JPH10329256A - 複合フィルム材料 - Google Patents

複合フィルム材料

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JPH10329256A
JPH10329256A JP25105397A JP25105397A JPH10329256A JP H10329256 A JPH10329256 A JP H10329256A JP 25105397 A JP25105397 A JP 25105397A JP 25105397 A JP25105397 A JP 25105397A JP H10329256 A JPH10329256 A JP H10329256A
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JP
Japan
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layer
composite film
gas barrier
water vapor
film material
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JP25105397A
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English (en)
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Mamoru Sekiguchi
守 関口
Noboru Sasaki
昇 佐々木
Fumitake Koizumi
文剛 小泉
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高分子フィルム基材の少なくとも片面に、気相
成長法により成膜された金属若しくは金属酸化物からな
るガスバリア層が形成されてなる複合フィルム材料のガ
スバリア性、特に水蒸気バリア性を向上させる。 【解決手段】高分子フィルム基材1と、この基材1の少
なくとも片面に気相成長法により成膜された金属もしく
は金属酸化物からなるガスバリア層2とからなる複合フ
ィルムにおいて、ガスバリア層2上に吸湿性材料を含有
する水蒸気トラップ層3を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子フィルム基
材の少なくとも片面に、気相成長法により成膜された金
属若しくは金属酸化物からなるガスバリア層が形成され
てなる複合フィルム材料に関する。
【0002】
【従来の技術】産業資材をはじめ医薬品、食品等の包装
材料として、高分子フィルム基材にガスバリア層として
アルミ箔を積層した材料が広く用いられているが、最近
ではガスバリア層としてアルミニウム等の金属蒸着薄膜
や、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等
の金属酸化物蒸着薄膜を高分子フィルム基材上に形成し
てなる複合フィルム材料が包装材料として利用されるよ
うになっている。
【0003】特に、金属酸化物蒸着薄膜が形成されてい
る複合フィルム材料は、高い透明性を有しており、内容
物を目視にて確認できるという利点を有する。しかも、
金属蒸着薄膜に比べ易焼却性を有しているため、地球環
境の点からのその使用が推奨されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複合フ
ィルム材料のガスバリア層である金属酸化物蒸着薄膜は
可撓性が十分ではなく、従って、複合フィルム材料の折
り曲げやヒートショックによりガスバリア層にクラック
やピンホールが発生しやすいという問題がある。このた
め、クラックやピンホールを透過してくる酸素や水蒸気
等の低分子のガスに対するガスバリア層のガスバリア性
が、印刷工程、ラミネート工程、製袋加工工程等の間に
劣化しやすいという問題がある。特に、水蒸気バリア性
の低下が顕著であり、従って、従来の複合フィルム材料
は酸素だけでなく特に水蒸気の侵入を嫌うスナックフー
ドや菓子類用の包装材料として、更にガスバリア性を高
めることが求められている。
【0005】本発明は、以上の従来の技術の課題を解決
しようとするものであり、極めて優れたガスバリア性、
特に水蒸気バリア性を示す複合フィルム材料を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、複合フィル
ム材料のガスバリア層上に、吸湿性物質を含有する水蒸
気トラップ層を形成することにより、上述の目的を達成
できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明は、高分子フィルム基材と、
この基材の少なくとも片面に気相成長法により成膜され
た金属もしくは金属酸化物からなるガスバリア層とから
なる複合フィルムにおいて、ガスバリア層上に吸湿性材
