JPH1181957A - エンジンのオイル戻し構造 - Google Patents

エンジンのオイル戻し構造

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JPH1181957A
JPH1181957A JP26808097A JP26808097A JPH1181957A JP H1181957 A JPH1181957 A JP H1181957A JP 26808097 A JP26808097 A JP 26808097A JP 26808097 A JP26808097 A JP 26808097A JP H1181957 A JPH1181957 A JP H1181957A
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JP
Japan
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oil
engine
shaft
oil return
cylinder
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JP26808097A
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English (en)
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Toshiaki Yamamoto
俊朗 山本
Keiichiro Niitsuma
桂一郎 新妻
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ軸が略水平なエンジンにおいて効果
的にオイルを戻すことのできるオイル戻し構造を提供す
る。 【解決手段】 下位のオイル戻し通路168で動弁室1
67からオイルパン161へオイル161を戻し、上位
のエア通路169でオイルパン161から動弁室167
へエアを供給する。 【効果】 オイルの戻りが円滑になり、オイル戻し通路
の径を小さくすること、オイル戻し通路の本数を減少す
ることの何れもが可能となり、エンジンの小型化を促進
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジンのオイル戻
し構造、特にエンジンと電動機との双方を備えたハイブ
リッド型自動二輪車に好適なエンジンのオイル戻し構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ガソリンエンジンを駆動源とした
車両が主流であるが、排気ガスの発生を避けなければな
らない所等では電動機を駆動源とした電動車両が必要と
なる。電動車両では車体重量が増加し、走行距離が短い
などの理由から、エンジンと電動機との双方を備えたハ
イブリッド型車両の需要も増加している。
【0003】例えば、特開平8−175477号公報
「自動二輪車等のエンジンとモータの動力切換装置」は
ハイブリッド型自動二輪車に関する発明である。上記公
報のエンジン10は単純な空冷2サイクルエンジンであ
る。しかし、ハイブリッド型パワーユニットでは、燃費
やエミッションを考慮すると4サイクルエンジンを搭載
することが好ましい。その場合、更に燃費を向上させよ
うとすれば、フリクション(摩擦抵抗)を極力低くする
必要がある。そのために動弁系駆動機構にはエンジンオ
イルのフリクションをかけないように、ドライな動弁室
とすべく、動弁室をエンジンオイルの入らない密閉空間
にすることが望ましい。又、パワーユニットの低重心化
も考慮するとエンジンを前傾させることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の様
なエンジン構造では、シリンダヘッドへ供給されたエン
ジンオイルはオイルパンに戻りにくくなるという課題が
生じてしまう。そこで、本発明の目的はハイブリッド型
パワーユニットに好適なエンジン構成において効果的に
オイルを戻すことのできるオイル戻し構造を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、シリンダヘッドに動弁系駆動機構を備え
ると共に動弁系駆動機構を収納する動弁室をシリンダの
側部に備え、且つ動弁室をエンジンオイルから隔離した
密閉空間とするエンジンにおいて、シリンダ軸を略水平
にし、動弁室内のオイルをオイルパンへ戻すオイル戻し
通路をシリンダヘッド並びにシリンダブロックに備えた
