JPH10334584A - 光ディスク記録情報再生装置 - Google Patents

光ディスク記録情報再生装置

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JPH10334584A
JPH10334584A JP9144329A JP14432997A JPH10334584A JP H10334584 A JPH10334584 A JP H10334584A JP 9144329 A JP9144329 A JP 9144329A JP 14432997 A JP14432997 A JP 14432997A JP H10334584 A JPH10334584 A JP H10334584A
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JP
Japan
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signal
frequency
hpf
spindle motor
circuit
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JP9144329A
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English (en)
Inventor
Seiichi Hasebe
誠一 長谷部
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Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B19/00Driving, starting, stopping record carriers not specifically of filamentary or web form, or of supports therefor; Control thereof; Control of operating function ; Driving both disc and head
    • G11B19/20Driving; Starting; Stopping; Control thereof
    • G11B19/28Speed controlling, regulating, or indicating
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B19/00Driving, starting, stopping record carriers not specifically of filamentary or web form, or of supports therefor; Control thereof; Control of operating function ; Driving both disc and head
    • G11B19/20Driving; Starting; Stopping; Control thereof
    • G11B19/24Arrangements for providing constant relative speed between record carrier and head
    • G11B19/247Arrangements for providing constant relative speed between record carrier and head using electrical means

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で読取信号の時間軸補正を良好に
行うことのできる光ディスク記録情報再生装置を提供す
る。駆動信号をスピンドルモータに供給する際に生じる
ジッタ成分を的確に除去する。 【解決手段】 本発明の装置は、光ディスクを回転させ
るスピンドルモータと、光ディスクの記録信号を光学的
に読み取り当該記録信号に応じた読取信号を生成する読
取手段と、読取信号をディジタル化して符号化信号を再
生するディジタル変換手段とを有する。本装置には、ス
ピンドルモータに駆動電力を供給する制御手段20が設
けられ、この制御手段は、モータ駆動電力の高周波成分
を除去する不要成分除去手段2Bを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクに記録
された情報を再生する装置に関し、より詳しくは、光デ
ィスクを回転駆動しつつその記録情報を光学的に読み取
って再生する処理を当該読み取り情報の時間軸を補正し
ながら行う光ディスク記録情報再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオを扱う分野においては特に、
光ディスクに記録されたディジタル情報を高品質にて再
生する試みが行われている。その試みの1つは、読取信
号を高分解能をもって再生する手法である。具体的に
は、読取信号を高レートにてサンプリングしかつ多数の
量子化ビットを用いてディジタル信号に変換するという
ものである。また、もう1つの試みは、再生する周波数
帯域を広げることである。つまり本来無視されていた高
周波帯域のオーディオ信号も忠実に音響出力することで
ある。
【0003】一方、これらの試みの他にも、かかる高品
質再生にとって欠かせない要素がある。それは、いわゆ
る時間軸補正、すなわち読取信号の時間軸上の揺らぎ
(ジッター)を低減することである。従来においてもこ
のような読取信号の時間軸補正は行われ、種々様々な手
法が提案されている。しかしながら、かかる提案は、巨
視的に時間軸補正を行うという思想が大勢を占めるもの
であり、微視的な時間軸補正を軽視する傾向がある。故
に巨視的な時間軸補正から漏れたジッター成分が残存し
これが再生情報の品質に影響を及ぼす可能性があり、依
然として時間軸補正については改善の余地がある。特に
高音質の飽くなき追求を続けるオーディオ愛好家にとっ
ては、軽微な音質向上であっても極めて有益となるの
で、かかる時間軸補正の完全な遂行を目指すことは重要
である。
【0004】具体的には、ディスクを回転する直流駆動
型のスピンドルモータに供給される高周波の駆動信号成
分が原因で、スピンドルモータに対する高度な安定制御
を損ねてしまっている。かくしてこのような微視的な不
具合が、読取信号の時間軸補正、しいては高品質情報再
生の妨げとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明は、上述
