JP2014092125A - エンジンのブリーザ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブリーザ室の容積を十分に確保してブリーザ性能を向上すること。
【解決手段】エンジンのブリーザ構造は、車幅方向に分割される第1クランクケース(101a)及び第2クランクケース(101b)を有するクランクケース(101)と、このクランクケース(101)内に収納されるクラッチ(109)とを具備し、クラッチ(109)における車幅方向の外側に配置された第1クランクケース(101a)とクラッチ(109)との間にブリーザ室(152)を配置し、第1クランクケース(101a)の内壁面の一部でブリーザ室(152)を規定することを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンのブリーザ構造に関し、特に、自動二輪車に好適なエンジンのブリーザ構造に関する。
従来、自動二輪車等に搭載されるエンジンに適用されるブリーザ構造として、エンジンケースの外側壁とクラッチとの間に第1ブリーザ室を設け、この第1ブリーザ室を、エンジンケース内に配置された変速ギヤ装置の上部に設けた第2ブリーザ室に連通させるブリーザ構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のエンジンのブリーザ構造によれば、エンジンケースを大きくすることなく、そのデッドスペースを有効活用してブリーザ室の容積を確保し、そのブリーザ性能を向上することができる。
特開昭59−70825号公報
しかしながら、上述した従来のエンジンのブリーザ構造においては、エンジンケースの外側壁とクラッチとの間に第1ブリーザ室と、変速ギヤ装置の上部に設けた第2ブリーザ室とを連通させてブリーザ室の容積を確保するものの、そのスペースには限度があり、ブリーザ室の容積を十分に確保することが困難であるという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ブリーザ室の容積を十分に確保してブリーザ性能を向上することができるエンジンのブリーザ構造を提供することを目的とする。
本発明のエンジンのブリーザ構造は、車幅方向に分割される第1クランクケース及び第2クランクケースを有するクランクケースと、前記クランクケース内に収納されるクラッチとを具備し、前記クラッチにおける車幅方向の外側に配置された前記第1クランクケースと前記クラッチとの間にブリーザ室を配置し、当該第1クランクケースの内壁面の一部で前記ブリーザ室を規定することを特徴とする。
この構成によれば、クラッチとこのクラッチにおける車幅方向の外側に配置される第1クランクケースとの間にブリーザ室が配置されると共に、第1クランクケースの内壁面の一部でブリーザ室が規定されることから、エンジンにおける外壁形状の調整等によりエンジン内部に形成される空間を確保し易いクランクケースの一部を利用してブリーザ室を規定できるので、ブリーザ室の容積を十分に確保してブリーザ性能を向上することが可能となる。
上記エンジンのブリーザ構造においては、前記クラッチを貫通するドライブ軸に設けられる出力ギヤを前記クラッチの外側に配置すると共に、前記ブリーザ室を前記ドライブ軸の径方向の外側であって前記出力ギヤとオーバーラップする空間に配置することが好ましい。この場合には、ドライブ軸の径方向の外側であって出力ギヤとオーバーラップする位置にブリーザ室が配置されることから、出力ギヤにおけるドライブ軸の軸方向の長さ分だけ、ブリーザ室をクラッチ側に膨出形成できるので、クラッチ周辺の部品の配置を活用しながらブリーザ室の容積を確保することが可能となる。
特に、上記エンジンのブリーザ構造においては、前記出力ギヤを介して前記ドライブ軸に連結される出力軸の径方向の外側に前記ブリーザ室を配置することが好ましい。この場合には、出力ギヤを介してドライブ軸に連結される出力軸の径方向の外側にブリーザ室が配置されることから、出力ギヤとオーバーラップする空間に加えて、出力軸の径方向の外側に設けられる空間をブリーザ室として利用できるので、クラッチ周辺の部品の配置を活用しながらブリーザ室の容積を更に確保することが可能となる。