エンジンのオイル戻し構造において、オイル戻し通路を
動弁室の下部から下り勾配を持たせて延ばすとともに、
オイルパンから動弁室の上部に至るエア通路をシリンダ
ブロック並びにシリンダヘッドに設けたことを特徴とす
る。下位のオイル戻し通路で動弁室からオイルパンへオ
イルを戻し、上位のエア通路でオイルパンから動弁室へ
エアを供給することにより、オイルの戻りを円滑にす
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る自動二輪車の側面図で
ある。自動二輪車1は、中央下部にバッテリ収納ボック
スを兼ねた箱状のメインフレーム2を配置し、このメイ
ンフレーム2の前部下部から前ピボット軸3を介して逆
U字形の前スイングアーム4を延出し、この前スイング
アーム4に前輪5を回転自在に取付け、一方、前記メイ
ンフレーム2の前部上部からヘッドパイプポスト7を斜
め上に延ばし、このヘッドパイプポスト7の先端にヘッ
ドパイプ8を固定し、このヘッドパイプ8にハンドルポ
スト9を回転可能に取付け、このハンドルポスト9の下
端にステアリングアーム11を取付け、このステアリン
グアーム11の先端(下端)を前輪5に取付けたナック
ル12に連結し、さらにはメインフレーム2の後部上部
に揺動軸としての後ピボット軸13を介してパワーユニ
ット15をスイング可能に取付け、このパワーユニット
15に後輪16を取付け、図面上で後輪16の手前にリ
ヤクッション17、後輪16の奥にエアクリーナ18、
排気管19、マフラー21、テールパイプ22を配置
し、車体を前から後にフロントフェンダ25、フロント
カバー26、フロントハンドルカバー27、センタカウ
ル28、リヤカウル29、リヤフェンダ31で囲ったも
のである。
【0007】なお、30はステム軸、32はフロントブ
レーキディスク、33はキャリパ、34は樹脂スプリン
グ、35はフロントダンパー、36はレッグシールド、
37は乗員ステップ、38はサイドスタンド、39はメ
インスタンドである。図面上部において、41はホー
ン、42はフロントランプ、43はハンドルバー、44
はグリップ、45は導風ダクト、46はラジエータ、4
7はファン、48はシート、49はヘルメットボック
ス、51はヘルメット、52はテールランプ、55はパ
ワーユニットケースである。このパワーユニットケース
55は、左・右クランクケース55a,55b(奥の右
クランクケース55bは不図示)と変速機ケース55c
と電動機ケース55dと減速機ケース55eとからな
る。
【0008】図2は本発明のパワーユニットの側面断面
図である。パワーユニット15は、(後述の図8に示す
通りシリンダヘッドに吸・排気2本のカム軸を備える4
サイクルエンジンを備え、)パワーユニットケース55
内の下部にクランクシャフト56を配置し、このクラン
クシャフト56に平行に且つ上位にクラッチ軸57を配
置し、このクラッチ軸57の一端に変速機軸58,電動
機軸59を車体長手方向(車体前後方向)に配置したも
のであり、クラッチ軸57,変速機軸58及び電動機軸
59を直列に且つ、これらをクランクシャフト56に平
行に且つ上位に配置したことを特徴とする。
【0009】クラッチ軸57,変速機軸58及び電動機
軸59を車体前後方向に直列に配置したので、パワーユ
ニットケース55に作用する力の向きは単純になる。従
って、パワーユニットケース55の設計は容易となる。
具体的には、力が作用する方向には剛性を高め、作用せ
ぬ方向には剛性を下げることができ、全体としては作用
力が単純化された分だけ、パワーユニットケース55を
軽くすることができ、パワーユニットケース55のコン
パクト化も図れる。
【0010】なお、図中、75は遊星ギヤ減速機、76
はポテンショメータであり、後述する変速制御モータ9
5の回転角を検出する機器である。121はカム軸駆動
プーリ、78はプーリ121で駆動される水ポンプ、7
9はベルトカバー、図中央下の103aはオイルポンプ
ケースである。
【0011】プライマリドライブギヤ61、プライマリ
ドリブンギヤ62、遠心クラッチ67、変速機70、電
動機軸59(電動機80がモータとしてアシストすると
きは電動機80)が、「エンジンからの動力伝達系」で
あり、電動機80がモータとして運転しているときの電
動機軸59が、「電動機からの動力伝達系」となる。ク
ラッチ軸57,変速機軸58及び電動機軸59に係る各
機器の詳細は別図で説明する。
【0012】図3は本発明のパワーユニットの平面断面
