JPH10330604A - ポリアルキレンナフタレート樹脂組成物 - Google Patents

ポリアルキレンナフタレート樹脂組成物

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JPH10330604A
JPH10330604A JP13866297A JP13866297A JPH10330604A JP H10330604 A JPH10330604 A JP H10330604A JP 13866297 A JP13866297 A JP 13866297A JP 13866297 A JP13866297 A JP 13866297A JP H10330604 A JPH10330604 A JP H10330604A
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polyalkylene naphthalate
polyimide
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polyalkylene
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性が大幅に改善され、結晶性が向上し、
また成形後のブリードアウトなどの問題もなく、更に
は、蛍光の発光が抑制され、また耐候性および耐デラミ
性が良好なポリアルキレンナフタレート樹脂組成物を提
供すること。 【解決手段】 ポリアルキレンナフタレートと、ガラス
転移温度が該ポリアルキレンナフタレートのガラス転移
温度以下であるポリイミドとを混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融成形性等の改
良された新しいポリアルキレンナフタレート樹脂組成物
に関する。更に詳しくは、特定のポリイミドと、ポリア
ルキレンナフタレートとを混合して得られる、成形性と
結晶性を大幅に改良したポリアルキレンナフタレート樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンナフタレート(PEN)は
磁気フィルム、飲料用ボトル、包装材料、各種成形品な
ど広く利用されている。しかしながら、従来よりPEN
などのナフタレン環を含んだ樹脂は結晶化速度が遅く、
該樹脂の成形サイクルの向上のために結晶化速度の向
上、寸法安定性、耐薬品性、耐熱性などの改善のため結
晶化度の向上が望まれている。このような問題点を解決
する方法として、高温金型を使用する方法や結晶核剤や
結晶化促進剤を添加する方法が多数提案されている。
【0003】しかしながら、高温金型を使用する方法で
は高温化のための操作が煩雑となり、成形サイクルが長
くなって作業能率が著しく低下するために実用的ではな
い。結晶核剤、結晶化促進剤を添加する方法は、従来よ
り多数検討されているが、射出成形時の結晶化速度はい
まだ十分とはいえず、他の樹脂に比して成形サイクルが
長く、また場合によっては結晶核剤、結晶化促進剤を添
加することによって成形品の表面光沢などの表面特性や
機械的性質、熱的性質などが大幅に低下したり、結晶化
促進剤などの添加剤が成形時に揮発して臭気を発するな
どの種々の問題点が発生する。脂肪族ポリアミド(特開
昭61−204259号公報)、ポリカプロラクトン
(特開昭51−58455号公報)、各種ポリエステル
(EP387398、USP4223113、USP4
223125)、のようなポリマーを結晶核剤、結晶化
促進剤として使用する方法も提案されてはいるが、上記
と同様に未だ検討すべき問題が多く残されているのが実
情である。特に、ポリエステルを結晶核剤、結晶化促進
剤として使用する方法では、エステル交換によってポリ
アルキレンナフタレートの融点が低下してしまう問題点
がある。
【0004】一方、PENの成形性を改善するために、
ポリエステルに芳香族低分子イミド化合物を含有する方
法は既に開示されている。(特開昭58−13625号
公報、特開昭58−49733号公報、特開昭58−1
04720号公報、特開昭58−179243号公報、
特開昭58−179623号公報、特開昭58−210
934号公報など) しかし、上記芳香族低分子イミド
化合物は、低分子であるが故に成形中に昇華などで揮散
しやすいことや、成形後に成形物表面にブリードアウト
してくる等の不都合を生じるなどの問題がある。
【0005】ところで、ポリエチレンナフタレート(P
EN)に、高いガラス転移温度を有する非晶性ポリエー
