JPH10329455A - 粘着シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】一度親展性情報を読むために剥離された後は、
通常の手段では再び元の状態に戻ることなく、第三者に
親展性情報が漏れたことがわかる親展性書類を手軽に作
製することができる粘着シート、再剥離性粘着シート、
および記録粘着シートを提供する。 【解決手段】透明合成樹脂シートの一方の面に強粘着層
が設けられており、他方の面に感圧接着層が設けられた
粘着シート、あるいは感圧接着層を介して剥離可能に一
体化した再剥離性粘着シート、さらに粘着シートあるい
は再剥離性粘着シートの強粘着層に１葉以上の記録用紙
を重ね合わせた記録粘着シート。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、第三者に記録内容
が判読できない上に、一度記録内容が読まれてしまうと
再接着がされにくい親展性書類を用いて作製できる粘着
シート、再剥離性粘着シート、および記録粘着シートに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】情報を伝えたい相手のみに知らせる親展
性書類として代表的なものに郵便物がある。その中で、
宛先に表記された受取人にのみ情報を知らせたい親展性
の郵便物として最も一般的なものに封書がある。一般的
な封書は、読み手が一度開封すると開封されたことがわ
かり、受取人以外のものが内部情報を取得するのは困難
である。封書は個人が手軽に作製できる親展性書類では
あるが、反面、郵便料金が葉書より割高なものとなって
しまう。そこで、近年、葉書に親展性を持たせた親展性
葉書が各種考案されている。最も簡単なものは、葉書の
親展情報を記載した部分に再剥離性可能なシールを貼り
付けた親展性葉書がある。しかし、再剥離性シールで隠
すのでは、親展情報が記載される部分の面積は該シール
と同じ大きさになるため、情報量は限られたものとなっ
てしまう。

【０００３】そこで、情報量を封書並にとれ、葉書と同
じ郵便料金で送付される圧着用紙を用いた２つ折り葉書
や３つ折り葉書が考案され、広く使用されている。これ
らの圧着用紙は、支持体に通常状態では粘着性、接着性
ともに示さず加圧時に接着性を示す感圧接着塗液を塗布
して感圧接着層を形成させ、用紙を折り畳むことにより
感圧接着層同士を対面させた状態で圧力により接着させ
るものであり、加圧時の接着は接着後に剥離可能にもで
きるし、剥離不能なまでに接着することも可能である。
はがきの親展情報（暗証番号、会員番号、請求金額、預
金残高など）は剥離可能な感圧接着層に印字し、圧力に
より貼合せた後、受取人が剥離することにより内容を確
認できる。情報記載部分も葉書裏面の２倍以上になるた
め、封書にかなり近い情報量となる。しかし、圧着用紙
を２つ折り葉書や３つ折り葉書に加工するためには、専
用の圧着機（シーラー）が必要である。

【０００４】圧着用紙による２つ折り葉書や３つ折り葉
書が主に請求書とか領収書など美麗さを求めるような用
途に使用されていないのに対し、通信販売のダイレクト
メールのようなものに使用されている透明な合成樹脂シ
ートにより貼り合わされた親展性葉書がある。これは、
葉書の２倍の大きさの両面コート紙、両面アート紙の一
部に宛名を記載し、他の部分に美麗な印刷を施した後、
宛名面を外側にして片面に粘着加工された透明ポリオレ
フィンフィルムを貼り合わせ、２つ折りにして熱圧着し
たものである。これだと、印刷がアート紙、コート紙に
施されている上、その上に透明ポリオレフィンフィルム
が貼り合わされているため、光沢感のある非常に美麗な
印刷が可能となる。しかし、この透明ポリオレフィンフ
ィルムを使用した２つ折り葉書を作製するにもヒートシ
ーラーなど専用の機械が必要である。

【０００５】そのため、伝票等の業務色の強い、すなわ
ち美麗さを要求されない親展葉書を２つ折り葉書や３つ
折り葉書で作製し、さらにダイレクトメールのように美
麗さが要求される葉書をフィルム貼合せの２つ折り葉書
で作製するには専用の圧着機と専用のフィルム貼り合わ
せ用機械の両方を所有している必要がある。

