JPH1181964A - エンジンのリフタ収納凹部構造 - Google Patents

エンジンのリフタ収納凹部構造

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JPH1181964A
JPH1181964A JP26808197A JP26808197A JPH1181964A JP H1181964 A JPH1181964 A JP H1181964A JP 26808197 A JP26808197 A JP 26808197A JP 26808197 A JP26808197 A JP 26808197A JP H1181964 A JPH1181964 A JP H1181964A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動二輪車に好適なリフタ収納凹部構造を提
供する。 【解決手段】 (a)は比較例であり、オイル通孔17
2を通じてオイルがリフタ収納凹部171に入ると、オ
イルはリフタ収納凹部171に充満する。(b)は実施
例であり、オイル通孔172を通じてオイルがリフタ収
納凹部171に入ると、オイルはオイル逃し溝178を
通じて排出できるため、リフタ収納凹部171にそれほ
ど溜まらない。 【効果】 シリンダ軸が略水平であって、リフタ収納凹
部にオイルが溜まりやすい構造のエンジンであっても、
オイル逃し溝を通じて効果的にオイルを逃すことがで
き、動弁機構の円滑な運転が継続できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジンのリフタ収
納凹部構造、特にエンジンと電動機との双方を備えたハ
イブリッド型自動二輪車に好適なリフタ収納凹部構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ガソリンエンジンを駆動源とした
車両が主流であるが、排気ガスの発生を避けなければな
らない所等では電動機を駆動源とした電動車両が必要と
なる。電動車両では車体重量が増加し、走行距離が短い
などの理由から、エンジンと電動機との双方を備えたハ
イブリッド型車両の需要も増加している。
【0003】例えば、特開平8−175477号公報
「自動二輪車等のエンジンとモータの動力切換装置」は
ハイブリッド型自動二輪車に関する発明である。上記公
報のエンジン10は単純な空冷2サイクルエンジンであ
る。
【0004】しかし、自動二輪車では、燃費やエミッシ
ョンを考慮した場合、4サイクルエンジンを搭載するも
のが好ましいが、4サイクルエンジンは、全高が2サイ
クルエンジンに比較して高くなるため、低重心化を考え
た場合、シリンダ軸を前傾させて設計することが好まし
い。
【0005】図16は従来の動弁機構の要部を示す図で
あり、シリンダヘッド201の排気ポート202にバル
ブガイド203を臨ませ、このバルブガイド203にバ
ルブ204のステム205を摺動可能に挿入し、ステム
205の先端部にリテーナ206を取付け、このリテー
ナ206に弁ばね207の一端を当てることで、バルブ
204を弁閉方向に付勢する構造とし、カム208でリ
フタのバケット209を介してバルブ204を弁開方向
へ押出し、弁ばね207でバルブ204を弁閉方向へ戻
す機構である。
【0006】211はオイル通孔であり、このオイル通
孔211を通じてオイルミストをリフタ収納凹部212
内へ供給し、リフタ収納凹部212を往復するバケット
209や弁ばね207などを潤滑する構造である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】シリンダ軸を前傾させ
て行くと下側となるバルブ角度が水平軸に対して下方へ
傾く場合も生じる。そのような場合、バルブリフタを備
えるエンジンにおいて、オイルは前記通孔211から抜
けにくく、リフタ収納凹部212にオイルが溜まること
になり、新たなオイルが入りにくくなる等やバルブの作
動に影響を及ぼす可能性もある。そこで、本発明の目的
は低重心となるハイブリッド型パワーユニットに好適な
リフタ収納凹部構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、エンジンのバルブをバルブリフタを介し
てカム軸で駆動するエンジンであって、且つシリンダ軸
を前傾させ、エンジンのバルブ軸の角度が水平軸より下
方へ傾けて車体に搭載し、シリンダヘッドにバルブリフ
タを納めるリフタ収納凹部を備えたエンジンであって、