テルイミドであるULTEM(ゼネラルエレクトリック
社製)を混合すると両者は相溶化し、これによってPE
Nのガラス転移温度が向上することが知られている。
(例えば、ANTEC1995 p.1453、POL
YMER Vol.36 Number23 1995
p.4449、RESEARCH DISCLOSU
RE 1987 p.677、特開平7−228761
号公報) しかしながら、かかるポリエーテルイミドを
添加したPENは溶融粘度が上がり成形が困難であり、
得られた成形品ももろい。また、折り返したフィルムな
ど応力がかかったときに生ずるデラミ問題も改善されな
い。
【0006】このように、PENに代表されるポリアル
キレンナフタレートは、成形性、耐デラミ性の問題や、
耐侯性の問題など、いくつかの問題がいまだ未解決のま
まである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
性が大幅に改善され、結晶性が向上し、また成形後のブ
リードアウトなどの問題もなく、更には、蛍光の発光が
抑制され、また耐候性および耐デラミ性が良好な、全く
新しいポリアルキレンナフタレート樹脂組成物を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアル
キレンナフタレートに混合する化合物としてブリードア
ウトなどの問題がないポリマーを取り上げ、ポリイミド
に着目して検討した結果、かかるポリアルキレンナフタ
レートに比べてガラス転移温度が低いポリイミドを混合
することにより、かかるポリアルキレンナフタレートの
溶融粘度が下がり、結晶化も促進され、さらに驚くべき
ことに、ポリアルキレンナフタレートの耐侯性、デラミ
性が改善され、さらに蛍光発光を抑制するという、種々
の特性を与えることを見出した。即ち、本発明は、少な
くとも構成単位の80モル%が下記式(1)
【0009】
【化5】
【0010】(R1は炭素数2〜6のアルキレン基を表
す)で示される繰り返し単位からなるポリアルキレンナ
フタレートと、該ポリアルキレンナフタレートのガラス
転移温度以下のガラス転移温度を有するポリイミドとを
混合してなるポリアルキレンナフタレート樹脂組成物で
ある。
【0011】本発明におけるポリアルキレンナフタレー
トは下記式(1)
【0012】
【化6】
【0013】(R1は炭素数2〜6のアルキレン基を表
す)で示される繰り返し単位を有する。かかるポリアル
キレンナフタレートとしては、ポリ(1,2−エチレン
−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)、ポリ
(1,4−ブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート)、ポリ(1,3−(2,2−ジメチル)プロピ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)および
それらの共重合体を例示できる。これらのうちポリ
(1,2−エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート)において好ましく実施できる。
【0014】本発明で用いられるポリアルキレンナフタ
レートは、上記式(1)で示される繰り返し単位から主
としてなるが、それ以外にも以下に示すような構成成分
を20モル%を超えない範囲で共重合成分として含んで
いても良い。そうした共重合の酸成分としては、例えば
テレフタル酸、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカ
ルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸等の芳香族ジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカル
ボン酸があげられる。また、共重合のジオール成分とし
ては、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレ
ングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族のジオ
ールがあげられる。こうした共重合成分の共重合量は好
ましくは10モル%以下である。
【0015】本発明におけるポリアルキレンナフタレー
トは、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(重量
比60/40)中35℃で測定した固有粘度が0.3以