料を含有する水蒸気トラップ層が形成されていることを
特徴とする複合フィルム材料を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0009】図1は、本発明の複合フィルム材料の一例
の概略断面図である。この複合フィルム材料は、高分子
フィルム基材1の片面に気相成長法により成膜された金
属もしくは金属酸化物からなるガスバリア層2と、その
上に吸湿性材料を含有する水蒸気トラップ層3が形成さ
れている構造を有する。このように、ガスバリア層2上
に、吸湿性材料を含有する水蒸気トラップ層3を設ける
ことにより、ガスバリア層2にマイクロクラックやピン
ホールが生じてしまった場合でも、それらを透過してく
る水蒸気を水蒸気トラップ層3の表面及び内部でトラッ
プすることができる。このため、複合フィルム材料の水
蒸気バリア性を大幅に向上させることができる。
【0010】本発明において、高分子フィルム基材1と
しては、寸法安定性、耐熱性並びに機械的強度に優れた
樹脂フィルムを使用する。このような樹脂としては、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の
ポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン1
1、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド等からなるフィ
ルムあるいは上記ポリマーを構成するモノマーを含む共
重合体等を好ましく挙げることができる。中でも、二軸
延伸されたポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレート、ポリプロピレンを好ましく使
用することができる。
【0011】また、高分子フィルム基材1としては、1
軸延伸もしくは無延伸のフィルム材料を使用することも
できるが、強度、寸法安定性、耐熱性等の点から縦横方
向に延伸された2軸延伸フィルムの利用が望ましい。
【0012】また、高分子フィルム基材1には、必要に
応じ、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、顔
料、染料等の公知の添加剤を含有させてもよい。但し、
表面ヘのブリードアウトを防止するために、少なくとも
有機系滑剤、帯電防止剤の添加量については小さくする
ことが好ましい。
【0013】高分子フィルム基材1の厚みは、一般に3
〜400μm厚であるが、後述するように、気相成長法
でガスバリア層を形成する際の加工性、更に印刷やラミ
ネート加工などの二次加工の際のハンドリングの観点か
ら、好ましくは6〜200μmである。
【0014】ガスバリア層2は、気相成長法により成膜
された金属もしくは金属酸化物からなる薄膜であり、金
属としては、珪素、アルミニウム、錫、亜鉛、チタン、
マグネシウム、ジルコニウム、ニッケル、コバルト、
鉄、鉛、銅、パラジウム、インジウム等を挙げることが
でき、また、金属酸化物としては、これら金属の酸化物
を挙げることができる。中でも、アルミニウム酸化物、
珪素酸化物あるいはマグネシウム酸化物から形成された
ガスバリア層2は、透明でガスバリア性にも優れている
ので好ましい。また、アルミニウムからガスバリア層2
を構成した場合には、より高いガスバリア性を実現する
ことができる。
【0015】ガスバリア層2は、上述ような金属又は金
属酸化物から選択される単一材料からなる単層あるいは
複数の混合材料からなる単層の構造、又はそれらを複数
積層した多層構造をとることができる。
【0016】ガスバリア層2の層厚としては、薄すぎる
とガスバリア層2の構造が不均一でガスバリア性が不十
分となり、厚すぎると材料の種類によってはガスバリア
層に大きなクラックが発生し、また、高分子フィルム基
材1とガスバリア層2との密着性が低下し、しかもガス
バリア性も不十分となるので、好ましくは5nm〜10
00nm、より好ましくは5nm〜50nmである。
【0017】ガスバリア層2の形成は、気相成長法、例
えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ化学気
相成長法等の公知の真空プロセスを用いることができ
る。
【0018】水蒸気トラップ層3は、吸湿性材料が高分
子バインダー樹脂、あるいは電子線または紫外線の照射
により硬化する樹脂に分散した構造を有する。
【0019】吸湿性材料としては、ナトリウム、カリウ
ム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、バリ
ウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、アルミニ
ウム、ニッケル、マンガン、コバルト等の金属の塩酸
塩、硫酸塩、シュウ酸塩、あるいは酢酸塩等を挙げるこ
とができる。また、酸化バリウム、酸化カルシウム、モ
レキュラーシーブ等の公知の乾燥剤を用いることもでき
る。
