JP2014232703A - 蓄電素子及び蓄電素子の製造方法 - Google Patents

蓄電素子及び蓄電素子の製造方法 Download PDF

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明彦 宮崎
澄男 森
Sumio Mori
森  澄男
智典 加古
Tomonori Kako
智典 加古
健太 中井
Kenta Nakai
健太 中井
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Abstract

【課題】セパレータの端部以外の亀裂が発生しやすい部分においても、当該亀裂の発生や進行を抑制することができる蓄電素子を提供する。
【解決手段】正極410と負極420とセパレータ430とが積層されて形成される電極体400を備える蓄電素子10であって、セパレータ430は、正極410または負極420の端部に対応する位置に配置される端部対応領域430aと、端部対応領域430aとは異なる端部非対応領域430b、430cとを有し、端部対応領域430aは、端部非対応領域430b、430cよりも気孔率が低い領域である高強度領域431aを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、正極と負極とセパレータとが積層されて形成される電極体を備える蓄電素子及びその製造方法に関する。
世界的な環境問題への取り組みとして、ガソリン自動車から電気自動車への転換が重要になってきている。このため、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を動力源に用いた電気自動車の開発が進められている。そして、このような蓄電素子においては、正極と負極とセパレータとが積層されて形成される電極体を備えているが、セパレータに亀裂が発生して内部短絡が起きてしまうおそれがあるという問題があった。
このため、従来、セパレータの亀裂の発生や進行を抑制することができる蓄電素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この蓄電素子においては、亀裂が発生しやすいセパレータの端部に溶融痕を形成することで、当該端部からの亀裂の発生や進行を抑制している。
特開2001−202985号公報
ここで、上記従来の蓄電素子においては、亀裂の発生や進行を抑制することができているのは、セパレータの端部のみである。しかしながら、亀裂が発生しやすいのは、セパレータの端部だけではない。
つまり、正極と負極とセパレータとが積層されて形成される電極体を備えた蓄電素子においては、正極または負極に用いられる電極板は、一般的に、裁断によって帯状に切断されるが、この際に、裁断された端部にバリなどが残る場合がある。そして、当該電極板の端部はセパレータに接触することがあるため、電極体への外的な衝撃や電極体の膨張収縮が生じると、セパレータの当該端部と接触する部分から亀裂が発生するおそれがある。
このように、上記従来の蓄電素子においては、セパレータの端部以外の部分については亀裂の発生や進行を抑制することができていないため、セパレータの端部以外の部分から亀裂が発生し進行するおそれがあるという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、セパレータの端部以外の亀裂が発生しやすい部分においても、当該亀裂の発生や進行を抑制することができる蓄電素子及び蓄電素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子は、正極と負極とセパレータとが積層されて形成される電極体を備える蓄電素子であって、前記セパレータは、前記正極または前記負極の端部に対応する位置に配置される端部対応領域と、前記端部対応領域とは異なる端部非対応領域とを有し、前記端部対応領域は、前記端部非対応領域よりも気孔率が低い領域である高強度領域を有する。
これによれば、蓄電素子において、セパレータの端部対応領域は、端部非対応領域よりも気孔率が低い高強度領域を有している。つまり、セパレータの端部対応領域は、正極または負極の端部に対応する領域であるため、当該端部に形成されたバリなどが接触して亀裂が発生するおそれのある部分である。このため、セパレータの端部以外の亀裂が発生しやすい部分である当該端部対応領域の気孔率を低くして、端部対応領域に端部非対応領域よりも強度が高い高強度領域を形成することで、バリなどによって当該端部対応領域から亀裂が発生したり進行したりするのを抑制することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子は、正極と負極とセパレータとが積層されて形成される電極体を備える蓄電素子であって、前記セパレータは、前記正極または前記負極の端部に対応する位置に配置される端部対応領域と、前記端部対応領域とは異なる端部非対応領域とを有し、前記端部対応領域は、前記端部非対応領域よりも引張伸び率が高い領域である高強度領域を有することにしてもよい。
これによれば、蓄電素子において、セパレータの端部対応領域は、端部非対応領域よりも引張伸び率が高い高強度領域を有している。つまり、セパレータの端部以外の亀裂が発生しやすい部分である端部対応領域の引張伸び率を高くして、端部対応領域に端部非対応領域よりも強度が高い高強度領域を形成することで、バリなどによって当該端部対応領域から亀裂が発生したり進行したりするのを抑制することができる。
また、前記セパレータは、端部が、前記正極及び前記負極の端部から突出して配置され、前記高強度領域は、前記セパレータの端部とは異なる位置に配置されていることにしてもよい。
これによれば、セパレータの端部とは異なる位置であって亀裂が発生しやすい位置に配置されている高強度領域によって、セパレータの端部以外の亀裂が発生しやすい部分からの亀裂の発生や進行を抑制することができる。
また、前記高強度領域は、2つの前記端部非対応領域の間に配置されることにしてもよい。
これによれば、2つの前記端部非対応領域の間に配置されている高強度領域によって、セパレータの端部以外の亀裂が発生しやすい部分からの亀裂の発生や進行を抑制することができる。
