが出力されると”1”
となる。従って、AND回路21の入力は両方とも”
1”となるので出力が”1”となり、パルス発生回路2
2に入力される。パルス発生回路22は信号が入力され
ると所定幅T4のパルス信号を出力する。ここで、T4
の信号幅は図示しない遮断器が開くまでの間より長く設
定しておく。
【0036】その後、故障電流が時刻t5で一旦切れ、
サイリスタバルブ2vに逆電圧が印加され、この後、時
刻t6にサイリスタバルブ2vに順電圧が加わったとす
る。このとき、時刻t6−時刻t5がオンディレイ15
で設定された設定値T1より長ければ、オンディレイ1
5の出力は”1”となるので、フリップフロップ12は
リセットされる。従って、フリップフロップ12の出力
は”0”となる。
【0037】フリップフロップ12の出力”0”は、O
R回路23に入力されるが、OR回路23の他方の入力
であるパルス発生回路22の出力は”1”であるため、
OR回路23の出力は”1”となる。従って、時刻t6
においてサイリスタバルブ2vに順電圧が加わりFV信
号が検出されると、サイリスタバルブ2vにゲートパル
スが出力されるので再びターンオンし電流が流れ始め
る。
【0038】これにより、従来のようにサイリスタのジ
ャンクション温度が許容値を越えているにも拘らず、ゲ
ートブロックすることはなく、サイリスタバルブを壊す
ことはない。
【0039】更に、時間が経過し図示しない遮断器がト
リップすることにより事故電流が零となり、交流回路と
切り離されるためサイリスタバルブは電圧が印加されな
くなりブレークダウンすることはなくなる。
【0040】以上のように、第1の実施の形態では、ア
ーム短絡などの発生時にゲートブロック失敗が生じても
サイリスタが破損することがなくなる。次に本発明の第
2の実施の形態について説明する。
【0041】図5は、本発明の第2の実施の形態のゲー
トパルス発生装置のV相1アーム分のブロック図であ
り、リセット優先のフリップフロップ11と、セット優
先のフリップフロップ12と、OR回路13と、オンデ
ィレイ15と、AND回路16と、パルス発生回路17
と、OR回路19と、OR回路23と、反転回路25
と、ワンショット回路26と、AND回路27と、フリ
ップフロップ28と、AND回路29と、オンディレイ
30とからなっている。
【0042】ここで、オンディレイ15の時限T1とオ
ンディレイ30の時限T6は次のように設定する。一般
にサイリスタのターンオフタイムはジャンクション温度
に依存しており、温度が上がるほどターンオフタイムは
増加する。従って、サイリスタバルブを部分転流失敗か
ら保護するためには、これらの時限は想定されるジャン
クション温度でのターンオフタイムより長くしておく必
要がある。
【0043】通常運転時のジャンクション温度は80〜
100度であるが、アーム短絡などにより故障電流が流
れた直後のジャンクション温度は130度以上にも達す
る。従って、通常運転時のターンオフタイムとアーム短
絡後のターンオフタイムには数十%の差が生じる。よっ
て、変換器を効率良く運転するためには図示していない
制御装置の余裕角の最小値をゲート制御装置の部分転流
失敗保護が動作しない範囲でできる限り小さくすること
が望ましい。
【0044】そこで、オンディレイ15の時限T1を通
常運転時のジャンクション温度の最大値を考慮したでき
る限り小さな値とし、オンディレイ30の時限T6はア
ーム短絡後のジャンクション温度によるターンオフタイ
ムの増加を考慮した値に設定する。
【0045】次に、本発明の第2の実施の形態の動作に
ついて説明する。先ず、1サイクルでゲ−トブロックが
成功した場合について、図6のタイミングチャートを参
照して説明する。
【0046】時刻t1において、サイリスタバルブ2v
のターンオンと同時にサイリスタバルブ2uにアーム短
絡が発生したと仮定すると、故障電流がサイリスタバル
ブ2vとサイリスタバルブ2uを通って流れる。従っ
て、時刻t2において故障電流がレベル検出器8の検出
レベル以上になると、OR回路9を介しオフディレイ1
8で所定時間T3引き延ばされるか或いはラッチされ、
ゲートブロック信号GB2として制御保護装置5よりゲ
ートパルス発生装置4へ出力される。尚、同時に制御保