図であり、本図で機器の詳細及び駆動力の伝達形態を説
明する。クランクシャフト56のプライマリドライブギ
ヤ61で、クラッチ軸57に回転自在に取付けたプライ
マリドリブンギヤ62を駆動し、このプライマリドリブ
ンギヤ62でスタータ用一方向クラッチ(ワンウェイク
ラッチ)63のクラッチアウタ64及び遠心クラッチ6
7のクラッチインナ68をクラッチ軸57とは独立して
駆動し、そのために筒状部材66にてプライマリドリブ
ンギヤ62とスタータ用一方向クラッチのクラッチアウ
タ64と遠心クラッチ67のクラッチインナ68を連結
可能にし、遠心クラッチインナ68が所定回転数以上に
なると遠心クラッチアウタ69を連れ回し、クラッチ軸
57が回転し始める。なお、上記プライマリドライブギ
ヤ61は、せらしギヤ61aとスプリング61bとを備
え、打音を防止する構造にした。
【0013】変速機70はコーン式無断変速機であり詳
細な作用は別図で説明するが、変速機軸58→インナデ
ィスク71→コーン72→アウタカップ73の順で動力
を伝達する装置であり、ワンウェイクラッチ83を介し
て電動機軸59にその回転を伝達する。電動機80はコ
アレスモータであり、電動機軸59に永久磁石型ロータ
81を取付け、電動機ケース55dにステータコイル8
2を取付けたものである。従って、遠心クラッチ67が
「オン」になると、クラッチ軸57、変速機軸58、変
速機70、電動機軸59の順に駆動力が伝わり、多板式
トルクリミッタ84及び歯車減速機構85(小ギヤ86
→大ギヤ87→小ギヤ88→大ギヤ89からなる減速機
構)を介して車軸90を駆動するものである。
【0014】多板式トルクリミッタ84は電動機軸59
と共に回転するリミッタインナ84aと、ディスク84
b,84c(ディスク84bはリミットインナ84aに
付き、ディスク84cは次に示すリミットアウタ84d
に付ける。)と、リミッタアウタ84dと、スプリング
84eとからなり、小ギヤ86はリミットアウタ84d
と一体である。動力はリミッタインナ84→ディスク8
4b→ディスク84c→リミッタアウタ84d→小ギヤ
86の順に伝わるが、設定トルクを越える過大なトルク
が作用するとディスク84bとディスク84cとの間で
スリップして、機器を保護する。設定トルクはスプリン
グ84eで調整できる。
【0015】なお、スタータ用一方向クラッチアウタ6
4ははずみ車としての作用を発揮し、エンジンバランス
を取るためのバランスウエイト91を備え、スタータ用
一方向クラッチインナ65と組合わせることによりスタ
ータの回転を伝達する一方向クラッチ63となる。図示
せぬスタータでスタータドリブンギヤ93を廻すこと
で、スタータ用一方向クラッチインナ65及びスタータ
用一方向クラッチアウタ64を介して遠心クラッチイン
ナ68を廻しエンジンが始動してスタータ用一方向クラ
ッチアウタ64が高速になれば低速側のスタータ用一方
向クラッチインナ65と分離するものである。
【0016】また、図中、クランクシャフト56の他端
(前端)に、カム軸などを駆動するためのカム軸駆動プ
ーリ121を備え、このプーリ121でベルト122を
駆動するが、これらプーリ121とベルト122の詳細
は後述する。
【0017】図4及び図5は本発明のコーン式無断変速
機の構成図兼作用図である。図4において、コーン支軸
74の中心からインナディスク71までの距離(回転半
径)をR1、コーン支軸74の中心からアウタカップ7
3までの距離(回転半径)をR2とし、R1>R2とす
る。インナディスク71でコーンの大径(R1)部を廻
すためコーン72は低速で回転し、次にコーン72の小
径(R2)部でアウタカップ73を廻すためアウタカッ
プ73は低速で回転する。
【0018】なお、アウタカップ73から電動機軸59
への動力伝達はアウタカップ73の回転がワンウェイク
ラッチ83により、電動機軸59よりも速くなった場合
に動力が伝達される。また、70aはアウタカップ73
を回転に伴なって図左に押し出す作用をなすカムボール
であり、この押し出し作用によってアウタカップ73と
コーン72との間に接触圧を掛けることができる。70
b,70c,70dはオイルシールであり、オイルシー
ル70b,70cで変速機70内部に変速機オイルを溜
める密閉空間を形成し、オイルシール70dで図左のク
ランクケース55b側のオイルを遮断する。従って、ク
ランクケース内のオイルと、変速機オイルが混合する心
配はない。
【0019】図5において、コーン支軸74の中心から
インナディスク71までの距離(回転半径)をR3、コ
