JP2004088858A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】直流短絡が継続しても、電源側からの続流で被害が拡大することを防止することが出来る電力変換装置を得ることを目的とする。
【解決手段】電源の交流電圧を直流に変換する第1の電力変換器1、第1の電力変換器1の直流側に接続された直流コンデンサ3、直流コンデンサ3の電圧を交流に変換し負荷に供給する第2の電力変換器2、および直流コンデンサ3と第2の電力変換器2の直流側との間に挿入された第1のスイッチ4を備える。第2の電力変換器2に直流短絡が発生すると、第1のスイッチ4をオフすることにより、直流コンデンサ3から第2の電力変換器2に流れる放電電流と第1の電力変換器1を介して電源から第2の電力変換器2に流れる続流とを同時に遮断する。
【選択図】 図1
【解決手段】電源の交流電圧を直流に変換する第1の電力変換器1、第1の電力変換器1の直流側に接続された直流コンデンサ3、直流コンデンサ3の電圧を交流に変換し負荷に供給する第2の電力変換器2、および直流コンデンサ3と第2の電力変換器2の直流側との間に挿入された第1のスイッチ4を備える。第2の電力変換器2に直流短絡が発生すると、第1のスイッチ4をオフすることにより、直流コンデンサ3から第2の電力変換器2に流れる放電電流と第1の電力変換器1を介して電源から第2の電力変換器2に流れる続流とを同時に遮断する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自己消弧素子を用いた電力変換装置の直流短絡時の自己消弧素子の保護に関し、特に上記直流短絡に伴う被害の拡大を防止するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、例えば、特願2001−337330に示された従来の電力変換装置における主回路および保護制御回路を示す図である。図において、1は第1の電力変換器で、電源の交流電圧を直流に変換して端子P、Nに供給する。2は第2の電力変換器で、直流電圧を交流に変換して負荷に供給する。3は直流コンデンサ、4は自己消弧素子とダイオードとからなるスイッチである。5、6U、6Xはゲート回路、7はスイッチ4のコレクタ電圧を検出する電圧検出器、8は直流短絡制御回路である。
【0003】
次に、第2の電力変換器2内の素子の故障で直流短絡が発生した場合の動作について説明する。破線の経路で直流短絡電流ISが流れると、スイッチ4のコレクタ電圧vce4が基準電圧値vcerを越えて比較器8bの出力がHに反転する。ゲート指令信号S4’はHであり、AND回路8bの出力もHに反転して保持回路8cの出力はHからLに反転した状態で保持される。その結果、ゲート信号S4、S2U、S2Xはすべて強制的にL状態に保持され、それぞれゲート回路5、6U、6Xを経由してそれぞれスイッチ4、第2の電力変換器2のアーム2Uおよび2X内素子をオフする。
以上のように、スイッチ4の電圧を監視して直流短絡の発生を検出し、スイッチ4および第2の電力変換器2の全アーム内素子をオフすることにより、速やかに直流短絡電流を遮断できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電力変換装置においては、直流短絡に対して以上のような保護制御が成されるが、万が一、直流短絡時に第2の電力変換器2のアーム2U、2X内の素子が破損し直流短絡が継続すると、直流コンデンサ3からの放電は阻止されるが、電源側の図示しない開閉器が開放されるまで、電源から第1の電力変換器1を介して直流短絡個所に続流が流れ、他の健全部分、例えば、第1の電力変換器1内素子まで破損が拡大する恐れがあった。
【0005】
この発明は、以上のような問題点を解消するためになされたもので、直流短絡が継続しても、電源側からの続流で被害が拡大することを防止することが出来る電力変換装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電力変換装置は、第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された直流コンデンサ、スイッチング素子を有し上記直流コンデンサの電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記直流コンデンサと上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第1のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0007】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子Pに一端が接続されたP側の直流コンデンサ、自己消弧素子を有し上記P側の直流コンデンサの他端と上記端子Cとの間に接続されたP側の第1のスイッチ手段、上記端子Nに一端が接続されたN側の直流コンデンサ、自己消弧素子を有し上記N側の直流コンデンサの他端と上記端子Cとの間に接続されたN側の第1のスイッチ手段、第1の交流回路の電圧を直流に変換して上記P側の直流コンデンサの両端に出力するP側の交流直流変換手段、上記第1の交流回路の電圧を直流に変換して上記N側の直流コンデンサの両端に出力するN側の交流直流変換手段、およびスイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0008】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続されたP側の直流コンデンサ、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサ、第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第1のスイッチ手段、および上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第1のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0009】
また、この発明に係る電力変換装置は、第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し上記直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記直列接続体と上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第2のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0010】
また、この発明に係る電力変換装置は、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、この直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記交流直流変換手段の直流側と上記直列接続体との間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0011】
また、この発明に係る電力変換装置は、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し上記直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記直列接続体と上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第2のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段の直流側と上記直列接続体との間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2の両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断し、上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0012】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第2のスイッチ手段、および上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第2のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0013】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記交流直流変換手段のP側端子と上記端子Pとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第3のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段のN側端子と上記端子Nとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0014】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第2のスイッチ手段、上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第2のスイッチ手段、上記交流直流変換手段のP側端子と上記端子Pとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第3のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段のN側端子と上記端子Nとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2の両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断し、上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0015】
また、この発明に係る電力変換装置は、その第1のスイッチ手段の電圧を検出する電圧検出手段を備え、この電圧検出手段の出力が所定の設定値を越えたとき直流短絡が発生したと判別するものである。
【0016】
また、この発明に係る電力変換装置は、その第1のスイッチ手段を互いに直列に接続された複数の自己消弧素子で構成する場合、
上記電圧検出手段を上記複数の自己消弧素子のそれぞれに設け、これら複数の電圧検出手段のいずれかの出力が所定の設定値を越えたとき直流短絡が発生したと判別するものである。
【0017】
また、この発明に係る電力変換装置は、その第1のスイッチ手段を互いに直列に接続された複数の自己消弧素子で構成する場合、
ゲート用交流電源が接続される1次巻線と中点端子Cを含むP、C、N3端子を設けた2次巻線とを有する第1の絶縁変圧器、および上記複数の自己消弧素子のそれぞれに設けられた第2の絶縁変圧器を備え、上記第1の絶縁変圧器はその中点端子Cを3レベル直流端子の端子Cに接続し、上記第2の絶縁変圧器は、上記端子Cに最も近い自己消弧素子に設けられるP側およびN側の第1番目の変圧器の1次側をそれぞれ上記第1の絶縁変圧器の端子P、Cおよび端子C、Nに接続し、上記第1番目の変圧器の2次側から第2番目以降の変圧器は順次カスケードに接続し、上記各第2の絶縁変圧器の2次側から当該自己消弧素子にゲート用電力を供給するゲート電源供給回路を備えたものである。
【0018】
また、この発明に係る電力変換装置は、端子PまたはNに最も近い自己消弧素子に設けられる第2の絶縁変圧器の2次側の電圧を検出する電圧検出手段を備え、この電圧検出手段の出力が所定の設定値未満となったときゲート電源供給異常と判別するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。図において、1は、交流直流変換手段としての第1の電力変換器(コンバータ)で、第1の交流回路である電源の交流電力を直流電力に変換し、直流コンデンサ3に供給する。図は、1相分のみ示す。2は、1相分のアーム2Uと2Xがそれぞれ自己消弧素子と逆並列接続されたダイオードとで構成された、直流交流変換手段としての第2の電力変換器(インバータ)で、この直流回路の端子P、Nに接続されて直流電力を交流電力に変換し、第2の交流回路である負荷に供給する。4は自己消弧素子と逆並列接続されたダイオードとで構成された第1のスイッチ(第1のスイッチ手段)で、直流コンデンサ3と第2の電力変換器2の直流側との間に挿入されている。
【0020】
5はこの第1のスイッチ4のゲート回路、6Uと6Xはそれぞれ第2の電力変換器2のアーム2Uと2Xのゲート回路である。7は第1のスイッチ4のコレクタ電圧Vce4を検出する第1の電圧検出器、8はこの第1の電圧検出器7からの出力信号vce4に基づいて第1のスイッチ4および第2の電力変換器2アーム内素子のゲートを制御する直流短絡制御回路である。第1の電圧検出器7の出力信号vce4は比較器8aで基準電圧vcerと比較される。この比較器8aの出力は上位の制御回路(図示せず)から与えられる第1のスイッチ4のゲート指令信号S4’とAND回路8bでAND演算され、保持回路8cに与えられる。この保持回路8cの出力は、AND回路8d,8e、8fに与えられ、上位の制御回路(図示せず)から与えられるゲート指令信号S4’、第2の電力変換器2のアーム2Uおよび2X内素子のゲート指令信号S2U’、およびS2X’とAND演算される。このAND回路8d、8e、8fの出力信号S4、S2U、S2Xはそれぞれゲート回路5、6U、6Xに与えられる。