【0020】高分子バインダー樹脂としては、非水溶媒
に溶解あるいは分散可能な樹脂や、ホットメルト樹脂を
使用することができる。非水溶媒に溶解あるいは分散可
能な樹脂としては、例えば、塩化ビニル、塩素化ポリプ
ロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合、ニトロセル
ロース、ウレタン、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂
が使用できる。ここで、これらの樹脂を溶解あるいは分
散させることのできる非水溶媒としては、酢酸エチル、
酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、ヘプタ
ン、トルエン、ベンゼン等の脂肪族及び芳香炭化水素、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアル
コール類の汎用溶剤を挙げることができる。
【0021】ホットメルト樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル樹脂等のポ
リオレフィン樹脂を好ましく挙げることができる。
【0022】電子線の照射により硬化する樹脂として
は、例えば下記に示すモノマーやオリゴマーあるいはこ
れらの混合物が用いられる。
【0023】ラジカル重合性単官能基モノマーとして
は、アクリル酸、アクリル酸メチル、ヘキシルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノ
キシエチルアクリレート、トリロキシエチルアクリレー
ト、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒド
ロフルフリルオキシエチルアクリレート、フェノキシジ
エチレングリコールアクリレート、ベンジルアクリレー
ト、ブトキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロ
ペンテニルアクリレート、グリシジルアクリレート、カ
ルビトールアクリレート、イソボニルアクリレート等が
使用できる。
【0024】ラジカル重合性多官能基モノマーとして
は、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリ
レート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ブチレン
グリコールジアクリレート、ペンタリスリトールジアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
プロピオンオキシド変性トリメチロールプロパントリア
クリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン
変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラアクリレート等が使用でき
る。
【0025】ラジカル重合性オリゴマーとしては、ポリ
エステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウ
レタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリオー
ルアクリレート等が使用できる。
【0026】さらに、上述の電子線硬化樹脂に公知の開
始剤を添加して硬化のエネルギーに紫外線を用いたもの
も本発明の範疇に入る。
【0027】水蒸気トラップ層3には、必要に応じ、分
散剤、レベリング促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
滑剤等の公知の添加剤を適宣添加してもよい。
【0028】水蒸気トラップ層3における吸湿性材料の
含有量は、少なすぎると水蒸気と十分にトラップできな
くなる傾向があり、多すぎると成膜性が低下してひび割
れ等が生ずるおそれがあるので、好ましくは高分子バイ
ンダー樹脂や電子線硬化樹脂に対し0.1〜30重量パ
ーセントである。
【0029】水蒸気トラップ層3の厚みとしては、用い
る材料により最適条件は異なるが、薄すぎると水蒸気の
トラップ性能が不十分になるので、好ましくは少なくと
も0.1μm、より好ましくは2μm以上である。
【0030】なお、水蒸気トラップ層3の厚みの上限に
ついては特に限定はないが、厚すぎると水蒸気トラップ
層3の形成時に収縮がおき、複合フィルム材料がカール
したり、下地のガスバリア層2との密着性が不十分とな
る傾向があるので、50μm程度までとすることが好ま
しい。
【0031】水蒸気トラップ層3の形成は、非水溶剤を
使用する場合には、高分子バインダー樹脂と吸湿性材料
と非水溶剤とを均一に混合したコーティング組成物を、
グラビア法、ロールコート法、エアーナイフ法、ブレー
ドコート法等の公知の塗布方法を利用して、ガスバリア
層2上に塗布し乾燥することにより行うことができる。
