JPH10330135A - セメントクリンカー及びセメント組成物 - Google Patents
セメントクリンカー及びセメント組成物Info
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- C04B7/02—Portland cement
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Abstract
流動コンクリート、無収縮コンクリート、高耐久性コン
クリート等の土木,建築分野や、押し出し成形、抄造等
による建材用等とに用いられるセメントの改良に関し、
高強度・高流動コンクリートの強度をさらに増大させる
ために、セメントの流動性向上並びに長期強度を維持し
ながら水和熱を抑制することを課題とする。 【解決手段】 セメントクリンカー中のAl2O3とFe
2O3を、Al2O3/Fe 2O3比で、0.05〜0.62としたこ
とを特徴とする。
Description
ー及び、そのセメントクリンカーを含有したセメント組
成物、さらに詳しくは、マスコンクリート、高強度コン
クリート、高流動コンクリート、無収縮コンクリート、
高耐久性コンクリート等の土木,建築分野や、押し出し
成形、抄造等による建材用等に用いられるセメントの改
良に関するものである。
の推進とともに、セメントに対するニーズも多様化、複
合化してきている。
なコンクリート構造物、いわゆるマスコンクリートに
は、セメントの硬化過程で発生するセメントの水和発熱
に基づく温度応力低減のため、各種の混合セメントや中
庸熱セメント、低熱ポルトランドセメント等の、低発熱
型のセメントが使用されてきた。
いる、高強度・高流動コンクリートの分野においても、
単位セメント量の増加や大量施工によるマスコンクリー
ト化への対応から、結合材として高炉スラグやシリカフ
ォームを用いた混合系に代わって、低熱ポルトランドセ
メントが使用されるようになってきた。
ている低熱ポルトランドセメントを高強度・高流動コン
クリートに使用する場合には、コンクリートの流動性確
保という観点から、水セメント比が25%程度までしか低
減できず、材齢91日の圧縮強度も100N/mm2 程度であっ
た。
ランドセメントや高炉セメント等に比べ、初期強度が低
いという問題点を有している。この問題点を解決するた
めに、初期強度増進のための粉末度を増大させ、またS
O3量を増加させるといった対応がとられている。或い
はセメントクリンカーの組成は変更せずに、粉末度増加
やSO3量増加に加え、フライアッシュや高炉スラグ等
を混合することも行われている。
は、強度の向上には寄与するものの、水和発熱量が増大
し、またセメントの流動性が低下するという問題点があ
った。
合した場合、このフライアッシュ等がコンクリート中の
混和剤を吸着するという問題点があった。
ートの強度をさらに増大させるためには、セメントを含
めた結合材全体の流動性を向上させ、コンクリートの流
動性を保持したまま、さらに単位水量を削減すること、
或いはセメントを含めた結合材全体の水和発熱量を抑制
し、結合材の強度発現性を向上させることが必要であ
る。
するものであり、一方を向上させると他方が低下すると
いう関係にある。従って、この2つの課題を同時に解決
することは容易ではない。それに加えて、水和発熱量を
低下するという課題までも達成するのは困難であり、こ
れらの課題をすべて解決することは従来の技術では困難
となっていた。
強度をさらに増大させるために、セメントの流動性向上
並びに長期強度を維持しながら水和熱を抑制するという
課題を同時に達成しようとするものである。
題を解決せんとするもので、その課題を解決するための
手段は、セメントクリンカー中のAl2O3とFe2O
3を、Al2O3/Fe2O3比で、0.05〜0.62としたこと
にある。
く、水和発熱量も多いことが知られており、中庸熱ポル
トランドセメントや低熱ポルトランドセメントを製造す
る場合、C3Aを普通ポルトランドセメントの9重量%
程度から、2〜4重量%程度に減少させている。
ボーグ式で計算した場合の間隙質は、フェライト(C4
AF)のみとなり、C3Aが計算上生成しなくなる。
隙質はC6AF2さらにはC2F組成のフェライトへと変
化していく。
量も多いC3Aの低減効果ばかりでなく、コンクリート
にする場合に混和剤の吸着量が多いC3Aを無くすこと
により、流動性の向上が可能となる。
成がC4AFからC6AF2と変化するにつれ、セメント
の水和発熱量が低下し、流動性が向上する。
る効果以上に、セメントクリンカーのIMを低減するこ