前記リフタ収納凹部の下側壁にオイル逃し溝を設けたこ
とを特徴とする。バルブ軸が水平軸に対して下方に傾斜
すると、リフタ収納凹部にオイルが溜まりやすい構造と
なるが、ハイブリッド型パワーユニットの低重心化を図
りつつ、オイル逃し溝を通じて効果的にオイルを逃すこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る自動二輪車の側面図で
ある。自動二輪車1は、中央下部にバッテリ収納ボック
スを兼ねた箱状のメインフレーム2を配置し、このメイ
ンフレーム2の前部下部から前ピボット軸3を介して逆
U字形の前スイングアーム4を延出し、この前スイング
アーム4に前輪5を回転自在に取付け、一方、前記メイ
ンフレーム2の前部上部からヘッドパイプポスト7を斜
め上に延ばし、このヘッドパイプポスト7の先端にヘッ
ドパイプ8を固定し、このヘッドパイプ8にハンドルポ
スト9を回転可能に取付け、このハンドルポスト9の下
端にステアリングアーム11を取付け、このステアリン
グアーム11の先端(下端)を前輪5に取付けたナック
ル12に連結し、さらにはメインフレーム2の後部上部
に揺動軸としての後ピボット軸13を介してパワーユニ
ット15をスイング可能に取付け、このパワーユニット
15に後輪16を取付け、図面上で後輪16の手前にリ
ヤクッション17、後輪16の奥にエアクリーナ18、
排気管19、マフラー21、テールパイプ22を配置
し、車体を前から後にフロントフェンダ25、フロント
カバー26、フロントハンドルカバー27、センタカウ
ル28、リヤカウル29、リヤフェンダ31で囲ったも
のである。
【0010】なお、30はステム軸、32はフロントブ
レーキディスク、33はキャリパ、34は樹脂スプリン
グ、35はフロントダンパー、36はレッグシールド、
37は乗員ステップ、38はサイドスタンド、39はメ
インスタンドである。図面上部において、41はホー
ン、42はフロントランプ、43はハンドルバー、44
はグリップ、45は導風ダクト、46はラジエータ、4
7はファン、48はシート、49はヘルメットボック
ス、51はヘルメット、52はテールランプ、55はパ
ワーユニットケースである。このパワーユニットケース
55は、左・右クランクケース55a,55b(奥の右
クランクケース55bは不図示)と変速機ケース55c
と電動機ケース55dと減速機ケース55eとからな
る。
【0011】図2は本発明のパワーユニットの側面断面
図である。パワーユニット15は、(後述の図8に示す
通りシリンダヘッドに吸・排気2本のカム軸を備える4
サイクルエンジンを備え、)パワーユニットケース55
内の下部にクランクシャフト56を配置し、このクラン
クシャフト56に平行に且つ上位にクラッチ軸57を配
置し、このクラッチ軸57の一端に変速機軸58,電動
機軸59を車体長手方向(車体前後方向)に配置したも
のであり、クラッチ軸57,変速機軸58及び電動機軸
59を直列に且つ、これらをクランクシャフト56に平
行に且つ上位に配置したことを特徴とする。
【0012】クラッチ軸57,変速機軸58及び電動機
軸59を車体前後方向に直列に配置したので、パワーユ
ニットケース55に作用する力の向きは単純になる。従
って、パワーユニットケース55の設計は容易となる。
具体的には、力が作用する方向には剛性を高め、作用せ
ぬ方向には剛性を下げることができ、全体としては作用
力が単純化された分だけ、パワーユニットケース55を
軽くすることができ、パワーユニットケース55のコン
パクト化も図れる。
【0013】なお、図中、75は遊星ギヤ減速機、76
はポテンショメータであり、後述する変速制御モータ9
5の回転角を検出する機器である。121はカム軸駆動
プーリ、78はプーリ121で駆動される水ポンプ、7
9はベルトカバー、図中央下の103aはオイルポンプ
ケースである。
【0014】プライマリドライブギヤ61、プライマリ
ドリブンギヤ62、遠心クラッチ67、変速機70、電
動機軸59(電動機80がモータとしてアシストすると
きは電動機80)が、「エンジンからの動力伝達系」で
あり、電動機80がモータとして運転しているときの電
動機軸59が、「電動機からの動力伝達系」となる。ク
ラッチ軸57,変速機軸58及び電動機軸59に係る各
機器の詳細は別図で説明する。
【0015】図3は本発明のパワーユニットの平面断面
図であり、本図で機器の詳細及び駆動力の伝達形態を説
明する。クランクシャフト56のプライマリドライブギ
ヤ61で、クラッチ軸57に回転自在に取付けたプライ
