JPH10330520A - 積層多孔質フィルムの製造方法 - Google Patents

積層多孔質フィルムの製造方法

Info

Publication number
JPH10330520A
JPH10330520A JP9139555A JP13955597A JPH10330520A JP H10330520 A JPH10330520 A JP H10330520A JP 9139555 A JP9139555 A JP 9139555A JP 13955597 A JP13955597 A JP 13955597A JP H10330520 A JPH10330520 A JP H10330520A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
stretching
laminated
porous film
porous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9139555A
Other languages
English (en)
Inventor
Soji Nishiyama
総治 西山
Takeshi Asano
猛 浅野
Mitsuhiro Kaneda
充宏 金田
Hiroyuki Higuchi
浩之 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP9139555A priority Critical patent/JPH10330520A/ja
Publication of JPH10330520A publication Critical patent/JPH10330520A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Cell Separators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】複数層で形成される多孔質フィルムにおいて、
各層を延伸多孔化する前に積層することにより、積層時
において孔を閉塞することを防止し、層間の密着性が充
分大きくし、かつ突刺強度をはじめとする機械的性質に
優れた多孔質フィルムを提供する。 【解決手段】熱可塑性樹脂を主体とする成形材料を成形
後の複屈折率が0.003以上になるようにフィルム成
形し、前記フィルムの少なくとも2枚を配向方向が実質
的に平行にならないように重ね合わせ、加熱して一体化
し、このフィルムを一軸延伸して多孔化することによ
り、層間の密着性にすぐれ、かつ突刺し強度等の機械的
強度の優れた積層多孔質フィルムを孔を潰すことなく製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分離膜、通気性フィ
ルム、電池用セパレータ等に利用される多孔質フィルム
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔質フィルムを積層することにより、
単層では発揮し得ない機能を賦与できることが知られて
いる。その目的とする所は多岐にわたっているが、孔径
の異なる多孔質フィルムを積層することにより透過性に
優れた非対称構造を得ること、強度の異なる多孔質フィ
ルムを積層することによる多孔質フィルムの補強、同種
の多孔質フィルムの積層によるピンホール(欠陥となる
粗大孔)の防止、表面性質の異なる多孔質フィルムの積
層による接着性の改善等が主なものである。
【0003】一般に一軸延伸により得られる多孔質フィ
ルムは延伸方向に裂けやすく、突刺し強度を始めとする
機械的強度の改良に関して多くの提案がなされている。
【0004】特開昭49−130978号公報では、一
軸方向に配向された多孔質性結晶性樹脂フィルムの少な
くとも2枚以上を、該フィルムの接着面に粘着剤または
接着剤を部分塗布あるいは全面塗布し、次に該フィルム
の配向方向を交差するように貼り合せる方法を提案して
いる。また、同公報では積層方法として、該フィルムの
接触面にコロナ放電を施し、配向方向が交差するよう重
ね合せた後、該フィルムの融点以下の温度で熱圧着する
方法も併せて提案している。
【0005】特開昭63−72063号公報では、セパ
レータとして2枚以上の多孔質フィルムをそれぞれの延
伸方向が異なるように積層した積層シートであることを
特徴とする非水電解液電池を提案している。
【0006】特開平8−236098号公報では、機械
的強度に関して異方性を有する第1および第2の微孔性
ポリマー層を用意し、次いで少なくとも第1の層を螺旋
状に切ることにより第2の層の配向に対して第1の層の
配向を交差させ、さらに第1および第2の層を面接触状
に接着させる交差層バッテリーセパレータの製造方法お
よび該製造方法により製造されるバッテリーセパレータ
を提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術はいずれ
も多孔質フィルムを作製した後に積層する方法であるの
で積層時に孔が閉塞され層間の接着性と多孔性が両立し
ないという問題点があった。すなわち、孔が閉塞しない
温度で熱圧着しても充分な層間の接着力が得られないた
