JPH10328563A - 有害ガス除去用素材およびその製造方法 - Google Patents

有害ガス除去用素材およびその製造方法

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JPH10328563A
JPH10328563A JP9157977A JP15797797A JPH10328563A JP H10328563 A JPH10328563 A JP H10328563A JP 9157977 A JP9157977 A JP 9157977A JP 15797797 A JP15797797 A JP 15797797A JP H10328563 A JPH10328563 A JP H10328563A
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harmful
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harmful gas
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Tatsuo Katayama
竜男 片山
Takeshi Maeda
武士 前田
Shigeji Mizutori
重司 水取
Takuya Ueno
拓哉 上野
Takanari Shiraishi
登業 白石
Hiroki Iwatani
浩樹 岩谷
Mayumi Makiyama
真由美 槇山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害ガスの除去性能が低下しにくく、しかも
製造が容易な有害ガス除去用素材を実現する。 【解決手段】 有害ガス除去用素材は、生物に対して有
害な有害ガスを除去するためのものであり、マグネシウ
ム、ストロンチウム、ジルコニウム、クロム、コバルト
および白金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金
属を含む活性炭前駆体に対して炭素化および不融化のう
ちの一の処理を施した後にさらに賦活処理を施すことに
より得られるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、有害ガス除去用素
材、特に、生物に対して有害な有害ガスを除去するため
の有害ガス除去用素材に関する。
【0002】
【従来の技術】公害防止の観点から、工場や自動車から
排出される有害ガス、特に窒素酸化物や硫黄酸化物を除
去するための方法が種々研究されており、一定の成果が
得られている。既に提供されている一般的な有害ガスの
除去方法は、有害ガスを薬液に吸収させる方法や、金属
触媒を用いて有害ガスを酸化または還元することにより
無害な物質に変換する方法などである。ところが、これ
らの除去方法は、大型の有害ガス固定発生源や自動車エ
ンジンなどの内燃機関を対象としたものであり、通常、
数百度℃以上の高温の排気ガス中の高濃度有害ガスの除
去を目的としたものである。このため、上述の除去方法
によれば、常温において、低濃度の有害ガスを効果的に
除去するのは困難である。
【0003】ところで、近年、生活環境の安全・衛生に
対する関心が高まりつつあり、例えば家屋やビル内の空
気中に含まれる有害ガスの除去についての要望が高まっ
ている。ところが、上述の除去方法は、高温高濃度の有
害ガスの除去を目的としているため、それを実施するた
めの装置が大掛かりになり、家屋やビルに適用するのは
困難である。
【0004】このため、低濃度の有害ガスを常温におい
て効果的に除去することができる方法として、ゼオライ
トや活性炭などの多孔質物質に対して有害ガスを接触さ
せて吸着させ、これにより有害ガスを除去する方法が提
案されている。しかし、ここで用いられる多孔質物質
は、有害ガスの吸着量に限界があり、また、寿命も短
い。そこで、有害ガスの吸着量を高めて長寿命化した多
孔質物質が提案されている。例えば、特公昭54−22
97号公報には、活性炭の表面に鉄や銅などの金属酸化
物を付着させたものが示されており、また、特許第24
80429号特許掲載公報には、活性炭繊維の表面にア
ルカリ金属を担持させたものが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の各種多孔質物質
は、いずれも活性炭の表面に金属類を担持させたもので
あるため、その製造時には、担体としての活性炭に対し
て金属類の微粒子を分散させて付着させる必要や、この
ようにして金属類を担持させた活性炭をさらに焼成する
必要があるなど、煩雑な工程や高度な技術が要求され
る。
【0006】また、上述の多孔質物質は、有害ガスの除
去性能が低下し易い。これは、活性炭に担持された金属
類が劣化したり剥落し易いためと考えられる。
【0007】本発明の目的は、有害ガスの除去性能が低
下しにくく、しかも製造が容易な有害ガス除去用素材を
実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る有害ガス除
去用素材は、生物に対して有害な有害ガスを除去するた
めのものであり、マグネシウム、ストロンチウム、ジル
コニウム、クロム、コバルトおよび白金からなる群から
選ばれた少なくとも1種の金属を含む活性炭前駆体に対
して炭素化および不融化のうちの一の処理を施した後に
さらに賦活処理を施すことにより得られるものである。