護装置5はこれ以降PHS信号を出力しなくなる。
【0047】ゲートパルス発生装置4にゲートブロック
信号GB2が入力されると、OR回路19及びOR回路
13を経由してフリップフロップ11をリセットする。
更にAND回路27の出力が”1”となり、フリップフ
ロップ28をセットし、また、反転回路25の出力が”
1”となり、ワンショット回路26が動作を始め交流系
統の周期の1サイクル分のパルスを出力する。
【0048】その後、時刻t2から1サイクル以内の故
障電流が時刻t3で一旦切れ、サイリスタバルブ2vに
逆電圧が印加され、この後、時刻t4にサイリスタバル
ブ2vに順電圧が加わったとする。このとき、時刻t4
−時刻t3がオンディレイ30で設定された設定値T6
より長ければ、オンディレイ15の出力は”1”となる
ので、フリップフロップ12はリセットされる。従っ
て、フリップフロップ12の出力は”0”となる。ま
た、オンディレイ30の出力も”1”となるので、AN
D回路29の出力も”1”となり、フリップフロップ2
8はリセットされる。
【0049】よって、時刻t4においてサイリスタバル
ブ2vに順電圧が加わりFV信号が検出されてもゲート
パルスは出力されず、サイリスタバルブ2vはターンオ
フ状態となり、故障電流は流れない。
【0050】次に、1サイクルでゲ−トブロックができ
なかった場合について、図7のタイミングチャートを参
照して説明する。時刻t1において、サイリスタバルブ
2vのターンオンと同時にサイリスタバルブ2uにアー
ム短絡が発生したと仮定すると、故障電流がサイリスタ
バルブ2vとサイリスタバルブ2uを通って流れる。従
って、時刻t2において故障電流がレベル検出器8の検
出レベル以上になると、OR回路9を介しオフディレイ
18で所定時間T3引き延ばされるか或いはラッチさ
れ、ゲートブロック信号GB2として制御保護装置5よ
りゲートパルス発生装置4へ出力される。尚、同時に制
御保護装置5はこれ以降PHS信号を出力しなくなる。
【0051】ゲートパルス発生装置4にゲートブロック
信号GB2が入力されると、OR回路19及びOR回路
13を経由してフリップフロップ11をリセットする。
その後、故障電流が時刻t3で一旦切れ、サイリスタバ
ルブ2vに逆電圧が印加され、この後、時刻t4にサイ
リスタバルブ2vに順電圧が加わったとする。このと
き、交流側の波形歪みなどの影響により時刻t4−時刻
t3がオンディレイ30で設定された設定値T6より短
いとする。但し、オンディレイ15の時限T1よりは長
いとする。
【0052】この場合は、オンディレイ15の出力は”
1”となるので、フリップフロップ12はリセットされ
る。従って、フリップフロップ12の出力は”0”とな
るが、オンディレイ30の出力は”0”であるので、フ
リップフロップ28はリセットされない。従って、OR
回路23の出力は”1”のままとなる。
【0053】よって、時刻t4においてサイリスタバル
ブ2vに順電圧が加わりFV信号が検出されるとAND
回路16の出力は”1”となりサイリスタバルブ2vに
ゲートパルスが出力されるので再びターンオンし再度故
障電流が流れ始める。
【0054】その後、故障電流が時刻t5で一旦切れ、
サイリスタバルブ2vに逆電圧が印加され、この後、時
刻t6にサイリスタバルブ2vに順電圧が加わったとす
る。このとき、時刻t6−時刻t5がオンディレイ30
で設定された設定値T6より長ければ、ワンショット回
路26の出力は”0”となるので、AND回路29の出
力は”0”のままであり、フリップフロップ28はリセ
ットされないので、OR回路23の出力は”1”とな
る。
【0055】従って、時刻t6においてサイリスタバル
ブ2vに順電圧が加わりFV信号が検出されると、サイ
リスタバルブ2vにゲートパルスが出力されるので再び
ターンオンし電流が流れ始める。
【0056】これにより、従来のようにサイリスタのジ
ャンクション温度が許容値を越えているにも拘らず、ゲ
ートブロックすることはなく、サイリスタバルブを壊す
ことはない。
【0057】更に、時間が経過し図示しない遮断器がト
リップすることにより事故電流が零となり、交流回路と
切り離されるためサイリスタバルブは電圧が印加されな