め、使用時において各層が独立して裂けるなど、充分な
効果が得られなかった。また、接着剤により積層一体化
する方法は、接着剤が孔に浸透してしまう問題の他に、
接着剤が該フィルムと異なる素材であることによる制約
(例えば使用時における接着剤自身又は微量成分の溶
出)を有している。
【0008】本発明は、上記従来の事情に鑑み、層間の
密着性に優れ、かつ突刺強度等の機械的強度の優れた積
層多孔質フィルムを孔を潰すことなく製造する方法を提
供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の多孔質フィルムの製造方法は、熱可塑性樹
脂を主体とする成形材料を成形後の複屈折率が0.00
3以上になるようにフィルム成形する第1の手段と、該
フィルムの少なくとも2枚を配向方向が実質的に平行に
ならないように重ね合わせ、加熱して一体化する第2の
手段と、この一体化したフィルムを一軸延伸して多孔化
する第3の手段とからなることを特徴とする。
【0010】前記方法においては、第2の手段の加熱温
度が、前記フィルムの積層する面を構成する樹脂のうち
最も低い融点を有する樹脂の融点±20℃の範囲である
ことが好ましい。また前記方法においては、積層すべき
フィルムの配向方向の交差する角度が、10°〜90°
の範囲内にあることが好ましい。また前記方法において
は、一軸延伸における延伸方向と各フィルムの配向との
角度が、5°〜45°であることが好ましい。前記した
本発明の構成によれば、層間の密着力が大きく、耐突抜
性などの機械的性質に優れた積層多孔質フィルムを、孔
を潰すことなく製造できる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において使用する熱可塑性
樹脂は、特に限定されるものではないが、結晶性樹脂又
は半結晶性樹脂が用いられ、それらの中でも、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリ(4−メチル
−ペンテン−1)、ポリフッ化ビニリデン等の結晶性樹
脂が好ましく用いられる。これらの樹脂は単体で用いて
もよいが、共重合体として用いても、又は2種以上をブ
レンドして用いてもよいものである。
【0012】本発明においては、上記熱可塑性樹脂に、
さらに必要に応じて老化防止剤、帯電防止剤、スリップ
剤、造核剤、充填剤等の添加剤を適量配合し、得られた
組成物を二軸押出機、ニーダー、ロール、バンバリーミ
キサー等により溶融混練し、次いでTダイ押出成形、イ
ンフレーション成形等によりフィルム状に溶融成形され
る。
【0013】結晶性樹脂は高ドラフト比で成形すること
によりラメラ(板状結晶)がフィルムの引取方向に対し
て垂直方向に列をなして並んだ構造(row structure)
をとることが知られている(例えば、H.S.Bierenbaum e
t al.,Ind.Eng.Chem.,Prod.Res.Develop.vol.13,No.1,P
-2,(1974))。
【0014】結晶配向性が極端に低いと、後に行われる
延伸工程において充分多孔化しない。従って、本発明に
おけるフィルム成形に際しては、高ドラフト比で成形を
行い、得られたフィルムの複屈折率を0.003以上、
より好ましくは0.005以上になるような条件で作業
する必要がある。尚、この複屈折率はフィルム成形性の
観点から通常0.03以下が好ましいが、上限について
特に限定されるものではない。
【0015】尚、複屈折率の測定方法としてはアッベ屈
折計を用い2方向から屈折率を測定しその差異より算出
する方法、コンペンセータを用いる方法等があるが、本
発明においては自動複屈折計(COBRA-21C;神崎製紙
(株)製)を使用して測定した値を用いた。
【0016】次いで、上記の如くして得た配向非多孔質
フィルムを少なくとも2枚用い、その配向方向が平行に
ならないように配置し、加熱加圧することにより積層一
体化する。積層するフィルムの組成、構成およびその組
み合わせは、その最終的な目的に応じて選択される。従
って、全く同質のフィルムを積層しても良いし、また、
異なった材質のフィルムを積層しても良い。また、予め
多層構造に成形したフィルムを複数枚積層しても良い。
【0017】同質のフィルムを積層する場合を例示する
と、ポリエチレン単体フィルム同士の積層、ポリエチレ
ンとポリプロピレンとのブレンドフィルム同士の積層、
ポリエチレンとポリブテンとのブレンドフィルム同士の
積層等が挙げられる。
【0018】また、異なった材質のフィルムの積層とし
ては、ポリエチレンとポリプロピレンとのブレンドフィ
ルムと、ポリプロピレン単体フィルムとの積層、ポリエ
チレンとポリプロピレンとのブレンドフィルムと、ポリ
エチレン単体フィルムとの積層等が挙げられる。
【0019】予め多層構造に成形したフィルムの複数枚
積層としては、ポリプロピレンとポリエチレンとの2層
共押出し成形によるフィルム同士の積層、ポリエチレン
とポリプロピレンとのブレンド層を外層にし、ポリプロ
ピレンを内層にした3層共押出し成形によるフィルム同
士の積層等が挙げられる。
【0020】積層枚数は2層以上で特に限定されない
が、通常2層から50層程度である。積層枚数が多いほ
ど機械的強度が良好となるが、一方積層前のフィルムの