マリドリブンギヤ62を駆動し、このプライマリドリブ
ンギヤ62でスタータ用一方向クラッチ(ワンウェイク
ラッチ)63のクラッチアウタ64及び遠心クラッチ6
7のクラッチインナ68をクラッチ軸57とは独立して
駆動し、そのために筒状部材66にてプライマリドリブ
ンギヤ62とスタータ用一方向クラッチのクラッチアウ
タ64と遠心クラッチ67のクラッチインナ68を連結
可能にし、遠心クラッチインナ68が所定回転数以上に
なると遠心クラッチアウタ69を連れ回し、クラッチ軸
57が回転し始める。なお、上記プライマリドライブギ
ヤ61は、せらしギヤ61aとスプリング61bとを備
え、打音を防止する構造にした。
【0016】変速機70はコーン式無断変速機であり詳
細な作用は別図で説明するが、変速機軸58→インナデ
ィスク71→コーン72→アウタカップ73の順で動力
を伝達する装置であり、ワンウェイクラッチ83を介し
て電動機軸59にその回転を伝達する。電動機80はコ
アレスモータであり、電動機軸59に永久磁石型ロータ
81を取付け、電動機ケース55dにステータコイル8
2を取付けたものである。従って、遠心クラッチ67が
「オン」になると、クラッチ軸57、変速機軸58、変
速機70、電動機軸59の順に駆動力が伝わり、多板式
トルクリミッタ84及び歯車減速機構85(小ギヤ86
→大ギヤ87→小ギヤ88→大ギヤ89からなる減速機
構)を介して車軸90を駆動するものである。
【0017】多板式トルクリミッタ84は電動機軸59
と共に回転するリミッタインナ84aと、ディスク84
b,84c(ディスク84bはリミットインナ84aに
付き、ディスク84cは次に示すリミットアウタ84d
に付ける。)と、リミッタアウタ84dと、スプリング
84eとからなり、小ギヤ86はリミットアウタ84d
と一体である。動力はリミッタインナ84→ディスク8
4b→ディスク84c→リミッタアウタ84d→小ギヤ
86の順に伝わるが、設定トルクを越える過大なトルク
が作用するとディスク84bとディスク84cとの間で
スリップして、機器を保護する。設定トルクはスプリン
グ84eで調整できる。
【0018】なお、スタータ用一方向クラッチアウタ6
4ははずみ車としての作用を発揮し、エンジンバランス
を取るためのバランスウエイト91を備え、スタータ用
一方向クラッチインナ65と組合わせることによりスタ
ータの回転を伝達する一方向クラッチ63となる。図示
せぬスタータでスタータドリブンギヤ93を廻すこと
で、スタータ用一方向クラッチインナ65及びスタータ
用一方向クラッチアウタ64を介して遠心クラッチイン
ナ68を廻しエンジンが始動してスタータ用一方向クラ
ッチアウタ64が高速になれば低速側のスタータ用一方
向クラッチインナ65と分離するものである。
【0019】また、図中、クランクシャフト56の他端
(前端)に、カム軸などを駆動するためのカム軸駆動プ
ーリ121を備え、このプーリ121でベルト122を
駆動するが、これらプーリ121とベルト122の詳細
は後述する。
【0020】図4及び図5は本発明のコーン式無断変速
機の構成図兼作用図である。図4において、コーン支軸
74の中心からインナディスク71までの距離(回転半
径)をR1、コーン支軸74の中心からアウタカップ7
3までの距離(回転半径)をR2とし、R1>R2とす
る。インナディスク71でコーンの大径(R1)部を廻
すためコーン72は低速で回転し、次にコーン72の小
径(R2)部でアウタカップ73を廻すためアウタカッ
プ73は低速で回転する。
【0021】なお、アウタカップ73から電動機軸59
への動力伝達はアウタカップ73の回転がワンウェイク
ラッチ83により、電動機軸59よりも速くなった場合
に動力が伝達される。また、70aはアウタカップ73
を回転に伴なって図左に押し出す作用をなすカムボール
であり、この押し出し作用によってアウタカップ73と
コーン72との間に接触圧を掛けることができる。70
b,70c,70dはオイルシールであり、オイルシー
ル70b,70cで変速機70内部に変速機オイルを溜
める密閉空間を形成し、オイルシール70dで図左のク
ランクケース55b側のオイルを遮断する。従って、ク
ランクケース内のオイルと、変速機オイルが混合する心
配はない。
【0022】図5において、コーン支軸74の中心から
インナディスク71までの距離(回転半径)をR3、コ
ーン支軸74の中心からアウタカップ73までの距離
(回転半径)をR4とし、R3<R4とする。インナデ