【0021】
次に動作について説明する。
第2の電力変換器2のアーム2U、2X内素子が導通し、破線の経路で示す直流短絡電流ISが流れると、第1のスイッチ4内素子のコレクタ電圧Vce4が大きくなり、その電圧値が基準電圧値vcerを越えると、比較器8aの出力はHに反転する。一方、第1のスイッチ4内素子は通常導通しているので、ゲート指令信号S4’はHであり、AND回路8bの出力もHに反転して保持回路8cの出力はHからLに反転した状態で保持される。その結果、ゲート信号S4、S2U、S2Xはすべて強制的にL状態に保持され、それぞれゲート回路5、6U、6Xを経由してそれぞれ第1のスイッチ4、第2の電力変換器2のアーム2Uおよび2X内素子をオフする。
【0022】
これにより、このときスイッチ4に流れていた図中破線で示す直流短絡電流ISが遮断されると同時に、第1の電力変換器1を介して電源から第2の電力変換器2に流れる続流ISL(図中一点鎖線で示す)も同時に遮断される。
このように、第2の電力変換器2のアーム2U、2X内素子が破損しても第1の電力変換器1からの続流がスイッチ4で遮断されるので、第1の電力変換器1等の関連機器に事故が波及する恐れがなくなる。
なお、通常運転中にスイッチ4に流れる電流は、第2の電力変換器2に流れる電流と同程度になるので、スイッチ4の電流耐量は第2の電力変換器2のそれと同程度の値に設定する必要がある。
【0023】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。図において、21は電源の接続された開閉器、20は変圧器であって、2次側と3次側が30°の位相差を有する多相変圧器で構成され、それぞれP側の第1の電力変換器1PとN側の第1の電力変換器1Nに接続されて、いわゆる12相整流回路を構成する。このP側の第1の電力変換器1Pの直流側はP側の直流コンデンサ3Pに接続され、N側の第1の電力変換器1Nの直流側はN側の直流コンデンサ3Nに接続されている。
2Aは3レベルインバータで構成された第2の電力変換器であって、自己消弧素子からなるアームT1〜T4で1相分が構成される。このアームT1〜T4は具体的には逆並列に接続されたダイオードを有するIGBTであって、3レベル直流端子の端子P(正電位)、N(負電位)間に直列接続される。CD1およびCD2はクランプダイオードであって、アームT1とT2との中間点とアーム素子T3とT4との中間点との間に直列接続され、このクランプダイオードCD1とCD2との中間点は端子C(中間電位)に接続される。
【0024】
4PはP側の第1のスイッチであって、P側の直流コンデンサ3Pの下端と端子Cとの間に接続される。4NはN側の第1のスイッチであって、N側の直流コンデンサ3Nの上端と端子Cとの間に接続される。このP側の第1のスイッチ4PとN側の第1のスイッチ4Nは自己消弧素子からなり、具体的には逆並列に接続されたダイオードを有するIGBTである。
7Pおよび7NはP側およびN側の第1の電圧検出器であって、それぞれP側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nに並列接続される。5Pおよび5Nはゲート回路であって、それぞれP側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nのゲートに接続される。6T1〜6T4はゲート回路であって、それぞれ第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子のゲートに接続される。
19は直流短絡制御回路であって、P側およびN側の第1の電圧検出器7P、7Nの出力に基いて直流短絡が発生したことを検出し、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子を一斉にオフ制御する機能を有する。
【0025】
次に動作について説明する。第2の電力変換器2AのアームT1〜T3内素子が導通し、直流端子P、C間で直流短絡が発生した場合には破線の経路で直流短絡電流ISが流れるとともに、一点鎖線の経路で電源側からの続流ISLが流れる。このとき、P側の第1のスイッチ4Pのコレクタ電圧Vce4Pが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19の比較器19aの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときP側の第1のスイッチ4Pに流れていた直流短絡電流ISおよび続流ISLは同時に遮断される。
また、第2の電力変換器2AのアームT2〜T4内素子が導通し、直流端子C、N間で直流短絡が発生した場合には、N側の第1のスイッチ4Nのコレクタ電圧Vce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19の比較器19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。
【0026】
また、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子が導通し、直流端子P、N間で直流短絡が発生した場合にはP側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nのコレクタ電圧Vce4PおよびVce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19の比較器19aおよび19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。
【0027】
ここで通常運転中にP側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nに流れる電流は、第2の電力変換器2Aに流れる電流と同程度に増加するので、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nの電流耐量は、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子と同じ程度の耐量が必要となる。
【0028】
なお、図2では簡単のため、変圧器20とP側およびN側の第1の電力変換器1P、1Nで12相整流回路を構成したものを示したが、24相以上の多相整流回路を構成したものであってもよく、同様の効果を奏する。また第2の電力変換器2AにおいてクランプダイオードCD1とCD2で構成したものについて説明したが、このクランプダイオードCD1およびCD2のそれぞれと逆並列接続された自己消弧素子を備えたIGBTなどであってもよい。
【0029】
また、図2では、P側およびN側の直流コンデンサ3P、3Nと第2の電力変換器2Aの直流側との間に挿入するP側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nを、中性点である端子C側に挿入したが、それぞれ端子Pおよび端子N側に挿入するようにしてもよい。
即ち、P側の第1のスイッチ4Pを端子Pと端子P2との間に挿入し、N側の第1のスイッチ4Nを端子Nと端子N2との間に挿入するようにしても同様の効果が得られる。
【0030】
以上のように、P側およびN側の第1の電力変換器1P、1Nを直接直列接続することなく、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと直列接続構成し、P側の直流コンデンサ3PとN側の直流コンデンザ3NをそれぞれP側およびN側の第1の電力変換器1P、1Nに並列接続する構成として、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nの電圧を監視して直流短絡の発生を検出し、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと第2の電力変換器2Aの全アーム内素子をオフすることにより、速やかに直流短絡電流および電源からの続流を同時に遮断できるので、直流短絡による関連機器への被害波及を防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0031】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。実施の形態1と同様、直流短絡電流と電源からの続流を同時に遮断するものであるが、第1のスイッチ4は従来の図9と同様、直流コンデンサ3と直列にして端子P、N間に接続され、第1の電力変換器1の直流側もこの端子P、N間に接続されている。そして、直流コンデンサ3と第1のスイッチ4との直列接続体と第2の電力変換器2の直流側との間に、別途、自己消弧素子と逆並列接続されたダイオードとで構成された第2のスイッチ(第2のスイッチ手段)9が挿入されている。10はこの第2のスイッチ9のゲート回路である。
【0032】
次に動作について説明する。
第2の電力変換器2のアーム2U、2X内素子が導通し、破線の経路で示す直流短絡電流ISが流れると、第1のスイッチ4内素子のコレクタ電圧Vce4が大きくなり、その電圧値が基準電圧値vcerを越えると、比較器8aの出力はHに反転する。一方、第1のスイッチ4内素子は通常導通しているので、ゲート指令信号S4’はHであり、AND回路8bの出力もHに反転して保持回路8cの出力はHからLに反転した状態で保持される。その結果、ゲート信号S4、S2U、S2Xはすべて強制的にL状態に保持され、それぞれゲート回路5、10、6U、6Xを経由してそれぞれ第1のスイッチ4、第2のスイッチ9、第2の電力変換器2のアーム2Uおよび2X内素子をオフする。
【0033】
これにより、このときスイッチ4に流れていた図中破線で示す直流短絡電流ISが遮断されると同時に、第1の電力変換器1を介して電源から第2の電力変換器2に流れる続流ISL(図中一点鎖線で示す)も同時に遮断される。
このように、第2の電力変換器2のアーム2U、2X内素子が破損しても第1の電力変換器1からの続流がスイッチ9で遮断されるので、第1の電力変換器1等の関連機器に事故が波及する恐れがなくなる。
なお、通常運転中にスイッチ9に流れる電流は、第2の電力変換器2に流れる電流と同程度になるので、スイッチ9の電流耐量は第2の電力変換器2のそれと同程度の値に設定する必要があるが、第1のスイッチ4については電流耐量は低減できる。
【0034】
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。ここでは、第1の電力変換器1の直流短絡時の保護を扱っている。図において、直流コンデンサ3と第1のスイッチ4との直列接続体と第1の電力変換器1の直流側との間に、自己消弧素子と逆並列接続されたダイオードとで構成された第3のスイッチ(第3のスイッチ手段)11が挿入されている。12はこの第3のスイッチ11のゲート回路である。
【0035】
次に動作について説明する。
第1の電力変換器1内の素子が導通し、破線の経路で示す直流短絡電流IS2が流れると、第1のスイッチ4内素子のコレクタ電圧Vce4が大きくなり、その電圧値が基準電圧値vcerを越えると、比較器8aの出力はHに反転する。一方、第1のスイッチ4内素子は通常導通しているので、ゲート指令信号S4’はHであり、AND回路8bの出力もHに反転して保持回路8cの出力はHからLに反転した状態で保持される。その結果、ゲート信号S4、S2U、S2Xはすべて強制的にL状態に保持され、それぞれゲート回路5、12、6U、6Xを経由してそれぞれ第1のスイッチ4、第3のスイッチ11、第2の電力変換器2のアーム2Uおよび2X内素子をオフする。
【0036】
これにより、このときスイッチ4に流れていた図中破線で示す直流短絡電流IS2が遮断されると同時に、第2の電力変換器2を介して負荷から第1の電力変換器1に流れる続流ISL2(図中一点鎖線で示す)も同時に遮断される。
このように、第1の電力変換器1内の素子が破損しても第2の電力変換器2からの続流がスイッチ11で遮断されるので、第2の電力変換器2等の関連機器に事故に波及する恐れがなくなる。
なお、第1の電力変換器1を第2の電力変換器2と同様、IGBT等で構成し、直流短絡を検出すると第1の電力変換器1の素子も同時にオフさせるようにしてもよい。
【0037】
なお、図示は省略するが、実施の形態3の図3で説明した第2のスイッチ9と、実施の形態4の図4で説明した第3のスイッチ11との両者を採用する構成としてもよい。即ち、直流コンデンサ3と第1のスイッチ4との直列接続体と第2の電力変換器2の直流側との間に第2のスイッチ9を挿入するとともに、上記直列接続体と第1の電力変換器1の直流側との間に第3のスイッチ11を挿入する。
この構成を採用すれば、第2の電力変換器2と第1の電力変換器1のいずれで生じた直流短絡に対しても、直流短絡電流と続流との同時遮断が可能となり、直流短絡保護がより完全になされ信頼度が向上する。
【0038】
実施の形態5.