厚さが薄くなるので操作が困難となる。フィルムの厚み
としては、1〜100μmが好ましい。
【0021】本発明においては、2層以上のフィルムが
平行にならないように重ね合わされるが、積層されるフ
ィルムの配向方向の交差する角度は、すべてのフィルム
が10°〜90°の範囲内にあることが好ましく、30
°〜60°の範囲内にあることが特に好ましい。
【0022】尚、2つの配向方向が交差する角度は任意
の角とその角の補角となる角を対象とした2通りの角度
が存在するが、本発明における交差角とは、平面上で交
差した延伸方向を表現する2直線により区切られた4つ
の部分に対して延伸方向が存在する部分に対応した角度
を言う。この角度が小さすぎると機械的強度が小さく、
この角度が大きすぎると延伸多孔化が困難となる。
【0023】このような交差角度を実現する方法につい
ては特に限定されないが、短冊状の配向フィルムを特定
の交差角になるように複数枚重ね合せる方法や、インフ
レーション成形で押し出したフィルムをスパイラル状に
カットし、長手方向に対して斜めに配向したフィルムを
作製し、これを配向方向が交差するように複数枚重ね合
せる方法等が挙げられる。
【0024】積層する温度は、フィルムを構成する樹脂
のうち最も低い融点を有する樹脂の融点±20℃にて行
うことが好ましい。積層する温度が低すぎるとフィルム
の融着が不充分となり、延伸時に剥がれたり延伸後の多
孔質フィルムの機械的強度が低くなってしまう。また、
この温度が高すぎる場合には、フィルムの結晶配向性が
極端に低下してしまい、後の延伸工程における多孔化が
不充分となる。結晶配向性が極端に低下する温度は通常
融点付近であるが、2種以上の樹脂を用いる場合には最
も低い融点を有する樹脂の融点より約20℃高い温度に
おいてもその結晶配向性が維持される。この理由は明確
ではないが、おそらく一旦溶融した低融点樹脂が高融点
樹脂の結晶構造に対してエピタキシャル成長することに
よりその結晶配向性が維持されるものと考えられる。
【0025】ブレンド又は積層等して2種以上の樹脂を
用いる場合、特に分離膜や電池用セパレータ等のように
多孔質フィルムに透過性が必要な場合には、積層する温
度はフィルムを構成する樹脂の有する融点のうち最も低
い融点を基準とすることに意義がある。その理由は、融
点を20℃以上超えた高温に曝された樹脂は配向を失
い、後の延伸工程において多孔化せず、その結果、最終
的に得られる多孔質フィルムは透過性を持たないためで
ある。したがって、最も低い融点を有する樹脂は積層さ
れる面に配置することが好ましい。このような配置にす
ることにより、最も低い積層温度で最も良好な融着が得
られる。
【0026】また、本発明の方法は非多孔質のフィルム
を積層するので、積層時に圧力をかけても、その構造が
破壊されることがない。従って、通常のラミネートロー
ルを用いることができる他、プレス等の加熱された金属
板を用いる方法等を採用することができる。
【0027】上記のように積層して得られるフィルムに
対して、必要ならば熱処理を行ってもよい。熱処理を行
うことにより該積層フィルムの結晶性を高めることがで
き、後に行われる延伸工程における微細孔の形成が促進
され、高気孔率の多孔質フィルムを得ることができる。
【0028】本発明の方法においては、上記の積層一体
化工程の後に初めて延伸多孔化される。延伸方法は、従
来から知られているロール式延伸等により行うことがで
きる。
【0029】この延伸工程における延伸方向は延伸方向
と各フィルムの配向方向とがなす角度は5°〜45°の
範囲内にあることが好ましく、15°〜30°の範囲内
にあることが特に好ましい。
【0030】この角度が大きすぎると配向結晶化した非
多孔質フィルムの結晶ラメラ間の剥離が効率的に行われ
ないために多孔化が困難となる。延伸方向とフィルムの
配向方向がなす角度を上記の範囲にするためには、各々
のフィルムの配向方向がなす角度における最大の角度に
対して1/2の角度を示す方向に延伸することが好まし
い。
【0031】延伸は、−20℃〜60℃(以下、「−2
0℃〜60℃での延伸」を低温延伸と称す)で行う。延
伸温度が低すぎると作業中にフィルムの破断が生じ易
く、高すぎると多孔化し難い。このときの、延伸率は、
限定されるものではないが、通常20〜400%好まし
くは50〜300%とされる。なお、この延伸率(M1
%)は下記の数式(1)によって表される。数式(1)
中におけるL0 は低温延伸前の寸法、L1 は低温延伸後
の寸法である。
【0032】
【数1】
【0033】本発明においては、上記の如く低温延伸し
たのち、特に限定されるものではないが、60℃以上で
該フィルムを成す樹脂(組成物)の最も低い融点以下の
温度にて再び延伸(以下、「高温延伸」と称す)しても
よい。この延伸時における温度が低すぎるとフィルムの
破断が生じ易くなり、高すぎると、多孔質フィルムの多
孔性が失われるので、通常上記温度にて延伸することが
好ましい。
【0034】尚、高温延伸時の延伸率は、特に限定され
るものではないが、通常10〜500%である。この延
伸率(M2 %)は下記の数式(2)により表される。数
式(2)中におけるL2 は高温延伸を行った後の寸法、