した点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、簡単な構成で読取信号の時間軸補正を良好に行
うことのできる光ディスク記録情報再生装置を提供する
ことにある。また本発明の他の目的は、駆動信号をスピ
ンドルモータに供給する際に生じるジッタ成分を的確に
除去することのできる光ディスク記録情報再生装置を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による光ディスク
記録情報再生装置は、光ディスクを回転させるスピンド
ルモータと、前記光ディスクの記録信号を光学的に読み
取り当該記録信号に応じた読取信号を再生する読取手段
と、前記読取信号をディジタル化して符号化信号を生成
するディジタル変換手段と、を有する光ディスク記録情
報再生装置であって、前記スピンドルモータに駆動電力
を供給する制御手段を有し、前記制御手段は、前記駆動
電力の高周波成分を除去する不要成分除去手段を有する
ことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明による一
実施例のCD(コンパクト・ディスク)プレーヤの概略
構成を示している。図1において、この光ディスクプレ
ーヤにセットされた円盤状の光ディスク1には、例えば
オーディオデータ等のディジタルデータである記録信号
がピット列或いはマーク列として螺旋状または同心円の
トラックに沿って記録されている。光ディスク1は、ス
ピンドルモータ2によって回転駆動され、光ディスク1
に記録されたディジタルデータは、読取手段としてのピ
ックアップ3によって光学的に読み出される。ピックア
ップ3から出力されるRF(Radio Frequency )信号で
ある読取信号は、ピックアップ3において発射した光ビ
ームによる光ディスク1からの反射光の受光量または受
光状態を示すアナログ信号であり、RFアンプ4で増幅
された後、信号ジッター除去手段たる高域通過フィルタ
(HPF)5に供給される。かかるHPF5は、後述さ
れる構成によって本実施例の主たる特徴の1つを担うも
のであり、RFアンプ4からの読取信号のうち高周波成
分のみをA/D変換器6に供給する。すなわちHPF5
は、読取信号に対して低周波ノイズ成分を除去しかつ時
間軸方向の歪を生じさせない信号処理手段を形成する。
【0008】A/D変換器6は、HPF5からの読取信
号をディジタル化する。より詳しくは、A/D変換器6
は、サンプルクロックパルスがクロックパルス供給回路
19から供給され、このサンプルクロックパルスに応答
しサンプルするとともに所定の量子化ビット数nをもっ
て当該読取信号のサンプル値をディジタル信号として出
力する。こうしてディジタル化されたサンプル値列とし
ての読取信号は、ビタビ復号器7に供給される。このビ
タビ復号器の詳細については、特開平7−262694
号公報等において公知であるので、ここでは省略する
が、概要につき述べれば、A/D変換器6から順次供給
されてくるサンプル値のデータと、複数の予測サンプル
値のデータ各々とに基づいてブランチメトリック及びパ
スメトリックを算出し、これにより、入力系列に対して
2乗誤差が最小となるデータ系列をディスクの記録信号
に対応した復号データとして復号出力するものである。
かかるビタビ復号を行うことにより、読取信号のS/N
が低い場合であっても読取信号が正確に2値化されたこ
ととなる。かくしてビタビ復号によって、読取信号のサ
ンプル値毎に“1”又は“0”の値が判別され、これら
の値を担うディジタル信号が得られる。
【0009】ビタビ復号器7からの2値化された読取信
号は、一般にEFM(Eight to Fourteen Modulation)
信号と呼ばれる。EFM信号は復調器7に供給され、こ
こで、ディスク1にディジタル信号を記録する際に行わ
れたEFM変調の逆の符号変換処理が行われる。かかる
逆符号変換処理の施されたディジタル信号(再生信号)
は、基本的に、図示されないさらなる復号器に転送され
て原ディジタル信号に変換された後、D/A変換及び増
幅の処理が施されて例えばスピーカ駆動信号となる。
【0010】PLL回路9は、A/D変換器6からの読
取信号のサンプル値データに基づき、読取信号波形の傾
斜部を検出して、この傾斜部におけるサンプル値データ
に基づいて読取信号に位相同期した再生クロックパルス
を発生する。このPLL回路9の構成及び動作は特開平
6−231547号公報に開示されている。この再生ク
ロックパルスは、クロックパルス供給回路19に供給さ
れると共に位相比較器12に供給される。位相比較器1
2には、基準クロックパルスを発生する発振器13が接
続されている。位相比較器12は、PLL回路9からの
再生クロックパルスと基準クロックパルスとの位相差を
示す誤差信号を発生する。この誤差信号は、サーボ回路
18に供給される。
【0011】クロックパルス供給回路19は、PLL回
路9からのクロックパルスの周波数が所定の周波数範囲
に含まれないときにはマスタクロックパルスをA/D変
換器5にサンプリングクロックパルスとして供給し、P
LL回路9からのクロックパルスの周波数が所定の周波
数範囲以内にあるときにはマスタクロックパルスに代わ
ってPLL回路9からのクロックパルスをA/D変換器
5にサンプリングクロックパルスとして供給する。
【0012】かかる光ディスクプレーヤの構成におい
て、サーボ回路18は、システムコントローラ17から
の駆動開始指令に応答してスピンドルモータ2の回転を
開始するための制御信号を駆動回路20に出力する。こ
れにより駆動回路20は、スピンドルモータ2の回転を
開始させるような駆動電圧をスピンドルモータ2に供給
する。スピンドルモータ2の回転により光ディスク1が
回転し所定の回転速度に達すると、ピックアップ3は、
光ディスク1の記録信号を読み取り可能となる。スピン
ドルモータ2の回転開始直後の初期状態においては、A
/D変換器6にはマスタクロックパルスがクロックパル
ス供給回路19から供給され、そのマスタクロックパル
スの発生タイミングに応じてA/D変換器6が動作す
る。
【0013】サーボ回路18はまた、上記初期状態を経
た後ディスク1が所定の回転速度範囲内にあるとき、位
相比較器12からの位相誤差信号に応じた制御信号を発
生し、駆動回路20に供給する。より詳しくはサーボ回
路18は、供給される位相誤差信号が減少するように制
御信号を発生する。これによりスピンドルモータ2は、
基準クロックパルスに位相同期した精密なサーボが掛け
られることとなる。そしてこの場合、クロックパルス供
給回路19は、マスタクロックパルスに代えてPLL回