【0009】ここで、活性炭前駆体は、例えばピッチで
ある。また、この活性炭前駆体は、例えば上述の金属を
0.01〜5重量%含んでいる。さらに、この有害ガス
除去用素材は、例えば繊維状に形成されている。
【0010】なお、本発明の有害ガス除去用素材により
除去可能な有害ガスは、例えば窒素酸化物または硫黄酸
化物である。
【0011】また、本発明に係る有害ガス除去用素材
は、生物に対して有害な有害ガスを除去するための有害
ガス除去用素材であって、マグネシウム、ストロンチウ
ム、ジルコニウム、クロム、コバルトおよび白金からな
る群から選ばれた少なくとも1種の金属を含有する活性
炭からなる。
【0012】本発明に係る有害ガス除去用素材の製造方
法は、生物に対して有害な有害ガスを除去するための有
害ガス除去用素材を製造するための方法でる。この製造
方法は、次の工程を含んでいる。 ◎マグネシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、クロ
ム、コバルトおよび白金からなる群から選ばれた少なく
とも1種の金属の化合物と、活性炭前駆体とを溶媒の存
在下で混合して混合物を得るための工程。 ◎混合物に対して炭素化処理および不融化処理のうちの
一の処理を施すための工程。 ◎炭素化および不融化のうちの一の処理が施された混合
物を賦活するための工程。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の有害ガス除去用素材は、
所定の金属を含む活性炭前駆体から活性炭を調製するた
めの工程を経由して得られるものである。
【0014】本発明で用いられる金属は、マグネシウ
ム、ストロンチウム、ジルコニウム、クロム、コバルト
および白金からなる群から選ばれたものである。このう
ち、特に良好な有害ガス除去性能を達成することができ
ることから、マグネシウム、ストロンチウムおよびクロ
ムが好ましい。
【0015】上述の各種金属は、それぞれ単独で用いら
れてもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。因
に、2種以上の金属を併用する場合、組み合わせる金属
の種類は特に限定されるものではなく、また、組み合わ
せの割合も特に限定されるものではない。
【0016】本発明で用いられる活性炭前駆体は、炭素
化や不融化などの手法により容易に活性炭になり得、し
かも後述する金属化合物と溶媒を用いて混合可能なもの
であれば特に限定されない。このような活性炭前駆体と
しては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリビニルア
ルコール、フェノール樹脂およびピッチなどの、活性炭
を製造するために一般的に用いられる有機物を例示する
ことができる。このうち、炭化時の理論炭化収率の点
で、ピッチを用いるのが好ましい。
【0017】上述の金属を含むこのような活性炭前駆体
は、通常、上述の金属の化合物と活性炭前駆体とを溶媒
を用いて混合することにより調製することができる。こ
こで、上述の金属の化合物としては、溶媒に溶解可能な
ものが好ましく用いられる。この金属化合物は、無機化
合物であってもよいし、有機化合物であってもよい。
【0018】無機化合物としては、例えば、上述の金属
の塩化物、硝酸塩および酢酸塩などの無機塩類が用いら
れる。より具体的には、塩化マグネシウム,塩化ストロ
ンチウム,塩化クロム,塩化コバルトなどの塩化物、硝
酸マグネシウム,硝酸ストロンチウム,硝酸コバルトな
どの硝酸塩、酢酸マグネシウム,酢酸ストロンチウム,
酢酸コバルトなどの酢酸塩を例示することがきる。
【0019】また、有機化合物としては、例えば、上述
の金属とアセチルアセトンやシクロペンタジエンなどと
の有機金属錯体が用いられる。より具体的には、トリス
アセチルアセトナトクロム,ビスアセチルアセトナトジ
アコマグネシウム,ビスアセチルアセトナトジアコスト
ロンチウム,テトラキスアセチルアセトナトジルコニウ
ム,ビスアセチルアセトナトジアココバルト,ビスアセ
チルアセトナト白金などのアセチルアセトン錯体、トリ
スシクロペンタジエニルコバルト,ビスシクロペンタジ
エニル白金などのシクロペンタジエン錯体を例示するこ
とができる。
【0020】一方、ここで用いられる溶媒は、活性炭前
駆体および上述の金属化合物の双方を溶解することがで
きるものである。このような溶媒は、特に限定されるも
のではないが、利用する活性炭前駆体および金属化合物
の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、活
性炭前駆体としてフェノール樹脂を用いかつ金属化合物
として酢酸コバルトを用いる場合はメタノールなどを、
また、活性炭前駆体としてピッチを用いかつ金属化合物
としてビスアセチルアセトナト白金を用いる場合はキノ
リンなどをそれぞれ溶媒として用いることができる。
【0021】このような溶媒を用いて活性炭前駆体と金
属化合物とを混合する場合、金属化合物が溶解された溶
媒中に活性炭前駆体を加えて混合してもよいし、活性炭
前駆体中に金属化合物が溶解された溶媒を加えて混合し
てもよい。なお、このような混合操作においては、攪拌
や加熱などの操作が適宜加えられてもよい。
【0022】なお、上述の金属を含む活性炭前駆体を調
製する際には、通常、活性炭前駆体に含まれる金属の量
が活性炭前駆体の0.01〜5重量%、好ましくは0.
