JPH10329553A - 鞍乗型車両用駆動装置 - Google Patents

鞍乗型車両用駆動装置

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JPH10329553A
JPH10329553A JP15738697A JP15738697A JPH10329553A JP H10329553 A JPH10329553 A JP H10329553A JP 15738697 A JP15738697 A JP 15738697A JP 15738697 A JP15738697 A JP 15738697A JP H10329553 A JPH10329553 A JP H10329553A
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JP
Japan
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crankcase
cylinder
crankshaft
engine
shaft
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JP15738697A
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English (en)
Inventor
Kazutaka Fukuda
和孝 福田
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動装置を車幅方向でコンパクトにさせて、
車両の車幅を小さくさせ、車両への鞍乗が容易にできる
ようにする。 【解決手段】 車体2に搭載されたエンジン21がクラ
ンクケース28と、このクランクケース28に支承され
るクランク軸30と、上記クランクケース28から突出
するシリンダ31とを備え、このシリンダ31から吸気
管39と排気管41とを延出させる。上記クランク軸3
0をその軸心29が前後方向に延びるよう配設する。上
記シリンダ31を上記クランクケース28から上方に向
って突出させる。上記吸気管39と排気管41とを上記
クランクケース28の車幅方向における幅内に配設す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関であるエ
ンジンを備えた鞍乗型車両用駆動装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】上記鞍乗型車両用駆動装置には、従来、
特開平7‐195949号公報で示されたものがある。
【0003】これによれば、車体に搭載されたエンジン
がクランクケースと、このクランクケースに支承される
クランク軸と、上記クランクケースから突出するシリン
ダとを備え、このシリンダから吸気管と排気管とが延出
させられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記吸気管
と排気管とは、通常、上記シリンダの後方に向うようこ
のシリンダから延出させられるが、これらを単に延出さ
せると、上記吸気管と排気管とが上記クランクケースの
外側方に突出して、上記駆動装置の幅寸法が大きくなる
おそれがあり、これは、車両の幅寸法を大きくさせて、
この車両への鞍乗をしにくくさせることとなり、好まし
くない。
【0005】また、上記構成において、上記クランクケ
ースに連設されると共にこのクランクケースの一側方に
突出する変速装置の変速ケースを設けた場合には、上記
駆動装置の幅寸法が更に大きくなるおそれがある。
【0006】また、上記エンジンを4サイクルエンジン
としてそのシリンダの突出部に動弁機構を設け、この動
弁機構が上記クランク軸と平行に延びるカム軸と、上記
クランク軸に取り付けられる駆動鎖車と、上記カム軸の
一端部に取り付けられる従動鎖車と、上記駆動鎖車と従
動鎖車とに巻き掛けられる動伝チェーンとを備えた場
合、上記4サイクルを得る上で、従動鎖車は駆動鎖車よ
りもピッチ径が2倍あって、径寸法が大きいものである
ため、上記従動鎖車の側方に吸気管および/もしくは排
気管を配設させると、上記駆動装置の幅寸法が極めて大
きくなるおそれがある。
【0007】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、駆動装置を車幅方向でコンパクトにさせ
て、車両の車幅を小さくさせ、車両への鞍乗が容易にで
きるようにすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の鞍乗型車両用駆動装置は、次の如くである。
【0009】請求項1の発明は、車体2に搭載されたエ
ンジン21がクランクケース28と、このクランクケー
ス28に支承されるクランク軸30と、上記クランクケ
ース28から突出するシリンダ31とを備え、このシリ
ンダ31から吸気管39と排気管41とを延出させた場
合において、
【0010】上記クランク軸30をその軸心29が前後
方向に延びるよう配設し、上記シリンダ31を上記クラ
ンクケース28から上方に向って突出させ、上記吸気管
39と排気管41とを上記クランクケース28の車幅方
向における幅内に配設したものである。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明に加え
て、上記クランクケース28に連設されると共にこのク
ランクケース28の一側方に向って突出する変速装置2
2の変速ケース75を設けた場合において、
【0012】上記シリンダ31を上記クランクケース2
8から上方に向って、かつ、上記変速ケース75側に向
って傾斜するよう突出させたものである。
【0013】請求項3の発明は、請求項1、もしくは2
の発明に加えて、上記エンジン21を4サイクルエンジ
ンとしてそのシリンダ31の突出部に動弁機構50を設
け、この動弁機構50が上記クランク軸30と平行に延
びるカム軸50bと、上記クランク軸30に取り付けら
れる駆動鎖車50gと、上記カム軸50bの一端部に取
り付けられる従動鎖車50hと、上記駆動鎖車50gと
従動鎖車50hとに巻き掛けられる動伝チェーン50i
とを備え、上記吸気管39および/もしくは排気管41