1 は高温延伸前の寸法(低温延伸後の寸法)である。
また、この高温延伸は多段にわたって行ってもよい。
【0035】
【数2】
【0036】また、延伸作業を施して得られる多孔質フ
ィルムは延伸時における応力が残留し、延伸方向に寸法
が収縮し易いので、延伸後にその延伸方向の寸法を予め
熱収縮させることにより、寸法安定性を改善することも
できる。この熱収縮は延伸温度と同じ温度またはそれ以
上の温度で行うことが好ましい。熱収縮させる度合は、
通常、延伸後のフィルム長さが10〜40%減少する程
度とされる。
【0037】尚、多孔質フィルムにおける延伸方向の寸
法が変化しないように規制し、延伸温度またはそれ以上
の温度にて加熱する所謂「ヒートセット」を施すことに
よっても、上記熱収縮処理を施すのと同様に寸法安定性
を改善することができる。さらに、熱収縮とヒートセッ
トとを組み合わせて用いることもできる。
【0038】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0039】通気度および突刺強度は以下に示す方法で
測定した。 (通気度)JIS K8117に準じ、安田精機製作所
製ガーレ式デンソメータNo.323−Autoを用
い、膜面積642mm2 を空気10ccが通過する時間
を測定し、この値を10倍して求めた。単位体積の空気
が透過するのに要する時間であるので、この値が小さい
程透過性が良好であることを示す。
【0040】(突刺強度)カトーテック社製ハンディー
圧縮試験機KES−G5を用い、針の直径1.0mm、
先端形状Rが0.5mm、ホルダー径11.3mm、押
し込み速度2mm/minの条件で測定し、膜が破れる
時の最大荷重を突刺強度(針貫通強度)とした。
【0041】
【実施例1】融点132℃、メルトインデックス(以
下、「MI」と称す)0.3の高密度ポリエチレンをT
ダイ押出機によりダイス温度220℃、ドラフト比40
の条件にて長尺フィルム状に成形した。得られたフィル
ム状物は厚さ20μm、複屈折率0.032であった。
このフィルムを2枚用い、交差角度が60°になるよう
重ね合わせ、熱ロールにて、124℃の温度にて30秒
間接触させ積層一体化した。
【0042】次いで、この積層非多孔質フィルムを25
℃の温度にて交差角の略2等分方向に延伸率が50%に
なるよう低温延伸し、さらに110℃にて同方向に延伸
率が150%になるように高温延伸した。その後、延伸
方向の寸法が変化しないように規制して110℃にて2
分間加熱してヒートセットした。得られた積層多孔質フ
ィルムの厚さは27μmであった。
【0043】得られた積層多孔質フィルムについて、通
気度(ガーレ秒数)及び突刺強度を測定した結果を表1
に示す。
【0044】
【実施例2】非多孔質フィルムの積層において交差角度
を30°にした点を除き実施例1と同様にして積層多孔
質フィルムを得た。得られた積層フィルムの厚さは28
μmであった。得られた積層多孔質フィルムについて、
通気度(ガーレ秒数)及び突刺強度を測定した結果を表
1に示す。
【0045】
【実施例3】非多孔質フィルムを3枚用い、交差角度が
延伸方向に対して上から−45°、0°、45°になる
よう3枚重ね合せた点を除き実施例1と同様にして積層
多孔質フィルムを得た。得られた積層多孔質フィルムの
厚さは41μmであった。得られた積層多孔質フィルム
について、通気度(ガーレ秒数)及び突刺強度を測定し
た結果を表1に示す。
【0046】
【実施例4】融点166℃、MI2.5のアイソタクチ
ックポリプロピレン60重量部と、融点137℃、MI
0.75の高密度ポリエチレン40重量部とを溶融混合
し、Tダイ押出機によりダイス温度240℃、ドラフト
比80の条件にて長尺フィルム状に成形した。得られた
フィルム状物の厚さは22μm、複屈折率0.009で
あった。このフィルムを交差角度が90°になるよう2
枚重ね合わせ、熱ロールを用い、147℃の温度にて3
0秒間接触させ積層一体化した。
【0047】次いで、この積層非多孔質フィルムを25
℃の温度にて交差角度の略2等分方向に延伸率が100
%になるよう低温延伸し、さらに105℃にて同方向に
延伸率が200%になるように高温延伸した。さらに、
延伸方向の寸法が変化しないように規制して105℃に
て2分間加熱してヒートセットした。得られた積層多孔
質フィルムの厚みは26μmであった。
【0048】得られた積層多孔質フィルムについて、通
気度(ガーレ秒数)及び突刺強度を測定した結果を表1
に示す。
【0049】
【実施例5】外層が融点167℃、MI0.4のアイソ
タクチックポリプロピレン10重量部と、融点132
℃、メルトインデックス0.75の高密度ポリエチレン
90重量部の混合物となり、中間層が融点167℃、M
I0.4のアイソタクチックポリプロピレン単体となる
よう、押出温度220℃、ブロー比1.2にてインフレ
ーション共押出し成形を行ない、3層構造のチューブ状
のフィルムを得た。得られた非多孔質フィルムは総厚さ
21μm、中間層厚さ11μm、外層が各5μmで、複
屈折率0.014であった。
【0050】このチューブ状フィルムをスパイラル状に
カットし、長手方向に対して配向方向が30°の角度を
なす長尺状の非多孔質フィルムを得た。このフィルムを