ーン支軸74の中心からアウタカップ73までの距離
(回転半径)をR4とし、R3<R4とする。インナデ
ィスク71でコーンの小径(R3)部を廻すためコーン
72は高速で回転し、次にコーン72の大径(R4)部
でアウタカップ73を廻すためアウタカップ73は高速
で回転する。この様にコーン72を移動することによ
り、変速機70は減速、等速、増速の作用を発揮する。
【0020】その為には、図4において変速制御モータ
95でギヤ96a,96b,96cを介して制御ギヤ9
7を廻す。この制御ギヤ97はボス部に台形雌ねじ部9
9を備えており、この台形雌ねじ部99はケース55側
に固定した台形雄ねじ部98に噛み合わせたものであ
り、台形雌ねじ部99の螺旋運動に伴なって制御ギヤ9
7は図左へ移動する。この移動によりコーン支軸74と
共にコーン72が図左に移動し、例えば図5の状態にな
る。
【0021】ここで重要なことは、台形雄・雌ねじ部9
8,99をアウタカップ73側ではなく、インナディス
ク71側に設けたことである。コーン72はアウタカッ
プ73の反作用で図左に押される。この結果、制御ギヤ
97に矢印の力が作用する。矢印は低速から高速へ
移動する方向に合致している。従って、本実施例の構造
にしたことにより、小さなトルクで高速側へシフトさせ
ることができ、変速制御モータ95の容量を下げること
も可能となる。
【0022】次に、潤滑系統の説明をする。図6は本発
明に係るエンジン潤滑系統の説明図であり、矢印はオイ
ルの流れである。パワーユニットケース55には下部に
下部オイルタンク101、上部に上部オイルタンク10
2を設け、クランクシャフト56の一端部(右端部)に
第1オイルポンプ103、第2オイルポンプ104及び
第3オイルポンプ105を同軸に配置し、先ず下部オイ
ルタンク101のオイルをストレーナ106及び第1油
路107を介して第1オイルポンプ103でくみ上げ、
第2油路108を介して上部オイルタンク102へ供給
する。次に、上部オイルタンク102のオイルは、第3
油路109を介して第2オイルポンプ104に至り、第
2オイルポンプ104で加圧されたオイルは第4油路1
11、フィルタ112、第5油路113を介してクラン
クシャフト56のメインジャーナル56a,56a、コ
ンロッド大端部56b、その他の部分(特に図示せぬ動
弁室)を潤滑した後に下部オイルタンク101に戻る。
112aはフィルタカバーである。
【0023】図7は本発明に係る変速機潤滑系統の説明
図であり、パワーユニットケース55の下部に別途設け
た変速機オイルタンク115から変速機オイルを第6油
路116を介して第3オイルポンプ105でくみ上げ、
第7油路117を介して変速機軸58へ送り、変速機軸
58内の油路118を通じてオイルを変速機70へ供給
する。オイルは図の矢印の如く変速機オイルタンク11
5に戻り、ストレーナ119を介して第3オイルポンプ
105にてくみ上げられる。
【0024】図8は本発明に係る動弁系駆動機構として
のカム軸駆動機構を示す、パワーユニットの正面図であ
る。右クランクケース55bと一体化したシリンダブロ
ック129Bの図右に左クランクケース55aを取付
け、クランクシャフト56の上位に電動機80を配置
し、シリンダブロック129Bの図左にシリンダヘッド
129Hを取付け、このシリンダヘッド129Hから延
ばした排気管19の先にマフラー21を取付け、また、
図左上奥のエアクリーナ18からキャブレタ129Cを
介してインテークマニホールド129Mをシリンダヘッ
ド129Hに繋いだことを示す。129Sはスタータモ
ータ取付用孔である。
【0025】そして、図ではベルトカバー79を外した
ことにより、パワーユニット15の正面には、カム軸駆
動プーリ121、ベルト122、吸気側カム軸プーリ1
23,排気側カム軸プーリ124及びテンショナ125
からなる動弁系駆動機構としてのカム軸駆動機構120
を見ることができる。なお、ベルト122をチェーン、
プーリ121,123,124をスプロケットとするこ
ともできるので、ベルト122は、タイミングベルト、
Vベルト、ローラチェーンなどの「巻掛け手段」、カム
軸駆動プーリ121は巻掛け手段で回転される「カム軸
駆動回転体」、カム軸プーリ123,124は巻掛け手
段で回転される「カム軸回転体」と呼び、部品の選択は
任意である。
【0026】図8から明らかなように、シリンダ軸12
6をほぼ水平(例えば地面に対して傾斜角α=+10
゜)にして車幅方向に寝かせて配置するので、低重心化