図5は、この発明の実施の形態5における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。実施の形態3を、直流3レベルの回路に適用したものである。
図において、9PはP側の第2のスイッチであって直流端子Pと第2の電力変換器2Aの直流側端子P2との間に接続され、9NはN側の第2のスイッチであって直流端子Nと第2の電力変換器2Aの直流側端子N2との間に接続される。このP側の第2のスイッチ9PとN側の第2のスイッチ9Nは自己消弧素子からなり、具体的には逆並列に接続されたダイオードを有するIGBTである。10Pおよび10NはそれぞれP側の第2のスイッチ9PおよびN側の第2のスイッチ9Nのゲート回路であって、直流短絡制御回路19の信号S4に基いてP側の第2のスイッチ9PおよびN側の第2のスイッチ9Nを導通制御する。
【0039】
次に動作について説明する。第2の電力変換器2AのアームT1〜T3内素子が導通し、直流端子P2、C間で直流短絡が発生した場合には破線の経路で直流短絡電流ISが流れるとともに一点鎖線の経路で電源側からの続流ISLが流れる。このとき、P側の第1のスイッチ4Pのコレクタ電圧Vce4Pが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19の比較器19aの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときP側の第2のスイッチ9Pに流れていた直流短絡電流ISおよび続流ISLは同時に遮断される。
また、第2の電力変換器2AのアームT2〜T4内素子が導通し、直流端子C、N2間で直流短絡が発生した場合にはN側の第1のスイッチ4Nのコレクタ電圧Vce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19の比較器19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。
また、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子が導通し、直流端子P2、N2間で直流短絡が発生した場合にはP側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nのコレクタ電圧Vce4PおよびVce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19の比較器19aおよび19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。
【0040】
以上のように、第2の電力変換器2Aの直流端子P2およびN2側にそれぞれ第2のスイッチ9Pおよび9Nを直列に接続する構成として、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nの電圧を監視して直流短絡の発生を検出し、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、第2の電力変換器2Aの全アーム内素子をオフすることにより、速やかに直流短絡電流および電源からの続流を同時に遮断できるので、直流短絡のよる関連機器への被害波及を防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0041】
なお、上記実施の形態5の図5の回路は、実施の形態3を直流3レベルの回路に適用したものであるが、同様の要領により、図示は省略するが、先に説明した実施の形態4を直流3レベルの回路に適用することもできる。
【0042】
実施の形態6.
図6は、この発明の実施の形態6における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。実施の形態2および5に記載した第1の電力変換器1Pおよび1Nの替わりに、第2の電力変換器2Aと同じ構成の、自己消弧素子を使用した自励式電力変換器で構成した場合における直流短絡電流および続流を同時遮断する保護方式に関するものである。
図において、1Aは第2の電力変換器と同じ3レベルインバータ方式の第1の電力変換器(3レベルコンバータ)である。22は交流リアクトルであって、開閉器21とこの第1の電力変換器1A間に接続される。11PはP側の第3のスイッチであって第1の電力変換器1Aの直流端子P1と直流端子Pとの間に接続される。11NはN側の第3のスイッチであって第1の電力変換器1Aの直流端子N1と直流端子Nとの間に接続される。
このP側の第3のスイッチ11PとN側の第3のスイッチ11Nは、自己消弧素子からなり、具体的には逆並列に接続されたダイオードを有するIGBTである。19Aは直流短絡制御回路であって、先の直流短絡制御回路19内の第2の電力変換器2Aへの一斉ゲートオフ論理と同じ構成のものを、第1の電力変換器1Aへの一斉ゲートオフ論理用に追加している。
【0043】
次に動作について説明する。第2の電力変換器2AのアームT1〜T3内素子が導通し、直流端子P2、C間で直流短絡が発生した場合には、破線の経路で直流短絡電流ISが流れるとともに一点鎖線の経路で電源側からの続流ISLが流れる。このとき、P側の第1のスイッチ4Pのコレクタ電圧Vce4Pが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19Aの比較器19aの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、P側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nと、第1の電力変換器1AのアームT1〜T4内素子と、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときP側の第2のスイッチ9Pに流れていた直流短絡電流ISおよび続流ISLは同時に遮断される。
【0044】
第2の電力変換器2AのアームT2〜T4内素子が導通し、直流端子C、N2間で直流短絡が発生した場合には、N側の第1のスイッチ4Nのコレクタ電庄Vce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19Aの比較器19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、P側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nと、第1の電力変換器1AのアームTI〜T4内素子と、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときN側の第2のスイッチ9Nに流れていた直流短絡電流ISおよび続流ISLは同時に遮断される。
【0045】
また、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子が導通し、直流端子P2、N2間で直流短絡が発生した場合には、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nのコレクタ電圧Vce4PおよびVce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19Aの比較器19aおよび19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、P側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nと、第1の電力変換器1AのアームT1〜T4内素子と、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときP側およびN側の第2のスイッチ9Pおよび9Nに流れていた直流短絡電流ISおよび続流ISLは同時に遮断される。
【0046】
更に、第1の電力変換器1AのアームT1〜T3内素子が導通し、直流端子P1、C間で直流短絡が発生した場合には、破線の経路で直流短絡電流IS2が流れるとともに一点鎖線の経路で負荷側からの続流ISL2が流れる。このとき、P側の第1のスイッチ4Pのコレクタ電圧Vce4Pが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19Aの比較器19aの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、P側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nと、第1の電力変換器1AのアームT1〜T4内素子と、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときP側の第3のスイッチ11Pに流れていた直流短絡電流IS2および続流ISL2は同時に遮断される。
【0047】
第1の電力変換器1AのアームT2〜T4内素子が導通し、直流端子C、N1間で直流短絡が発生した場合には、N側の第1のスイッチ4Nのコレクタ電圧Vce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19Aの比較器19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、P側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nと、第1の電力変換器1AのアームT1〜T4内素子と、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときN側の第3のスイッチ11Nに流れていた直流短絡電流IS2および続流ISL2は同時に遮断される。
【0048】
また、第1の電力変換器1AのアームT1〜T4内素子が導通し、直流端子P1、N1間で直流短絡が発生した場合には、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nのコレクタ電圧Vce4PおよびVce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19Aの比較器19aおよび19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、P側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nと、第1の電力変換器1AのアームT1〜T4内素子と、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときP側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nに流れていた直流短絡電流IS2および続流ISL2は同時に遮断される。
【0049】
以上のように、第2の電力変換器2Aが直流短絡を発生した場合には電源側からの続流は第2のスイッチ9P、9Nで遮断され、第1の電力変換器1Aが直流短絡を発生した場合には負荷側からの続流は第3のスイッチ11P、11Nで遮断されので、直流短絡による関連機器への被害波及を防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0050】
実施の形態7.
図7は、この発明の実施の形態7における電力変換装置の一部主回路と保護制御回路を示す図である。特に、直流回路の電圧が高圧であり、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nが直列接続構成される場合の直流短絡制御回路方式に関するものである。図において、4P1および4P2は2直列接続されたP側の第1のスイッチ群、4N1および4N2は2直列接続されたN側の第1のスイッチ群である。5P1および5P2はそれぞれこのP側の第1のスイッチ群4P1および4P2のゲート回路、5N1および5N2はそれぞれこのN側の第1のスイッチ群4N1および4N2のゲート回路であって、素子電圧を検出する電圧検出器51、この電圧検出器51の出力と基準電圧vcerとを比較する比較器52およびAND回路53をこのゲート回路毎に備えて、絶縁された端子54に与えられるゲート指令がオン状態で、かつ素子電圧が基準値vcerよりも越えた場合に直流短絡の検出信号を絶縁された端子55から出力する。
19Bは直流短絡制御回路であって、ゲート回路5P1、5P2、5N1、5N2の直流短絡の検出信号SP1、SP2、SN1、SN2を入力する絶縁された端子19mから、OR回路19kを介して保持回路19eへ与えるように構成している。またゲート回路5P1、5P2、5N1、5N2へは絶縁された端子19lを介してゲート指令S4を与えている。ここでこれら絶縁された端子は具体的には光/電気変換機能を有する送信器と受信器で構成される。
【0051】
次に動作について説明する。直流端子P、C間で直流短絡が発生すると、P側の第1のスイッチ群4P1および4P2に点線で図示された直流短絡電流ISが流れてP側の第1のスイッチ群4P1および4P2のコレクタ電圧Vce4P1およびVce4P2が増加し、ゲート回路5P1および5P2内の比較器52とAND回路53の出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ群4P1、4P2内素子および4N1、4N2内素子を同時にオフして直流短絡電流ISを遮断する。
ここで素子は2直列接続で構成されているので厳密には素子特性のばらつきによりコレクタ電圧Vce4P1およびVce4P2の増加特性が異なるので、先に基準電圧vcerを越えた素子のゲート回路から直流短絡検出信号が直流短絡制御回路19Bに与えられ、一斉にゲートオフ指令を発生する。
なお、例えばゲート回路5P1の電圧検出器51が故障して直流短絡検出を行えなくとも、ゲート回路5P2の電圧検出器51が正常であれば直流短絡検出ができ、直流短絡制御回路19Bにより、一斉にゲートオフ指令を発生することができる。
【0052】
以上のように、直流短絡検出手段を直列接続された第1のスイッチ群のゲート回路毎に設けて各ゲート回路のいずれかからの先着直流短絡検出信号に基いて一斉にゲートオフ指令を発生するようにしたので、確実で信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
なお、直流短絡検出信号がHアクティブ動作の例を説明したが、ゲート回路内のAND回路53をNAND回路に変更し、さらに直流短絡制御回路19B内のOR回路19kをNAND回路に変更してLアクティブ動作にしたものであっても同様な効果を奏する。また簡単のため直列接続素子数が2個の場合について説明したが、当然ながら直列接続素子数が3個以上の場合にも適用できる。
【0053】
実施の形態8.