を前後方向で上記従動鎖車50hから遠ざかる方向に向
うよう上記シリンダ31から延出させたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。
【0015】(第1の実施の形態)
【0016】図1〜9は、第1の実施の形態を示し、こ
れは請求項1、3に対応している。
【0017】図2、3において、符号1は鞍乗型車両
で、矢印Frはその前方を示している。また、下記する
左右とは、上記車両1の正面視での(図1、3、4に向
っての)車幅方向をいうものとする。
【0018】上記車両1の車体2の前部には、左右一対
の前車輪3,3が懸架され、上記車体2の後部には、左
右一対の後車輪4,4が懸架され、これら各車輪3,4
によって、上記車体2が走行面5上に支持されている。
【0019】上記車体2の前後方向の中途部に鞍乗型の
シート6が支持されている。このシート6に着座した、
ライダーがその足を載せるフートステップ7が上記シー
ト6の各外側下方に設けられている。上記シート6に着
座したライダーが操作可能とされるハンドル8が上記車
体2の前部に操向自在に支承され、上記ハンドル8に上
記前車輪3,3が連動連結されている。上記シート6と
ハンドル8の間で上記車体2に燃料タンク9が支持され
ている。また、上記車体2は、上記前車輪3,3を覆う
前フェンダ10と、上記後車輪4,4を覆う後フェンダ
11とを有している。
【0020】上記左右の前車輪3,3は前差動装置14
で互いに連結されている。また、上記左右の後車輪4,
4は後差動装置15で互いに連結されている。
【0021】上記車体2の前部に、車両1の走行用駆動
装置17が搭載されている。この駆動装置17に上記両
前車輪3,3が、上記前差動装置14と前プロペラ軸1
8とを介し連動連結されている。また、上記駆動装置1
7に上記両後車輪4,4が、上記後差動装置15と後プ
ロペラ軸19とを介し連動連結されている。即ち、上記
車両1は前、後車輪3,4による4輪駆動車とされてい
る。
【0022】図1〜7において、上記駆動装置17は、
車両走行駆動用の内燃機関である4サイクル単気筒エン
ジン21と、このエンジン21からの動力を変速させて
出力する変速装置22と、上記エンジン21と変速装置
22との間に介設される遠心クラッチ23と、上記変速
装置22の出力を上記各車輪3,4側に伝達させる歯車
噛合式の動力伝達装置24とを備え、この動力伝達装置
24は上記各プロペラ軸18,19と連結された出力軸
25を有し、この出力軸25は上記変速装置22の出力
を入力して、上記各プロペラ軸18,19と、各差動装
置14,15を介し上記車輪3,4に伝達させる。な
お、上記エンジン21は2サイクルであってもよい。
【0023】図1、4〜9において、上記エンジン21
は、車体2の前部に支持された前後二分割のクランクケ
ース28と、前後方向にほぼ水平に延びる軸心29回り
に回転自在となるよう上記クランクケース28内でこの
クランクケース28に支承されるクランク軸30と、上
記クランクケース28から上方に向ってほぼ垂直に突出
するシリンダ31とを備え、上記エンジン21はいわゆ
る縦置き式とされている。このシリンダ31内には、軸
心33がほぼ垂直なシリンダ孔34が形成されている。
このシリンダ孔34にピストン35が軸方向に摺動自在
に嵌入され、このピストン35と上記クランク軸30と
が連接棒36により互いに連動連結されている。
【0024】上記シリンダ孔34内のピストン35より
も上側の部分が燃焼室38とされ、この燃焼室38に放
電部が臨む点火プラグ37が設けられ、この点火プラグ
37は上記シリンダ31の突出端に取り付けられてい
る。上記シリンダ31の後方の外部を上記燃焼室38に
連通させる吸気管39が設けられ、この吸気管39の中
途部に駆動装置17の構成部品である気化器40が取り
付けられている。この気化器40には前記燃料タンク9
から燃料が供給される。また、上記燃焼室38をシリン
ダ31の後方の外部に連通させる排気管41が設けられ
ている。
【0025】上記の場合、エンジン21のシリンダ31
はクランクケース28の車幅方向における幅内に収めら
れている。一方、上記吸気管39と排気管41とは、そ
れぞれ上記シリンダ31の左右の各側部から一旦外側方
に突出した後、後方に折り曲げられ、ここから、上記シ
リンダ31の後方に向って互いにほぼ平行に延出してい
る。これら吸気管39と排気管41は、上記クランクケ
ース28の車幅方向における幅内に配設され、かつ、上
記シート6を支持している車体2の左右一対のシートレ
ール2a,2aの幅内に配設されている。このため、上
記車体2、エンジン21のクランクケース28とシリン
ダ31、吸気管39、および排気管41の組み立て体、
および駆動装置17は車幅方向でコンパクトに構成され
ている。
【0026】上記エンジン21の駆動時には、上記吸気
管39と気化器40とを通って、上記燃焼室38に外部
の空気42が吸入される。このとき、上記気化器40
で、上記空気42に燃料が混入されて混合気43が生成
される。この混合気43が上記燃焼室38に吸入される
と共に、ここで燃焼させられて、この燃焼による熱エネ
ルギーが動力に変換され、この動力が上記クランク軸3
0を介して出力されるようになっている。
【0027】また、上記燃焼により生じた燃焼ガスは、
上記排気管41を通し排気44として、上記車体2の後
方に排出されるようになっている。
【0028】図1、4〜7において、上記エンジン21
につき、より詳しく説明する。
【0029】上記シリンダ31は、上記クランクケース
28から上方に向い突出して上記シリンダ孔34を有す
るシリンダ本体31aと、このシリンダ本体31aの突
出端に取り付けられて上記シリンダ孔34の上端の開口
を閉じるシリンダヘッド31bと、このシリンダヘッド
31bの上面側に取り付けられるシリンダヘッドカバー
31cとを有している。
【0030】上記燃焼室38に上記空気42を吸入させ
る吸気系装置45が設けられている。この吸気系装置4
5は、上記シリンダ31の一側方の外部を上記燃焼室3
8に連通させる吸気通路45aと、この吸気通路45a
を開閉自在とする吸気弁45bと、上記吸気通路45a
を閉じるように上記吸気弁45bを付勢させるばね45
cとを有し、上記吸気通路45aに前記吸気管39が連
