JPH10330038A - 連続繊維束の巻取り装置 - Google Patents
連続繊維束の巻取り装置Info
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Abstract
を巻取るためのボビンとの相対的な位置関係に制約を生
ずることがなく、繊維をしごいて毛羽立ちを生ずること
がないようにした炭素繊維ストランドの巻取り装置を提
供することを目的とする。 【解決手段】断面が偏平なリボン状の炭素繊維束をフレ
ーム41上の一組の円錐状ガイド43、44によってほ
ぼ直角にひねるとともに、その下側に配されている円筒
状ガイド47、48によって押えながらボビン36の軸
線方向にトラバースさせ、このボビン36上に巻取って
パッケージ28を形成する。
Description
装置に係り、とくに断面が偏平なリボン状の連続繊維束
をボビンに巻取るようにした連続繊維束の巻取り装置に
関する。
て各種の繊維強化複合樹脂を成形する場合には、薄物の
プリプレグが使用される。薄物のプリプレグは、開繊性
に優れた断面が偏平なリボン状の炭素繊維ストランドを
用いるようにし、このような炭素繊維ストランドに樹脂
を含浸させて製造される。
の炭素繊維ストランドは、断面が偏平なリボン状の炭素
繊維ストランドをボビンに巻取るようにしている。この
ように断面が偏平なリボン状の連続繊維束をボビンに巻
取るために、従来は例えば実公平7−5096号公報に
記載されているようなガイドを用い、このようなガイド
をワインダのトラバース機構に取付けるようにしてい
た。
公報に記載されているガイドは、一組の円筒状をなす平
行ガイド間にU字状の凹部を有するガイドバーを配する
ようにしたものであって、一組の平行ガイド間を走行す
る炭素繊維束をガイドバーによってしごきながらボビン
で巻取るようにしていた。
の炭素繊維束の張力を高めた場合に、ガイドバーで繊維
がしごかれて毛羽立ちを生ずる可能性があるという問題
がある。またこのようなガイド機構を用いた巻取り装置
は、平行ガイドとボビンとが平行であって、炭素繊維束
をガイドへ導くためのローラの軸線とボビンとが平行な
場合にはとくに問題ないが、炭素繊維束をガイドへ導く
ためのローラの軸線とボビンの軸線とが互いに直角に交
差するようにねじれている場合には、このような機構を
用いると連続繊維束に仮撚りを生ずる可能性があった。
たものであって、連続繊維束に毛羽立ちを生ずることが
なく、また供給される連続繊維束の姿勢とボビンの軸線
との位置関係に制限を生ずることのないようにした連続
繊維束の巻取り装置を提供することを目的とする。
リボン状の連続繊維束をボビンに巻取るようにした連続
繊維束の巻取り装置において、軸線が空間上で互いにね
じれた位置関係にある一組の錐状ガイドと、前記ボビン
とほぼ平行な軸線を有する平行ガイドと、をそれぞれ具
備し、前記一組の錐状ガイドによってリボン状の連続繊
維束をひねって前記平行ガイドに導き、該平行ガイドで
前記連続繊維束の走行位置および連続繊維束の幅を安定
化させて前記ボビンに巻取るようにしたことを特徴とす
る連続繊維束の巻取り装置に関するものである。
状の連続繊維束をほぼ直角にひねるようにしてよい。ま
た前記一組の錐状ガイドと前記平行ガイドとが共通の支
持手段によって支持されるとともに、トラバース機構に
よって前記ボビンの軸線方向と平行な方向に前記ボビン
のほぼ全長に沿って往復動するようにしてよい。あるい
はまた前記一組の錐状ガイドと前記平行ガイドとがとも
に回転するガイドから構成されていてよい。さらにはま
た前記連続繊維が炭素繊維であってよい。
各種の繊維が用いられるが、炭素繊維のように剛直で、
伸度が低いものが好ましく利用できる。炭素繊維は、例
えばポリアクリルニトリル繊維がまず耐炎化され、さら
に不活性ガス中で高温の焼成を行なうことによって得ら
れる。
ためには、各種方法が用いられる。例えば、特公平6−
65787号公報にあるように、炭素繊維ストランドに
サイジング剤を含浸し、熱ローラで押圧乾燥する方法を
用いることができる。そしてこのようなリボン状の炭素
繊維束がワインダで巻取られ、パッケージが形成され
る。なおこのようなパッケージは炭素繊維プリプレグの
製造に供される。
パッケージ28の形成のための機構を示しており、リボ
ン状の炭素繊維束は、溝付きローラ26を経由してボビ
ン36に巻取られ、これによってパッケージ28を形成
するようにしている。
改善するために、溝付きローラ26の軸線とボビン36
の軸線とが空間上で互いに直角にねじれるように配置さ
れている。そして溝付きローラ26の溝37によってそ
れぞれ分割された炭素繊維の繊維束はトラバース機構5
7によってボビン36の全長にわたってトラバース(綾
振り)されるようになっており、これによってきれいな
巻上がり形状のパッケージ28を得るようにしている。
モータ34によって駆動軸35を介してそれぞれ独立に
回転駆動されるようになっている。
する。図3〜図5に示すように、このトラバース機構5