図8は、この発明の実施の形態8における電力変換装置の一部主回路と保護制御回路を示す図である。特に、直流回路の電圧が高圧であり、P側およびN側の第1のスイッチ4Pおよび4Nが実施の形態7と同様に直列接続構成される場合のゲート回路へのゲート電源給電方式に関するものである。図において、23は低圧の直流電源、24はこの直流電源23に接続された高周波電源回路であって直流入力をゲート用交流電源とする高周波出力に変換する。25は第1の絶縁変圧器であって、この高周波電源回路24の出力を主回路の高電圧に対して絶縁する。
この第1の絶縁変圧器25の2次側の中点が直流端子Cに接続され、2次側の両端はゲート回路5P2と5N1内の第2の絶縁変圧器56に接続される。このゲート回路5P2および5N1内のこの第2の絶縁変圧器56の2次側はAC/DC変換回路57に接続されるとともに、それぞれゲート回路5P1と5N2内の第2の絶縁変圧器56に接続され、この第2の絶縁変圧器56の出力はAC/DC変換回路57に接続され、続いて電圧検出回路58に接続される。
この電圧検出回路58の出力信号SP1’およびSN2’は、絶縁された端子59から直流短絡制御回路19C内の絶縁された端子19Pへ与えられ、NAND回路19nを介して保持回路19eに与えられる。ここでこれら絶縁された端子は具体的には光/電気変換機能を有する送信器と受信器で構成される。
【0054】
次に動作について説明する。高周波電源回路24の高周波出力は第1の絶縁変圧器25を介してゲート回路5P2の第2の絶縁変圧器56へ給電され、続いてゲート回路5P2の第2の絶縁変圧器56の2次側からゲート回路5P1の第2の絶縁変圧器56に給電されるとともに、ゲート回路5N1の第2の絶縁変圧器56へ給電され、続いてゲート回路5N1の第2の絶縁変圧器56の2次側からゲート回路5N2の第2の絶縁変圧器56に給電される。
この場合に第1の絶縁変圧器25は主回路電位の絶縁耐圧を持たなければならないのに対して、第2の絶縁変圧器56の絶縁耐圧はP側およびN側の第1のスイッチ群4P1、4P2内素子および4N1、4N2内素子の耐圧と同じでよいので、第2の絶縁変圧器56は小型化できる。
【0055】
このようにゲート回路5P2の第2の絶縁変圧器56とゲート回路5P1の第2の絶縁変圧器56はカスケード接続されるように構成されているので、たとえばカスケード接続線が断線した場合にはゲート回路5P1へゲート用電力が供給されなくなる。このためにゲート回路5P1および5N2では電圧検出回路58を備え、AC/DC変換回路57の出力電圧を監視して電圧低下が発生すると、Lアクティブの出力信号SP1’およびSN2’を発生して直流短絡制御回路19Cの保持回路19eから一斉ゲートオフ信号を発生して運転を停止する。
ここで、第1の絶縁変圧器25の2次側の中点を主回路の直流端子Cに接続するようにしているのは第1の絶縁変圧器25および第2の絶縁変圧器56内の漂遊C分によるゲート回路内の誤作動を防止するためであり、P側およびN側の初段(ゲート回路5P2および5N1)の第2の絶縁変圧器56に対して共通電位として第1の絶縁変圧器25の2次側の電位を固定している。
【0056】
以上のように、P側およびN側の直列接続された素子のゲート回路ヘゲート電力を供給する場合に、主回路絶縁耐圧をもたせた第1の絶縁変圧器の2次側を主回路の中間端子Cに固定するとともに、この第1の絶縁変圧器の2次側から、ゲート回路に備えた第2の絶縁変圧器56をP側およびN側ともに主回路の中間端子C側から順番にカスケード接続構成し、さらにゲート電力の給電異常をカスケード接続された最終段のゲート回路で検出して運転停止するようにしたので、信頼性が高く、また安価にゲート電源の給電が行える。
なお、簡単のため直列接続素子数が2個の場合について説明したが、当然ながら直列接続素子数が3個以上の場合にも適用できる。
【0057】
【発明の効果】
この発明に係る電力変換装置は、第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された直流コンデンサ、スイッチング素子を有し上記直流コンデンサの電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記直流コンデンサと上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第1のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、直流交流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0058】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子Pに一端が接続されたP側の直流コンデンサ、自己消弧素子を有し上記P側の直流コンデンサの他端と上記端子Cとの間に接続されたP側の第1のスイッチ手段、上記端子Nに一端が接続されたN側の直流コンデンサ、自己消弧素子を有し上記N側の直流コンデンサの他端と上記端子Cとの間に接続されたN側の第1のスイッチ手段、第1の交流回路の電圧を直流に変換して上記P側の直流コンデンサの両端に出力するP側の交流直流変換手段、上記第1の交流回路の電圧を直流に変換して上記N側の直流コンデンサの両端に出力するN側の交流直流変換手段、およびスイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、3レベル直流電圧を変換する直流交流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0059】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続されたP側の直流コンデンサ、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサ、第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第1のスイッチ手段、および上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第1のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、3レベル直流電圧を変換する直流交流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0060】
また、この発明に係る電力変換装置は、第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し上記直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記直列接続体と上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第2のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、直流交流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を確実に防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0061】
また、この発明に係る電力変換装置は、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、この直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記交流直流変換手段の直流側と上記直列接続体との間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、交流直流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を確実に防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0062】
また、この発明に係る電力変換装置は、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し上記直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記直列接続体と上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第2のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段の直流側と上記直列接続体との間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2の両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断し、上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、直流交流変換手段および交流直流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を確実に防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0063】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第2のスイッチ手段、および上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第2のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、3レベル直流電圧を変換する直流交流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を確実に防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0064】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記交流直流変換手段のP側端子と上記端子Pとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第3のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段のN側端子と上記端子Nとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、3レベル直流電圧に変換する交流直流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を確実に防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0065】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第2のスイッチ手段、上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第2のスイッチ手段、上記交流直流変換手段のP側端子と上記端子Pとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第3のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段のN側端子と上記端子Nとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2の両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断し、上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、3レベル直流電圧を変換する直流交流変換手段および3レベル直流電圧に変換する交流直流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を確実に防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0066】
また、この発明に係る電力変換装置は、その第1のスイッチ手段の電圧を検出する電圧検出手段を備え、この電圧検出手段の出力が所定の設定値を越えたとき直流短絡が発生したと判別するので、直流短絡の発生を確実に検出することが出来る。
【0067】
また、この発明に係る電力変換装置は、その第1のスイッチ手段を互いに直列に接続された複数の自己消弧素子で構成する場合、
上記電圧検出手段を上記複数の自己消弧素子のそれぞれに設け、これら複数の電圧検出手段のいずれかの出力が所定の設定値を越えたとき直流短絡が発生したと判別するので、信頼性の高い直流短絡検出が可能となる。
【0068】
また、この発明に係る電力変換装置は、その第1のスイッチ手段を互いに直列に接続された複数の自己消弧素子で構成する場合、
ゲート用交流電源が接続される1次巻線と中点端子Cを含むP、C、N3端子を設けた2次巻線とを有する第1の絶縁変圧器、および上記複数の自己消弧素子のそれぞれに設けられた第2の絶縁変圧器を備え、上記第1の絶縁変圧器はその中点端子Cを3レベル直流端子の端子Cに接続し、上記第2の絶縁変圧器は、上記端子Cに最も近い自己消弧素子に設けられるP側およびN側の第1番目の変圧器の1次側をそれぞれ上記第1の絶縁変圧器の端子P、Cおよび端子C、Nに接続し、上記第1番目の変圧器の2次側から第2番目以降の変圧器は順次カスケードに接続し、上記各第2の絶縁変圧器の2次側から当該自己消弧素子にゲート用電力を供給するゲート電源供給回路を備えたので、信頼性の高いゲート電源供給が可能となる。
【0069】
また、この発明に係る電力変換装置は、端子PまたはNに最も近い自己消弧素子に設けられる第2の絶縁変圧器の2次側の電圧を検出する電圧検出手段を備え、この電圧検出手段の出力が所定の設定値未満となったときゲート電源供給異常と判別するので、ゲート電源供給異常の確実な検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態2における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態3における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態4における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態5における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態6における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態7における電力変換装置の一部主回路および保護制御回路を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態8における電力変換装置の一部主回路および保護制御回路を示す図である。