また、前記負極の端部は、前記正極の端部と前記セパレータの端部との間に配置されており、前記高強度領域は、前記負極の端部に対向する位置に配置されていることにしてもよい。
これによれば、高強度領域は、負極の端部に対向する位置に配置されているため、例えばリチウムイオン二次電池において、正極から負極へのリチウムイオンの移動を妨げないように高強度領域を形成することができる。
また、前記高強度領域は、前記端部対応領域を熱処理することで形成された領域であることにしてもよい。
これによれば、高強度領域は、熱処理によって形成されるため、簡易に高強度領域を形成することができる。
また、前記電極体は、前記正極と前記負極と前記セパレータとが捲回されて形成されており、前記端部対応領域は、前記正極または前記負極の捲回方向の端部に対応する位置に配置される領域であることにしてもよい。
ここで、電極体が捲回型の電極体である場合には、正極及び負極の捲回方向の端部がセパレータと接触する。このため、正極または負極の捲回方向の端部に対応する部分を端部対応領域として、当該端部対応領域に高強度領域を形成することで、セパレータの亀裂の発生や進行を抑制することができる。
また、前記電極体は、一対の円弧状部と、平坦部と、を有する扁平形状に捲回され、前記高強度領域は、前記平坦部に配置されていることにしてもよい。
ここで、電極体の平坦部に電極の端部が位置する場合、電極の膨張によって平坦部がケースに押し付けられるため、セパレータに亀裂が入りやすい。つまり、電極体の円弧状部は、電極体の膨張と収縮のいずれを通じても、常に面垂直方向に圧迫がかかっているため、当該円弧状部のセパレータに亀裂が入った場合でも当該セパレータの裂けが拡がりにくい。これに対し、電極体の平坦部は、特に電極体の収縮時には、面垂直方向の圧迫がかからない状態となるため、当該平坦部のセパレータに微小亀裂が生じた場合に、そこが起点となってセパレータの裂けが拡がりやすい。このため、高強度領域が、当該平坦部に配置されていることで、セパレータの亀裂の発生や進行を抑制することができる。
また、前記高強度領域は、前記端部対応領域のうちの前記セパレータの端部と熱溶着された領域であることにしてもよい。
これによれば、端部対応領域とセパレータの端部とが熱溶着されることで、高強度領域が形成される。つまり、捲回型の電極体の製造時には、セパレータの最外周を巻きつけて、セパレータ同士を熱溶着させるが、この場合に、セパレータの端部を端部対応領域に熱溶着させる。これにより、端部対応領域のうちの当該熱溶着された部分が端部非対応領域よりも強度が高くなるため、容易に高強度領域を形成することができる。
なお、本発明は、このような蓄電素子として実現することができるだけでなく、当該蓄電素子が備える電極体またはセパレータとして実現することもでき、また、当該蓄電素子を製造する蓄電素子の製造方法として実現することもできる。
本発明に係る蓄電素子によれば、セパレータの端部以外の亀裂が発生しやすい部分においても、当該亀裂の発生や進行を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る蓄電素子の外観斜視図である。 本発明の実施の形態に係る電極体の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る電極体の巻回状態を一部展開して示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る電極体の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る電極体を製造する工程を示す模式図である。 本発明の実施の形態の変形例1に係る電極体の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態の変形例2に係る電極体の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態の変形例3に係る電極体の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態の変形例3に係る電極体の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態の変形例4に係る電極体の構成を示す斜視図及び断面図である。 本発明の実施の形態の変形例4に係る電極体の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態の変形例4に係る電極体の構成を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電素子について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密には一致しない。
(実施の形態)
まず、蓄電素子10の構成について、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10の外観斜視図である。なお、同図は、容器内部を透視した図となっている。また、図2は、本発明の実施の形態に係る電極体400の構成を示す斜視図である。
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。なお、蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。
まず図1に示すように、蓄電素子10は、容器100と、正極端子200と、負極端子300とを備え、容器100は、上壁であるふた板110を備えている。また、容器100内方には、電極体400と、正極集電体120と、負極集電体130とが配置されている。なお、容器100の内部には電解液などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。
容器100は、金属からなる矩形筒状で底を備える筐体本体と、当該筐体本体の開口を閉塞する金属製のふた板110とで構成されている。また、容器100は、電極体400等を内部に収容後、ふた板110と筐体本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。