【０００６】一方、本発明者らは手軽に専用の機械なし
に親展性書類が作成できる粘着シート、再剥離性粘着シ
ート、および記録粘着シートを発明し、特許出願してい
る。その構成は、例えば粘着シートであれば、透明合成
樹脂シートの一方の面に強粘着層が設けられ剥離紙が重
ね合わされており、他方の面には再剥離性粘着層が設け
られ剥離紙が重ね合わされているといったものである。
しかし、再剥離性粘着層を用いたのでは、第三者により
受取人に親展情報を判読された後、第三者により再び再
剥離可能に再剥離性粘着層同士を貼り合わせることが可
能であり、受取人に該親展情報が第三者に伝わってしま
ったものか判別することができなかった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、一度親展性情報を読むために剥離
された後は、通常の手段では再び元の状態に戻ることな
く、第三者に親展性情報が漏れたことがわかる親展性書
類を手軽に作製することができる粘着シート、再剥離性
粘着シート、および記録粘着シートを提供することであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】すなわち、透明合成樹脂
シートの一方の面に強粘着層が設けられ剥離紙が重ね合
わされており、他方の面には粘着剤と顔料からなる再剥
離性の感圧接着層が設けられていることを特徴とする粘
着シートの発明である。

【０００９】さらに、再剥離性粘着層を介して剥離可能
に接着した２枚の透明合成樹脂シートの両面に強粘着層
が設けられ剥離紙が重ね合わされている再剥離性粘着シ
ートにおいて、該再剥離性粘着層が粘着剤と顔料からな
る再剥離性の感圧接着層を再剥離可能に圧力により疑似
接着されたものであることを特徴とする再剥離性粘着シ
ートの発明である。

【００１０】また、前記の粘着シート、あるいは再剥離
性粘着シートの強粘着層に重ね合わされている剥離紙を
剥がした後、該強粘着層に１葉以上の記録用紙を重ね合
わせ該粘着シート、あるいは該再剥離性粘着シートと一
体化したことを特徴とする記録粘着シートの発明であ
る。

【００１１】当然のことながら、記録粘着シートの強粘
着層と一体化されている記録用紙は、写真または葉書で
あっても良い。

【００１２】本発明の粘着シートを用いれば、圧着機を
用いてフィルム貼合せの親展性書類を作製することがで
きる。具体的には、該粘着シートの強粘着層に親展情報
を記載した記録用紙を情報記載面が内側になるように貼
り合わせた後、感圧接着層が内側になるように２つ折り
にし、圧着機により圧力をかけることにより該感圧接着
層同士が疑似接着させる。その結果、親展情報が内側と
なり外部より判読不能な親展性書類となる。すなわち、
透明ポリオレフィンフィルムを使用した２つ折り葉書作
製専用の機械がなくとも、圧着機があれば、本発明の粘
着シートを用いて透明ポリオレフィンフィルムを使用し
た２つ折り葉書に近い親展性葉書が作製できる。その
上、感圧接着層はかなりの高圧力をかけないと再剥離可
能に接着しないことから、一度剥がされてしまうと手で
押しつけたりするような通常の手段では感圧接着層同士
を再接着することができず、受取人は親展情報が第三者
により判読されたことを知ることができる。

【００１３】また、本発明の再剥離性粘着シートを用い
れば、親展情報を記載した記録用紙を情報記載面が内側
になるように該再剥離性粘着シートの強粘着層に貼り合
わせるだけで簡単に親展性書類を作製することができ
る。すなわち、該再剥離性粘着シートは感圧接着層同士
が既に疑似接着されている状態になっているため、圧着
機を用いての疑似接着作業が不要となるものの、感圧接
着層の疑似接着効果による親展情報の外部からの隠蔽に
効果を発揮する。

【００１４】さらに、強接着層に貼り合わせる記録用紙
に写真を用いれば、剥離したときに受け手に意外な効果
を生むことができるし、記録用紙に葉書を用い、宛名面
を外向きに貼り合わせればそのまま親展葉書とすること
ができるうえ、該葉書がお年玉付きの年賀葉書などの官
製葉書であれば官製の親展性葉書となる。

【００１５】その上、透明合成樹脂シートにポリオレフ
ィンフィルムを用いれば該フィルムに光沢感があるた
め、用紙にインクジェットプリンター等でカラー画像を
印字しておけば該フィルムの光沢感により該カラー画像
の美麗さが増すし、あるいは写真をそのまま用いた場合
でも高級感のある画像を得ることができる。用紙の貼合
せ方法は強粘着層にただ貼り付けるだけでよい。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明で用いられる透明合成樹脂
シートとは、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリア
ミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチ
ルペンテンなどからなる一軸延伸シート、二軸延伸シー
ト等が使用できる。