通させられている。
【0031】上記燃焼室38から上記排気44を排出さ
せる排気系装置46が設けられている。この排気系装置
46は、上記燃焼室38を上記シリンダ31の他側方の
外部に連通させる排気通路46aと、この排気通路46
aを開閉自在とする排気弁46bと、上記排気通路46
aを閉じるように上記排気弁46bを付勢させるばね4
6cとを有し、上記排気通路46aは前記排気管41に
連通させられている。
【0032】上記吸気弁45bと排気弁46bとを開閉
弁動作させる動弁機構50が上記シリンダ31の突出部
に設けられている。この動弁機構50は、上記シリンダ
ヘッド31bの上面側とシリンダヘッドカバー31cと
で囲まれた空間の動弁室50aと、上記クランク軸30
と平行に延びてその軸心回りに回転自在となるよう上記
シリンダヘッド31bに支承されるカム軸50bと、こ
のカム軸50bに平行に並設され上記シリンダヘッド3
1bに支持される左右一対の枢支軸50cと、これら各
枢支軸50cに揺動自在に枢支される左右一対のロッカ
アーム50dとを有し、上記吸気弁45bと排気弁46
bは、上記各ロッカアーム50dを介し上記カム軸50
bにカム係合させられ、上記した動弁機構50の各構成
部品50b,50c,50dは上記動弁室50aに収納
させられている。
【0033】上記動弁機構50は、上記クランク軸30
に上記カム軸50bを連動連結させる巻掛伝動手段50
fを有している。この巻掛伝動手段50fは、上記クラ
ンク軸30にその軸心29上に取り付けられる駆動鎖車
50gと、上記カム軸50bの一端部である前端部にそ
の軸心上に取り付けられる従動鎖車50hと、上記駆動
鎖車50gと従動鎖車50hとに巻き掛けられる動伝チ
ェーン50iとを備えている、この動伝チェーン50i
は不図示のテンショナーによって、車幅方向で、シリン
ダ孔34の軸心33側に押されて所定の引張力が与えら
れている。
【0034】そして、前記したように、エンジン21の
駆動時には、上記クランク軸30に、上記巻掛伝動手段
50f、カム軸50b、およびロッカアーム50dを介
して吸気弁45bと排気弁46bとが連動させられ、そ
れぞれ所定のクランク角で開閉弁動作させられるように
なっている。
【0035】上記の場合、上記吸気管39と排気管41
とは、前後方向で上記従動鎖車50hから遠ざかるよう
後方に向って上記シリンダ31から延出させられてい
る。この場合、上記吸気管39もしくは排気管41のい
ずれか一方だけを、上記従動鎖車50hから遠ざかるよ
う後方に向って上記シリンダ31から延出させてもよ
い。
【0036】上記構成によれば、従動鎖車50hは径寸
法が大きいものであるが、この従動鎖車50hの側方に
吸気管39および/もしくは排気管41が配設されるこ
とは回避され、上記駆動装置17が車幅方向でコンパク
トとされている。
【0037】図1、7〜9において、上記クランク軸3
0と平行な軸心47を有するバランサー48が上記クラ
ンク軸30に並設され、このバランサー48はその軸心
47回りに回転自在となるよう上記クランクケース28
内で、このクランクケース28に支承されている。上記
バランサー48は歯車組49で上記クランク軸30に連
動連結され、上記エンジン21の駆動に伴い上記クラン
ク軸30と共に回転して、上記エンジン21に生じよう
とする振動を吸収する。
【0038】図1、7、9において、上記エンジン21
を潤滑させる潤滑装置51が設けられている。上記潤滑
装置51は、上記クランクケース28の後面(外面)に
取り付けられるオイルポンプ52を有している。このオ
イルポンプ52は歯車組53と入力軸54により上記バ
ランサー48に連動連結されている。つまり、上記オイ
ルポンプ52は上記エンジン21の駆動に伴い駆動させ
られて、潤滑油55を加圧して吐出し、この潤滑油55
を上記エンジン21の被潤滑部に供給することとされて
いる。上記クランクケース28の後壁はクランクケース
カバー56により開閉自在に覆われており、上記クラン
クケース28の後壁と、上記クランクケースカバー56
とで囲まれた外側室57に、上記オイルポンプ52、歯
車組53、および入力軸54が収納されている。
【0039】上記クランクケース28の後面側で、上記
クランクケースカバー56の上部には、オイルクーラー
59とオイルエレメント60とが取り付けられている。
上記オイルポンプ52で加圧された潤滑油55は、上記
オイルクーラー59とオイルエレメント60とを通過さ
せられるようになっており、これにより、上記潤滑油5
5は所定の低温に保たれると共に、清浄に保たれるよう
になっている。上記オイルエレメント60はカートリッ
ジ式とされ、上記クランクケースカバー56に対し(ク
ランクケース28に対し)新しいものと簡便に交換自在
とされている。なお、上記エンジン21を潤滑させた後
の潤滑油55は、上記オイルポンプ52の吸入口に戻さ
れて、循環させられる。
【0040】図1、7、9において、上記エンジン21
を冷却させる水冷却装置62が設けられている。この水
冷却装置62は、上記クランクケースカバー56の後面
(外面)に取り付けられる冷却水ポンプ63を有してい
る。この冷却水ポンプ63は上記潤滑装置51の入力軸
54に連動連結されている。つまり、上記冷却水ポンプ
63は、上記エンジン21の駆動に伴い上記オイルポン
プ52と共に駆動させられるようになっている。上記冷
却水ポンプ63はその駆動で、冷却水64を加圧して吐
出し、この冷却水64は上記エンジン21の各部に形成
された冷却水ジャケットに供給され、これにより、上記
エンジン21が水冷される。なお、上記エンジン21を
冷却させた後の冷却水64は、上記冷却水ポンプ63の
吸入口に戻されて、循環させられる。
【0041】上記クランクケースカバー56の一部が外
方(後方)に向って膨出させられて、上記クランクケー
スカバー56にフラマグケース67が一体成形されてい
る。このフラマグケース67内、かつ、上記クランク軸
30と同じ軸心29上で、上記クランク軸30にフライ
ホイールマグネト68のロータが取り付けられている。
また、上記クランク軸30と同じ軸心29上で、上記フ
ラマグケース67の外面にリコイルスタータ69が取り
付けられ、このリコイルスタータ69に上記フライホイ
