JP2010001325A - ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐候性を有すると共に、成形性に優れ、しかも良好な機械的特性を有する成形品が得られるポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】トリアジン系紫外線吸収剤の含有量が2〜10質量%であって、かつ固有粘度が0.55〜1.0dl/gであるポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は耐候性に優れたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。
ポリエステルの中でもポリエチレン−2,6−ナフタレート(以下、“PEN”と称することがある。)は、抗張力、伸度、ヤング率、弾性回復率等の機械的性質、耐熱性、寸法安定性等の物理的性質、耐薬品性、耐加水分解性等の化学的性質に優れ、繊維、タイヤコード、ボトル、フィルム等の分野で広く用いられ、例えばフィルムの分野では、磁気記録媒体、コンデンサー、フレキシブル基板、光学部材、食品包装、装飾用などとして多く用いられている。しかし、PENは、前記のような優れた特性を有しているものの、屋外などで使用する場合には耐候性が未だ不十分であり、さらなる改善が求められている。
従来、ポリエステルの耐候性を向上させる方法としては、紫外線吸収剤を含有させる方法が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。しかしながら、PENに十分な耐候性を付与する目的で紫外線吸収剤を多量に含有させると、固有粘度が低下して得られる成形品の物性が損なわれたり、成形時の紫外線吸収剤の昇華等に起因して成形性が低下するという問題があった。
特表2003−529461号公報 特開2001−302926号公報
本発明は、上記背景技術を鑑みなされたもので、その目的は、優れた耐候性を有すると共に、成形性に優れ、しかも良好な機械的特性を有する成形品が得られるポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、紫外線吸収剤としてトリアジン系紫外線吸収剤を用いれば、PENの重合反応段階で添加すると固有粘度が十分には上がらず、またPENの重合反応終了後に添加すると固有粘度が著しく低下するものの、得られた低固有粘度の紫外線吸収剤含有ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物を固相重合すれば、紫外線吸収剤による着色や昇華の問題もなく容易に高固有粘度のポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物が得られることを見出し、さらに検討を重ねた結果本発明をなすに至った。
かくして本発明によれば、トリアジン系紫外線吸収剤の含有量が樹脂組成物質量を基準として2〜10質量%であり、かつ固有粘度が0.55〜1.0dl/gであることを特徴とするポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物が提供される。
また、トリアジン系紫外線吸収剤の含有量が樹脂組成物質量を基準として2〜10質量%であり、かつ固有粘度が0.20〜0.55dl/gであるポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物のペレットを、固相重合して固有粘度を0.55〜1.0dl/gとすることを特徴とするポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法も提供される。
本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物は、優れた耐候性を有しながらも成形性や機械的特性に優れているので、例えば、射出成形による各種成形品、押出成形によるシート、フィルム等、押出成形および熱成形による容器、トレイ等、押出成形および延伸による一軸、二軸延伸フィルム、シート等、紡糸による繊維状成形品等の製造に有効であり、工業的に極めて有用なものである。また、本発明の製造方法によれば、上記の樹脂組成物をきわめて容易に製造することができる。
本発明で用いられるポリエチレン−2,6−ナフタレートは、全繰返し単位の80モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレート単位であるポリエステルを対象とし、共重合成分を全繰返し単位を基準としてル20モル%以下の割合で含んでいてもよい。しかし、共重合成分の割合が多くなりすぎると耐熱性や機械的特性が低下する場合があるので、共重合成分の割合は10モル%以下とすることが好ましく、特にホモポリエステルが好ましい。好ましく用いられる共重合成分としては、例えばジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などを、またグリコール成分としてトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができる。
本発明においては、上記のポリエチレン−2,6−ナフタレートに、紫外線吸収剤としてトリアジン系紫外線吸収剤を含有させることが肝要である。かかる紫外線級収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などの他の紫外線吸収剤に比べて、PENの耐候性を向上させる効果が大きく、しかも耐熱性が高いので高濃度で含有させても成形性よく機械的特性に優れた成形品を得ることができる。
好ましく用いられるトリアジン系紫外線吸収剤としては、下記構造式(I)で表されるものをあげることができる。
Figure 2010001325
(上記構造式中のRは炭素数1〜17の分岐してもよく、末端或いは鎖中に脂環基を有してもよいアルキル基を表し、R、R’、R及びR’は、各々独立して水素又はメチル基を表す。)