【図9】従来の電力変換装置を示す図である。
【符号の説明】
1,1A 第1の電力変換器、2,2A 第2の電力変換器、
3,3P,3N 直流コンデンサ、4,4P,4N 第1のスイッチ、
7,7P,7N 第1の電圧検出器、
8,19,19A,19B,19C 直流短絡制御回路、
9,9P,9N 第2のスイッチ、11,11P,11N 第3のスイッチ、
25 第1の絶縁変圧器、51 電圧検出器、56 第2の絶縁変圧器、
58 電圧検出回路。
【発明の属する技術分野】
この発明は、自己消弧素子を用いた電力変換装置の直流短絡時の自己消弧素子の保護に関し、特に上記直流短絡に伴う被害の拡大を防止するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、例えば、特願2001−337330に示された従来の電力変換装置における主回路および保護制御回路を示す図である。図において、1は第1の電力変換器で、電源の交流電圧を直流に変換して端子P、Nに供給する。2は第2の電力変換器で、直流電圧を交流に変換して負荷に供給する。3は直流コンデンサ、4は自己消弧素子とダイオードとからなるスイッチである。5、6U、6Xはゲート回路、7はスイッチ4のコレクタ電圧を検出する電圧検出器、8は直流短絡制御回路である。
【0003】
次に、第2の電力変換器2内の素子の故障で直流短絡が発生した場合の動作について説明する。破線の経路で直流短絡電流ISが流れると、スイッチ4のコレクタ電圧vce4が基準電圧値vcerを越えて比較器8bの出力がHに反転する。ゲート指令信号S4’はHであり、AND回路8bの出力もHに反転して保持回路8cの出力はHからLに反転した状態で保持される。その結果、ゲート信号S4、S2U、S2Xはすべて強制的にL状態に保持され、それぞれゲート回路5、6U、6Xを経由してそれぞれスイッチ4、第2の電力変換器2のアーム2Uおよび2X内素子をオフする。
以上のように、スイッチ4の電圧を監視して直流短絡の発生を検出し、スイッチ4および第2の電力変換器2の全アーム内素子をオフすることにより、速やかに直流短絡電流を遮断できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電力変換装置においては、直流短絡に対して以上のような保護制御が成されるが、万が一、直流短絡時に第2の電力変換器2のアーム2U、2X内の素子が破損し直流短絡が継続すると、直流コンデンサ3からの放電は阻止されるが、電源側の図示しない開閉器が開放されるまで、電源から第1の電力変換器1を介して直流短絡個所に続流が流れ、他の健全部分、例えば、第1の電力変換器1内素子まで破損が拡大する恐れがあった。
【0005】
この発明は、以上のような問題点を解消するためになされたもので、直流短絡が継続しても、電源側からの続流で被害が拡大することを防止することが出来る電力変換装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電力変換装置は、第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された直流コンデンサ、スイッチング素子を有し上記直流コンデンサの電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記直流コンデンサと上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第1のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0007】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子Pに一端が接続されたP側の直流コンデンサ、自己消弧素子を有し上記P側の直流コンデンサの他端と上記端子Cとの間に接続されたP側の第1のスイッチ手段、上記端子Nに一端が接続されたN側の直流コンデンサ、自己消弧素子を有し上記N側の直流コンデンサの他端と上記端子Cとの間に接続されたN側の第1のスイッチ手段、第1の交流回路の電圧を直流に変換して上記P側の直流コンデンサの両端に出力するP側の交流直流変換手段、上記第1の交流回路の電圧を直流に変換して上記N側の直流コンデンサの両端に出力するN側の交流直流変換手段、およびスイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0008】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続されたP側の直流コンデンサ、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサ、第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第1のスイッチ手段、および上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第1のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0009】
また、この発明に係る電力変換装置は、第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し上記直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記直列接続体と上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第2のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0010】
また、この発明に係る電力変換装置は、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、この直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記交流直流変換手段の直流側と上記直列接続体との間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0011】
また、この発明に係る電力変換装置は、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し上記直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記直列接続体と上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第2のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段の直流側と上記直列接続体との間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2の両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断し、上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0012】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第2のスイッチ手段、および上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第2のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0013】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記交流直流変換手段のP側端子と上記端子Pとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第3のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段のN側端子と上記端子Nとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0014】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第2のスイッチ手段、上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第2のスイッチ手段、上記交流直流変換手段のP側端子と上記端子Pとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第3のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段のN側端子と上記端子Nとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2の両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断し、上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたものである。
【0015】
また、この発明に係る電力変換装置は、その第1のスイッチ手段の電圧を検出する電圧検出手段を備え、この電圧検出手段の出力が所定の設定値を越えたとき直流短絡が発生したと判別するものである。
【0016】
また、この発明に係る電力変換装置は、その第1のスイッチ手段を互いに直列に接続された複数の自己消弧素子で構成する場合、
上記電圧検出手段を上記複数の自己消弧素子のそれぞれに設け、これら複数の電圧検出手段のいずれかの出力が所定の設定値を越えたとき直流短絡が発生したと判別するものである。
【0017】
また、この発明に係る電力変換装置は、その第1のスイッチ手段を互いに直列に接続された複数の自己消弧素子で構成する場合、
ゲート用交流電源が接続される1次巻線と中点端子Cを含むP、C、N3端子を設けた2次巻線とを有する第1の絶縁変圧器、および上記複数の自己消弧素子のそれぞれに設けられた第2の絶縁変圧器を備え、上記第1の絶縁変圧器はその中点端子Cを3レベル直流端子の端子Cに接続し、上記第2の絶縁変圧器は、上記端子Cに最も近い自己消弧素子に設けられるP側およびN側の第1番目の変圧器の1次側をそれぞれ上記第1の絶縁変圧器の端子P、Cおよび端子C、Nに接続し、上記第1番目の変圧器の2次側から第2番目以降の変圧器は順次カスケードに接続し、上記各第2の絶縁変圧器の2次側から当該自己消弧素子にゲート用電力を供給するゲート電源供給回路を備えたものである。
【0018】
また、この発明に係る電力変換装置は、端子PまたはNに最も近い自己消弧素子に設けられる第2の絶縁変圧器の2次側の電圧を検出する電圧検出手段を備え、この電圧検出手段の出力が所定の設定値未満となったときゲート電源供給異常と判別するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。図において、1は、交流直流変換手段としての第1の電力変換器(コンバータ)で、第1の交流回路である電源の交流電力を直流電力に変換し、直流コンデンサ3に供給する。図は、1相分のみ示す。2は、1相分のアーム2Uと2Xがそれぞれ自己消弧素子と逆並列接続されたダイオードとで構成された、直流交流変換手段としての第2の電力変換器(インバータ)で、この直流回路の端子P、Nに接続されて直流電力を交流電力に変換し、第2の交流回路である負荷に供給する。4は自己消弧素子と逆並列接続されたダイオードとで構成された第1のスイッチ(第1のスイッチ手段)で、直流コンデンサ3と第2の電力変換器2の直流側との間に挿入されている。
【0020】
5はこの第1のスイッチ4のゲート回路、6Uと6Xはそれぞれ第2の電力変換器2のアーム2Uと2Xのゲート回路である。7は第1のスイッチ4のコレクタ電圧Vce4を検出する第1の電圧検出器、8はこの第1の電圧検出器7からの出力信号vce4に基づいて第1のスイッチ4および第2の電力変換器2アーム内素子のゲートを制御する直流短絡制御回路である。第1の電圧検出器7の出力信号vce4は比較器8aで基準電圧vcerと比較される。この比較器8aの出力は上位の制御回路(図示せず)から与えられる第1のスイッチ4のゲート指令信号S4’とAND回路8bでAND演算され、保持回路8cに与えられる。この保持回路8cの出力は、AND回路8d,8e、8fに与えられ、上位の制御回路(図示せず)から与えられるゲート指令信号S4’、第2の電力変換器2のアーム2Uおよび2X内素子のゲート指令信号S2U’、およびS2X’とAND演算される。このAND回路8d、8e、8fの出力信号S4、S2U、S2Xはそれぞれゲート回路5、6U、6Xに与えられる。
【0021】
次に動作について説明する。
第2の電力変換器2のアーム2U、2X内素子が導通し、破線の経路で示す直流短絡電流ISが流れると、第1のスイッチ4内素子のコレクタ電圧Vce4が大きくなり、その電圧値が基準電圧値vcerを越えると、比較器8aの出力はHに反転する。一方、第1のスイッチ4内素子は通常導通しているので、ゲート指令信号S4’はHであり、AND回路8bの出力もHに反転して保持回路8cの出力はHからLに反転した状態で保持される。その結果、ゲート信号S4、S2U、S2Xはすべて強制的にL状態に保持され、それぞれゲート回路5、6U、6Xを経由してそれぞれ第1のスイッチ4、第2の電力変換器2のアーム2Uおよび2X内素子をオフする。
【0022】
これにより、このときスイッチ4に流れていた図中破線で示す直流短絡電流ISが遮断されると同時に、第1の電力変換器1を介して電源から第2の電力変換器2に流れる続流ISL(図中一点鎖線で示す)も同時に遮断される。
このように、第2の電力変換器2のアーム2U、2X内素子が破損しても第1の電力変換器1からの続流がスイッチ4で遮断されるので、第1の電力変換器1等の関連機器に事故が波及する恐れがなくなる。
なお、通常運転中にスイッチ4に流れる電流は、第2の電力変換器2に流れる電流と同程度になるので、スイッチ4の電流耐量は第2の電力変換器2のそれと同程度の値に設定する必要がある。
【0023】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。図において、21は電源の接続された開閉器、20は変圧器であって、2次側と3次側が30°の位相差を有する多相変圧器で構成され、それぞれP側の第1の電力変換器1PとN側の第1の電力変換器1Nに接続されて、いわゆる12相整流回路を構成する。このP側の第1の電力変換器1Pの直流側はP側の直流コンデンサ3Pに接続され、N側の第1の電力変換器1Nの直流側はN側の直流コンデンサ3Nに接続されている。