【００１７】本発明で用いられる透明合成樹脂シートの
寸法は、特に制限することはなく、本発明の粘着シート
に用いるのであれば、２つ折りにし感圧接着層同士を重
ね合わせるので、作製したい親展用紙の大きくとも２倍
の面積があればよい。具体的には、長辺方向への２倍で
も短辺方向への２倍でもよい。より具体的説明すると、
親展性葉書の作製であれば、一般の葉書の２倍、すなわ
ち、約１４８ｍｍ×約２００ｍｍでもよいし、約２９６
ｍｍ×約１００ｍｍでもよい。

【００１８】また、本発明の再剥離性粘着シートのよう
に、２枚を重ねて感圧接着層同士を重ね合わせるのであ
れば、大きくとも必要な書類の寸法そのままでよい。具
体的には、親展性葉書の作製であれば、一般の葉書と同
じ寸法、すなわち、約１４８ｍｍ×約１００ｍｍでよ
い。

【００１９】本発明で用いられる強粘着層の粘着剤とし
て、一般的なアクリル樹脂、天然及び合成ゴム、スチレ
ン／ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル
／エチレン共重合体、デンプン、シリコーン系化合物、
ニカワ、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリウレタ
ン、ポリウレタン等の樹脂を単独で、あるいは溶液、水
溶液、エマルジョンの形で用いることができる。好まし
くは、合成樹脂が用いられる。これらの粘着剤のセット
の方法は熱乾燥、ホットメルト等いかなる方法を用いて
も差し支えない。

【００２０】本発明の粘着シート、再剥離性粘着シー
ト、記録粘着シートの再剥離性の感圧接着層に用いられ
る感圧接着剤において、接着性の制御は、配合上からも
塗工量の制御からも可能である。この感圧接着剤に用い
られる接着剤ベースポリマーとしては、天然ゴム、変性
天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴムなどの合成ゴム、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、アクリル酸エステル樹脂、塩化ビニ
ル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂などが溶液あるいはエ
マルジョンの形で用いられ、さらに接着性を制御する目
的でシリカ、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、水酸
化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、メラミン樹脂
粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、澱粉粒子などを併用
することができる。また、本発明で用いられている感圧
接着剤には粘着付与剤としてロジン系樹脂およびその誘
導体、テルペン系樹脂、クマロインデン系樹脂、キシレ
ン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、石油樹脂などを
接着性、耐ブロッキング性、耐熱性を損なわない範囲で
併用できる。さらに、剥離性を制御する目的で離型剤を
併用することも可能で、例えば、各種パラフィン、ワッ
クス、脂肪酸またはその誘導体、高級アルコール類、金
属石鹸類、シリコーン樹脂類などを接着性を損なわない
範囲で用いることができる。さらに、本発明で用いられ
ている感圧接着剤には、必要に応じて帯電防止剤、増粘
剤、分散剤、防腐剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線
防止剤、消泡剤などを添加することができる。

【００２１】本発明で用いられている透明合成樹脂シー
トに、強粘着層、感圧接着層を塗工する方法は、各種ブ
レードコーター、ロールコーター、エアーナイフコータ
ー、バーコーター、ロッドブレードコーター、ショート
ドウェルコーター、サイズプレス、グラビアコーター、
グラビアオフセットコーター、Ｕコンマコーター、ＡＫ
ＫＵコーター、スムージングコーター、マイクログラビ
アコーター、リバースロールコーター、４本或は５本ロ
ールコーター、ディップコーター、落下カーテンコータ
ー、スライドコーター、ダイコーター等いかなる塗工方
法を用いてもよい。

【００２２】本発明の再剥離性粘着シートを作製する場
合、透明合成樹脂シートの一方の面に強粘着層が設けら
れ、他方の面には感圧接着層が設けられている粘着シー
トを感圧接着層を内側にして、２つ折りにして感圧接着
層同士を重ね合わせて圧着機により疑似接着してもよい
し、透明合成樹脂シートの一方の面に強粘着層が設けら
れ、他方の面には感圧接着層が設けられている粘着シー
トを２枚用いて、それぞれの感圧接着層同士を重ね合わ
せて圧着機により疑似接着して作製してもよい。