が図れるとともにシリンダ長さはその車幅内に納めるこ
とができ、設計の自由度は大きい。
【0027】そして図は前輪から後輪を見たときのもの
に相当し、このときに車体中心127から図右側にクラ
ンクシャフト56及びクラッチ軸57を配置し、車体中
心127から図左側にシリンダヘッド129Hを配置し
たことを特徴とする。クラッチ軸57の図面奥には変速
機軸58及び電動機軸59などからなる「動力伝達系」
の軸が、図2,3に示す通りに、連なっている。
【0028】図9は本発明に係るAIリードバルブ及び
水ポンプの配置図である。150はAIリードバルブで
あり、AIはエア・インジェクションの略であり、排気
ポートへ適量の空気を吹き込むことにより、排気ガスの
浄化を促進する系統に設けた逆止弁である。このAIリ
ードバルブ150の構造は図11で説明するが、AIリ
ードバルブ150をシリンダヘッド129Hの正面に設
けたので、カム軸駆動機構120を点検するときと同様
に、ベルトカバーを外すだけで容易にメインテナンスす
ることができる。更に、上記配置により常時はベルトカ
バーでAIリードバルブ150を保護することができ
る。
【0029】前記共用プーリ125は、ポンププーリと
ベルト122の張力を調整するテンショナとを兼ねたも
のであり、水ポンプ78のポンプハウジング131に回
転可能に取付けたものであり、詳細は後述する。ポンプ
ハウジング131は、ポンプロータ132を収納するの
みならず、2個の調整長穴133,134を有する。1
35・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)はハウジン
グの組立てビスである。一方、シリンダブロック129
Bに2本の突条部128a,128aを互いに平行に突
出させ、これらの間にガイド溝128bを設ける。
【0030】図10(a),(b)は本発明に係る水ポ
ンプの断面図兼共用プーリの取付図である。(a)にお
いて、水ポンプ78は、ポンプロータ132と、このポ
ンプロータ132に取付けたインナマグネット136
と、ポンプロータ132を回転自在に支えるロータ支軸
137と、このロータ支軸137の一端を支えるハウジ
ングカバー131aと、ロータ支軸137の他端を支え
るハウジングベース131bと、このハウジングベース
131bに形成した軸部131cと、この軸部131c
に軸受138,138を介して取付けたカップ139
と、このカップ139の内周面に取付けたアウタマグネ
ット141と、カップ139の外周面に取付けた共用プ
ーリ125とからなる。ポンプハウジング131はハウ
ジングカバー131a、ハウジングベース131b、軸
部131cからなる。
【0031】ベルト122の作用で共用プーリ125、
カップ139及びアウタマグナット141が廻ると、こ
のアウタマグナット141の磁力線がハウジングベース
131bを貫通してインナマグネット136に至り、イ
ンナマグネット136に回転力を与える。従って、ポン
プロータ132は回転し始める。従って、水ポンプ78
は、吸込通路142から吸込んだ水をポンプロータ13
2で加圧し、吐出通路143、偏心管継手145を通じ
てシリンダブロックの水入口146へ供給するものであ
る。なお、偏心管継手145は(b)に示す通り、入口
と出口がδだけ偏心した継手である。
【0032】そこで、(a)において偏心管継手145
を90度廻すことにより、(b)に示すように、シリン
ダブロックの水入口146を基準に水ポンプ78をΔだ
け平行移動することができる。
【0033】図9に戻って、ボルト147,147を緩
め、前記偏心管継手145を矢印の如く廻して共用プ
ーリ125を矢印の如く移動することにより、ベルト
122のテンションを高め、調整後、ボルト147,1
47を締付ける。水ポンプ78はガイド溝128bに嵌
合している軸部131c(図10(b)参照)と2本の
ボルト147,147で止まっているため、調整中を除
いて移動することはない。
【0034】図11は図9の11−11線断面図であ
り、AIリードバルブ150は、空気入口151から吹
込んだ空気を、リードバルブ152及びシリンダヘッド
129Hに開けたAIポート153を通じて排気ポート
へ送る。AIポート153側の圧力が高まるとリードバ
ルブ152が閉じるので、空気又は排気ガスが空気入口
151へ逆流する心配はない。
【0035】図12は本発明に係る自動二輪車用エンジ
ンの正面断面図(内部詳細省略)であり、エンジン16
0はシリンダブロック129Bに図面右からオイルパン