2Aは3レベルインバータで構成された第2の電力変換器であって、自己消弧素子からなるアームT1〜T4で1相分が構成される。このアームT1〜T4は具体的には逆並列に接続されたダイオードを有するIGBTであって、3レベル直流端子の端子P(正電位)、N(負電位)間に直列接続される。CD1およびCD2はクランプダイオードであって、アームT1とT2との中間点とアーム素子T3とT4との中間点との間に直列接続され、このクランプダイオードCD1とCD2との中間点は端子C(中間電位)に接続される。
【0024】
4PはP側の第1のスイッチであって、P側の直流コンデンサ3Pの下端と端子Cとの間に接続される。4NはN側の第1のスイッチであって、N側の直流コンデンサ3Nの上端と端子Cとの間に接続される。このP側の第1のスイッチ4PとN側の第1のスイッチ4Nは自己消弧素子からなり、具体的には逆並列に接続されたダイオードを有するIGBTである。
7Pおよび7NはP側およびN側の第1の電圧検出器であって、それぞれP側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nに並列接続される。5Pおよび5Nはゲート回路であって、それぞれP側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nのゲートに接続される。6T1〜6T4はゲート回路であって、それぞれ第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子のゲートに接続される。
19は直流短絡制御回路であって、P側およびN側の第1の電圧検出器7P、7Nの出力に基いて直流短絡が発生したことを検出し、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子を一斉にオフ制御する機能を有する。
【0025】
次に動作について説明する。第2の電力変換器2AのアームT1〜T3内素子が導通し、直流端子P、C間で直流短絡が発生した場合には破線の経路で直流短絡電流ISが流れるとともに、一点鎖線の経路で電源側からの続流ISLが流れる。このとき、P側の第1のスイッチ4Pのコレクタ電圧Vce4Pが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19の比較器19aの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときP側の第1のスイッチ4Pに流れていた直流短絡電流ISおよび続流ISLは同時に遮断される。
また、第2の電力変換器2AのアームT2〜T4内素子が導通し、直流端子C、N間で直流短絡が発生した場合には、N側の第1のスイッチ4Nのコレクタ電圧Vce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19の比較器19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。
【0026】
また、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子が導通し、直流端子P、N間で直流短絡が発生した場合にはP側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nのコレクタ電圧Vce4PおよびVce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19の比較器19aおよび19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。
【0027】
ここで通常運転中にP側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nに流れる電流は、第2の電力変換器2Aに流れる電流と同程度に増加するので、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nの電流耐量は、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子と同じ程度の耐量が必要となる。
【0028】
なお、図2では簡単のため、変圧器20とP側およびN側の第1の電力変換器1P、1Nで12相整流回路を構成したものを示したが、24相以上の多相整流回路を構成したものであってもよく、同様の効果を奏する。また第2の電力変換器2AにおいてクランプダイオードCD1とCD2で構成したものについて説明したが、このクランプダイオードCD1およびCD2のそれぞれと逆並列接続された自己消弧素子を備えたIGBTなどであってもよい。
【0029】
また、図2では、P側およびN側の直流コンデンサ3P、3Nと第2の電力変換器2Aの直流側との間に挿入するP側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nを、中性点である端子C側に挿入したが、それぞれ端子Pおよび端子N側に挿入するようにしてもよい。
即ち、P側の第1のスイッチ4Pを端子Pと端子P2との間に挿入し、N側の第1のスイッチ4Nを端子Nと端子N2との間に挿入するようにしても同様の効果が得られる。
【0030】
以上のように、P側およびN側の第1の電力変換器1P、1Nを直接直列接続することなく、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと直列接続構成し、P側の直流コンデンサ3PとN側の直流コンデンザ3NをそれぞれP側およびN側の第1の電力変換器1P、1Nに並列接続する構成として、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nの電圧を監視して直流短絡の発生を検出し、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと第2の電力変換器2Aの全アーム内素子をオフすることにより、速やかに直流短絡電流および電源からの続流を同時に遮断できるので、直流短絡による関連機器への被害波及を防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0031】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。実施の形態1と同様、直流短絡電流と電源からの続流を同時に遮断するものであるが、第1のスイッチ4は従来の図9と同様、直流コンデンサ3と直列にして端子P、N間に接続され、第1の電力変換器1の直流側もこの端子P、N間に接続されている。そして、直流コンデンサ3と第1のスイッチ4との直列接続体と第2の電力変換器2の直流側との間に、別途、自己消弧素子と逆並列接続されたダイオードとで構成された第2のスイッチ(第2のスイッチ手段)9が挿入されている。10はこの第2のスイッチ9のゲート回路である。
【0032】
次に動作について説明する。
第2の電力変換器2のアーム2U、2X内素子が導通し、破線の経路で示す直流短絡電流ISが流れると、第1のスイッチ4内素子のコレクタ電圧Vce4が大きくなり、その電圧値が基準電圧値vcerを越えると、比較器8aの出力はHに反転する。一方、第1のスイッチ4内素子は通常導通しているので、ゲート指令信号S4’はHであり、AND回路8bの出力もHに反転して保持回路8cの出力はHからLに反転した状態で保持される。その結果、ゲート信号S4、S2U、S2Xはすべて強制的にL状態に保持され、それぞれゲート回路5、10、6U、6Xを経由してそれぞれ第1のスイッチ4、第2のスイッチ9、第2の電力変換器2のアーム2Uおよび2X内素子をオフする。
【0033】
これにより、このときスイッチ4に流れていた図中破線で示す直流短絡電流ISが遮断されると同時に、第1の電力変換器1を介して電源から第2の電力変換器2に流れる続流ISL(図中一点鎖線で示す)も同時に遮断される。
このように、第2の電力変換器2のアーム2U、2X内素子が破損しても第1の電力変換器1からの続流がスイッチ9で遮断されるので、第1の電力変換器1等の関連機器に事故が波及する恐れがなくなる。
なお、通常運転中にスイッチ9に流れる電流は、第2の電力変換器2に流れる電流と同程度になるので、スイッチ9の電流耐量は第2の電力変換器2のそれと同程度の値に設定する必要があるが、第1のスイッチ4については電流耐量は低減できる。
【0034】
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。ここでは、第1の電力変換器1の直流短絡時の保護を扱っている。図において、直流コンデンサ3と第1のスイッチ4との直列接続体と第1の電力変換器1の直流側との間に、自己消弧素子と逆並列接続されたダイオードとで構成された第3のスイッチ(第3のスイッチ手段)11が挿入されている。12はこの第3のスイッチ11のゲート回路である。
【0035】
次に動作について説明する。
第1の電力変換器1内の素子が導通し、破線の経路で示す直流短絡電流IS2が流れると、第1のスイッチ4内素子のコレクタ電圧Vce4が大きくなり、その電圧値が基準電圧値vcerを越えると、比較器8aの出力はHに反転する。一方、第1のスイッチ4内素子は通常導通しているので、ゲート指令信号S4’はHであり、AND回路8bの出力もHに反転して保持回路8cの出力はHからLに反転した状態で保持される。その結果、ゲート信号S4、S2U、S2Xはすべて強制的にL状態に保持され、それぞれゲート回路5、12、6U、6Xを経由してそれぞれ第1のスイッチ4、第3のスイッチ11、第2の電力変換器2のアーム2Uおよび2X内素子をオフする。
【0036】
これにより、このときスイッチ4に流れていた図中破線で示す直流短絡電流IS2が遮断されると同時に、第2の電力変換器2を介して負荷から第1の電力変換器1に流れる続流ISL2(図中一点鎖線で示す)も同時に遮断される。
このように、第1の電力変換器1内の素子が破損しても第2の電力変換器2からの続流がスイッチ11で遮断されるので、第2の電力変換器2等の関連機器に事故に波及する恐れがなくなる。
なお、第1の電力変換器1を第2の電力変換器2と同様、IGBT等で構成し、直流短絡を検出すると第1の電力変換器1の素子も同時にオフさせるようにしてもよい。
【0037】
なお、図示は省略するが、実施の形態3の図3で説明した第2のスイッチ9と、実施の形態4の図4で説明した第3のスイッチ11との両者を採用する構成としてもよい。即ち、直流コンデンサ3と第1のスイッチ4との直列接続体と第2の電力変換器2の直流側との間に第2のスイッチ9を挿入するとともに、上記直列接続体と第1の電力変換器1の直流側との間に第3のスイッチ11を挿入する。
この構成を採用すれば、第2の電力変換器2と第1の電力変換器1のいずれで生じた直流短絡に対しても、直流短絡電流と続流との同時遮断が可能となり、直流短絡保護がより完全になされ信頼度が向上する。
【0038】
実施の形態5.
図5は、この発明の実施の形態5における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。実施の形態3を、直流3レベルの回路に適用したものである。
図において、9PはP側の第2のスイッチであって直流端子Pと第2の電力変換器2Aの直流側端子P2との間に接続され、9NはN側の第2のスイッチであって直流端子Nと第2の電力変換器2Aの直流側端子N2との間に接続される。このP側の第2のスイッチ9PとN側の第2のスイッチ9Nは自己消弧素子からなり、具体的には逆並列に接続されたダイオードを有するIGBTである。10Pおよび10NはそれぞれP側の第2のスイッチ9PおよびN側の第2のスイッチ9Nのゲート回路であって、直流短絡制御回路19の信号S4に基いてP側の第2のスイッチ9PおよびN側の第2のスイッチ9Nを導通制御する。
【0039】
次に動作について説明する。第2の電力変換器2AのアームT1〜T3内素子が導通し、直流端子P2、C間で直流短絡が発生した場合には破線の経路で直流短絡電流ISが流れるとともに一点鎖線の経路で電源側からの続流ISLが流れる。このとき、P側の第1のスイッチ4Pのコレクタ電圧Vce4Pが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19の比較器19aの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときP側の第2のスイッチ9Pに流れていた直流短絡電流ISおよび続流ISLは同時に遮断される。
また、第2の電力変換器2AのアームT2〜T4内素子が導通し、直流端子C、N2間で直流短絡が発生した場合にはN側の第1のスイッチ4Nのコレクタ電圧Vce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19の比較器19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。
また、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子が導通し、直流端子P2、N2間で直流短絡が発生した場合にはP側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nのコレクタ電圧Vce4PおよびVce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19の比較器19aおよび19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。
【0040】
以上のように、第2の電力変換器2Aの直流端子P2およびN2側にそれぞれ第2のスイッチ9Pおよび9Nを直列に接続する構成として、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nの電圧を監視して直流短絡の発生を検出し、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、第2の電力変換器2Aの全アーム内素子をオフすることにより、速やかに直流短絡電流および電源からの続流を同時に遮断できるので、直流短絡のよる関連機器への被害波及を防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0041】
なお、上記実施の形態5の図5の回路は、実施の形態3を直流3レベルの回路に適用したものであるが、同様の要領により、図示は省略するが、先に説明した実施の形態4を直流3レベルの回路に適用することもできる。
【0042】
実施の形態6.