くなりブレークダウンすることはなくなる。
【0058】以上のように、第2の実施の形態では、ア
ーム短絡などの発生時にゲートブロック失敗が生じても
サイリスタが破損することがなくなる。次に本発明の第
3の実施の形態について説明する。
【0059】図8は、本発明の第3の実施の形態のサイ
リスタ変換器の構成図であり、図11に示した従来の構
成と異なる点は、サイリスタバルブを構成するサイリス
タを冷却する冷媒の温度を検出するサイリスタ冷媒温度
検出器31と、電流検出器7a、7b、7c及びサイリ
スタ冷媒温度検出器31からのアナログ信号をデジタル
信号に変換するA/D変換器32と、サイリスタの温度
を演算するマイクロコンピュータ33とが新たに追加さ
れた点である。
【0060】マイクロコンピュータ33では、電流検出
器7a、7b、7c及びサイリスタ冷媒温度検出器31
からの信号に基づき、次の手順でリアルタイムでサイリ
スタの温度を計算し、その値が所定値以上の場合にはサ
イリスタのジャンクション温度が高いとしてTJH信号
をゲートパルス発生装置4に出力する。
【0061】 STEP1…電流検出値からサイリスタ電流を計算す
る。 STEP2…サイリスタ電流からサイリスタ電圧を計算
する。 STEP3…サイリスタ電流とサイリスタ電圧とからサ
イリスタの発熱量を計算する。
【0062】STEP4…サイリスタの発熱量、冷媒温
度、サイリスタの熱抵抗、サイリスタと冷却フィン間の
熱抵抗からサイリスタのジャンクション温度を計算す
る。各熱抵抗などのデータは、予めマイクロコンピュー
タに与えておく。
【0063】STEP5…サイリスタのジャンクション
温度が所定値以上の場合には、THJ信号を”1”とし
て、ジャンクション温度が所定値以下の場合には、TH
J信号を”0”とする。
【0064】この所定値はサイリスタが通常の耐電圧性
能を確保することができる温度で予めデータとしてマイ
クロコンピュータに与えておく。 STEP6…STEP1に戻る。
【0065】このようにして得られたTHJ信号を用い
て、第3の実施の形態のゲートパルス発生装置4は構成
される。図9は、本発明の第3の実施の形態のゲートパ
ルス発生装置4のV相1アーム分のブロック図であり、
図12に示した従来のゲートパルス発生装置と異なる点
は、AND回路14の入力として反転したTJH信号が
追加されている点である。
【0066】次にこの動作について説明する。まず、通
常運転時について考えると、サイリスタの温度は十分に
低いのでTJH信号は”0”であるので、従来と同様の
動作となる。
【0067】即ち、何らかの原因によりサイリスタバル
ブ2vの通電中にサイリスタバルブ2uが短絡故障を発
生した場合には、故障電流がサイリスタバルブ2vとサ
イリスタバルブ2uを通って流れる。そして事故電流を
電流検出器7aにより検出し、レベル検出器8によりそ
の値が所定値を越えたときにはOR回路9の出力GB2
が”1”となり、OR回路10を経由してゲートパルス
発生装置4に送られフリップフロップ11をリセットす
る。また、この1サイクル目の過電流に対しては通常ジ
ャンクション温度は所定値以下であるので、マイクロコ
ンピュータ33の出力TJH信号は”0”である。従っ
て、通電中のサイリスタバルブは次に逆電圧が印加され
その期間がT1以上であればフリップフロップ12をリ
セットするので、サイリスタバルブ2vはゲートブロッ
クが完了し、短絡電流は流れなくなる。
【0068】次に、交流側の歪みなどにより、サイリス
タバルブ2vがT1以上の逆電圧期間を確保できなかっ
た場合について考える。この場合は、通常運転時と途中
までは同じであるが、サイリスタバルブ2vがT1以上
の逆電圧期間を確保できていないので、サイリスタバル
ブ2vに順電圧が印加されFV信号vが”1”になった
ときには、オンディレイ15の出力が”0”のままであ
るため、フリップフロップ12がリセットされない。よ
って、AND回路16の入力が共に”1”であるので、
出力も”1”となり、ゲートパルスがサイリスタバルブ
2vに与えられるのでサイリスタバルブ2vは再びター
ンオンし、短絡電流が流れ続ける。
【0069】そして、2サイクル目で再びサイリスタバ