7のガイドはフレーム41上に取付けられるようになっ
ている。フレーム41上にはその上側の部分に一組の円
錐状ガイド43、44がそれらの軸線が空間上において
互いにほぼ直角にねじれた位置関係となるように配置さ
れている。なおこれらの円錐状ガイド43、44はとも
にフレーム41に植設された支軸45、46にベアリン
グを介して回転可能に支持されている。
状ガイド44の軸線と平行な軸線を有する2本の円筒状
ガイド47、48、が配されている。これらのガイド4
7、48はそれぞれフレーム41に植設されている支軸
50、51にベアリングを介して回転可能に支持される
ようになっている。
120°、好ましくは60°〜90°の範囲内のものが
2個以上組合わされて使用される。また円錐状ガイド4
3、44は頂角が同一のものを使用しても異なる角度の
ものを組合わせて使用してもよい。
付けられており、このような案内子55がフレームガイ
ド58上を摺動可能に移動するように係合されている。
またフレーム41の下端側には背面側へ突出する係合突
起63が設けられており、この係合突起63がトラバー
ス機構57に係合されるようになっている。すなわちフ
レーム41はフレームガイド58とトラバース機構57
とによって2点支されている。
と、このトラバース機構57と係合突起63を介して係
合されているフレーム41がフレームガイド58に沿っ
てボビン36の軸線方向にその全長にわたって往復運動
することになり、これによってトラバース運動(綾振り
動作)が行なわれることになる。
3、44と円筒状ガイド47、48とがそれぞれ設けら
れており、これらのガイドによって断面がほぼリボン状
になっている炭素繊維束を案内することになる。ここで
リボン状をなす炭素繊維の繊維束は円錐状ガイド43の
上部側においては、ボビン36の軸線と直角の姿勢にな
っている。
3、44によってほぼ直角にひねられるようになり、こ
の繊維束の断面がボビン36の軸線と一致した姿勢にな
る。このような状態において2本の円筒状ガイド47、
48によって押えられ、炭素繊維束の走行位置にズレが
なく、また炭素繊維束に撚りやめくれが入らずに幅の大
きさが一定の状態でトラバースしながらボビン36上に
巻取られることになり、これによって円筒状をなすパッ
ケージ28がボビン36の外周面上に形成される。
組の円錐状ガイド43、44によって、断面が偏平なリ
ボン状をなす連続繊維束を任意の角度にひねることが可
能になり、このためにリボン状をなす連続繊維束を供給
する溝付きローラ26の軸線とボビン36の軸線とが交
差するようにねじれた位置関係にあっても、撚りが入ら
ずに安定した状態で支障なくボビン36で巻取ることが
可能になる。従って溝付きローラ26とボビン36の軸
線の相対的な位置関係を任意に配置することが可能にな
り、これによって炭素繊維束の巻取り装置のスペースフ
ァクタを大幅に改善し、小さなスペースで多くのパッケ
ージ28を一度に製造することが可能になる。
および円筒状ガイド47、48は何れも回転可能に支持
されており、回転するガイドから構成されている。従っ
てこれらのガイド43、44、47、48によって炭素
繊維束を構成する炭素繊維がしごかれることがない。従
ってこのことから、しごきによる炭素繊維束の毛羽立ち
が発生しなくなる。すなわち高い平行度を保ちながらし
かも開繊性に優れた連続繊維束を良好な形態で巻取るこ
とが可能になる。このような巻取り装置によれば、高品
質のプリプレグを製造するためのパッケージ28を提供
することが可能になる。
いてトラバース機構57と組合わせることによって、ト
ラバース動作に伴ってボビン36の長さ方向の両端部に
おける方向転換の際においても、炭素繊維束は2本の円
筒状ガイド47、48によって安定に押えられるため
に、パッケージ28の両端部において撚りが発生したり
ストランドの幅が減少したりすることが防止されるとい
う顕著な特徴を有している。
る。この実施の形態は3本の円錐状ガイド43、44、
67と3本の円筒状ガイド47、48、68とによって
ガイド機構を構成するようにしたものである。円錐状ガ
イド44と3本の円筒状ガイド47、48、68はフレ
ーム41上に直立して設けられている支軸によってベア
リングを介して回転自在に支持されている。これに対し
てフレーム41に対して135°屈曲した折曲げ部分6
9上に直立するように設けられている支軸によって円錐
状ガイド67が回転自在に支持されている。そして折曲
げ部分69に対して135°屈曲された先端側の折曲げ
部分70に直立して植設されている支軸によってベアリ
ングを介して円筒状ガイド43が回転自在に支持される
ようになっている。
状をなす連続繊維束を構成する炭素繊維ストランド30
が円錐状ガイド43、44、67によって案内されなが
らその面の角度を変更することになる。そしてこの後に
3本の円筒状ガイド47、48、68によって連続繊維
束30の走行位置および連続繊維束30の幅を安定化さ