また、上記エンジンのブリーザ構造においては、前記ドライブ軸を軸支するギヤボックスカバーと前記第1クランクケースとの間に形成される空間で前記ブリーザ室を構成することが好ましい。この場合には、ギヤボックスカバーと第1クランクケースとの間に形成される空間でブリーザ室が構成されることから、第1クランクケース及びギヤボックスカバーの一部の形状を変更することによってブリーザ室の容積を確保できるので、製造コストの上昇を抑制しながらブリーザ性能を向上することが可能となる。
さらに、上記エンジンのブリーザ構造において、前記ギヤボックスカバーは、前記出力ギヤ及び/又は当該出力ギヤに噛合するギヤを収納することが好ましい。この場合には、出力ギヤ及び/又はこれに噛合するギヤがギヤボックスカバーに収納されることから、出力ギヤ及び/又はこれに噛合するギヤを収納することでギヤボックスカバーの外側に形成される空間をブリーザ室として活用できるので、クラッチ周辺の部品の配置を活用しながらブリーザ室の容積を更に確保することが可能となる。
本発明によれば、ブリーザ室の容積を十分に確保してブリーザ性能を向上することが可能となる。
本実施の形態に係るエンジンのブリーザ構造が適用される自動二輪車の外観を示す左側面図である。 本実施の形態に係るエンジンユニットの周辺部分を示す左側面図である。 図2に示す実線A−Aにおける断面図である。 図2に示す状態から左側クランクケース及びジェネレータケースを取り外した状態のエンジンの左側面図である。 図3に示すクラッチ周辺の拡大図である。 本実施の形態に係るエンジン内に配置されるドライブ軸に沿った断面を示す斜視図である。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係るエンジンのブリーザ構造をビジネスタイプの自動二輪車に適用した形態について説明するが、本発明の適用対象となる車両はこれに限定されることなく適宜変更可能である。例えば、本発明に係るエンジンのブリーザ構造を、他のタイプの自動二輪車のエンジンに適用しても良い。
図1を参照して、本実施の形態に係るエンジンのブリーザ構造が適用される自動二輪車全体の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るエンジンのブリーザ構造が適用される自動二輪車1の左側面図である。なお、図1においては、自動二輪車1における車体前方を矢印FR、車体後方を矢印REでそれぞれ示すものとする。図2以降の図面についても同様である。
図1に示すように、ビジネスタイプの自動二輪車1は、鋼製又はアルミ合金製の車体フレーム(不図示)に車体外装としての各種カバーを装着して構成されている。この自動二輪車1は、前方に運転者の足回りを保護するレッグシールド21が設けられており、レッグシールド21の後方にはセンターフレームカバー22が設けられている。また、自動二輪車1の左右後方にはサイドフレームカバー23が設けられている。
車体前方には、ステアリングシャフト(不図示)を介してフロントフォーク31が回転可能に支持されている。フロントフォーク31の上方には、前輪3を操舵するためのハンドルバー32が設けられている。ハンドルバー32の右前方にはブレーキレバー(不図示)が配置されており、ハンドルバー32の前方にはヘッドランプ33が設けられている。フロントフォーク31の下部には前輪3が回転可能に支持されると共に、前輪3の上部を覆うフロントフェンダ34が設置されている。前輪3には、ブレーキディスク35とブレーキディスク35を挟持するキャリパー36とが設けられている。
サイドフレームカバー23の下側には、スイングアーム41が上下方向に揺動可能に支持されており、車体フレームとスイングアーム41との間にはサスペンション42が取り付けられている。スイングアーム41の後部には、後輪4が回転可能に支持されている。後輪4の左側には、リヤスプロケット(ドリブンスプロケット)及びドライブチェーンが格納されるチェーンカバー43が設けられている。このリヤスプロケット及びドライブチェーンによってエンジンユニット10(エンジン100)の動力が後輪4に伝達される。サイドフレームカバー23の後部にはテールランプ44及びリヤフェンダ45が設けられている。
ここで、本実施の形態に係る自動二輪車1が備えるエンジンユニット10の周辺の構成について、図2及び図3を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態に係るエンジンユニット10の周辺部分を示す左側面図である。図3は、図2に示す実線A−Aにおける断面図である。なお、図3においては、自動二輪車1における車体左方を矢印L、車体右方を矢印Rでそれぞれ示すものとする。図4以降の図面においても同様である。また、図2においては、説明の便宜上、図3に示すドライブスプロケット142を省略している。