電極体400は、図2に示すように、正極410と負極420とセパレータ430とを備え、電気を蓄えることができる部材である。具体的には、電極体400は、正極410と負極420との間にセパレータ430が挟み込まれるように層状に配置されたものを全体が長円形状となるように捲回されて形成されている。つまり、電極体400は、当該長円形状の円弧部分である一対の円弧状部(Y軸方向の両端部)と、当該一対の円弧状部の間に配置される平坦部(Z軸方向の両側面部)とを有する扁平形状に捲回された巻回型の電極体である。
なお、図2では、電極体400の形状(同図のYZ平面で切断した場合の断面形状)としては長円形状を示したが、円形状または楕円形状でもよい。また、電極体400の形状は捲回型に限らず、平板状極板を積層した形状でもよい。電極体400の詳細な構成については、後述する。
正極端子200は、正極集電体120を介して、電極体400の正極410に電気的に接続された電極端子であり、負極端子300は、負極集電体130を介して、電極体400の負極420に電気的に接続された電極端子である。
つまり、正極端子200及び負極端子300は、電極体400に蓄えられている電気を蓄電素子10の外部空間に導出し、また、電極体400に電気を蓄えるために蓄電素子10の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。また、正極端子200及び負極端子300は、電極体400の上方に配置されたふた板110に取り付けられている。
正極集電体120は、電極体400の正極410と容器100の側壁との間に配置され、正極端子200と正極410とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体120は、後述する正極410の正極集電箔と同様、アルミニウムで形成されている。
負極集電体130は、電極体400の負極420と容器100の側壁との間に配置され、負極端子300と電極体400の負極420とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体130は、後述する負極420の負極集電箔と同様、銅で形成されている。
次に、電極体400の詳細な構成について、説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る電極体400の巻回状態を一部展開して示す斜視図である。また、図4は、本発明の実施の形態に係る電極体400の構成を示す断面図である。具体的には、図4は、図3に示された電極体400をA−A断面で切断した場合の断面を拡大して示す図である。
これらの図に示すように、電極体400は、正極410と負極420とセパレータ430とが積層されて形成されている。ここで、セパレータ430は、2つのセパレータ431及び432からなる。つまり、電極体400は、正極410と負極420と2つのセパレータ431及び432とが、正極410と負極420との間にセパレータ431または432が配置されるようにして、捲回されて形成されている。
正極410は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる長尺帯状の導電性の正極集電箔の表面に、正極活物質層が形成された電極板である。なお、本発明に係る蓄電素子10に用いられる正極410は、特に従来用いられてきたものと異なるところはなく、通常用いられているものが使用できる。
つまり、正極410の正極活物質層に用いられる正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。例えば、正極活物質として、LiMPO、LiMSiO、LiMBO(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種又は2種以上の遷移金属元素)等のポリアニオン化合物、チタン酸リチウム、マンガン酸リチウム等のスピネル化合物、LiMO(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種又は2種以上の遷移金属元素)等のリチウム遷移金属酸化物等を用いることができる。
負極420は、銅または銅合金からなる長尺帯状の導電性の負極集電箔の表面に、負極活物質層が形成された電極板である。負極活物質層は、セパレータを挟んで正極の正極活物質層に対向する位置に配置されている。なお、本発明に係る蓄電素子10に用いられる負極420は、特に従来用いられてきたものと異なるところはなく、通常用いられているものが使用できる。
つまり、負極420の負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。例えば、負極活物質として、リチウム金属、リチウム合金(リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−錫、リチウム−アルミニウム−錫、リチウム−ガリウム、及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)、金属酸化物、リチウム金属酸化物(LiTi12等)、ポリリン酸化合物などが挙げられる。
また、正極410は、正極集電体120と接続される部分であるX軸マイナス方向の端部(正極活物質層が形成されていない正極集電箔の端部)が、セパレータ430から突出して配置されている。また、負極420は、負極集電体130と接続される部分であるX軸プラス方向の端部(負極活物質層が形成されていない負極集電箔の端部)が、セパレータ430から突出して配置されている。
なお、正極410の正極集電箔または負極420の負極集電箔として、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金など、適宜公知の材料を用いることもできる。
セパレータ430は、正極410と負極420との間に配置される長尺帯状のセパレータであり、具体的には、微多孔性のシートである。
