JP2001197745A - 電力変換装置の保護制御方法および保護制御装置 - Google Patents

電力変換装置の保護制御方法および保護制御装置

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JP2001197745A JP2000001282A JP2000001282A JP2001197745A JP 2001197745 A JP2001197745 A JP 2001197745A JP 2000001282 A JP2000001282 A JP 2000001282A JP 2000001282 A JP2000001282 A JP 2000001282A JP 2001197745 A JP2001197745 A JP 2001197745A
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秀夫 岡山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短絡保護による一斉点弧を制限して自己消弧
素子のみならずブスバーなどの構造部材のダメージを軽
減できるなど信頼性の高い電力変換装置の保護制御方法
および保護制御装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 負極側自己消弧素子GC2がゲートオン
パルス入力中に正極側アームの電流Ipが過電流OC1
に達したとき、Iac(交流側電流)≧−β(選択基準
値)が成立するとGC2はオフ、GC1はGF(ゲート
ブリーズ)させ他相のGCを一斉オフさせる第1の保護
処理モードを、Iac<−βが成立するとGC1、GC
2をオンさせ他相のGCを一斉オンさせる第2の保護処
理モードを実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自己消弧素子を
用いた電力変換装置の保護制御方法および保護制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図29は例えば特開平6−78561号
公報に示された従来の電力変換装置を示す回路図であ
り、図において、1(1A〜1C)は交流リアクトル、
6はこの交流リアクトル1に接続された第1の電力変換
器(コンバータ)、5はこの第1の電力変換器6に接続
された平滑コンデンサ、7はこの平滑コンデンサ5に接
続された第2の電力変換器(インバータ)、3(3A〜
3M)はこの第2の電力変換器7および上記第1の電力
変換器6を構成する自己消弧素子、2(2A〜2M)は
上記第1の電力変換器6および第2の電力変換器7を構
成する還流ダイオード、4(4A〜4F)は上記第1の
電力変換器6および第2の電力変換器7を構成するアノ
ードリアクトル、8(8A〜8B)は上記第1の電力変
換器6および第2の電力変換器7の直流電流を検出する
直流電流検出器である。
【0003】次に動作について説明する。直流短絡が生
じた場合に、直流短絡が発生した電力変換器(例えばコ
ンバータ6)の直流回路に流れる短絡電流が電流検出器
8Aにより検出される。この電流検出器8Aの検出出力
に基づいて図示していない制御手段によりコンバータ6
の全自己消弧素子(3A〜3F)が一斉に点弧され、平
滑コンデンサ5の充電電荷が全アームに分担して放電さ
れる。また平滑コンデンサ5の放電終了後、制御手段に
より、全自己消弧素子(3A〜3F)が一斉に消弧され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】直流部のリップル抑制
のために平滑コンデンサ5を接続したコンバータ6およ
びインバータ7において、変換器内の自己消弧素子が誤
動作または一部破損し、直流短絡が生じた場合に平滑コ
ンデンサ5の放電電流が直流短絡を起こした相の素子の
みに流れ、当該相の素子を破壊させることを防止する手
段として一斉点弧が行われているが、平滑コンデンサ5
の放電電流はアノードリアクトル4と共振しながら減衰
するために、平滑コンデンサ5の放電電流が共振の過程
で零付近に落ち込んだ時点で全自己消弧素子を一斉に消
弧すると全自己消弧素子には平滑コンデンサ5の定挌電
圧相当が印加されることにより、短絡電流による素子損
失の増加で接合部温度が定挌値以上の高温状態にあるた
めにサーマルランを発生して全自己消弧素子を破壊する
恐れがある。このために上記の公報ではヒューズを直流
短絡経路に付加して直流短絡電流を抑制したものも示し
ているが、ヒューズを付加して素子を保護するのであれ
ば一斉点弧は不要であり、装置のコスト増を招くなどの
問題があった。また一斉点弧による直流短絡保護では、
一斉点弧の頻度が増えると自己消弧素子のみならずブス
バーなどの構造部材もダメージを受けて交換部品数およ
び交換時間の増加を招くなどの問題があった。
【0005】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、ヒューズを用いないで直流短
絡保護を可能にしたもので、一斉点弧を制限して自己消
弧素子のみならずブスバーなどの構造部材のダメージを
軽減できるなど信頼性の高い電力変換装置の保護制御方
法および保護制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る電力変換装置の保護制御方法は、相毎に複数の自己消
弧素子およびダイオード、更に上記各自己消弧素子にゲ
ートパルスを供給するゲートパルス発生手段を備え、交
流/直流間の電力変換を行う電力変換装置の保護制御方
法であって、交流側電流を検出する交流電流検出手段、
および直流側電流を検出する直流電流検出手段を備え、
上記直流側電流が所定の過電流設定値に達したとき、当
該過電流検出時点における上記交流側電流および当該過
電流検出相の各自己消弧素子へのゲートパルス信号に基
づき、上記過電流検出時点より保護動作に必要な所定時
間経過した保護処理動作時点における上記各自己消弧素
子に流れる電流を予測し、当該過電流検出相および他相
の自己消弧素子を故障規模に応じて適切に保護するた
め、上記電流予測情報に応じて上記各自己消弧素子の保
護処理内容を予め設定された複数の保護処理モードの中
から選択するようにしたものである。
【0007】また、請求項2に係る電力変換装置の保護
制御装置は、相毎に複数の自己消弧素子およびダイオー
ド、更に上記各自己消弧素子にゲートパルスを供給する
ゲートパルス発生手段を備え、交流/直流間の電力変換
を行う電力変換装置の保護制御装置であって、交流側電
流を検出する交流電流検出手段、直流側電流を検出する
直流電流検出手段、上記直流側電流が所定の過電流設定
値に達したとき、当該過電流検出時点における上記交流
側電流および当該過電流検出相の各自己消弧素子へのゲ
ートパルス信号に基づき、上記過電流検出時点より保護
動作に必要な所定時間経過した保護処理動作時点におい
て上記各自己消弧素子に流れる電流の最大値が当該自己
消弧素子の遮断限界である可制御電流値以内か否かを予
測判別する故障判別回路、およびこの故障判別回路が可
制御電流値以内と判別したときは当該過電流検出相の自
己消弧素子をオフまたはゲートフリーズ(そのときのゲ
ート状態を強制的に継続させる)させ他相の自己消弧素
子を一斉オフさせ、上記故障判別回路が可制御電流値を
越えると判別したときは当該過電流検出相の自己消弧素
子をオンまたはゲートフリーズさせ他相の自己消弧素子
を一斉オンさせる保護処理回路を備えたものである。
【0008】また、請求項3に係る保護制御装置は、直
流側の両端子間に相毎に接続された、正極側自己消弧素
子およびこれと逆並列接続されたダイオードからなる正
極側アームと負極側自己消弧素子およびこれと逆並列接
続されたダイオードからなる負極側アームとの直列接続
体、および上記両自己消弧素子にゲートパルスを供給す
るゲートパルス発生手段を備え上記両アームの接続点を
交流側端子に接続する2レベルの電力変換装置の保護制
御装置であって、上記交流側端子に流れる電流を検出す
る交流電流検出手段、上記両アームに流れる電流を検出
する直流電流検出手段、上記両アームのいずれかに流れ
る電流が上記ダイオードの逆回復電流よりも大きな値に
設定された所定の第1レベルの過電流設定値に達したと
き、当該過電流検出時点における上記交流側電流および
当該過電流検出相の両自己消弧素子へのゲートパルス信
号に基づき、上記過電流検出時点より保護動作に必要な
所定時間経過した保護処理動作時点において上記両自己
消弧素子に流れる電流の最大値が当該自己消弧素子の遮
断限界である可制御電流値以内か否かを予測判別する故
障判別回路、およびこの故障判別回路が可制御電流値以
内と判別したときは当該過電流検出相の自己消弧素子
を、ゲートオンパルス入力中のものはオフ、ゲートオフ
パルス入力中のものはゲートフリーズさせ、他相の自己
消弧素子を一斉オフさせる第1の保護処理モードを、上
記故障判別回路が可制御電流値を越えると判別したとき
は当該過電流検出相の両自己消弧素子をオンさせ他相の
自己消弧素子を一斉オンさせる第2の保護処理モードを
実行する保護処理回路を備えたものである。
【0009】また、請求項4に係る保護制御装置は、可
制御電流値をITQRM、第1レベルの過電流設定値を
OC1、直流側端子間の電圧をEd、保護動作に必要な
所定時間をtoc、直流側端子からみた故障経路のイン
ダクタンスをLとしたとき下式で得られる選択基準値β
を設定するとともに、交流側電流Iacの極性を両アー
ムの接続点から交流側端子に流出する方向を正と定義し
た場合、保護処理回路は、負極側自己消弧素子がゲート
オンパルス入力中に正極側アームの電流が過電流に達し
たとき、Iac≧−βが成立すると第1の保護処理モー
ド、Iac<−βが成立すると第2の保護処理モードを
実行し、正極側自己消弧素子がゲートオンパルス入力中
に負極側アームの電流が過電流に達したとき、Iac≦
+βが成立すると第1の保護処理モード、Iac>+β
が成立すると第2の保護処理モードを実行するものであ
る。 β=ITQRM−OC1−Ed×toc/L
【0010】また、請求項5に係る保護制御装置は、直
流側端子間の電圧Edとして、想定されるその最大値E
dmaxを採用して選択基準値βを設定するようにした
ものである。
【0011】また、請求項6に係る保護制御装置は、直
流側端子間の電圧Edを検出する直流電圧検出器を備
え、この直流電圧検出器の出力EdLを採用して選択基
準値βを設定するようにしたものである。
【0012】また、請求項7に係る保護制御装置は、自
己消弧素子を駆動するゲート駆動回路の出力から上記自
己消弧素子の故障を検出する素子故障検出手段を備え、
正極側および負極側自己消弧素子が共にオフ動作中に上
記故障を検出したとき、当該故障検出相の両自己消弧素
子をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オ
フさせるようにしたものである。
【0013】また、請求項8に係る保護制御装置は、交
流電流検出手段として交流側端子と両アームの接続点と
の接続線に挿入された交流電流検出器を備え、直流電流
検出手段として直流側正極端子と正極側アームとの接続
線に挿入された正極側直流電流検出器および直流側負極
端子と負極側アームとの接続線に挿入された負極側直流
電流検出器を備えたものである。
【0014】また、請求項9に係る保護制御装置は、交
流電流検出手段として交流側端子と両アームの接続点と
の接続線に挿入された交流電流検出器を備え、直流電流
検出手段として直流側正極端子と正極側アームとの接続
線に挿入された正極側直流電流検出器または直流側負極
端子と負極側アームとの接続線に挿入された負極側直流
電流検出器のいずれか一方を備え、いずれか他方の直流
電流は上記いずれか一方の直流電流検出器と上記交流電
流検出器との出力から演算により求めるようにしたもの
である。
【0015】また、請求項10に係る保護制御装置は、
直流電流検出手段として直流側正極端子と正極側アーム
との接続線に挿入された正極側直流電流検出器および直
流側負極端子と負極側アームとの接続線に挿入された負
極側直流電流検出器を備え、交流側電流は上記両直流電
流検出器の出力から演算により求めるようにしたもので
ある。
【0016】また、請求項11に係る保護制御装置は、
第1レベルの過電流設定値より高い所定の第2レベルの
過電流設定値を設定し、直流電流検出手段の出力が上記
第2レベルの過電流設定値に達すると全自己消弧素子を
一斉オンさせるようにしたものである。
【0017】また、請求項12に係る保護制御装置は、
直流電流検出手段を第2の直流電流検出手段を含む2重
系で構成するとともに第2レベルの過電流設定値より高
い所定の第3レベルの過電流設定値を設定し、上記第2
の直流電流検出手段の出力が上記第3レベルの過電流設
定値に達すると全自己消弧素子を一斉オンさせるように
したものである。
【0018】また、請求項13に係る保護制御装置は、
過電流検出相から他相に一斉オン信号が送出された場
合、当該他相の自己消弧素子の内、短絡防止期間Tdで
オン動作からオフ動作に移行中のものは、上記期間Td
開始から上記オフ動作が完了するのに要する所定の時間
Td´迄、当該自己消弧素子をオフからオンにする信号
の供給を禁止する手段を備えたものである。
【0019】また、請求項14に係る保護制御装置は、
請求項13において、短絡防止期間Tdにある自己消弧
素子であっても同アーム内のダイオードが通電中のとき
は、当該自己消弧素子へのオン信号供給禁止手段の動作
を解除するようにしたものである。
【0020】また、請求項15に係る保護制御装置は、
請求項13において、短絡防止期間Tdにある自己消弧
素子であっても交流側電流Iacと選択基準値βとの間
に下式が成立するときは、当該自己消弧素子へのオン信
号供給禁止手段の動作を解除するようにしたものであ
る。 Iac<−β または Iac>+β
【0021】また、請求項16に係る保護制御装置は、
正極、中性極および負極を有する直流側の上記正負両極
間に相毎に接続された、第1ないし第4の自己消弧素子
の直列接続体、上記各自己消弧素子と逆並列接続されて
それぞれ第1ないし第4のアームを構成する第1ないし
第4のダイオード、上記中性極とそれぞれ上記第1、第
2のアームの接続点および上記第3、第4のアームの接
続点との間に接続された第5および第6のダイオード、
および上記各自己消弧素子にゲートパルスを供給するゲ
ートパルス発生手段を備え、上記第2、第3のアームの
接続点を交流側端子に接続する3レベルの電力変換装置
の保護制御装置であって、上記交流側端子に流れる電流
を検出する交流電流検出手段、上記第1のアームに流れ
る正極側の直流電流、第4のアームに流れる負極側の直
流電流および上記第5、第6のダイオードの接続点と上
記中性極との間に流れる中性極側の直流電流を検出する
直流電流検出手段、この直流電流検出手段が検出する直
流側電流のいずれかが上記ダイオードの逆回復電流より
も大きな値に設定された所定の第1の過電流設定値に達
したとき、当該過電流検出時点における上記交流側電流
および当該過電流検出相の各自己消弧素子へのゲートパ
ルス信号に基づき、上記過電流検出時点より保護動作に
必要な所定時間経過した保護処理動作時点において上記
各自己消弧素子に流れる電流の最大値が当該自己消弧素
子の遮断限界である可制御電流値以内か否かを予測判別
する故障判別回路、およびこの故障判別回路が可制御電
流値以内と判別したときは当該過電流検出相の自己消弧
素子を、ゲートオンパルス入力中のものは故障短絡経路
にある少なくとも1個をオフその他をゲートフリーズ、
ゲートオフパルス入力中のものはゲートフリーズさせ、
他相の自己消弧素子を一斉オフさせる第1の保護処理モ
ードを、上記故障判別回路が可制御電流値を越えると判
別したときは当該過電流検出相の自己消弧素子を、ゲー
トオンパルス入力中のものはオン、ゲートオフパルス入
力中のものは故障短絡経路にあるものをオンその他をゲ
ートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オンさせ
る第2の保護処理モードを実行する保護処理回路を備え
たものである。
【0022】また、請求項17に係る保護制御装置は、
可制御電流値をITQRM、第1レベルの過電流設定値
をOC1、直流側の正極−中性極間および中性極−負極
間の電圧をそれぞれEdpおよびEdn、保護動作に必
要な所定時間をtoc、および直流側の上記各極間から
みた故障経路のインダクタンスをそれぞれLp、Ln、
Lpnとしたとき下式で得られる選択基準値βを設定す
るとともに、交流側電流Iacの極性を第2、第3のア
ームの接続点から交流側端子に流出する方向を正と定義
した場合、保護処理回路は、第2、第3の自己消弧素子
がゲートオンパルス、第1、第4の自己消弧素子がゲー
トオフパルス入力中に正極側の直流電流が過電流に達し
たとき、Iac≧−βが成立すると、当該過電流検出相
の第3の自己消弧素子をオフ、第1、第2、第4の自己
消弧素子をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を
一斉オフさせる第1−3の保護処理モード(B3)、I
ac<−βが成立すると、当該過電流検出相の第1、第
2、第3の自己消弧素子をオン、第4の自己消弧素子を
ゲートフリーズさせ、他相の第1、第2、第3の自己消
弧素子を一斉オンさせる第2の正極側保護処理モード
(CP)を実行し、上記第2、第3の自己消弧素子がゲ
ートオンパルス、第1、第4の自己消弧素子がゲートオ
フパルス入力中に負極側の直流電流が過電流に達したと
き、Iac≦+βが成立すると、当該過電流検出相の第
2の自己消弧素子をオフ、第1、第3、第4の自己消弧
素子をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉
オフさせる第1−2の保護処理モード(B2)、Iac
>+βが成立すると、当該過電流検出相の第2、第3、
第4の自己消弧素子をオン、第1の自己消弧素子をゲー
トフリーズさせ、他相の第2、第3、第4の自己消弧素
子を一斉オンさせる第2の負極側保護処理モード(C
N)を実行し、上記第3、第4の自己消弧素子がゲート
オンパルス、第1、第2の自己消弧素子がゲートオフパ
ルス入力中に中性極側の直流電流が過電流に達したと
き、Iac≧−βが成立すると、当該過電流検出相の第
4の自己消弧素子をオフ、第1、第2、第3の自己消弧
素子をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉
オフさせる第1−4の保護処理モード(B4)、Iac
<−βが成立すると、当該過電流検出相の第2、第3、
第4の自己消弧素子をオン、第1の自己消弧素子をゲー
トフリーズさせ、他相の第2、第3、第4の自己消弧素
子を一斉オンさせる第2の負極側保護処理モード(C
N)を実行し、上記第3、第4の自己消弧素子がゲート
オンパルス、第1、第2の自己消弧素子がゲートオフパ
ルス入力中に正極側の直流電流が過電流に達したとき、
Iac≧−βが成立すると、当該過電流検出相の第3、
第4の自己消弧素子をオフ、第1、第2の自己消弧素子
をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オフ
させる第1−34の保護処理モード(B34)、Iac
<−βが成立すると、当該過電流検出相の第1、第2、
第3、第4の自己消弧素子をオン、他相の自己消弧素子
を一斉オンさせる第2の正負両極側保護処理モード(C
PN)を実行し、上記第1、第2の自己消弧素子がゲー
トオンパルス、第3、第4の自己消弧素子がゲートオフ
パルス入力中に中性極側の直流電流が過電流に達したと
き、Iac≦+βが成立すると、当該過電流検出相の第
1の自己消弧素子をオフ、第2、第3、第4の自己消弧
素子をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉
オフさせる第1−1の保護処理モード(B1)、Iac
>+βが成立すると、当該過電流検出相の第1、第2、
第3の自己消弧素子をオン、第4の自己消弧素子をゲー
トフリーズさせ、他相の第1、第2、第3の自己消弧素
子を一斉オンさせる第2の正極側保護処理モード(C
P)を実行し、上記第1、第2の自己消弧素子がゲート
オンパルス、第3、第4の自己消弧素子がゲートオフパ
ルス入力中に負極側の直流電流が過電流に達したとき、
Iac≦+βが成立すると、当該過電流検出相の第1、
第2の自己消弧素子をオフ、第3、第4の自己消弧素子
をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オフ
させる第1−12の保護処理モード(B12)、Iac
≧+βが成立すると、当該過電流検出相の第1、第2、
第3、第4の自己消弧素子をオン、他相の自己消弧素子
を一斉オンさせる第2の正負両極側保護処理モード(C
PN)を実行するものである。 β=ITQRM−OC1−toc{Edp/Lp+Ed
n/Ln+(Edp+Edn)/Lpn}/3
【0023】また、請求項18に係る保護制御装置は、
第1−12の保護処理モード(B12)で過電流検出相
の第1、第2の自己消弧素子をオフさせる場合、上記第
2の自己消弧素子をオフさせるタイミングを第1の自己
消弧素子をオフさせるタイミングより、自己消弧素子の
ターンオフ時間のばらつきを考慮して設定された所定の
時間Ty遅らせ、第1−34の保護処理モード(B3
4)で過電流検出相の第3、第4の自己消弧素子をオフ
させる場合、上記第3の自己消弧素子をオフさせるタイ
ミングを第4の自己消弧素子をオフさせるタイミングよ
り、上記所定の時間Ty遅らせるようにしたものであ
る。
【0024】また、請求項19に係る保護制御装置は、
直流側の正極と中性極との間の電圧Edpおよび中性極
と負極との間の電圧Ednとして、想定されるその最大
値Edmaxを採用して選択基準値βを設定するように
したものである。
【0025】また、請求項20に係る保護制御装置は、
直流側の正極と中性極との間の電圧Edpおよび中性極
と負極との間の電圧Ednを検出する直流電圧検出器を
備え、この直流電圧検出器の出力EdpまたはEdnの
いずれか大きい方を選択し、当該選択した検出電圧を採
用して選択基準値βを設定するようにしたものである。
【0026】また、請求項21に係る保護制御装置は、
自己消弧素子を駆動するゲート駆動回路の出力から上記
自己消弧素子の故障を検出する素子故障検出手段を備
え、各相4個の自己消弧素子の内1個がオン他の3個が
オフ動作中に上記故障を検出したとき、当該故障検出相
の全自己消弧素子をゲートフリーズさせ、他相の自己消
弧素子を一斉オフさせるようにしたものである。
【0027】また、請求項22に係る保護制御装置は、
交流電流検出手段として交流側端子と第2、第3アーム
の接続点との接続線に挿入された交流電流検出器を備
え、直流電流検出手段として直流側正極端子と第1のア
ームとの接続線に挿入された正極側直流電流検出器、直
流側負極端子と第4のアームとの接続線に挿入された負
極側直流電流検出器および直流側中性極端子と第5、第
6のダイオードの接続点との接続線に挿入された中性極
側直流電流検出器を備えたものである。
【0028】また、請求項23に係る保護制御装置は、
交流電流検出手段として交流側端子と第2、第3アーム
の接続点との接続線に挿入された交流電流検出器を備
え、直流電流検出手段として直流側正極端子と第1のア
ームとの接続線に挿入された正極側直流電流検出器、直
流側負極端子と第4のアームとの接続線に挿入された負
極側直流電流検出器および直流側中性極端子と第5、第
6のダイオードの接続点との接続線に挿入された中性極
側直流電流検出器の内いずれか2台の直流電流検出器を
備え、いずれか他の1台の直流電流検出器に係る直流電
流は上記2台の直流電流検出器と上記交流電流検出器と
の出力から演算により求めるようにしたものである。
【0029】また、請求項24に係る保護制御装置は、
直流電流検出手段として直流側正極端子と第1のアーム
との接続線に挿入された正極側直流電流検出器、直流側
負極端子と第4のアームとの接続線に挿入された負極側
直流電流検出器および直流側中性極端子と第5、第6の
ダイオードの接続点との接続線に挿入された中性極側直
流電流検出器を備え、交流側電流は上記各直流電流検出
器の出力から演算により求めるようにしたものである。
【0030】また、請求項25に係る保護制御装置は、
第1レベルの過電流設定値より高い所定の第2レベルの
過電流設定値を設定し、正極側直流電流が上記第2レベ
ルの過電流設定値に達すると全第1、第2、第3の自己
消弧素子を一斉オンさせ、負極側直流電流が上記第2レ
ベルの過電流設定値に達すると全第2、第3、第4の自
己消弧素子を一斉オンさせるようにしたものである。
【0031】また、請求項26に係る保護制御装置は、
直流電流検出手段を第2の直流電流検出手段を含む2重
系で構成するとともに第2レベルの過電流設定値より高
い所定の第3レベルの過電流設定値を設定し、上記第2
の直流電流検出手段の出力が上記第3レベルの過電流設
定値に達すると全自己消弧素子を一斉オンさせるように
したものである。
【0032】また、請求項27に係る保護制御装置は、