せた状態で巻取るようにしている。従ってこのような形
態においても、上記の形態と同様の作用効果を奏するこ
とが可能になる。
作所製のEKTW−C型ワインダのトラバースガイドと
して用いた。なおここで円錐状ガイド43、44とし
て、頂角が60°の梨地メッキを表面に施した鋼製のガ
イドを用いた。また円筒状ガイド47、48として、直
径が15mmの梨地メッキを表面に施した鋼製の回転ガ
イドを用いた。
ンドを直径80mmの紙製ボビン36に巻取った。なお
このときのトラバース幅を250mmにした。炭素繊維
ストランドは、直径が7μmの炭素繊維フィラメント1
2000本から成る連続繊維束であって、ストランド幅
が6mmでストランドの厚さが0.1mmのリボン状に
なっており、このような炭素繊維ストランドを10m/
分の速度で5000m巻取った。巻取られたストランド
はトラバースの両端において仮撚りおよび耳折れを生ず
ることなく、良好な形態を保った。またこのときのスト
ランド幅のCV値は5%であった。
互いにねじれた位置関係にある一組の錐状ガイドと、ボ
ビンとほぼ平行な軸線を有する平行ガイドと、をそれぞ
れ具備し、一組の錐状ガイドによってリボン状の連続繊
維束をひねって平行ガイドに導き、該平行ガイドで連続
繊維束の走行位置および連続繊維束の幅を安定化させて
ボビンに巻取るようにしたものである。
れた位置関係にある一組の錐状ガイドによって、供給さ
れた断面が偏平なリボン状の連続繊維束を任意の姿勢に
ひねることが可能になり、これによってボビンの軸線方
向を任意に設定することが可能になるとともに、巻取り
装置のスペースファクタを改善することが可能になる。
繊維束をほぼ直角にひねるようにした構成によれば、リ
ボン状をなす連続繊維束の供給ローラに対してボビンの
軸線をほぼ直角に交差するようにねじった位置関係に配
することが可能になる。
支持手段によって支持されるとともに、トラバース機構
によってボビンの軸線方向と平行な方向にボビンのほぼ
全長に沿って往復動するようにした構成によれば、断面
が偏平なリボン状をなす連続繊維束をボビンの長さ方向
にトラバースさせながら整然と巻取ることが可能にな
る。
回転するガイドから構成されている場合には、錐状ガイ
ドと平行ガイドの何れによっても連続繊維束を構成する
繊維がしごかれることがなく、これによって繊維の毛羽
立ちが防止される。
断面が偏平なリボン状をなす炭素繊維ストランドをボビ
ン上に巻取ることが可能になり、このような炭素繊維ス
トランドによって高品質の炭素繊維プリプレグやフィラ
メントワインド製品を製造することが可能になる。また
このようにして得られた安定した広幅のストランドを使
用し、製織することによって、薄物の織物を作ることが
できる。
る。
図である。
Claims (5)
- 【請求項1】断面が偏平なリボン状の連続繊維束をボビ
ンに巻取るようにした連続繊維束の巻取り装置におい
て、 軸線が空間上で互いにねじれた位置関係にある一組の錐
状ガイドと、 前記ボビンとほぼ平行な軸線を有する平行ガイドと、 をそれぞれ具備し、 前記一組の錐状ガイドによってリボン状の連続繊維束を
ひねって前記平行ガイドに導き、該平行ガイドで前記連
続繊維束の走行位置および連続繊維束の幅を安定化させ
て前記ボビンに巻取るようにしたことを特徴とする連続
繊維束の巻取り装置。 - 【請求項2】前記一組の錐状ガイドによって前記リボン
状の連続繊維束をほぼ直角にひねるようにしたことを特
徴とする請求項1に記載の連続繊維束の巻取り装置。 - 【請求項3】前記一組の錐状ガイドと前記平行ガイドと
が共通の支持手段によって支持されるとともに、トラバ
ース機構によって前記ボビンの軸線方向と平行な方向に
前記ボビンのほぼ全長に沿って往復動することを特徴と
する請求項1に記載の連続繊維束の巻取り装置。 - 【請求項4】前記一組の錐状ガイドと前記平行ガイドと
がともに回転するガイドから構成されていることを特徴
とする請求項1に記載の連続繊維束の巻取り装置。 - 【請求項5】前記連続繊維が炭素繊維であることを特徴
とする請求項1に記載の連続繊維束の巻取り装置。
Priority Applications (1)
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Publications (2)
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ID=15661627
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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1997
- 1997-05-30 JP JP15798097A patent/JP3698227B2/ja not_active Expired - Lifetime
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