なかでも、Rは炭素数が3〜12、特に4〜8のアルキル基であり、R、R’、R及びR’は水素であるものが好ましい。かかるトリアジン系紫外線吸収剤としては、チバカイギー株式会社製の商品名TINUVIN1577、日本サイテックインダストリーズ株式会社製の商品名サイアソーブUV−1164などを例示することができる。
本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物は、該組成物質量を基準として上記のトリアジン系紫外線吸収剤を2〜10質量%、好ましくは3〜8質量%、さらに好ましくは4〜6質量%の範囲で含有している必要がある。含有量が2質量%未満の場合には、トリアジン系紫外線吸収剤であっても耐候性向上効果が不十分となり、一方、10質量%を超えると耐候性の向上効果が飽和状態となるだけでなく、生産性が低下し、得られる組成物の成形性も低下するので好ましくない。
本発明のPEN樹脂組成物は、上記の紫外線吸収剤に加えて、ヒンダードアミン系光安定剤を併用することにより、より耐光性を向上させることができるので好ましい。かかるヒンダードアミン系光安定剤は、光による分解反応を抑制する作用があり、紫外線吸収剤の分解反応を抑制することができる。好ましく用いられるヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば下記構造式(II)で表される、チバカイギー株式会社製の商品名TINUVIN144などを例示することができる。
Figure 2010001325
かかるヒンダードアミン系光安定剤は、PEN樹脂組成物質量を基準として0.1〜1質量%、特に0.3〜0.8質量%の範囲で含有していることが好ましい。含有量が0.1質量%未満の場合には、ヒンダードアミン系光安定剤の紫外線吸収剤分解の抑制効果が不十分となり、一方、1質量%を超えると分解反応の抑制効果が飽和状態となるだけでなく、生産性が低下したり、得られる組成物の成形性が低下する場合がある。
さらに本発明のPEN樹脂組成物は、組成物としての固有粘度(重量比が6/4のフェノール/トリクロロエタン混合溶媒を用いて温度35℃で測定)が0.55〜1.0dl/g、好ましくは0.58〜0.80dl/g、特に好ましくは0.67〜0.750dl/gの範囲である必要がある。固有粘度が0.55dl/g未満の場合には、製膜等の成形性が損なわれるだけでなく、得られる成形品の機械的特性等の初期特性が低下するので好ましくない。一方、固有粘度が1.0dl/gを超える場合には、溶融流動性が乏しくなって成形性が不十分となる。
また本発明のPEN樹脂組成物は、組成物としてのカルボキシル基濃度が5〜40eq/T(eq/10g)、好ましくは10〜30eq/T、さらに10〜20eq/Tの範囲であることが好ましい。この濃度を5eq/T未満とすることは困難なために生産性が低下しやすく、一方40eq/Tを超える場合には、湿熱下での耐加水分解性が低下しやすくなる。
なお、本発明のPEN樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、従来公知の各種添加剤をさらに含有していてもよく、例えば有機または無機の滑剤粒子、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、潤滑剤などをあげることができる。
以上に説明した本発明のPEN樹脂組成物は、単にPENにトリアジン系紫外線吸収剤を溶融混練する方法では得られる組成物の固有粘度が低下してしまい、またPENを溶融重合する際に添加する方法では重合速度が低下するために十分な固有粘度を有する組成物は得られず、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤を含有する固有粘度が0.20〜0.55dl/g、好ましくは0.40〜0.55dl/g、特に好ましくは0.45〜0.50dl/gの低固有粘度PEN樹脂組成物を、固有粘度が0.55〜1.0dl/gとなるまで固相重合することにより製造できる。
固相重合の反応条件は、樹脂組成物中のトリアジン系紫外線吸収剤の耐熱性および耐飛散性が優れているので、通常の条件で固相重合できるが、反応速度が低下しすぎない範囲内で低温度・低減圧下で行うことがより好ましく、温度215〜235℃、圧力20〜150Pa、好ましくは温度225〜230℃、圧力50〜100Paの条件下で固相重合するのが、重合反応中の紫外線吸収剤の飛散や劣化をさらに抑制する点で好ましい。
なお、固相重合前のPEN中にトリアジン系紫外線吸収剤を含有させる方法は、PENの重合反応中に添加する方法でも、得られたPENに溶融混練する方法でもどちらでもよい。PENの重合反応中に添加する方法としては、エステル化反応もしくはエステル交換反応終了後のポリエステル前駆体に添加して重縮合反応する方法が、紫外線吸収剤の飛散を抑えつつ分散性に優れた樹脂組成物が得やすいので好ましい。一方、溶融混練する方法としては、例えば少なくとも1種のローターセグメントを有し、かつローターセグメントには逆方向のセグメントを含むベント式二軸混練押出機を用いて溶融混練する方法が、固有粘度の極端な低下を抑制しつつ、紫外線吸収剤の優れた分散性を得る点から好ましい。
これら方法のうち、同量の紫外線吸収剤添加では、前者の重合反応中に添加する方法の方が色調に優れるが、後者の得られたPENに溶融混練する方法、特に固有粘度が0.45〜0.50dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレートにトリアジン系紫外線吸収剤を溶融混練した後に固相重合する方法では、その詳細な理由は不明であるが、固相重合による固有粘度の上昇が起こりやすいので好ましい。
このようにして得られる本発明のPEN樹脂組成物は、種々の成形品に成形することができる。例えば、Tダイ法や共押出法などにより押出し延伸されたフィルム、または無延伸のシート類、これを深絞り加工した深絞り容器、ブロー成形された成形体など、種々の成形品として用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、本発明における各種特性は、以下の測定方法にしたがった。なお、実施例中の部は重量部を表す。