例えば、セパレータ430としては、ポリマー、天然繊維、炭化水素繊維、ガラス繊維またはセラミック繊維の織物または不織繊維を有する樹脂多孔膜が用いられる。また、当該樹脂多孔膜は、好ましくは、織物または不織ポリマー繊維を有する。特に、当該樹脂多孔膜は、ポリマー織物またはフリースを有するかまたはこのような織物またはフリースであるのが好ましい。ポリマー繊維としては、好ましくは、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)及び/またはポリオレフィン(PO)、例えばポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)またはこのようなポリオレフィンの混合物から選択したポリマーの非電導性繊維を有する。また、当該樹脂多孔膜は、ポリオレフィン微多孔膜、不織布、紙等であってもよく、好ましくはポリオレフィン微多孔膜である。多孔質ポリオレフィン層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの複合膜などを利用することができる。なお、電池特性への影響を考慮すると、セパレータ430の厚みは5〜30μm程度であるのが好ましい。
以上のように、セパレータ430として種々のものを用いることができるが、乾式延伸法によって生成されたポリオレフィン微多孔膜で形成されたセパレータを用いるのが本願発明を適用することによる効果が高く、さらに、一軸延伸法によって生成されたセパレータを用いるのが当該効果が非常に高い。このため、セパレータ430は、乾式一軸延伸法によって生成されたポリオレフィン微多孔膜で形成されたセパレータであることとする。
なお、セパレータ430は、捲回方向(Y軸方向)及び捲回方向に垂直な方向(X軸方向)への引張伸び率が30%以上であるのが好ましい。また、セパレータ430には、耐熱塗工層が塗工されていてもよい。ここで、耐熱塗工層とは、例えば、無機粒子からなる無機フィラーまたは耐熱性樹脂などの耐熱粒子を含んだ層である。
具体的には、上記の無機粒子は、下記のうちの一つ以上の無機物の単独もしくは混合体もしくは複合化合物からなる。例えば、酸化鉄、SiO、Al、TiO、BaTiO、ZrO、アルミナ−シリカ複合酸化物などの酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの窒化物微粒子、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶微粒子、シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶微粒子、タルク、モンモリロナイトなどの粘土微粒子、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、マイカなどの鉱物資源由来物質あるいはそれらの人造物などが上記の無機物として挙げられる。また、上記の無機物は、SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの酸化物微粒子、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素質微粒子などの導電性微粒子の表面を、電気絶縁性を有する材料(例えば、上記の電気絶縁性の無機粒子を構成する材料)で表面処理することで、電気絶縁性を持たせた微粒子であってもよい。
ここで、セパレータ430は、巻き終わりの端部430dが、正極410の巻き終わりの端部410a及び負極420の巻き終わりの端部420aから突出して配置されている。つまり、負極420の端部420aは、正極410の端部410aとセパレータ430の端部430dとの間に配置されている。そして、セパレータ430は、端部対応領域430aと端部非対応領域430b及び430cとを有している。
端部対応領域430aは、正極410または負極420の端部に対応する位置に配置される領域であり、本実施の形態では、端部対応領域430aは、負極420の捲回方向(Y軸方向)の端部420aに対応する位置に配置される領域である。具体的には、端部対応領域430aは、負極420の捲回方向の巻き終わりの端部420aに沿って、X軸方向に延びる領域である。
端部非対応領域430b及び430cは、端部対応領域430aとは異なる領域である。具体的には、端部非対応領域430bは、端部対応領域430aよりもセパレータ430の巻き終わりの端部430d側の領域であり、端部非対応領域430cは、端部対応領域430aに対して端部非対応領域430bとは逆側の領域である。
そして、端部対応領域430aは、端部非対応領域430b及び430cよりも気孔率が低い領域である高強度領域431aを有している。つまり、高強度領域431aは、セパレータ430の端部430dとは異なる位置に配置された領域である。
具体的には、図4に示すように、高強度領域431aは、セパレータ431に形成された領域であり、負極420の端部420aに対向する位置に配置されている。つまり、セパレータ430は、外側(Z軸プラス方向)に配置されるセパレータ431と、内側(Z軸マイナス方向)に配置されるセパレータ432とからなり、セパレータ431は、端部対応領域430aに対応する高強度領域431aと、端部非対応領域430b及び430cに対応する端部非対応領域431b及び431cとを有している。
そして、高強度領域431aは、2つの端部非対応領域431b及び431cの間に配置されている。なお、高強度領域431aは、セパレータ431における端部対応領域430aに対応する全ての領域に形成されていてもよいし、端部対応領域430aに対応する領域のうちの一部の領域のみに形成されていることにしてもよい。
また、電極体400は、図2または図3に示すように、一対の円弧状部と平坦部とを有する扁平形状に捲回された巻回型の電極体であり、高強度領域431aは、電極体400の当該平坦部に配置されるように形成されている。
ここで、セパレータ430に含まれるセパレータ431は、微多孔性のセパレータであるため、端部非対応領域431b及び431cには複数の孔が形成されている。これに対し、高強度領域431aは、端部非対応領域431b及び431cよりも気孔率が低いことによって、端部非対応領域431b及び431cよりも強度が高くなっている領域である。
つまり、端部非対応領域431b及び431cには、数10nm〜100nm程度の径の複数の孔が形成されているのに対し、高強度領域431aは、当該径の孔が小さくなったまたは閉孔された領域である。この構成により、高強度領域431aは、端部非対応領域431b及び431cよりも気孔率が低くなっている。