過電流検出相から他相に一斉オン信号が送出された場合
であって、当該他相の第1、第2の自己消弧素子がオ
ン、第3、第4の自己消弧素子がオフ動作中に上記第
2、第3、第4の自己消弧素子をオンさせるときは、先
ず、上記第1の自己消弧素子をオフさせ、所定の短絡防
止期間Td経過後、上記第3、第4の自己消弧素子をオ
ンさせ、当該他相の上記第3、第4の自己消弧素子がオ
ン、第1、第2の自己消弧素子がオフ動作中に上記第
1、第2、第3の自己消弧素子をオンさせるときは、先
ず、上記第4の自己消弧素子をオフさせ、所定の短絡防
止期間Td経過後、上記第1、第2の自己消弧素子をオ
ンさせるようにしたものである。
【0033】また、請求項28に係る保護制御装置は、
請求項27において、先ず、第1の自己消弧素子をオフ
させるときまたは第4の自己消弧素子をオフさせると
き、当該各自己消弧素子と同アーム内のダイオードが通
電中のときは、所定の短絡防止期間Tdの経過を待たず
に直ちに、それぞれ第3、第4の自己消弧素子をオンさ
せ、第1、第2の自己消弧素子をオンさせるようにした
ものである。
【0034】また、請求項29に係る保護制御装置は、
請求項27において、先ず、第1の自己消弧素子をオフ
させるときまたは第4の自己消弧素子をオフさせると
き、交流側電流Iacと選択基準値βとの間に下式が成
立するときは、所定の短絡防止期間Tdの経過を待たず
に直ちに、それぞれ第3、第4の自己消弧素子をオンさ
せ、第1、第2の自己消弧素子をオンさせるようにした
ものである。 Iac<−β または Iac>+β
【0035】また、請求項30に係る保護制御装置は、
過電流検出相から他相に一斉オン信号が送出された場合
であって、当該他相の第1、第2、第3、第4の自己消
弧素子の内、1個の自己消弧素子が短絡防止期間Tdで
オン動作からオフ動作に移行中のときは、上記期間Td
開始から上記オフ動作が完了するのに要する所定の時間
Td´迄、上記各自己消弧素子をオフからオンにする信
号の供給を禁止する手段を備えたものである。
【0036】また、請求項31に係る保護制御装置は、
請求項30において、短絡防止期間Tdにある自己消弧
素子であっても同アーム内のダイオードまたは対の自己
消弧素子が通電中のときは、当該自己消弧素子へのオン
信号供給禁止手段の動作を解除するようにしたものであ
る。
【0037】また、請求項32に係る保護制御装置は、
請求項30において、短絡防止期間Tdにある自己消弧
素子であっても交流側電流Iacと選択基準値βとの間
に下式が成立するときは、当該自己消弧素子へのオン信
号供給禁止手段の動作を解除するようにしたものであ
る。 Iac<−β または Iac>+β
【0038】また、請求項33に係る保護制御装置は、
各自己消弧素子に一斉オン信号が送出された場合であっ
て、第1、第2、第3、第4の自己消弧素子を同時にオ
ンさせるときは、上記第1の自己消弧素子をオンさせる
タイミングを第2の自己消弧素子をオンさせるタイミン
グより、自己消弧素子のターンオン時間のばらつきを考
慮して設定された所定の時間Tx遅らせ、上記第4の自
己消弧素子をオンさせるタイミングを第3の自己消弧素
子をオンさせるタイミングより、上記所定の時間Tx遅
らせるようにしたものである。
【0039】また、請求項34に係る保護制御装置は、
請求項2ないし33のいずれかに記載された電力変換装
置の直流端子間に接続された平滑コンデンサを備えた場
合、上記平滑コンデンサを第1の平滑コンデンサと、ス
イッチング手段を介して上記第1の平滑コンデンサと並
列に接続された第2の平滑コンデンサとで構成し、保護
制御装置で出力された自己消弧素子への一斉オン信号に
基づき上記スイッチング手段をオフすることにより、上
記平滑コンデンサから上記一斉オンした自己消弧素子へ
の放電を抑制するようにしたものである。
【0040】また、請求項35に係る保護制御装置は、
請求項16ないし33のいずれかに記載の3レベルの電
力変換装置の直流端子間に接続された平滑コンデンサを
備えた場合、上記平滑コンデンサを、正極端子と中性極
端子とに接続された第1の正極側平滑コンデンサと正極
側スイッチング手段を介して上記第1の正極側平滑コン
デンサと並列に接続された第2の正極側平滑コンデン
サ、および中性極端子と負極端子とに接続された第1の
負極側平滑コンデンサと負極側スイッチング手段を介し
て上記第1の負極側平滑コンデンサと並列に接続された
第2の負極側平滑コンデンサで構成し、保護制御装置で
出力された第1、第2、第3の自己消弧素子または第
2、第3、第4の自己消弧素子への一斉オン信号に基づ
き上記正極側スイッチング手段または負極側スイッチン
グ手段をオフすることにより、上記平滑コンデンサから
上記一斉オンした自己消弧素子への放電を抑制するよう
にしたものである。
【0041】また、請求項36に係る保護制御装置は、
請求項2ないし33のいずれかに記載の電力変換装置を
複数台、各直流側を共通に接続してなるものにおいて、
上記各電力変換装置のいずれかの保護制御装置で出力さ
れる自己消弧素子への一斉オン信号を他の電力変換装置
の自己消弧素子へも同時に送出するよう、上記一斉オン
信号を上記各電力変換装置で共通化するよう構成したも
のである。
【0042】また、請求項37に係る保護制御装置は、
請求項2ないし33のいずれかに記載の電力変換装置を
複数台、各電力変換装置の直流端子間に接続された平滑
コンデンサを備え、上記各電力変換装置の直流側を共通
に接続してなるものにおいて、上記各電力変換装置毎に
設けられたスイッチング素子を介して各直流側を共通に
接続するとともに、いずれかの上記電力変換装置の保護
制御装置で出力される自己消弧素子への一斉オン信号に
基づき当該電力変換装置のスイッチング手段をオフする
ことにより、他の電力変換装置の平滑コンデンサから当
該電力変換装置の上記一斉オンした自己消弧素子への放
電を阻止するようにしたものである。
【0043】また、請求項38に係る保護制御装置は、
各電力変換装置の直流側を共通に接続する共通接続点の
正負両極間に接続された共通平滑コンデンサを備えた場
合、いずれかの上記電力変換装置の保護制御装置で出力
される自己消弧素子への一斉オン信号に基づき当該電力
変換装置のスイッチング手段をオフすることにより、他
の電力変換装置の平滑コンデンサおよび上記共通平滑コ
ンデンサから当該電力変換装置の上記一斉オンした自己
消弧素子への放電を阻止するようにしたものである。
【0044】また、請求項39に係る保護制御装置は、
請求項2ないし33のいずれかに記載の電力変換装置で
あって互いに同一容量の電力変換装置を複数台、各直流
側を共通に接続してなるものにおいて、上記各電力変換
装置で検出された交流側電流および直流側電流のそれぞ
れ最大値を選択する最大値選択回路、上記各電力変換装
置の自己消弧素子に共通のゲートパルスを供給するゲー
トパルス発生器、上記最大値選択回路から出力される交
流側電流信号、直流側電流信号および上記ゲートパルス
信号に基づき故障の予測判別を行う故障判別回路、およ
びこの故障判別回路の判別出力に基づき上記各電力変換
装置の自己消弧素子に対して共通の保護処理を行う保護
処理回路を備えたものである。
【0045】また、請求項40に係る保護制御装置は、
複数の各電力変換装置の交流側は、それぞれ互いに独立
した交流電源または交流負荷に接続されているものであ
る。
【0046】また、請求項41に係る保護制御装置は、
複数の各電力変換装置の交流側は、その各1次側を互い
に直列にして交流電源または交流負荷に接続される複数
の変圧器の各2次側に接続されているものである。
【0047】また、請求項42に係る保護制御装置は、
複数の各電力変換装置の交流側は、上記各電力変換装置
毎に設けられた交流リアクトルを介して共通の交流電源
または交流負荷に接続されているものである。
【0048】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図に基づいて説明する。図1(a)に示
す3相2レベル方式の電力変換装置において、8R、8
S、8T、8U、8V、8WはそれぞれR相、S相、T
相、U相、V相、W相の正極P側の直流電流の瞬時値を
検出する直流電流検出器である。ここで、正確には、例
えばR相の正極P側の直流電流とは、自己消弧素子3A
と還流ダイオード2Aとで構成されるR相正極側アーム
に流れる直流電流のことである。9R、9S、9T、9
U、9V、9Wは上記各相の交流電流の瞬時値を検出す
る交流電流検出器である。また図1(b)に示す直流短
絡保護回路において、10はコンバータ6のゲートパル
ス発生器、11はインバータ7のゲートパルス発生器、
12R、12S、12T、12U、12V、12Wは上
記各相の保護制御装置としての直流短絡保護回路、13
R、14R、15Rはそれぞれ上記R相の直流短絡保護
回路12Rを構成するそれぞれ電流レベル判別回路、故
障判別回路、保護処理回路である。
【0049】次に上記直流短絡保護回路12の代表1相
分の詳細を示す図2において、説明の都合上、正極P側
に接続された正極側の第1の自己消弧素子をGC1(上
記R相の3Aに相当)、負極N側に接続された負極側の
第2の自己消弧素子をGC2(上記R相の3Dに相
当)、正極P側に接続された正極側の第1の還流ダイオ
ードをDF1(上記R相の2Aに相当)、負極N側に接
続された負極側の第2の還流ダイオードをDF2(上記
R相の2Dに相当)に統一している。またP側の直流電
流Ip、N側の直流電流In、交流電流Iacの極性は
図示の方向を正と定義する。
【0050】電流レベル判別回路13において、直流電
流検出器8からP側直流電流の検出信号Ipと交流電流
検出器9からAC側交流電流信号Iacが入力される。
133Aおよび133Bはこの交流電流信号Iacのレ
ベルを判別する比較器であって、それぞれ選択基準値β
(この選択基準値βについては後述する)と比較して、
交流電流信号Iacがこの選択基準値−βおよび+βよ
りも大きい場合にはそれぞれ比較器133Aおよび13
3BからHレベルの信号−βHおよび+βHを出力す
る。134Aおよび134BはNOT回路であって、上
記比較器133Aおよび133Bの出力信号−βHおよ
び+βH の符号反転した信号−βLおよび+βLを出
力する。131は極性反転器であって、上記交流電流信
号Iacの極性を反転する。132は加算器であって、
この極性反転器131の出力信号と上記P側直流電流信
号Ipを加算する。133Cは比較器であって、上記P
側直流電流信号Ipを第1レベルの過電流設定値+OC
1(この第1レベルの過電流設定値OC1については後
述する)と比較してこの設定値+OC1よりも大きい場
合にはHレベルの信号IPOC1を出力する。133D
は比較器であって、上記加算器132の出力を第1レベ
ルの過電流設定値+OC1と比較してこの設定値+OC
1よりも大きい場合にはHレベルの信号INOC1を出
力する。
【0051】故障判別回路14において、141A〜F
はそれぞれ上記電流レベル判別回路13からの出力信号
−βH、+βH、−βL、+βL、IPOC1、INO
C1の保持回路であって、後述の故障信号FO(Lレベ
ル)の発生によりAND回路147の出力がLレベルに
なると保持動作を行う。142Aおよび142Bは2入
力のAND回路であって、それぞれこの保持回路141
Eの出力と後述のゲートパルス信号GP2Aおよびこの
保持回路141Fの出力と後述のケ−トパルス信号GP
1AのAND動作を行う。143Aおよび143Bは2
入力のNAND回路であって、それぞれこのAND回路
142Aの出力と上記保持回路141Aおよび141B
のNAND動作を行う。143Cおよび143Dは2入
力のNAND回路であって、それぞれ、上記AND回路
142Bの出力と上記保持回路141Cおよび141D
のNAND動作を行う。144は2入力のAND回路で
あって、この NAND回路143Dの出力と上記NA
ND回路143Aの出力のAND動作を行い、Lレベル
の一斉点弧信号COを出力して他相の直流短絡保護回路
へ与えるとともに逆に他相からの一斉点弧信号COも同
じ信号線に共通に接続されて、いわゆるワイヤ−ドOR
機能を有する。145は6入力のAND回路であって、
上記NAND回路143A〜Dの出力と後述の自己消弧
素子GC1およびGC2のゲート駆動回路GD1および
GD2からの素子故障信号GD1F0、GD2F0のA
ND動作を行い、故障信号FO(Lレベル)を発生す
る。
【0052】保護処理回路15において、151Aおよ
び151Bはそれぞれ当該相のゲートパルス発生器10
(11)からのゲートパルス信号GP1およびGP2の
保持回路であって、上記故障信号FOの発生によりAN
D回路147の出力がLレベルになると保持動作を行
う。そして、この出力は上記AND回路142Aおよび
142Bへ与えられる。152Aおよび152Bは2入
力のAND回路であって、それぞれこの保持回路151
Aおよび151Bの出力とNAND回路143Cおよび
143Bの出力のAND動作を行い、信号GP1Bおよ
びGP2Bを出力する。153Aおよび153Bはパル
ス発生器であって、それぞれこのAND回路152Aお
よび152Bの出力信号GP1BおよびGP2Bの立ち
下がりのタイミングでLレベルの所定幅のパルスを発生
する。154はNOT回路であって、上記AND回路1
44の出力信号COを符号反転する。155はフリップ
フロップ回路であって、このNOT回路154の出力が
HレベルになるとHレベルの信号を出力し続ける。15
6Aおよび156Bは2入力のAND回路であって、そ
れぞれこのフリップフロップ回路155の出力と上記パ
ルス発生器153Aおよび153Bの出力とのAND動
作を行う。157Aおよび157BはOR回路であっ
て、それぞれこのAND回路156Aおよび156Bと
上記AND回路152Aおよび152Bの信号GP1B
およびGP2BとのOR動作を行う。
【0053】GD1およびGD2はゲート駆動回路であ
って、それぞれこのOR回路157Aおよび157Bの
出力信号GP1CおよびGP2Cに基づき、自己消弧素
子GC1およびGC2のゲートを制御する。
【0054】次に動作について説明する。まず、正常時
の各部の動作について説明する。図2の故障判別回路1
4において、正常時は、AND回路145および144
の各入力信号はいずれもHレベルであるので、故障信号
FOおよび一斉点弧信号COは共にHレベルであり、各
保持A回路は保持動作をしない。更に、NOT回路15
4の出力はLレベルであるからフリップフロップ回路1
55の出力はLレベルに保持されている。このような状
態に、GP1がHレベルになると、AND回路152A
とそれに続くOR回路157Aの出力は共にHレベルに
なり、ゲート駆動回路GD1を介して自己消弧素子GC
1にゲートオンパルスを供給する。また、GP2がHレ
ベルになると、AND回路152Bとそれに続くOR回
路157Bの出力は共にHレベルになり、ゲート駆動回
路GD2を介して自己消弧素子GC2にゲートオンパル
スを供給する。
【0055】次に、故障時の動作について説明するが、
己消弧素子GC1、GC2および還流ダイオードDF1
およびDF2の故障モードを分析した結果と短絡保護動
作を整理したものを表の形で図3に示し、図3の各故障
ケース1〜6が発生し得るタイミングを図4のタイミン
グチャートに示す。
【0056】図3において、ケース1はGC1およびG
C2がともにオフゲートパルスが与えられている短絡防
止期間Td(いわゆる上下アームの短絡を防止するため
に同時にオフさせる期間Tdを設けることが一般的であ
り、自己消弧素子の種類により数μ〜数十μ秒に設定さ
れる。)にGC1の故障が検出された場合である。GC
1がオン動作からオフ動作へ移行時に遮断失敗を生じた
場合やオフ動作する前のオン期間中に高di/dtによ
るターンオン破壊を生じた場合には、GC1のゲートと
カソ−ド間が短絡するためにオフゲート電圧をゲート駆
動回路GD1からGC1に供給した時点で負極性のオフ
ゲート電流が過大になる。正常なオフ動作であればGC
1のゲートに蓄積された電荷を引き出した後はオフゲー
ト電流は零に減衰してゲート駆動回路GD1のオフゲー
ト電圧(約−20V)が印加されるが、 GC1がオン
動作からオフ動作時に遮断失敗を生じた場合やオフする
前のオン期間中に高di/dtによるターンオン破壊を
生じた場合には、GC1のゲートとカソ−ド間が短絡す
るためにオフゲート電圧をゲート駆動回路GD1からG
C1に供給した時点で負極性のオフゲート電流が過大に
なることはよく知られている。
【0057】なお、オンゲート電圧が与えられている期
間にGC1がターンオン破壊を生じてもゲート駆動回路
GD1内では一般にオンゲート電流を制限する機能が内
臓されているために正極性のオンゲート電流は過大にな
らない。このためにゲート駆動回路GD1ではオフゲー
ト電流の過電流レベルあるいはオフゲート電圧のレベル
の低下を監視してGC1の故障を検出するようにしてお
り、この故障信号GD1FO(Lレベル)はGD1から
上記故障判別回路14内のAND回路145に与えられ
る。
【0058】即ち、このケース1の短絡保護動作は、自
己消弧素子GC1の遮断失敗をTd期間中に見つけて保
護処理して直流短絡を未然に防止するもので、GC1お
よびGC2ともに現状のゲート状態を強制的に継続すべ
くゲートフリーズ(GF)動作を行い、他相の自己消弧
素子に対してはゲートオフ動作を行う(保護処理モード
Aと表示)。このゲートフリーズは上記故障判別回路1
4内のAND回路145の出力信号FOの発生(Lレベ
ル)によりAND回路147を介して、上記保護処理回
路15内の保持A回路151A、151Bが上記ゲート
パルス発生器10からのゲートパルス信号GP1および
GP2を保持した信号GP1AおよびGP1Bを出力す
ることにより行う。また他相の自己消弧素子に対するゲ
ートオフは上記AND回路145の出力信号FOが与え
られる上記ゲートパルス発生器10(11)から全相に
対してオフのゲートパルス信号を一斉に発生して実行さ
れる。このようにTd期間中に素子故障を検出し、かつ
当該相のゲートパルスをゲートフリーズ動作することに
より、直流短絡への波及を未然に防止する。
【0059】次にケース4は、Td期間中にGC2が故
障検出された場合であり、GC2の故障がゲート駆動回
路GD2で検出されて、この故障信号GD2FO(Lレ
ベル)はGD2から上記故障判別回路14内のAND回
路145に与えられ、ケース1と同様の保護処理モード
Aの保護動作を行う。即ち、このケース4の短絡保護動
作は、自己消弧素子GC2の遮断失敗をTd期間中に見
つけて保護処理して直流短絡を未然に防止するものであ
る。
【0060】次にケース2および3は、GC2のみオン
のゲートパルス信号が与えられている場合に、対のアー
ムのGC1あるいはDF1が故障を発生して直流短絡を
生じる場合であり、交流側電流Iacのレベルに応じて
適切な保護動作が選択される。GC2のみにオンのゲー
トパルス信号が与えられて正常状態の場合に、交流側電
流Iacの極性が負のときには交流側電流IacはGC
2を通って上記平滑コンデンサ5の負極N側に流れ、逆
に交流側電流Iacの極性が正のときには交流側電流I
acは上記平滑コンデンサ5の負極N側からDF2を通
って流れる。このとき、図示の極性の定義に従えば、P
側の直流電流Ip=0、N側の直流電流In=−Iac
である。 GC1あるいはDF1が故障を発生して直流
短絡を生じた場合には直流短絡電流Isは上記平滑コン
デンサ5のP側から故障したGC1あるいはDF1とG
C2あるいはDF2(Iac>0で、Iac>Isの期
間)を通って上記平滑コンデンサ5のN側へ流れ、Is
=Ed×t/Lで上昇する。
【0061】ここでEdは上記平滑コンデンサ5の直流
電圧、tは短絡発生後からの経過時間、Lは故障経路の
インダクタンスで、アノードリアクトル4のインダクタ
ンスLaと直流短絡経路のブスバーのインダクタンスL
bを加算したインダクタンスである。短絡発生後の短期
間を考慮してこの期間では交流側電流Iacを一定と仮
定すれば、Ip=Is、In=−Iac+Isとなる。
このケースでは短絡発生後P側直流電流Ipが第1の過
電流設定値OC1に達すると保護動作に入る。このOC
1のレベルは正常運転での転流時におけるDF2の逆回
復電流のピ−ク値IRMよりも大きい値に設定され、誤
動作を防止する。
【0062】ここで上記転流動作の具体例としてDF1
からGC2への転流を図5を参照して説明する。Td期
間中にGC1、GC2ともにオフ状態のときにIacの
極性が負であればDF1を通ってP側へIacが流れて
おり、Td後にGC2をオンするとP側からDF1、G
C2を通ってN側へ転流電流Ic(部分的には直流短絡
電流Isと同じ)が流れる。IcがIc>−Iac>0
に上昇してDF1の逆回復電流のピ−ク値IRMに達す
る(このときIc=−Iac+IRM)と、DF1は完
全にオフすると同時にIcも−Iacレベルまで急減衰
して、以後GC2を通ってN側へ交流側電流Iacは流
れる。この逆回復電流のピ−クが生じる時点ではIp=
IRM、In=−Iac+IRMであり、InはGC2
の遮断限界である可制御電流値ITQRMまで達して直
流短絡と誤判断する場合があるために、GC2がオンの
場合には正常状態ではIRMが最大となるIp側で短絡
発生を早期に検出している。なお、上記逆回復電流のピ
ーク値IRMは、転流値のdi/dtに依存するが、例
えば、定格電流3000Aの素子の場合、IRM=10
00〜1500A程度である。また、可制御電流値IT
QRMは、上掲素子の場合、6000A程度である。
【0063】また、比較器133Aで判別するしきい値
−βは一斉点弧かゲートオフかの保護処理内容の選択を
行う選択基準値であり、この基準値−βの設定根拠を図
6に基づいて説明する。図は直流短絡発生時点を基準に
したIp、Inの時間変化を示しており、Iacが基準
値−βの場合に時刻t2でInが次式のように可制御電
流値ITQRM に到達する。 In=Ip+β=ITQRM (1) Ip=OC1+Ed×toc/L (2) ここでtocは、Ipの第1レベルの過電流設定値OC
1に到達する時刻t1から、この過電流を検出してGC2
をオフ動作させるまでの時間である。この時間tocと
しては、電流検出に要する時間に素子のターンオフ動作
に必要な時間を加えて、例えば、5μs程度に設定す
る。上記(1)および(2)式からβは次式で得られ
る。 β=ITQRM − OC1− Ed×toc/L (3)
【0064】すなわちInの直流短絡発生直前値のIa
cが−βのときにGC2は遮断限界であり、ケース2の
ようにIacが−βより小さいときには時刻t2では可
制御電流値ITQRMを超えることが予測できるために
当該相はゲートフリーズして他相を一斉点弧する(保護
処理モードC)。逆にケース3のように、Iacが−β
より大きいときには、時刻t2では可制御電流値ITQ
RMを超えないことが予測できるために当該相のGC1
をゲートフリーズするとともにGC2をゲートオフし、
他相をゲートオフする(保護処理モードB2)。
【0065】このように時刻t1の時点で早期に短絡電
流を検出するとともに交流側電流Iacが−βより大き
いか小さいかを判別して保護方法を選択するようにして
おり、図2の直流短絡保護回路でこのケース2、3の保
護動作を実行している。Ipが電流レベル判別回路13
内の比較器133CでOC1に達したと判別されるとそ
の出力信号IPOC1はHレベルになる。一方Iacは
比較器133Aで−β以上(ケース3)と判別されると
その出力信号−βHがHレベルになり、逆に−β未満
(ケース2)と判別されるとNOT回路134Aの出力
信号−βLがHレベルになる。ケース2,3ではGC2
がオン動作中であるから上記ゲートパルス発生器10の
ゲートパルス信号GP2のみがHレベルであり、それに
続く保護処理回路15内の保持A回路151Bの出力信
号GP2AもHレベルである。従って故障判別回路14
内のAND回路142Aの出力はHレベルになり、ケー
ス2では保持A回路141Aの出力がHレベルであるか
らそれに続くNAND回路143Aの出力がLレベルに
なる。
【0066】その結果、AND回路145からLレベル
のFO信号を出力して各保持A回路を保持動作させると
ともにAND回路144からLレベルの一斉点弧信号C
Oを出力する。この一斉点弧信号COは他相の直流短絡
保護回路へ与えられるとともに、当該相の保護処理回路
15に与えられる。一斉点弧信号COがLレベルになる
とNOT回路154の出力がHレベルになり、フリップ
フロップ回路155の出力はHレベルになる。このフリ
ップフロップ回路155の出力は、図示しないリセット
手段によってリセットされるまでHレベルを継続し、そ
れに続くAND回路156Aおよび156Bを経由して
OR回路157Aおよび157Bからオン(Hレベル)
のゲートパルス信号GP1CおよびGP2Cをゲート駆
動回路GD1およびGD2へ与える。
【0067】一方、ケース3では保持A回路141Bの
出力がHレベルであるからそれに続くNAND回路14
3Bの出力がLレベルになる。その結果、AND回路1
45からLレベルのFO信号を出力して各保持A回路を
保持動作させるとともに保護処理回路15内のAND回
路152Bの出力をLレベルに反転させてOR回路15
