JPH10327925A - レンチキュラーレンズを備える容器及びレンチキュラーレンズを備える容器用シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の図案や動画的効果を有する図案をデザ
インとして利用可能な鞄を提供する。 【解決手段】透明素材で形成された鞄１の少なくとも一
面をレンチキュラーレンズ２により形成する。レンチキ
ュラーレンズ２の裏側に、透過性インクによりレンチキ
ュラーレンズの視覚的効果を得られるように加工された
図案が描画された透明シート３を着脱可能に配置する。
透明シート３に描画された図案として、レンチキュラー
レンズ２により複数の図案や動画として見えるものを使
用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、動画的効果を有す
る図案・絵柄をデザインとして利用できる鞄等の容器及
びその容器の画像が描かれたシートに関する。また、本
発明は、バリエーションに富んだ図案・絵柄をデザイン
として利用できる鞄等の容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】透明素材を用いた鞄が知られている。こ
のような鞄では、透明であるということが一つのカラー
デザインとして用いられている。また、収容物が見える
ということも視覚的効果として機能している。

【０００３】また、このような鞄の中には、イラストな
どの図案・絵柄が描画されたシートなどが着脱可能に構
成され、透明素材で形成されていることを利用して、シ
ートの図案・絵柄（画像）を鞄のデザインとして利用す
るものも知られている。このような鞄では、鞄のデザイ
ンを利用者の好みに応じて変更することができ、また、
同一の鞄で複数のデザインを楽しむことができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような鞄
に利用できる図案は１面に１図案・絵柄のみであり、１
つの面に複数の図案・絵柄を利用することができない。
また、その図案は静止画に限られ、動画的効果を有する
図案などを利用することができない。そのため、デザイ
ン性の乏しいものが多かった。同様の問題は、鞄に限ら
ず、ファイルケース、等の任意の容器（ケース、ファイ
ル等を含む）についても存在した。

【０００５】本発明は上記実状に鑑みてなされたもの
で、複数の画像や動画的効果を有する画像をデザインと
して利用可能で、バリエーションに富んだ画像を利用で
きる容器を提供することを目的とする。また、この発明
は、変化に富んだデザインを楽しむことができる容器を
提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第１の観点にかかるレンチキュラーレンズ
を備える容器は、レンチキュラーレンズと該レンチキュ
ラーレンズの背面に任意の画像のシートを着脱可能に保
持する保持手段を備え、前記シートを取り替えることに
より、任意の画像を前記レンチキュラーレンズを通して
表示可能としたことを特徴とする。

【０００７】このように構成された容器によれば、レン
チキュラーレンズの裏面に配置するシートの画像の図案
・絵柄、デザイン、色、等を任意に変更することがで
き、様々にコーディネイトして楽しむことができる。ま
た、レンチキュラーレンズを使用しているため、シート
上の画像を工夫すれば、見る角度に応じて複数の画像を
切り替えて表示させたり、色を変化させたり、動いてい
るように表示させたりすることが可能となり、変化に富
む図案をデザインとして使用できる。

【０００８】レンチキュラーレンズの視覚効果を有効に
利用するためには、シートには、そのシートが前記保持
手段により保持されている状態で、前記レンチキュラー
レンズの円柱状レンズにほぼ平行になるようにストライ
プ状の画像を描くことが望ましい。

【０００９】特に、複数の元の画像をストライプ状に切
り出して規則的に組み合わせて配列して印刷することに
より、前記レンチキュラーレンズを通して、元の画像が
切り替わって見えるシートを得ることができる。

【００１０】前記容器は、例えば、全体が透明素材によ
り形成され、前記シートは、例えば、透過性インクによ
り画像が描かれた透明シートから形成される。

【００１１】このように構成された容器によれば、全体
が透明であり、内容物が見えるということを利用した視
覚効果を得ることができる。また、透過性インクにより
画像が描かれた透明シートを用いることにより、容器の
透明性を維持しつつレンチキュラーレンズの視覚効果を
得ることができる。

【００１２】また、前記レンチキュラーレンズは、例え
ば、前記容器の本体の表面に、前記シートが挿抜可能な
間隙を有して接合され、前記シートは、前記容器の表面
と前記レンチキュラーレンズとの間の前記間隙に収納さ
れ保持される。この構成では、前記間隙にシートを容易
に挿抜することができる。

【００１３】レンチキュラーレンズが十分な厚みを有す
る場合などには、レンチキュラーレンズを容器の本体の
一部として使用することもできる。この場合、例えば、
容器の全面をレンチキュラーレンズで構成してもよく、
２つの主面のみをレンチキュラーレンズで構成してもよ
い。

【００１４】シートを固定するため、レンチキュラーレ
ンズに磁石を固定しておき、これらの固定磁石と可動磁
石とでシートを挟んで固定するようにしてもよい。

【００１５】このように構成されたレンチキュラーレン
ズを有する容器によれば、磁石でシートを留めることに
より、シートを簡単に固定及び取り外しでき、画像を簡
単に取り替えることができる。