ィスク71でコーンの小径(R3)部を廻すためコーン
72は高速で回転し、次にコーン72の大径(R4)部
でアウタカップ73を廻すためアウタカップ73は高速
で回転する。この様にコーン72を移動することによ
り、変速機70は減速、等速、増速の作用を発揮する。
【0023】その為には、図4において変速制御モータ
95でギヤ96a,96b,96cを介して制御ギヤ9
7を廻す。この制御ギヤ97はボス部に台形雌ねじ部9
9を備えており、この台形雌ねじ部99はケース55側
に固定した台形雄ねじ部98に噛み合わせたものであ
り、台形雌ねじ部99の螺旋運動に伴なって制御ギヤ9
7は図左へ移動する。この移動によりコーン支軸74と
共にコーン72が図左に移動し、例えば図5の状態にな
る。
【0024】ここで重要なことは、台形雄・雌ねじ部9
8,99をアウタカップ73側ではなく、インナディス
ク71側に設けたことである。コーン72はアウタカッ
プ73の反作用で図左に押される。この結果、制御ギヤ
97に矢印の力が作用する。矢印は低速から高速へ
移動する方向に合致している。従って、本実施例の構造
にしたことにより、小さなトルクで高速側へシフトさせ
ることができ、変速制御モータ95の容量を下げること
も可能となる。
【0025】次に、潤滑系統の説明をする。図6は本発
明に係るエンジン潤滑系統の説明図であり、矢印はオイ
ルの流れである。パワーユニットケース55には下部に
下部オイルタンク101、上部に上部オイルタンク10
2を設け、クランクシャフト56の一端部(右端部)に
第1オイルポンプ103、第2オイルポンプ104及び
第3オイルポンプ105を同軸に配置し、先ず下部オイ
ルタンク101のオイルをストレーナ106及び第1油
路107を介して第1オイルポンプ103でくみ上げ、
第2油路108を介して上部オイルタンク102へ供給
する。次に、上部オイルタンク102のオイルは、第3
油路109を介して第2オイルポンプ104に至り、第
2オイルポンプ104で加圧されたオイルは第4油路1
11、フィルタ112、第5油路113を介してクラン
クシャフト56のメインジャーナル56a,56a、コ
ンロッド大端部56b、その他の部分(特に図示せぬ動
弁室)を潤滑した後に下部オイルタンク101に戻る。
112aはフィルタカバーである。
【0026】図7は本発明に係る変速機潤滑系統の説明
図であり、パワーユニットケース55の下部に別途設け
た変速機オイルタンク115から変速機オイルを第6油
路116を介して第3オイルポンプ105でくみ上げ、
第7油路117を介して変速機軸58へ送り、変速機軸
58内の油路118を通じてオイルを変速機70へ供給
する。オイルは図の矢印の如く変速機オイルタンク11
5に戻り、ストレーナ119を介して第3オイルポンプ
105にてくみ上げられる。
【0027】図8は本発明に係る動弁系駆動機構として
のカム軸駆動機構を示す、パワーユニットの正面図であ
る。右クランクケース55bと一体化したシリンダブロ
ック129Bの図右に左クランクケース55aを取付
け、クランクシャフト56の上位に電動機80を配置
し、シリンダブロック129Bの図左にシリンダヘッド
129Hを取付け、このシリンダヘッド129Hから延
ばした排気管19の先にマフラー21を取付け、また、
図左上奥のエアクリーナ18からキャブレタ129Cを
介してインテークマニホールド129Mをシリンダヘッ
ド129Hに繋いだことを示す。129Sはスタータモ
ータ取付用孔である。
【0028】そして、図ではベルトカバー79を外した
ことにより、パワーユニット15の正面には、カム軸駆
動プーリ121、ベルト122、吸気側カム軸プーリ1
23,排気側カム軸プーリ124及びテンショナ125
からなる動弁系駆動機構としてのカム軸駆動機構120
を見ることができる。なお、ベルト122をチェーン、
プーリ121,123,124をスプロケットとするこ
ともできるので、ベルト122は、タイミングベルト、
Vベルト、ローラチェーンなどの「巻掛け手段」、カム
軸駆動プーリ121は巻掛け手段で回転される「カム軸
駆動回転体」、カム軸プーリ123,124は巻掛け手
段で回転される「カム軸回転体」と呼び、部品の選択は
任意である。
【0029】図8から明らかなように、シリンダ軸12
6をほぼ水平(例えば地面に対して傾斜角α=+10
゜)にして車幅方向に寝かせて配置するので、低重心化
が図れるとともにシリンダ長さはその車幅内に納めるこ
とができ、設計の自由度は大きい。
【0030】そして図は前輪から後輪を見たときのもの