1〜2重量%になるよう活性炭前駆体と混合する金属化
合物の量を設定する。但し、ここで言う金属の量は、金
属化合物としての量ではなく、金属元素換算の量であ
る。
【0023】ここで、活性炭前駆体に含まれる金属の量
が0.01重量%未満の場合は、本発明の有害ガス除去
用素材が所要の有害ガス除去性能を発揮しない場合があ
る。逆に、5重量%を超える場合は、活性炭前駆体より
調製される活性炭中で金属が凝集し易くなり、結果的に
本発明の有害ガス除去用素材が所要の有害ガス除去性能
を発揮しにくくなる場合がある。また、後述するような
繊維状の有害ガス除去用素材を製造する場合において、
活性炭前駆体の紡糸性が損なわれる場合がある。
【0024】上述のようにして調製される金属化合物と
活性炭前駆体との混合物(以下、活性炭前駆体混合物と
表現する)からは、通常、溶媒を除去しておくのが好ま
しい。溶媒の除去方法としては、減圧蒸留などの慣用手
段を採用することができる。
【0025】また、活性炭前駆体としてピッチを用いる
場合は、後述するような繊維状の活性炭を製造する際の
紡糸工程の安定性の点で、溶媒を除去した後の活性炭前
駆体混合物に酸素含有気体を吹き込んで処理するのが好
ましい。ここで用いられる酸素含有気体としては、空
気、オゾン含有空気、酸素富化空気および酸素を例示す
ることができる。なお、吹き込み処理の温度条件は、2
50〜500℃程度に設定するのが好ましく、300〜
400℃程度に設定するのがより好ましい。また、酸素
含有空気の吹き込み量は、ピッチ1kg当たり、0.1
〜10l/分程度に設定するのが好ましく、0.2〜5
l/分程度に設定するのがより好ましい。
【0026】本発明の有害ガス除去用素材は、上述の活
性炭前駆体混合物を用いて活性炭を調製することにより
得られる。ここで、活性炭前駆体混合物から活性炭を調
製する場合には、活性炭前駆体混合物に対し、炭素化処
理または不融化処理を施した後、さらに賦活処理を施
す。
【0027】活性炭前駆体混合物の炭素化処理方法、不
融化処理方法および賦活処理方法は、常法に従って実施
することができ、特に限定されるものではない。例えば
炭素化処理は、窒素などの不活性ガス雰囲気下におい
て、活性炭前駆体混合物を1分当たり5〜10℃程度の
割合で800〜1,200℃程度まで加熱し、そのとき
の最高温度を最大限10分間程度保持することにより実
施することができる。一方、不融化処理は、不活性ガス
または酸素含有ガスの雰囲気下で1分当たり0.1〜5
℃程度の割合で活性炭前駆体混合物を融点以下の温度か
ら400℃程度まで加熱すると実施することができる。
さらに賦活処理は、水蒸気、二酸化炭素、酸素およびこ
れらの混合物並びにこれらのガスを窒素などの不活性ガ
スで希釈したガス雰囲気下において、炭素化または不融
化した活性炭前駆体混合物を800〜1,200℃程度
に加熱して5〜120分程度保持すると実施することが
できる。
【0028】このようにして調製される活性炭、すなわ
ち本発明の有害ガス除去用素材は、特に形状が限定され
るものではないが、通常は、フイルターを構成し易いな
ど、多様な加工を適用し易いことから繊維状に形成され
るのが好ましい。繊維状の活性炭を得る場合は、上述の
炭素化工程または不融化工程を適用する前に、活性炭前
駆体混合物を予め紡糸しておくことができる。ここで
は、紡糸性を高めるために、活性炭前駆体混合物を調製
する際に用いる活性炭前駆体の重合度を調整しておくの
が好ましい。
【0029】上述のように、本発明の有害ガス除去用素
材は、所定の金属化合物を含む活性炭前駆体から常法に
従って活性炭を調製することにより得ることができるた
め、製造過程において従来のような煩雑な操作や高度な
技術を必要とせず、容易に製造することができる。ま
た、本発明の有害ガス除去用素材は、それに含まれる上
述の金属の賦活反応促進作用に由来して活性炭細孔構造
の変化が起こること、および当該金属が有害ガスに対し
て化学的または触媒的作用を発現することにより、有害