【００１６】この発明の容器としては、鞄、ケース、フ
ァイル、等が好適である。

【００１７】また、この発明の第２の観点に係るシート
は、レンチキュラーレンズレンズと該レンチキュラーレ
ンズの裏面（平坦面）側に図案が施されたシートを保持
する保持部とを備える容器用シートであって、前記保持
部に保持された状態で、複数のストライプ状の画像が、
前記レンチキュラーレンズを構成する円柱状レンズと実
質的に平行に且つ各円柱状レンズに複数本対向するよう
に形成されている、ことを特徴とする。

【００１８】この構成のシートを容器の保持部に任意に
取り替えて取り付けることにより、様々な絵柄や動画を
容器のデザインとして楽しむことができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係る鞄を図
面を参照して説明する。図１は本実施の形態のレンチキ
ュラーレンズを有する鞄の全体構成を示す斜視図であ
る。

【００２０】鞄１は例えばアクリルなどの透明素材で全
体が形成されている。鞄１の最も広い二面の一方、望ま
しくは、通常の使用時に外側になる面には、レンチキュ
ラーレンズ２が形成されている。レンチキュラーレンズ
２は、円柱状レンズが配列形成されて構成され、各円柱
状レンズは、鞄１の使用時に、ほぼ垂直となるように一
定ピッチで規則的に配置されている。

【００２１】レンチキュラーレンズ２の裏面側（内面
側）には、シート３が装着されている。シート３の表面
にはＰＰＣ（Plain Paper Copier:普通紙複写機）用な
どの透過性のあるインクにより、任意の絵柄・図案の画
像が印刷されている。この画像は、例えば、レンチキュ
ラーレンズ２を通して見たときに、見る角度によって、
複数の画像が切り替わって見えるように加工されてい
る。

【００２２】このような画像は、切り替えて表示する複
数の原画のそれぞれをストライプ状に切り出して、表示
したい順にレンチキュラーレンズ２の各円柱レンズのピ
ッチに収まるように規則的に配置することにより形成さ
れる。

【００２３】例えば、図２（ａ）〜（ｃ）に示す元の画
像を切り替えて表示したい場合には、各画像を図２
（ｄ）〜（ｆ）に示すようにストライプ状に切り出し
て、シート３上に図２（ｇ）に示すように組み合わせて
規則的に配列して印刷する。この際、図３に示すよう
に、レンチキュラーレンズ２を構成する各円柱状レンズ
のピッチ内に各画像（ａ）〜（ｃ）から切り出されたス
トライプ状画像が１本ずつ配置され、各円柱状レンズに
元の画像の枚数分のストライプ状画像が対向するように
配置する。

【００２４】このような構成の鞄１は、全体が透明であ
り、内容物が見えるということを利用した視覚効果を得
ることができる。また、レンチキュラーレンズ２を通し
て、見る角度に応じて複数の画像が切り替わって表示さ
れるという視角的効果も得ることができ、変化に富むデ
ザインの鞄として使用できる。

【００２５】シート３に印刷する画像は任意であり、切
り替えて表示する画像の数も任意である。例えば、図４
に示すような動きのある場面を撮影又は表現した複数枚
の画像を合成した場合には、鞄表面の画像が単に切り替
わっているだけでなく、動いているように見えるという
視覚的効果を得ることもできる。また、異なった色をス
トライプ状に規則的に印刷することにより、表面の色が
変化して見える透明鞄を提供できる。

【００２６】なお、シート３は、レンチキュラーレンズ
２に固定される必要はなく、取り替え可能としてもよ
い。例えば、図５に断面で示すように、レンチキュラー
レンズ２の左右端部（辺部）と底端部（底辺）を鞄１の
表面部に接着材等で接合（固定）し、上部が開口した間
隙４を形成し、この間隙４に開口部からシート３を挿抜
できるように構成してもよい。

【００２７】間隙４を形成するために、鞄１のレンチキ
ュラーレンズ２との接合部、即ち、左右端部と底端部に
凸状部１ａを形成してもよい。

【００２８】鞄１とレンチキュラーレンズ２との接合方
法は、接着剤に限定されず、鞄としての使用に耐えうる
強度を維持できるものであれば、圧着、鋲止めなど任意
である。

【００２９】また、レンチキュラーレンズ２が十分な強
度を有する場合には、図６に断面で示すように、鞄１の
一面をレンチキュラーレンズ自体で形成してもよい。或
いは、鞄１の表面を蒲鉾状に加工し、レンチキュラーレ
ンズとしてもよい。

【００３０】図６の構成では、シート３は、任意の方法
により、レンチキュラーレンズ２の背面に着脱可能に固
定される。例えば、図６に示すように、レンチキュラー
レンズ２の裏面の外周部に複数の磁石５を埋め込んでお
き、これらの磁石５と同数の磁石６の吸引力によりシー
ト３を挟持してもよい。この構成によっても、レンチキ
ュラーレンズ２の視覚的効果を利用でき、且つ、異なる
絵柄のシート３を簡単に入れ替えて使用することができ
る。