図2に示すように、エンジンユニット10に備えられるエンジン100は、車両の前後方向に延びる車体フレーム(不図示)の下方に懸架されている。この場合、エンジン100は、図2に示すように、クランクケース101の前面にシリンダ102及びシリンダヘッド103が略水平まで前傾して配置されている。エンジン100には、図示しないエアクリーナ及びインテークパイプ104を通じて空気が取り込まれ、シリンダ102内の後述する燃焼室114に供給される。燃焼後の燃焼ガスは、エンジン100の右側面において後方に延出された不図示のエキゾーストパイプを経て排気マフラから排気ガスとして排出される。
また、エンジン100の上方には、冷却風として外気を取り込むベルト室用エアクリーナ(吸気部材)105及び吸入ダクト106が設けられている。ベルト室用エアクリーナ105から取り込まれた空気は、吸入ダクト106を介して後述する変速機ケース126内のベルト室127に送られる。また、エンジン100の後方には、ベルト室127内に取り込まれた空気を排出するための排出ダクト107が設けられている。
エンジンユニット10は、図3に示すように、エンジン100と、ベルト式無段変速機108と、多板式自動遠心クラッチ装置(以下、単に「クラッチ」という)109と、減速ミッション機構110とを含んで構成される。ベルト式無段変速機108は、概してエンジンユニット10の右方側部分に配置され、減速ミッション機構110は、概してエンジンユニット10の左方側部分に配置される。クラッチ109は、これらのベルト式無段変速機108と減速ミッション機構110との間に配置される。
エンジン100のシリンダ102内においては、ピストン111が摺動可能に挿入され、このピストン111にコンロッド112の一端部が連結されている。コンロッド112の他端部は、後述するクランク軸121のクランクピン113に連結されている。このコンロッド112によりピストン111の往復運動がクランク軸121の回転運動に変換される。
シリンダヘッド103には、燃焼室114が形成されると共に、この燃焼室114に連通して図示しない吸気ポート及び排気ポートが形成される。また、燃焼室114の内部に点火プラグ115が挿入されている。吸気ポートにインテークパイプ104(図2参照)が接続され、排気ポートに図示しない排気管が接続される。この排気管は、シリンダヘッド103から後方へ延び、排気マフラに接続される。
シリンダ102及びシリンダヘッド103に形成されるカムチェーン室116にはカムチェーン117が配設される。このカムチェーン117は、クランク軸121のカムドライブスプロケット118と、カム軸119のカムドリブンスプロケット120に巻き掛けられる。このカムチェーン117により、カム軸119は、クランク軸121の回転に従って回転し、吸気ポートを開閉する吸気バルブ(不図示)と、排気ポートを開閉する排気バルブ(不図示)を開閉可能に構成される。
クランクケース101は、第1クランクケースを構成する左側クランクケース101aと、第2クランクケースを構成する右側クランクケース101bとが接合されて構成される。これらの左側クランクケース101aと右側クランクケース101bとは、車幅方向に分割される。接合された左側クランクケース101a及び右側クランクケース101bの内部にクランク軸121が収容される。このクランク軸121は、車幅方向に延在して水平に配置され、一対の軸受を介して左側クランクケース101a及び右側クランクケース101bにそれぞれ回転自在に支持される。
左側クランクケース101aの前半部の左方側に、ジェネレータ122を収容するジェネレータケース123が取り付けられる。クランク軸121の左側端部は、左側クランクケース101aを貫通してジェネレータケース123内まで延び、この左側端部にジェネレータ122のロータ124が取り付けられる。ジェネレータ122のステータ125は、ロータ124に対向した状態でジェネレータケース123に取り付けられる。クランク軸121の回転によりロータ124がステータ125の周囲を回転することで、発電が行われる。なお、発電された電力は図示しないバッテリに蓄積される。