ールマグネト68を介して上記クランク軸30が連動連
結されている。
【0042】上記の場合、クランクケース28と、フラ
マグケース67の各上部の段差により生じた段差空間7
0に前記オイルクーラー59とオイルエレメント60と
が配設されている。このため、余剰空間である段差空間
70が上記駆動装置17の構成部品であるオイルクーラ
ー59とオイルエレメント60の配設に利用されたので
あり、その分、駆動装置17がコンパクトになる。
【0043】上記クランクケースカバー56に駆動装置
17の構成部品であるセルモータ71が取り付けられて
いる。このセルモータ71に歯車組72を介し上記クラ
ンク軸30が連動連連結されている。
【0044】上記フライホイールマグネト68は、上記
エンジン21の駆動に伴って駆動して発電し、その電力
はバッテリなどを介して上記エンジン21の運転等に供
される。一方、上記リコイルスタータ69、もしくはセ
ルモータ71を作動させれば、これらの動力が上記クラ
ンク軸30に伝達されてクランキングが行われ、上記エ
ンジン21の始動が可能とされる。上記エンジン21が
駆動したとき、その動力が上記リコイルスタータ69や
セルモータ71に伝達されることは、不図示のワンウェ
イクラッチで防止されるようになっている。
【0045】図1、7、9において、前記変速装置22
は、その外殻を構成する変速ケース75を有している。
この変速ケース75は上記クランクケース28の前端に
連設されるよう一体成形された変速ケース本体76と、
この変速ケース本体76の前端開口を開閉自在に閉じる
変速ケースカバー77とで構成されている。上記変速ケ
ース75は左右の前記前車輪3,3間で、かつ、上記ク
ランクケース28の前側に位置させられている。
【0046】また、上記変速装置22は、上記クランク
軸30と平行に延びる軸心78回りに回転自在となるよ
う上記変速ケース75に支承されるプライマリ軸79
と、このプライマリ軸79と平行に並設されてその軸心
80回りに回転自在となるよう上記変速ケース75に支
承されるセカンダリ軸81と、上記プライマリ軸79に
セカンダリ軸81を連動連結させるVベルト巻掛手段8
3とを備えている。上記プライマリ軸79、セカンダリ
軸81、およびVベルト巻掛手段83は上記変速ケース
75内に収納されている。
【0047】上記Vベルト巻掛手段83は、上記プライ
マリ軸79に支持されてこれと一体的に回転する駆動プ
ーリ84と、上記セカンダリ軸81に支持されてこれと
一体的に回転する従動プーリ85と、これら駆動プーリ
84と従動プーリ85とに巻き掛けられるVベルト86
とで構成されている。上記駆動プーリ84と従動プーリ
85に対するVベルト86のそれぞれの係合径は可変と
されており、上記プライマリ軸79と共に駆動プーリ8
4の回転が速くなるほど、上記変速装置22の減速比が
小さくなって、増速に向うこととされている。
【0048】上記Vベルト巻掛手段83につき、より詳
しく説明すると、上記駆動プーリ84は、上記プライマ
リ軸79に固定された固定フェース88と、上記プライ
マリ軸79の軸心78上で、上記固定フェース88に並
設された可動フェース89とを有し、この可動フェース
89は上記プライマリ軸79に軸方向にのみ摺動自在に
支持されている。これら固定フェース88と可動フェー
ス89の各表面が互いに対面してこれら表面の間に上記
Vベルト86が係合するV字状の駆動係合溝90が形成
されている。
【0049】上記可動フェース89の背面に対面して、
上記プライマリ軸79にバックアッププレート91が取
り付けられ、これ可動フェース89とバックアッププレ
ート91との間に球状の重り92が潤滑油と共に挿入さ
れている。
【0050】上記プライマリ軸79の回転が速くなる
と、これに伴い回転する重り92の遠心力が大きくな
る。すると、この重り92は上記固定フェース88から
離れる方向に移動しないように上記バックアッププレー
ト91で支えられながら、上記プライマリ軸79の径方
向外方に移動し、この移動に伴い上記重り92が上記固
定フェース88側に可動フェース89を押動し、これに
より、上記駆動係合溝90の幅寸法が狭められて、駆動
プーリ84に対するVベルト86の係合径が増大するこ
ととされている。
【0051】上記従動プーリ85は、上記セカンダリ軸
81に固定された固定フェース94と、上記セカンダリ
軸81の軸心80上で、上記固定フェース94に並設さ
れた可動フェース95とを有し、この可動フェース95
は上記セカンダリ軸81に軸方向にのみ摺動自在に支持
されている。これら固定フェース94と可動フェース9
5の各表面が互いに対面してこれら表面の間に上記Vベ
ルト86が係合するV字状の従動係合溝96が形成され
ている。
【0052】上記可動フェース95を固定フェース94
に向って付勢するばね97が設けられている。このばね
97の付勢により、上記従動係合溝96の幅寸法が狭め
られて、従動プーリ85に対するVベルト86の係合径
が増大することとされている。
【0053】上記の場合、出力軸25は変速ケース75
の下方に配設されている。
【0054】また、正面視(図1)で、上記クランク軸
30を基準として、その左右に上記プライマリ軸79と
セカンダリ軸81とが振り分け状に配置され、また、こ
れに伴い、クランク軸30の左右に駆動プーリ84と従
動プーリ85とが振り分け状に配置されている。
【0055】また、上記プライマリ軸79とセカンダリ
軸81とは上記クランク軸30の軸心29よりも高位置
に配設され、かつ、上記プライマリ軸79よりもセカン
ダリ軸81が高位置に配設されている。更に、左右方向
で、上記プライマリ軸79とセカンダリ軸81の間に前
記出力軸25が配設されている。
【0056】また、前記冷却水ポンプ63は、前後方向
で、上記クランクケース28を基準として、上記変速ケ
ース75とは反対側に配設されている。
【0057】図1、9において、上記クランクケース2
8と変速ケース75の各上部の間には段差が生じてお
り、この段差空間99が利用されて、この段差空間99
に駆動装置17の構成部品である前記セルモータ71が
配設されている。
【0058】図7において、前記遠心クラッチ23は、
上記バランサー48の軸心47と同じ軸心101上で、
上記バランサー48に一体成形されたクラッチ軸102