図6は、この発明の実施の形態6における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。実施の形態2および5に記載した第1の電力変換器1Pおよび1Nの替わりに、第2の電力変換器2Aと同じ構成の、自己消弧素子を使用した自励式電力変換器で構成した場合における直流短絡電流および続流を同時遮断する保護方式に関するものである。
図において、1Aは第2の電力変換器と同じ3レベルインバータ方式の第1の電力変換器(3レベルコンバータ)である。22は交流リアクトルであって、開閉器21とこの第1の電力変換器1A間に接続される。11PはP側の第3のスイッチであって第1の電力変換器1Aの直流端子P1と直流端子Pとの間に接続される。11NはN側の第3のスイッチであって第1の電力変換器1Aの直流端子N1と直流端子Nとの間に接続される。
このP側の第3のスイッチ11PとN側の第3のスイッチ11Nは、自己消弧素子からなり、具体的には逆並列に接続されたダイオードを有するIGBTである。19Aは直流短絡制御回路であって、先の直流短絡制御回路19内の第2の電力変換器2Aへの一斉ゲートオフ論理と同じ構成のものを、第1の電力変換器1Aへの一斉ゲートオフ論理用に追加している。
【0043】
次に動作について説明する。第2の電力変換器2AのアームT1〜T3内素子が導通し、直流端子P2、C間で直流短絡が発生した場合には、破線の経路で直流短絡電流ISが流れるとともに一点鎖線の経路で電源側からの続流ISLが流れる。このとき、P側の第1のスイッチ4Pのコレクタ電圧Vce4Pが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19Aの比較器19aの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、P側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nと、第1の電力変換器1AのアームT1〜T4内素子と、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときP側の第2のスイッチ9Pに流れていた直流短絡電流ISおよび続流ISLは同時に遮断される。
【0044】
第2の電力変換器2AのアームT2〜T4内素子が導通し、直流端子C、N2間で直流短絡が発生した場合には、N側の第1のスイッチ4Nのコレクタ電庄Vce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19Aの比較器19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、P側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nと、第1の電力変換器1AのアームTI〜T4内素子と、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときN側の第2のスイッチ9Nに流れていた直流短絡電流ISおよび続流ISLは同時に遮断される。
【0045】
また、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子が導通し、直流端子P2、N2間で直流短絡が発生した場合には、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nのコレクタ電圧Vce4PおよびVce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19Aの比較器19aおよび19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、P側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nと、第1の電力変換器1AのアームT1〜T4内素子と、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときP側およびN側の第2のスイッチ9Pおよび9Nに流れていた直流短絡電流ISおよび続流ISLは同時に遮断される。
【0046】
更に、第1の電力変換器1AのアームT1〜T3内素子が導通し、直流端子P1、C間で直流短絡が発生した場合には、破線の経路で直流短絡電流IS2が流れるとともに一点鎖線の経路で負荷側からの続流ISL2が流れる。このとき、P側の第1のスイッチ4Pのコレクタ電圧Vce4Pが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19Aの比較器19aの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、P側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nと、第1の電力変換器1AのアームT1〜T4内素子と、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときP側の第3のスイッチ11Pに流れていた直流短絡電流IS2および続流ISL2は同時に遮断される。
【0047】
第1の電力変換器1AのアームT2〜T4内素子が導通し、直流端子C、N1間で直流短絡が発生した場合には、N側の第1のスイッチ4Nのコレクタ電圧Vce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19Aの比較器19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、P側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nと、第1の電力変換器1AのアームT1〜T4内素子と、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときN側の第3のスイッチ11Nに流れていた直流短絡電流IS2および続流ISL2は同時に遮断される。
【0048】
また、第1の電力変換器1AのアームT1〜T4内素子が導通し、直流端子P1、N1間で直流短絡が発生した場合には、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nのコレクタ電圧Vce4PおよびVce4Nが増加し、基準電圧vcerを越えると、直流短絡制御回路19Aの比較器19aおよび19bの出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nと、P側およびN側の第2のスイッチ9P、9Nと、P側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nと、第1の電力変換器1AのアームT1〜T4内素子と、第2の電力変換器2AのアームT1〜T4内素子をオフする。このときP側およびN側の第3のスイッチ11P、11Nに流れていた直流短絡電流IS2および続流ISL2は同時に遮断される。
【0049】
以上のように、第2の電力変換器2Aが直流短絡を発生した場合には電源側からの続流は第2のスイッチ9P、9Nで遮断され、第1の電力変換器1Aが直流短絡を発生した場合には負荷側からの続流は第3のスイッチ11P、11Nで遮断されので、直流短絡による関連機器への被害波及を防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0050】
実施の形態7.
図7は、この発明の実施の形態7における電力変換装置の一部主回路と保護制御回路を示す図である。特に、直流回路の電圧が高圧であり、P側およびN側の第1のスイッチ4P、4Nが直列接続構成される場合の直流短絡制御回路方式に関するものである。図において、4P1および4P2は2直列接続されたP側の第1のスイッチ群、4N1および4N2は2直列接続されたN側の第1のスイッチ群である。5P1および5P2はそれぞれこのP側の第1のスイッチ群4P1および4P2のゲート回路、5N1および5N2はそれぞれこのN側の第1のスイッチ群4N1および4N2のゲート回路であって、素子電圧を検出する電圧検出器51、この電圧検出器51の出力と基準電圧vcerとを比較する比較器52およびAND回路53をこのゲート回路毎に備えて、絶縁された端子54に与えられるゲート指令がオン状態で、かつ素子電圧が基準値vcerよりも越えた場合に直流短絡の検出信号を絶縁された端子55から出力する。
19Bは直流短絡制御回路であって、ゲート回路5P1、5P2、5N1、5N2の直流短絡の検出信号SP1、SP2、SN1、SN2を入力する絶縁された端子19mから、OR回路19kを介して保持回路19eへ与えるように構成している。またゲート回路5P1、5P2、5N1、5N2へは絶縁された端子19lを介してゲート指令S4を与えている。ここでこれら絶縁された端子は具体的には光/電気変換機能を有する送信器と受信器で構成される。
【0051】
次に動作について説明する。直流端子P、C間で直流短絡が発生すると、P側の第1のスイッチ群4P1および4P2に点線で図示された直流短絡電流ISが流れてP側の第1のスイッチ群4P1および4P2のコレクタ電圧Vce4P1およびVce4P2が増加し、ゲート回路5P1および5P2内の比較器52とAND回路53の出力がHに反転し、保持回路19eの出力はLの状態に保持され、P側およびN側の第1のスイッチ群4P1、4P2内素子および4N1、4N2内素子を同時にオフして直流短絡電流ISを遮断する。
ここで素子は2直列接続で構成されているので厳密には素子特性のばらつきによりコレクタ電圧Vce4P1およびVce4P2の増加特性が異なるので、先に基準電圧vcerを越えた素子のゲート回路から直流短絡検出信号が直流短絡制御回路19Bに与えられ、一斉にゲートオフ指令を発生する。
なお、例えばゲート回路5P1の電圧検出器51が故障して直流短絡検出を行えなくとも、ゲート回路5P2の電圧検出器51が正常であれば直流短絡検出ができ、直流短絡制御回路19Bにより、一斉にゲートオフ指令を発生することができる。
【0052】
以上のように、直流短絡検出手段を直列接続された第1のスイッチ群のゲート回路毎に設けて各ゲート回路のいずれかからの先着直流短絡検出信号に基いて一斉にゲートオフ指令を発生するようにしたので、確実で信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
なお、直流短絡検出信号がHアクティブ動作の例を説明したが、ゲート回路内のAND回路53をNAND回路に変更し、さらに直流短絡制御回路19B内のOR回路19kをNAND回路に変更してLアクティブ動作にしたものであっても同様な効果を奏する。また簡単のため直列接続素子数が2個の場合について説明したが、当然ながら直列接続素子数が3個以上の場合にも適用できる。
【0053】
実施の形態8.
図8は、この発明の実施の形態8における電力変換装置の一部主回路と保護制御回路を示す図である。特に、直流回路の電圧が高圧であり、P側およびN側の第1のスイッチ4Pおよび4Nが実施の形態7と同様に直列接続構成される場合のゲート回路へのゲート電源給電方式に関するものである。図において、23は低圧の直流電源、24はこの直流電源23に接続された高周波電源回路であって直流入力をゲート用交流電源とする高周波出力に変換する。25は第1の絶縁変圧器であって、この高周波電源回路24の出力を主回路の高電圧に対して絶縁する。
この第1の絶縁変圧器25の2次側の中点が直流端子Cに接続され、2次側の両端はゲート回路5P2と5N1内の第2の絶縁変圧器56に接続される。このゲート回路5P2および5N1内のこの第2の絶縁変圧器56の2次側はAC/DC変換回路57に接続されるとともに、それぞれゲート回路5P1と5N2内の第2の絶縁変圧器56に接続され、この第2の絶縁変圧器56の出力はAC/DC変換回路57に接続され、続いて電圧検出回路58に接続される。
この電圧検出回路58の出力信号SP1’およびSN2’は、絶縁された端子59から直流短絡制御回路19C内の絶縁された端子19Pへ与えられ、NAND回路19nを介して保持回路19eに与えられる。ここでこれら絶縁された端子は具体的には光/電気変換機能を有する送信器と受信器で構成される。
【0054】
次に動作について説明する。高周波電源回路24の高周波出力は第1の絶縁変圧器25を介してゲート回路5P2の第2の絶縁変圧器56へ給電され、続いてゲート回路5P2の第2の絶縁変圧器56の2次側からゲート回路5P1の第2の絶縁変圧器56に給電されるとともに、ゲート回路5N1の第2の絶縁変圧器56へ給電され、続いてゲート回路5N1の第2の絶縁変圧器56の2次側からゲート回路5N2の第2の絶縁変圧器56に給電される。
この場合に第1の絶縁変圧器25は主回路電位の絶縁耐圧を持たなければならないのに対して、第2の絶縁変圧器56の絶縁耐圧はP側およびN側の第1のスイッチ群4P1、4P2内素子および4N1、4N2内素子の耐圧と同じでよいので、第2の絶縁変圧器56は小型化できる。
【0055】
このようにゲート回路5P2の第2の絶縁変圧器56とゲート回路5P1の第2の絶縁変圧器56はカスケード接続されるように構成されているので、たとえばカスケード接続線が断線した場合にはゲート回路5P1へゲート用電力が供給されなくなる。このためにゲート回路5P1および5N2では電圧検出回路58を備え、AC/DC変換回路57の出力電圧を監視して電圧低下が発生すると、Lアクティブの出力信号SP1’およびSN2’を発生して直流短絡制御回路19Cの保持回路19eから一斉ゲートオフ信号を発生して運転を停止する。
ここで、第1の絶縁変圧器25の2次側の中点を主回路の直流端子Cに接続するようにしているのは第1の絶縁変圧器25および第2の絶縁変圧器56内の漂遊C分によるゲート回路内の誤作動を防止するためであり、P側およびN側の初段(ゲート回路5P2および5N1)の第2の絶縁変圧器56に対して共通電位として第1の絶縁変圧器25の2次側の電位を固定している。
【0056】
以上のように、P側およびN側の直列接続された素子のゲート回路ヘゲート電力を供給する場合に、主回路絶縁耐圧をもたせた第1の絶縁変圧器の2次側を主回路の中間端子Cに固定するとともに、この第1の絶縁変圧器の2次側から、ゲート回路に備えた第2の絶縁変圧器56をP側およびN側ともに主回路の中間端子C側から順番にカスケード接続構成し、さらにゲート電力の給電異常をカスケード接続された最終段のゲート回路で検出して運転停止するようにしたので、信頼性が高く、また安価にゲート電源の給電が行える。
なお、簡単のため直列接続素子数が2個の場合について説明したが、当然ながら直列接続素子数が3個以上の場合にも適用できる。
【0057】
【発明の効果】
この発明に係る電力変換装置は、第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された直流コンデンサ、スイッチング素子を有し上記直流コンデンサの電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記直流コンデンサと上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第1のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、直流交流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0058】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子Pに一端が接続されたP側の直流コンデンサ、自己消弧素子を有し上記P側の直流コンデンサの他端と上記端子Cとの間に接続されたP側の第1のスイッチ手段、上記端子Nに一端が接続されたN側の直流コンデンサ、自己消弧素子を有し上記N側の直流コンデンサの他端と上記端子Cとの間に接続されたN側の第1のスイッチ手段、第1の交流回路の電圧を直流に変換して上記P側の直流コンデンサの両端に出力するP側の交流直流変換手段、上記第1の交流回路の電圧を直流に変換して上記N側の直流コンデンサの両端に出力するN側の交流直流変換手段、およびスイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、3レベル直流電圧を変換する直流交流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0059】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続されたP側の直流コンデンサ、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサ、第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第1のスイッチ手段、および上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第1のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、3レベル直流電圧を変換する直流交流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0060】
また、この発明に係る電力変換装置は、第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し上記直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記直列接続体と上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第2のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、直流交流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を確実に防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0061】
また、この発明に係る電力変換装置は、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、この直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記交流直流変換手段の直流側と上記直列接続体との間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、交流直流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を確実に防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0062】