(1)固有粘度
ポリエステルおよび組成物の固有粘度は、P−クロロフェノール/テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いて35℃恒温下オストワルト型粘度計を用いて測定した。
(2)樹脂組成物の色相(L*値、a*値、b*値)
ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物を295℃、真空下で10分間溶融し、これをアルミニウム板上で厚さ3.0±1.0mmのプレートに成形後ただちに氷水中で急冷し、該プレートを180℃、2時間乾燥結晶化処理を行った。その後、色差計調整用の白色標準プレート上に置き、プレート表面のハンターL*、a*、及びb*を、マクベス社製分光器(ZE-2000型)を用いて測定した。L*は明度を示し、その数値が大きいほど明度が高いことを示し、a*はその値が大きいほど赤着色の度合いが大きいことを示し、b*はその値が大きいほど黄着色の度合いが大きいことを示す。また他の詳細な操作はJIS Z−8729に準じて行った。
(3)樹脂組成物の耐光性評価
ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物を295℃、真空下で10分間溶融し、これをアルミニウム板上で厚さ3.0±1.0mmのプレートに成形後ただちに氷水中で急冷し、該プレートを180℃、2時間乾燥結晶化処理を行った。その後、スガ試験機社製のサンシャインウェザーメーター(S80)により、紫外線の照射を48時間行なった。紫外線照射前後のプレートの色相(L*値、a*値、b*値)をマクベス社製分光器(ZE-2000型)により測定し、b*値の変化量より耐光性を評価した。
(4)成形性および機械的特性
実施例及び比較例で得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物を乾燥後、孔径0.4mm、ホール数12の口金より、吐出量:14.5g/min、紡糸温度:310℃、紡糸速度:400m/minで紡糸し、未延伸糸を得た。この未延伸糸を延伸機にセットして温度140℃の加熱供給ロールと延伸ロールとの速度差により延伸を行なう。その際、延伸ロールの速度を徐々に上げていき糸が破断するまでその操作を行なう。糸が破断した時点での延伸ロール速度/加熱供給ロール速度の比をもって破断延伸倍率とし、この操作を5回続け、5回の破断延伸倍率の平均値をもって最大延伸倍率(DRMAX)とした。
つぎに、上記の最大延伸倍率に対して80%の延伸倍率で、上記未延伸糸を温度140℃の加熱供給ロールと延伸ロールとの速度差により延伸を行い、210℃で熱処理して延伸糸を得た。そして、この延伸糸を、引張荷重測定器(島津製作所製オートグラフ)を用い、JIS L 1013に準拠してヤング率を測定した。そして、このヤング率が高いものほど、機械的特性に優れると判断した。
(5)末端カルボキシル基濃度(eq/T)
A.Conixの方法に準じて測定した。(MACROMOL.Chem.Vol26,226;1958)
[実施例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100部、エチレングリコール60部および酢酸マンガン四水和物0.030部をエステル交換反応釜に仕込み、140℃から230℃まで徐々に昇温しつつ、生成するメタノールを系外に留出させながらエステル交換反応を行った。完全にメタノールの留出が終了したのち、リン化合物としてリン酸トリメチル0.050部を加え反応を終了させた。反応終了後に、前記構造式(I)において、Rが−C13で、R、R’、R、R’がともに水素であるトリアジン系紫外線吸収剤A(チバ・ガイギー社製 Tinuvin1577ED)を30質量%のエチレングリコールのスラリー状態で表1に示す含有量となるように添加し、続いて5分後に重合触媒三酸化アンチモン0.020部を加え250℃まで加熱して一部のエチレングリコールを留出させたのち、重縮合反応釜へ移した。その後、常法に従い高真空下で加熱しながら、最終内温295℃にて所望の粘度に到達した時点で反応を終了させ、吐出部からストランド状に連続的に押し出し、冷却した後カッティングしてポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の粒状ペレットを得た。
この粒状ペレットを、160℃で2時間乾燥後、50Paまで減圧しつつ225℃まで昇温して12時間保持して固相重合を行った。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
[実施例2]
紫外線吸収剤の含有量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
[比較例1]
固相重合を行わなかった以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
[比較例2]
紫外線吸収剤を添加しなかった以外は、比較例1と同様な操作を繰り返した。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
[比較例3]
比較例2の固有粘度が0.62のポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の粒状ペレットを160℃で12時間乾燥し、振動式定量フィーダーより50kg/hの速度で、ニーディングディスクバドルをスクリュー構成要素として有する同方向回転噛合せ型のベント付き2軸混錬押出し機に供給した。
つぎに、実施例1で用いた紫外線吸収剤Aを、2軸混練押出し機の上部投入口から振動式定量フィーダーを用いて、含有量が表1に示す1質量%となるように添加した。この際、ベント口の真空度は300Pa、シリンダー温度は290℃、添加時のポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の押出し機内における滞留時間は90秒(紫外線吸収剤添加後の混練時間は70秒間)とした。そして、該2軸混錬押出し機内で、紫外線吸収剤とポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物とを混練し、溶融状態でポリマー吐出口から押し出し、冷却後カッティングして、粒状のペレットを得た。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