を有している。このクラッチ軸102は、上記軸心47
回りで上記バランサー48と共に回転するよう上記クラ
ンクケース28に支承されている。また、上記遠心クラ
ッチ23は、上記クラッチ軸102に取り付けられてこ
のクラッチ軸102と共に回転する駆動側部材103
と、上記クラッチ軸102の軸心101回りに遊転自在
となるよう上記クランクケース28に支承される従動側
部材104とを有し、この従動側部材104は上記プラ
イマリ軸79にその軸心78上で取り付けられている。
【0059】上記エンジン21が停止、もしくはアイド
ル状態では、上記駆動側部材103と従動側部材104
は切断され、つまり、上記遠心クラッチ23は切断状態
とされる。一方、上記エンジン21が駆動し、上記クラ
ンク軸30の回転に連動して、上記クラッチ軸102が
所定回転数以上にまで達すると、上記遠心クラッチ23
に生じる遠心力により、上記駆動側部材103が上記従
動側部材104に接続され、つまり、上記遠心クラッチ
23が接続状態とされて、上記エンジン21からの動力
が上記プライマリ軸79にまで伝達されるようになって
いる。
【0060】そして、上記プライマリ軸79が低速のと
きには、上記変速装置22のばね97の付勢力が上記重
り92の遠心力に打ち勝って、上記駆動プーリ84での
係合径が小さくなる一方、従動プーリ85での係合径が
大きくされて、変速装置22の減速比が大きくされる
(最大減速比のときのVベルト86を、図1中一点鎖線
で示してある)。
【0061】一方、上記プライマリ軸79が高速になる
と、上記変速装置22のばね97の付勢力に上記重り9
2の遠心力が打ち勝って、上記駆動プーリ84での係合
径が大きくなる一方、従動プーリ85での係合径が小さ
くされて、変速装置22の減速比が小さくされ増速状態
となる(最小減速比のときのVベルト86を、図1中二
点鎖線で示してある)。
【0062】上記クランク軸30の軸心29に沿った視
線でみて(正面視で)、このクランク軸30は上記変速
装置22の減速比が最大から最小に至る全ての減速比に
おいて、上記Vベルト86で囲まれた範囲内に位置させ
られている。
【0063】図1、7、8において、前記動力伝達装置
24は、その外殻を構成するミッションケース113を
有し、このミッションケース113は、上記クランクケ
ース28と変速ケース75とに跨ってそれぞれに一体成
形されている。このミッションケース113の下部に
は、前記出力軸25がその軸心114回りに回転自在と
なるよう支承されている。上記出力軸25の軸心114
は上記クランク軸30と平行となるよう前後に延びてい
る。上記出力軸25はクランク軸30よりも低位置に配
設され、上記出力軸25の前、後端に前記プロペラ軸1
8,19が連結されている。
【0064】上記出力軸25とセカンダリ軸81との間
には、これらに平行となるよう主軸115と副軸116
とが上下に並設され、これらはそれぞれその軸心11
7,118回りに回転自在となるよう上記ミッションケ
ース113に支承されている。
【0065】上記セカンダリ軸81、主軸115、副軸
116、および出力軸25は、歯車組119で互いに連
動連結されている。この主軸115の噛合状態を変化さ
せれば、動力伝達装置24における減速比が可変とされ
ると共に、後進も可能とされている。
【0066】そして、上記エンジン21が駆動して、そ
の動力が上記遠心クラッチ23を介して上記変速装置2
2に伝達されれば、そのときのプライマリ軸79の回転
速度に応じて、前記したように変速装置22で減速比が
自動的に定められ、この変速装置22からの出力は、上
記セカンダリ軸81から動力伝達装置24に伝達され、
更に、この動力伝達装置24の出力軸25から、前記プ
ロペラ軸18,19、差動装置14,15を介して各車
輪3,4に伝達され、前記したように車両1が4輪駆動
で走行させられる。
【0067】上記構成において、上記Vベルト巻掛手段
83を構成する特にVベルト86は、例えば、歯車に比
べて耐熱性に劣るものではあるが、上記したように変速
ケース75は、左右の前車輪3,3の間で、クランクケ
ース28の前側に位置させられており、このため、車両
1の前進時に、この車両1に向ってその前方から流れる
走行風は、上記前車輪3,3やクランクケース28に邪
魔されることなく、上記変速ケース75に、より十分に
衝突して、これを効果的に空冷させることとなる。
【0068】よって、上記変速ケース75内のVベルト
巻掛手段83のVベルト86も効果的に冷却されて、こ
の変速装置22の寿命が向上し、つまり、駆動装置17
の寿命が向上する。
【0069】また、一般的には、互いに平行なプライマ
リ軸79とセカンダリ軸81の各軸心78,80に沿っ
た視線により、Vベルト巻掛手段83をみると、このV
ベルト巻掛手段83の駆動プーリ84や従動プーリ85
もその各軸心78,80に沿った視線でみることとな
り、かつ、これらに巻き掛けられるVベルト86もその
環形状がみえることとなる。このため、上記軸心78,
80に沿った視線でVベルト巻掛手段83をみたとき、
その輪郭内の面積が最大となる。
【0070】そこで、前記したように、クランク軸30
をその軸心29が前後に延びるようにすると共に、上記
プライマリ軸79とセカンダリ軸81もその軸心78,
80が前後に延びるようにして、上記Vベルト巻掛手段
83の正面視の面積をより大きくさせ、これにより、上
記Vベルト巻掛手段83を内有する変速ケース75も、
その正面視の面積を、より大きくさせている。
【0071】よって、上記変速ケース75は、その大き
い面積で、走行風を受けることから、上記Vベルト巻掛
手段83の空冷がより効果的となり、もって、上記駆動
装置17の寿命がより向上する。
【0072】また、上記クランクケース28から上方に
向ってシリンダ31を突出させてあるため、上記シリン
ダ31が左右いずれかの側方に突出していることに比べ
て、駆動装置17の幅寸法をコンパクトにできる。
【0073】しかも、上記クランク軸30の左右にプラ
イマリ軸79とセカンダリ軸81とを振り分けたため、
正面視で、これらプライマリ軸79とセカンダリ軸81
の間の空間が、上記クランク軸30を支承するクランク
ケース28の配設に有効利用されたのであり、その分、