7Bからオフ(Lレベル)のゲートパルス信号GP2C
をゲート駆動回路GD2へ与える。
【0068】次にケース5および6はGC1にのみオン
のゲートパルス信号が与えられている場合に、対のアー
ムのGC2あるいはDF2が故障を発生して直流短絡を
生じる場合であり、交流側電流Iacのレベルに応じて
上記ケース2および3と同様に適切な保護動作が選択さ
れる。 GC1のみにオンのゲートパルス信号が与えら
れて正常状態の場合に、交流側電流Iacの極性が負の
ときには交流側電流IacはDF1を通って上記平滑コ
ンデンサ5の正極P側に流れ、逆に交流電流Iacの極
性が正のときには交流側電流Iacは上記平滑コンデン
サ5の正極P側からGC1を通って流れる。このとき、
図示の極性の定義に従えば、P側の直流電流Ip= I
ac、N側の直流電流In=0である。 GC2あるい
はDF2が故障を発生して直流短絡を生じた場合の過電
流検出方法は、ケース2および3の場合に正常時の直流
電流が少ないP側の直流電流Ipで過電流検出を行った
のと対称的に、正常時の直流電流が少ないN側の直流電
流Inで行う。
【0069】また、比較器133Bで判別するしきい値
βは一斉点弧かゲートオフかの選択基準値であり、この
基準値βの設定根拠を図6を参考にして説明する。ケー
ス2および3の場合にはIn>Ipであったのに対し
て、ケース5および6の場合には(Ip)、(In)で
図示しているようにIp>Inになる。Iacが基準値
βの場合に時刻t2でIpが次式のように可制御電流値
ITQRM に到達する。 Ip=In+β=ITQRM (4) In=OC1+Ed×toc/L (5) ここでtocはInの第1レベルの過電流設定値OC1
に到達する時刻t1から、この過電流を検出してGC1を
オフ動作させるまでの時間である。上記(4)および
(5)式からβは次式で得られる。 β=ITQRM −OC1− Ed×toc/L (6)
【0070】すなわち、Ipの直流短絡発生直前値のI
acがβのときにGC1は遮断限界であり、ケース6の
ようにIacが+βより大きいときには時刻t2では可
制御電流値ITQRMを超えることが予測できるために
当該相はゲートフリーズして他相を一斉点弧する(保護
処理モードC)。逆にケース5のようにIacが+βよ
り小さいときには、時刻t2では可制御電流値ITQR
Mを超えないことが予測できるために当該相のGC2を
ゲートフリーズするとともにGC1をゲートオフし、他
相をゲートオフする(保護処理モードB1)。
【0071】図2において、このケース5、6の保護動
作を説明する。Inは図示の電流極性の定義に基づけ
ば、In=Ip−Iacであり、電流レベル判別回路1
3内のIacの極性を反転する極性反転器131と加算
器132とでInを演算している。Inが比較器133
DでOC1に達したと判別されるとその出力信号INO
C1はHレベルになる。一方Iacは比較器133Bで
+β以上(ケース6)と判別されるとその出力信号+β
HがHレベルになり、逆にβ未満(ケース5)と判別さ
れるとNOT回路134Bの出力信号+βLがHレベル
になる。ケース5,6ではGC1がオン動作中であるか
ら上記ゲートパルス発生器10のゲートパルス信号GP
1のみがHレベルであり、それに続く保護処理回路15
内の保持A回路151Aの出力信号GP1AもHレベル
である。従って故障判別回路14内のAND回路142
Bの出力はHレベルになり、ケース6では保持A回路1
41Dの出力がHレベルであるからそれに続くNAND
回路143Dの出力がLレベルになる。その結果、AN
D回路145からLレベルのFO信号を出力して各保持
A回路を保持動作させるとともにAND回路144から
Lレベルの一斉点弧信号COを出力する。
【0072】この一斉点弧信号COは他相の直流短絡保
護回路へ与えられるとともに、当該相の保護処理回路1
5に与えられてケース2と同様にOR回路157Aおよ
び157Bからオン(Hレベル)のゲートパルス信号G
P1CおよびGP2Cをゲート駆動回路GD1およびG
D2へ与える。一方、ケース5では保持A回路141C
の出力がHレベルであるからそれに続くNAND回路1
43Cの出力がLレベルになる。その結果、AND回路
145からLレベルのFO信号を出力して各保持A回路
を保持動作させるとともに保護処理回路15内のAND
回路152Aの出力をLレベルに反転させてOR回路1
57Aからオフ(Lレベル)のゲートパルス信号GP1
Cをゲート駆動回路GD1へ与える。
【0073】次に直流短絡を発生した過電流検出相から
他相に一斉点弧信号CO (Lレベル)が与えられた場
合の動作を図2に基づいて説明する。まず、過電流検出
相から一斉点弧信号COが与えられると故障判別回路1
4のAND回路147を介して各保持A回路で電流判別
信号やゲートパルス信号が保持される。このとき、例え
ばGC1のゲートパルス信号がオンからオフに切り替わ
った直後のTd期間中に一斉点弧信号COが与えられた
ときにはGC1のゲートパルス信号を直ちにオンに切り
替えると、オフ動作中に強制的にオンさせることにな
り、反ってGC1を破壊する恐れがある。この破壊を防
止するためにGC1のオフ動作(図示していないが、G
C1に並列接続されたスナバコンデンサがGC1のター
ンオフ時に過充電され、その過充電分の電荷が放電して
このスナバコンデンサの電圧が直流電圧レベルに落ち着
くまでの動作を含む)が完了する時間 Td´(このT
d´はスナバの回路方式とその定数により決まり、一般
にTdと同程度である。)を経過した後にオンするよう
にしている。
【0074】すなわち、GC1のゲートパルス信号GP
1がオンからオフに切り替わると保護処理回路15内の
パルス発生器153Aはこの期間(Td´)にLレベル
の出力を発生し、一斉点弧信号COによってフリップフ
ロップ回路155の出力がHレベルに保持されていても
AND回路156Aの出力はLレベルのままであり、G
C1のオン動作を禁止する。 Td´期間を経過した後
にパルス発生器153Aの出力はHレベルに戻って、
OR回路157Aの出力からオン(Hレベル)のゲート
パルス信号GP1Cをゲート駆動回路GD1へ与える。
【0075】なお、この実施の形態1では、自己消弧素
子へのゲートパルス信号の状態、各相の直流電流のレベ
ル、交流側電流のレベルおよび自己消弧素子自身の故障
信号からなる直流短絡の発生の予測手段もしくは直流短
絡電流の立ち上がり初期時点における早期直流短絡検出
手段により故障素子を特定し、適切な保護手段を選択し
て健全素子を保護するようにしたので、一斉点弧のケー
スを制限できて信頼性の高い装置を得ることができる。
【0076】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、N側の直流電流InをP側の直流電流検出値Ipと
交流電流検出値Iacから演算して求めたものを示した
が、図7に示すようにN側の直流電流検出値Inと交流
側電流検出値Iacから演算してP側の直流電流Ipを
求めるように構成したものであってもよい。図において
16はN側の直流電流検出器、13Aは電流レベル判別
回路であって、このN側の直流電流検出器16の出力I
nと交流側電流検出信号Iacが入力され、P側の直流
電流Ipを加算器135で求めている。すなわち電流の
極性を図示の方向を正と定義すればIp=Iac+In
であるから、この加算器135はIacとInの加算演
算を行い、Ipを求めている。以上のような構成によ
り、上記実施の形態1と同様な効果を奏するものが得ら
れる。
【0077】実施の形態3.また、上記実施の形態1お
よび2では交流側電流検出値Iacと片側の直流電流検
出値IpあるいはInからもう片側の直流電流Inある
いはIpを演算により求めたものを示したが、図8に示
すように両側の直流電流検出値Ip、Inから交流側電
流Iacを求めるように構成したものであってもよい。
図において13Bは電流レベル判別回路であって、 P
側の直流電流検出器8の出力IpとN側の直流電流検出
器16の出力Inが入力され交流側電流Iacを加算器
137で求めている。すなわち電流の極性を図示の方向
を正と定義すればIac=Ip−Inであるから、この
加算器137はInの極性を反転する極性反転器136
の出力とIpの加算演算を行い、Iacを求めている。
以上のような構成により、上記実施の形態1と同様な効
果を奏するものが得られる。なお、上記実施の形態1、
2および3では、装置のコスト低減のために交流電流検
出器9、P側直流電流検出器8、N側直流電流検出器1
6の内、ひとつの電流検出器を省略して構成したものを
示したが、当然ながら、すべての電流検出器を設けて構
成したものであってもよい。
【0078】実施の形態4.なお、上記実施の形態1で
は、自己消弧素子へのゲートパルス信号の状態、各相の
直流電流のレベル、交流側電流のレベルおよび自己消弧
素子自身の故障信号からなる直流短絡の発生の予測手段
もしくは直流短絡電流の立ち上がり初期時点における早
期直流短絡検出手段により故障素子を特定し、適切な保
護手段を選択して健全素子を保護するように構成したも
のを示したが、さらに一斉点弧保護手段を付加して素子
保護の信頼性を向上させたものについて説明する。図2
の主回路構成と同じ構成を示す図9において、17は電
圧検出器であって、アノードリアクトル4の印加電圧か
らIpの第3レベルの過電流(OC3)を検出する。こ
の電圧検出器17は例えば特公平3−6740号公報の
第3図に示されているようなものであって、アノードリ
アクトル4の印加電圧Vaの時間積から短絡電流値を予
測しており、この時間積値が所定値に達すると双方向ス
イッチング素子を導通させてこの電圧検出器から過電流
信号を出力している。この出力の絶縁手段としては図示
されているような変圧器による方法以外に光伝送方法で
あってもよく、この場合にはLレベルの過電流信号OC
3が発生する。ここで、アノードリアクトル4の印加電
圧Vaは、Va= Ed×La/(La+Lb)であ
る。
【0079】13Cは電流レベル判別回路であって、図
2の電流レベル判別回路13に対してP側およびN側の
直流電流IpおよびInの第2レベルの過電流OC2を
それぞれ比較器133Eおよび133Fで検出してそれ
ぞれNOT回路134CおよびNOT回路134Dの出
力からLレベルの信号を発生する。14Aは故障判別回
路であって、図2の故障判別回路14に示すAND回路
144および145をそれぞれ、5入力のAND回路1
44Aおよび9入力のAND回路145Aに変更してい
る。このAND回路144Aおよび145Aの入力には
上記電圧検出器17からの第3レベルの過電流信号OC
3と電流レベル判別回路13Cからの第2レベルの過電
流信号(IPOC2およびINOC2)が共通に追加さ
れている。
【0080】この動作を図10に基づいて説明する。図
は、図3のケース5(GC1にオンゲート信号が与えら
れている状態でGC2あるいはDF2が短絡故障を発
生)に相当するものについて直流短絡発生時点を基準に
したIp、Inの時間変化を示している。Iacの瞬時
値が基準値+β以下でそれに近い場合に、時刻t1でI
nの第1の過電流レベルOC1が検出されると保護処理
モードBPが選択され、時刻t2でIpが(4)、
(5)式のように可制御電流値ITQRMに近いレベル
に到達したところでGC1が遮断される。正常にGC1
が遮断されると、Ip、Inは図示の実線波形で示され
るように急減衰するが、仮にGC1の遮断動作中にゲー
ト駆動回路GD1等の部品が同時に故障を発生した場合
にはGC1は遮断失敗を生じて図示の一点鎖線のように
Ip、Inは上昇し続ける。IpあるいはInが時刻t
3で第2レベルの過電流設定値IPOC2およびINO
C2に達すると一斉点弧動作を行う。ここでこの第2レ
ベルの過電流設定値IPOC2およびINOC2は自己
消弧素子の可制御電流値ITQRM以上のレベルに設定
してゲートオフによる正常な保護動作時に誤作動させな
いように配慮している。
【0081】この場合の一斉点弧動作は、図9において
電流レベル判別回路13C内の比較器133Eの出力を
符号反転するNOT回路134Cの出力信号IPOC2
がLレベルになることにより、故障判別回路14A内の
AND回路144AがLレベルの一斉点弧信号COを出
力して実行される。さらに直流電流検出器8の故障が重
なった場合には上記第2レベルの過電流OC2の検出が
不可能になり、一斉点弧動作が行えない。その場合に
は、Ipが上記電圧検出器17の検出レベルである第3
レベルの過電流設定値OC3に達すると一斉点弧動作を
行う。この場合の一斉点弧動作は、電圧検出器17の出
力信号OC3がLレベルになることにより、故障判別回
路14A内のAND回路144AがLレベルの一斉点弧
信号COを出力して実行される。なお、図9ではアノー
ドリアクトル4と電圧検出器17をP側に設けたものを
示したが、N側に設けたものであってもよく、またP側
とN側の両側に設けたものであってもよい。以上のよう
に電力変換装置と直流短絡保護回路を構成することによ
り、素子やブスバーの保護に対して信頼性の高いものが
得られる。
【0082】実施の形態5.なお、上記実施の形態1で
は、交流側電流Iacの基準値+β(−β)を上記
(3)および(6)式から得たものを示したが、平滑コ
ンデンサ5の直流電圧Edが定格(最大)値で変動しな
いと仮定した場合に適用できる。現実にはこの直流電圧
Edは負荷変動等により変動を生じるために、上記
(3)および(6)式のEd×toc/Lの項がEdの
変動により変化する。従って、交流側電流Iacの基準
値+β(−β)は直流電圧Edが最大値(Edmax)
の場合を考慮して、次式に基づいて基準値βを低減す
る。 β=ITQRM − OC1− Edmax×toc/L (7) この(7)式に基づいて基準値βを設定すれば、直流電
圧Edの変動が生じても自己消弧素子をオフさせる保護
モードのときには可制御電流値ITQRM以下のレベル
で確実に遮断でき、信頼性の高いものが得られる。
【0083】実施の形態6.また、上記実施の形態5で
は交流側電流Iacの基準値βを直流電圧Edが最大値
(Edmax)の場合を考慮して設定する方法である
が、直流短絡が直流電圧Edが低い状態のときに生じた
場合の動作を説明する。図11において、IpおよびI
nの実線波形はEd=Edmaxのときに直流短絡が発
生した場合を示しており、上記(7)式から得られる基
準値βよりも交流側電流Iacの瞬時値がやや小さいケ
ースに相当し、P側の自己消弧素子GC1を時刻t2で
オフする。このときのGC1の遮断電流はほぼ可制御電
流値ITQRMレベルである。図のIpおよびInの点
線波形は直流電圧EdがEdLに低下しているときに直
流短絡が発生した場合を示しており、時刻t1LでOC
1が検出されて、その後tocの期間を経過した時刻t
2LにてP側の自己消弧素子GC1をオフする。そのと
きのGC1の遮断電流Ipのレベルは図示のA点のレベ
ルであり、可制御電流値ITQRMよりもかなり低いレ
ベルで遮断することになる。裏を返せば、低い基準値β
に設定されると一斉点弧の機会が増えることになる(短
絡電流値からは一斉点弧が必要でないのに、一斉点弧動
作をするケースが起こり得る)。図のIpの一点鎖線波
形は直流電圧Edの大きさに応じて交流側電流Iacの
基準値βをβaに調整した場合を示しており、図示のB
点(ITQRMに相当)で遮断することになる。
【0084】ここで基準値βaは次式に基づいて調整す
る。 βa=ITQRM−OC1−EdL×toc/L (8) Ed=Edmaxのときの基準値βを使って、この
(8)式を変形すると次式が得られる。 βa=β+(Edmax−EdL)×toc/L (9) この(9)式のEdLの項に直流電圧の瞬時値Edを適
用すれば、直流電圧Edの大きさに応じて基準値βを調
整でき、自己消弧素子の遮断電流レベルが可制御電流値
ITQRMを超えることを確実に予測して一斉点弧によ
る保護動作を実行できるために、一斉点弧の機会を低減
できる。
【0085】図12は上記図9に基準値βの調整手段を
付加したものである。図において、18は直流電圧検出
器であって、平滑コンデンサ5の電圧を検出して直流電
圧信号−Edを出力する。19は交流側電流の基準値調
整回路であって、この直流電圧検出器18の出力信号−
Edの大きさに応じて可変基準値信号βaを出力する。
この基準値調整回路19において191は加算器であっ
て、上記直流電圧検出器18の出力信号−Edと直流電
圧Edの最大値に相当する信号Edmaxの加算演算を
行う。192はゲイン調整器であって、この加算器19
1の出力( Edmax−Ed)に対し、上記(9)式
に基づいてゲインの調整を行い、調整信号△βを出力す
る。193は加算器であって、このゲイン調整器192
の出力信号△βと上記(7)式に基づいて得られる直流
電圧が最大時の基準値βを加算し、可変基準信号+βa
を出力して電流判別回路13C内の比較器133Bに与
えている。194は極性反転器であって、この加算器1
93の出力信号βaの極性を反転し、可変基準信号−β
aを出力して電流判別回路13C内の比較器133Aに
与えている。このように基準値βを直流電圧に応じて調
整するように構成したことにより、一斉点弧保護動作の
機会を低減でき、信頼性の高いものが得られる。
【0086】実施の形態7.また、上記実施の形態1で
は自己消弧素子がオフした直後に一斉点弧信号COが発
生しても上記図2の保護処理回路15内のパルス発生器
153Aおよび153Bとそれに続くAND回路156
Aおよび156Bにより、自己消弧素子にゲートオフ信
号が与えられてからオフ動作が完了する期間Td´を経
過した後に一斉点弧動作を行うように構成したものにつ
いて述べたが、自己消弧素子にゲートオフ信号が与えら
れてオフ動作する際に交流側電流の極性によって、この
自己消弧素子に逆並列接続された還流ダイオードを通っ
て交流側電流が流れている場合にはすぐに一斉点弧動作
を行っても構わない。
【0087】この一斉点弧動作の延期手段を解除する方
法を、図13に基づいて説明する。図において、15A
は保護処理回路であって、上記図2に示す保護処理回路
15内のパルス発生器153Aおよび153Bの出力に
それぞれ2入力のOR回路158Aおよび158Bを追
加している。このOR回路158Aおよび158Bのも
う一方の入力へはそれぞれ上記故障判別回路14内の保
持A回路141Aおよび141Dの出力信号−βLおよ
び+βHが与えられている。例えばGC1のオフ直後に
一斉点弧信号COが発生した場合にはパルス発生器15
3Aの出力からLレベルのパルスが発生しているが、交
流側電流Iac が−βよりも小さいならばDF1を通
ってP側へ交流側電流が流れていると判断できる。そし
て、このとき保持A回路141Aの出力−βLはHレベ
ルであるから、 OR回路158Aの出力はHレベルの
ままであり、一斉点弧信号COに基づいてフリップフロ
ップ回路155の出力がHレベルになるとただちにGC
1へはオンゲート信号GP1Cが与えられる。
【0088】同様に、GC2のオフ直後に一斉点弧信号
COが発生した場合にはパルス発生器153Bの出力か
らLレベルのパルスが発生しているが、交流側電流Ia
cの大きさが+βよりも大きいならば保持A回路141
Dの出力+βHはHレベルであるから、 OR回路15
8Bの出力はHレベルのままであり、一斉点弧信号CO
に基づいてフリップフロップ回路155の出力がHレベ
ルになるとただちにGC2へはオンゲート信号GP2C
が与えられる。このように直流短絡保護回路を構成した
ので、一斉点弧動作において各相の一斉点弧タイミング
のばらつきを抑制できて、各相の直流短絡電流の分流が
よくなる効果があり、信頼性の高いものが得られる。
【0089】なお、上記図13では交流側電流Iacの
極性判別手段として保護処理モードの選択基準となる交
流側電流の基準値βを使用したもので示したが、別に交
流側電流の瞬時値の零レベルを基準値として極性の正、
負を判別するように構成したものであってもよい。
【0090】実施の形態8.上記実施の形態1〜7で
は、図1および図2に示すように自己消弧素子が平滑コ
ンデンサ5の正極Pと負極N間に接続構成される2レベ
ルの電力変換装置(コンバータ、インバータ)における
直流短絡時の保護制御方法を述べたが、図14に示すよ
うに正極P、負極Nおよび中性極Cから成る3レベルの
電力変換装置(コンバータ、インバータ)に直流短絡時
の保護制御方法を適用した場合について説明する。図1
4の主回路構成は公知の3レベルの電力変換装置(コン
バータ、インバータ)の代表の1相分について示してお
り、5P、5Nは平滑コンデンサであって、直列接続さ
れて正極P、負極Nおよび中性極(中点)Cを有する。
GC1〜GC4は第1〜4の自己消弧素子であって、こ
の正極Pと負極N間にP側およびN側のアノードリアク
トル4Pおよび4Nを介して直列接続され、この自己消
弧素子GC2とGC3の中点から交流側端子ACを得て
いる。DF1〜DF4は第1〜4の還流ダイオードであ
って、それぞれこの自己消弧素子 GC1〜GC4に逆
並列に接続されている。DC1、DC2は第5、第6の
ダイオードとしての第1、第2の結合ダイオード(クラ
ンプダイオードと呼ばれる場合もある)であって、それ
ぞれ上記自己消弧素子GC1とGC2の中間接続点と上
記中性極C間および上記自己消弧素子GC3とGC4の
中間接続点と上記中性極C間に接続される。8P、8
C、8Nは直流電流検出器であって、それぞれ図に示す
P側、C側、N側の直流電流Ip、Ic,Inを検出す
る。ここでこの直流電流Ip、Ic,Inの極性を図示
方向を正と定義する。
【0091】10A(11A)は3レベル電力変換装置
のコンバータ(インバータ)の代表1相分のゲートパル
ス発生器であって、上記自己消弧素子 GC1〜GC4
へのゲートパルス信号GP1〜GP4を発生する。13
D、14B、15Bはそれぞれ電流レベル判別回路、故
障判別回路、保護処理回路であって、上記実施形態1〜
7と同様に直流短絡保護回路を構成する。この電流レベ
ル判別回路13Dにおいて、入力にはC側の直流電流検
出信号Icが付加され、このIcの両極性電流に対して
比較器133Eとそれに続くNOT回路134Eから負
極性の第1レベルの過電流信号IC−OC1を、また比
較器133Fから正極性の第1レベルの過電流信号IC
+OC1をLレベルで出力する。
【0092】故障判別回路14B(詳細は図15に示
す)において、入力にはこの電流レベル判別回路13D
の出力信号である各種の電流レベルの判別信号、保護処
理回路15Bからのゲートパルス信号GP1A〜GP4
A、上記自己消弧素子 GC1〜GC4のゲート駆動回
路GD1〜GD4からの素子故障信号GD1FO〜GD
4FOが与えられ、出力からは故障信号FO、ゲートオ
フ信号B1〜B4、B12、B34、一斉点弧信号CP
O、CNOを発生する。保護処理回路15B(詳細は図
16に示す)は、上記故障判別回路14Bからのゲート
フリーズ指令(FO)、ゲートオフ指令、一斉点弧指令
(CPO、CNO)に基づき、短絡保護処理を実行した
出力信号をゲート駆動回路GD1〜GD4にゲートパル
ス信号として与える。
【0093】次に、動作について説明する。まず、正常
時の各部の動作について説明する。図15の故障判別回
路14Bにおいて、故障信号FOおよび正極側(GC
1、GC2、GC3)一斉点弧信号CPO、負極側(G
C2、GC3、GC4)一斉点弧信号CNOは共にHレ
ベルであり、AND回路147の出力はHレベルで各保
持A回路は保持動作をしない、更に、図16の保護処理
回路15Bにおいて、NOT回路154Pおよび154
Nの出力はLレベルであるからフリップフロップ回路1
55Pおよび155Nの出力とそれに続くOR回路15
B9の出力はLレベルであって、AND回路156A、
156B、156C、156Dの出力もLレベルであ
る。またOR回路158Pおよび158Nの出力はHレ
ベルである。一方ゲートオフ信号B1〜B4およびB1
2、B34も正常時にはHレベルである。したがってこ
のような論理回路の状態である場合にGP1〜GP4の
パルス状態はそのまま、保持A回路151A〜151
D、AND回路152A〜152Dを介してOR回路1
57A〜Dへ伝達されてGD1〜4へ与えられる。
【0094】次に、故障時の動作について説明する。上
記図1および図2に示す2レベルの電力変換装置では直
流短絡は平滑コンデンサ5から成る直流電源の正極Pと
負極N間の構成素子の経路で生じるのに対して、図14
に示す3レベルの電力変換装置では直流短絡はP、C
間、C、N間、P、N間の3ケースの経路で生じる。表
の形で示す図17は、各自己消弧素子 GC1〜GC4
および各ダイオードDF1〜DF4、DC1、DC2の
故障モードを分析した結果と短絡保護動作を整理したも
のである。
【0095】また、図18は、図17の各故障ケース1
〜16が発生し得るタイミングを示すタイミングチャー
トである。ケース1、4、7、12はTd期間中に自己
消弧素子の故障が検出された場合であり、2レベルの場
合(図3のケース1,4に相当)と同様に、当該相はゲ
ートフリーズ(GF)して健全な他相をゲートオフ(O
FF)する保護処理モードAに相当する。すなわち、ケ
ース1は自己消弧素子GC1がオン状態からオフへ移行
するTd期間中に、自己消弧素子GC1自身の故障がゲ