一方、右側クランクケース101bの右側に、ベルト式無段変速機108を収容する変速機ケース126が取り付けられる。この変速機ケース126は、右側クランクケース101bに接合される変速機内側ケース126aと、この変速機内側ケース126aに接合され、この変速機内側ケース126aとの間でベルト室127を形成する変速機外側ケース126bとを有している。このベルト室127内にベルト式無段変速機108が収容される。
クランク軸121の右側端部は、右側クランクケース101b及び変速機内側ケース126aを貫通してベルト室127内まで延び、この右側端部にベルト式無段変速機108のドライブプーリ128が回転可能に連結される。また、クランクケース101の後半部には、クランク軸121と平行にドライブ軸129が配置されている。このドライブ軸129は、一対の軸受を介して後述のギヤボックスカバー140及び変速機内側ケース126aにそれぞれ回転自在に支持される。このドライブ軸129の右側半部はベルト室127内に配置される、この右側半部にベルト式無段変速機108のドリブンプーリ130が、スリーブ131を介して回転可能に連結される。
ベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)108は、上記ドライブプーリ128と、ドリブンプーリ130と、これらのドライブプーリ128とドリブンプーリ130に巻き掛けられて、ドライブプーリ128の回転力(駆動力)をドリブンプーリ130へ伝達するVベルト132とを含んで構成される。
ドライブプーリ128は、固定シーブ128aと可動シーブ128bとが対向配置されて構成される。固定シーブ128aは、クランク軸121に固定される。一方、可動シーブ128bは、クランク軸121に、一定範囲で軸方向にスライド自在に取り付けられている。この可動シーブ128bの背面にはカム面133が形成され、クランク軸121の右側端部に固定されたカムプレート134とカム面133との間にウェイトローラ135が配設されている。
一方、ドリブンプーリ130は、固定シーブ130aと可動シーブ130bとが対向配置されて構成される。固定シーブ130aは、ドライブ軸129に固定されたスリーブ131の外周に固着されている。一方、可動シーブ130bは、スリーブ131に、回転可能に一定範囲で軸方向にスライド自在に取り付けられる。この可動シーブ130bの背面には、スリーブ131に固定されたスプリング受け136との間にスプリング137が配置されている。このスプリング137の付勢力によって、可動シーブ130bが固定シーブ130a側へ常時付勢される。
ドライブプーリ128の固定シーブ128aと可動シーブ128bとの間、ドリブンプーリ130の固定シーブ130aと可動シーブ130bとの間にVベルト132が配置される。ドライブプーリ128のベルト巻き掛け径とドリブンプーリ130のベルト巻き掛け径は、ドライブプーリ128の可動シーブ128bを固定シーブ128a側へ押圧するウェイトローラ135に作用する遠心力と、ドリブンプーリ130の可動シーブ130bを固定シーブ130a側へ付勢するスプリング137の付勢力との大小関係によって決定される。これにより、ベルト式無段変速機108の減速比が自動的に定まる。
より具体的には、クランク軸121の回転数が上昇するとウェイトローラ135が遠心力の作用でドライブプーリ128の径方向外側へ移動する。これにより、ドライブプーリ128の可動シーブ128bがクランク軸121の軸方向に移動して固定シーブ128aに接近し、ドライブプーリ128のベルト巻き掛け径が拡大する。このとき、ドリブンプーリ130は、可動シーブ130bがスプリング137の付勢力に抗して、スリーブ131上をドライブ軸129の軸方向に沿って移動して固定シーブ130aから離れ、ドリブンプーリ130のベルト巻き掛け径が縮小する。これにより、ベルト式無段変速機108の減速比が小さくなる。
一方、クランク軸121の回転数が低下したときには、ウェイトローラ135に作用する遠心力が小さくなって、ウェイトローラ135がドライブプーリ128の径方向内側へ移動し、スプリング137の付勢力がドリブンプーリ130の可動シーブ130bを固定シーブ130a側へ接近させる。これにより、ドライブプーリ128のベルト巻き掛け径が縮小し、ドリブンプーリ130のベルト巻き掛け径が拡大して、ベルト式無段変速機108の減速比が大きくなる。このようにして、ベルト式無段変速機108は、クランク軸121の回転数を無段階に変速してドライブ軸129を回転させる。