【００２３】本発明の記録粘着シートにおいて、強粘着
層に重ね合わされて本発明の粘着シートあるいは再剥離
性粘着シートと一体化される記録用紙は特に制限される
ものではなく、一般的な上質紙、コート紙、アート紙、
キャスト紙、合成紙等、あるいは一般の写真及び葉書等
を用いることができる。また、インクジェット記録方
式、昇華型熱転写記録方式、溶融熱転写記録方式、感熱
記録方式、電子写真記録方式等各記録方式に対応した専
用紙を用いることも何ら問題はなく、これらの記録方式
を用いたプリンターで画像を含んだ情報を親展情報とす
るには、これら専用紙を用いるのが好ましい。もちろ
ん、記録粘着シートにおいて、強粘着層と接する該記録
用紙の面は該記録用紙の親展情報が記載された面とな
る。

【００２４】当然のことながら、粘着シート、再剥離性
粘着シートの強粘着層に貼り合わせられるべき記録用紙
も写真であってよい。一般の写真を画像が強粘着層に接
するように貼り合わせた場合、得られた記録粘着シート
では写真画像の上に透明な光沢感のあるフィルムが重ね
合わせられているため、よりいっそう画像が美麗なもの
となり、受け取る側に一般の写真をそのまま渡すより、
いっそうの感動を与えることができる。

【００２５】さらに、本発明の記録粘着シートにおい
て、粘着シート、再剥離性粘着シートの強粘着層に貼り
合わせられるべき記録用紙に官製葉書を用いることがで
きる。該官製葉書を宛名面が外側になるように強粘着層
に重ね合わせられ粘着シートあるいは再剥離性粘着シー
トと一体化し、もう一方の強粘着層を介して親展情報を
有する記録用紙と一体化し、必要により感圧接着層同士
を重ね合わせ圧着機により疑似接着すれば、記録粘着シ
ートはそのまま親展性葉書となり、郵便料金は葉書と同
じでより多くの情報を受取人に送ることができ、非常に
効果的である。さらに、本発明の記録粘着シートでは、
貼り合わす官製葉書に抽選番号付き料金前納はがき（お
年玉付郵便はがき、籤付暑中見舞い用郵便はがき”かも
めーる”）を用いることにより、年賀状、暑中見舞い等
幅広く利用することができる。

【００２６】第１の本発明については、図１に粘着シー
トの断面概略図を示す。図１において、透明合成樹脂シ
ート２の片面に強粘着層１を設け、他面に感圧接着層３
を設けた構成からなるものである。

【００２７】第２の本発明については、図２に再剥離性
粘着シートの断面概略図を示す。図２において、透明合
成樹脂シート２の片面に強粘着層１が設けられ、他面に
感圧接着層３が設けられた粘着シートが該感圧接着層３
同士で重ね合わせられた構成からなるものである。

【００２８】第２の本発明である再剥離性粘着シートを
用いて作製される記録粘着シートについては、図３に記
録粘着シートの断面概略図を示す。図３において透明合
成樹脂シート２の片面に強粘着層１が設けられ、他面に
感圧接着層３が設けられた粘着シートが該感圧接着層３
同士で重ね合わせられた構成からなる第２の本発明であ
る再剥離性粘着シートの強粘着層１に記録用紙４が重ね
合わせられた構成からなるものである。