ート駆動回路GD1で検出された場合であり、Td後に
GC3にオンゲート信号が与えられる前に保護処理モー
ドAで保護してP、C間の短絡を予防する。ケース4は
自己消弧素子GC4がオン状態からオフへ移行するTd
期間中に、自己消弧素子GC4自身の故障がゲート駆動
回路GD4で検出された場合であり、Td後にGC2に
オンゲート信号が与えられる前に保護処理モードAで保
護してC、N間の短絡を予防する。
【0096】ケース7は自己消弧素子GC2がオン状態
からオフへ移行するTd期間中に、自己消弧素子GC2
自身の故障がゲート駆動回路GD2で検出された場合で
あり、Td後にGC4にオンゲート信号が与えられる前
に保護処理モードAで保護してC、N間の短絡を予防す
る。ケース12は自己消弧素子GC3がオン状態からオ
フへ移行するTd期間中に、自己消弧素子GC3自身の
故障がゲート駆動回路GD3で検出された場合であり、
Td後にGC1にオンゲート信号が与えられる前に保護
処理モードAで保護してP、C間の短絡を予防する。
【0097】続いてこのケース1、4、7、12におけ
る直流短絡保護動作を図15に示す故障判別回路14B
に基づき、説明する。ゲート駆動回路GD1〜4から素
子故障信号GD1FO、GD2FO、GD3FO、GD
4FO(故障時はLレベル信号)が16入力構成(入力
側の( )内の数字は図17のケースNoに対応させて
表示している)で図示されたAND回路145に与えら
れると、この出力信号(故障信号)FOがLレベルにな
り、ゲートパルス発生器10A(11A)で他相の全自
己消弧素子をゲートオフするとともにAND回路147
を介して保護処理回路15B(図16)の保持A回路で
ゲートパルス信号を保持してゲートフリーズ動作を実行
する。
【0098】次にケース2、3、5、6はGC2および
GC3のゲートパルス信号がオンゲートの状態のときに
GC1側あるいはGC4側の素子が故障してP、C間あ
るいはC、N間の直流短絡が発生する場合を示してお
り、2レベルの場合(図3のケース2,3,5,6の相
当)と同様に、交流側電流Iacの選択基準値βに対す
る大小関係でゲートオフあるいは一斉点弧の保護処理モ
ードを選択する。
【0099】但し、3レベルの場合は、直流短絡は正極
P−中性極C間、中性極C−負極N間および正極P−負
極N間の3種類の経路が考えられ、厳密には、各経路で
短絡電流が異なることになる。しかし、現実の装置で
は、P−C間の電圧をEdp、C−N間の電圧をEd
n、P−N間の電圧をEdpn、P−C間のインダクタ
ンスをLp、C−N間のインダクタンスをLn、P−N
間のインダクタンスをlpnとすると、 Edp≒Edn=Edpn/2 が成立し、また、アノードリアクトル4p、4nの存在
を考慮すると、 Lp≒Ln≒Lpn/2 が成立する。
【0100】従って、2レベルの場合の(6)式に準じ
て、3レベルの場合の選択基準値βは、実用上、以下の
(10)式により設定することができる。 β=ITQRM−OC1 -toc{ Edp /Lp+ Edn /Ln+(Edp +Edn)/Lpn}/3 (10) 以下、この(10)式で求めた選択基準値βを基に、各
故障ケースにおける動作を説明する。
【0101】まず、ケース2、3ではGC1あるいはD
F1が故障してP、C間の直流短絡を発生する場合であ
り、P側の直流電流Ipが第1レベルの過電流設定値O
C1を超えたときに、ケース2のように交流側電流Ia
cの瞬時値が基準値−βよりも小さければGC3の遮断
電流が保護動作時間toc後に可制御電流値ITQRM
を超えるために、P側短絡経路の自己消弧素子(GC1
〜3)のみ一斉点弧(保護処理モード:CP)し、ケー
ス3のように交流側電流Iacの瞬時値が基準値−βよ
りも大きければ当該相のGC3および他相の全自己消弧
素子をゲートオフする(保護処理モード:B3)。
【0102】ケース5,6ではGC4あるいはDF4が
故障してC、N間の直流短絡を発生する場合であり、N
側の直流電流Inが第1レベルの過電流設定値OC1を
超えたときに、ケース6のように交流側電流Iacの瞬
時値が基準値+βよりも大きければGC2の遮断電流が
保護動作時間toc後に可制御電流値ITQRMを超え
るために、N側短絡経路の自己消弧素子(GC2〜4)
のみ一斉点弧(保護処理モード:CN)し、ケース5の
ように交流側電流Iacの瞬時値が基準値+βよりも小
さければ当該相のGC2および他相の全自己消弧素子を
ゲートオフする(保護処理モード:B2)。
【0103】続いてこのケース2,3,5,6における
直流短絡保護動作を図に基づき、説明する。図15の故
障判別回路14Bにおいてゲートパルス信号GP2Aと
GP3AがHレベルであるからAND回路146Bの出
力信号GP23がHレベルである。ケース2では図14
の電流判別回路13Dの出力信号IPOC1と−βLが
Hレベルであるから、AND回路142Aの出力がHレ
ベルで、それに続くNAND回路143Aの出力がLレ
ベルになり、AND回路145の出力からLレベルのF
O信号を発生するとともにAND回路144Pの出力か
らLレベルのCPO信号(P側短絡経路GC1〜GC3
の一斉点弧信号)を発生する。ケース3では図14の電
流判別回路13Dの出力信号IPOC1と−βHがHレ
ベルであるから、AND回路142Aの出力がHレベル
で、それに続くNAND回路143Dの出力からLレベ
ルのB3信号(GC3のゲートオフ信号)を発生すると
ともに、AND回路145の出力からLレベルのFO信
号を発生する。
【0104】ケース5では図14の電流判別回路13D
の出力信号INOC1と+βLがHレベルであるから、
AND回路142Dの出力がHレベルで、それに続くN
AND回路143Iの出力からLレベルのB2信号(G
C2のゲートオフ信号)を発生するとともに、AND回
路145の出力からLレベルのFO信号を発生する。ケ
ース6では図14の電流判別回路13Dの出力信号IN
OC1と+βHがHレベルであるから、AND回路14
2Dの出力がHレベルで、それに続くNAND回路14
3Lの出力がLレベルになり、AND回路145の出力
からLレベルのFO信号を発生するとともにAND回路
144Nの出力からLレベルのCNO信号(N側短絡経
路GC2〜GC4の一斉点弧信号)を発生する。
【0105】このゲートオフ信号B2、B3および一斉
点弧信号CPO、CNOは図16に示す保護処理回路1
5Bに与えられる。図において当該相ではゲートパルス
信号GP2とGP3がゲートオン状態でHレベルになっ
ている。このとき、ゲートオフ信号B2(Lレベル)が
与えられると、AND回路150Bの出力がLレベル
で、それに続くAND回路152Bの出力信号GP2B
もLレベルになる。また、一斉点弧信号CPO、CNO
は共にHレベルであるから、フリップフロップ回路15
5P、155Nの出力は共にLレベルであり、それに続
くAND回路156A〜156DもLレベルとなってい
る。従って、OR回路157BからLレベルのゲートパ
ルス信号GP2Cがゲート駆動回路GD2へ与えられて
GC2はオフ動作する。また、ゲートオフ信号B3(L
レベル)が与えられると、同様にしてAND回路152
Cの出力信号GP3BがLレベルになり、Lレベルのゲ
ートパルス信号GP3Cがゲート駆動回路GD3へ与え
られてGC3はオフ動作する。
【0106】P側短絡経路の一斉点弧信号CPO(Lレ
ベル)が与えられると、フリップフロップ回路155P
およびそれに続くOR回路15B9の出力がHレベルに
なり、AND回路156A、156B、156Cを介し
てそれぞれOR回路157A、157B、157Cから
Hレベルのゲートパルス信号GP1C、GP2C、GP
3Cがゲート駆動回路GD1、GD2、GD3へ与えら
れてGC1〜3はオン動作する(ただし、GC2とGC
3はすでにオン動作中)。N側短絡経路の一斉点弧信号
CNO(Lレベル)が与えられると、フリップフロップ
回路155Nおよびそれに続くOR回路15B9の出力
がHレベルになり、AND回路156B、156C、1
56Dを介してそれぞれOR回路157B、157C、
157DからHレベルのゲートパルス信号GP2C、G
P3C、GP4Cがゲート駆動回路GD2、GD3、G
D4へ与えられてGC2〜4はオン動作する(ただし、
GC2とGC3はすでにオン動作中)。
【0107】次にケース8〜11はGC3とGC4のゲ
ートパルス信号がオンゲートの状態のときにGC1側あ
るいはGC2側の素子が故障してP、N間あるいはC、
N間の直流短絡が発生する場合を示しており、2レベル
の場合(図3のケース2,3,5,6の相当)と同様
に、交流側電流Iacの基準値+β(−β)に対する大
小関係でゲートオフあるいは一斉点弧の保護処理モード
を選択する。
【0108】すなわち、ケース8、9ではGC2、DF
2あるいはDC2が故障してC、N間の直流短絡を発生
する場合であり、C側の直流電流Icが第1レベルの過
電流設定値+OC1を超えたときに、ケース9のように
交流側電流Iacの瞬時値が基準値−βよりも小さけれ
ばGC4の遮断電流が保護動作時間toc後に可制御電
流値ITQRMを超えるために、N側短絡経路の自己消
弧素子(GC2〜4)のみ一斉点弧(保護処理モード:
CN)し、ケース8のように交流側電流Iacの瞬時値
が基準値−βよりも大きければ当該相のGC4および他
相の全自己消弧素子をゲートオフする(保護処理モー
ド:B4)。
【0109】ケース10,11ではGC1あるいはDF
1が先に故障すると直流電源のPN間電圧がGC2(D
F2)に集中して印加されるためにこれに耐えられず、
GC2あるいはDF2が過電圧破壊してP、N間の直
流短絡を発生する場合であり、P側の直流電流Ipが第
1レベルの過電流設定値OC1を超えたときに、ケース
10のように交流側電流Iacの瞬時値が基準値−βよ
りも小さければGC3およびGC4の遮断電流が保護動
作時間toc後に可制御電流値ITQRMを超えるため
に、PN間短絡経路の自己消弧素子(GC1〜4)を一
斉点弧(保護処理モード:CPN)し、ケース11のよ
うに交流側電流Iacの瞬時値が基準値−βよりも大き
ければ当該相のGC3、GC4および他相の全自己消弧
素子をゲートオフする(保護処理モード:B34)。
【0110】続いてこのケース8〜11における直流短
絡保護動作を図に基づき、説明する。図15の故障判別
回路14Bにおいてゲートパルス信号GP3AとGP4
AがHレベルであるからAND回路146Cの出力信号
GP34がHレベルである。ケース9では図14の電流
判別回路13Dの出力信号IC+OC1と−βLがHレ
ベルであるから、AND回路142Fの出力がHレベル
で、それに続くNAND回路143Cの出力がLレベル
になり、AND回路145の出力からLレベルのFO信
号を発生するとともにAND回路144Nの出力からL
レベルのCNO信号(N側短絡経路の一斉点弧信号)を
発生する。ケース8では図14の電流判別回路13Dの
出力信号IC+OC1と−βHがHレベルであるから、
AND回路142Fの出力がHレベルで、それに続くN
AND回路143Fの出力からLレベルのB4信号(G
C4のゲートオフ信号)を発生するとともに、AND回
路145の出力からLレベルのFO信号を発生する。
【0111】ケース11では図14の電流判別回路13
Dの出力信号IPOC1と−βHがHレベルであるか
ら、AND回路142Bの出力がHレベルで、それに続
くNAND回路143Eの出力からLレベルのB34信
号(GC3およびGC4のゲートオフ信号)を発生する
とともに、AND回路145の出力からLレベルのFO
信号を発生する。ケース10では図14の電流判別回路
13Dの出力信号IPOC1と−βLがHレベルである
から、AND回路142Bの出力がHレベルで、それに
続くNAND回路143Bの出力がLレベルになり、A
ND回路145の出力からLレベルのFO信号を発生す
るとともにAND回路144Pおよび144Nの出力か
らLレベルのCPO信号およびCNO信号を同時に発生
する。
【0112】このゲートオフ信号B34、B4および一
斉点弧信号CPO、CNOは図16に示す保護処理回路
15Bに与えられる。図において当該相ではケ−トパル
ス信号GP3とGP4がゲートオン状態でHレベルにな
っている。このとき、ゲートオフ信号B34(Lレベ
ル)が与えられると、AND回路150Dの出力が先に
Lレベルになってそれに続くAND回路152Dの出力
信号GP4BもLレベルになり、OR回路157Dから
Lレベルのゲートパルス信号GP4Cがゲート駆動回路
GD4へ与えられてGC4はオフ動作する。またオフデ
ィレイ回路15B14を介することで上記AND回路1
50DよりもTy時間だけ遅れてAND回路150Cの
出力はLレベルになってそれに続くAND回路152C
の出力信号GP3BもLレベルになり、OR回路157
CからLレベルのゲートパルス信号GP3Cがゲート駆
動回路GD3へ与えられてGC3はオフ動作する。この
ようにGC3をGC4よりもTy時間だけ遅らせてオフ
させる理由は、GC3が先にオフするとPN間の直流電
圧がGC3に集中して印加されて過電圧破壊する恐れが
あり、これを防止するためである。このTy時間は自己
消弧素子のターンオフ時間のばらつきを考慮して設定さ
れる。
【0113】ゲートオフ信号B4(Lレベル)が与えら
れると、上記と同様にして出力信号GP4BがLレベル
になり、Lレベルのゲートパルス信号GP4Cがゲート
駆動回路GD4へ与えられてGC4はオフ動作する。P
側およびN側短絡経路の一斉点弧信号CPOおよびCN
O(Lレベル)が同時に与えられると、フリップフロッ
プ回路155Pおよび155Nとそれに続くOR回路1
5B9の出力がHレベルになり、AND回路156A〜
Dを介してそれぞれOR回路157A〜DからHレベル
のゲートパルス信号GP1C〜GP4Cがゲート駆動回
路GD1〜4へ与えられてGC1〜4はオン動作する
(ただし、GC3とGC4はすでにオン動作中)。
【0114】次にケース13〜16はGC1とGC2の
ゲートパルス信号がオンゲートの状態のときにGC3側
あるいはGC4側の素子が故障してP、N間あるいは
P、C間の直流短絡が発生する場合を示しており、2レ
ベルの場合(図3のケース2,3,5,6の相当)と同
様に、交流側電流Iacの基準値βに対する大小関係で
ゲートオフあるいは一斉点弧の保護処理モードを選択す
る。
【0115】すなわちケース13、14ではGC3、D
F3あるいはDC1が故障してP、C間の直流短絡を発
生する場合であり、C側の直流電流Icが第1レベルの
過電流設定値−OC1を超えたときに、ケース14のよ
うに交流側電流Iacの瞬時値が基準値+βよりも大き
ければGC1の遮断電流が保護動作時間toc後に可制
御電流値ITQRMを超えるために、P側短絡経路の自
己消弧素子(GC1〜3)のみ一斉点弧(保護処理モー
ド:CP)し、ケース13のように交流側電流Iacの
瞬時値が基準値+βよりも小さければ当該相のGC1お
よび他相の全自己消弧素子をゲートオフする(保護処理
モード:B1)。
【0116】ケース15,16ではGC4あるいはDF
4が先に故障すると直流電源のPN間電圧がGC3(D
F3)に集中して印加されるためにこれに耐えられず、
GC3あるいはDF3が過電圧破壊してP、N間の直
流短絡を発生する場合であり、N側の直流電流Inが第
1レベルの過電流設定値OC1を超えたときに、ケース
15のように交流側電流Iacの瞬時値が基準値βより
も大きければGC1およびGC2の遮断電流が保護動作
時間toc後に可制御電流値ITQRMを超えるため
に、PN間短絡経路の自己消弧素子(GC1〜4)を一
斉点弧(保護処理モード:CPN)し、ケース16のよ
うに交流側電流Iacの瞬時値が基準値+βよりも小さ
ければ当該相のGC1、GC2および他相の全自己消弧
素子をゲートオフする(保護処理モード:B12)。
【0117】続いてこのケース13〜16における直流
短絡保護動作を図に基づき、説明する。図15の故障判
別回路14Bにおいてゲートパルス信号GP1AとGP
2AがHレベルであるからAND回路146Aの出力信
号GP12がHレベルである。ケース14では図14の
電流判別回路13Dの出力信号IC−OC1と+βHが
Hレベルであるから、AND回路142Eの出力がHレ
ベルで、それに続くNAND回路143Jの出力がLレ
ベルになり、AND回路145の出力からLレベルのF
O信号を発生するとともにAND回路144Pの出力か
らLレベルのCPO信号(P側短絡経路の一斉点弧信
号)を発生する。ケース13では図14の電流判別回路
13Dの出力信号IC−OC1と+βLがHレベルであ
るから、AND回路142Eの出力がHレベルで、それ
に続くNAND回路143Gの出力からLレベルのB1
信号(GC1のゲートオフ信号)を発生するとともに、
AND回路145の出力からLレベルのFO信号を発生
する。
【0118】ケース16では図14の電流判別回路13
Dの出力信号INOC1と+βLがHレベルであるか
ら、AND回路142Cの出力がHレベルで、それに続
くNAND回路143Hの出力からLレベルのB12信
号(GC1およびGC2のゲートオフ信号)を発生する
とともに、AND回路145の出力からLレベルのFO
信号を発生する。ケース15では図14の電流判別回路
13Dの出力信号INOC1と+βHがHレベルである
から、AND回路142Cの出力がHレベルで、それに
続くNAND回路143Kの出力がLレベルになり、A
ND回路145の出力からLレベルのFO信号を発生す
るとともにAND回路144Pおよび144Nの出力か
らLレベルのCPO信号およびCNO信号を同時に発生
する。
【0119】このゲートオフ信号B12、B1および一
斉点弧信号CPO、CNOは図16に示す保護処理回路
15Bに与えられる。図において当該相ではケ−トパル
ス信号GP1とGP2がゲートオン状態でHレベルにな
っている。このとき、ゲートオフ信号B12(Lレベ
ル)が与えられると、AND回路150Aの出力が先に
Lレベルになってそれに続くAND回路152Aの出力
信号GP1BもLレベルになり、OR回路157Aから
Lレベルのゲートパルス信号GP1Cがゲート駆動回路
GD1へ与えられてGC1はオフ動作する。またオフデ
ィレイ回路15B13を介して上記AND回路150A
よりもTy時間だけ遅れてAND回路150Bの出力は
Lレベルになってそれに続くAND回路152Bの出力
信号GP2BもLレベルになり、OR回路157Bから
Lレベルのゲートパルス信号GP2Cがゲート駆動回路
GD2へ与えられてGC2はオフ動作する。このように
GC2をGC1よりも遅らせてオフさせる理由は、GC
2が先にオフするとPN間の直流電圧がGC2に集中し
て印加されて過電圧破壊する恐れがあり、これを防止す
るためである。
【0120】ゲートオフ信号B1(Lレベル)が与えら
れると、上記と同様にして出力信号GP1BがLレベル
になり、Lレベルのゲートパルス信号GP1Cがゲート
駆動回路GD1へ与えられてGC1はオフ動作する。一
斉点弧信号CPOおよびCNO(Lレベル)が同時に与
えられると、 Hレベルのゲートパルス信号GP1C〜
GP4Cがゲート駆動回路GD1〜4へ与えられてGC
1〜4はオン動作するが、上記ケース10の場合と同様
であるので説明を省略する。
【0121】次に直流短絡を発生した過電流検出相から
他相に一斉点弧信号CPO、CNO(Lレベル)が与え
られた場合の動作を表の形で示した図19に基づいて説
明する。一斉点弧信号が与えられる直前の自己消弧素子
GC1〜GC4の正常な動作状態は7ケースに分類でき
る。その中でケース2,4,6,7はターンオフ後のT
d期間中の状態を示している。ケース1のGC1,2が
オン状態にあるときに保護処理モードCPに基づき、一
斉点弧信号CPOが与えられると、GC3をすぐにオン
する。また保護処理モードCNに基づき、一斉点弧信号
CNOが与えられると、P、N間の直流短絡を防止する
ためにGC1をすぐにオフして、そのTd後にGC3を
オンし、続いてTx後にGC4をオンする。また保護処
理モードCPNに基づき、一斉点弧信号CPOとCNO
が与えられるとGC3をすぐにオンし、続いてTx後に
GC4をオンする。
【0122】次にケース2のGC1がTd中にあるとき
に一斉点弧信号CPOが与えられると、GC1のオフ動
作完了時間Td´後にGC3をオンし、続いてTx後に
GC1をオンする。また一斉点弧信号CNOが与えられ
るとTd´経過した後にGC3をオンし、続いてTx後
にGC4をオンする。また一斉点弧信号CPOとCNO
が同時に与えられると、Td´経過した後にGC3をオ
ンし、続いてTx後にGC1とGC4をオンする。ここ
でGC1とGC4とをGC1に対してTx時間だけ遅れ
てオンさせる理由は、このケースでは仮にGC3のみ遅
れてオンする場合にはGC3にP、N間の直流電圧が集
中して印加されて、過電圧破壊を引き起こす可能性があ
るためである。Txは自己消弧素子間のターンオン時間
のばらつきを考慮して設定される。なお、図19では制
御回路構成の単純化のためにもGC1やGC4をオンさ
せるときにはGC2やGC3をオンさせるタイミングよ
りもTxだけ遅らせてオンするように統一している。
【0123】次にケース3のGC2とGC3がオン中に
一斉点弧信号CPOが与えられると、GC1をTx時間
経過後にオンする。また一斉点弧信号CNOが与えられ
るとGC4をTx時間経過後にオンする。また一斉点弧
信号CPOとCNOが同時に与えられると、GC1とG
C4をTx時間経過後にオンする。
【0124】次にケース4のGC2がTd中にあるとき
に一斉点弧信号CPOが与えられると、GC1のオフ動
作完了時間Td´後にGC2をオンし、続いてTx後に
GC1をオンする。また一斉点弧信号CNOが与えられ
るとTd´経過した後にGC2をオンし、続いてTx後
にGC4をオンする。また一斉点弧信号CPOとCNO
が同時に与えられると、Td´経過した後にGC2をオ
ンし、続いてTx後にGC1とGC4をオンする。
【0125】次にケース5のGC3、4がオン中に一斉
点弧信号CPOが与えられると、まずGC4をオフさせ
てP、N間直流短絡を防止し、Td後にGC2をオン
し、続いてTx後にGC1をオンする。このようにこの
ケースでは上記ケース1と、自己消弧素子GC1,2の
グル−プとGC3,4のグル−プに対して対称な一斉点
弧動作を行う。
【0126】次にケース6はGC4がTd中である場
合、ケース7はGC3がTd中である場合であり、Td
後のゲートパルス信号の状態がそれぞれケース4、ケー
ス2と同一になるために一斉点弧時の動作も同一にな
る。
【0127】図19の一斉点弧時の制御を図16の保護
処理回路15Bで実行している。まず、過電流検出相か
ら一斉点弧信号CPO、CNOが与えられると、故障判
別回路14BのAND回路147を介して保持A回路1
51A〜Dはゲートパルス信号GP1〜4を保持する。
図19のケース1の場合にはGP1とGP2がHレベル
であり、Lレベルの一斉点弧信号CPOが与えられると
フリップフロップ回路155Pとそれに続くOR回路1
5B9を介してGC3へのゲートパルス信号GP3Cが
Hレベルになり、GC3をオンする。またLレベルの一
斉点弧信号CNOが与えられるとOR回路158Pの出
力はLレベルになり、それに続くAND回路159Pに
より、GC1へのゲートパルス信号GP1CがLレベル
になり、GC1をオフする。このAND回路159Pが
HからLレベルになるとAND回路15B3を介してパ
ルス発生器15B5はTd時間幅のLレベルのパルスを
発生する。このTd時間を経過後にこのパルス発生器1
5B5の出力がHレベルに復帰するとフリップフロップ
回路155Nとそれに続くOR回路15B9を介してG
C3へのゲートパルス信号GP3CがHレベルになり、
GC3をオンする。一方、フリップフロップ回路155
Nの出力はAND回路156Dとそれに続くオンディレ
イ回路15B12を介してTx時間後にはGC4へのゲ
ートパルス信号GP4CがHレベルになり、GC4をオ
ンする。またLレベルの一斉点弧信号CPOとCNOが
与えられるとフリップフロップ回路155Pおよび15
5Nとそれに続くOR回路15B9を介してGP3Cを
HレベルにするとともにTx後にはGP4CをHレベル
にしてGC3およびGC4をオンする。
【0128】次に図19のケース2の場合にはGP2の
みHレベルであり、また一斉点弧信号が発生する直前に
ゲートパルス信号GP1(GP1B)がHからLレベル
に反転してGC1をターンオフした状態にある。このと
きパルス発生器153AはTd´時間幅のLレベルのパ
ルスを発生してAND回路156A、156C、156
Dの出力をLレベルにする。このような回路状態のとき
にLレベルの一斉点弧信号CPOが与えられるとフリッ
プフロップ回路155Pとそれに続くOR回路15B9
はHレベルになるが、Td´時間後にパルス発生器15
3Aの出力がHレベルに復帰した時点でGP3CをHレ
ベルにするとともにTx後にはGP1CをHレベルにし
てGC1およびGC3をオンする。またLレベルの一斉
点弧信号CNOが与えられるとフリップフロップ回路1
55Nとそれに続くOR回路15B9はHレベルになる
が、Td´時間後にパルス発生器153Aの出力がHレ
ベルに復帰した時点でGP3CをHレベルにするととも