クラッチ109は、ドライブ軸129と減速ミッション機構110との間に配置され、クラッチイン状態(接続状態)では、ドライブ軸129の回転力(駆動力)を減速ミッション機構110へ伝達し、クラッチオフ状態(遮断状態)では、上記駆動力の伝達を遮断する。このクラッチ109のクラッチイン状態とクラッチオフ状態とは、ドライブ軸129の回転数に応じて自動的に切り換えられる。例えば、クラッチ109は、湿式多板クラッチで構成される。なお、このクラッチ109の構成については後述する。
減速ミッション機構110は、クラッチ109と出力軸138との間に配置され、ドライブ軸129の回転力をギヤ列(第1減速ギヤ139a、第2減速ギヤ139b、第3減速ギヤ139c、第4減速ギヤ139d)により減速して出力軸138へ伝達する。この出力軸138は、一対の軸受を介して左側クランクケース101a及びこの左側クランクケース101aに接合されたギヤボックスカバー140にそれぞれ回転自在に支持される。また、左側クランクケース101aとギヤボックスカバー140には中間軸141も、一対の軸受を介して回転自在に支持されている。
第1減速ギヤ139aは、出力ギヤを構成するものであり、クラッチ109の外側に配置されるドライブ軸129の左側端部に固定され、ドライブ軸129と一体的に回転可能に構成されている。第2減速ギヤ139bは、出力ギヤに噛合するギヤを構成するものであり、中間軸141に一体的に回転可能に設けられて第1減速ギヤ139aと噛合する。第3減速ギヤ139cは、中間軸141に形成される。第4減速ギヤ139dは、出力軸138に一体的に回転可能に設けられて第3減速ギヤ139cと噛合する。この減速ミッション機構110により、ドライブ軸129の回転力(駆動力)が所望の減速比に減速されて出力軸138へ伝達される。
出力軸138の左側端部は、左側クランクケース101aから外部へ突出し、この左側端部にドライブスプロケット142が固定されている。このドライブスプロケット142には、出力軸138の駆動力を後輪4(図1)へ伝達するためのドライブチェーン143が巻き掛けられている。出力軸138の駆動力がドライブチェーン143を介して後輪4に供給されることにより、後輪4が駆動される。
ここで、本実施の形態に係るエンジン100内に形成されるブリーザ室の構成について、図4〜図6を参照しながら説明する。図4は、図2に示す状態から左側クランクケース101a及びジェネレータケース123を取り外した状態のエンジン100の左側面図である。図5は、図3に示すクラッチ109周辺の拡大図である。図6は、本実施の形態に係るエンジン100内に配置されるドライブ軸129に沿った断面を示す斜視図である。
図4に示すように、左側クランクケース101aを取り外した状態のエンジン100においては、クランクケース101内にギヤボックスカバー140が露出する。左側クランクケース101aは、このギヤボックスカバー140の端面の一部に接合されると共に、右側クランクケース101bの端面に接合される(図3、図5及び図6参照)。
ギヤボックスカバー140には、上述したように、ドライブ軸129、出力軸138及び中間軸141の一端が回転可能に支持されている(なお、図4において、ドライブ軸129は不図示、図3参照)。中間軸141の上方には、オイル通路144が設けられている。このオイル通路144は、出力軸138の延伸方向と略平行に延在して設けられている。オイル通路144の一端部(後端部)には、オイル噴出孔144aが設けられている。オイル供給源から送出された潤滑オイルは、オイル通路144を介してオイル噴出孔144aに供給され、このオイル噴出孔144aからクランクケース101内に供給される。
ギヤボックスカバー140において、オイル通路144の上方には、車両左側(より具体的には、左側クランクケース101a側)に開口した凹部145が設けられている。凹部145の中央には、凹部145を上下に区画する隔壁146が設けられている。この隔壁146により凹部145は、上方側に配置される凹部145aと、下方側に配置される凹部145bとに区画される。これらの凹部145a、145bは、後述するブリーザ室152(152a、152b)の一部を構成する。