上であることが好ましい。固有粘度が0.3未満の場合
には、成形品の強度が不足し好ましくない。固有粘度は
より好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.5以上
である。
【0016】本発明に用いられるポリイミドは、ポリア
ルキレンナフタレートのガラス転移温度以下のガラス転
移温度を有するが、さらに非晶性であることが好まし
い。但し、結晶性のポリイミドであっても、該ポリアル
キレンナフタレートへ添加時には結晶化していないもの
ならばポリアルキレンナフタレートに溶解せしめること
は可能である。ここでいう非晶性とは、示差走査熱量計
(DSC)を用いて昇温速度20℃/分での測定で、明
確な融点ピークが見られないものを指し、一般的には透
明な樹脂である。
【0017】上記ポリイミドは、混合するポリアルキレ
ンナフタレートのガラス転移温度(Tg)以下のTgを
有する必要がある。ポリアルキレンナフタレートとポリ
イミドとのTgの差は特に規定しないが、差は大きい方
が成形性や結晶性改善には好ましく、10℃以上、より
好ましくは20℃以上である。また、該ポリイミドとポ
リアルキレンナフタレートとが相溶化するならば、ポリ
イミドのTgは低いほど好ましいが、少なくとも室温
(20℃)以上であることがポリイミドの取り扱いの点
からより好ましい。
【0018】本発明に用いるポリイミドは、それのTg
が、混合するポリアルキレンナフタレートのTgと、差
が大きい方が成形性や結晶性改善には好ましい。さら
に、耐デラミ性向上の面も、該ポリイミドはTgの差が
少なくとも5℃以上、より好ましくは10〜40℃、さ
らにより好ましくは100℃以下の範囲であるものを用
いることができる。
【0019】また、上記ポリイミドは、できれば本発明
におけるポリアルキレンナフタレートと相溶化すること
が好ましい。ここで言う相溶化とは、両者のガラス転移
温度に差がある場合、両者の混合物のTgは一つになる
ことを指す。例えばDSCで測定(昇温速度20℃/
分)したときのポリアルキレンナフタレート樹脂組成物
のガラス転移温度が、ポリアルキレンナフタレートのホ
モポリマーのTg以下、好ましくは40〜123℃の範
囲内に示される。更に、添加剤などがなければ、溶融状
態でのポリマーが白く濁らず透明であることが一般的で
ある。溶融粘度の高いポリアルキレンナフタレートと、
該ポリアルキレンナフタレートよりTgの低いポリイミ
ドとを相溶化せしめれば、該組成物のTgは該ポリアル
キレンナフタレートより下がり、その結果一般に溶融粘
度も低下する。更に、結晶化温度とTgの温度差が広が
るので、ポリアルキレンナフタレートが結晶化できる温
度範囲が広がり、その結果、結晶化度も一般に更に高ま
るので好ましい。
【0020】本発明に用いるポリイミドは、該ポリイミ
ドが該ポリアルキレンナフタレートより低Tgであれば
特に指定しないが、例えば下記式(2)
【0021】
【化7】
【0022】(但し、Arは芳香族残基であり、R
2は、一種またはそれ以上の、ポリアルキレンナフタレ
ートと非反応性の置換基を含んでいてもよい炭素数6以
上の脂肪族残基である)で表される構造のものが好適に
用いられる。
【0023】ここで、R2はポリアルキレンナフタレー
トと非反応性の置換基を含んでもよい炭素数6以上の長
鎖の脂肪族アルキレン基が例示できる。これらは単独で
も2種以上組み合わせて用いることができる。炭素数は
該ポリイミドがポリアルキレンナフタレート中に相分離
して成形不可能とならなければ上限は規定しないが、好
ましくは炭素数6〜30の脂肪族アルキレン基である。
また、該ポリイミドがポリアルキレンナフタレートに相
溶化せしめるために、R2中に、例えばエーテル結合、
スルフィド結合のようにエステル結合と反応しない結合
を含有していてもよい。このようなポリイミドをもたら
すジアミンとしては、例えば2,2,4−または2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレ
ンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレン
ジアミン、ドデカメチレンジアミンの如き脂肪族アルキ
レンが好ましく、中でも2,2,4−または2,4,4
−トリメチルヘキサメチレンジアミンとドデカメチレン
ジアミンの組み合わせが最も好ましい。また、ポリイミ
ドのTgがポリアルキレンナフタレートのTgを越えな
い範囲で、芳香族ジアミン成分や脂環族ジアミン成分を
含有していてもよい。
【0024】Arは、ポリアルキレンナフタレートと非