駆動装置17がコンパクトになる。
【0074】また、前記したように、前後方向で、上記
クランクケース28を基準として上記変速ケース75と
は反対側(後面側)に、上記冷却水ポンプ63を配設し
てある。
【0075】このため、上記冷却水ポンプ63は、上記
変速ケース75に邪魔されずに、上記エンジン21のク
ランクケース28に、より直接的に取り付けることがで
きる。
【0076】よって、動力損失をより効果的に抑制しつ
つ、上記エンジン21から動力を受けて駆動し、冷却水
64を供給することができる。また、上記エンジン21
のクランクケース28に対する上記冷却水ポンプ63の
脱着も、上記変速ケース75に邪魔されずに容易にで
き、作業性が向上する。
【0077】また、上記クランクケース28と変速ケー
ス75の各上部の段差により生じた段差空間99に、駆
動装置17の構成部品であるセルモータ71を配設して
ある。
【0078】即ち、クランクケース28と変速ケース7
5との間には、通常、段差が生じるものであり、この段
差により生じた段差空間99が、上記セルモータ71の
配設に利用されている。
【0079】よって、余剰空間である上記段差空間99
が有効に利用された分、駆動装置17がコンパクトとな
る。
【0080】ところで、上記Vベルト巻掛手段83は、
エンジン21からの動力を減速して出力するものであっ
て、上記プライマリ軸79に支持される駆動プーリ84
の外径よりも、セカンダリ軸81に支持される従動プー
リ85の外径の方が大きくされている。
【0081】そこで、前記したようにプライマリ軸79
よりもセカンダリ軸81を高位置にしたのであり、これ
により、上記Vベルト巻掛手段83におけるプライマリ
軸79側の下端と、セカンダリ軸81側の下端とをバラ
ンスよく高位置にさせることができ、これにより、車両
1の最低地上高が高くされている。
【0082】また、上記プライマリ軸79とセカンダリ
軸81の間に上記出力軸25を配設してあり、このた
め、上記プライマリ軸79とセカンダリ軸81の間の空
間が、上記出力軸25の配設に有効利用されたのであ
り、その分、駆動装置17がコンパクトになる。
【0083】また、前記したように、上記クランクケー
ス28から上方に向ってシリンダ31を突出させ、上記
プライマリ軸79とセカンダリ軸81のうち少なくとも
一方である両方を上記クランク軸30よりも高位置に配
設してある。
【0084】このため、上方に突出させたシリンダ31
の側方の空間が上記プライマリ軸79とセカンダリ軸8
1や、これらに支持された駆動プーリ84と従動プーリ
85の配設に利用されたのであり、よって、その分、駆
動装置17がコンパクトになる。
【0085】また、上記変速ケース75の下方に上記出
力軸25を配設したため、この出力軸25が上記変速ケ
ース75を貫通するなど、上記変速ケース75と干渉し
合うことは防止される。
【0086】よって、上記出力軸25の配設により、上
記変速ケース75の形状、構造が影響される、というこ
とは防止され、この変速ケース75の形状、構造は簡単
にでき、つまり、その成形が容易にできる。
【0087】また、前記したように、クランク軸30よ
りも高位置に上記プライマリ軸79とセカンダリ軸81
とを配設する一方、上記クランク軸30よりも低位置に
上記出力軸25を配設してある。
【0088】このため、上方に突出させたシリンダ31
の左右各側方の空間が上記プライマリ軸79とセカンダ
リ軸81の各配設に利用されて、駆動装置17が上下、
左右でコンパクトにされると共に、上記クランク軸30
の周りに沿ってプライマリ軸79、セカンダリ軸81、
および出力軸25が分散配置されることとなって、これ
らプライマリ軸79、セカンダリ軸81、および出力軸
25の互いの干渉が防止されると共に、まとまりよく配
設され、よって、正面視で、駆動装置17がコンパクト
となる。
【0089】特に、図1、7において、左右方向で、上
記クランク軸30の軸心29からバランサー48の軸心
47に至る寸法Aは、上記クランク軸30の軸心29か
らセカンダリ軸81の軸心80に至る寸法Bよりも小さ
くされ、つまり、A<Bとされている。
【0090】上記の場合、クランク軸30とバランサー
48とを連動連結させる歯車組49は、上記クランク軸
30に取り付けられる歯車と、上記バランサー48に取
り付けられて上記歯車に噛合する歯車とで構成され、こ
れら両歯車はバランサー48の機能上、互いに同径とさ
れている。このため、上記寸法Aが大きくなればなるほ
ど、上記両歯車の各径がより大きくなって上記歯車組4
9の重量が増加することとなる。
【0091】そこで、前記したように、A<Bとして、
上記歯車組49の重量の低減が図られている。
【0092】なお、以上は図示の例によるが、エンジン
21により駆動されるのは、前、後車輪3,4のうち、
いずれか一方だけであってもよい。また、上記シリンダ
31のシリンダ孔34の軸心33は、垂直であってもよ
く、垂直線に対し傾斜していてもよい。また、上記各寸
法A,Bは、エンジン21の正面視での各軸心29,4
7,80の互いの離間寸法であってもよい。
【0093】(第2の実施の形態)
【0094】図10〜16は、第2の実施の形態を示
し、これは請求項2、3の発明に対応している。なお、
この実施の形態は、前記第1の実施の形態と構成、作用
において多くの点で共通している。そこで、これら共通
するものについては、図面に共通の符号を付してその重
複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。
【0095】図13、14において、上記変速装置22
の変速ケース75は、上記エンジン21のクランクケー
ス28に連設されると共に、このクランクケース28の
一側方(右側方)に向って突出させられている。上記シ
リンダ31は、上記クランクケース28から上方に向っ
て、かつ、上記変速ケース75側に向って傾斜するよう
突出させられている。
【0096】上記構成によれば、変速装置22の変速ケ
ース75は上記クランクケース28の一側方に突出して
はいるが、上記シリンダ31は上記変速ケース75の上
方の空間を利用することにより、上記クランクケース2
8と変速ケース75の車幅方向における幅内に配設さ
れ、つまり、これら28、31、75の幅寸法は小さく