とによるフェライト組成の変更が、課題解決の有効手段
であることが本発明により明らかとなった。
(IM=0付近)では、モルタル圧縮強さの伸びが不十
分であることから、IMの下限値を0.05に設定した。こ
れは、C2Sへの微量成分固溶量の変化による影響に加
え、セメントクリンカー中のAl2O3量が少なくなるこ
とにより、C2Sの結晶が大きくなり、セメントへの粉
砕過程でC2Sが粉砕されにくくなることも原因の1つ
と考えられる。
調合し、電気炉にて1450℃で1時間焼成後、電気炉より
取り出して空気中で急冷して、表1〜3に示す実施例1
〜12の組成のクリンカー、及び比較例1〜9の組成のク
リンカーを得た。
の組成のクリンカーに、SO3量で2重量%となるよう
に石膏を添加し、テストミルで混合粉砕することによっ
て、C3S量及びIMの異なるセメント21種を調製し
た。
2900〜3000cm2/g とした。
ンカーについて、水和熱とモルタル圧縮強さを測定し、
その比を算出した。
995に基づいて行った。
のR5201−1992に基づいて行った。
〜12では比較例1〜9に比べて水和熱/モルタル圧縮強
さの比が小さく、水和熱発生の抑制効果が認められた。
ル圧縮強さの比は、図1〜3にも示すように、C3S量
が 15 重量%程度、 35 重量%程度、及び55重量%程度
のいずれの場合にもIM0.05〜0.62の範囲内で小さくな
った。
ついてフローとパットエリアを測定した。
カー200ml の中へ約10秒間でセメント200gを投入し、ハ
ンドミキサーで1分50秒間激しく攪拌してペーストを調
整した。
たミニスランプコーンにスプーンで流し込み、マイクロ
スパッチュラでミニスランプコーン内のペーストをよく
かき混ぜた後、上面をならし、セメント投入開始から3
分後にミニスランプコーンを引き上げた。
径及び長径を測定し、パットエリアを算出した。
1992に基づいて行った。
たフローテーブル上の中央の位置に正しく置いたフロー
コーンに2層に詰める。各層は、突き棒の先端がその層
の約1/2 の深さまで入るよう、全面にわたって各15回突
き、最後に不足分を補い表面をならす。
り、15秒間に15回の落下運動を与え、試料が広がった後
の径を最大と認める方向と、これに直角な方向とで測定
し、その平均値をmmを単位とする整数で表し、これをフ
ロー値とした。
3、すなわちC3S量が15重量%程度のビーライトセメ
ントについての結果を示した。
ー、パットエリアともに大きくなったが、これは図4及
び図5により明確に現れている。
るパットエリアは、IM0.62付近で著しく増加した。従
って、実施例1〜4と比較例1,2とに著しい相違が見
られた。
〜6、すなわちC3S量が 35 重量%程度の低熱から中
庸熱タイプのセメントの結果を示した。
場合)においても、図6及び図7に示すように、IM0.
05〜0.62の範囲内でモルタルフロー、パットエリアとも
に大きくなり、特にパットエリアは、IM0.62付近で著
しく増加した。従って、実施例5〜8と比較例4,5と
に著しい相違が見られた。
ントタイプの結果を表12の実施例9〜12、比較例7〜9
に示した。
場合)においても、図8及び図9に示すようにIM0.05
〜0.62の範囲内でモルタルフロー、パットエリアともに
大きく、パットエリアはIM0.62付近で著しく増加し
た。従って、実施例9〜12と比較例7,8とに著しい相
違が見られた。
組成を、Al2O3/Fe2O3比で、0.05〜0.62としたた
め、セメントの流動性向上並びに長期強度を維持しなが
ら水和熱を抑制するという従来解決できなかった課題を
同時に解決しうるに至った。
トの問題点やフライアッシュ等を添加する場合の問題点
を解決することができ、高強度・高流動コンクリートに
適したクリンカー組成物を提供しうるに至った。
重量%程度)との関係を示すグラフ
重量%程度)との関係を示すグラフ
重量%程度)との関係を示すグラフ。
量%程度)を示すグラフ。
%程度)を示すグラフ。
量%程度)を示すグラフ。
%程度)を示すグラフ。
量%程度)を示すグラフ。
%程度)を示すグラフ。
Claims (2)
- 【請求項1】 セメントクリンカー中のAl2O3とFe
2O3を、Al2O3/Fe2O3比で、0.05〜0.62としたこ
とを特徴とするセメントクリンカー。 - 【請求項2】 セメントクリンカー中のAl2O3とFe
2O3を、Al2O3/Fe2O3比で、0.05〜0.62としたセ
メントクリンカーを含有することを特徴とするセメント
組成物。
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