に相当し、このときに車体中心127から図右側にクラ
ンクシャフト56及びクラッチ軸57を配置し、車体中
心127から図左側にシリンダヘッド129Hを配置し
たことを特徴とする。クラッチ軸57の図面奥には変速
機軸58及び電動機軸59などからなる「動力伝達系」
の軸が、図2,3に示す通りに、連なっている。
【0031】図9は本発明に係るAIリードバルブ及び
水ポンプの配置図である。150はAIリードバルブで
あり、AIはエア・インジェクションの略であり、排気
ポートへ適量の空気を吹き込むことにより、排気ガスの
浄化を促進する系統に設けた逆止弁である。このAIリ
ードバルブ150の構造は図11で説明するが、AIリ
ードバルブ150をシリンダヘッド129Hの正面に設
けたので、カム軸駆動機構120を点検するときと同様
に、ベルトカバーを外すだけで容易にメインテナンスす
ることができる。更に、上記配置により常時はベルトカ
バーでAIリードバルブ150を保護することができ
る。
【0032】前記共用プーリ125は、ポンププーリと
ベルト122の張力を調整するテンショナとを兼ねたも
のであり、水ポンプ78のポンプハウジング131に回
転可能に取付けたものであり、詳細は後述する。ポンプ
ハウジング131は、ポンプロータ132を収納するの
みならず、2個の調整長穴133,134を有する。1
35・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)はハウジン
グの組立てビスである。一方、シリンダブロック129
Bに2本の突条部128a,128aを互いに平行に突
出させ、これらの間にガイド溝128bを設ける。
【0033】図10(a),(b)は本発明に係る水ポ
ンプの断面図兼共用プーリの取付図である。(a)にお
いて、水ポンプ78は、ポンプロータ132と、このポ
ンプロータ132に取付けたインナマグネット136
と、ポンプロータ132を回転自在に支えるロータ支軸
137と、このロータ支軸137の一端を支えるハウジ
ングカバー131aと、ロータ支軸137の他端を支え
るハウジングベース131bと、このハウジングベース
131bに形成した軸部131cと、この軸部131c
に軸受138,138を介して取付けたカップ139
と、このカップ139の内周面に取付けたアウタマグネ
ット141と、カップ139の外周面に取付けた共用プ
ーリ125とからなる。ポンプハウジング131はハウ
ジングカバー131a、ハウジングベース131b、軸
部131cからなる。
【0034】ベルト122の作用で共用プーリ125、
カップ139及びアウタマグナット141が廻ると、こ
のアウタマグナット141の磁力線がハウジングベース
131bを貫通してインナマグネット136に至り、イ
ンナマグネット136に回転力を与える。従って、ポン
プロータ132は回転し始める。従って、水ポンプ78
は、吸込通路142から吸込んだ水をポンプロータ13
2で加圧し、吐出通路143、偏心管継手145を通じ
てシリンダブロックの水入口146へ供給するものであ
る。なお、偏心管継手145は(b)に示す通り、入口
と出口がδだけ偏心した継手である。
【0035】そこで、(a)において偏心管継手145
を90度廻すことにより、(b)に示すように、シリン
ダブロックの水入口146を基準に水ポンプ78をΔだ
け平行移動することができる。
【0036】図9に戻って、ボルト147,147を緩
め、前記偏心管継手145を矢印の如く廻して共用プ
ーリ125を矢印の如く移動することにより、ベルト
122のテンションを高め、調整後、ボルト147,1
47を締付ける。水ポンプ78はガイド溝128bに嵌
合している軸部131c(図10(b)参照)と2本の
ボルト147,147で止まっているため、調整中を除
いて移動することはない。
【0037】図11は図9の11−11線断面図であ
り、AIリードバルブ150は、空気入口151から吹
込んだ空気を、リードバルブ152及びシリンダヘッド
129Hに開けたAIポート153を通じて排気ポート
へ送る。AIポート153側の圧力が高まるとリードバ
ルブ152が閉じるので、空気又は排気ガスが空気入口
151へ逆流する心配はない。
【0038】図12は本発明に係る動弁機構の要部を示
す図である。吸気バルブと排気バルブでは形状、材質な
どが異なるが基本的構成は同じであるから、符号を共通
化して説明する。シリンダヘッド129Hの吸気ポート
161又は排気ポート162にバルブガイド163,1
63を臨ませ、バルブガイド163,163にバルブ1