161を取付け、シリンダブロック129Bに図面左か
らシリンダヘッド129Hを取付け、このシリンダヘッ
ド129Hにヘッドカバー162を取付け、水平軸16
4に対してシリンダ軸126が角度α(約10゜)だけ
上に傾斜したものである。そして、シリンダヘッド12
9Hとヘッドカバー162とで囲った空間が動弁室16
7となり、この動弁室167の下部からシリンダヘッド
129H及びシリンダブロック129Bを縦断するオイ
ル戻し通路168を下り勾配に設け、更に動弁室167
の上部へシリンダブロック129B及びシリンダヘッド
129Hを縦断するエア通路169を上り勾配に設けた
ことを特徴とする。170はシリンダである。
【0036】下位のオイル戻し通路168で動弁室16
7からオイルパン161へオイルを戻し、上位のエア通
路169でオイルパン161から動弁室167へエアを
供給することにより、オイルを円滑にオイルパン161
に戻すことができる。図から明らかなように、エア通路
169をオイル戻し通路168とほぼ同じ程度に大径に
すれば、クランク室の圧力を迅速に動弁室に送ることが
でき、この圧力でオイル戻し通路168中のオイルをオ
イルパン161へ圧送するという作用も期待できる。従
って、勾配が小さいにも拘らず多量のオイルを円滑に流
すことができる。
【0037】図13は図12の13−13矢視図であ
り、シリンダブロック129Bを動弁室167側から見
た図面である。動弁室167は縦長ボックス空間を構成
し、下部にオイル戻し通路168の入口を開け、上部に
エア通路169の出口を開けたことを示す。172は排
気ポート、173,173,174,174はカム軸ベ
アリング下部であり、175・・・はヘッドカバー取付け
ボルトをねじ込むためのねじ部である。
【0038】図14は図12の14−14矢視図であ
り、ヘッドカバー162は4個のボルト孔176・・・、
中央に矩形開口177を備えた蓋である。図15は図1
4の15−15線断面図であり、ヘッドカバー162は
単なるカバーではなく、カム軸ベアリング上部179,
179を備えたことを特徴とする。
【0039】図13のカム軸ベアリング下部173,1
74に図示せぬカム軸を載せ、図15のカム軸ベアリン
グ上部179,179で抑えることにより、カム軸を回
転可能に支えることができる。一般に、カム軸ベアリン
グ下部173,174に上部ベアリングブロックを被
せ、これらをヘッドカバー162で覆う構造を採用して
いる。即ち従来構造では、カム軸ベアリング下部17
3,174と上部ベアリングブロックとヘッドカバー1
62が必要となるが、本実施例では、カム軸ベアリング
上部179,179をヘッドカバー162に一体形成し
たため、見掛け上カム軸ベアリング下部173,174
とヘッドカバー162だけで済み、部品点数を削減する
ことができる。
【0040】図16は本発明に係るエンジンの正面図で
あり、シリンダブロック129Bとオイルパン161と
の間、及びシリンダヘッド129Hとヘッドカバー16
2の間は、液状パッキンでシールする。液状パッキンで
あるからパッキン代は無視できるほど小さい。一方、シ
リンダブロック129Bとシリンダヘッド129Hの間
は耐圧などの要求により板パッキンを使用する。する
と、タイミングベルトカバーを取付ける上で次に述べる
問題が発生する。
【0041】図17(a)〜(c)は図16の17−1
7線断面図(ただし、タイミングベルトカバーは追加し
た。)である。(b),(c)は比較例であり、板パッ
キン181はシリンダブロック129Bとシリンダヘッ
ド129Hで強く圧縮され、図面上下方向の位置は大き
くばらつく。(b)に示すように板パッキン181の下
端が後退していればカバー側パッキン182との間に隙
間183ができ、この部分がシール不良となる。また、
(c)に示すように板パッキン181の下端が出過ぎる
とカバー側パッキン182を押し出し、タイミングベル
トカバー184がシリンダブロック129B若しくはシ
リンダヘッド129Hに均等に当らず、隙間185がで
きる。
【0042】そこで、本実施例では(a)に示す通り、
シリンダブロック129Bに溝186及び突起187を
設け、そこへコ断面パッキン188を挿入するようにし
た。このコ断面パッキン188は板パッキン181に比
べて軟らかく、板パッキン181の出入りに柔軟に対応
し、同様にカバー側パッキン182にも密着する。コ断
面パッキン188を介在させたことにより、板パッキン
181とカバー側パッキン182との間の隙間の発生を
未然に防ぐことができる。