また、ホットメルト樹脂を使用する場合には、ホットメ
ルト樹脂を溶融させてその中に吸湿性材料を分散させ、
その溶融分散物を塗布し冷却することにより成膜するこ
とができる。
【0032】さらに電子線硬化樹脂を使用する場合に
は、電子線硬化樹脂に上述の吸湿性材料を所定量添加し
たものを前述のグラビア法等公知の塗布方法によりコー
トして、例えば加速電圧;100〜300KVで、吸収
線量;1〜100KGy、好ましくは2〜50KGyで
硬化することができる。電子線照射時における雰囲気中
の酸素濃度は、好ましくは1,000ppm以下、より
好ましくは500ppm以下である。酸素濃度が高いと
樹脂の硬化が酸素により阻害され硬化不良をおこし好ま
しくない。
【0033】電子線照射に用いられる電子線加速器は、
スキャニングタイプ、ダブルスキャニングタイプ、ブロ
ードビーム方式、カーテンビーム方式等公知のものが利
用でき特に限定されるものではない。
【0034】本発明においては、図2に示すように、水
蒸気トラップ層3の上に、更にヒートシール性樹脂層4
を設けることが好ましい。これにより、製袋を容易にす
るとともに複合フィルム材料のガスバリア性も高めるこ
とができる。
【0035】ヒートシール性樹脂層4を構成するヒート
シール性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイ
オノマー樹脂等公知の樹脂を利用することができる。
【0036】ヒートシール性樹脂層4の形成は、フィル
ム化したものを接着剤を介して水蒸気トラップ層3上に
ラミネートしてもよく、溶融物を直接押出しコーティン
グして形成してもよい。
【0037】ヒートシール性樹脂層4の層厚は、特に限
定されないが、一般的には10〜100μm、好ましく
は15〜30μmである。
【0038】また、本発明の複合フィルム材料において
は、図3に示すように、ガスバリア層2と水蒸気トラッ
プ層3との間に、水溶性高分子と、金属アルコキシド、
その加水分解物及び塩化錫の少なくとも一種とを含有す
る保護層5を形成することが好ましい。このような保護
層5を設けることにより、複合フィルム材料のガスバリ
ア性(特に酸素や窒素ガスなどの無機ガス類に対するガ
スバリア性)を更に高めることができる。また、複合フ
ィルム材料に高いガスバリア性、特に高温(例えば40
℃)高湿(例えば90%RH)環境下での長期保存性を
向上させることができる。
【0039】このような保護層5としては、水溶性高分
子と、金属アルコキシド及びその加水分解並びに塩化錫
の少なくとも一種とを、水あるいは水とアルコール(プ
ロパノール等)との混合用溶媒に溶解した水性塗料を塗
布し、乾燥することにより成膜したものを好ましく使用
することができる。
【0040】保護層5に使用する水溶性高分子として
は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デ
ンプン、メチルセルロース、カルボキシルセルロース、
アルギン酸ナトリウム等の単体、あるいはこれらの二種
以上の混合物を利用することができる。中でも、ポリビ
ニルアルコールを好ましく使用することができる。ここ
で、ポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルをケン
化して得られるもので、酢酸残基が数十パーセント残存
する部分ケン化のものから、数パーセントしか残存しな
い完全ケン化度のポリビニルアルコールが含まれる。
【0041】金属アルコキシドとしては、 M(OR)n (式中、MはSi、Ti、Al、Zr等の金属であり、
RはCH3 、C2 5 等低級アルキル基であり、nは金
属Mの原子価に対応する数である。)で表されるものを
好ましく使用することができる。中でも、テトラエトキ
シシラン(Si(OC2 5 4 )、トリイソプロポキ
シアルミニウム(Al(O−2−C3 7 3 )等を好
ましく使用することができる。
【0042】塩化錫としては、塩化第一錫(SnC
2 )、塩化第二錫(SnCl4 )あるはこれらの混合
物を使用することができ、無水物でも水和物であっても
よい。
【0043】保護層5を形成するための水性塗料には、
上述した成分の他に、ポリプロピレン複合フィルム材料
のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化
合物、シランカップリング剤、分散剤、安定剤、粘度調
整剤など公知の添加剤を添加することができる。
【0044】イソシアネート化合物としては、その分子
中に2個以上のイソシアネート基を有する、トリレンジ
イソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、テトラメチルキシリンジイソシアネートなどのモノ
マー類とこれらの重合体や誘導体を使用することができ
る。
【0045】保護層5の厚みとしては、コーティングの
種類により異なるが、乾燥後の厚みが好ましくは約0.