64,164のステム165,165を摺動可能に挿入
し、ステム165,165の先端部にリテーナ166,
166を取付け、リテーナ166,166に弁ばね16
7,167の一端を当てることで、バルブ164,16
4を弁閉方向に付勢する構造とし、図示せぬカムでリフ
タのバケット169,169を介してバルブ164,1
64を弁開方向へ押出し、弁ばね167,167でバル
ブ164,164を弁閉方向へ戻す機構である。171
はリフタ収納凹部、172はオイル通孔である。
【0039】そして、本実施例のエンジンでは、水平軸
175に対して、シリンダ軸126が角度α(約10
゜)だけ上に傾き、下位のバルブ164のステム軸17
7は角度β(約7゜)でけ下に傾いていることを示す。
【0040】図13は図12の要部拡大図であり、リフ
タのバケット169や弁ばね167などを収納するリフ
タ収納凹部171の床壁となる部分にオイル逃し溝17
8を設けたことを特徴とする。
【0041】図14は図12の14矢視図(リフタ機構
は除く)であり、前記オイル逃し溝178を、下位のリ
フタ収納凹部171の最下位置よりオフセットした位置
に設けたことを示す。最下位置では排出中のオイルが図
示せぬカムに当るからである。従って、カムとの干渉を
避けた位置で且つなるべく低い位置が好ましい。
【0042】図15(a),(b)は本発明に係るリフ
タ収納凹部の作用図である。(a)は比較例であり、オ
イル通孔172を通じてオイルがリフタ収納凹部171
に入ると、オイルはリフタ収納凹部171に充満する。
(b)は実施例であり、オイル通孔172を通じてオイ
ルがリフタ収納凹部171に入ると、オイルはオイル逃
し溝178を通じて排出できるため、リフタ収納凹部1
71にそれほど溜まらない。
【0043】尚、本発明のリフタ収納凹部構造は小型エ
ンジンに好適であるが、中型、大型エンジンに採用する
ことは差支えない。
【0044】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1によれば、シリンダ軸がほぼ水平である
からハイブリッド型パワーユニットの低重心化が図れ、
同時にバルブ軸が水平軸に対して下方に傾斜すると、リ
フタ収納凹部にオイルが溜まりやすい構造となるが、オ
イル逃し溝を通じて効果的にオイルを逃すことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車の側面図
【図2】本発明のパワーユニットの側面断面図
【図3】本発明のパワーユニットの平面断面図
【図4】本発明のコーン式無断変速機の構成図兼作用図
【図5】本発明のコーン式無断変速機の構成図兼作用図
【図6】本発明に係るエンジン潤滑系統の説明図
【図7】本発明に係る変速機潤滑系統の説明図
【図8】本発明に係る動弁系駆動機構としてのカム軸駆
動機構を示す、パワーユニットの正面図
【図9】本発明に係るAIリードバルブ及び水ポンプの
配置図
【図10】本発明に係る水ポンプの断面図兼共用プーリ
の取付図
【図11】図9の11−11線断面図
【図12】本発明に係る動弁機構の要部を示す図
【図13】図12の要部拡大図
【図14】図12の14矢視図(リフタ機構は除く)
【図15】本発明に係るリフタ収納凹部の作用図
【図16】従来の動弁機構の要部を示す図
【符号の説明】
1…自動二輪車、15…パワーユニット、126…シリ
ンダ軸、129H…シリンダヘッド、164…バルブ、
171…リフタ収納凹部、172…オイル通孔、175
…水平軸、177…ステム軸、178…オイル逃し溝。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのバルブをバルブリフタを介し
    てカム軸で駆動するエンジンであって、且つシリンダ軸
    を前傾させ、エンジンのバルブ軸の角度が水平軸より下
    方へ傾けて車体に搭載し、シリンダヘッドにバルブリフ
    タを納めるリフタ収納凹部を備えたエンジンであって、
    前記リフタ収納凹部の下側壁にオイル逃し溝を設けたこ
    とを特徴とするエンジンのリフタ収納凹部構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005063559A1 (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha 電動車両

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