反応性の置換基を含んでいてもよい炭素数6以上13以
下の芳香族残基である。Arとしては例えば、
【0025】
【化8】
【0026】を挙げることができるが、下記式
【0027】
【化9】
【0028】が好ましく、下記式
【0029】
【化10】
【0030】が最も好ましい。
【0031】本発明におけるポリイミドの製造方法は、
公知のどの方法を用いても構わない。例えば、上述の原
料のジカルボン酸無水物とジアミンから先ず得られるポ
リアミド酸を加熱又は、無水酢酸とピリジン、カルボジ
イミド、亜燐酸トリフェニルなどの化学的脱水剤を用い
ても良いし、ジカルボン酸無水物と対応するジイソシア
ネートを加熱して脱炭酸を行って重合してもよい。この
ほか、ジカルボン酸無水物をメタノールやエタノールの
ような低級アルコールで中間的に部分エステルや全エス
テルとした後、チオニルクロライドや塩素、五塩化リン
などで酸クロリド化し、該当ジアミンと反応させた後、
環化反応を行ってもよい。
【0032】本発明におけるポリイミドの35℃、ポリ
マー濃度1.2g/dLで測定した固有粘度は、0.2
dL/g以上、好ましくは0.3dL/g以上である。
これより固有粘度が低い場合は、該ポリイミドの分子構
造によっては、低分子イミド化合物添加と同様に昇華な
どの揮散や成形後のブリードアウトを起こすことがある
ので好ましくないことがある。
【0033】本発明のポリアルキレンナフタレート樹脂
組成物中の該ポリイミドの分率は、目的とその発現する
効果により適宜選択することができる。ポリアルキレン
ナフタレート100重量部に対して、例えば溶融成形性
を大きく改善する場合は、ポリイミドは0.5重量部以
上が好ましい。該ポリイミドが0.5重量部より少ない
と、溶融粘度の低下も少なく、成形性向上効果も少な
い。添加量の上限は、ポリアルキレンナフタレート樹脂
組成物の結晶化が起きて示差走査熱量計(DSC)で融
点が現れる程度が好まれる。また、耐候性が改善された
り、蛍光の発光の抑制されたポリアルキレンナフタレー
ト樹脂組成物を得る場合は、ポリアルキレンナフタレー
ト樹脂組成物100重量部中、0.05重量部以上、好
ましくは0.1重量部以上該ポリイミドを添加すること
が好ましい。これより添加量が少ないと耐候性向上や蛍
光防止効果が十分でない。デラミ改善では、0.1重量
部以上5重量部以下の添加が好ましい。これより少ない
と効果が明らかになりにくく、これより多いと成形体の
機械的な物性が低下してしまうことがある。 以上よ
り、上記ポリイミドの含有量は、ポリアルキレンナフタ
レート組成物中、0.05重量部以上20重量部以下、
より好ましくは0.1重量部以上10重量部以下、更に
好ましくは0.5重量部以上5重量部以下である。
【0034】本発明のポリアルキレンナフタレート樹脂
組成物の製造方法としては、2軸エクストルーダーによ
る混合方法が好ましく用いられる。混合温度は、ポリマ
ーの分解が起きない範囲で、ポリアルキレンナフタレー
トの融点以上であることが必要である。ポリアルキレン
ナフタレートの融点以下では実質的に混合は不可能であ
る。且つ好ましくは添加するポリイミドのガラス転移温
度以上であることが必要である。例えば、ポリアルキレ
ンテレフタレートがポリ(1,2−エチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレート)のときは、280〜2
90℃が好ましい。該ポリイミドは、ポリアルキレンナ
フタレートに直接添加してもよいし、ポリアルキレンナ
フタレートに高濃度に溶解せしめたマスターポリマーを
予め調製しておき、これをポリアルキレンナフタレート
のホモポリマーで希釈してもよい。マスターポリマーの
調製方法は、ポリアルキレンナフタレートと該ポリイミ
ドを直接混合してもよいし、ポリイミド、ポリアルキレ
ンナフタレートともに溶解する溶剤中に両者とも溶解せ
しめた後、該溶剤を留去せしめて得てもよい。該溶剤と
しては、例えば以下の構造の低分子イミド化合物が好適
に用いられる。
【0035】
【化11】
【0036】(但し、nは1〜6の整数)
【0037】また、本発明における樹脂組成物に対して
さらに必要に応じて各種の添加剤を配合することも可能
である。こうした添加剤としては、ガラス繊維、金属繊
維、アラミド繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウィ
スカー、炭酸繊維、アスベストのような繊維状強化剤、