クラッチ109は、図5及び図6に示すように、ベルト式無段変速機108を構成するドリブンプーリ130と、減速ミッション機構110を構成する第1減速ギヤ139aとの間に配置されている。クラッチ109は、クラッチハブ147と、クラッチディスク148と、クラッチカバー149とを含んで構成される。クラッチハブ147は、ドライブ軸129に固定され、ドライブ軸129と一体的に回転可能に構成される。クラッチカバー149は、ドライブ軸129に取り付けられた第1減速ギヤ139aの外周面に取り付けられ固定され、第1減速ギヤ139aと一体的に回転可能に構成される。クラッチディスク148は、クラッチハブ147とクラッチカバー149との間に配置され、軸方向に僅かに移動可能にドライブ軸129に取り付けられている。
クラッチハブ147には、クラッチカバー149側に開口した円環状の凹部147aが設けられている。クラッチハブ147は、ドライブ軸129の回転に伴って回転可能に構成される。凹部147aの内壁面には、径方向外側に向かってクラッチカバー149側に迫り出す傾斜面が設けられている。凹部147aには、概して球形状を有する複数のウェイト147bが収容されている。これらのウェイト147bは、クラッチハブ147の回転に伴う遠心力によって外側に移動すると共に、傾斜面と当接することによってクラッチカバー149側に移動する。
クラッチディスク148は、ドライブ軸129に取り付けられる円盤形状の基部148aと、この基部148aの外周面に設けられた複数のクラッチプレート148bとを有する。これらのクラッチプレート148bは、円環形状を有し、ドライブ軸129の軸方向に一定間隔を空けて配置されている。また、これらのクラッチプレート148bは、基部148aの外周面から一定長さだけ突出して設けられている。
クラッチカバー149には、クラッチハブ147側に開口した凹部149aが設けられている。この凹部149aは、クラッチディスク148を収容可能な寸法に設けられている。凹部149aを規定するクラッチカバー149の内壁面には、複数のプレッシャープレート149bが設けられている。これらのプレッシャープレート149bは、円環形状を有し、ドライブ軸129の軸方向に一定間隔を空けて配置されている。また、これらのプレッシャープレート149bは、クラッチカバー149の内壁面から一定長さだけ突出して設けられている。それぞれのプレッシャープレート149bは、クラッチプレート148b間のギヤップ内に収容される。
燃料供給装置から供給された空気と燃料との混合気が燃焼室114で燃焼され、シリンダ102内のピストン111が往復移動すると、コンロッド112を介して連結されたクランク軸121が回転する。クランク軸121が回転すると、その回転力がベルト式無段変速機108を介してドライブ軸129に伝達され、ドライブ軸129が回転する。このドライブ軸129の回転に伴ってクラッチハブ147が回転すると、凹部147a内に収容されたウェイト147bが遠心力により外側に移動する。傾斜面に押し出されたウェイト147bの移動により、クラッチディスク148のクラッチプレート148bがクラッチカバー149のプレッシャープレート149bを挟んだ状態となり、ドライブ軸129の動力がクラッチカバー149に伝達される。
クラッチディスク148が押圧されると、クラッチプレート148bがプレッシャープレート149bに押し付けられる。これに伴い、クラッチディスク148の回転がクラッチカバー149に伝達される。これにより、クラッチカバー149が固定された第1減速ギヤ139aが回転する。第1減速ギヤ139aの回転は、第2減速ギヤ139b、第3減速ギヤ139c、第4減速ギヤ139dを介して出力軸138に伝達される。出力軸138の回転に伴ってドライブスプロケット142が回転し、これに巻き掛けられたドライブチェーン143が回転することで後輪4が駆動される。
上述のように、左側クランクケース101aは、ドライブ軸129を支持するギヤボックスカバー140の端面の一部に接合されるように取り付けられる。左側クランクケース101aの内壁面には、凹部145に対応する位置に、ギヤボックスカバー140側に開口した凹部150が設けられている。凹部150の中央には、凹部150を上下に区画する隔壁151が設けられている。この隔壁151により凹部150は、上方側に配置される凹部150aと、下方側に配置される凹部150bに区画される。凹部150a、150bは、それぞれ凹部145a、145bに対応する位置に配置される。