ガス除去性能を発揮し得るものと考えられる。ここで、
本発明の有害ガス除去用素材を構成する活性炭は、上述
のような金属を予め含有する活性炭前駆体を用いて調製
されているため、その表面部位のみならず、その内部に
も上述の金属が分散した状態で含まれる。したがって、
本発明の有害ガス除去用素材は、金属の劣化や剥落が起
こりにくく、有害ガス除去性能が低下しにくい。
【0030】本発明の有害ガス除去用素材により除去可
能な有害ガスは、人間をはじめとする各種生物に対して
有害なガスであり、特に限定されるものではない。但
し、この有害ガス除去用素材は、窒素酸化物ガスおよび
硫黄酸化物ガスに対して特に良好な除去作用を発現し得
るため、これらの有害ガスの除去用として用いる場合に
特に効果的である。
【0031】なお、本発明の有害ガス除去用素材は、押
出成形や湿式成形などの慣用手法に従って、例えばフィ
ルター形状に加工して利用することもできる。このよう
な加工を施す場合、本発明の有害ガス除去用素材には賦
形剤やバインダーなどを適宜混合することができる。
【0032】また、本発明の有害ガス除去用素材は、所
望により抗菌性が付与されてもよい。抗菌性は、例え
ば、上述の活性炭前駆体混合物に対して抗菌性金属、例
えば銀や銅などを添加することにより本発明の有害ガス
除去用素材に付与することができる。なお、抗菌性金属
は、通常、酢酸銀やビスアセチルアセトナト銅などの化
合物として活性炭前駆体に添加される。
【0033】
【実施例】実施例1(クロム含有活性炭繊維の製造) 水分およびキノリン不溶分を除去したコールタール1,
100gを窒素雰囲気下で80℃に加温し、これにトリ
スアセチルアセトナトクロム[Cr(CH3COCHCO
CH33]18.8gを溶解したキノリン100mlを
徐々に滴下しながら5時間攪拌した。
【0034】次に、これを減圧蒸留し、その後5l/分
の割合で空気を吹き込みながら330℃で3時間反応さ
せ、活性炭前駆体混合物であるクロム含有コールタール
ピッチを得た。得られたコールタールピッチは、メトラ
ー法で測定した軟化点が271.3℃、ICP発光分析
法で測定したクロムの含有量が1.0重量%であり、ま
た、光学的等方性組織を示した。
【0035】次に、得られたクロム含有コールタールピ
ッチを下記の条件で溶融押出紡糸し、ピッチ繊維を製造
した。 ノズル:径=0.35mm、24穴 吐出量:18.9g/分 溶融温度:320℃
【0036】このピッチ繊維を、空気中で常温から37
5℃まで2℃/分の割合で昇温し、375℃に達した後
に15分間保持することにより不融化した。さらに、不
融化されたピッチ繊維を窒素雰囲気下において850℃
で40分間飽和水蒸気に暴露し、賦活した。
【0037】このようにして得られたクロム含有活性炭
繊維は、比表面積が1,221m2/g であり、金属
(クロム)含有率が0.51重量%であった。なお、こ
こでの比表面積は窒素吸着量からBET式に基づいて求
めた値であり、また、金属含有量はICP発光分析法に
より測定した値である。この点、特に言及のない限り、
以下の実施例についても同様である。
【0038】実施例2(マグネシウム含有活性炭繊維の
製造) トリスアセチルアセトナトクロム18.8gに代えてビ
スアセチルアセトナトジアコマグネシウム[Mg(CH
3COCHCOCH32・2H2O]29.8gを用いた
点を除いて実施例1の場合と同様に操作し、マグネシウ
ム含有活性炭繊維を得た。この活性炭繊維は、比表面積
が1,322m2/g であり、マグネシウム含有量が
2.30重量%であった。
【0039】実施例3(ストロンチウム含有活性炭繊維
の製造) トリスアセチルアセトナトクロム18.8gに代えてビ
スアセチルアセトナトジアコストロンチウム[Sr(C
3COCHCOCH32・2H2O]10.2gを用い
た点を除いて実施例1の場合と同様に操作し、ストロン
チウム含有活性炭繊維を得た。この活性炭繊維は、比表