タルク、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、ガラスフレーク、ミルドファイ
バー、金属フレーク、金属粉末のような各種充填剤、リ
ン酸エステル、亜リン酸エステルに代表されるような熱
安定剤あるいは酸化安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、
滑剤、顔料、難燃化剤、難燃助剤、可塑剤、結晶核剤な
どをあげることができる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアルキレンナフタ
レートと特定のポリイミドとを混合することにより、全
く新しいポリアルキレンナフタレート樹脂組成物が得ら
れる。即ち、昇華などの揮散などがないうえ溶融粘度が
低下して、従来のポリアルキレンナフタレートの成形性
が大幅に改良され、更には成形物からのブリードアウト
もしないポリアルキレンナフタレート樹脂組成物が得ら
れる。
【0039】また、ポリアルキレンナフタレートと、該
ポリアルキレンナフタレートよりガラス転移温度の低い
ポリイミドとを相溶化せしめれば、該組成物のガラス転
移温度は該ポリアルキレンナフタレートより下がって、
結晶化温度とガラス転移温度の温度差が広がるので、ポ
リアルキレンナフタレートが結晶化できる温度範囲が広
がり、結晶化度も一般に更に高まる。
【0040】また、ポリアルキレンナフタレートは一般
に蛍光を発するためにボトル等の成形品が青白く光り使
用者に不快感を与えるという問題があったが、本発明の
ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物は、その蛍光
を大幅に抑制することができる。一般に紫外線吸収剤を
大量に添加した場合には紫外線吸収剤の凝集物が不均一
に分散することが多いので、凝集物の内部の紫外線吸収
剤は紫外線吸収には効果は小さく、添加した分相応の紫
外線吸収能を期待し難いが、本発明の如く均一にポリイ
ミドが分散している系では、すべてのポリイミドがポリ
アルキレンナフタレートの蛍光防止に効果を発揮するた
め、単なる紫外線吸収剤として使用する以上に紫外光に
よるポリマーの発光を防止することができる。このた
め、外観上の問題、物性の低下を引き起こすことなく、
ポリアルキレンナフタレートの優れた性能を生かした樹
脂材料を提供することができる。また、ポリイミドを大
量に添加しても均一に相溶化して機械的物性などの低下
の原因となり難い。
【0041】さらに、本発明のポリアルキレンナフタレ
ート組成物は、ポリアルキレンナフタレート自身より耐
候性が改善される。また、ポリエチレンナフタレートを
製膜し、延伸・熱固定後に得たフィルムを折り曲げ、更
に折り返すと折り目が白化するというデラミが生じる
が、本発明の如く特定のポリイミドを添加すると、この
耐デラミ性が向上する。
【0042】本発明のポリアルキレンナフタレート樹脂
組成物は、各種包装材、飲料ボトル、各種容器、チュー
ブ、フィルム、カバー、ケース等の成型品、繊維、フィ
ルムなどへ展開でき、その工業的意義は大きい。
【0043】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本
発明は実施例にのみ限定されるものではない。実施例に
おいてポリマーの固有粘度はフェノール/テトラクロロ
エタン混合溶媒(重量比60/40)中35℃での値で
ある。
【0044】<ポリイミド(PTDO)の合成>窒素を
雰囲気下で、N−メチル−2−ピロリドン 2000m
l中にトリメチルヘキサメチレンジアミン(2,2,4
体、2,4,4体混合物) 62.524g(0.39
5モル)と、1,12−ドデカンジアミン 79.14
6g(0.395モル)を仕込み、氷浴で冷却した後、
この溶液にオキシジフタル酸 245.07g(0.7
90モル)を添加した。引き続いて氷浴中で8時間重合
した。次に、無水酢酸 240g、ピリジン 190g
をこの系に添加した後、12時間更に室温で撹袢した。
このポリマー溶液を、水に展開して十分に洗浄した後、
得られたポリマーを乾燥した。ポリマーの固有粘度は、
0.54であった。以下、このポリマーをPTDOと呼
ぶ。後述の熱分析の方法で測定したPTDOのガラス転
移温度は88℃であった。尚、結晶化度、融点は見られ
なかった。
【0045】<PTDOマスターポリマーの調製> 1.AC6I(溶剤)の合成 窒素雰囲気下で、トルエン800ml中に1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸無水物498gを添加し、この