路9からの再生クロックパルスをA/D変換器6にサン
プリングクロックパルスとして供給し、A/D変換器6
は、この再生クロックパルスに応じて動作することとな
る。
【0014】なお、駆動回路20には、本実施例の主要
な特徴の1つである駆動ジッター除去手段或いは不要成
分除去手段としての高域阻止(ハイカット)フィルタ
(HCF)を含んでいる。駆動回路20においてこの高
域阻止フィルタを介しスピンドルモータ2に駆動電力を
供給していることにより、効果的な読取信号中のジッタ
ー発生を回避している。その詳細については後述する。
【0015】またここではスピンドルサーボ系の概要を
示したが、さらに詳細な構成としては特開平8−235
767号公報に記載の構成を参照することができる。次
に、上記読取信号中のジッター除去手段としてのHPF
5の構成について説明する。図2は、かかるHPF5の
基本的構成を示しており、入力端にはRFアンプ4から
のアナログ読取信号が供給される。この入力端はコンデ
ンサC1 の一端に接続される。コンデンサC1 の他端と
コンデンサC3 の一端とは共通接続されるとともに、演
算増幅器OP1 の出力端に抵抗R2 を介して接続され
る。コンデンサC3 の他端は、演算増幅器OP1 の非反
転入力端と接続されるとともに、抵抗R4 を介して接地
される。演算増幅器OP1 の出力端は、その反転入力端
に接続されるとともに、HPF6の出力へ導かれる。
【0016】HPF6は、いわゆる2次のアクティブ型
フィルタを形成している。その理由は、次の如くであ
る。先ず入力の読取信号の周波数成分を分析すると、図
3に示されるようなスペクトラムが得られる。これによ
れば、かかる読取信号は、200[kHz]近傍に境界
を有し、この境界より高い周波数側に約500kHz程
度の幅の帯域をもって比較的高いレベルを有するスペク
トラムを形成する主成分(斜線部分)と、約1.17
[kHz]を中心として比較的低いレベルのスペクトラ
ムを形成する副成分(クロスハッチ部分)とからなるこ
とが分かる。また、主成分は、本来のEFM信号成分に
対応するものであり、副成分は、ディスク1の表面若し
くは記録面または他の内部層の表面の傷及びこれらに匹
敵する不適正形成マーク(以下、これらを総称してブラ
ックドット或いはB.D.と呼ぶ)によるノイズ成分に
対応する。
【0017】これらスペクトラム態様の根拠は、次のよ
うに解される。EFM信号は、その6標本区間の周波数
が7.35[kHz]でかつ該区間において588ビッ
トを担うよう定められているので、EFM信号各ビット
の読み出しクロック周波数fT は、
【0018】
【数1】 fT=7.35×588=4.3218[MHz] (ビット間隔T=1/4.3218) である。EFM信号のデータは、3Tないし11Tの範
囲で反転間隔が変動するので、当該EFM信号の最大周
波数と最小周波数とは、この3Tと11Tとに対応して
求めることができる。つまり、3Tの長さ毎にデー
タ(”1”または”0”)が反転する場合の当該データ
信号の周波数f3Tと、11Tの長さ毎にデータが反転す
る場合の当該データ信号の周波数f11T は、
【0019】
【数2】 f3T =4.3218/(3×2) =720.3[kHz] f11T =4.3218/(11×2)=196.4[kHz] である。一方、ブラックドットは、典型例として、ディ
スク1のトラック方向に600[μm]の長さを呈する
ものと想定することができる。また、ディスク1の読取
線速度(ピックアップ3のディスク1に対する走査速
度)が1.4[m/sec]であるとすると、ピックアッ
プ3の読取点が当該ブラックドットを通過するのに要す
る時間tD は、
【0020】
【数3】tD=600/1.4=428.6[μsec] である。故に、この時間tD 毎にブラックドットと非ブ
ラックドット部とが交互に読み取られたときに当該ブラ
ックドットにより読取信号中に生じる成分の周波数fBD
は、
【0021】
【数4】 fBD=1/(428.6×2)=1.17[kHz] となる。かくして、求めたf3T及びf11T 並びにfBDの
値は、図3のスペクトラムと符合する。
【0022】ブラックドットによる周波数成分は、もと
より再生すべきでなくまたこれを含んだまま再生処理が
行われると、誤り訂正を多く施さなければならないなど
して高品質な再生情報が得られないので、HPF5は、
図3に一点鎖線で示されるような、ブラックドットによ
る周波数成分を除去しかつEFM信号成分だけを通過さ
せる特性が要求される。しかもブラックドットによる周
波数成分を的確に排除するようカットオフ特性がなるべ
く急峻であることが望まれる。
【0023】実際、いわゆる低次(1次)のHPFはカ
ットオフ特性が緩やかであるので、該低次HPFがEF
M信号成分を忠実に通過させるにはカットオフ周波数を
下げる必要がある。しかしながら、低次HPFには、カ
ットオフ周波数を下げすぎると、ブラックドットによる
周波数成分を完全に除去できなくなってしまうという問
題がある。従って、かかる要求を満たすためにHPFの
次数を高次のものにするべきであるが、あまり高次のH
PFを用いると、今度はいわゆる群遅延が大きくなって
しまう、という問題を招来してしまう。
【0024】また、かかる低次HPFの典型例として図
4及び図5に示される1次のパッシブHPFは、図6に
示されるような特性を呈することとなるが、位相特性に
おいて次のような考察をすることができる。すなわち、
EFM信号は、その最小周波数f3Tと最大周波数f11T
との間にわたって帯域を有するものであるが、図6に示
される1次パッシブHPFの位相特性において、この帯
域における位相回り、すなわち端的な例を挙げれば、か
かる最小周波数f3Tにおいて呈する位相と最大周波数f
11T において呈する位相との差が無視できない程に大き
いものとなっている。そしてこの大なる位相差によっ
て、当該1次パッシブHPFを読取信号が通過する段階
で当該読取信号波形が乱れ、ジッタを発生させているも
のと考えられる。
【0025】換言すれば、かかる大なる位相差は、RF
信号すなわちRFアンプ4からの読取信号のジッターが
少ないにもかかわらず、EFM信号に変換すると当該E
FM信号に多くのジッターが乗ってしまう原因になって
いると考えられる。スピンドルサーボのための読取信号
に基づく再生クロックは、かかるEFM信号またはこれ
に等価な信号(本実施例の場合は、A/D変換出力)か
ら生成されるので、結局、このEFM信号への変換に際
して誘発されたジッタ成分が再生クロックを介してスピ
ンドルモータによる時間軸補正へ悪い影響を及ぼし、ま
た不要な駆動電圧を当該モータに供給してしまい多大な