具体的には、高強度領域431aは、端部対応領域430aに対応する領域を熱プレス処理などの熱処理を行うことで形成された領域である。図5は、本発明の実施の形態に係る電極体400を製造する工程を示す模式図である。
図5に示すように、電極体400は、電極体400に向けてY軸マイナス方向に送られるセパレータ430を、回転によって巻きつけることで、製造される。なお、同図には、正極410及び負極420を省略して図示しているが、正極410及び負極420もセパレータ430とともに巻きつけられる。
そして、セパレータ430がカッター23で裁断される前に、または裁断されると同時に、熱プレス装置21で端部対応領域430a内が熱プレス処理される。これにより、端部対応領域430aに、端部非対応領域431b及び431cよりも気孔率が低い領域である高強度領域431aが形成される(高強度領域形成工程)。
なお、端部対応領域430a内が熱プレス処理されて高強度領域431aが形成されることとしたが、プレスを伴わない熱処理にて高強度領域431aを形成することにしてもかまわない。
また、高強度領域431aの幅(Y軸方向の幅)は、負極420の端部420aのバリの大きさや異物の大きさに対応した幅であるのが好ましく、例えば、1mm〜10mmである。また、本実施の形態では、高強度領域431aは、他部材との溶着領域と独立して存在する。
また、高強度領域431aは、端部非対応領域431b及び431cよりも引張伸び率が高いことによって、端部非対応領域431b及び431cよりも強度が高くなっている領域であることにしてもよい。つまり、上記の高強度領域形成工程において、端部対応領域430aに、端部非対応領域431b及び431cよりも引張伸び率が高い高強度領域431aを形成するようにしてもかまわない。
具体的には、高強度領域431aは、例えば、セパレータ431が微多孔性のセパレータの場合には、端部非対応領域431b及び431cよりも小さい径の孔が形成されたり当該孔が閉孔されることで、端部非対応領域431b及び431cよりも引張伸び率が高くなるように形成された領域である。また、高強度領域431aは、セパレータ431が微多孔性のセパレータではない場合には、端部非対応領域431b及び431cよりも引張伸び率が高くなるように形成された領域である。
ここで、端部対応領域430aに高強度領域431aが存在するか否かは、セパレータ430の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって孔の径を観察することや、水銀圧入法によるセパレータ430の気孔率の測定で判別することができる。また、透明になっている領域が高強度領域431aであるとして判別することもできる。また、端部対応領域430aを含む領域と端部対応領域430aを含まない領域との引張伸び率を測定し対比することで、端部対応領域430aに高強度領域431aが存在するか否かを判別することもできる。
ここで、水銀圧入法によるセパレータの気孔率の測定は、具体的にはつぎの通り行うことができる。まず、解体した蓄電素子から取り出したセパレータのうち、端部対応領域又は端部非対応領域に該当する箇所を切り出し、その後、ジメチルカーボネートで洗浄し、常温で真空乾燥したものを測定用サンプルとする。そして、Micromertics WIN9400シリーズを使用して、水銀圧入法により、測定用サンプルの重量あたりの圧入量A(cc/g)を測定する。そして、端部対応領域又は端部非対応領域の各測定用サンプルに対して、3N以上の平均値をとったものを比較することで、高強度領域が存在するか否かを判別することができる。
また、引張伸び率の測定は、具体的にはつぎの通り行うことができる。まず、解体した蓄電素子から取り出したセパレータのうち、端部対応領域又は端部非対応領域に該当する箇所を切り出し、その後、ジメチルカーボネートで洗浄し、常温で真空乾燥したものを測定用サンプルとする。そして、当該測定用サンプルをJISK7127に従って、AGS−X(島津製作所製)を使用することで、JISK7161に定める引張破壊ひずみ(降伏する場合は引張破壊時呼びひずみ)の値を測定し、当該値を引張伸び率とする。そして、端部対応領域又は端部非対応領域の各測定用サンプルの値を比較することで、高強度領域が存在するか否かを判別することができる。
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10によれば、セパレータ430の端部対応領域430aは、端部非対応領域430b及び430cよりも気孔率が低い、または引張伸び率が高い高強度領域431aを有している。つまり、セパレータ430の端部対応領域430aは、負極420の端部420aに対応する領域であるため、端部420aに形成されたバリなどが接触して亀裂が発生するおそれのある部分である。このため、亀裂が発生しやすい端部対応領域430aの気孔率を低くしてまたは引張伸び率を高くして、端部対応領域430aに端部非対応領域430b及び430cよりも強度が高い高強度領域431aを形成することで、バリなどによって端部対応領域430aから亀裂が発生したり進行したりするのを抑制することができる。
また、セパレータ430の端部430dとは異なる位置であって亀裂が発生しやすい位置に配置されている高強度領域431aによって、セパレータ430の端部430d以外の亀裂が発生しやすい部分からの亀裂の発生や進行を抑制することができる。
また、高強度領域431aは、負極420の端部420aに対向する位置に配置されているため、例えばリチウムイオン二次電池において、正極410から負極420へのリチウムイオンの移動を妨げないように高強度領域431aを形成することができる。
また、高強度領域431aは、熱プレス処理などの熱処理によって形成されるため、簡易に高強度領域431aを形成することができる。
また、電極体400が捲回型の電極体である場合には、負極420の捲回方向の端部420aがセパレータ431と接触する。このため、負極420の捲回方向の端部420aに対応する部分に高強度領域431aを形成することで、セパレータ431の亀裂の発生や進行を抑制することができる。