面積が987m2/g であり、ストロンチウム含有量が
2.90重量%であった。
【0040】実施例4(ジルコニウム含有活性炭繊維の
製造) トリスアセチルアセトナトクロム8.8gに代えてテト
ラキスアセチルアセトナトジルコニウム[Zr(CH3
COCHCOCH34]15.0gを用いた点を除いて
実施例1の場合と同様に操作し、ジルコニウム含有活性
炭繊維を得た。この活性炭繊維は、比表面積が1,29
1m2/g であり、ジルコニウム含有量が2.60重量
%であった。
【0041】実施例5(コバルト含有活性炭繊維の製
造) トリスアセチルアセトナトクロム18.8gに代えてビ
スアセチルアセトナトジアココバルト[Co(CH3
OCHCOCH32・2H2O]13.9gを用いた点
を除いて実施例1の場合と同様に操作し、コバルト含有
活性炭繊維を得た。この活性炭繊維は、比表面積が1,
322m2/g であり、コバルト含有量が2.00重量
%であった。
【0042】実施例6(白金含有活性炭繊維の製造) トリスアセチルアセトナトクロム18.8gに代えてビ
スアセチルアセトナト白金[Pt(CH3COCHCO
CH32 ]5.7gを用いた点を除いて実施例1の場
合と同様に操作し、白金含有活性炭繊維を得た。この活
性炭繊維は、比表面積が1,281m2/g であり、白
金含有量が2.60重量%であった。
【0043】比較例1〜6(金属含有活性炭繊維の製
造) 上述の各実施例に倣い、次の物性を有する金属含有活性
炭繊維を得た。 (比較例1) アルミニウム含有活性炭繊維:比表面積=1,528m
2/g、アルミニウム含有量=1.00重量%。 (比較例2) ロジウム含有活性炭繊維:比表面積=1,447m2
g、ロジウム含有量=2.20重量%。 (比較例3) バナジウム含有活性炭繊維:比表面積=1,301m2
/g、バナジウム含有量=1.70重量%。 (比較例4) 銀含有活性炭繊維:比表面積=1,453m2/g、銀
含有量=1.00重量%。 (比較例5) マンガン含有活性炭繊維:比表面積=963m2/g、
マンガン含有量=2.20重量%。 (比較例6) 鉄含有活性炭繊維:比表面積=1,211m2/g、鉄
含有量=1.70重量%。 (比較例7) チタン含有活性炭繊維:比表面積=1,406m2
g、チタン含有量=1.10重量%。
【0044】評価 (二酸化窒素ガス除去性能評価)実施例1〜6および比
較例1〜4で得られた活性炭繊維、市販の活性炭繊維
(株式会社アドールの商品名“A−10”)並びに市販
の添着粒状活性炭(クラレケミカル株式会社の商品名
“クラレコール”)について、二酸化窒素ガスの除去性
能を評価した。ここでは、検体約0.5gを充填したカ
ラムに約100ppmの二酸化窒素を含有する空気(温
度=23℃)を流速2.0l/分、線速度3.9m/秒
で流し、カラムの下流側の二酸化窒素濃度の経時変化を
追跡した。15分後の二酸化窒素除去率を表1に示す。
表1から、各実施例の活性炭繊維の二酸化窒素除去性能
は、比較例および市販の活性炭繊維並びに市販の添着粒
状活性炭に比べて顕著に優れていることがわかる。
【0045】
【表1】
【0046】(二酸化硫黄ガス除去性能評価)実施例5
および6の活性炭繊維、比較例2〜6の活性炭繊維、市
販の活性炭繊維(株式会社アドールの商品名“A−1
0”)並びに市販の添着粒状活性炭(クラレケミカル株
式会社の商品名“クラレコール”)について、二酸化硫
黄ガスの除去性能を評価した。ここでは、検体約0.5
gを充填したカラムに約100ppmの二酸化硫黄を含
有する空気(温度=25℃)を流速5.0l/分で流し
て容量が3.0lの系内を循環させ、24時間後の二酸
化硫黄ガス濃度を測定した。そして、二酸化硫黄の初期
濃度、24時間後の濃度および実験系の容量から二酸化
硫黄の減少量を算出し、この値を使用した検体の量で除
して検体重量当たりの二酸化硫黄ガス除去量を求めた。
結果を表2に示す。表2から、各実施例の活性炭繊維の
二酸化硫黄除去性能は、比較例および市販の活性炭繊維