にTx後にはGP4CをHレベルにしてGC3およびG
C4をオンする。またLレベルの一斉点弧信号CPOと
CNOが与えられるとフリップフロップ回路155Pお
よび155Nとそれに続くOR回路15B9はHレベル
になるが、Td´時間後にパルス発生器153Aの出力
がHレベルに復帰した時点でGP3CをHレベルにする
とともにTx後にはGP1CおよびGP4CをHレベル
にしてGC1、GC3、GC4をオンする。
【0129】次に図19のケース3の場合にはゲートパ
ルス信号GP2(GP2B)とGP3(GP3B)がH
レベルの状態であり、Lレベルの一斉点弧信号CPOが
与えられるとフリップフロップ回路155Pとそれに続
くAND回路156Aを介してTx後にゲートパルス信
号GP1CがHレベルになり、GC1をオンする。また
Lレベルの一斉点弧信号CNOが与えられるとフリップ
フロップ回路155Nとそれに続くAND回路156D
を介してTx後にゲートパルス信号GP4CがHレベル
になり、GC4をオンする。またLレベルの一斉点弧信
号CPOとCNOが与えられるとフリップフロップ回路
155Pおよび155Nの出力がレベルになり、それに
続くAND回路156Aおよび156Dを介してTx後
にゲートパルス信号GP1CおよびGP4CをHレベル
にしてGC1およびGC4をオンする。
【0130】次に図19のケース4の場合にはGP3の
みHレベルであり、また一斉点弧信号が発生する直前に
ゲートパルス信号GP2(GP2B)がHからLレベル
に反転してGC2をターンオフした状態にある。このと
きパルス発生器153BはTd´時間幅のLレベルのパ
ルスを発生してAND回路156A、156B、156
Dの出力をLレベルにする。このような回路状態のとき
にLレベルの一斉点弧信号CPOが与えられるとフリッ
プフロップ回路155Pとそれに続くOR回路15B9
はHレベルになるが、Td´時間後にパルス発生器15
3Bの出力がHレベルに復帰した時点でGP2CをHレ
ベルにするとともにTx後にはGP1CをHレベルにし
てGC1およびGC3をオンする。またLレベルの一斉
点弧信号CNOが与えられるとフリップフロップ回路1
55Nとそれに続くOR回路15B9はHレベルになる
が、 Td´時間後にパルス発生器153Bの出力がH
レベルに復帰した時点でGP2CをHレベルにするとと
もにTx後にはGP4CをHレベルにしてGC2および
GC4をオンする。またLレベルの一斉点弧信号CPO
とCNOが与えられるとフリップフロップ回路155P
および155Nとそれに続くOR回路15B9はHレベ
ルになるが、Td´時間後にパルス発生器153Bの出
力がHレベルに復帰した時点でGP2CをHレベルにす
るとともにTx後にはGP1CおよびGP4CをHレベ
ルにしてGC1、GC3、GC4をオンする。
【0131】次に図19のケース5の場合にはGP3と
GP4がHレベルであり、Lレベルの一斉点弧信号CP
Oが与えられるとOR回路158Nの出力はLレベルに
なり、それに続くAND回路159Nにより、GC4へ
のゲートパルス信号GP4CがLレベルになり、GC4
をオフする。このAND回路159NがHからLレベル
になるとAND回路15B4を介してパルス発生器15
B6はTd時間幅のLレベルのパルスを発生する。Td
時間を経過後にこのパルス発生器15B6の出力がHレ
ベルに復帰するとフリップフロップ回路155Pとそれ
に続くOR回路15B9を介してゲートパルス信号GP
2CをHレベルにするとともにTx時間後にはゲートパ
ルス信号GP1CをHレベルにしてGC1、GC2をオ
ンする。またLレベルの一斉点弧信号CNOが与えられ
るとフリップフロップ回路155Nとそれに続くOR回
路15B9を介してGC2へのゲートパルス信号GP2
CがHレベルになり、GC2をオンする。またLレベル
の一斉点弧CPOとCNOが与えられるとフリップフロ
ップ回路155Pおよび155Nとそれに続くOR回路
15B9を介してGP2CをHレベルにするとともにT
x後にはGP1CをHレベルにしてGC1およびGC2
をオンする。
【0132】次に図19のケース6の場合にはGC3の
みオン状態で、GC4はTd期間中であるから、パルス
発生器153Dの出力からTd´時間幅のLレベルのパ
ルスを発生しており、それに続くAND回路156A、
156B、156Dの出力は上記ケース4の場合と同様
に、Td´期間中、Lレベルを維持する。従って一斉点
弧信号CPO、CNOが与えられた場合の動作は上記ケ
ース4の場合と同様である。
【0133】次に図19のケース7の場合にはGC2の
みオン状態で、GC3はTd期間中であるから、パルス
発生器153Cの出力からTd´時間幅のLレベルのパ
ルスを発生しており、それに続くAND回路156A、
156C、156Dの出力は上記ケース2の場合と同様
に、Td´期間中、Lレベルを維持する。従って一斉点
弧信号CPO、CNOが与えられた場合の動作は上記ケ
ース2の場合と同様である。
【0134】以上のように3レベルの主回路構成でなる
電力変換装置において、自己消弧素子へのゲートパルス
信号の状態、各相の直流電流のレベル、交流出力電流の
レベルおよび自己消弧素子自身の故障信号からなる直流
短絡の発生の予測手段もしくは直流短絡電流の立ち上が
り初期時点における早期直流短絡検出手段により故障素
子を特定し、適切な保護手段を選択して健全素子を保護
するようにしたので、上記実施の形態1と同様な効果を
奏するものが得られる。
【0135】実施の形態9.なお、上記実施の形態8で
は、交流電流検出器9とP、C、N側の直流電流検出器
8P、8C、8Nを設けて各電流Iac、Ip、Ic,
Inの電流判別を行うものを述べたが、この4個所の電
流検出器の内、1個所の検出器を省略したものであって
もよい。すなわち、上記4個所の電流Iac、Ip、I
c,Inには、図14に図示する各電流の極性の定義に
従えば、次の関係式が成り立つ。 Iac=Ip+Ic−In (11) この(11)式から、各直流電流は次式のように展開で
きる。 Ip=Iac−Ic+In (12) Ic=Iac−Ip+In (13) In=Ip+Ic−Iac (14)
【0136】上記(11)〜(14)式から1個所の電
流検出器を省略して、残りの3個所の電流検出器から、
電流検出器を省略した個所の電流を求めることが可能で
ある。図20は例えばIcの電流検出器8Cを省略し
て、上記(13)式に基づき、Icを演算するものであ
る。図の電流レベル判別回路13Eにおいて、Iacと
Inが加算器132Aで加算され、それに続く極性反転
器131Aで−(Iac+In)を出力する。この出力
とIpが加算器132Bで加算され、それに続く極性反
転器131BでIac−Ip+Inを出力してIcが演
算される。以上のような構成により、上記実施の形態8
と同様な効果を奏し、かつ安価な装置を得ることができ
る。
【0137】実施の形態10.なお、上記実施の形態8
では、自己消弧素子へのゲートパルス信号の状態、各相
の直流電流のレベル、交流側電流のレベルおよび自己消
弧素子自身の故障信号からなる直流短絡の発生の予測手
段もしくは直流短絡電流の立ち上がり初期時点における
早期直流短絡検出手段により故障素子を特定し、適切な
保護手段を選択して健全素子を保護するように構成した
ものを示したが、さらに一斉点弧保護手段を付加して素
子保護の信頼性を向上させたものについて説明する。図
14の主回路構成と同じ構成を示す図21において、1
7Pおよび17Nは電圧検出器であって、それぞれアノ
ードリアクトル4Pおよび4Nの印加電圧からIpおよ
びInの第3レベルの過電流(OC3)を検出する。こ
の電圧検出器17P、17Nは上記図9に示された電圧
検出器17と同じものである。13Fは電流レベル判別
回路であって、図14の電流レベル判別回路13Dに対
してP側およびN側の直流電流IpおよびInの第2レ
ベルの過電流(OC2)をそれぞれ比較器133Gおよ
び133Hで検出してそれぞれNOT回路134Cおよ
びNOT回路134Dの出力からLレベルの信号を発生
する。
【0138】14Cは故障判別回路(図22)であっ
て、図15の故障判別回路14Bに示すAND回路14
4P、144Nおよび145をそれぞれ、6入力のAN
D回路144PA、144NAおよび20入力のAND
回路145Aに変更している。このAND回路144P
Aの入力には上記電圧検出器17Pからの第3レベルの
過電流信号IPOC3と上記電流レベル判別回路13F
からの第2レベルの過電流信号IPOC2が追加されて
いる。また上記AND回路144NAの入力には上記電
圧検出器17Nからの第3レベルの過電流信号INOC
3と上記電流レベル判別回路13Fからの第2レベルの
過電流信号INOC2が追加されている。また上記AN
D回路145Aの入力には上記電圧検出器17Pおよび
17Nからの第3レベルの過電流信号IPOC3および
INOC3と上記電流レベル判別回路13Fからの第2
レベルの過電流信号IPOC2およびINOC2が追加
されている。
【0139】このように構成された直流短絡保護回路に
おいて、例えば上記図17のケース3(GC1が故障し
てP、C間の直流短絡が発生した場合にIPOC1を検
出してGC3をゲートオフする。)において、仮にGC
3が遮断失敗を生じた場合には自己消弧素子の可制御電
流値ITQRM以上のレベルに設定された第2レベルの
過電流設定値OC2にIpが達して上記電流レベル判別
回路13Fからの信号IPOC2がLレベルなると、上
記AND回路144PAの出力からLレベルのCPO信
号を発生して保護処理モードCPに移行し、P側短絡経
路のGC1〜3を一斉点弧する。また例えば上記図17
のケース5(GC4が故障してC、N間の直流短絡が発
生した場合にINOC1を検出してGC2をゲートオフ
する。)において、仮にGC2が遮断失敗を生じた場合
には自己消弧素子の可制御電流値ITQRM以上のレベ
ルに設定された第2レベルの過電流設定値OC2にIn
が達して上記電流レベル判別回路13Fからの信号IN
OC2がLレベルなると、上記AND回路144NAの
出力からLレベルのCNO信号を発生して保護処理モー
ドCNに移行し、N側短絡経路のGC2〜4を一斉点弧
する。
【0140】さらに直流電流検出器8Pあるいは8Nの
故障が重なった場合には上記第2レベルの過電流IPO
C2あるいはINOC2の検出が不可能になり、一斉点
弧動作が行えない。その場合には、Ipが上記電圧検出
器17Pの検出レベルである第3レベルの過電流設定値
IPOC3に達すると、上記AND回路144PAの出
力からLレベルのCPO信号を発生して保護処理モード
CPに移行し、P側短絡経路のGC1〜3を一斉点弧す
る。またInが上記電圧検出器17Nの検出レベルであ
る第3レベルの過電流設定値INOC3に達すると、上
記AND回路144NAの出力からLレベルのCNO信
号を発生して保護処理モードCNに移行し、N側短絡経
路のGC2〜4を一斉点弧する。以上のように3レベル
の電力変換装置と直流短絡保護回路を構成することによ
り、素子やブスバーの保護に対して信頼性の高いものが
得られる。
【0141】実施の形態11.なお、上記実施の形態8
では、交流側電流Iacの基準値+β(−β)を上記実
施の形態1と同様に上記(3)および(6)式から得た
ものを示したが、平滑コンデンサ5Pおよび5Nの直流
電圧EdpおよびEdnが定挌値で変動しないと仮定し
た場合に適用できる。現実にはこの直流電圧Edp、E
dnは負荷変動等により変動を生じるために、上記実施
の形態5の場合と同様に、交流側電流Iacの基準値+
β(−β)は直流電圧Edp、Ednが最大値(Edm
ax)の場合を考慮して、上記(7)式に基づいて基準
値βを設定したものであってもよい。このようにして基
準値βを設定すれば、直流電圧Edp、Ednの変動が
生じても自己消弧素子をオフさせる保護モードのときに
は可制御電流値ITQRM以下のレベルで確実に遮断で
き、信頼性の高いものが得られる。
【0142】また、上記実施の形態6と同様に、基準値
βを直流電圧Edp、Ednに応じて調整するものであ
ってもよい。すなわち上記(9)式を変形して、P側直
流短絡経路(P、C間直流短絡ル−プ)の場合の基準値
βapとN側直流短絡経路(C、N間直流短絡ル−プ)
の場合の基準値βanを求めると次式になる。 βap=β+(Edpmax−Edp)×toc/L (15) βan=β+(Ednmax−Edn)×toc/L (16) ここで、βは直流電圧EdpおよびEdnが最大値Ed
pmaxおよびEdnmaxのときの基準値、Edpお
よびEdnはP側およびN側直流電圧の瞬時値である。
なお、Lp=Ln=Lとしている。
【0143】この場合の制御構成を図23に基づき、説
明する。図において18Pおよび18Nは直流電圧検出
器であって、それぞれ平滑コンデンサ5Pおよび5Nの
電圧を検出して直流電圧信号−Edpおよび−Ednを
出力する。19Aは交流電流の基準値調整回路であっ
て、この直流電圧検出器18P、18Nの出力信号−E
dp、−Ednの大きさに応じて可変基準値信号βaを
出力する。この基準値調整回路19Aにおいて191P
および191Nは加算器であって、それぞれ上記直流電
圧検出器18P、18Nの出力信号−Edp、−Edn
と直流電圧EdpおよびEdnの最大値に相当する信号
EdpmaxおよびEdnmaxの加算演算を行う。1
95は最小値選択回路であって、この加算器191Pお
よび191Nの出力信号(Edpmax−Edp)およ
び(Ednmax−Edn)の内、小さい方の信号を選
択して出力する。192はゲイン調整器であって、この
最小値選択回路195の出力に対し、上記(15)、
(16)式に基づいてゲインの調整を行い、調整信号△
βを出力する。193は加算器であって、このゲイン調
整器192の出力信号△βと上記(7)式に基づいて得
られる直流電圧が最大時の基準値βを加算し、可変基準
信号βaを出力して電流判別回路13G内の比較器13
3Bに与えている。194は極性反転器であって、この
加算器193の出力信号βaの極性を反転し、可変基準
信号−βaを出力して電流判別回路13G内の比較器1
33Aに与えている。
【0144】なお、上記基準値調整回路19Aでは回路
の単純化のために最小値選択回路195を設けたものを
示したが、上記(15)、(16)式に基づいてβap
およびβanを演算する回路を備えて、P、C間直流短
絡が検出される場合(図17においてIPOC1あるい
はIC−OC1が検出された場合)には基準値としてβ
apを選択し、C、N間直流短絡が検出される場合(図
17においてINOC1あるいはIC+OC1が検出さ
れた場合)には基準値としてβanを選択するように構
成したものであってもよい。このように基準値βを直流
電圧に応じて調整するように構成したことにより、一斉
点弧保護動作の機会を低減でき、信頼性の高いものが得
られる。
【0145】実施の形態12.また、上記実施の形態8
では自己消弧素子がオフした直後に一斉点弧信号CP
O、CNOが発生しても上記図16の保護処理回路15
B内のパルス発生器153A〜153Dとそれに続くA
ND回路156A〜156Dにより、自己消弧素子にゲ
ートオフ信号が与えられてからオフ動作が完了する期間
Td´を経過した後に一斉点弧動作を行うように構成し
たものについて述べたが、自己消弧素子にゲートオフ信
号が与えられてオフ動作する際に交流側電流の極性によ
って、この自己消弧素子に逆並列接続された還流ダイオ
ードを通って交流側電流が流れている場合には上記実施
の形態7と同様に、すぐに一斉点弧動作を行っても構わ
ない。
【0146】この一斉点弧動作の延期手段を解除する方
法を、図24に基づいて説明する。図において15Cは
保護処理回路であって、上記図16に示す保護処理回路
15B内のパルス発生器153A〜153Dの出力にそ
れぞれ2入力のOR回路150A〜150Dを追加し、
またパルス発生器15B5および15B6の出力にそれ
ぞれ2入力のOR回路150Nおよび150Pを追加し
ている。このOR回路150A、150B、150Nの
もう一方の入力へは上記図15に示す故障判別回路14
B内の保持A回路141Aの出力信号−βLが与えら
れ、またこのOR回路150C、150D、150Pの
もう一方の入力へは上記図15に示す故障判別回路14
B内の保持A回路141Dの出力信号+βHが与えられ
ている。
【0147】例えば上記図19のケース2のように、G
C1のオフ直後のTd期間中に一斉点弧信号CPOが発
生した場合にはパルス発生器153Aの出力からLレベ
ルのパルスが発生しているが、交流側電流Iacの大き
さが−βよりも小さいならばDF1を通ってP側へ交流
側電流が流れていると判断できる。そして、このとき上
記保持A回路141Aの出力信号−βLはHレベルであ
るから、OR回路150Aの出力はHレベルのままであ
り、一斉点弧信号CPOに基づいてフリップフロップ回
路155Pの出力がHレベルになると直ちにGC1およ
びGC3へはオンゲート信号GP1CおよびGP3Cが
与えられる。また上記図19のケース4のように、GC
2のオフ直後のTd期間中に一斉点弧信号CPOが発生
した場合にはパルス発生器153Bの出力からLレベル
のパルスが発生しているが、交流側電流Iacの大きさ
が−βよりも小さいならばGC2と対のGC3を通って
C側へ交流側電流が流れていると判断できる。そして、
このとき上記保持A回路141Aの出力信号−βLはH
レベルであるから、OR回路150Bの出力はHレベル
のままであり、一斉点弧信号CPOに基づいてフリップ
フロップ回路155Pおよびそれに続くOR回路15B
9の出力がHレベルになると直ちにGC1およびGC2
へはオンゲート信号GP1CおよびGP2Cが与えられ
る。
【0148】また上記図19のケース6のように、GC
4のオフ直後のTd期間中に一斉点弧信号CPOが発生
した場合にはパルス発生器153Dの出力からLレベル
のパルスが発生しているが、交流側電流Iacの大きさ
がβよりも大きいならばDF4を通ってN側から交流側
電流が流れていると判断できる。そして、このとき上記
保持A回路141Dの出力信号+βHはHレベルである
から、OR回路150Dの出力はHレベルのままであ
り、一斉点弧信号CPOに基づいてフリップフロップ回
路155Pの出力がHレベルになるとただちにGC1お
よびGC2へはオンゲート信号GP1CおよびGP2C
が与えられる。また上記図19のケース7のように、G
C3のオフ直後のTd期間中に一斉点弧信号CPOが発
生した場合にはパルス発生器153Cの出力からLレベ
ルのパルスが発生しているが、交流側電流Iacの大き
さがβよりも大きいならばGC3と対のGC2を通って
C側から交流側電流が流れていると判断できる。そし
て、このとき上記保持A回路141Dの出力信号+βH
はHレベルであるから、OR回路150Cの出力はHレ
ベルのままであり、一斉点弧信号CPOに基づいてフリ
ップフロップ回路155Pの出力がHレベルになるとた
だちにGC1およびGC3へはオンゲート信号GP1C
およびGP3Cが与えられる。
【0149】また上記図19のケース1のように、一斉
点弧信号CNOが与えられてGC1をオフにしてTd後
にGC3およびGC4をターンオンするような場合には
パルス発生器15B5の出力からLレベルのパルスが発
生しているが、交流側電流Iacの大きさが−βよりも
小さいならばDF1を通ってP側へ交流側電流が流れて
いると判断できる。そして、このとき上記保持A回路1
41Aの出力信号−βLはHレベルであるから、OR回
路150Nの出力はHレベルのままであり、一斉点弧信
号CNOに基づいてフリップフロップ回路155Nおよ
びそれに続くOR回路15B9の出力がHレベルになる
とただちにGC3およびGC4へはオンゲート信号GP
3CおよびGP4Cが与えられる。また上記図19のケ
ース5のように、一斉点弧信号CPOが与えられてGC
4をオフにしてTd後にGC1およびGC2をターンオ
ンするような場合にはパルス発生器15B6の出力から
Lレベルのパルスが発生しているが、交流側電流Iac
の大きさがβよりも大きいならばDF4を通ってN側か
ら交流側電流が流れていると判断できる。そして、この
とき上記保持A回路141Dの出力信号+βHはHレベ
ルであるから、OR回路150Pの出力はHレベルのま
まであり、一斉点弧信号CPOに基づいてフリップフロ
ップ回路155Pの出力がHレベルになるとただちにG
C1およびGC2へはオンゲート信号GP1CおよびG
P2Cが与えられる。
【0150】このように直流短絡保護回路を構成したの
で、一斉点弧動作において各相の一斉点弧タイミングの
ばらつきを抑制できて、各相の直流短絡電流の分流がよ
くなる効果があり、信頼性の高いものが得られる。
【0151】なお、上記図24では交流側電流Iacの
極性判別手段として保護処理モードの選択基準となる交
流側電流の基準値βを使用したもので示したが、別に交
流側電流の瞬時値の零レベルを基準値として極性の正、
負を判別するように構成したものであってもよい。
【0152】実施の形態13.なお、上記実施の形態1
では、2レベルの第1の電力変換器(コンバータ)と第
2の電力変換器(インバータ)で構成された電力変換装
置における直流短絡の保護制御方法について述べたが、
各電力変換器が上記実施の形態8のような3レベルで構
成されたものであってもよく、また独立した交流電源あ
るいは交流負荷に接続された電力変換器が共通の平滑コ
ンデンサを介して3台以上で接続構成された電力変換装
置であってもよく、各相ごとに直流短絡の保護制御手段
を設けて各電力変換器の各相に対して一斉点弧信号を共
通化するように構成しているために、一斉点弧信号の本
数が削減できて信頼性の高い装置が得られる。
【0153】また第1の電力変換器(コンバータ)ある
いは第2の電力変換器(インバータ)の単体で構成され
た電力変換装置であってもよく、また第1の電力変換器
(コンバータ)がダイオード整流器のみで構成されたも
のであってもよい。例えば交流系統に接続される無効電
力補償装置などでは第1の電力変換器(コンバータ)6
のみが図25のように交流系統に接続されて、無効電力
の制御を行っているが、低次の高調波電流成分も補償す
る場合には一般に平滑コンデンサの全容量Cが増大する
ために、直流短絡の発生により一斉点弧を行うと、各相
の短絡電流のピ−ク値Ispは、例えば3相の場合では
次式のように平滑コンデンサの全容量Cに応じて増加
し、健全素子まで破壊する可能性がある。 Isp=Ed√(C/3L) (17)
【0154】このように平滑コンデンサの容量が大きい
場合の直流短絡の保護制御方法について、図25に基づ
き、説明する。5Aおよび5Bは第1および第2の平滑
コンデンサであって、この第1の平滑コンデンサ5Aは
上記第1の電力変換器(コンバータ)のP、N端間に接
続され、第2の平滑コンデンサ5Bはこの第1の平滑コ
ンデンサ5Aに並列にスイッチング手段としての双方向
の限流手段20を介して接続され、いわば平滑コンデン
サの全容量Cを第1の平滑コンデンサ5Aと第2の平滑
コンデンサ5Bに分割して構成している。この限流手段
20はダイオード201と自己消弧素子202との逆並
列接続で構成される。第1の電力変換器6のいずれかの
相で直流短絡が発生して全相の一斉点弧を行う場合に、
故障相からの一斉点弧信号COにより、上記限流手段2
0の自己消弧素子202をただちにオフして第2の平滑
コンデンサ5Bからの放電を阻止する。この場合の各相
の短絡電流のピ−ク値Ispは、上記(17)式から平
滑コンデンサの全容量Cが適当な容量に分割された第1
の平滑コンデンサ5Aのみになるために低減されて、健
全素子を確実に保護できる装置が得られる。
【0155】なお、図25では単独の電力変換器で構成
されたのもについて述べたが、上記第1の平滑コンデン
サ5Aに複数台の電力変換器が接続された電力変換装置
であってもよく、共通に構成された一斉点弧信号によ
り、上記限流手段20の自己消弧素子202をオフす
る。また上記限流手段20では上記自己消弧素子202
に直列にアノードリアクトルあるいは抵抗器などの限流
器203あるいは限流器204を接続して、この自己消
弧素子202に流れる電流を制限するように構成したも
のであってもよく、この場合にはこの自己消弧素子20
2の信頼性を向上できる。なお、上記限流手段20では
ダイオード201と自己消弧素子202を一体化した逆
導通型の自己消弧素子を使用してもよく、また図25で
は上記第1の電力変換器6を2レベルの電力変換器で構
成したものを示したが、その他の3レベルで構成された
電力変換器であってもよく、上記限流手段20および平
滑コンデンサ5BをP、N側の両側に設け、一斉点弧信
号CPO、CNOに応じて各限流手段内の自己消弧素子
をオフすることにより、健全素子を確実に保護できる装
置が得られる。
【0156】実施の形態14.また、上記実施の形態1
3では第1の電力変換器(コンバータ)あるいは第2の
電力変換器(インバータ)が単独で構成された電力変換
装置における直流短絡の保護制御方法について述べた
が、図26に示すように多重電力変換器で構成された電
力変換装置に適用した場合について説明する。図におい
て、21Aおよび21Bは1次側が互いに直列接続され
て交流電源に接続された変圧器、6Aおよび6Bは電力
変換器であって、この変圧器21Aおよび21Bの2次