01〜100μmの範囲であり、より好ましくは0.0
1〜50μmである。
【0046】保護層5の形成は、保護層形成用の水性塗
料を公知のディッピング法、ロールコート法、スクリー
ン印刷法、スプレー法、エアーナイフ法、ブレード法、
グラビア法等を利用して行うことができる。
【0047】また、本発明の複合フィルム材料を用いて
包装材料を得る方法としては、ガスバリア層2が形成さ
れていない高分子フィルム基材1の表面に、和紙、ナイ
ロンシート、ポリエステルシート、ポリプロピレンシー
トなどの包装材用ベースを積層することが好ましい。包
装材用ベースは、製袋した際に最外層となるものであ
る。
【0048】本発明の複合フィルム材料は、常法により
製造することができ、例えば、コロナ放電処理、プラズ
マ処理、火炎処理等の表面改質処理をしてもよい高分子
フィルム基材1上に、真空蒸着プロセス成膜法によりガ
スバリア層2を形成し、必要に応じて保護層5を形成し
た後、水蒸気トラップ層3を形成し、更にヒートシール
性樹脂層4を形成することにより製造することができ
る。
【0049】このようにして得られる複合フィルム材料
は、蒸着加工時の熱やストレスにより生じた欠陥やピン
ホール、さらには絵柄印刷やラミネーション、製袋とい
った後加工時に生じるガスバリア層のマイクロクラック
により透過性が増大する水蒸気を十分に遮断することが
できるので、非常に高い防湿性並びにガスバリア性の複
合フィルム材料となる。このため、従来のアルミ箔を利
用した積層材料の代替品として食品、医薬品、産業資材
分野の包装材料に利用できる。特に、水蒸気や酸素の透
過を非常に嫌うスナックフード用包装体として利用価値
の高いものとなる。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0051】実施例1 プレーンの12μm厚の二軸延伸ポリエステルフィルム
の片面に、真空蒸着法により酸化アルミニウムを30n
m厚で形成し、更に以下に説明するように調製された保
護層形成用組成物をグラビアロール法により塗布し、1
20℃の乾燥機で1分間乾燥させて厚さ0.3μmの保
護層を形成した。次に、以下に説明するように調製され
た水蒸気トラップ層形成用組成物を同様にコーティング
して厚さ2μmの水蒸気トラップ層を形成した。
【0052】更に、水蒸気トラップ層上に、2液硬化型
のポリウレタン系接着剤を介して60μm厚の低密度ポ
リエチレンフィルムをドライラミネート法によりヒート
シール性樹脂層を形成し、複合フィルム材料を得た。
【0053】(保護層形成用組成物の調製)テトラエト
キシシラン10.4gに0.1N塩酸を89.6g加え
30分間撹袢して加水分解させた。得られた加水分解液
の固形分を3重量パーセント(SiO2換算)に調製
し、その加水分解液に、ポリビニルアルコールを3重量
パーセント含有する水/イソプロピルアルコール(90
/10)混合溶液を混合することにより保護層形成用組
成物を調製した。
【0054】(水蒸気トラップ層形成用組成物Aの調
製)無水硫酸ソーダをアクリル樹脂に対して5重量パー
セントの濃度になるようにメチルエチルケトン/トルエ
ン(50/50)の溶剤に溶解させ、溶液の固形分を2
0重量パーセントに調整することにより水蒸気トラップ
層形成用組成物を調製した。
【0055】比較例1 水蒸気トラップ層を形成しない以外は、実施例1と同様
にして複合フィルム材料を作製した。
【0056】実施例2〜4 ガスバリア層として40nm厚の酸化珪素、40nm厚
の酸化マグネシウム又は50nm厚のアルミニウムを成
膜する以外は、実施例1と同様にして実施例2〜4の複
合フィルム材料を作製した。
【0057】実施例5〜7 水蒸気トラップ層形成用組成物の固形分を調製し、水蒸
気トラップ層の厚みを1μm、5μm又は10μmとす
る以外は、実施例1と同様にして実施例5〜7の複合フ
ィルム材料を作製した。
【0058】実施例8〜9 水蒸気トラップ層形成用組成物Aに代えて、以下の水蒸
気トラップ層形成用組成物B又はCを使用する以外は、
実施例1と同様にして実施例8〜9の複合フィルム材料
を作製した。
【0059】(水蒸気トラップ層形成用組成物Bの調