【００２９】以下、本発明について簡単に作用を説明す
る。本発明の粘着シートは透明合成樹脂シートの一方の
面に強粘着層が設けられており、反対面に感圧接着層が
設けられているため、該強粘着層に親展情報を記載した
記録用紙を親展情報記載面を貼り合わせ面とし重ね合わ
せ一体化した後、該感圧接着層を内側にして２つ折りし
て圧着機により剥離可能に一体化するか、あるいは２枚
の粘着シートを用いて感圧接着層同士を重ね合わせ圧着
機により剥離可能に一体化することにより簡単に親展性
書類を作製することができる。すなわち、透明ポリオレ
フィンフィルムを使用した２つ折り葉書作製専用の機械
がなくとも、圧着機があれば、本発明の粘着シートを用
いて透明ポリオレフィンフィルムを使用した２つ折り葉
書に近い親展性葉書が作製できる。一方、本発明の再剥
離性粘着シートに１葉以上の記録用紙を親展情報記載面
を貼り合わせ面として強接着層に重ね合わせ一体化する
ことにより、手軽に親展性書類が作製できる。その際、
圧着機を用いての感圧接着層同士の疑似接着作業が不要
となるため、非常に親展性葉書の作製が手軽になる。さ
らに、本発明の記録粘着シートで強粘着層と重ね合わせ
られる記録用紙の該強粘着層と接する面に親展情報が記
載してあれば、該記録粘着シートは親展性書類となる。
また、これら記録用紙に写真を用いることにより写真画
像を親展情報化することも可能であるし、記録用紙に官
製葉書を用いることにより、葉書と同一郵便料金であり
ながらより多くの情報を郵送することができ非常に有効
である。すなわち、本発明の粘着シートを用いれば、い
わゆる圧着用紙を用いた２つ折り葉書、３つ折り葉書と
同様に圧着機を用いて、美麗な画像を持った２つ折り葉
書を作製することができる。その上、本発明の再剥離性
粘着シートを用いれば圧着機さえ不要で、１葉以上の記
録用紙を親展情報記載面を貼り合わせ面として強接着層
に重ね合わせ一体化するだけで、手軽に親展性書類が作
製できる。さらに、近年低価格化の傾向にある各種記録
方式のプリンターを用いて、各専用紙に情報を記載した
後、該専用紙を記録用紙として用いることができ、非常
に広範囲にわたり利用のできる親展性書類となる。その
上、感圧接着層はかなりの高圧力をかけないと再剥離可
能に接着しないことから、一度剥がされてしまうと手で
押しつけたりするような通常の手段では感圧接着層同士
を再接着することができず、受取人は親展情報が第三者
により判読されたことを知ることができる。

【００３０】

【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。

【００３１】実施例１ アクリル酸エステル系エマルジョン（中央理化工業
（株）製、ＡＰ−９０）１００部、合成シリカ（水澤化
学工業（株）製、ミズカシルＰ−８３２）５０部、澱粉
粒子４０部（単位はいずれも乾燥重量部）の処方からな
る感圧接着剤を作製した後、厚さ２０μｍのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの片面に感圧接着層としてエ
アナイフコーターで該感圧接着剤を乾燥塗布量１０ｇ/
ｍ²で塗布、乾燥し、感圧接着層を設けた後、該感圧接
着層の反対面に強粘着層としてエアナイフコーターで強
粘着剤（東亞合成化学工業（株）製 アロンタック Ｈ
ＶＣ−３３００）を乾燥塗布量２５ｇ/ｍ²となるように
塗布し、乾燥後、剥離紙と貼り合わせて本発明の粘着シ
ートを得た。該粘着シートを１４８ｍｍ×２００ｍｍの
寸法に断裁後、強粘着層に貼り合わせられている剥離紙
を剥がし、記録用紙として親展情報を記載した寸法１４
８ｍｍ×２００ｍｍのＰＰＣ用紙を該強粘着層に重ね合
わせ一体化した。次に、感圧接着層を内面として寸法が
１４８ｍｍ×１００ｍｍとなるように該粘着シートを２
つ折りにして、該感圧接着層同士を重ね合わせ、クリア
ランスを９０μｍに調節したクリアランス可変の圧着ロ
ーラー（日本エー・ディ・エム社製、ＳＰ４０１）を通
過させて圧着一体化して葉書と同一寸法の本発明の記録
粘着シートからなる親展性書類とした。