2枚用い、配向方向が交差するよう配置し、熱ロールを
用いて124℃にて30秒間接触させ積層することによ
り交差角が60°の長尺状非多孔質積層フィルムを得
た。
【0051】次いで、この長尺状積層非多孔質フィルム
を25℃の温度にて交差角度の略2等分方向に延伸率が
40%になるよう低温延伸し、さらに105℃にて同方
向に延伸率が160%になるように高温延伸した。さら
に、延伸方向の寸法が変化しないように規制して105
℃にて2分間加熱してヒートセットした。得られた長尺
状積層多孔質フィルムの厚みは27μmであった。
【0052】得られた積層多孔質フィルムについて、通
気度(ガーレ秒数)及び突刺強度を測定した結果を表1
に示す。
【0053】
【比較例1】2層の配向方向がなす交差角度が0°であ
る点を除いて実施例1と同様にして積層多孔質フィルム
を得た。得られた積層多孔質フィルムの厚さは28μm
であった。得られた積層多孔質フィルムについて、通気
度(ガーレ秒数)及び突刺強度を測定した結果を表1に
示す。
【0054】
【比較例2】実施例1で使用した高密度ポリエチレンを
用い、Tダイ押出機によりダイス温度220℃、ドラフ
ト比40の条件にて長尺フィルム状に成形した。得られ
たフィルム状物は厚さ40μm、複屈折率0.025で
あった。次いで、この非多孔質フィルムを1枚用い、配
向方向に実施例1と同一条件にて延伸を行った。得られ
た多孔質フィルムの厚さは28μmであった。得られた
積層多孔質フィルムについて、通気度(ガーレ秒数)及
び突刺強度を測定した結果を表1に示す。
【0055】
【比較例3】実施例1で得られた厚さ20μm、複屈折
率0.032の非多孔質フィルムを1枚用い、熱ロール
に接触させ124℃、30秒間熱処理した。このフィル
ムを25℃の温度にて配向方向に延伸率が50%になる
よう低温延伸し、さらに110℃にて同方向に延伸率が
150%になるように高温延伸した。その後、延伸方向
の寸法が変化しないように規制して110℃にて2分間
加熱してヒートセットした。
【0056】次いで、得られた多孔質フィルムを2枚用
い、交差角度が60°になるよう重ね合わせ、熱ロール
にて、120℃の温度にて30秒間接触させ積層一体化
しようとしたが、充分な層間の接着が得られなかった。
厚さは28μmであった。
【0057】得られた積層多孔質フィルムについて、通
気度(ガーレ秒数)及び突刺強度を測定した結果を表1
に示す。
【0058】
【比較例4】多孔質フィルムの積層時の温度が133℃
であることを除いて比較例3と同様にして積層多孔質フ
ィルムを得た。得られた積層多孔質フィルムの厚さは2
0μmであった。得られた積層多孔質フィルムについ
て、通気度(ガーレ秒数)及び突刺強度を測定した結果
を表1に示す。
【0059】
【比較例5】3層の配向方向がすべて延伸方向と同方向
に重ね合せた点を除いて実施例3と同様にして積層多孔
質フィルムを得た。得られた積層多孔質フィルムの厚さ
は42μmであった。得られた積層多孔質フィルムにつ
いて、通気度(ガーレ秒数)及び突刺強度を測定した結
果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】上記の結果より、本発明の実施例1〜5に
示すように、予め成形したフィルムの配向方向を特定の
方向に交差積層し、その後に延伸多孔化することによ
り、比較例1〜5に示す方法と比較して格段に優れた特
性の多孔質フィルムが得られることが確認できた。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
熱可塑性樹脂を主体とする成形材料を成形後の複屈折率
が0.003以上になるようにフィルム成形し、前記フ
ィルムの少なくとも2枚を配向方向が実質的に平行にな
らないように重ね合わせ、加熱して一体化し、このフィ
ルムを一軸延伸して多孔化することにより、各層が延伸
多孔化される前に積層されるため、積層時において孔を
閉塞することがない。また、層間の密着性が充分大きい
ので突刺強度をはじめとする機械的性質に優れた多孔質
フィルムを作製することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08L 23:00 (72)発明者 樋口 浩之 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を主体とする成形材料を成
    形後の複屈折率が0.003以上になるようにフィルム
    成形する第1の手段と、該フィルムの少なくとも2枚を
    配向方向が実質的に平行にならないように重ね合わせ、
    加熱して一体化する第2の手段と、この一体化したフィ
    ルムを一軸延伸して多孔化する第3の手段とからなるこ
    とを特徴とする多孔質フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 第2の手段の加熱温度が、前記フィルム
    の積層する面を構成する樹脂のうち最も低い融点を有す
    る樹脂の融点±20℃の範囲である請求項1に記載の多
    孔質フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 積層すべきフィルムの配向方向の交差す