電力を消費することとなるのである。また、スピンドル
エラーを生成する際に再生クロックと基準クロックとの
間で周波数及び位相差が大きすぎると、クロック間にビ
ートが発生したり、当該再生クロックに基づいて処理を
行う後段の信号処理部(EFM復調器8やその後段の復
号器等)でのディジタル処理(例えば誤り訂正処理)の
負担が増していわゆるディジタルノイズが多くなる、と
いう不具合を誘発してしまう。
【0026】そこで本実施例においては、カットオフ周
波数を低く設定できカットオフ特性が比較的急峻でかつ
群遅延も許容範囲に収まってしかも位相回りの低減が可
能な2次のアクティブ型のHPFを採用したのである。
本実施例におけるHPF5の各構成部品の値は、以下の
如き式に基づいて選定することができる。
【0027】
【数5】 Vb=V0 I1=I2+I3 (Vi-Va)/(1/SC1)=(Va-V0)/R2+(Va-V0)/(1/SC3) ……(1) (Va-V0)/(1/SC3)=V0/R4 ……(2) ここで、Vb は演算増幅器OP1 の非反転入力電圧、V
i ,V0 は同入力及び出力電圧、I1 ,I2 及びI3 は
それぞれコンデンサC1 ,C3 及び抵抗R2 に流れる電
流、Va はコンデンサC1 ,C3 の共通接続点における
電圧、S=jωである。
【0028】さらに上記(2)式より、
【0029】
【数6】 SC3Va−SC3V0=V0/R4 Va=V0+V0/SC3R4 ……(3) (1)式を展開して、
【0030】
【数7】SC1Vi-SC1Va=Va/R2−V0/R2+S
C3Va-SC3V0 これに(3)式を代入すると、
【0031】
【数8】 SC1Vi-SC1V0−C1V0/C3R4 =V0/R2+V0/SC3R2R4−V0/R2+SC3V0+V0/R4-SC3V0 SC1Vi=SC1V0+C1V0/C3R4+V0/SC3R2R4+V0/R4 V0/Vi=SC1/(SC1+C1/R4C3+1/R4+1/SC3R2R4) =SC1/{(S2C1C3R2R4+SC1R2+SC3R2+1)/SC3R2R4} =S2C1C3R2R4/(S2C1C3R2R4+SC1R2+SC3R2+1) G(S)=S2/{S2+(1/C1R4+1/C3R4)S+1/C1C3R2R4} ここで、2次のHPFの伝達関数は、
【0032】
【数9】G(S)=HS2/(S2+ωS/Q+ω2) である。本例においてはフィルタのゲインを1としてい
るので、H=1となる。よって、
【0033】
【数10】 ω2=1/C1C3R2R4 ……(4) ω/Q=1/C1R4+1/C3R4 ……(5) C1=C3=Cとおくと、(5)式は次のようになる。
【0034】
【数11】 ω/Q=1/CR4+1/CR4=2/CR4 R4=2Q/Cω ……(6) (4)式に(6)式を代入すると、
【0035】
【数12】 ω2=1/C2(2Q/Cω)R2 R2=1/2CQω ……(7) ここで、フィルタ特性をバタワース特性とすると、
【0036】
【数13】Q=0.7071 Cのコンデンサ容量を0.01[μF]とすると、各カ
ットオフ周波数に対応してR2 ,R4 の抵抗を、図7に
示される表中の値から選ぶことができ、或いは該抵抗値
を選定する際の目安とすることができる。なお、かかる
表において括弧内に記された抵抗の値は、実際に部品と
して採用されうる抵抗の値を示している。また、f´
は、この実際の抵抗値を採用したときに得られるカット
オフ周波数を示している。
【0037】本実施例においては、図7の表からHPF
6に用いられる抵抗の適格な値を選定するに当たり、以
下のような試算結果に基づいた。先ず図8は、カットオ
フ周波数fcに対するEFMジッター量の特性を示して
いる。これによれば、本実施例の2次のアクティブHP
F6の特性は、fc=4.34〜2.13[kHz]の
間でほぼ20[nsec]前後のEFMジッタ量を呈する
ことが分かる。また、カットオフ周波数を大きくするほ
どEFMジッタ量が大きくなることも分かる。なお、E
FMジッタ量とは、図1に示されるビタビ復号器7の出
力EFM信号の時間軸上の偏倚量を示し、従って時間を
単位とするものである。
【0038】図8はまた、かかる本実施例の2次アクテ
ィブHPFとの比較のために先述した図4及び図5の如
く構成される1次パッシブHPFの特性も示している。
また、図8におけるもう一方の横軸は、この1次パッシ
ブHPFに用いられているコンデンサの容量を示してお
り、該コンデンサ容量を小さくするほどこれに対応して
カットオフ周波数は大きくなることが分かる。
【0039】一方図9は、カットオフ周波数fcに対す
るC1エラー数の特性を示している。これによれば、本
実施例の2次のアクティブHPF6の特性は、fc=
4.34〜3.13[kHz]の範囲において既にC1
エラー数が安定しかつ少ないC1エラー数に収まってい
ることが分かる。比較対象の1次パッシブHPFの特性
は、fc=14.5[kHz]を超えると、HPF6と
同様にC1エラー数が安定しかつ少ないC1エラーに収
まることが分かる。なお、このC1エラーは、CDにい
おいて誤り訂正処理に用いられているCIRC(Cross
Interleave Reed-Solomon Code)のうちの一方の誤り訂
正符号C1により発生したエラーのことであり、C1エ
ラー数は、読取信号の、いわゆるCDフォーマットにお
ける所定数のフレーム(ここでは75000フレーム,
約10秒分の音声出力に対応する)を再生処理したとき
に発生するC1エラー数を指している。また図9は、ブ
ラックドットの無いノーマルディスクを読み取った場合
において得られる特性を示すものである。
【0040】図10は、ディスクのトラック方向に60
0[μm]の長さを有するブラックドットが存在するデ
ィスクを読み取った場合におけるカットオフ周波数fc
に対するC1エラー数及びブラックドット(B.D.)
エラーレートを示している。ここでB.D.エラーレー
トは、読取信号のCDフォーマットにおける所定数のフ
レーム(ここでは75000フレーム)を再生処理した
ときに当該ブラックドットのために誤り訂正処理の際に
情報信号データに補ったフレームの数に相当する。これ
によれば、C1エラー数については1次パッシブHPF
も2次アクティブHPFも、図9のノーマルディスク読
取時と同様に概ねfc=14.5[kHz]を超える
と、C1エラー数が安定するものの、ノーマルディスク
読取時に比べて遙かに多くのC1エラー数(1000)
で安定していることが分かる。また、1次パッシブHP
Fも2次アクティブHPFもカットオフ周波数が高くな
るほどB.D.エラーレートが低くなるが、特に2次ア
クティブHPFのカットオフ周波数の上昇に伴うB.