ルブ2vに逆電圧が印加されるが、たとえ、このサイリ
スタバルブ2vに逆電圧が印加される期間がT1以上で
あっても、サイリスタのジャンクション温度が所定値以
上であるとマイクロコンピュータ33の出力TJH信号
が”1”となるので、AND回路14の出力は”0”と
なり、フリップフロップ12はリセットされない。よっ
て、その後サイリスタバルブ2vに順電圧が印加される
とゲートパルスがサイリスタバルブ2vに与えられター
ンオンする。よって、サイリスタバルブが所定の耐圧を
維持できないような高温条件下では、サイリスタバルブ
は直ちにターンオンするので、高い電圧が印加されるこ
とはなく、ブレークダウンするおそれがなくなる。
【0070】また、ここでは、電流検出器7a、7b、
7c及びサイリスタ冷媒温度検出器31からの信号に基
づき、サイリスタのジャンクション温度を演算により求
め、その値が所定値を越えた場合にTJH信号を出力す
るようにしたが、簡単に電流検出器7a、7b、7cの
出力が所定値を越えた場合にTJH信号を出力するよう
にしても問題のない範囲の誤差で適用できる。
【0071】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。図10は、本発明の第4の実施の形態のサイ
リスタ変換器の構成図である。図1に示した第1の実施
の形態と異なる点は、事故電流の検出を電流検出器7
a、7b、7cの出力のうち最大値を選択する最大値選
択回路24と、最大値選択回路24の出力が所定値を越
えたことでアーム短絡の有無を検出するレベル検出回路
8とから行うようにした点である。このようにして構成
しても、事故電流の検出を行うことができる。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のサイリス
タ変換器によれば、アーム短絡などの発生時にゲートブ
ロック失敗が生じてもサイリスタが破損することがなく
システム停止を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のサイリスタ変換器
の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態のゲートパルス発生
装置のV相1アーム分のブロック図。
【図3】本発明の第1の実施の形態のタイミングチャー
ト。
【図4】本発明の第1の実施の形態のタイミングチャー
ト。
【図5】本発明の第2の実施の形態のゲートパルス発生
装置のV相1アーム分のブロック図。
【図6】本発明の第2の実施の形態のタイミングチャー
ト。
【図7】本発明の第2の実施の形態のタイミングチャー
ト。
【図8】本発明の第3の実施の形態のサイリスタ変換器
の構成図。
【図9】本発明の第3の実施の形態のゲートパルス発生
装置のV相1アーム分のブロック図。
【図10】本発明の第4の実施の形態のサイリスタ変換
器の構成図。
【図11】従来のサイリスタ変換器の構成図。
【図12】従来のゲートパルス発生装置のV相1アーム
分のブロック図。
【符号の説明】
1・・・変換器用変圧器 2u〜2z・・・サイリスタバルブ 3・・・サイリスタブリッジ 4・・・ゲートパルス発生装置 5・・・制御保護装置 6・・・起動停止位相制御回路 7a〜7c・・・電流検出器 8・・・レベル検出器 9、10、13、19、23・・・OR回路 11、12、28・・・フリップフロップ 14、16、20、21、27、29・・・AND回路 15、30・・・オンディレイ 17・・・パルス発生回路 18・・・オフディレイ 22、26・・・ワンショット回路 24・・・最大値選択回路 25・・・反転回路 31・・・サイリスタ冷媒温度検出器 32・・・A/D変換器 33・・・マイクロコンピュータ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のサイリスタにて構成されるサイリ
    スタバルブのアームを流れる電流を検出する電流検出手
    段と、この電流検出手段で検出された電流が所定値を越
    えるとゲートブロック信号を出力し前記サイリスタへの
    位相制御信号の出力を停止すると共にサイリスタバルブ
    の入力を停止する制御保護手段と、この制御保護手段か