本実施の形態に係るエンジン100においては、これらのギヤボックスカバー140に設けられた凹部145と、左側クランクケース101aに設けられた凹部150とをブリーザ室152(152a、152b)として利用する。すなわち、ブリーザ室152(152a、152b)は、左側クランクケース101aの内壁面の一部で規定される。このブリーザ室152(152a、152b)は、クランクケース101内の空間と連通している。ブリーザ室152は、クランクケース101内のブローバイガス(未燃焼ガス)をオイル成分と気体成分とに分離(気液分離)する役割を果たす。
クランクケース101内に収容された潤滑オイルは、クランク軸121により撹拌され、霧状のオイルミストとなってクランクケース101内に充満する。ブリーザ室152は、このようにクランクケース101内に充満するオイルミスト(ブローバイガス)を収容し、オイル成分と気体成分とに分離する。オイルミストから分離されたオイル成分は、クランクケース101内に戻される。一方、オイルミストから分離された気体成分は、不図示のブリーザパイプ等を介してクランクケース101外に放出される。
以下、本実施の形態に係るエンジン100のブリーザ室152の配置について説明する。ブリーザ室152(152a、152b)は、クラッチ109と左側クランクケース101aとの間に配置され、左側クランクケース101aの内壁面の一部で規定されている。このようにクラッチ109と左側クランクケース101aとの間にブリーザ室152を配置し、ブリーザ室152を左側クランクケース101aの内壁面の一部で規定することにより、エンジン100における外壁形状の調整等によりエンジン100内部に形成される空間を確保し易いクランクケース101の一部を利用してブリーザ室152を規定できるので、ブリーザ室152の容積を十分に確保してブリーザ性能を向上することが可能となる。
特に、本実施の形態に係るエンジン100においては、クラッチ109を貫通するドライブ軸129の左端部に設けられる第1減速ギヤ139aがクラッチ109(より具体的には、クラッチカバー149)の外側(左方側)に配置されている。そして、ブリーザ室152は、ドライブ軸129の径方向の外側であって、第1減速ギヤ139aとオーバーラップする空間に配置されている。これにより、第1減速ギヤ139aが配置されるドライブ軸129の軸方向の長さ分だけ、ブリーザ室152をクラッチ109側に膨出形成できるので、クラッチ109周辺の部品の配置を活用しながらブリーザ室152の容積を確保することが可能となる。
しかも、ブリーザ室152は、ドライブ軸129にギヤ列を介して連結される中間軸141及び/又は出力軸138の径方向の外側に配置されている(図3参照)。このように中間軸141及び/又は出力軸138の径方向の外側にブリーザ室152が配置されることから、第1減速ギヤ139aとオーバーラップする空間に加えて、中間軸141及び/又は出力軸138の径方向の外側に設けられる空間をブリーザ室152として利用できるので、クラッチ109周辺の部品の配置を活用しながらブリーザ室152の容積を更に確保することが可能となる。
また、ブリーザ室152は、ギヤボックスカバー140と左側クランクケース101aとの間に形成される空間で構成される。より具体的には、ブリーザ室152は、左側クランクケース101aに設けられる凹部150と、ギヤボックスカバー140に設けられる凹部145とを組み合わせて形成されている。このように接合される左側クランクケース101aとギヤボックスカバー140とを利用してその内側にブリーザ室152を設けることから、左側クランクケース101a及びギヤボックスカバー140の一部の形状を変更することによってブリーザ室152の容積を確保できるので、製造コストの上昇を抑制しながらブリーザ性能を向上することが可能となる。
特に、本実施の形態に係るエンジン100において、ギヤボックスカバー140は、ドライブ軸129に設けられる第1減速ギヤ139a及び第2減速ギヤ139bを収納する。これにより、第1減速ギヤ139a及び第2減速ギヤ139bを収納した部分の外側に形成される空間をブリーザ室152として利用できるので、クラッチ109周辺の部品の配置を活用しながらブリーザ室152の容積を更に確保することが可能となる。