D.エラーレートの減少が1次パッシブHPFのそれに
比べ著しい。
【0041】図11は、ディスクのトラック方向に図1
0の場合より長い800[μm]の長さを有するブラッ
クドットが存在するディスクを読み取った場合における
カットオフ周波数に対するC1エラー数及びB.D.エ
ラーレートを示している。図10の場合と比較するに、
C1エラー数及びB.D.エラーレートの特性曲線が1
次パッシブHPF及び2次アクティブHPFともに、当
該エラーレートが悪化する方向に概ねシフトすることが
分かる。
【0042】これら図8ないし図11の特性を併せて検
討すると、1次パッシブHPFは、コンデンサの容量を
大きくしてカットオフ周波数を低くすると、EFMジッ
タ量もC1エラー数も少なくなるが(図8及び図9参
照)、この反面、カットオフ周波数を低くしすぎると、
B.D.エラーレートが悪化する(図10及び図11参
照)。これに対して2次アクティブHPFは、全体的な
傾向は1次パッシブHPFと同様であるものの、かなり
低いカットオフ周波数のところでも比較的低いB.D.
エラーレートに留まっている。
【0043】具体的には、図10における600[μ
m]長のブラックドット形成ディスクの読取時に、1次
パッシブHPFは、カットオフ周波数8.04[kH
z]以下でブラックドットの補間数が2500を超える
のに対し、2次アクティブHPFは、カットオフ周波数
3[kHz]となってもブラックドットの補間数は25
00に満たない。また、図11における800[μm]
長のブラックドット形成ディスクの読取時に、1次パッ
シブHPFは、カットオフ周波数8.04[kHz]以
下でブラックドットの補間数が約4000を超えるのに
対し、2次アクティブHPFは、カットオフ周波数3
[kHz]となってもブラックドットの補間数は400
0に満たない。
【0044】このように、本実施例による2次アクティ
ブHPFは、低いB.D.エラーレートを維持したまま
カットオフ周波数を低くできるのである。具体的なHP
F6に用いられる抵抗値の選定に際しては、図8の特性
に基づいてEFMジッタ量200[nsec]を目標値に
定めた。この規定により、カットオフ周波数fcはおよ
そ3[kHz]以下であることが確定する。この約3
[kHz]以上の帯域においては、図9ないし図11の
特性において1次パッシブHPFと同等もしくはそれ以
上の好結果が確認できる。但し、ブラックドットに対す
るプレイアビリティを考慮すると、図10における60
0[μm]長のブラックドットが存在するディスクの読
取時において当該ブラックドットによる補間数が大略2
500以下であることが要求されるので、カットオフ周
波数は3[kHz]近傍に設定されることが望ましい、
という結論に達する。
【0045】さらにカットオフ周波数を3[kHz]と
して2次アクティブHPF5を構成した場合におけるそ
のゲイン/位相特性は、図12に示される。これによれ
ば、図6と比較して、最小周波数f3Tにおいて呈する位
相と最大周波数f11T において呈する位相との差が極め
て小さいものとなっており、ほぼ理想的な特性を呈して
いると言える。故に、先述したような、読取信号のジッ
ターが少ないにもかかわらず、EFM信号に変換すると
当該EFM信号に多くのジッターが乗ってしまう、とい
う不具合を解消することができる。
【0046】かくしてHPF5を構成する抵抗R2 と抵
抗R4 には、図7においてカットオフ周波数fcに対応
するリストに基づき、図2に付記されたような3.9
[kHz],7.5[kHz]が設定される。EFMジ
ッターにつき他の側面から分析すると、図13及び図1
4には、EFM信号の異なる反転周期(3T〜11T)
の各データ信号のスペクトラムが示されており、図13
は上記1次パッシブHPFを用いた場合、図14は本実
施例の2次アクティブHPF5を用いた場合におけるも
のを示している。
【0047】これらの図から分かるように、1次パッシ
ブHPF5を用いた場合は、各データ信号のスペクトラ
ムが一様に太く低いレベルを呈している。つまり各デー
タ信号の基準周波数に対して側波帯が広がり、時間軸上
の揺らぎを伴いながら伝送がなされている。これに対し
て、本実施例の2次アクティブHPF5を用いた場合
は、各データ信号のスペクトラムが一様に細くなってか
つ高いレベルを呈している。つまり各データ信号の基準
周波数に信号が集中し、時間軸上の揺らぎの少ない伝送
がなされていることが分かる。
【0048】以上のようにして構成された本実施例のH
PF5を用いることにより、再生情報としての再生音声
の品質に次のような効果が見られた。1つは低域の解像
度が向上した点であり、もう1つは低域のめり張りが増
した点である。そして総合的に、クリアな音像が浮かび
上がり、聴感上、音声特にいわゆる音楽音声の安定感が
増したという効果を得ている。
【0049】次に、本実施例における他の主要な特徴の
1つである駆動回路20の構成につき説明する。図15
は、かかる駆動回路20の基本構成を示しており、初段
駆動電圧生成回路2Aと、2次アクティブ高域阻止フィ
ルタ(HCF)2Bと、出力アンプ2Cとにより駆動回
路20が構成される。駆動電圧生成回路2Aは、2つの
入力端子Xin及びYinを有し、それぞれに供給されるサ
ーボ回路18(図1参照)からの制御信号に応じた動作
を行う。一方の入力端子Xinは、抵抗R02を介して接地
される一方抵抗R03を介して演算増幅器OP01の反転入
力端に接続され、他方の入力端Yinは、抵抗R04を介し
て演算増幅器OP01の非反転入力端に接続される。ま
た、入力端子Xin,Yinの間には抵抗R01が接続され
る。
【0050】演算増幅器OP01の出力端と反転入力端と
の間には、ダイオードD01とコンデンサC01と抵抗R05
とによる並列接続回路が形成される。より詳しくは、ダ
イオードD01のカソード,コンデンサC01の一端及び抵
抗R05の一端が演算増幅器OP01の反転入力端に接続さ
れ、ダイオードD01のアノード,コンデンサC01の他端
及び抵抗R05の他端が演算増幅器OP01の出力端に接続
される。演算増幅器OP01の非反転入力端は抵抗R06を
介して接地される。