抑えられている。
【0097】前記クランク軸30と、プライマリ軸79
の各軸心29,78は、互いに同軸上に位置している。
また、遠心クラッチ23は、変速装置22のセカンダリ
軸81と、動力伝達装置24の主軸115との間に介設
され、上記変速装置22のセカンダリ軸81、遠心クラ
ッチ23のクラッチ軸102、および動力伝達装置24
の主軸115の各軸心80,101,117は互いに同
軸上に位置させられている。
【0098】図10〜13において、正面視で、前記ク
ランクケース28と変速ケース75の各上部の段差によ
り生じた段差空間99に、駆動装置17の構成部品であ
る気化器40が配設されている。
【0099】即ち、クランクケース28と変速ケース7
5との間には、通常、段差が生じるものであり、この段
差により生じた段差空間99が、上記気化器40の配設
に利用されている。
【0100】よって、余剰空間である上記段差空間99
が上記気化器40の配設や、保守、点検の作業用空間と
して有効に利用された分、駆動装置17がコンパクトと
なる。
【0101】図10、11、13、14において、上記
変速ケース75のVベルト巻掛手段83を冷却させる空
気冷却装置106が設けられている。
【0102】上記空気冷却装置106は、上記駆動プー
リ84の固定フェース88の背面に取り付けられる複数
の羽根107を有している。これら羽根107は上記プ
ライマリ軸79の軸心78周りで周方向に等間隔に配置
されている。また、上記羽根107群の中央部に向うよ
う上記変速ケース75の変速ケースカバー77に一端部
が連結され、他端部が上記変速ケース75から上方に向
い延出して、上記変速ケース75の内外を連通させる空
気ダクト108が設けられている。この空気ダクト10
8の延出端が空気入口部109とされ、この空気入口部
109は上記車体2の上部に位置するハンドル8や燃料
タンク9の各上面とほぼ同じ高さに位置させられてい
る。
【0103】一方、上記変速ケース75の変速ケースカ
バー77の下部に一端部が連結され、他端部が上記変速
ケース75から上方に向い延出して、上記変速ケース7
5の内外を連通させる排風ダクト110が設けられてい
る。この排風ダクト110の延出端が空気排出部111
とされ、この空気排出部111は上記車体2の上部に位
置するハンドル8や燃料タンク9の各上面とほぼ同じ高
さに位置させられている。
【0104】そして、上記駆動プーリ84に伴って羽根
107群が回転するとき、これら羽根107群の中央部
が負圧となり、この負圧により、外部の空気112が上
記空気ダクト108を通り変速ケース75内に吸入さ
れ、上記空気112によって、上記Vベルト巻掛手段8
3が空冷されるようになっている。上記Vベルト巻掛手
段83を空冷した後の空気112は、上記空気排出部1
11を通り外部に排出される。
【0105】上記構成によれば、変速ケース75に一端
部が連結され、他端部が上記変速ケース75から上方に
向い延出して上記変速ケース75の内外を連通させる空
気ダクト108と排風ダクト110とを、車体2の車幅
方向の中央を通って前後方向に延びる中心線に対してほ
ぼ左右対称に設け、この空気ダクト108と排風ダクト
110の延出端を空気入口部109と空気排出部111
として、上記車体2の上部とほぼ同じ高さに位置させて
ある。
【0106】このため、上記空気入口部109から空気
ダクト108を通し上記変速ケース75内に外部の空気
112が供給される一方、この空気112が上記排風ダ
クト110を通し排出されることにより、上記Vベルト
巻掛手段83が空冷されて、駆動装置17の寿命が向上
する。
【0107】ここで、前記したように、変速ケース75
はクランクケース28の前側に位置していて、上記変速
ケース75の上方は、上記クランクケース28に邪魔さ
れずに上方に向って開放されている。
【0108】このため、上記したように、変速ケース7
5から上方に空気ダクト108と排風ダクト110とを
延出させる場合、これら空気ダクト108と排風ダクト
110の配管は容易にできることとなる。
【0109】また、上記したように、空気入口部109
と空気排出部111とは、車体2の上部にまで達して、
十分に高さが確保されているため、上記空気ダクト10
8や排風ダクト110を通しての変速ケース75への水
入りが防止される。
【0110】図16において、オイルエレメント60
は、クランクケース28側から外側方に向って突設さ
れ、下方に取り外し可能となるよう上記クランクケース
カバー56に着脱自在に取り付けられている。
【0111】
【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。
【0112】請求項1の発明は、車体に搭載されたエン
ジンがクランクケースと、このクランクケースに支承さ
れるクランク軸と、上記クランクケースから突出するシ
リンダとを備え、このシリンダから吸気管と排気管とを
延出させた鞍乗型車両用駆動装置において、
【0113】上記クランク軸をその軸心が前後方向に延
びるよう配設し、上記シリンダを上記クランクケースか
ら上方に向って突出させ、上記吸気管と排気管とを上記
クランクケースの幅内に配設してある。
【0114】このため、上記クランクケースとシリンダ
とは車幅方向で互いにほぼ同じところに配設されること
となって、これらの幅寸法は小さく抑えられる。また、
上記吸気管と排気管とを上記クランクケースの車幅方向
における幅内に配設したため、これらの幅寸法も小さく
抑えられる。
【0115】よって、上記駆動装置は車幅方向でコンパ
クトとなり、これに伴い、車両の車幅を小さくさせるこ
とができ、特に、車両への鞍乗がし易いという点で有益
である。
【0116】請求項2の発明は、上記クランクケースに
連設されると共にこのクランクケースの一側方に向って
突出する変速装置の変速ケースを設けた鞍乗型車両用駆
動装置において、
【0117】上記シリンダを上記クランクケースから上
方に向って、かつ、上記変速ケース側に向って傾斜する
よう突出させてある。
【0118】このため、上記変速装置の変速ケースは上
記クランクケースの一側方に突出してはいるが、上記シ
リンダは上記変速ケースの上方の空間を利用することに
より、上記クランクケースと変速ケースの幅内に配設さ