また、捲回型の電極体の平坦部に電極の端部が位置する場合、電極の膨張によって平坦部がケースに押し付けられるため、セパレータに亀裂が入りやすい。つまり、電極体の円弧状部は、電極体の膨張と収縮のいずれを通じても、常に面垂直方向に圧迫がかかっているため、当該円弧状部のセパレータに亀裂が入った場合でも当該セパレータの裂けが拡がりにくい。これに対し、電極体の平坦部は、特に電極体の収縮時には、面垂直方向の圧迫がかからない状態となるため、当該平坦部のセパレータに微小亀裂が生じた場合に、そこが起点となってセパレータの裂けが拡がりやすい。このため、高強度領域431aが、当該平坦部に配置されていることで、セパレータ430の亀裂の発生や進行を抑制することができる。
また、乾式延伸法によって生成されたポリオレフィン微多孔膜は、亀裂が発生しやすいため、当該ポリオレフィン微多孔膜を用いたセパレータ430は亀裂が発生しやすくなる。このため、亀裂が発生しやすいセパレータ431に高強度領域431aを形成することで、亀裂の発生や進行を抑制することができるセパレータ430を実現することができる。
また、セパレータは、一軸延伸法や二軸延伸法などによって生成されるが、一軸延伸法によって生成されたセパレータ430は、二軸延伸法によって生成されたセパレータよりも亀裂が発生しやすい。このため、亀裂が発生しやすいセパレータ431に高強度領域431aを形成することで、亀裂の発生や進行を抑制することができるセパレータ430を実現することができる。
(変形例1)
次に、本実施の形態の変形例1について説明する。上記実施の形態では、セパレータ430のうちの外側のセパレータ431に高強度領域431aが形成されていることとした。しかし、本変形例では、セパレータ430のうちの内側のセパレータに高強度領域が形成される。
図6は、本発明の実施の形態の変形例1に係る電極体401の構成を示す断面図である。具体的には、同図は、電極体401を図3に示されたA−A断面で切断した場合の断面を拡大して示す図である。
同図に示すように、電極体401が備えるセパレータ430は、外側(Z軸プラス方向)に配置されるセパレータ431と、内側(Z軸マイナス方向)に配置されるセパレータ433とからなる。セパレータ430は、上記実施の形態と同様に、端部対応領域430aと端部非対応領域430b及び430cとを有しているが、端部対応領域430aは高強度領域431a及び433aを有し、端部非対応領域430bは端部非対応領域431b及び433bを有し、端部非対応領域430cは端部非対応領域431c及び433cを有している。
つまり、セパレータ431は、上記実施の形態と同様に、高強度領域431aと端部非対応領域431b及び431cとを有しているが、本変形例では、セパレータ433も、セパレータ431と同様に、高強度領域433aと端部非対応領域433b及び433cとを有している。
ここで、高強度領域433aは、負極420の捲回方向の端部420aに対向する位置に配置された、端部非対応領域433b及び433cよりも気孔率が低い、または引張伸び率が高い領域である。なお、高強度領域433aは、高強度領域431aと同様の構成を有するため、詳細については省略する。
以上のように、本発明の実施の形態の変形例1に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、セパレータ433のみが高強度領域433aを備えており、セパレータ431は高強度領域431aを備えていない構成でもかまわない。
(変形例2)
次に、本実施の形態の変形例2について説明する。上記実施の形態では、負極420の端部420aに対向する位置に高強度領域431aが配置されていることとした。しかし、本変形例では、正極410の端部410aに対向する位置にも高強度領域が配置される。
図7は、本発明の実施の形態の変形例2に係る電極体402の構成を示す断面図である。具体的には、同図は、電極体402を図3に示されたA−A断面で切断した場合の断面を拡大して示す図である。
同図に示すように、電極体402が備えるセパレータ430は、外側(Z軸プラス方向)に配置されるセパレータ431と、内側(Z軸マイナス方向)に配置されるセパレータ434とからなる。セパレータ430は、上記実施の形態と同様に、端部対応領域430aと端部非対応領域430b及び430cとを有しているが、端部対応領域430aは高強度領域431a及び434aを有し、端部非対応領域430bは端部非対応領域431b及び434bを有し、端部非対応領域430cは端部非対応領域431c及び434cを有している。
つまり、セパレータ431は、上記実施の形態と同様に、高強度領域431aと端部非対応領域431b及び431cとを有しているが、本変形例では、セパレータ434は、高強度領域434aと端部非対応領域434b及び434cとを有している。
ここで、高強度領域434aは、正極410の捲回方向の端部410aに対向する位置に配置された、端部非対応領域434b及び434cよりも気孔率が低い、または引張伸び率が高い領域である。なお、高強度領域434aは、高強度領域431aと同様の構成を有するため、詳細については省略する。
以上のように、本発明の実施の形態の変形例2に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、セパレータ434が高強度領域434aを有しているため、正極410の端部410aに形成されたバリなどによって亀裂が発生したり進行したりするのを抑制することができる。
なお、セパレータ434のみが高強度領域434aを備えており、セパレータ431は高強度領域431aを備えていない構成でもかまわない。また、上記変形例1のように、セパレータ434が、負極420の端部420aに対向する位置に高強度領域を有している構成でもかまわない。
(変形例3)
次に、本実施の形態の変形例3について説明する。上記実施の形態では、高強度領域431aは、他部材との溶着領域と独立して存在することとした。しかし、本変形例では、高強度領域は、セパレータの端部と熱溶着された領域である。
図8は、本発明の実施の形態の変形例3に係る電極体403の構成を示す斜視図である。また、図9は、本発明の実施の形態の変形例3に係る電極体403の構成を示す断面図である。具体的には、図9は、図8に示された電極体403をB−B断面で切断した場合の断面を拡大して示す図である。