    る角度が、10°〜90°の範囲内にある請求項1また
    は2に記載の多孔質フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 一軸延伸における延伸方向と各フィルム
    の配向との角度が、5°〜45°である請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の多孔質フィルムの製造方法。
JP9139555A 1997-05-29 1997-05-29 積層多孔質フィルムの製造方法 Pending JPH10330520A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9139555A JPH10330520A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 積層多孔質フィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9139555A JPH10330520A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 積層多孔質フィルムの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10330520A true JPH10330520A (ja) 1998-12-15

Family

ID=15247998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9139555A Pending JPH10330520A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 積層多孔質フィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10330520A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007034856A1 (ja) * 2005-09-22 2007-03-29 Mitsubishi Plastics, Inc. 多孔積層体の製造方法および多孔積層体
JP2007083542A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 多孔積層体の製造方法および多孔積層体
JP2007083537A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 多孔積層体の製造方法および多孔積層体
US7282109B2 (en) 2003-03-06 2007-10-16 Sumitomo Chemical Company, Limited Method for producing laminated porous polyolefin film and laminated porous polyolefin film
JP2008094911A (ja) * 2006-10-10 2008-04-24 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 多孔質フィルムおよびその製造方法
JP2010241047A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Nitto Denko Corp 防水通音膜とそれを用いた防水通音部材および電気製品
JP2011005867A (ja) * 2010-08-16 2011-01-13 Mitsubishi Plastics Inc 多孔積層体
WO2014192705A1 (ja) * 2013-05-30 2014-12-04 大日本印刷株式会社 農業用シート
JP2014232703A (ja) * 2013-05-30 2014-12-11 株式会社Gsユアサ 蓄電素子及び蓄電素子の製造方法
JP2016022679A (ja) * 2014-07-22 2016-02-08 旭化成イーマテリアルズ株式会社 積層微多孔性フィルム及びその製造方法、並びに電池用セパレータ
US11728100B2 (en) 2019-03-29 2023-08-15 Ube Corporation Polyolefin porous film, separator for energy storage device, and energy storage device

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7282109B2 (en) 2003-03-06 2007-10-16 Sumitomo Chemical Company, Limited Method for producing laminated porous polyolefin film and laminated porous polyolefin film
JP4546910B2 (ja) * 2005-09-22 2010-09-22 三菱樹脂株式会社 多孔積層体の製造方法および多孔積層体