なお、本実施の形態では、図5に示すように、ドライブ軸129に設けられる第1減速ギヤ139a及び第2減速ギヤ139bをギヤボックスカバー140で収納する場合について説明している。しかしながら、これらの第1減速ギヤ139a及び第2減速ギヤ139bの配置によっては、第1減速ギヤ139a及び第2減速ギヤ139bの一方のみをギヤボックスカバー140で収納することもできる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態では、第1減速ギヤ139aをクラッチ109の外側に配置すると共に、ブリーザ室152をドライブ軸129の径方向の外側であって第1減速ギヤ139aとオーバーラップする空間に配置する場合について説明している。しかしながら、本発明に係るエンジン100のブリーザ構造は、クラッチ109と左側クランクケース101aとの間にブリーザ室152を設け、左側クランクケース101aの内壁面の一部でブリーザ室152を規定することを前提として、ブリーザ室152の周辺の構成については必ずしも上記構成に限定されない。例えば、ブリーザ室152の近傍に第1減速ギヤ139aが配置されていない構成にも適用することが可能である。
また、上記実施の形態では、左側クランクケース101aに設けられる凹部150と、ギヤボックスカバー140に設けられる凹部145とを組み合わせて形成される空間でブリーザ室152を構成する場合について説明している。しかしながら、ブリーザ室152を構成する空間については、上記構成に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、左側クランクケース101a又はギヤボックスカバー140の一方に設けられた凹部のみで形成される空間でブリーザ室152を構成することもできる。なお、ブリーザ室152の容積を確保する観点からは、上記実施の形態のように、左側クランクケース101a及びギヤボックスカバー140の双方に設けられた凹部でブリーザ室152を構成することが好ましい。
本発明に係るエンジンのブリーザ構造は、ブリーザ室の容積を十分に確保してブリーザ性能を向上でき、例えば、クランクケース内で利用可能な空間が限られるスクータのエンジンのブリーザ構造として有用である。
1 自動二輪車
10 エンジンユニット
100 エンジン
101 クランクケース
101a 左側クランクケース(第1クランクケース)
101b 右側クランクケース(第2クランクケース)
102 シリンダ
103 シリンダヘッド
108 ベルト式無段変速機
109 多板式自動遠心クラッチ装置(クラッチ)
110 減速ミッション機構
121 クランク軸
122 ジェネレータ
123 ジェネレータケース
126 変速機ケース
126a 変速機内側ケース
126b 変速機外側ケース
127 ベルト室
128 ドライブプーリ
129 ドライブ軸
130 ドリブンプーリ
138 出力軸
139a 第1減速ギヤ(出力ギヤ)
139b 第2減速ギヤ
140 ギヤボックスカバー
141 中間軸
142 ドライブスプロケット
143 ドライブチェーン
145、145a、145b 凹部
146 隔壁
150、150a、150b 凹部
151 隔壁
152、152a、152b ブリーザ室

Claims (5)

  1. 車幅方向に分割される第1クランクケース及び第2クランクケースを有するクランクケースと、前記クランクケース内に収納されるクラッチとを具備し、前記第1クランクケースにより前記クラッチにおける車幅方向の外側に配置された前記第1クランクケースと前記クラッチとの間にブリーザ室を配置し、当該第1クランクケースの内壁面の一部で前記ブリーザ室を規定することを特徴とするエンジンのブリーザ構造。
  2. 前記クラッチを貫通するドライブ軸に設けられる出力ギヤを前記クラッチの外側に配置すると共に、前記ブリーザ室を前記ドライブ軸の径方向の外側であって前記出力ギヤとオーバーラップする空間に配置したことを特徴とする請求項1記載のエンジンのブリーザ構造。
  3. 前記出力ギヤを介して前記ドライブ軸に連結される出力軸の径方向の外側に前記ブリーザ室を配置したことを特徴とする請求項2記載のエンジンのブリーザ構造。
  4. 前記ドライブ軸を軸支するギヤボックスカバーと前記第1クランクケースとの間に形成される空間で前記ブリーザ室を構成することを特徴とする請求項2又は請求項3記載のエンジンのブリーザ構造。
  5. 前記ギヤボックスカバーは、前記出力ギヤ及び/又は当該出力ギヤに噛合するギヤを収納することを特徴とする請求項4記載のエンジンのブリーザ構造。
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