溶液にn−ブチルアミン283g(1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸無水物に対し、1.2モル倍)を滴下
した。その後トルエンを6時間還流させたのち、所定量
の水が流出したことを確認した。トルエンと過剰のn−
ブチルアミンを留去したたのち、生成物(AC4I)を
蒸留精製した。これは常圧下では300℃以上の沸点が
あり、0.5mmHg下での沸点は115℃であった。
【0046】
【化12】
【0047】2.PTDOとPENのブレンド 窒素雰囲気下、三つ口フラスコ内でPTDO 200g
に対しAC6I 400gを加え、錨形の撹袢翼を回転
させながら290℃に加熱したところ、PTDOはAC
6Iに溶解した。この溶液にPEN 800gを添加し
たところ、約5分ほどでPENも溶けて系は透明な組成
物の溶液となった。その後約1分間で徐々に0.5mm
HgにしてAC6Iを完全に追い出し、20重量部のP
TDOのマスターポリマーを調製した。
【0048】<所定量のブレンド及び製膜>上記のよう
にPTDOマスターポリマーを調製後、これを粉砕して
固有粘度0.73のPENチップと混合し、30mmφ
同方向回転2軸エクストルーダー(池貝鉄工(株)製、
PCM30)を用いて、ポリマー温度290℃、平均滞
留時間約20分の条件下で溶融混練したのちTダイから
吐出し、厚み200ミクロンの未延伸フィルムを得た。
これを140℃で3.5×3.5に同時ニ軸延伸した
後、金枠に固定して240℃で10分間熱処理した。こ
のようにして得られたポリマー、未延伸フィルム及び延
伸・熱固定フィルムを各種評価に供した。尚、各種評価
は以下の通り実施した。
【0049】<熱分析>未延伸フィルムを、示差走査熱
量計(DSC)で20℃/分で昇温したのち、融点+3
0℃まで昇温したのち、正確を期すため、サンプルを取
り出してドライアイスで急冷した後、再度20℃/分で
昇温し、ガラス転移温度(Tg)、結晶化温度(T
c)、融点(Tm)を求めた。
【0050】<溶融粘度>溶融粘度は、フローテスター
を用いて剪断速度1000sec-1で300℃で測定し
た。
【0051】<蛍光測定>蛍光の発光強度は、未延伸フ
ィルムを用い、日立製作所(株)製F−2000日立蛍
光分光光度計を用いて、励起波長350nm(バンドパ
ス10nm)、蛍光の発光領域400〜550nm(バ
ンドパス10nm)における発光量を相対比較した。
【0052】蛍光強度の減少率は、比較例での発光強度
をI0 、実施例での発光強度をIとして
【0053】
【数1】蛍光強度の減少率 = (I0 −I)/I0
× 100 (%) により算出した。
【0054】<耐候性>得られた未延伸糸フィルムを、
JIS L0842に基づき、キセノンウェザーメータ
ー(63℃、雨あり)で紫外線照射し、表面の劣化によ
るフィルムの曇りをヘーズメーターで測定した。
【0055】<耐デラミ性>耐デラミ性測定用フィルム
は、延伸・熱固定後のフィルムを用いた。このフィルム
を、3日間デシケータ内で調湿後に、該フィルムを折り
曲げて10kgf/cm2で20秒プレスし、更に折り
返して4kg/cm2で20秒プレスした。このとき、
折り目に入る白い筋の幅を測定し、該幅(デラミ幅)が
大きいものほどデラミし易いとした。
【0056】[実施例1〜4]PTDOを表1のように
所定量ブレンドすると、ブレンドポリマーのガラス転移
温度(Tg)はPTDOの添加量に応じて減少し、PE
Nと相溶化していることがわかった。また、PTDOの
添加量の上げると結晶化温度(Tc)ピークが大きくな
り、結晶化が促進されることがわかる。これに伴って融
点(Tm)ピーク面積も大きくなる。更に、溶融粘度も
添加量に応じて減少し、成形性も向上した。
【0057】[比較例1]固有粘度0.73のPENの
ガラス転移温度と溶融粘度を実施例と同様に実施した。
【0058】
【表1】
【0059】* ( )内はピーク面積(+吸熱、-発熱)
【0060】尚、更に、このようなPTDOを添加した
PENは、PENの蛍光の発光が減少した。また、光照
射150時間後のへーズが比較例より小さいので耐光劣
化が小さくなり、耐候性が向上したことがわかる。ま
た、延伸、熱固定後のフィルムは、デラミ幅が狭くな
り、デラミ性が改善されることがわかった。これらの結
果を以下に示す。
【0061】
【表2】
【0062】[実施例5〜7]酸成分を表3に示す成分
に変えたほかは、全て実施例1と同様にポリイミドを調
製して、ガラス転移温度(Tg)を測定した。次に、こ