これらの図に示すように、電極体403は、最外周に配置されるセパレータ435を備えている。そして、セパレータ435の端部435dは、高強度領域435aと熱溶着されている。つまり、高強度領域435aは、負極420の端部420aに対応する位置に配置される端部対応領域のうちのセパレータ435の端部435dと熱溶着された領域である。
つまり、セパレータ435は、端部対応領域の両側に端部非対応領域435b及び435cを有しており、端部非対応領域435bが電極体403の最外周を1周することで、端部435dが端部対応領域上に配置される。
そして、端部435dと端部対応領域とが熱溶着されることにより、端部非対応領域435b及び435cよりも気孔率が低い、または引張伸び率が高い高強度領域435aが形成される。なお、高強度領域435aは、上記実施の形態における高強度領域431aと同様の構成を有するため、詳細については省略する。
なお、電極体403は、一対の円弧状部と平坦部とを有する扁平形状に捲回された巻回型の電極体であり、高強度領域435aは、電極体403の当該平坦部に配置されるように形成されている。
以上のように、本発明の実施の形態の変形例3に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、端部対応領域とセパレータ435の端部435dとが熱溶着されることで、高強度領域435aが形成される。つまり、捲回型の電極体403の製造時には、セパレータ435の最外周を巻きつけて、セパレータ435同士を熱溶着させるが、この場合に、セパレータ435の端部435dを端部対応領域に熱溶着させる。これにより、端部対応領域のうちの当該熱溶着された部分が端部非対応領域435b及び435cよりも強度が高くなるため、容易に高強度領域435aを形成することができる。
(変形例4)
次に、本実施の形態の変形例4について説明する。上記実施の形態では、セパレータ431の巻き終わり部分に高強度領域431aが形成されていることとした。しかし、本変形例では、セパレータの巻き始め部分に高強度領域が形成される。
図10は、本発明の実施の形態の変形例4に係る電極体404の構成を示す斜視図及び断面図である。具体的には、同図は、電極体404の外観を示す斜視図と、電極体404の巻き始め部分をYZ平面で切断した場合の断面を拡大して示す断面図である。また、図11A及び図11Bは、本発明の実施の形態の変形例4に係る電極体の構成を示す断面図である。具体的には、これらの図は、図10の他の変形例を示す図である。
図10に示すように、電極体404は、セパレータ436及び437と負極420と正極410とが、巻き芯500に巻きつけられて形成されている。また、セパレータ436は、巻き始めの端部が、正極410の巻き始めの端部410b及び負極420の巻き始めの端部420bから突出して配置されている。つまり、負極420の端部420bは、正極410の端部410bとセパレータ436の巻き始めの端部との間に配置されている。そして、セパレータ436は、巻き始め部分に、端部対応領域(後述の高強度領域436aに対応する領域)と端部非対応領域436b及び436cとを有している。
ここで、上記実施の形態と同様、端部対応領域は、負極420の端部420bに対応する位置に配置される領域であり、具体的には、負極420の捲回方向の巻き終わりの端部420bに沿って、X軸方向に延びる領域である。また、端部非対応領域436b及び436cは、端部対応領域とは異なる領域であり、具体的には、端部非対応領域436bは、端部対応領域よりもセパレータ436の巻き始めの端部側の領域であり、端部非対応領域436cは、端部対応領域に対して端部非対応領域436bとは逆側の領域である。
そして、端部対応領域に、端部非対応領域436b及び436cよりも気孔率が低い、または引張伸び率が高い領域である高強度領域436aが形成されている。つまり、高強度領域436aは、セパレータ436の巻き始めの端部とは異なる位置に配置された領域である。
つまり、高強度領域436aは、負極420の捲回方向の巻き始めの端部420bに対向する位置に配置された領域であり、負極420の捲回方向の巻き始めの端部420bに沿って、X軸方向に延びる領域である。なお、高強度領域436aは、上記実施の形態における高強度領域431aと同様の構成を有するため、詳細については省略する。
なお、高強度領域436aは、図5に示された熱プレス装置22により熱プレス処理を行うことで、形成することができる。つまり、セパレータ436がカッター23で裁断される前もしくは後に、または裁断されると同時に、熱プレス装置22で端部対応領域内が熱プレス処理されることで、高強度領域436aが形成される。
また、図11Aに示すように、上記の構成に上述の変形例1または2の構成を組み合わせてもかまわない。つまり、セパレータ436よりも外側(同図ではZ軸プラス方向)のセパレータ437に高強度領域437aまたは高強度領域437bが形成されていてもかまわない。ここで、高強度領域437aは、負極420の捲回方向の巻き始めの端部420bに対向する位置に配置された気孔率が低い、または引張伸び率が高い領域であり、高強度領域437bは、正極410の捲回方向の巻き始めの端部410bに対向する位置に配置された気孔率が低い、または引張伸び率が高い領域である。
また、図11Bに示すように、上記の構成に上述の変形例3の構成を組み合わせてもかまわない。つまり、巻き芯500の周囲に配置されている最内周のセパレータ437の熱溶着領域437cと、当該最内周のセパレータ437の外周に配置されるセパレータ436の端部対応領域とを熱溶着することで、高強度領域436aを形成することにしてもよい。例えば、セパレータ437を巻き芯500に溶着させる際に、セパレータ437とセパレータ436とをセパレータ436の端部対応領域の部分で熱溶着させることで、セパレータ437を熱溶着領域437cで巻き芯500に溶着させるとともに、高強度領域436aを形成することができる。また、この構成に、上述の変形例1または2の構成を組み合わせてもかまわない。