側に接続される。5A1および5A2は第1の平滑コン
デンサであって、それぞれこの電力変換器6Aおよび6
BのP、N間に接続される。20Aおよび20Bは限流
手段であって、それぞれこの第1の平滑コンデンサ5A
1および5A2の中間接続点P´間に設けられる。12
Aおよび12Bはそれぞれ上記電力変換器6Aおよび6
Bの直流短絡保護回路であって、一斉点弧信号COAお
よびCOBをこの限流手段20Aおよび20Bに与える
ように構成している。
【0157】例えば上記電力変換器6Aで直流短絡が発
生した場合には直流短絡保護回路12Aから一斉点弧信
号COAが上記限流手段20Aに与えられ、第1の平滑
コンデンサ5A2からの放電が阻止される。このとき、
健全な上記電力変換器6Bは一斉点弧する必要はなく、
ゲートオフしてもよい。この場合には上記変圧器21A
のみ2次側が短絡されたことになるために、一斉点弧し
た上記電力変換器6Aへの交流電源側からの流入電流が
抑制できる効果がある。なお、第2の平滑コンデンサ5
Bが上記限流手段20Aおよび20Bの中間接続点P´
に設けられてあってもよく、この放電を阻止できる。ま
た図25では上記多重電力変換器6Aおよび6Bを2レ
ベルの電力変換器で構成したものを示したが、その他の
3レベルで構成された電力変換器であってもよく、上記
限流手段20A、20Bおよび平滑コンデンサ5Bを
P、N側の両側に設け、一斉点弧信号CPO、CNOに
対応した側の限流手段内の自己消弧素子をオフする(例
えば直流短絡保護回路12Aから一斉点弧信号CPOが
発生した場合にはP側に接続された限流手段をオフす
る。)ことにより、健全素子を確実に保護できる装置が
得られる。このように直流短絡の保護手段を構成するこ
とにより、多重電力変換器の健全素子を確実に保護でき
る装置が得られる。
【0158】実施の形態15.また、上記実施の形態1
3では第1の電力変換器(コンバータ)あるいは第2の
電力変換器(インバータ)の単独で構成された電力変換
装置における直流短絡の保護制御方法について述べた
が、図27に示すように並列接続の電力変換器で構成さ
れた電力変換装置に適用した場合について説明する。図
において、6Aおよび6Bは上記図1に示すような第1
の電力変換器(コンバータ)であって、それぞれ交流リ
アクトル1XAおよび1XBを介して共通の交流電源側
に接続され、また直流側のP、N端子は共通に接続され
て並列運転を行う。
【0159】22は交流電流の最大値選択回路であっ
て、この両変換器6Aおよび6Bの各相毎の交流側電流
の検出信号IacaおよびIacbの瞬時値を比較して
大きい方を選択し、各相の選択された交流側電流の出力
信号Iacを図2に示すように構成された直流短絡保護
回路12へ与える。また23は直流電流の最大値選択回
路であって、上記変換器6Aおよび6Bの各相毎の直流
電流の検出信号IpaおよびIpbの瞬時値を比較して
大きい方を選択し、各相の選択された直流電流の出力信
号Ipを直流短絡保護回路12へ与える。また24はA
ND回路であって、上記変換器6Aおよび6Bのゲート
駆動回路からのLレベルの素子故障信号GDFOaおよ
びGDFObのAND演算を行い、その出力を直流短絡
保護回路12に与える。25は交流電流バランス制御回
路であって、電力変換器からのゲートパルス信号GPC
と上記両変換器6Aおよび6Bの交流側電流の検出信号
IacaおよびIacbとから各交流側電流のバランス
制御を行い、ゲートパルスのオンあるいはオフのタイミ
ングが調整されたゲートパルス信号GPDaおよびGP
Dbを上記変換器6Aおよび6Bのゲート駆動回路へ与
える。
【0160】例えば上記変換器6Aで直流短絡が発生す
ると、この変換器6AのP側の直流電流が増加するため
に上記直流電流の最大値選択回路23出力信号Ipには
Ipaが選択される。上記直流短絡保護回路12では電
流レベルの判別を行い、故障モードを特定して保護処理
されたゲートパルス信号GPCを発生し、上記交流電流
バランス制御回路25を介して上記変換器6Aおよび6
Bのゲート駆動回路へ同時に与える。このように上記変
換器6Aおよび6Bに対して共通に設けられた上記直流
短絡保護回路12により、上記変換器6Aおよび6Bの
直流短絡保護を行うように構成したので、回路が単純化
でき、信頼性の高いものが得られる。
【0161】なお、図27では2レベルの電力変換器を
2台並列接続したものについて示したが、2台以上の複
数台が並列接続されて構成されたものであってもよく、
この場合には最大値選択回路22、23、AND回路2
4、交流電流バランス回路25の入力へは各電力変換器
からの交流電流検出信号、直流電流検出信号、素子故障
信号が与えられる。また3レベルの電力変換器で構成さ
れたものであってもよく、例えば2台並列接続された電
力変換器ではN側の直流電流検出器からの出力信号In
aとInbの最大値選択回路を追加して設け、その出力
信号を直流短絡保護回路12に与えるように構成するこ
とにより、2レベルの電力変換器と同様な効果を奏す
る。
【0162】実施の形態16.また、上記実施の形態1
3では第1の電力変換器(コンバータ)あるいは第2の
電力変換器(インバータ)が単独で構成された電力変換
装置における直流短絡の保護方法について述べたが、図
28に示すように第1の電力変換器(コンバータ)6に
対して複数台の第2の電力変換器(インバータ)7A
1,7A2がそれぞれ限流手段20A1、20A2を介
して直流端子P´、N間に接続されて構成された電力変
換装置に適用した場合について説明する。26A1、2
6A2はそれぞれ上記電力変換器7A1,7A2の交流
側に接続された負荷あるいは独立した交流電源であり、
また5A1、5A2はそれぞれ上記電力変換器7A1,
7A2の直流端子間に接続された平滑コンデンサであ
る。
【0163】例えば上記電力変換器7A1が故障して直
流短絡が発生した場合には直流短絡保護回路12A1に
より、上記電力変換器7A1の保護処理が行われるとと
もに一斉点弧信号COA1が上記限流手段20A1内の
自己消弧素子に与えられてオフされる。その結果、健全
な電力変換器6および7A2で運転を継続できる。ま
た、上記電力変換器6が故障して直流短絡が発生した場
合には直流短絡保護回路12により、上記電力変換器6
の保護処理が行われるとともに一斉点弧信号COが上記
限流手段20内の自己消弧素子に与えられてオフされ
る。この場合には上記電力変換器7A1,7A2で運転
を継続できる。なお、図28では第1の電力変換器(コ
ンバータ)6を1台で構成したものを示したが、第2の
電力変換器(インバータ)7A1,7A2のように複数
台で構成されてあってもよく、この場合には健全な第1
の電力変換器(コンバータ)6の運転を継続できる。ま
た直流端子P´、N間に平滑コンデンサ5bが接続され
てあってもよい。また各電力変換器を3レベルの電力変
換器で構成されたものであってもよく、上記限流手段2
0、20A1、20A2および平滑コンデンサ5、5A
1、5A2をP、N側の両側に設け、一斉点弧信号CP
O、CNOに対応した側の限流手段内の自己消弧素子を
オフすることにより、健全素子を確実に保護できる装置
が得られる。同様な効果を奏する。
【0164】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1に係
る電力変換装置の保護制御方法は、相毎に複数の自己消
弧素子およびダイオード、更に上記各自己消弧素子にゲ
ートパルスを供給するゲートパルス発生手段を備え、交
流/直流間の電力変換を行う電力変換装置の保護制御方
法であって、交流側電流を検出する交流電流検出手段、
および直流側電流を検出する直流電流検出手段を備え、
上記直流側電流が所定の過電流設定値に達したとき、当
該過電流検出時点における上記交流側電流および当該過
電流検出相の各自己消弧素子へのゲートパルス信号に基
づき、上記過電流検出時点より保護動作に必要な所定時
間経過した保護処理動作時点における上記各自己消弧素
子に流れる電流を予測し、当該過電流検出相および他相
の自己消弧素子を故障規模に応じて適切に保護するた
め、上記電流予測情報に応じて上記各自己消弧素子の保
護処理内容を予め設定された複数の保護処理モードの中
から選択するようにしたので、一律の保護でなく、故障
規模に応じた保護処理モードを選択することにより電力
変換装置に与えるダメージが少なく信頼性が高まる。
【0165】また、請求項2に係る電力変換装置の保護
制御装置は、相毎に複数の自己消弧素子およびダイオー
ド、更に上記各自己消弧素子にゲートパルスを供給する
ゲートパルス発生手段を備え、交流/直流間の電力変換
を行う電力変換装置の保護制御装置であって、交流側電
流を検出する交流電流検出手段、直流側電流を検出する
直流電流検出手段、上記直流側電流が所定の過電流設定
値に達したとき、当該過電流検出時点における上記交流
側電流および当該過電流検出相の各自己消弧素子へのゲ
ートパルス信号に基づき、上記過電流検出時点より保護
動作に必要な所定時間経過した保護処理動作時点におい
て上記各自己消弧素子に流れる電流の最大値が当該自己
消弧素子の遮断限界である可制御電流値以内か否かを予
測判別する故障判別回路、およびこの故障判別回路が可
制御電流値以内と判別したときは当該過電流検出相の自
己消弧素子をオフまたはゲートフリーズ(そのときのゲ
ート状態を強制的に継続させる)させ他相の自己消弧素
子を一斉オフさせ、上記故障判別回路が可制御電流値を
越えると判別したときは当該過電流検出相の自己消弧素
子をオンまたはゲートフリーズさせ他相の自己消弧素子
を一斉オンさせる保護処理回路を備えたので、電力変換
装置に与える影響が大きい、自己消弧素子の一斉オンに
よる保護処理の機会が減少し、装置の信頼性が向上す
る。
【0166】また、請求項3に係る保護制御装置は、直
流側の両端子間に相毎に接続された、正極側自己消弧素
子およびこれと逆並列接続されたダイオードからなる正
極側アームと負極側自己消弧素子およびこれと逆並列接
続されたダイオードからなる負極側アームとの直列接続
体、および上記両自己消弧素子にゲートパルスを供給す
るゲートパルス発生手段を備え上記両アームの接続点を
交流側端子に接続する2レベルの電力変換装置の保護制
御装置であって、上記交流側端子に流れる電流を検出す
る交流電流検出手段、上記両アームに流れる電流を検出
する直流電流検出手段、上記両アームのいずれかに流れ
る電流が上記ダイオードの逆回復電流よりも大きな値に
設定された所定の第1レベルの過電流設定値に達したと
き、当該過電流検出時点における上記交流側電流および
当該過電流検出相の両自己消弧素子へのゲートパルス信
号に基づき、上記過電流検出時点より保護動作に必要な
所定時間経過した保護処理動作時点において上記両自己
消弧素子に流れる電流の最大値が当該自己消弧素子の遮
断限界である可制御電流値以内か否かを予測判別する故
障判別回路、およびこの故障判別回路が可制御電流値以
内と判別したときは当該過電流検出相の自己消弧素子
を、ゲートオンパルス入力中のものはオフ、ゲートオフ
パルス入力中のものはゲートフリーズさせ、他相の自己
消弧素子を一斉オフさせる第1の保護処理モードを、上
記故障判別回路が可制御電流値を越えると判別したとき
は当該過電流検出相の両自己消弧素子をオンさせ他相の
自己消弧素子を一斉オンさせる第2の保護処理モードを
実行する保護処理回路を備えたので、故障の規模を確実
に予測して適切な保護処理が実現し、自己消弧素子の一
斉オンによる保護処理の機会が確実に減少し、2レベル
の電力変換装置の信頼性が向上する。
【0167】また、請求項4に係る保護制御装置は、可
制御電流値をITQRM、第1レベルの過電流設定値を
OC1、直流側端子間の電圧をEd、保護動作に必要な
所定時間をtoc、直流側端子からみた故障経路のイン
ダクタンスをLとしたとき下式で得られる選択基準値β
を設定するとともに、交流側電流Iacの極性を両アー
ムの接続点から交流側端子に流出する方向を正と定義し
た場合、保護処理回路は、負極側自己消弧素子がゲート
オンパルス入力中に正極側アームの電流が過電流に達し
たとき、Iac≧−βが成立すると第1の保護処理モー
ド、Iac<−βが成立すると第2の保護処理モードを
実行し、正極側自己消弧素子がゲートオンパルス入力中
に負極側アームの電流が過電流に達したとき、Iac≦
+βが成立すると第1の保護処理モード、Iac>+β
が成立すると第2の保護処理モードを実行するので、保
護処理モードの選択がより確実になされる。 β=ITQRM−OC1−Ed×toc/L
【0168】また、請求項5に係る保護制御装置は、直
流側端子間の電圧Edとして、想定されるその最大値E
dmaxを採用して選択基準値βを設定するようにした
ので、過電流発生の予測が安全サイドのなされる。
【0169】また、請求項6に係る保護制御装置は、直
流側端子間の電圧Edを検出する直流電圧検出器を備
え、この直流電圧検出器の出力EdLを採用して選択基
準値βを設定するようにしたので、過電流発生の予測精
度が向上し、保護処理の選択がより適切になされる。
【0170】また、請求項7に係る保護制御装置は、自
己消弧素子を駆動するゲート駆動回路の出力から上記自
己消弧素子の故障を検出する素子故障検出手段を備え、
正極側および負極側自己消弧素子が共にオフ動作中に上
記故障を検出したとき、当該故障検出相の両自己消弧素
子をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オ
フさせるようにしたので、直流側端子間短絡を伴わない
自己消弧素子の故障時にも確実な保護処理がなされる。
【0171】また、請求項8に係る保護制御装置は、交
流電流検出手段として交流側端子と両アームの接続点と
の接続線に挿入された交流電流検出器を備え、直流電流
検出手段として直流側正極端子と正極側アームとの接続
線に挿入された正極側直流電流検出器および直流側負極
端子と負極側アームとの接続線に挿入された負極側直流
電流検出器を備えたので、必要な各部の電流検出が確実
になされる。
【0172】また、請求項9に係る保護制御装置は、交
流電流検出手段として交流側端子と両アームの接続点と
の接続線に挿入された交流電流検出器を備え、直流電流
検出手段として直流側正極端子と正極側アームとの接続
線に挿入された正極側直流電流検出器または直流側負極
端子と負極側アームとの接続線に挿入された負極側直流
電流検出器のいずれか一方を備え、いずれか他方の直流
電流は上記いずれか一方の直流電流検出器と上記交流電
流検出器との出力から演算により求めるようにしたの
で、直流電流検出器の必要台数を減じてコストの低減が
実現する。
【0173】また、請求項10に係る保護制御装置は、
直流電流検出手段として直流側正極端子と正極側アーム
との接続線に挿入された正極側直流電流検出器および直
流側負極端子と負極側アームとの接続線に挿入された負
極側直流電流検出器を備え、交流側電流は上記両直流電
流検出器の出力から演算により求めるようにしたので、
交流電流検出器が不要であり、コストの低減が実現す
る。
【0174】また、請求項11に係る保護制御装置は、
第1レベルの過電流設定値より高い所定の第2レベルの
過電流設定値を設定し、直流電流検出手段の出力が上記
第2レベルの過電流設定値に達すると全自己消弧素子を
一斉オンさせるようにしたので、保護処理として動作し
た自己消弧素子が遮断失敗したときのバックアップ保護
がなされるので、保護動作の信頼性が向上する。
【0175】また、請求項12に係る保護制御装置は、
直流電流検出手段を第2の直流電流検出手段を含む2重
系で構成するとともに第2レベルの過電流設定値より高
い所定の第3レベルの過電流設定値を設定し、上記第2
の直流電流検出手段の出力が上記第3レベルの過電流設
定値に達すると全自己消弧素子を一斉オンさせるように
したので、直流電流検出器自体の故障発生時のバックア
ップ保護がなされるので、保護動作の信頼性が向上す
る。
【0176】また、請求項13に係る保護制御装置は、
過電流検出相から他相に一斉オン信号が送出された場
合、当該他相の自己消弧素子の内、短絡防止期間Tdで
オン動作からオフ動作に移行中のものは、上記期間Td
開始から上記オフ動作が完了するのに要する所定の時間
Td´迄、当該自己消弧素子をオフからオンにする信号
の供給を禁止する手段を備えたので、自己消弧素子に無
理なオン動作を強制することがなく、信頼性が向上す
る。
【0177】また、請求項14に係る保護制御装置は、
請求項13において、短絡防止期間Tdにある自己消弧
素子であっても同アーム内のダイオードが通電中のとき
は、当該自己消弧素子へのオン信号供給禁止手段の動作
を解除するようにしたので、自己消弧素子に無理な動作
を強いることなく一斉オンのタイミングのばらつきが抑
制され、電流分担特性が改善される。
【0178】また、請求項15に係る保護制御装置は、
請求項13において、短絡防止期間Tdにある自己消弧
素子であっても交流側電流Iacと選択基準値βとの間
に下式が成立するときは、当該自己消弧素子へのオン信
号供給禁止手段の動作を解除するようにしたので、オン
信号供給禁止/解除の判断が簡便になされる。Iac<
−β または Iac>+β
【0179】また、請求項16に係る保護制御装置は、
正極、中性極および負極を有する直流側の上記正負両極
間に相毎に接続された、第1ないし第4の自己消弧素子
の直列接続体、上記各自己消弧素子と逆並列接続されて
それぞれ第1ないし第4のアームを構成する第1ないし
第4のダイオード、上記中性極とそれぞれ上記第1、第
2のアームの接続点および上記第3、第4のアームの接
続点との間に接続された第5および第6のダイオード、
および上記各自己消弧素子にゲートパルスを供給するゲ
ートパルス発生手段を備え、上記第2、第3のアームの
接続点を交流側端子に接続する3レベルの電力変換装置
の保護制御装置であって、上記交流側端子に流れる電流
を検出する交流電流検出手段、上記第1のアームに流れ
る正極側の直流電流、第4のアームに流れる負極側の直
流電流および上記第5、第6のダイオードの接続点と上
記中性極との間に流れる中性極側の直流電流を検出する
直流電流検出手段、この直流電流検出手段が検出する直
流側電流のいずれかが上記ダイオードの逆回復電流より
も大きな値に設定された所定の第1の過電流設定値に達
したとき、当該過電流検出時点における上記交流側電流
および当該過電流検出相の各自己消弧素子へのゲートパ
ルス信号に基づき、上記過電流検出時点より保護動作に
必要な所定時間経過した保護処理動作時点において上記
各自己消弧素子に流れる電流の最大値が当該自己消弧素
子の遮断限界である可制御電流値以内か否かを予測判別
する故障判別回路、およびこの故障判別回路が可制御電
流値以内と判別したときは当該過電流検出相の自己消弧
素子を、ゲートオンパルス入力中のものは故障短絡経路
にある少なくとも1個をオフその他をゲートフリーズ、
ゲートオフパルス入力中のものはゲートフリーズさせ、
他相の自己消弧素子を一斉オフさせる第1の保護処理モ
ードを、上記故障判別回路が可制御電流値を越えると判
別したときは当該過電流検出相の自己消弧素子を、ゲー
トオンパルス入力中のものはオン、ゲートオフパルス入
力中のものは故障短絡経路にあるものをオンその他をゲ
ートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オンさせ
る第2の保護処理モードを実行する保護処理回路を備え
たので、故障の規模を確実に予測して適切な保護処理が
実現し、自己消弧素子の一斉オンによる保護処理の機会
が確実に減少し、3レベルの電力変換装置の信頼性が向
上する。
【0180】また、請求項17に係る保護制御装置は、
可制御電流値をITQRM、第1レベルの過電流設定値
をOC1、直流側の正極−中性極間および中性極−負極
間の電圧をそれぞれEdpおよびEdn、保護動作に必
要な所定時間をtoc、および直流側の上記各極間から
みた故障経路のインダクタンスをそれぞれLp、Ln、
Lpnとしたとき下式で得られる選択基準値βを設定す
るとともに、交流側電流Iacの極性を第2、第3のア
ームの接続点から交流側端子に流出する方向を正と定義
した場合、保護処理回路は、第2、第3の自己消弧素子
がゲートオンパルス、第1、第4の自己消弧素子がゲー
トオフパルス入力中に正極側の直流電流が過電流に達し
たとき、Iac≧−βが成立すると、当該過電流検出相
の第3の自己消弧素子をオフ、第1、第2、第4の自己
消弧素子をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を
一斉オフさせる第1−3の保護処理モード(B3)、I
ac<−βが成立すると、当該過電流検出相の第1、第
2、第3の自己消弧素子をオン、第4の自己消弧素子を
ゲートフリーズさせ、他相の第1、第2、第3の自己消
弧素子を一斉オンさせる第2の正極側保護処理モード
(CP)を実行し、上記第2、第3の自己消弧素子がゲ
ートオンパルス、第1、第4の自己消弧素子がゲートオ
フパルス入力中に負極側の直流電流が過電流に達したと
き、Iac≦+βが成立すると、当該過電流検出相の第
2の自己消弧素子をオフ、第1、第3、第4の自己消弧
素子をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉
オフさせる第1−2の保護処理モード(B2)、Iac
>+βが成立すると、当該過電流検出相の第2、第3、
第4の自己消弧素子をオン、第1の自己消弧素子をゲー
トフリーズさせ、他相の第2、第3、第4の自己消弧素
子を一斉オンさせる第2の負極側保護処理モード(C
N)を実行し、上記第3、第4の自己消弧素子がゲート
オンパルス、第1、第2の自己消弧素子がゲートオフパ
ルス入力中に中性極側の直流電流が過電流に達したと
き、Iac≧−βが成立すると、当該過電流検出相の第
4の自己消弧素子をオフ、第1、第2、第3の自己消弧
素子をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉
オフさせる第1−4の保護処理モード(B4)、Iac
<−βが成立すると、当該過電流検出相の第2、第3、
第4の自己消弧素子をオン、第1の自己消弧素子をゲー
トフリーズさせ、他相の第2、第3、第4の自己消弧素
子を一斉オンさせる第2の負極側保護処理モード(C
N)を実行し、上記第3、第4の自己消弧素子がゲート
オンパルス、第1、第2の自己消弧素子がゲートオフパ
ルス入力中に正極側の直流電流が過電流に達したとき、
Iac≧−βが成立すると、当該過電流検出相の第3、
第4の自己消弧素子をオフ、第1、第2の自己消弧素子
をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オフ
させる第1−34の保護処理モード(B34)、Iac
<−βが成立すると、当該過電流検出相の第1、第2、
第3、第4の自己消弧素子をオン、他相の自己消弧素子
を一斉オンさせる第2の正負両極側保護処理モード(C
PN)を実行し、上記第1、第2の自己消弧素子がゲー
トオンパルス、第3、第4の自己消弧素子がゲートオフ
パルス入力中に中性極側の直流電流が過電流に達したと
き、Iac≦+βが成立すると、当該過電流検出相の第
1の自己消弧素子をオフ、第2、第3、第4の自己消弧
素子をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉
オフさせる第1−1の保護処理モード(B1)、Iac
>+βが成立すると、当該過電流検出相の第1、第2、
第3の自己消弧素子をオン、第4の自己消弧素子をゲー
トフリーズさせ、他相の第1、第2、第3の自己消弧素
子を一斉オンさせる第2の正極側保護処理モード(C
P)を実行し、上記第1、第2の自己消弧素子がゲート
オンパルス、第3、第4の自己消弧素子がゲートオフパ
ルス入力中に負極側の直流電流が過電流に達したとき、
Iac≦+βが成立すると、当該過電流検出相の第1、
第2の自己消弧素子をオフ、第3、第4の自己消弧素子
をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オフ
させる第1−12の保護処理モード(B12)、Iac
≧+βが成立すると、当該過電流検出相の第1、第2、
第3、第4の自己消弧素子をオン、他相の自己消弧素子
を一斉オンさせる第2の正負両極側保護処理モード(C
PN)を実行するので、保護処理のモードの選択がより
確実になされる。 β=ITQRM−OC1−toc{Edp/Lp+Ed
n/Ln+(Edp+Edn)/Lpn}/3
【0181】また、請求項18に係る保護制御装置は、
第1−12の保護処理モード(B12)で過電流検出相
の第1、第2の自己消弧素子をオフさせる場合、上記第
2の自己消弧素子をオフさせるタイミングを第1の自己
消弧素子をオフさせるタイミングより、自己消弧素子の
ターンオフ時間のばらつきを考慮して設定された所定の
時間Ty遅らせ、第1−34の保護処理モード(B3
4)で過電流検出相の第3、第4の自己消弧素子をオフ
させる場合、上記第3の自己消弧素子をオフさせるタイ
ミングを第4の自己消弧素子をオフさせるタイミングよ
り、上記所定の時間Ty遅らせるようにしたので、自己
消弧素子のターンオフ時間のばらつきに伴う直流PN間
短絡が確実に防止され、信頼性が向上する。