【0051】サーボ回路18から入力端子Xinに供給さ
れる第1制御信号Sxと入力端子Yinに供給される第2
制御信号Syとは、スピンドルモータ2の駆動すべき状
態に対応して図16の表に示されるようなレベルを呈す
る。なお、表中「H」,「L」は、当該制御信号が高レ
ベル,低レベルを呈するをことを示し、「Z」は、当該
制御信号ラインを高インピーダンス状態とする、いわゆ
るフローティングレベルを示している。
【0052】このことからも分かるように、サーボ回路
18は、位相比較器12からのエラー信号に基づき、サ
ーボモータ2の回転速度が規定速度よりも小さいと判断
したときにはその程度に応じた時間だけ第1及び第2制
御信号Sx,Syをともに高レベル(例えば+5
[V])とし、サーボモータ2の回転速度が規定速度よ
りも大きいと判断したときにはその程度に応じた時間だ
け第1制御信号Sxのみを低レベルとする。また、シス
テムコントローラ17からモータ停止指令が発せられた
場合には、サーボ回路18は、第1及び第2制御信号S
x,Syをそれぞれフローティングレベル,低レベルと
する。
【0053】モータ停止動作においては、演算増幅器O
P01の両入力端は0[V]になり、同出力端電圧V00
は、0[V]となる。モータ加速時(キック時)におい
ては、演算増幅器OP01は反転アンプを形成し、出力電
圧V00は、
【0054】
【数14】 Vk=5[V]×22[kΩ]/(22[kΩ]+27[kΩ]) =2.24[V] I0i =(5[V]−2.24[V])/15[kΩ] =184[μA] より、
【0055】
【数15】 V00=2.24[V]−120[kΩ]×184[μA] =−19.84[V] しかしながら、ツェナーダイオードD01によるツェナー
効果があるため、
【0056】
【数16】V00=2.24[V]−6.8[V] =−4.56[V] となる。モータ減速時(ブレーキ時)においては、演算
増幅器OP01は非反転アンプを形成し、出力電圧V00
は、
【0057】
【数17】 Vk=5[V]×22[kΩ]/(22[kΩ]+27[kΩ]) =2.24[V] I0i=2.24[V]/15[kΩ] =149[μA] より、
【0058】
【数18】 V00=2.24[V]+120[kΩ]×149[μA] =20.12[V] しかしながら、ツェナーダイオードD01の順方向特性の
ため、
【0059】
【数19】 V00=2.24[V]+0.6[V] =2.84[V] となる。このように、駆動電圧生成回路2Aは、スピン
ドルエラーに応じてスピンドルモータ2の加速時には負
極性の駆動電圧を生成し減速時には正極性の駆動電圧を
生成する。従って、スピンドルモータ2がある回転速度
の範囲に保たれてスピンドルサーボがロック・インして
いる場合には、かかる極性の異なる駆動電圧が短時間の
間に交互に切り替わって不連続な駆動電圧が供給される
こととなる。
【0060】この駆動電圧生成回路2Aの出力信号の電
流スペクトラムは、図17に示される。これによれば、
オーディオ(可聴周波数)帯域(例えば20[Hz]〜
20[kHz])内に著しくレベルの高い高調波成分が
周期的に存在することが分かる。上述したような極性の
異なる駆動電圧が短時間の間に交互に切り替わり不連続
になることが、かかる高調波成分の発生する原因の1つ
であるとも考えられる。
【0061】スピンドルモータ2には通常、直流駆動型
のモータが採用されるので、この高調波成分を含む高周
波電流は、その回転駆動にとって不要である。ただ、従
来において直流成分(0[Hz])以外の成分は、スピ
ンドルモータ2が直流駆動型であることから、本来的に
当該モータの駆動には影響しないものとして、かかる出
力信号をほぼそのままスピンドルモータ2に供給してい
たが、本発明者の考察によって、この高調波成分がディ
スク読取信号にジッターが発生する原因の1つであるこ
とが判明された。
【0062】そこで本実施例においては、この駆動電圧
生成回路2Aの出力信号に対し2次アクティブHCF2
Bによって、かかる高調波成分を除去し、不要電流をス
ピンドルモータ2に供給しないようにしているのであ
る。2次アクティブHCF2Bは、駆動電圧生成回路2
Aの出力信号をその一端に受ける抵抗R11を有し、抵抗
R11の他端が抵抗R12を介して演算増幅器OP11の非反
転入力端に接続される。抵抗R11と抵抗R12との接続点
と演算増幅器OP11の出力端との間にはコンデンサC12
が接続され帰還ループが形成される。また、演算増幅器
OP11の非反転入力端と接地点との間にはコンデンサC
14が接続され、演算増幅器OP11の反転入力端は出力端
と接続されるとともにフィルタ出力として導かれ、演算
増幅器OP21からなる出力アンプ2Cに供給される。出
力アンプの出力は、スピンドルモータ2の駆動電圧入力
端へ導かれる。
【0063】2次アクティブHCF2Bに用いられる各
抵抗及びコンデンサの値は次のようにして設定すること
ができる。
【0064】
【数20】 V1b=V10 I11=I12+I13 (V1i-V1a)/R11=(V1a-V10)/(1/SC12)+(V1a-V10)/R12 ……(11) (V1a-V10)/R12=V10/(1/SC14) ……(12) ここで、V1b は演算増幅器OP11 の非反転入力電圧、
V1i ,V10 は同入力及び出力電圧、I11,I12及びI
13はそれぞれ抵抗R11,コンデンサC12及びC14に流れ
る電流、V1a は抵抗R11,R12の共通接続点における
電圧、S=jωである。
【0065】さらに上記(12)式より、
【0066】
【数21】 V1a/R12−V10/R12=SC14V10 V1a=(1+SC14R13)V10 ……(13) (13)式を(11)式に代入して、
【0067】
【数22】 V1i/R11-V10/R11−SC14R13V10/R11 =SC12V10+S2C12C14R12V10-SC12V10 +V10/R12+SC14V10-V10/R12 V1i/R11={S2C12C14R12 +S(C14R12/R11+C12-C12+C14)+1/R11}V10 V10/V1i =(1/R11) ×[1/{S2C12C14R12+S(C14R12/R11+C14)+1/R11}] =1/{S2C12C14R11R12+S(C14R12+C14R11)+1} G(S) =V10/V1i =(1/R11R12C12C14)/{S2+(1/C1R14+1/C12R13)S+1/R11R12C12C14 } ここで、2次のHPFの伝達関数は、