【0043】尚、本発明のオイル戻し構造は小型エンジ
ンのみならず、中型・大型エンジンに採用することは差
支えない。また、エンジンは自動二輪車用エンジン、四
輪車用エンジン、汎用エンジンのいづれでもよい。
【0044】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、シリンダ軸を略水平にし、動弁室内
のオイルをオイルパンへ戻すオイル戻し通路をシリンダ
ヘッド並びにシリンダブロックに備えたエンジンにおい
て、下位のオイル戻し通路で動弁室からオイルパンへオ
イルを戻し、上位のエア通路でオイルパンから動弁室へ
エアを供給することにより、オイルの戻りが円滑にな
り、オイル戻し通路の径を小さくすること、オイル戻し
通路の本数を減少することの何れもが可能となり、エン
ジンの小型化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車の側面図
【図2】本発明のパワーユニットの側面断面図
【図3】本発明のパワーユニットの平面断面図
【図4】本発明のコーン式無断変速機の構成図兼作用図
【図5】本発明のコーン式無断変速機の構成図兼作用図
【図6】本発明に係るエンジン潤滑系統の説明図
【図7】本発明に係る変速機潤滑系統の説明図
【図8】本発明に係る動弁系駆動機構としてのカム軸駆
動機構を示す、パワーユニットの正面図
【図9】本発明に係るAIリードバルブ及び水ポンプの
配置図
【図10】本発明に係る水ポンプの断面図兼共用プーリ
の取付図
【図11】図9の11−11線断面図
【図12】本発明に係る自動二輪車用エンジンの正面断
面図(内部詳細省略)
【図13】図12の13−13矢視図
【図14】図12の14−14矢視図
【図15】図14の15−15線断面図
【図16】本発明に係るエンジンの正面図
【図17】図16の17−17線断面図
【符号の説明】
1…自動二輪車、15…パワーユニット、126…シリ
ンダ軸、129H…シリンダヘッド、160…エンジ
ン、161…オイルパン、164…水平軸、167…動
弁室、168…オイル戻し通路、169…エア通路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドに動弁系駆動機構を備え
    ると共に動弁系駆動機構を収納する動弁室をシリンダの
    側部に備え、且つ前記動弁室をエンジンオイルから隔離
    した密閉空間とするエンジンにおいて、シリンダ軸を略
    水平にし、動弁室内のオイルをオイルパンへ戻すオイル
    戻し通路をシリンダヘッド並びにシリンダブロックに備
    えたエンジンのオイル戻し構造において、前記オイル戻
    し通路を動弁室の下部から下り勾配を持たせて延ばすと
    ともに、オイルパンから動弁室の上部に至るエア通路を
    シリンダブロック並びにシリンダヘッドに設けたことを
    特徴とするエンジンのオイル戻し構造。
JP26808097A 1997-09-14 1997-09-14 エンジンのオイル戻し構造 Pending JPH1181957A (ja)

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JP26808097A JPH1181957A (ja) 1997-09-14 1997-09-14 エンジンのオイル戻し構造
CN98116663A CN1077213C (zh) 1997-09-14 1998-07-30 前倾发动机的润滑构造
IDP981228A ID20878A (id) 1997-09-14 1998-09-14 Struktur untuk melumasi mesin yang miring ke depan

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006291924A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Kawasaki Heavy Ind Ltd エンジンの潤滑構造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006291924A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Kawasaki Heavy Ind Ltd エンジンの潤滑構造

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