製)無水硫酸マグネシウムをスチレン−アクリル樹脂に
対して7重量パーセントの濃度になるようにメチルエチ
ルケトン/トルエン(50/50)の混合溶剤に溶解さ
せ、溶液の固形分を20重量パーセントになるように調
整することにより水蒸気トラップ層形成用組成物Bを調
製した。
【0060】(水蒸気トラップ層形成用組成物Cの調
製)無水塩化カルシウムを塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体樹脂に対して5重量パーセントの濃度になるように
メチルエチルケトン/トルエン(50/50)の混合溶
剤に溶解させ、溶液の固形分を20重量パーセントにな
るように調製することにより水蒸気トラップ層形成用組
成物Cを調製した。
【0061】実施例10 水蒸気トラップ層として、無水硫酸ソーダを2官能ウレ
タンアクリレートオリゴマー樹脂に対し6重量パーセン
トになるように混合分散させた組成物(水蒸気トラップ
層形成用組成物Dとする)をロールコート法により2μ
mの厚さに塗布し、175KVの加速電圧で30KGy
の条件で硬化させ成膜する以外は、実施例1と同様にし
て実施例10の複合フィルム材料を作製した。
【0062】実施例11〜13 ガスバリア層として40nm厚の酸化珪素、40nm厚
の酸化マグネシウム、50nm厚のアルミニウムを成膜
する以外は、実施例10と同様にして実施例11〜13
の複合フィルム材料を作製した。
【0063】実施例14〜16 実施例1〜3で得た複合フィルム材料のガスバリア層と
反対側の表面に、それぞれ20μm厚の2軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムをラミネートし、積層包装材料を得
た。この積層包装材料を縦ピロー製袋機によりピロー包
装体を作製した。
【0064】比較例2 比較例1の複合フィルム材料を用いた以外は、実施例1
4と同様に比較のための積層包装材料を作製し、更にピ
ロー包装体を作製した。
【0065】(評価)以上の実施例1〜13及び比較例
1の複合フィルム材料について、以下に説明するよう
に、酸素と水蒸気に対するガスバリア性と耐折れ曲げ性
について試験し評価した。そして、それらの結果を踏ま
えて、総合評価した。得られた結果を表1に示す。
【0066】また、実施例14〜16及び比較例2のピ
ロー包装体に塩化カルシウムを一定量充填し、40℃9
0%RHで一ヶ月保存し、全体の重量変化により防湿性
を評価した。その結果を表2に示す。
【0067】ガスバリア性 酸素透過度(cc/m2 /day) 測定方法 JIS K7126 B法(同圧法) 測定条件 27°C、75%RHで測定 測定装置 MoconOxtran 水蒸気透過度(g/m2 /day) 測定方法 JIS K7129 B法(赤外センサー
法) 測定条件 40°C、90%RHで測定 測定装置 MoconPermatran
【0068】耐折り曲げ性 複合フィルム材料を10cm角にカットし、対角線にそ
れぞれ折り曲げて酸素透過度及び水蒸気透過度を測定
し、折り曲げ前後の透過度の比を求め折り曲げ後のガス
バリア劣化を調べた。透過度比の数値が小さいほど(ラ
ンクの数値が大きいほど)好ましい。
【0069】(耐折れ曲げ性評価基準) ランク 透過度比 1 2.5以上 2 2.0以上2.5未満 3 1.5以上2.0未満 4 1以上1.5未満 5 1未満
【0070】 総合評価 ランク 基準 ○ 酸素透過度及び水蒸気透過度の耐折れ曲げ性評価ランクいずれも4以 上である場合 × 酸素透過度及び水蒸気透過度の耐折れ曲げ性評価ランクいずれも4未 満である場合
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】表1から、実施例1〜13の複合フィルム
材料は、水蒸気トラップ層を設けていない比較例1の複
合フィルム材料に比べて、非常に優れた酸素バリア性と
水蒸気バリア性を示していることがわかる。特に、実施
例の中で、耐折れ曲げ性試験後の水蒸気透過度が最も高
い(水蒸気バリア性が最も小さい)実施例5の複合フィ
ルム材料の場合、耐折れ曲げ試験結果の比の値が2.0
であるが、比較例1の複合フィルム材料の場合には4.