【0068】
【数23】G(S)=Hω2/(S2+ωS/Q+ω2) である。本例においてはフィルタのゲインを1としてい
るので、H=1となる。また、バタワース特性に設定す
ると、
【0069】
【数24】 G(S)=ω2/(S2+ωS/0.7071+ω2) となる。よって、
【0070】
【数25】 ω/0.7071=1/R11C12+1/R12C12 ……(14) ω2=1/R11R12C12C14 ……(15) fc=500[Hz]とすると、
【0071】
【数26】ω=2×π×500=3141.6 R11=R12=Rとすると、(14)式より、
【0072】
【数27】 3141.6/0.7071=2/RC12 C12=0.7071×2/(3141.6×R) ……(16) (15)式より、
【0073】
【数28】 (3141.6)2=1/R2C12C14 C14=1/{(3141.6)22C12} ……(17) (17)式に(16)式を代入して、
【0074】
【数29】 C14=[1/(3141.622)]×{(3141.6×R)/(0.7071×2) } =1/(2×3141.6×0.7071×R) R=100[kΩ]とすると、
【0075】
【数30】 C12=0.00450[μF] (→4700[pF]) C14=0.00225[μF] (→2200[pF]) となる。なお、括弧内の数値は実際に採用される値であ
り、これに基づけば、実際に得られるカットオフ周波数
fc´は、
【0076】
【数31】 fc´=1/{2×π×(100[kΩ]2×4700[pF]×2200[pF])1/2} =495[Hz] である。このように値の設定されたHCF2Bによれ
ば、出力アンプ2Cの出力より図18に示される電流ス
ペクトラムを有する駆動信号が得られる。図18から分
かるように、図17において指摘したオーディオ帯域に
おける高調波成分はもとより、それ以外の不要な高調波
成分も除去されしかも高周波帯域全体が低レベルに抑え
込まれている。よってスピンドルモータ2には不要な電
流が供給されず、良好なスピンドルサーボが掛けられ、
もって読取信号のジッタ成分を除去することが可能とな
る。また、消費電力の低減にも寄与することとなる。な
お、図19には、HCF2Bを用いた場合と用いない場
合における8[kHz]までの駆動信号の電流スペクト
ラムが拡大されて示されている。このように、本実施例
によるHCF2Bを用いると、直流成分以外のいわゆる
低周波帯域の成分も低減されることが分かる。
【0077】以上のようにして構成された本実施例のH
CF2Bを用いることにより、再生情報としての再生音
声の品質に次のような効果が見られた。1つは再生音声
の中域から高域にかけてのS/N感が向上した点であ
り、もう1つは臨場感が増した点である。これまでは、
読取信号系に設けられるHPF5とスピンドルモータ駆
動系に設けられるHCF2Bとに分けて説明したが、主
たる課題の読取信号のジッタ除去を最も効果的に達成す
るには、これら2つのフィルタの双方を用いてディスク
プレーヤを構成することが望ましい。すなわち、HPF
5は、RF信号をEFM信号へ変換する際に生じるジッ
タを局部的に抑えようとするものであり、HCF2B
は、スピンドルモータの駆動電圧を供給する際に生じる
ジッタを局部的に抑えようとするものであるが、かかる
EFM変換はスピンドルモータの駆動電圧の生成の基と
なっている再生クロック(本例ではPLL回路9の出力
クロック)と密接に係わり、この逆にしても、駆動電圧
のスピンドルモータへの供給はディスクの回転状態の影
響を強く受ける、当該EFM変換の対象であるRF信号
に密接に係わっている。従って、これらフィルタの双方
をプレーヤに設けることによって両者の相乗効果が期待
できて好ましいのである。
【0078】但し、単独でどちらか一方のフィルタをプ
レーヤに設けることによっても、相当の効果を発揮させ
ることができる訳であるから、このように片方のみを設
ける構成を排除するものではない。なお、上記実施例に
おいては、CDプレーヤに本発明を適用しているが、本
発明は、CD以外のDVD(Digital Video Disc)やそ
の他光ディスクの記録情報を読み取る装置に適用可能で
ある。従って読取信号から変換される信号としてEFM
信号に限定すべきではなく、DVD規格の8/16変調
等の所定の符号化信号であれば良い。
【0079】また、上記実施例では、ビタビ復号器7を
用いたシステムを挙げたが、このような復号器を用いず
に、いわゆる2値化回路によってEFM信号を直接生成
するシステムに本発明を適用することもできる。また、
上記実施例では、A/D変換器6の出力に基づいて再生
クロックを得ているが、ビタビ復号出力から再生クロッ
クを得、これに基づいてスピンドルサーボを掛けるよう
にしても良い。
【0080】また、上記実施例における読取信号系で
は、アナログのHPF5をRFアンプ4の後段に設けて
いるが、HPF5と実質的に同等の特性を有するディジ
タルHPFをA/D変換器6の出力後段に設けても良
い。要は、符号化信号を得るためのディジタル変換手段
における当該符号化信号出力の前の処理において、上記
実施例と同様の作用効果を得るべく、広義の読取信号に
対し低周波ノイズ成分を除去しかつ時間軸方向の歪を生
じさせない信号処理手段を設けるようにすれば良いので
ある。
【0081】さらに、上記実施例においては、読取信号
に含まれる不要な低周波成分としてブラックドットによ
るノイズ成分を挙げたが、かかる低周波成分には、ディ
スクにおいて鏡面状に形成される不適正マークも含まれ
ることは勿論である。またさらに付言するに、上記各フ
ィルタの回路構成として具体的な回路素子及びそれらの
値を例示したが、これ以外にも本発明を具体化する構成
は種々考えられる。
【0082】この他にも、上記実施例においては種々の