れ、つまり、これらの幅寸法は小さく抑えられる。
【0119】よって、この点でも、上記駆動装置は車幅
方向でコンパクトとなる。
【0120】請求項3の発明は、上記エンジンを4サイ
クルエンジンとしてそのシリンダの突出部に動弁機構を
設け、この動弁機構が上記クランク軸と平行に延びるカ
ム軸と、上記クランク軸に取り付けられる駆動鎖車と、
上記カム軸の一端部に取り付けられる従動鎖車と、上記
駆動鎖車と従動鎖車とに巻き掛けられる動伝チェーンと
を備え、上記吸気管および/もしくは排気管を前後方向
で上記従動鎖車から遠ざかる方向に向うよう上記シリン
ダから延出させてある。
【0121】このため、上記従動鎖車は径寸法が大きい
ものであるが、この従動鎖車の側方に吸気管および/も
しくは排気管が配設されることは回避される。
【0122】よって、上記駆動装置は車幅方向で更にコ
ンパクトとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態で、駆動装置の正面図であ
る。
【図2】第1の実施の形態で、車両の平面図である。
【図3】第1の実施の形態で、車両の正面図である。
【図4】第1の実施の形態で、駆動装置の上部展開側面
断面図である。
【図5】第1の実施の形態で、図1の部分拡大断面図で
ある。
【図6】第1の実施の形態で、図4の5‐5線矢視断面
図である。
【図7】第1の実施の形態で、図4で示したものの平面
断面図である。
【図8】第1の実施の形態で、駆動装置の下部展開側面
断面図である。
【図9】第1の実施の形態で、駆動装置の展開側面断面
図である。
【図10】第2の実施の形態で、車両の側面図である。
【図11】第2の実施の形態で、車両の平面図である。
【図12】第2の実施の形態で、車両の正面図である。
【図13】第2の実施の形態で、駆動装置の正面図であ
る。
【図14】第2の実施の形態で、駆動装置の上部展開側
面断面図である。
【図15】第2の実施の形態で、駆動装置の下部展開側
面断面図である。
【図16】第2の実施の形態で、駆動装置の展開側面断
面図である。
【符号の説明】
1 車両 2 車体 3 車輪 4 車輪 5 走行面 17 駆動装置 21 エンジン 22 変速装置 25 出力軸 28 クランクケース 29 軸心 30 クランク軸 31 シリンダ 39 吸気管 40 気化器(構成部品) 41 排気管 50 動弁機構 50b カム軸 50g 駆動鎖車 50h 従動鎖車 50i 動伝チェーン 63 冷却水ポンプ 63 冷却水 71 セルモータ(構成部品) 75 変速ケース 78 軸心 79 プライマリ軸 80 軸心 81 セカンダリ軸 83 Vベルト巻掛手段 84 駆動プーリ 85 従動プーリ 86 Vベルト 99 段差空間 106 空気冷却装置 108 空気ダクト 109 空気入口部 112 空気

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に搭載されたエンジンがクランクケ
    ースと、このクランクケースに支承されるクランク軸
    と、上記クランクケースから突出するシリンダとを備
    え、このシリンダから吸気管と排気管とを延出させた鞍
    乗型車両用駆動装置において、 上記クランク軸をその軸心が前後方向に延びるよう配設
    し、上記シリンダを上記クランクケースから上方に向っ
    て突出させ、上記吸気管と排気管とを上記クランクケー
    スの車幅方向における幅内に配設した鞍乗型車両用駆動
    装置。
  2. 【請求項2】 上記クランクケースに連設されると共に
    このクランクケースの一側方に向って突出する変速装置
    の変速ケースを設けた鞍乗型車両用駆動装置において、 上記シリンダを上記クランクケースから上方に向って、
    かつ、上記変速ケース側に向って傾斜するよう突出させ
    た請求項1に記載の鞍乗型車両用駆動装置。
  3. 【請求項3】 上記エンジンを4サイクルエンジンとし
    てそのシリンダの突出部に動弁機構を設け、この動弁機
    構が上記クランク軸と平行に延びるカム軸と、上記クラ
    ンク軸に取り付けられる駆動鎖車と、上記カム軸の一端
    部に取り付けられる従動鎖車と、上記駆動鎖車と従動鎖
    車とに巻き掛けられる動伝チェーンとを備え、上記吸気
    管および/もしくは排気管を前後方向で上記従動鎖車か
    ら遠ざかる方向に向うよう上記シリンダから延出させた
    請求項1、もしくは2に記載の鞍乗型車両用駆動装置。
JP15738697A 1997-04-30 1997-05-29 鞍乗型車両用駆動装置 Pending JPH10329553A (ja)

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JP15738697A JPH10329553A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 鞍乗型車両用駆動装置
US09/069,009 US6170597B1 (en) 1997-04-30 1998-04-28 Transmission for offroad vehicle

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008082404A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Honda Motor Co Ltd パワーユニットの出力軸
US8061467B2 (en) 2006-08-31 2011-11-22 Honda Motor Co., Ltd. Engine arrangement structure of saddle-ride type vehicle

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JP2008082404A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Honda Motor Co Ltd パワーユニットの出力軸

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