並びに市販の添着粒状活性炭に比べて顕著に優れている
ことがわかる。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明の有害ガス除去用素材は、上述の
ような特定の金属を含む活性炭前駆体を用いて調製され
ているので、製造が容易であり、しかも有害ガス除去性
能が低下しにくい。
【0049】また、本発明に係る有害ガス除去用素材の
製造方法は、上述のような特定の金属の化合物と活性炭
前駆体との混合物を調製し、この混合物を炭素化または
不融化した後に賦活しているので、有害ガス除去性能が
低下しにくい有害ガス除去用素材を容易に製造すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 武士 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 水取 重司 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 上野 拓哉 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 白石 登業 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 岩谷 浩樹 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 槇山 真由美 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生物に対して有害な有害ガスを除去するた
    めの有害ガス除去用素材であって、 マグネシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、クロ
    ム、コバルトおよび白金からなる群から選ばれた少なく
    とも1種の金属を含む活性炭前駆体に対して炭素化およ
    び不融化のうちの一の処理を施した後にさらに賦活処理
    を施すことにより得られる有害ガス除去用素材。
  2. 【請求項2】前記活性炭前駆体がピッチである、請求項
    1に記載の有害ガス除去用素材。
  3. 【請求項3】前記活性炭前駆体が前記金属を0.01〜
    5重量%含んでいる、請求項1または2に記載の有害ガ
    ス除去用素材。
  4. 【請求項4】繊維状に形成されている、請求項1、2ま
    たは3に記載の有害ガス除去用素材。
  5. 【請求項5】前記有害ガスが窒素酸化物である、請求項
    1、2、3または4に記載の有害ガス除去用素材。
  6. 【請求項6】前記有害ガスが硫黄酸化物である、請求項
    1、2、3または4に記載の有害ガス除去用素材。
  7. 【請求項7】生物に対して有害な有害ガスを除去するた
    めの有害ガス除去用素材であって、 マグネシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、クロ
    ム、コバルトおよび白金からなる群から選ばれた少なく
    とも1種の金属を含有する活性炭からなる有害ガス除去
    用素材。
  8. 【請求項8】生物に対して有害な有害ガスを除去するた
    めの有害ガス除去用素材の製造方法であって、 マグネシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、クロ
    ム、コバルトおよび白金からなる群から選ばれた少なく
    とも1種の金属の化合物と、活性炭前駆体とを溶媒の存
    在下で混合して混合物を得るための工程と、 前記混合物に対して炭素化処理および不融化処理のうち
    の一の処理を施すための工程と、 前記処理が施された前記混合物を賦活するための工程
    と、を含む有害ガス除去用素材の製造方法。
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