【0182】また、請求項19に係る保護制御装置は、
直流側の正極と中性極との間の電圧Edpおよび中性極
と負極との間の電圧Ednとして、想定されるその最大
値Edmaxを採用して選択基準値βを設定するように
したので、過電流発生の予測が安全サイドになされる。
【0183】また、請求項20に係る保護制御装置は、
直流側の正極と中性極との間の電圧Edpおよび中性極
と負極との間の電圧Ednを検出する直流電圧検出器を
備え、この直流電圧検出器の出力EdpまたはEdnの
いずれか大きい方を選択し、当該選択した検出電圧を採
用して選択基準値βを設定するようにしたので、過電流
発生の予測精度が向上し、保護処理の選択がより適切に
なされる。
【0184】また、請求項21に係る保護制御装置は、
自己消弧素子を駆動するゲート駆動回路の出力から上記
自己消弧素子の故障を検出する素子故障検出手段を備
え、各相4個の自己消弧素子の内1個がオン他の3個が
オフ動作中に上記故障を検出したとき、当該故障検出相
の全自己消弧素子をゲートフリーズさせ、他相の自己消
弧素子を一斉オフさせるようにしたので、直流側端子間
短絡を伴わない自己消弧素子の故障時にも確実な保護処
理がなされる。
【0185】また、請求項22に係る保護制御装置は、
交流電流検出手段として交流側端子と第2、第3アーム
の接続点との接続線に挿入された交流電流検出器を備
え、直流電流検出手段として直流側正極端子と第1のア
ームとの接続線に挿入された正極側直流電流検出器、直
流側負極端子と第4のアームとの接続線に挿入された負
極側直流電流検出器および直流側中性極端子と第5、第
6のダイオードの接続点との接続線に挿入された中性極
側直流電流検出器を備えたので、必要な各部の電流検出
が確実になされる。
【0186】また、請求項23に係る保護制御装置は、
交流電流検出手段として交流側端子と第2、第3アーム
の接続点との接続線に挿入された交流電流検出器を備
え、直流電流検出手段として直流側正極端子と第1のア
ームとの接続線に挿入された正極側直流電流検出器、直
流側負極端子と第4のアームとの接続線に挿入された負
極側直流電流検出器および直流側中性極端子と第5、第
6のダイオードの接続点との接続線に挿入された中性極
側直流電流検出器の内いずれか2台の直流電流検出器を
備え、いずれか他の1台の直流電流検出器に係る直流電
流は上記2台の直流電流検出器と上記交流電流検出器と
の出力から演算により求めるようにしたので、直流電流
検出器の必要台数を減じてコストの低減が実現する。
【0187】また、請求項24に係る保護制御装置は、
直流電流検出手段として直流側正極端子と第1のアーム
との接続線に挿入された正極側直流電流検出器、直流側
負極端子と第4のアームとの接続線に挿入された負極側
直流電流検出器および直流側中性極端子と第5、第6の
ダイオードの接続点との接続線に挿入された中性極側直
流電流検出器を備え、交流側電流は上記各直流電流検出
器の出力から演算により求めるようにしたので、交流電
流検出器が不要となりコストの低減が実現する。
【0188】また、請求項25に係る保護制御装置は、
第1レベルの過電流設定値より高い所定の第2レベルの
過電流設定値を設定し、正極側直流電流が上記第2レベ
ルの過電流設定値に達すると全第1、第2、第3の自己
消弧素子を一斉オンさせ、負極側直流電流が上記第2レ
ベルの過電流設定値に達すると全第2、第3、第4の自
己消弧素子を一斉オンさせるようにしたので、保護処理
として動作した自己消弧素子が遮断失敗したときのバッ
クアップ保護がなされるので、保護動作の信頼性が向上
する。
【0189】また、請求項26に係る保護制御装置は、
直流電流検出手段を第2の直流電流検出手段を含む2重
系で構成するとともに第2レベルの過電流設定値より高
い所定の第3レベルの過電流設定値を設定し、上記第2
の直流電流検出手段の出力が上記第3レベルの過電流設
定値に達すると全自己消弧素子を一斉オンさせるように
したので、直流電流検出器自体の故障発生時のバックア
ップ保護がなされるので、保護動作の信頼性が向上す
る。
【0190】また、請求項27に係る保護制御装置は、
過電流検出相から他相に一斉オン信号が送出された場合
であって、当該他相の第1、第2の自己消弧素子がオ
ン、第3、第4の自己消弧素子がオフ動作中に上記第
2、第3、第4の自己消弧素子をオンさせるときは、先
ず、上記第1の自己消弧素子をオフさせ、所定の短絡防
止期間Td経過後、上記第3、第4の自己消弧素子をオ
ンさせ、当該他相の上記第3、第4の自己消弧素子がオ
ン、第1、第2の自己消弧素子がオフ動作中に上記第
1、第2、第3の自己消弧素子をオンさせるときは、先
ず、上記第4の自己消弧素子をオフさせ、所定の短絡防
止期間Td経過後、上記第1、第2の自己消弧素子をオ
ンさせるようにしたので、直流PN間短絡が確実に防止
され、信頼性が向上する。
【0191】また、請求項28に係る保護制御装置は、
請求項27において、先ず、第1の自己消弧素子をオフ
させるときまたは第4の自己消弧素子をオフさせると
き、当該各自己消弧素子と同アーム内のダイオードが通
電中のときは、所定の短絡防止期間Tdの経過を待たず
に直ちに、それぞれ第3、第4の自己消弧素子をオンさ
せ、第1、第2の自己消弧素子をオンさせるようにした
ので、直流PN間短絡を発生することなく一斉オンのタ
イミングのばらつきが抑制され、電流分担特性が改善さ
れる。
【0192】また、請求項29に係る保護制御装置は、
請求項27において、先ず、第1の自己消弧素子をオフ
させるときまたは第4の自己消弧素子をオフさせると
き、交流側電流Iacと選択基準値βとの間に下式が成
立するときは、所定の短絡防止期間Tdの経過を待たず
に直ちに、それぞれ第3、第4の自己消弧素子をオンさ
せ、第1、第2の自己消弧素子をオンさせるようにした
ので、オンまでの期間Td経過要否の判断が簡便になさ
れる。 Iac<−β または Iac>+β
【0193】また、請求項30に係る保護制御装置は、
過電流検出相から他相に一斉オン信号が送出された場合
であって、当該他相の第1、第2、第3、第4の自己消
弧素子の内、1個の自己消弧素子が短絡防止期間Tdで
オン動作からオフ動作に移行中のときは、上記期間Td
開始から上記オフ動作が完了するのに要する所定の時間
Td´迄、上記各自己消弧素子をオフからオンにする信
号の供給を禁止する手段を備えたので、自己消弧素子に
無理なオン動作を強制することがなく、信頼性が向上す
る。
【0194】また、請求項31に係る保護制御装置は、
請求項30において、短絡防止期間Tdにある自己消弧
素子であっても同アーム内のダイオードまたは対の自己
消弧素子が通電中のときは、当該自己消弧素子へのオン
信号供給禁止手段の動作を解除するようにしたので、無
理な動作を強いることなく、一斉オンのタイミングのば
らつきが抑制され、電流分担特性が改善される。
【0195】また、請求項32に係る保護制御装置は、
請求項30において、短絡防止期間Tdにある自己消弧
素子であっても交流側電流Iacと選択基準値βとの間
に下式が成立するときは、当該自己消弧素子へのオン信
号供給禁止手段の動作を解除するようにしたので、オン
信号供給禁止/解除の判断が簡便になされる。 Iac<−β または Iac>+β
【0196】また、請求項33に係る保護制御装置は、
各自己消弧素子に一斉オン信号が送出された場合であっ
て、第1、第2、第3、第4の自己消弧素子を同時にオ
ンさせるときは、上記第1の自己消弧素子をオンさせる
タイミングを第2の自己消弧素子をオンさせるタイミン
グより、自己消弧素子のターンオン時間のばらつきを考
慮して設定された所定の時間Tx遅らせ、上記第4の自
己消弧素子をオンさせるタイミングを第3の自己消弧素
子をオンさせるタイミングより、上記所定の時間Tx遅
らせるようにしたので、自己消弧素子のターンオン時間
のばらつきに伴う直流PN間短絡が確実に防止され、信
頼性が向上する。
【0197】また、請求項34に係る保護制御装置は、
請求項2ないし33のいずれかに記載された電力変換装
置の直流端子間に接続された平滑コンデンサを備えた場
合、上記平滑コンデンサを第1の平滑コンデンサと、ス
イッチング手段を介して上記第1の平滑コンデンサと並
列に接続された第2の平滑コンデンサとで構成し、保護
制御装置で出力された自己消弧素子への一斉オン信号に
基づき上記スイッチング手段をオフすることにより、上
記平滑コンデンサから上記一斉オンした自己消弧素子へ
の放電を抑制するようにしたので、一斉オン時の自己消
弧素子の短絡電流が減少して信頼性が向上する。
【0198】また、請求項35に係る保護制御装置は、
請求項16ないし33のいずれかに記載の3レベルの電
力変換装置の直流端子間に接続された平滑コンデンサを
備えた場合、上記平滑コンデンサを、正極端子と中性極
端子とに接続された第1の正極側平滑コンデンサと正極
側スイッチング手段を介して上記第1の正極側平滑コン
デンサと並列に接続された第2の正極側平滑コンデン
サ、および中性極端子と負極端子とに接続された第1の
負極側平滑コンデンサと負極側スイッチング手段を介し
て上記第1の負極側平滑コンデンサと並列に接続された
第2の負極側平滑コンデンサで構成し、保護制御装置で
出力された第1、第2、第3の自己消弧素子または第
2、第3、第4の自己消弧素子への一斉オン信号に基づ
き上記正極側スイッチング手段または負極側スイッチン
グ手段をオフすることにより、上記平滑コンデンサから
上記一斉オンした自己消弧素子への放電を抑制するよう
にしたので、3レベルの電力変換装置において、一斉オ
ン時の自己消弧素子の短絡電流が減少して信頼性が向上
する。
【0199】また、請求項36に係る保護制御装置は、
請求項2ないし33のいずれかに記載の電力変換装置を
複数台、各直流側を共通に接続してなるものにおいて、
上記各電力変換装置のいずれかの保護制御装置で出力さ
れる自己消弧素子への一斉オン信号を他の電力変換装置
の自己消弧素子へも同時に送出するよう、上記一斉オン
信号を上記各電力変換装置で共通化するよう構成したの
で、保護制御回路の構成が簡便となり、コスト低減と信
頼性向上が実現する。
【0200】また、請求項37に係る保護制御装置は、
請求項2ないし33のいずれかに記載の電力変換装置を
複数台、各電力変換装置の直流端子間に接続された平滑
コンデンサを備え、上記各電力変換装置の直流側を共通
に接続してなるものにおいて、上記各電力変換装置毎に
設けられたスイッチング素子を介して各直流側を共通に
接続するとともに、いずれかの上記電力変換装置の保護
制御装置で出力される自己消弧素子への一斉オン信号に
基づき当該電力変換装置のスイッチング手段をオフする
ことにより、他の電力変換装置の平滑コンデンサから当
該電力変換装置の上記一斉オンした自己消弧素子への放
電を阻止するようにしたので、一斉オン時の自己消弧素
子の短絡電流が減少して信頼性が向上する。
【0201】また、請求項38に係る保護制御装置は、
各電力変換装置の直流側を共通に接続する共通接続点の
正負両極間に接続された共通平滑コンデンサを備えた場
合、いずれかの上記電力変換装置の保護制御装置で出力
される自己消弧素子への一斉オン信号に基づき当該電力
変換装置のスイッチング手段をオフすることにより、他
の電力変換装置の平滑コンデンサおよび上記共通平滑コ
ンデンサから当該電力変換装置の上記一斉オンした自己
消弧素子への放電を阻止するようにしたので、一斉オン
時の自己消弧素子の短絡電流が減少して信頼性が向上す
る。
【0202】また、請求項39に係る保護制御装置は、
請求項2ないし33のいずれかに記載の電力変換装置で
あって互いに同一容量の電力変換装置を複数台、各直流
側を共通に接続してなるものにおいて、上記各電力変換
装置で検出された交流側電流および直流側電流のそれぞ
れ最大値を選択する最大値選択回路、上記各電力変換装
置の自己消弧素子に共通のゲートパルスを供給するゲー
トパルス発生器、上記最大値選択回路から出力される交
流側電流信号、直流側電流信号および上記ゲートパルス
信号に基づき故障の予測判別を行う故障判別回路、およ
びこの故障判別回路の判別出力に基づき上記各電力変換
装置の自己消弧素子に対して共通の保護処理を行う保護
処理回路を備えたので、保護制御回路の構成が簡便とな
り、コスト低減と信頼性向上が実現する。
【0203】また、請求項40に係る保護制御装置は、
複数の各電力変換装置の交流側は、それぞれ互いに独立
した交流電源または交流負荷に接続されているので、健
全な電力変換装置と独立の交流系統とで運転を継続する
ことが可能となる。
【0204】また、請求項41に係る保護制御装置は、
複数の各電力変換装置の交流側は、その各1次側を互い
に直列にして交流電源または交流負荷に接続される複数
の変圧器の各2次側に接続されているので、一斉オンし
た電力変換装置への交流側からの流入電流を抑制するこ
とができる。
【0205】また、請求項42に係る保護制御装置は、
複数の各電力変換装置の交流側は、上記各電力変換装置
毎に設けられた交流リアクトルを介して共通の交流電源
または交流負荷に接続されているので、各電力変換装置
のバランス制御が容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における2レベル電
力変換装置の保護制御装置の全体を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における2レベル保
護制御装置の1相分を示す構成図である。
【図3】 各故障ケースの動作を表の形で示した図であ
る。
【図4】 各故障ケースのタイミングを示すタイミング
チャートである。
【図5】 転流動作時の波形を示すタイミングチャート
である。
【図6】 過電流検出動作を説明するための図である。
【図7】 この発明の実施の形態2における保護制御装
置の1相分を示す構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態3における保護制御装
置の1相分を示す構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態4における保護制御装
置の1相分を示す構成図である。
【図10】 過電流検出動作を説明するための図であ
る。
【図11】 この発明の実施の形態6における保護制御
装置の過電流検出動作を説明するための図である。
【図12】 この発明の実施の形態6における保護制御
装置の1相分を示す構成図である。
【図13】 この発明の実施の形態7における保護制御
装置の1相分を示す構成図である。
【図14】 この発明の実施の形態8における3レベル
電力変換装置の保護制御装置の1相分を示す構成図であ
る。
【図15】 図14の故障判別回路14Bの内部構成を
示す図である。
【図16】 図14の保護処理回路15Bの内部構成を
示す図である。
【図17】 各故障ケースの動作を表の形で示した図で
ある。
【図18】 各故障ケースのタイミングを示すタイミン
グチャートである。
【図19】 一斉点弧信号が出力されたときの動作を表
の形で示した図である。
【図20】 この発明の実施の形態9における保護制御
装置の1相分を示す構成図である。
【図21】 この発明の実施の形態10における保護制
御装置の1相分を示す構成図である。
【図22】 図21の故障判別回路14Cの内部構成を
示す図である。
【図23】 この発明の実施の形態11における保護制
御装置の1相分を示す構成図である。
【図24】 この発明の実施の形態12における保護処
理回路15Cの内部構成を示す図である。
【図25】 この発明の実施の形態13における電力変
換装置の保護制御装置を示す構成図である。
【図26】 この発明の実施の形態14における電力変
換装置の保護制御装置を示す構成図である。
【図27】 この発明の実施の形態15における電力変
換装置の保護制御装置を示す構成図である。
【図28】 この発明の実施の形態16における電力変
換装置の保護制御装置を示す構成図である。
【図29】 従来の2レベル電力変換装置を示す構成図
である。
【符号の説明】
1 交流リアクトル、2 還流ダイオード、3 自己消
弧素子、5 平滑コンデンサ、6 コンバータ、7 イ
ンバータ、8 直流電流検出器、9 交流電流検出器、
10,11 ゲートパルス発生器、12 直流短絡保護
回路、13 電流レベル判別回路、14 故障判別回
路、15 保護処理回路、20 限流手段、21 変圧
器、22,23 最大値選択回路、26 交流電源また
は交流負荷。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02M 7/5387 H02M 7/5387 Z (72)発明者 椋木 誠 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 岡山 秀夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 土谷 多一郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5H006 AA05 CA03 CB01 CC02 DB01 DB07 DC02 FA02 GA04 5H007 AA06 AA12 AA17 CA03 CB05 CC03 DB01 DB07 DC02 FA03 FA06 FA13 FA18 GA08

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相毎に複数の自己消弧素子およびダイオ
    ード、更に上記各自己消弧素子にゲートパルスを供給す
    るゲートパルス発生手段を備え、交流/直流間の電力変
    換を行う電力変換装置の保護制御方法であって、 交流側電流を検出する交流電流検出手段、および直流側
    電流を検出する直流電流検出手段を備え、 上記直流側電流が所定の過電流設定値に達したとき、当
    該過電流検出時点における上記交流側電流および当該過
    電流検出相の各自己消弧素子へのゲートパルス信号に基
    づき、上記過電流検出時点より保護動作に必要な所定時
    間経過した保護処理動作時点における上記各自己消弧素
    子に流れる電流を予測し、当該過電流検出相および他相
    の自己消弧素子を故障規模に応じて適切に保護するた
    め、上記電流予測情報に応じて上記各自己消弧素子の保
    護処理内容を予め設定された複数の保護処理モードの中
    から選択するようにしたことを特徴とする電力変換装置
    の保護制御方法。
  2. 【請求項2】 相毎に複数の自己消弧素子およびダイオ
    ード、更に上記各自己消弧素子にゲートパルスを供給す
    るゲートパルス発生手段を備え、交流/直流間の電力変
    換を行う電力変換装置の保護制御装置であって、 交流側電流を検出する交流電流検出手段、直流側電流を
    検出する直流電流検出手段、上記直流側電流が所定の過
    電流設定値に達したとき、当該過電流検出時点における
    上記交流側電流および当該過電流検出相の各自己消弧素
    子へのゲートパルス信号に基づき、上記過電流検出時点
    より保護動作に必要な所定時間経過した保護処理動作時
    点において上記各自己消弧素子に流れる電流の最大値が
    当該自己消弧素子の遮断限界である可制御電流値以内か
    否かを予測判別する故障判別回路、およびこの故障判別
    回路が可制御電流値以内と判別したときは当該過電流検
    出相の自己消弧素子をオフまたはゲートフリーズ(その
    ときのゲート状態を強制的に継続させる)させ他相の自
    己消弧素子を一斉オフさせ、上記故障判別回路が可制御
    電流値を越えると判別したときは当該過電流検出相の自
    己消弧素子をオンまたはゲートフリーズさせ他相の自己
    消弧素子を一斉オンさせる保護処理回路を備えたことを
    特徴とする電力変換装置の保護制御装置。
  3. 【請求項3】 直流側の両端子間に相毎に接続された、
    正極側自己消弧素子およびこれと逆並列接続されたダイ
    オードからなる正極側アームと負極側自己消弧素子およ
    びこれと逆並列接続されたダイオードからなる負極側ア
    ームとの直列接続体、および上記両自己消弧素子にゲー
    トパルスを供給するゲートパルス発生手段を備え上記両
    アームの接続点を交流側端子に接続する2レベルの電力
    変換装置の保護制御装置であって、 上記交流側端子に流れる電流を検出する交流電流検出手
    段、上記両アームに流れる電流を検出する直流電流検出
    手段、上記両アームのいずれかに流れる電流が上記ダイ
    オードの逆回復電流よりも大きな値に設定された所定の
    第1レベルの過電流設定値に達したとき、当該過電流検
    出時点における上記交流側電流および当該過電流検出相
    の両自己消弧素子へのゲートパルス信号に基づき、上記
    過電流検出時点より保護動作に必要な所定時間経過した
    保護処理動作時点において上記両自己消弧素子に流れる
    電流の最大値が当該自己消弧素子の遮断限界である可制
    御電流値以内か否かを予測判別する故障判別回路、およ
    びこの故障判別回路が可制御電流値以内と判別したとき
    は当該過電流検出相の自己消弧素子を、ゲートオンパル
    ス入力中のものはオフ、ゲートオフパルス入力中のもの
    はゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オフ
    させる第1の保護処理モードを、上記故障判別回路が可
    制御電流値を越えると判別したときは当該過電流検出相
    の両自己消弧素子をオンさせ他相の自己消弧素子を一斉
    オンさせる第2の保護処理モードを実行する保護処理回
    路を備えたことを特徴とする請求項2記載の電力変換装
    置の保護制御装置。
  4. 【請求項4】 可制御電流値をITQRM、第1レベル
    の過電流設定値をOC1、直流側端子間の電圧をEd、
    保護動作に必要な所定時間をtoc、直流側端子からみ
    た故障経路のインダクタンスをLとしたとき下式で得ら
    れる選択基準値βを設定するとともに、交流側電流Ia
    cの極性を両アームの接続点から交流側端子に流出する
    方向を正と定義した場合、保護処理回路は、 負極側自己消弧素子がゲートオンパルス入力中に正極側
    アームの電流が過電流に達したとき、Iac≧−βが成
    立すると第1の保護処理モード、Iac<−βが成立す
    ると第2の保護処理モードを実行し、 正極側自己消弧素子がゲートオンパルス入力中に負極側
    アームの電流が過電流に達したとき、Iac≦+βが成
    立すると第1の保護処理モード、Iac>+βが成立す
    ると第2の保護処理モードを実行することを特徴とする
    請求項3記載の電力変換装置の保護制御装置。 β=ITQRM−OC1−Ed×toc/L
  5. 【請求項5】 直流側端子間の電圧Edとして、想定さ
    れるその最大値Edmaxを採用して選択基準値βを設
    定するようにしたことを特徴とする請求項4記載の電力
    変換装置の保護制御装置。
  6. 【請求項6】 直流側端子間の電圧Edを検出する直流
    電圧検出器を備え、この直流電圧検出器の出力EdLを
    採用して選択基準値βを設定するようにしたことを特徴
    とする請求項4記載の電力変換装置の保護制御装置。
  7. 【請求項7】 自己消弧素子を駆動するゲート駆動回路
    の出力から上記自己消弧素子の故障を検出する素子故障
    検出手段を備え、正極側および負極側自己消弧素子が共
    にオフ動作中に上記故障を検出したとき、当該故障検出
    相の両自己消弧素子をゲートフリーズさせ、他相の自己
    消弧素子を一斉オフさせるようにしたことを特徴とする
    請求項3ないし6のいずれかに記載の電力変換装置の保
    護制御装置。
  8. 【請求項8】 交流電流検出手段として交流側端子と両
    アームの接続点との接続線に挿入された交流電流検出器
    を備え、直流電流検出手段として直流側正極端子と正極
    側アームとの接続線に挿入された正極側直流電流検出器
    および直流側負極端子と負極側アームとの接続線に挿入
    された負極側直流電流検出器を備えたことを特徴とする
    請求項3ないし7のいずれかに記載の電力変換装置の保
    護制御装置。
  9. 【請求項9】 交流電流検出手段として交流側端子と両
    アームの接続点との接続線に挿入された交流電流検出器
    を備え、直流電流検出手段として直流側正極端子と正極
    側アームとの接続線に挿入された正極側直流電流検出器
    または直流側負極端子と負極側アームとの接続線に挿入
    された負極側直流電流検出器のいずれか一方を備え、い
    ずれか他方の直流電流は上記いずれか一方の直流電流検
    出器と上記交流電流検出器との出力から演算により求め
    るようにしたことを特徴とする請求項3ないし7のいず
    れかに記載の電力変換装置の保護制御装置。
  10. 【請求項10】 直流電流検出手段として直流側正極端