手段を限定的に説明したが、当業者の設計可能な範囲に
て適宜改変することも可能である。
【0083】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
簡単な構成で読取信号の時間軸補正を良好に行うことが
できる。また、本発明によれば、駆動信号をスピンドル
モータに供給する際に生じるジッタ成分を的確に除去す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の光ディスクプレーヤの
概略的構成を示すブロック図である。
【図2】図1のプレーヤにおけるHPF5の基本構成を
示す回路図である。
【図3】図1のプレーヤにおけるRFアンプから出力さ
れる読取信号の周波数成分及びHPF5の理想特性を示
す特性図である。
【図4】実施例による2次アクティブHPF5と比較さ
れる一例の1次パッシブHPFの基本構成を示す回路図
である。
【図5】実施例による2次アクティブHPF5と比較さ
れる他の例の1次パッシブHPFの基本構成を示す回路
図である。
【図6】図4及び図5における1次パッシブHPFのゲ
イン/位相特性図。
【図7】実施例による2次アクティブHPF5に設定さ
れるカットオフ周波数と当該HPFを構成する抵抗の値
との対応を示す図表である。
【図8】実施例による2次アクティブHPF5と図4及
び図5における1次パッシブHPFとについての、カッ
トオフ周波数に対するEFMジッタ量の特性図である。
【図9】実施例による2次アクティブHPF5と図4及
び図5における1次パッシブHPFとについての、ノー
マルディスク読取時におけるカットオフ周波数に対する
C1エラー数の特性図である。
【図10】実施例による2次アクティブHPF5と図4
及び図5における1次パッシブHPFとについての、6
00[μm]長のブラックドットが形成されたディスク
の読取時におけるカットオフ周波数に対するC1エラー
数及びブラックドットエラーレートの特性図である。
【図11】実施例による2次アクティブHPF5と図4
及び図5における1次パッシブHPFとについての、8
00[μm]長のブラックドットが形成されたディスク
の読取時におけるカットオフ周波数に対するC1エラー
数及びブラックドットエラーレートの特性図である。
【図12】実施例による2次アクティブHPF5のゲイ
ン/位相特性図である。
【図13】図4または図5における1次パッシブHPF
を用いた場合の、EFM信号の異なる反転周期の各デー
タ信号のスペクトル図である。
【図14】実施例による2次アクティブHPFを用いた
場合の、EFM信号の異なる反転周期の各データ信号の
スペクトル図である。
【図15】図1のプレーヤにおける駆動回路20の基本
構成を示す回路図である。
【図16】スピンドルモータの各動作モードに対応して
図15の駆動回路に供給される第1及び第2制御信号S
x,Syが呈するレベルを示す図表である。
【図17】図15における駆動電圧生成回路2Aの出力
信号の周波数成分を示すスペクトル図である。
【図18】図15における2次アクティブHCF2Bに
よって高調波成分の除去されたスピンドルモータ駆動信
号の周波数成分を示すスペクトル図である。
【図19】図15における2次アクティブHCF2Bを
用いた場合と用いない場合とにおけるスピンドルモータ
駆動信号の低域側の周波数成分を示す拡大スペクトル図
である。
【符号の説明】
1 光ディスク 2 スピンドルモータ 3 ピックアップ 4 RFアンプ 5 2次アクティブ高域通過フィルタ 6 A/D変換器 7 ビタビ 8 EFM復調器 9 PLL回路 12 位相比較器 13 発振器 17 システムコントローラ 18 サーボ回路 19 クロックパルス供給回路 20 駆動回路 2A 駆動電圧生成回路 2B 2次アクティブ高域阻止フィルタ 2C 出力アンプ C1 ,C3 ,C01,C12,C14 コンデンサ R2 ,R4 ,R01〜R05,R11,R12 抵抗 OP1 ,OP01,OP11,OP21 演算増幅器 D01 ツェナーダイオード

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスクを回転させるスピンドルモー
    タと、前記光ディスクの記録信号を光学的に読み取り当
    該記録信号に応じた読取信号を生成する読取手段と、前
    記読取信号をディジタル化して符号化信号を再生するデ
    ィジタル変換手段と、を有する光ディスク記録情報再生
    装置であって、 前記スピンドルモータに駆動電力を供給する制御手段を
    有し、 前記制御手段は、前記駆動電力の高周波成分を除去する
    不要成分除去手段を有することを特徴とする光ディスク
    記録情報再生装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記符号化信号に基づ
    いて、不連続な駆動電圧を前記スピンドルモータに供給
    することを特徴とする請求項1記載の光ディスク記録情
    報再生装置。
  3. 【請求項3】 前記不要成分除去手段は、可聴周波数を
    含む高周波成分を前記駆動電力から除去する高域阻止フ
    ィルタであることを特徴とする請求項1または2記載の
    光ディスク記録情報再生装置。
  4. 【請求項4】 前記不要成分除去手段は、2次の能動型
    高域阻止フィルタであることを特徴とする請求項1,2
    または3記載の光ディスク記録情報再生装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、スピンドルエラー信号
    に応じた駆動信号を発生する手段と、前記駆動信号の高
    周波帯域の電流を除去するフィルタ手段と、前記フィル
    タの出力信号を前記スピンドルモータに伝送する出力ア
    ンプとを有することを特徴とする請求項1記載の光ディ
    スク記録情報再生装置。
JP9144329A 1997-06-02 1997-06-02 光ディスク記録情報再生装置 Pending JPH10334584A (ja)

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