[比較例4]
紫外線吸収剤の添加量を、表1に示す含有量となるように変更した以外は、比較例3と同様な操作を繰り返した。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
[実施例3]
比較例4で得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の粒状ペレットを、160℃で2時間乾燥後、50Paまで減圧しつつ225℃まで昇温して12時間保持して固相重合を行った。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
[実施例4および比較例5]
紫外線吸収剤の添加量を、表1に示す含有量となるように変更した以外は、実施例3と同様な操作を繰り返した。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
[実施例5]
紫外線吸収剤の添加量を表1に示す含有量となるように変更し、かつ紫外線吸収剤を添加する際に、前記構造式(II)で示される光安定剤を含有量が0.5質量%となるように同時に添加した以外は、実施例3と同様な操作を繰り返した。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
[比較例6]
紫外線吸収剤を、下記構造式(III)で示されるベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤に変更した以外は、実施例3と同様な操作を繰り返した。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
Figure 2010001325
[比較例7]
紫外線吸収剤を、下記構造式(IV)で示されるベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤に変更した以外は、実施例3と同様な操作を繰り返した。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
Figure 2010001325
[実施例6]
紫外線吸収剤を、前記構造式(I)において、Rが−C17で、R、R’、R、R’がともにメチル基である紫外線吸収剤D(日本サイテックインダストリーズ株式会社製 サイアソーブUV−1164)に変更した以外は、実施例3と同様な操作を繰り返した。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の特性を表1に示す。
Figure 2010001325
以上に説明した本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物は、高濃度に紫外線吸収剤を含有しているにも拘らず成形性に優れ、耐候性や機械的性能に優れた種々の成形品を安定して製造することができる。

Claims (7)

  1. トリアジン系紫外線吸収剤の含有量が樹脂組成物質量を基準として2〜10質量%であり、かつ固有粘度が0.55〜1.0dl/gであることを特徴とするポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物。
  2. トリアジン系紫外線吸収剤が、下記構造式(I)で表される請求項1に記載のポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物。
    Figure 2010001325
    (上記構造式中のRは炭素数1〜17の分岐してもよく、末端或いは鎖中に脂環基を有してもよいアルキル基を表し、R、R’、R及びR’は、各々独立して水素又はメチル基を表す。)
  3. さらにヒンダードアミン系光安定剤を、樹脂組成物質量を基準として、0.1〜1質量%含有する請求項1又は2記載のポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物。
  4. トリアジン系紫外線吸収剤の含有量が樹脂組成物質量を基準として2〜10質量%であり、かつ固有粘度が0.20〜0.55dl/gであるポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物のペレットを、固相重合して固有粘度を0.55〜1.0dl/gとすることを特徴とする請求項1記載のポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法。
  5. 温度215〜235℃、圧力20〜150Paの条件下で固相重合する請求項4記載のポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法。
  6. 固相重合する前のペレットが、固有粘度0.55〜0.65dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレートとトリアジン系紫外線吸収剤とを溶融混練した後にペレット化したものである請求項4又は5記載のポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法。
  7. トリアジン系紫外線吸収剤が、下記構造式(I)で表される請求項4〜6のいずれかに記載のポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂組成物の製造方法。
    Figure 2010001325
    (上記構造式中のRは炭素数1〜17の分岐してもよく、末端或いは鎖中に脂環基を有してもよいアルキル基を表し、R、R’、R及びR’は、各々独立して水素又はメチル基を表す。)
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