JP4594837B2 (ja) * 2005-09-22 2010-12-08 三菱樹脂株式会社 多孔積層体の製造方法
JP2007083542A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 多孔積層体の製造方法および多孔積層体
US8486555B2 (en) 2005-09-22 2013-07-16 Mitsubishi Plastics, Inc. Method for producing porous laminate and porous laminate
KR100950189B1 (ko) * 2005-09-22 2010-03-29 미쓰비시 쥬시 가부시끼가이샤 다공 적층체의 제조 방법 및 다공 적층체
WO2007034856A1 (ja) * 2005-09-22 2007-03-29 Mitsubishi Plastics, Inc. 多孔積層体の製造方法および多孔積層体
JP2007083537A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 多孔積層体の製造方法および多孔積層体
JP2008094911A (ja) * 2006-10-10 2008-04-24 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 多孔質フィルムおよびその製造方法
JP2010241047A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Nitto Denko Corp 防水通音膜とそれを用いた防水通音部材および電気製品
JP2011005867A (ja) * 2010-08-16 2011-01-13 Mitsubishi Plastics Inc 多孔積層体
WO2014192705A1 (ja) * 2013-05-30 2014-12-04 大日本印刷株式会社 農業用シート
JP2014232703A (ja) * 2013-05-30 2014-12-11 株式会社Gsユアサ 蓄電素子及び蓄電素子の製造方法
JP2016022679A (ja) * 2014-07-22 2016-02-08 旭化成イーマテリアルズ株式会社 積層微多孔性フィルム及びその製造方法、並びに電池用セパレータ
US11728100B2 (en) 2019-03-29 2023-08-15 Ube Corporation Polyolefin porous film, separator for energy storage device, and energy storage device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6149052B2 (ja) 微孔性膜、電池セパレーターおよびその製造方法
JP7483562B2 (ja) リチウム・イオン二次電池用の多層ハイブリッド電池セパレータおよび電池
JP3960437B2 (ja) 閉塞式三層バッテリーセパレーター
US9908317B2 (en) Multilayer battery separators
KR100855632B1 (ko) 작동중지,이중층배터리격리판
EP2974847B1 (en) Biaxially oriented microporous membrane
TWI426641B (zh) 具有改良之熱特性的多孔狀多層薄膜
CN115939674A (zh) 电池隔板、锂电池及二次锂电池
JP5443477B2 (ja) 2次電池用微細多孔膜
JPH11329390A (ja) 電池セパレ―タ―およびその製造方法
KR101097079B1 (ko) 적층된 다공성 폴리올레핀 필름의 제조 방법 및 적층된다공성 폴리올레핀 필름
JPH10330520A (ja) 積層多孔質フィルムの製造方法
CN108336280B (zh) 一种复合隔膜及其制备方法和应用
JP6294176B2 (ja) 微多孔性フィルムの製造方法
JP5812747B2 (ja) 積層微多孔性フィルム及びその製造方法、並びに電池用セパレータ
JP7268004B2 (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
JP5258034B2 (ja) 積層微多孔性フィルムの製造方法
CN108305979B (zh) 复合隔膜及其制备方法和应用
JP6486621B2 (ja) 積層微多孔性フィルム及びその製造方法、並びに電池用セパレータ
US6921608B2 (en) Battery separator
JP6356000B2 (ja) 積層微多孔性フィルム及びその製造方法、並びに電池用セパレータ
JP4442254B2 (ja) ポリオレフィン積層多孔性フィルムの製造方法およびポリオレフィン積層多孔性フィルム
JPH0655629A (ja) 積層多孔質フイルムの製造方法
KR20160112518A (ko) 강한 층간 접착력을 갖는 다층 복합 분리막의 제조방법
JP6359368B2 (ja) 積層微多孔性フィルム及びその製造方法、並びに電池用セパレータ