【００３２】実施例２ アクリル酸エステル系エマルジョン（中央理化工業
（株）製、ＡＰ−９０）１００部、合成シリカ（水澤化
学工業（株）製、ミズカシルＰ−８３２）５０部、澱粉
粒子４０部（単位はいずれも乾燥重量部）の処方からな
る感圧接着剤を作製した後、厚さ２０μｍのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの片面に感圧接着層としてエ
アナイフコーターで該感圧接着剤を乾燥塗布量１０ｇ/
ｍ²で塗布、乾燥し、感圧接着層を設けた。このシート
を１４８ｍｍ×２００ｍｍより十分大きな寸法に断裁
後、感圧接着層を内面として２つ折りにし、クリアラン
スを５０μｍに調節したクリアランス可変の圧着ローラ
ー（日本エー・ディ・エム社製、ＳＰ４０１）を通過さ
せて圧着一体化した。この２つ折りシートの一方の外面
に強粘着層として強粘着剤（東亞合成化学工業（株）製
アロンタック ＨＶＣ−３３００）を乾燥塗布量２５
ｇ/ｍ²となるようにワイヤーバーで手塗りにより塗布
し、乾燥して強粘着層を設けた。次に、もう片方の外面
に同様に強粘着層として強粘着剤（東亞合成化学工業
（株）製 アロンタック ＨＶＣ−３３００）を乾燥塗
布量２５ｇ/ｍ²となるようにワイヤーバーで手塗りによ
り塗布し、乾燥した後、剥離紙と貼り合わせて、強粘着
層を設け、本発明の再剥離性粘着シートを得た。該再剥
離性粘着シートを１４８ｍｍ×１００ｍｍの寸法に断裁
後、該強粘着層に貼り合わせられている剥離紙を取り除
いた後、片面に官製お年玉付き年賀葉書の非宛名標記面
を貼り合わせ、他方の強粘着層には写真を画像が写って
いる面が該強粘着層と接するように貼り合わせて、本発
明の記録粘着シートからなる親展性書類を得た。

【００３３】比較例１ 官製お年玉付き年賀葉書を用意し比較例とする。

【００３４】比較例２ 坪量８０ｇ/ｍ²の上質紙の片面にエアナイフコーターで
再剥離性粘着剤（セキスイエスダイン（株）製 エスダ
イン ＡＥ−３８７）を乾燥塗布量２０ｇ/ｍ^２で塗布
し、乾燥した後、剥離紙と貼り合わせて、再剥離性粘着
層を設け、再剥離性シールを作製する。該シールを葉書
半分の大きさに断裁後、官製お年玉付き年賀葉書の情報
記載面に貼り合わせ親展性書類とする。

【００３５】比較例３ 厚さ２０μｍのポリエチレンテレフタレートフィルムの
片面に再剥離性粘着層としてエアナイフコーターで再剥
離性粘着剤（セキスイエスダイン（株）製 エスダイン
ＡＥ−３８７）を乾燥塗布量２０ｇ／ｍ²で塗布し、
乾燥した後、剥離紙と貼り合わせて、再剥離性粘着層を
設けた後、該再剥離性粘着層の反対面に強粘着層として
エアナイフコーターで強粘着剤（東亞合成化学工業
（株）製 アロンタック ＨＶＣ−３３００）を乾燥塗
布量２５ｇ/ｍ²となるように塗布し、乾燥後、剥離紙と
貼り合わせて本発明の粘着シートを得た。該粘着シート
を１４８ｍｍ×２００ｍｍの寸法に断裁後、強粘着層に
貼り合わせられている剥離紙を剥がし、記録用紙として
親展情報を記載した寸法１４８ｍｍ×２００ｍｍのＰＰ
Ｃ用紙を該強粘着層に重ね合わせ一体化した。次に、再
剥離性粘着層に貼り合わせられている剥離紙を剥がし、
この面を内面として寸法が１４８ｍｍ×１００ｍｍとな
るように該粘着シートを２つ折りにして、該再剥離性粘
着層同士を重ね合わせ剥離可能に一体化して葉書と同一
寸法の親展性書類とした。

【００３６】比較例４ 厚さ２０μｍのポリエチレンテレフタレートフィルムの
片面に強粘着層としてエアナイフコーターで強粘着剤
（東亞合成化学工業（株）製 アロンタック ＨＶＣ−
３３００）を乾燥塗布量２５ｇ/ｍ²となるように塗布
し、乾燥した後、剥離紙と貼り合わせて、強粘着層を設
けた後、該強粘着層の反対面に、再剥離性粘着層として
エアナイフコーターで再剥離性粘着剤（セキスイエスダ
イン（株）製エスダイン ＡＥ−３８７）を乾燥塗布量
２０ｇ/ｍ²で塗布し、乾燥後、該再剥離性粘着層を内側
にして２つ折りにして剥離可能に一体化し本発明の再剥
離性粘着シートを得た。該再剥離性粘着シートを１４８
ｍｍ×１００ｍｍの寸法に断裁後、該強粘着層に貼り合
わせられている剥離紙を取り除いた後、片面に官製お年
玉付き年賀葉書の非宛名標記面を貼り合わせ、他方の強
粘着層には写真を画像が写っている面が該強粘着層と接
するように貼り合わせて、親展性書類を得た。