以上のように、本発明の実施の形態の変形例4に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、セパレータの巻き始めの部分において、亀裂の発生や進行を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電素子について説明したが、本発明は、この実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。
つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、高強度領域は、熱プレス処理によって形成されることにしたが、高強度領域は、薬品などによって孔を小さくするまたは閉塞する処理を行うことで形成されることにしてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、高強度領域は、端部非対応領域に形成された孔の径よりも小さい径の孔が形成された領域、または孔が閉塞された領域であることにしたが、高強度領域は、端部非対応領域よりも気孔率が低い、または引張伸び率が高い領域であれば、孔の径の大きさはどのようなものであってもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。また、上記実施の形態及びその変形例の部分的な構成を、適宜組み合わせてなる構成であってもよい。例えば、上述したように変形例4に変形例1〜3の構成を組み合わせてなる構成であってもかまわないし、変形例3に変形例1または2の構成を組み合わせてなる構成であってもかまわない。
また、本発明は、このような蓄電素子として実現することができるだけでなく、当該蓄電素子が備える電極体またはセパレータとして実現することもできる。
本発明は、セパレータの端部以外の亀裂が発生しやすい部分においても、当該亀裂の発生や進行を抑制することができる蓄電素子等に適用できる。
10 蓄電素子
21、22 熱プレス装置
23 カッター
100 容器
110 ふた板
120 正極集電体
130 負極集電体
200 正極端子
300 負極端子
400、401、402、403、404 電極体
410 正極
410a、410b 端部
420 負極
420a、420b 端部
430、431、432、433、434、435、436、437 セパレータ
430a 端部対応領域
430b、430c、431b、431c、433b、433c、434b、434c、435b、435c、436b、436c 端部非対応領域
430d、435d 端部
431a、433a、434a、435a、436a、437a、437b 高強度領域
437c 熱溶着領域
500 巻き芯

Claims (11)

  1. 正極と負極とセパレータとが積層されて形成される電極体を備える蓄電素子であって、
    前記セパレータは、前記正極または前記負極の端部に対応する位置に配置される端部対応領域と、前記端部対応領域とは異なる端部非対応領域とを有し、
    前記端部対応領域は、前記端部非対応領域よりも気孔率が低い領域である高強度領域を有する
    蓄電素子。
  2. 正極と負極とセパレータとが積層されて形成される電極体を備える蓄電素子であって、
    前記セパレータは、前記正極または前記負極の端部に対応する位置に配置される端部対応領域と、前記端部対応領域とは異なる端部非対応領域とを有し、
    前記端部対応領域は、前記端部非対応領域よりも引張伸び率が高い領域である高強度領域を有する
    蓄電素子。
  3. 前記セパレータは、端部が、前記正極及び前記負極の端部から突出して配置され、
    前記高強度領域は、前記セパレータの端部とは異なる位置に配置されている
    請求項1または2に記載の蓄電素子。
  4. 前記高強度領域は、2つの前記端部非対応領域の間に配置される
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  5. 前記負極の端部は、前記正極の端部と前記セパレータの端部との間に配置されており、
    前記高強度領域は、前記負極の端部に対向する位置に配置されている
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  6. 前記高強度領域は、前記端部対応領域を熱処理することで形成された領域である
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  7. 前記電極体は、前記正極と前記負極と前記セパレータとが捲回されて形成されており、
    前記端部対応領域は、前記正極または前記負極の捲回方向の端部に対応する位置に配置される領域である
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  8. 前記電極体は、一対の円弧状部と、平坦部と、を有する扁平形状に捲回され、
    前記高強度領域は、前記平坦部に配置されている
    請求項7に記載の蓄電素子。
  9. 前記高強度領域は、前記端部対応領域のうちの前記セパレータの端部と熱溶着された領域である
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  10. 正極と負極とセパレータとが積層されて形成される電極体を備える蓄電素子の製造方法であって、
    前記セパレータは、前記正極または前記負極の端部に対応する位置に配置される端部対応領域と、前記端部対応領域とは異なる端部非対応領域とを有し、
    前記蓄電素子の製造方法は、
    前記端部対応領域に、前記端部非対応領域よりも気孔率が低い領域である高強度領域を形成する高強度領域形成工程を含む
    蓄電素子の製造方法。
  11. 正極と負極とセパレータとが積層されて形成される電極体を備える蓄電素子の製造方法であって、
    前記セパレータは、前記正極または前記負極の端部に対応する位置に配置される端部対応領域と、前記端部対応領域とは異なる端部非対応領域とを有し、
    前記蓄電素子の製造方法は、
    前記端部対応領域に、前記端部非対応領域よりも引張伸び率が高い領域である高強度領域を形成する高強度領域形成工程を含む
    蓄電素子の製造方法。
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