    子と正極側アームとの接続線に挿入された正極側直流電
    流検出器および直流側負極端子と負極側アームとの接続
    線に挿入された負極側直流電流検出器を備え、交流側電
    流は上記両直流電流検出器の出力から演算により求める
    ようにしたことを特徴とする請求項3ないし7のいずれ
    かに記載の電力変換装置の保護制御装置。
  11. 【請求項11】 第1レベルの過電流設定値より高い所
    定の第2レベルの過電流設定値を設定し、直流電流検出
    手段の出力が上記第2レベルの過電流設定値に達すると
    全自己消弧素子を一斉オンさせるようにしたことを特徴
    とする請求項3ないし10のいずれかに記載の電力変換
    装置の保護制御装置。
  12. 【請求項12】 直流電流検出手段を第2の直流電流検
    出手段を含む2重系で構成するとともに第2レベルの過
    電流設定値より高い所定の第3レベルの過電流設定値を
    設定し、上記第2の直流電流検出手段の出力が上記第3
    レベルの過電流設定値に達すると全自己消弧素子を一斉
    オンさせるようにしたことを特徴とする請求項11記載
    の電力変換装置の保護制御装置。
  13. 【請求項13】 過電流検出相から他相に一斉オン信号
    が送出された場合、当該他相の自己消弧素子の内、短絡
    防止期間Tdでオン動作からオフ動作に移行中のもの
    は、上記期間Td開始から上記オフ動作が完了するのに
    要する所定の時間Td´迄、当該自己消弧素子をオフか
    らオンにする信号の供給を禁止する手段を備えたことを
    特徴とする請求項3ないし12のいずれかに記載の電力
    変換装置の保護制御装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、短絡防止期間T
    dにある自己消弧素子であっても同アーム内のダイオー
    ドが通電中のときは、当該自己消弧素子へのオン信号供
    給禁止手段の動作を解除するようにしたことを特徴とす
    る電力変換装置の保護制御装置。
  15. 【請求項15】 請求項13において、短絡防止期間T
    dにある自己消弧素子であっても交流側電流Iacと選
    択基準値βとの間に下式が成立するときは、当該自己消
    弧素子へのオン信号供給禁止手段の動作を解除するよう
    にしたことを特徴とする電力変換装置の保護制御装置。 Iac<−β または Iac>+β
  16. 【請求項16】 正極、中性極および負極を有する直流
    側の上記正負両極間に相毎に接続された、第1ないし第
    4の自己消弧素子の直列接続体、上記各自己消弧素子と
    逆並列接続されてそれぞれ第1ないし第4のアームを構
    成する第1ないし第4のダイオード、上記中性極とそれ
    ぞれ上記第1、第2のアームの接続点および上記第3、
    第4のアームの接続点との間に接続された第5および第
    6のダイオード、および上記各自己消弧素子にゲートパ
    ルスを供給するゲートパルス発生手段を備え、上記第
    2、第3のアームの接続点を交流側端子に接続する3レ
    ベルの電力変換装置の保護制御装置であって、 上記交流側端子に流れる電流を検出する交流電流検出手
    段、上記第1のアームに流れる正極側の直流電流、第4
    のアームに流れる負極側の直流電流および上記第5、第
    6のダイオードの接続点と上記中性極との間に流れる中
    性極側の直流電流を検出する直流電流検出手段、この直
    流電流検出手段が検出する直流側電流のいずれかが上記
    ダイオードの逆回復電流よりも大きな値に設定された所
    定の第1の過電流設定値に達したとき、当該過電流検出
    時点における上記交流側電流および当該過電流検出相の
    各自己消弧素子へのゲートパルス信号に基づき、上記過
    電流検出時点より保護動作に必要な所定時間経過した保
    護処理動作時点において上記各自己消弧素子に流れる電
    流の最大値が当該自己消弧素子の遮断限界である可制御
    電流値以内か否かを予測判別する故障判別回路、および
    この故障判別回路が可制御電流値以内と判別したときは
    当該過電流検出相の自己消弧素子を、ゲートオンパルス
    入力中のものは故障短絡経路にある少なくとも1個をオ
    フその他をゲートフリーズ、ゲートオフパルス入力中の
    ものはゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉
    オフさせる第1の保護処理モードを、上記故障判別回路
    が可制御電流値を越えると判別したときは当該過電流検
    出相の自己消弧素子を、ゲートオンパルス入力中のもの
    はオン、ゲートオフパルス入力中のものは故障短絡経路
    にあるものをオンその他をゲートフリーズさせ、他相の
    自己消弧素子を一斉オンさせる第2の保護処理モードを
    実行する保護処理回路を備えたことを特徴とする請求項
    2記載の電力変換装置の保護制御装置。
  17. 【請求項17】 可制御電流値をITQRM、第1レベ
    ルの過電流設定値をOC1、直流側の正極−中性極間お
    よび中性極−負極間の電圧をそれぞれEdpおよびEd
    n、保護動作に必要な所定時間をtoc、および直流側
    の上記各極間からみた故障経路のインダクタンスをそれ
    ぞれLp、Ln、Lpnとしたとき下式で得られる選択
    基準値βを設定するとともに、交流側電流Iacの極性
    を第2、第3のアームの接続点から交流側端子に流出す
    る方向を正と定義した場合、保護処理回路は、 第2、第3の自己消弧素子がゲートオンパルス、第1、
    第4の自己消弧素子がゲートオフパルス入力中に正極側
    の直流電流が過電流に達したとき、 Iac≧−βが成立すると、当該過電流検出相の第3の
    自己消弧素子をオフ、第1、第2、第4の自己消弧素子
    をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オフ
    させる第1−3の保護処理モード(B3)、 Iac<−βが成立すると、当該過電流検出相の第1、
    第2、第3の自己消弧素子をオン、第4の自己消弧素子
    をゲートフリーズさせ、他相の第1、第2、第3の自己
    消弧素子を一斉オンさせる第2の正極側保護処理モード
    (CP)を実行し、 上記第2、第3の自己消弧素子がゲートオンパルス、第
    1、第4の自己消弧素子がゲートオフパルス入力中に負
    極側の直流電流が過電流に達したとき、 Iac≦+βが成立すると、当該過電流検出相の第2の
    自己消弧素子をオフ、第1、第3、第4の自己消弧素子
    をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オフ
    させる第1−2の保護処理モード(B2)、 Iac>+βが成立すると、当該過電流検出相の第2、
    第3、第4の自己消弧素子をオン、第1の自己消弧素子
    をゲートフリーズさせ、他相の第2、第3、第4の自己
    消弧素子を一斉オンさせる第2の負極側保護処理モード
    (CN)を実行し、 上記第3、第4の自己消弧素子がゲートオンパルス、第
    1、第2の自己消弧素子がゲートオフパルス入力中に中
    性極側の直流電流が過電流に達したとき、 Iac≧−βが成立すると、当該過電流検出相の第4の
    自己消弧素子をオフ、第1、第2、第3の自己消弧素子
    をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オフ
    させる第1−4の保護処理モード(B4)、 Iac<−βが成立すると、当該過電流検出相の第2、
    第3、第4の自己消弧素子をオン、第1の自己消弧素子
    をゲートフリーズさせ、他相の第2、第3、第4の自己
    消弧素子を一斉オンさせる第2の負極側保護処理モード
    (CN)を実行し、 上記第3、第4の自己消弧素子がゲートオンパルス、第
    1、第2の自己消弧素子がゲートオフパルス入力中に正
    極側の直流電流が過電流に達したとき、 Iac≧−βが成立すると、当該過電流検出相の第3、
    第4の自己消弧素子をオフ、第1、第2の自己消弧素子
    をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オフ
    させる第1−34の保護処理モード(B34)、 Iac<−βが成立すると、当該過電流検出相の第1、
    第2、第3、第4の自己消弧素子をオン、他相の自己消
    弧素子を一斉オンさせる第2の正負両極側保護処理モー
    ド(CPN)を実行し、 上記第1、第2の自己消弧素子がゲートオンパルス、第
    3、第4の自己消弧素子がゲートオフパルス入力中に中
    性極側の直流電流が過電流に達したとき、 Iac≦+βが成立すると、当該過電流検出相の第1の
    自己消弧素子をオフ、第2、第3、第4の自己消弧素子
    をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オフ
    させる第1−1の保護処理モード(B1)、 Iac>+βが成立すると、当該過電流検出相の第1、
    第2、第3の自己消弧素子をオン、第4の自己消弧素子
    をゲートフリーズさせ、他相の第1、第2、第3の自己
    消弧素子を一斉オンさせる第2の正極側保護処理モード
    (CP)を実行し、 上記第1、第2の自己消弧素子がゲートオンパルス、第
    3、第4の自己消弧素子がゲートオフパルス入力中に負
    極側の直流電流が過電流に達したとき、 Iac≦+βが成立すると、当該過電流検出相の第1、
    第2の自己消弧素子をオフ、第3、第4の自己消弧素子
    をゲートフリーズさせ、他相の自己消弧素子を一斉オフ
    させる第1−12の保護処理モード(B12)、 Iac≧+βが成立すると、当該過電流検出相の第1、
    第2、第3、第4の自己消弧素子をオン、他相の自己消
    弧素子を一斉オンさせる第2の正負両極側保護処理モー
    ド(CPN)を実行することを特徴とする請求項16記
    載の電力変換装置の保護制御装置。 β=ITQRM−OC1−toc{Edp/Lp+Ed
    n/Ln+(Edp+Edn)/Lpn}/3
  18. 【請求項18】 第1−12の保護処理モード(B1
    2)で過電流検出相の第1、第2の自己消弧素子をオフ
    させる場合、上記第2の自己消弧素子をオフさせるタイ
    ミングを第1の自己消弧素子をオフさせるタイミングよ
    り、自己消弧素子のターンオフ時間のばらつきを考慮し
    て設定された所定の時間Ty遅らせ、第1−34の保護
    処理モード(B34)で過電流検出相の第3、第4の自
    己消弧素子をオフさせる場合、上記第3の自己消弧素子
    をオフさせるタイミングを第4の自己消弧素子をオフさ
    せるタイミングより、上記所定の時間Ty遅らせるよう
    にしたことを特徴とする請求項17記載の電力変換装置
    の保護制御装置。
  19. 【請求項19】 直流側の正極と中性極との間の電圧E
    dpおよび中性極と負極との間の電圧Ednとして、想
    定されるその最大値Edmaxを採用して選択基準値β
    を設定するようにしたことを特徴とする請求項17また
    は18記載の電力変換装置の保護制御装置。
  20. 【請求項20】 直流側の正極と中性極との間の電圧E
    dpおよび中性極と負極との間の電圧Ednを検出する
    直流電圧検出器を備え、この直流電圧検出器の出力Ed
    pまたはEdnのいずれか大きい方を選択し、当該選択
    した検出電圧を採用して選択基準値βを設定するように
    したことを特徴とする請求項17または18記載の電力
    変換装置の保護制御装置。
  21. 【請求項21】 自己消弧素子を駆動するゲート駆動回
    路の出力から上記自己消弧素子の故障を検出する素子故
    障検出手段を備え、各相4個の自己消弧素子の内1個が
    オン他の3個がオフ動作中に上記故障を検出したとき、
    当該故障検出相の全自己消弧素子をゲートフリーズさ
    せ、他相の自己消弧素子を一斉オフさせるようにしたこ
    とを特徴とする請求項16ないし20のいずれかに記載
    の電力変換装置の保護制御装置。
  22. 【請求項22】 交流電流検出手段として交流側端子と
    第2、第3アームの接続点との接続線に挿入された交流
    電流検出器を備え、直流電流検出手段として直流側正極
    端子と第1のアームとの接続線に挿入された正極側直流
    電流検出器、直流側負極端子と第4のアームとの接続線
    に挿入された負極側直流電流検出器および直流側中性極
    端子と第5、第6のダイオードの接続点との接続線に挿
    入された中性極側直流電流検出器を備えたことを特徴と
    する請求項16ないし21のいずれかに記載の電力変換
    装置の保護制御装置。
  23. 【請求項23】 交流電流検出手段として交流側端子と
    第2、第3アームの接続点との接続線に挿入された交流
    電流検出器を備え、直流電流検出手段として直流側正極
    端子と第1のアームとの接続線に挿入された正極側直流
    電流検出器、直流側負極端子と第4のアームとの接続線
    に挿入された負極側直流電流検出器および直流側中性極
    端子と第5、第6のダイオードの接続点との接続線に挿
    入された中性極側直流電流検出器の内いずれか2台の直
    流電流検出器を備え、いずれか他の1台の直流電流検出
    器に係る直流電流は上記2台の直流電流検出器と上記交
    流電流検出器との出力から演算により求めるようにした
    ことを特徴とする請求項16ないし21のいずれかに記
    載の電力変換装置の保護制御装置。
  24. 【請求項24】 直流電流検出手段として直流側正極端
    子と第1のアームとの接続線に挿入された正極側直流電
    流検出器、直流側負極端子と第4のアームとの接続線に
    挿入された負極側直流電流検出器および直流側中性極端
    子と第5、第6のダイオードの接続点との接続線に挿入
    された中性極側直流電流検出器を備え、交流側電流は上
    記各直流電流検出器の出力から演算により求めるように
    したことを特徴とする請求項16ないし21のいずれか
    に記載の電力変換装置の保護制御装置。
  25. 【請求項25】 第1レベルの過電流設定値より高い所
    定の第2レベルの過電流設定値を設定し、正極側直流電
    流が上記第2レベルの過電流設定値に達すると全第1、
    第2、第3の自己消弧素子を一斉オンさせ、負極側直流
    電流が上記第2レベルの過電流設定値に達すると全第
    2、第3、第4の自己消弧素子を一斉オンさせるように
    したことを特徴とする請求項16ないし24のいずれか
    に記載の電力変換装置の保護制御装置。
  26. 【請求項26】 直流電流検出手段を第2の直流電流検
    出手段を含む2重系で構成するとともに第2レベルの過
    電流設定値より高い所定の第3レベルの過電流設定値を
    設定し、上記第2の直流電流検出手段の出力が上記第3
    レベルの過電流設定値に達すると全自己消弧素子を一斉
    オンさせるようにしたことを特徴とする請求項25記載
    の電力変換装置の保護制御装置。
  27. 【請求項27】 過電流検出相から他相に一斉オン信号
    が送出された場合であって、 当該他相の第1、第2の自己消弧素子がオン、第3、第
    4の自己消弧素子がオフ動作中に上記第2、第3、第4
    の自己消弧素子をオンさせるときは、先ず、上記第1の
    自己消弧素子をオフさせ、所定の短絡防止期間Td経過
    後、上記第3、第4の自己消弧素子をオンさせ、 当該他相の上記第3、第4の自己消弧素子がオン、第
    1、第2の自己消弧素子がオフ動作中に上記第1、第
    2、第3の自己消弧素子をオンさせるときは、先ず、上
    記第4の自己消弧素子をオフさせ、所定の短絡防止期間
    Td経過後、上記第1、第2の自己消弧素子をオンさせ
    るようにしたことを特徴とする請求項16ないし26の
    いずれかに記載の電力変換装置の保護制御装置。
  28. 【請求項28】 請求項27において、先ず、第1の自
    己消弧素子をオフさせるときまたは第4の自己消弧素子
    をオフさせるとき、当該各自己消弧素子と同アーム内の
    ダイオードが通電中のときは、所定の短絡防止期間Td
    の経過を待たずに直ちに、それぞれ第3、第4の自己消
    弧素子をオンさせ、第1、第2の自己消弧素子をオンさ
    せるようにしたことを特徴とする電力変換装置の保護制
    御装置。
  29. 【請求項29】 請求項27において、先ず、第1の自
    己消弧素子をオフさせるときまたは第4の自己消弧素子
    をオフさせるとき、交流側電流Iacと選択基準値βと
    の間に下式が成立するときは、所定の短絡防止期間Td
    の経過を待たずに直ちに、それぞれ第3、第4の自己消
    弧素子をオンさせ、第1、第2の自己消弧素子をオンさ
    せるようにしたことを特徴とする電力変換装置の保護制
    御装置。 Iac<−β または Iac>+β
  30. 【請求項30】 過電流検出相から他相に一斉オン信号
    が送出された場合であって、 当該他相の第1、第2、第3、第4の自己消弧素子の
    内、1個の自己消弧素子が短絡防止期間Tdでオン動作
    からオフ動作に移行中のときは、上記期間Td開始から
    上記オフ動作が完了するのに要する所定の時間Td´
    迄、上記各自己消弧素子をオフからオンにする信号の供
    給を禁止する手段を備えたことを特徴とする請求項16
    ないし29のいずれかに記載の電力変換装置の保護制御
    装置。
  31. 【請求項31】 請求項30において、短絡防止期間T
    dにある自己消弧素子であっても同アーム内のダイオー
    ドまたは対の自己消弧素子が通電中のときは、当該自己
    消弧素子へのオン信号供給禁止手段の動作を解除するよ
    うにしたことを特徴とする電力変換装置の保護制御装
    置。
  32. 【請求項32】 請求項30において、短絡防止期間T
    dにある自己消弧素子であっても交流側電流Iacと選
    択基準値βとの間に下式が成立するときは、当該自己消
    弧素子へのオン信号供給禁止手段の動作を解除するよう
    にしたことを特徴とする電力変換装置の保護制御装置。 Iac<−β または Iac>+β
  33. 【請求項33】 各自己消弧素子に一斉オン信号が送出
    された場合であって、 第1、第2、第3、第4の自己消弧素子を同時にオンさ
    せるときは、上記第1の自己消弧素子をオンさせるタイ
    ミングを第2の自己消弧素子をオンさせるタイミングよ
    り、自己消弧素子のターンオン時間のばらつきを考慮し
    て設定された所定の時間Tx遅らせ、上記第4の自己消
    弧素子をオンさせるタイミングを第3の自己消弧素子を
    オンさせるタイミングより、上記所定の時間Tx遅らせ
    るようにしたことを特徴とする請求項16ないし32の
    いずれかに記載の電力変換装置の保護制御装置。
  34. 【請求項34】 請求項2ないし33のいずれかに記載
    された電力変換装置の直流端子間に接続された平滑コン
    デンサを備えた場合、 上記平滑コンデンサを第1の平滑コンデンサと、スイッ
    チング手段を介して上記第1の平滑コンデンサと並列に
    接続された第2の平滑コンデンサとで構成し、 保護制御装置で出力された自己消弧素子への一斉オン信
    号に基づき上記スイッチング手段をオフすることによ
    り、上記平滑コンデンサから上記一斉オンした自己消弧
    素子への放電を抑制するようにしたことを特徴とする電
    力変換装置の保護制御装置。
  35. 【請求項35】 請求項16ないし33のいずれかに記
    載の3レベルの電力変換装置の直流端子間に接続された
    平滑コンデンサを備えた場合、 上記平滑コンデンサを、正極端子と中性極端子とに接続
    された第1の正極側平滑コンデンサと正極側スイッチン
    グ手段を介して上記第1の正極側平滑コンデンサと並列
    に接続された第2の正極側平滑コンデンサ、および中性
    極端子と負極端子とに接続された第1の負極側平滑コン
    デンサと負極側スイッチング手段を介して上記第1の負
    極側平滑コンデンサと並列に接続された第2の負極側平
    滑コンデンサで構成し、 保護制御装置で出力された第1、第2、第3の自己消弧
    素子または第2、第3、第4の自己消弧素子への一斉オ
    ン信号に基づき上記正極側スイッチング手段または負極
    側スイッチング手段をオフすることにより、上記平滑コ
    ンデンサから上記一斉オンした自己消弧素子への放電を
    抑制するようにしたことを特徴とする電力変換装置の保
    護制御装置。
  36. 【請求項36】 請求項2ないし33のいずれかに記載
    の電力変換装置を複数台、各直流側を共通に接続してな
    るものにおいて、 上記各電力変換装置のいずれかの保護制御装置で出力さ
    れる自己消弧素子への一斉オン信号を他の電力変換装置
    の自己消弧素子へも同時に送出するよう、上記一斉オン
    信号を上記各電力変換装置で共通化するよう構成したこ
    とを特徴とする電力変換装置の保護制御装置。
  37. 【請求項37】 請求項2ないし33のいずれかに記載
    の電力変換装置を複数台、各電力変換装置の直流端子間
    に接続された平滑コンデンサを備え、上記各電力変換装
    置の直流側を共通に接続してなるものにおいて、 上記各電力変換装置毎に設けられたスイッチング素子を
    介して各直流側を共通に接続するとともに、いずれかの
    上記電力変換装置の保護制御装置で出力される自己消弧
    素子への一斉オン信号に基づき当該電力変換装置のスイ
    ッチング手段をオフすることにより、他の電力変換装置
    の平滑コンデンサから当該電力変換装置の上記一斉オン
    した自己消弧素子への放電を阻止するようにしたことを
    特徴とする電力変換装置の保護制御装置。
  38. 【請求項38】 各電力変換装置の直流側を共通に接続
    する共通接続点の正負両極間に接続された共通平滑コン
    デンサを備えた場合、いずれかの上記電力変換装置の保
    護制御装置で出力される自己消弧素子への一斉オン信号
    に基づき当該電力変換装置のスイッチング手段をオフす
    ることにより、他の電力変換装置の平滑コンデンサおよ
    び上記共通平滑コンデンサから当該電力変換装置の上記
    一斉オンした自己消弧素子への放電を阻止するようにし
    たことを特徴とする請求項37記載の電力変換装置の保
    護制御装置。
  39. 【請求項39】 請求項2ないし33のいずれかに記載
    の電力変換装置であって互いに同一容量の電力変換装置
    を複数台、各直流側を共通に接続してなるものにおい
    て、 上記各電力変換装置で検出された交流側電流および直流
    側電流のそれぞれ最大値を選択する最大値選択回路、上
    記各電力変換装置の自己消弧素子に共通のゲートパルス
    を供給するゲートパルス発生器、上記最大値選択回路か
    ら出力される交流側電流信号、直流側電流信号および上
    記ゲートパルス信号に基づき故障の予測判別を行う故障
    判別回路、およびこの故障判別回路の判別出力に基づき
    上記各電力変換装置の自己消弧素子に対して共通の保護
    処理を行う保護処理回路を備えたことを特徴とする電力
    変換装置の保護制御装置。
  40. 【請求項40】 複数の各電力変換装置の交流側は、そ
    れぞれ互いに独立した交流電源または交流負荷に接続さ
    れていることを特徴とする請求項37ないし39のいず
    れかに記載の電力変換装置の保護制御装置。
  41. 【請求項41】 複数の各電力変換装置の交流側は、そ
    の各1次側を互いに直列にして交流電源または交流負荷
    に接続される複数の変圧器の各2次側に接続されている
    ことを特徴とする請求項37ないし39のいずれかに記
    載の電力変換装置の保護制御装置。
  42. 【請求項42】 複数の各電力変換装置の交流側は、上
    記各電力変換装置毎に設けられた交流リアクトルを介し
    て共通の交流電源または交流負荷に接続されていること
    を特徴とする請求項37ないし39のいずれかに記載の
    電力変換装置の保護制御装置。
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