のポリイミドをPENとブレンドした(PEN/ポリイ
ミド=80/20(重量比))ところ全て相溶化した。
これらも実施例1と同様にガラス転移温度を測定したと
ころ、PENに比べて全てTgが低下していた。また、
ブレンドポリマーは溶融粘度、蛍光が低下し、結晶性、
耐候性、耐デラミ性が向上していた。
【0063】
【表3】
【0064】PMDA: 無水ピロメリット酸 BTDA: 3,3,4,4-ベンゾフェノンテトラカルボン酸
ニ無水物 S-BPDA: 3,3,4,4-ビフェニルテトラカルボン酸ニ無
水物
【0065】[実施例8、9]酸成分をオキシジフタル
酸にし、アミン成分を下表4に示すように変更し、実施
例1と同様にポリイミドを調製して、ガラス転移温度
(Tg)を測定した。次に、このポリイミドをPENと
ブレンドした(PEN/ポリイミド=80/20(重量
比))ところ全て相溶化した。これらも実施例1と同様
にガラス転移温度を測定したところ、PENに比べて全
てTgが低下していた。また、ブレンドポリマーは溶融
粘度、蛍光が低下し、結晶性、耐候性、耐デラミ性が向
上していた。
【0066】
【表4】
【0067】TMHMDA: 2,2,4−、2,4,4−ト
リメチルヘキサメチレンジアミン HMDA : 1,6−ヘキサメチレンジアミン
【0068】[比較例2、3]PENに対し、ガラス転
移温度がPENより高い非晶性ポリイミドのULTEM
1000(ゼネラルエレクトリック社製 Tg220
℃)をチップで混合し、実施例と同様に2軸エクストル
ーダーで溶融混練した後、得られたポリマーの熱分析、
溶融粘度、耐デラミ性を測定した。このように、ULT
EM1000のブレンド量が増えると、融点ピーク面積
が小さくなって結晶性が低下していることがわかる。ま
た、ULTEM1000の添加量が増えると、溶融粘度
は高くなり、成形性が低下するうえ、デラミ幅は狭くな
らず耐デラミ性は改善されなかった。
【0069】
【表5】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも構成単位の80モル%が下記
    式(1) 【化1】 (但し、R1は炭素数2〜6のアルキレン基を表す)で
    示される繰り返し単位からなるポリアルキレンナフタレ
    ートと、該ポリアルキレンナフタレートのガラス転移温
    度以下のガラス転移温度を有するポリイミドとを混合し
    てなるポリアルキレンナフタレート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリイミドが、下記式(2) 【化2】 (但し、Arは芳香族残基であり、R2は、一種または
    それ以上の、ポリアルキレンナフタレート樹脂と非反応
    性の置換基を含んでいてもよい炭素数6以上の脂肪族残
    基である)で示される繰り返し単位からなるポリイミド
    であることを特徴とする、請求項1記載のポリアルキレ
    ンナフタレート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 DSCで測定(昇温速度20℃/分)し
    たときのポリアルキレンナフタレート樹脂組成物の吸熱
    ピークが40〜123℃の範囲内に示されることを特徴
    とする請求項1または2記載のポリアルキレンナフタレ
    ート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記式(2)におけるR2が下記式 【化3】 からなる群から選ばれる少なくとも1種の脂肪族基であ
    ることを特徴とする請求項2または3に記載のポリアル
    キレンナフタレート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 上記式(2)におけるArが下記式 【化4】 で表されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに
    記載のポリアルキレンナフタレート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリイミドが、ポリアルキレンナフタレ
    ート樹脂組成物100重量部に対し、0.05重量部以
    上20重量部以下であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載のポリアルキレンナフタレート樹脂組
    成物。
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