また、この発明に係る電力変換装置は、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し上記直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記直列接続体と上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第2のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段の直流側と上記直列接続体との間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2の両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断し、上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、直流交流変換手段および交流直流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を確実に防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0063】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第2のスイッチ手段、および上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第2のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、3レベル直流電圧を変換する直流交流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を確実に防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0064】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記交流直流変換手段のP側端子と上記端子Pとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第3のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段のN側端子と上記端子Nとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、3レベル直流電圧に変換する交流直流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を確実に防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0065】
また、この発明に係る電力変換装置は、P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第2のスイッチ手段、上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第2のスイッチ手段、上記交流直流変換手段のP側端子と上記端子Pとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第3のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段のN側端子と上記端子Nとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2の両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断し、上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたので、3レベル直流電圧を変換する直流交流変換手段および3レベル直流電圧に変換する交流直流変換手段における直流短絡による関連機器への被害波及を確実に防止し、信頼性が高く、また安価に直流短絡保護が行える。
【0066】
また、この発明に係る電力変換装置は、その第1のスイッチ手段の電圧を検出する電圧検出手段を備え、この電圧検出手段の出力が所定の設定値を越えたとき直流短絡が発生したと判別するので、直流短絡の発生を確実に検出することが出来る。
【0067】
また、この発明に係る電力変換装置は、その第1のスイッチ手段を互いに直列に接続された複数の自己消弧素子で構成する場合、
上記電圧検出手段を上記複数の自己消弧素子のそれぞれに設け、これら複数の電圧検出手段のいずれかの出力が所定の設定値を越えたとき直流短絡が発生したと判別するので、信頼性の高い直流短絡検出が可能となる。
【0068】
また、この発明に係る電力変換装置は、その第1のスイッチ手段を互いに直列に接続された複数の自己消弧素子で構成する場合、
ゲート用交流電源が接続される1次巻線と中点端子Cを含むP、C、N3端子を設けた2次巻線とを有する第1の絶縁変圧器、および上記複数の自己消弧素子のそれぞれに設けられた第2の絶縁変圧器を備え、上記第1の絶縁変圧器はその中点端子Cを3レベル直流端子の端子Cに接続し、上記第2の絶縁変圧器は、上記端子Cに最も近い自己消弧素子に設けられるP側およびN側の第1番目の変圧器の1次側をそれぞれ上記第1の絶縁変圧器の端子P、Cおよび端子C、Nに接続し、上記第1番目の変圧器の2次側から第2番目以降の変圧器は順次カスケードに接続し、上記各第2の絶縁変圧器の2次側から当該自己消弧素子にゲート用電力を供給するゲート電源供給回路を備えたので、信頼性の高いゲート電源供給が可能となる。
【0069】
また、この発明に係る電力変換装置は、端子PまたはNに最も近い自己消弧素子に設けられる第2の絶縁変圧器の2次側の電圧を検出する電圧検出手段を備え、この電圧検出手段の出力が所定の設定値未満となったときゲート電源供給異常と判別するので、ゲート電源供給異常の確実な検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態2における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態3における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態4における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態5における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態6における電力変換装置の主回路および保護制御回路を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態7における電力変換装置の一部主回路および保護制御回路を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態8における電力変換装置の一部主回路および保護制御回路を示す図である。
【図9】従来の電力変換装置を示す図である。
【符号の説明】
1,1A 第1の電力変換器、2,2A 第2の電力変換器、
3,3P,3N 直流コンデンサ、4,4P,4N 第1のスイッチ、
7,7P,7N 第1の電圧検出器、
8,19,19A,19B,19C 直流短絡制御回路、
9,9P,9N 第2のスイッチ、11,11P,11N 第3のスイッチ、
25 第1の絶縁変圧器、51 電圧検出器、56 第2の絶縁変圧器、
58 電圧検出回路。
Claims (13)
- 第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された直流コンデンサ、スイッチング素子を有し上記直流コンデンサの電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記直流コンデンサと上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第1のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたことを特徴とする電力変換装置。 - P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子Pに一端が接続されたP側の直流コンデンサ、自己消弧素子を有し上記P側の直流コンデンサの他端と上記端子Cとの間に接続されたP側の第1のスイッチ手段、上記端子Nに一端が接続されたN側の直流コンデンサ、自己消弧素子を有し上記N側の直流コンデンサの他端と上記端子Cとの間に接続されたN側の第1のスイッチ手段、第1の交流回路の電圧を直流に変換して上記P側の直流コンデンサの両端に出力するP側の交流直流変換手段、上記第1の交流回路の電圧を直流に変換して上記N側の直流コンデンサの両端に出力するN側の交流直流変換手段、およびスイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段を備え、上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたことを特徴とする電力変換装置。
- P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続されたP側の直流コンデンサ、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサ、第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第1のスイッチ手段、および上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第1のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両第1のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたことを特徴とする電力変換装置。 - 第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し上記直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記直列接続体と上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第2のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたことを特徴とする電力変換装置。 - スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、この直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、および上記交流直流変換手段の直流側と上記直列接続体との間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたことを特徴とする電力変換装置。 - スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を直流に変換する交流直流変換手段、この交流直流変換手段の直流側に接続された、直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し上記直列接続体の電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記直列接続体と上記直流交流変換手段の直流側との間に挿入された、自己消弧素子を有する第2のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段の直流側と上記直列接続体との間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなる第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2の両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断し、上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたことを特徴とする電力変換装置。 - P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第2のスイッチ手段、および上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第2のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたことを特徴とする電力変換装置。 - P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記交流直流変換手段のP側端子と上記端子Pとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第3のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段のN側端子と上記端子Nとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたことを特徴とする電力変換装置。 - P(正電位)、C(中間電位)、N(負電位)の3レベル直流端子の上記端子P、C間に接続された、P側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第1のスイッチ手段との直列接続体、上記端子C、N間に接続されたN側の直流コンデンサと自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第1のスイッチ手段との直列接続体、スイッチング素子を有し第1の交流回路の電圧を3レベルの直流電圧に変換して上記端子P、C、Nに出力する交流直流変換手段、スイッチング素子を有し上記端子P、C、Nの3レベルの直流電圧を交流に変換し第2の交流回路に出力する直流交流変換手段、上記端子Pと上記直流交流変換手段のP側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するP側の第2のスイッチ手段、上記端子Nと上記直流交流変換手段のN側端子との間に挿入された、自己消弧素子を有するN側の第2のスイッチ手段、上記交流直流変換手段のP側端子と上記端子Pとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるP側の第3のスイッチ手段、および上記交流直流変換手段のN側端子と上記端子Nとの間に挿入された、自己消弧素子およびこの自己消弧素子に逆並列接続されたダイオードからなるN側の第3のスイッチ手段を備え、
上記スイッチング素子の故障で上記直流交流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第2の両スイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記直流交流変換手段に流れる放電電流と上記交流直流変換手段を介して上記第1の交流回路から上記直流交流変換手段に流れる続流とを同時に遮断し、上記スイッチング素子の故障で上記交流直流変換手段に直流短絡が発生した場合、上記第1および第3のスイッチ手段をオフすることにより、上記直流コンデンサから上記交流直流変換手段に流れる放電電流と上記直流交流変換手段を介して上記第2の交流回路から上記交流直流変換手段に流れる続流とを同時に遮断するようにしたことを特徴とする電力変換装置。 - 上記第1のスイッチ手段の電圧を検出する電圧検出手段を備え、この電圧検出手段の出力が所定の設定値を越えたとき直流短絡が発生したと判別することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の電力変換装置。
- 上記第1のスイッチ手段を互いに直列に接続された複数の自己消弧素子で構成する場合、
上記電圧検出手段を上記複数の自己消弧素子のそれぞれに設け、これら複数の電圧検出手段のいずれかの出力が所定の設定値を越えたとき直流短絡が発生したと判別することを特徴とする請求項10記載の電力変換装置。 - 上記第1のスイッチ手段を互いに直列に接続された複数の自己消弧素子で構成する場合、
ゲート用交流電源が接続される1次巻線と中点端子Cを含むP、C、N3端子を設けた2次巻線とを有する第1の絶縁変圧器、および上記複数の自己消弧素子のそれぞれに設けられた第2の絶縁変圧器を備え、上記第1の絶縁変圧器はその中点端子Cを3レベル直流端子の端子Cに接続し、上記第2の絶縁変圧器は、上記端子Cに最も近い自己消弧素子に設けられるP側およびN側の第1番目の変圧器の1次側をそれぞれ上記第1の絶縁変圧器の端子P、Cおよび端子C、Nに接続し、上記第1番目の変圧器の2次側から第2番目以降の変圧器は順次カスケードに接続し、上記各第2の絶縁変圧器の2次側から当該自己消弧素子にゲート用電力を供給するゲート電源供給回路を備えたことを特徴とする請求項2、7ないし9のいずれかに記載の電力変換装置。 - 端子PまたはNに最も近い自己消弧素子に設けられる第2の絶縁変圧器の2次側の電圧を検出する電圧検出手段を備え、この電圧検出手段の出力が所定の設定値未満となったときゲート電源供給異常と判別することを特徴とする請求項12記載の電力変換装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008236994A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 半導体電力変換装置の故障検出装置 |
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2002
- 2002-08-26 JP JP2002244444A patent/JP2004088858A/ja active Pending
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