    らのゲートブロック信号が入力された後にターンオフタ
    イムが確保できずターンオフに失敗した場合にはターン
    オフに失敗したアームのみ所定期間ゲートブロックする
    ことなく前記サイリスタバルブに順方向電圧が印加され
    るとゲートパルスを与えターンオンさせるゲ−トパルス
    発生手段とを具備したことを特徴とするサイリスタ変換
    器。
  2. 【請求項2】 前記所定期間は、交流側に設けられた遮
    断器が開放する時間より長くしたことを特徴とする請求
    項1記載のサイリスタ変換器。
  3. 【請求項3】 前記ターンオフの失敗をゲートブロック
    信号が入力された後にゲートパルスがサイリスタバルブ
    に与えられたことにより検出することを特徴とする請求
    項1記載のサイリスタ変換器。
  4. 【請求項4】 前記ターンオフの失敗をゲートブロック
    信号が入力された後サイリスタバルブに第2の所定期間
    以上の逆電圧が印加されないことにより検出することを
    特徴とする請求項1記載のサイリスタ変換器。
  5. 【請求項5】 前記第2の所定期間は、アーム短絡が発
    生したときのサイリスタのジャンクション温度でのター
    ンオフタイムよりも長くしたことを特徴とする請求項4
    記載のサイリスタ変換器。
  6. 【請求項6】 複数のサイリスタにて構成されるサイリ
    スタバルブのアームを流れる電流を検出する電流検出手
    段と、この電流検出手段で検出された電流が所定値を越
    えるとゲートブロック信号を出力し前記サイリスタへの
    位相制御信号の出力を停止すると共にサイリスタバルブ
    の入力を停止する制御保護手段と、前記サイリスタバル
    ブを構成するサイリスタのジャンクション温度を検出す
    るジャンクション温度検出手段と、前記制御保護手段か
    らのゲートブロック信号が入力された後にジャンクショ
    ン温度が所定値以上の場合にはゲートブロックすること
    なく前記サイリスタバルブに順方向電圧が印加されると
    ゲートパルスを与えターンオンさせるゲ−トパルス発生
    手段とを具備したことを特徴とするサイリスタ変換器。
  7. 【請求項7】 前記ジャンクション温度検出手段は、前
    記サイリスタバルブを構成するサイリスタを冷却する冷
    媒の温度を測定する冷媒温度測定手段と、この冷媒温度
    測定手段の出力と前記電流検出手段の出力とを基にジャ
    ンクション温度を演算する演算手段とからなることを特
    徴とする請求項6記載のサイリスタ変換器。
  8. 【請求項8】 複数のサイリスタにて構成されるサイリ
    スタバルブのアームを流れる電流を検出する電流検出手
    段と、この電流検出手段で検出された電流が所定値を越
    えるとゲートブロック信号を出力し前記サイリスタへの
    位相制御信号の出力を停止すると共にサイリスタバルブ
    の入力を停止する制御保護手段と、この制御保護手段か
    らのゲートブロック信号が入力された後に前記電流検出
    手段で検出された電流が所定値以上の場合にはゲートブ
    ロックすることなく前記サイリスタバルブに順方向電圧
    が印加されるとゲートパルスを与えターンオンさせるゲ
    −トパルス発生手段とを具備したことを特徴とするサイ
    リスタ変換器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001197745A (ja) * 2000-01-07 2001-07-19 Mitsubishi Electric Corp 電力変換装置の保護制御方法および保護制御装置
KR20040016475A (ko) * 2002-08-17 2004-02-25 학교법인 두원학원 전력공급장치의 연계보호회로
JP2017147924A (ja) * 2016-02-19 2017-08-24 エルエス産電株式会社Lsis Co., Ltd. 逆並列サイリスタの故障検出器
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