【００３７】＜試験方法＞ １）情報記載量 情報記載可能な部分の面積を葉書の面積の何倍という形
で算出した。また、情報記載可能な部分のうち親展情報
となりうる記載可能な部分の面積も葉書の面積の何倍と
いう形で算出した。もちろん、安い郵便料金で情報記載
可能面積が大きい方が優れている。

【００３８】２）親展性 親展性の有無を判定する。作為的な行為をせずに記載情
報の内容を判読できるかどうか判定した。判読できない
ものを優、用意に判読できるものを劣とした。

【００３９】３）偽造性 実施例及び比較例で作製した親展性書類を１０枚用意
し、親展情報記載部を剥がし、親展情報を読みとった
後、再度剥がしたものを重ね合わせて指圧により再接着
し元に戻るか判定した。全ての親展性書類が再接着せ
ず、元に戻らなかったものを優、１枚でも再接着してし
まい元の状態に近いものが出来上がったものを劣と判定
した。なお、比較例１では剥がす行為がないため、本評
価は行わなかった。

【００４０】

【表１】

【００４１】評価：実施例１〜２で示した親展性書類
は、外形寸法は葉書と同一であるが、比較例１、２で示
した葉書より圧倒的に多くの情報記載部分を持ってい
る。さらに、親展情報となりうる情報記載部分も多い。
葉書に限らず親展性書類が作製でき利用価値の高いもの
となっている。さらに、再剥離性粘着剤を使用している
比較例２〜４では、一度剥がした再剥離性粘着層でもま
だ接着性が残っているため、再度貼り合わせることが可
能となり、第三者に情報が受取人の知らぬ間に伝わって
しまう可能性がある。一方、実施例１，２の親展性書類
では感圧接着層はかなりの高圧力を加えないと再接着し
ないため、第三者が情報を読みとったら情報記載部が露
出してしまうことより第三者に情報が漏れたことがわか
る。

【００４２】

【発明の効果】本発明の粘着シート、再剥離性粘着シー
ト、記録粘着シートを用いれば、フィルム貼合せの親展
書類を作製することができる。さらに、感圧接着層はか
なりの高圧力をかけないと再剥離可能に接着しないこと
から、一度剥がされてしまうと手で押しつけたりするよ
うな通常の手段では感圧接着層同士を再接着することが
できず、受取人は親展情報が第三者により判読されたこ
とを知ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の粘着シートの断面概略図。

【図２】本発明の再剥離性粘着シートの断面概略図。

【図３】本発明の再剥離性粘着シートの強粘着層に１葉
以上の記録用紙を重ね合わせた記録粘着シートの断面概
略図。

【符号の説明】

１ 強粘着層 ２ 透明合成樹脂シート ３ 感圧接着層 ４ 記録用紙

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明合成樹脂シートの一方の面に強粘着
   層が設けられ剥離紙が重ね合わされており、他方の面に
   は粘着剤と顔料からなる再剥離性の感圧接着層が設けら
   れていることを特徴とする粘着シート。
2. 【請求項２】 再剥離性粘着層を介して剥離可能に接着
   した２枚の透明合成樹脂シートの両面に強粘着層が設け
   られ剥離紙が重ね合わされている再剥離性粘着シートに
   おいて、該再剥離性粘着層が粘着剤と顔料からなる再剥
   離性の感圧接着層を再剥離可能に圧力により疑似接着さ
   れたものであることを特徴とする再剥離性粘着シート。
3. 【請求項３】 請求項１記載の粘着シート、あるいは請
   求項２記載の再剥離性粘着シートの強粘着層に重ね合わ
   されている剥離紙を剥がした後、該強粘着層に１葉以上
   の記録用紙を重ね合わせ該粘着シート、あるいは該再剥
   離性粘着シートと一体化したことを特徴とする記録粘着
   シート。
4. 【請求項４】 請求項３記載の記録粘着シートにおい
   て、強粘着層に一体化された記録用紙が写真または葉書
   であることを特徴とする記録粘着シート。