4もあり、著しく水蒸気バリア性が低下していることが
わかる。
【0074】また、表2から、実際にピロー包装体を作
製した際に、水蒸気トラップ層が存在しない比較例2の
場合には、水蒸気トラップ層を有する実施例14〜16
の場合に比べて水蒸気バリア性が大きく低下しているこ
とがわかる。
【0075】
【発明の効果】本発明の複合フィルム材料によれば、後
加工時に生じるガスバリア層のダメージにより劣化する
ガスバリア性、特に水蒸気バリア性の劣化を防止するこ
とができる。
【0076】また、この複合フィルム材料を用いて製袋
されたフレキシブルな包装体は、折り曲げなどによるガ
スバリア性劣化が小さく、経時変化によるガスバリア劣
化も小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合フィルム材料の概略断面図であ
る。
【図2】本発明の複合フィルム材料の概略断面図であ
る。
【図3】本発明の複合フィルム材料の概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1 高分子フィルム基材 2 ガスバリア層 3 水蒸気トラップ層 4 ヒートシール性樹脂層 5 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B65D 81/24 B65D 81/24 J

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子フィルム基材と、この基材の少な
    くとも片面に気相成長法により成膜された金属もしくは
    金属酸化物からなるガスバリア層とからなる複合フィル
    ムにおいて、ガスバリア層上に吸湿性材料を含有する水
    蒸気トラップ層が形成されていることを特徴とする複合
    フィルム材料。
  2. 【請求項2】 水蒸気トラップ層上に、ヒートシール性
    樹脂層が積層されている請求項1記載の複合フィルム材
    料。
  3. 【請求項3】 ガスバリア層と水蒸気トラップ層との間
    に、水溶性高分子と、金属アルコキシド、その加水分解
    物及び塩化錫の少なくとも一種とを含有する保護層が形
    成されている請求項1又は2記載の複合フィルム材料。
  4. 【請求項4】 水蒸気トラップ層に含有されている吸湿
    性材料が、無水のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩
    及び金属塩の少なくとも一種である請求項1〜3のいず
    れかに記載の複合フィルム材料。
  5. 【請求項5】 水蒸気トラップ層に、電子線または紫外
    線の照射により硬化する材料が含有されていることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合フィルム
    材料。
  6. 【請求項6】 ガスバリア層が、アルミニウム酸化物、
    珪素酸化物及びマグネシウム酸化物の少なくとも一種か
    らなる単層構造又は多層構造を有する請求項1〜5のい
    ずれかに記載の複合フィルム材料。
  7. 【請求項7】 ガスバリア層がアルミニウムからなる請
    求項1〜6のいずれかに記載の複合フィルム材料。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の複合フ
    ィルム材料の高分子フィルム基材のガスバリア層形成面
    の反対面に、包装材用ベースを積層したことを特徴とす
    る包装材料。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の包装材料を製袋すること
    により得られるスナックフード用包装体。
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