【００３１】磁石５は、レンチキュラーレンズの外周部
に埋め込まれていたが、シートを安定して挟持できれば
埋込位置は任意であり、また磁石の数も任意である。ま
た、埋め込みによらず、磁石５をレンチキュラーレンズ
２に接着剤等で固定してもよい。また、磁石５と６の一
方は、鉄片等でもよい。

【００３２】埋め込まれた磁石５に対応する磁石６を
紐、ベルトなどで鞄に取り付けることで、可動磁石の紛
失を防止するようにしてもよい。使用される磁石をカラ
ーマグネットにより構成して視覚効果を高めてもよい。

【００３３】以上説明したように、この発明の実施の形
態によれば、鞄全体が透明であるという視覚的効果及び
レンチキュラーレンズの視角的効果を用いつつ、シート
３を任意に取り替えて、画像を簡単に変更して、鞄１の
模様・色・絵柄・図案等を変化させて楽しむことができ
る。

【００３４】なお、この発明は上記実施の形態に限定さ
れるものではない。例えば、レンチキュラーレンズ２を
１面に形成するだけでなく、レンチキュラーレンズ２を
鞄１の最も広い２面に配置してもよい。また、底面を除
く５面全体にレンチキュラーレンズを配置してもよい。
その他、レンチキュラーレンズを形成する面の数、各レ
ンチキュラーレンズの大きさなどは、任意に変更可能で
ある。また、一部のレンチキュラーレンズの裏面のみに
シートを固定する保持部を配置し、一部のレンチキュラ
ーレンズの裏面には、シートを固定してもよい。

【００３５】また、鞄の形状も、６面体（直方体）に限
定されず、例えば、ブリーフケースのような薄いもので
もよく、錐形等でもよい、その種類も、ビジネスバッ
グ、ハンドバッグ、ボストンバッグ、ショルダーバッ
グ、スーツケース、リュックサック、手提げ等、任意で
あり、任意の少なくとも１面にレンチキュラーレンズを
配置すればよい。また、レンチキュラーレンズを曲面状
に形成することにより、又は、弾力性を有するレンチキ
ュラーレンズを使用することにより、曲面にレンチキュ
ラーレンズを配置することも可能である。

【００３６】また、この発明は、鞄に限定されず、ファ
イルケース、キャリアケース等の容器及びケースに広く
適用可能である。

【００３７】また、鞄を形成する透明素材はアクリルに
限定されず、プラスチック、ビニールなど、鞄の形状を
形成することができ、鞄としての使用に耐えうる強度を
有するものであれば、使用される素材は任意である。ま
た、鞄の全体が透明素材で形成される必要がなく、鞄の
一部を透明素材で形成し、他の部分を非透明素材や半透
明の素材によって形成してもよい。

【００３８】さらに、鞄の本体全体を非透明素材で形成
し、その表面に図５に示すように、レンチキュラーレン
ズ２を配置してもよい。

【００３９】また、上記実施の形態におけるシート３の
保持方法は、間隙４への挿入あるいは磁石による挟持で
あったが、シート３を安定して保持することができれば
保持方法は任意である。

【００４０】また、シート３及びインクは光透過性のも
のに限定されない。例えば、収容物を見せたくない場合
には、紙などの透過性のないシートを用いたり、シート
に透過性の無いインクで図案を描画してもよい。また、
無地のカラーシートを入れ替えて、鞄の色を変えて楽し
むこともできる。

【００４１】

【発明の効果】上述のように、本発明の鞄は、レンチキ
ュラーレンズを用いることで、複数の図案や動画的効果
を有する図案をデザインとして利用できる鞄を簡単且つ
安価に構成できる。また、それらの図案を容易に入れ替
えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係るレンチキュラーレン
ズ２を有する鞄１の全体構成を示す斜視図である。

【図２】シート３に印刷する画像の作成方法を説明する
図である。

【図３】シート３に印刷する画像の作成方法を説明する
図である。

【図４】レンチキュラーレンズ２を介して動いて見える
画像の例を示す図である。

【図５】鞄の断面構造の一例を示す部分断面図である。

【図６】鞄の断面構造の他の例を示す部分断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 鞄 ２ レンチキュラーレンズ ３ シート ４ 間隙 ５、６ 磁石

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】レンチキュラーレンズと該レンチキュラー
   レンズの背面に任意の画像のシートを着脱可能に保持す
   る保持手段とを備える容器であり、 前記シートを取り替えることにより、任意の画像を前記
   レンチキュラーレンズを通して表示可能としたことを特
   徴とするレンチキュラーレンズを備える容器。
2. 【請求項２】前記シートには、該シートが前記保持手段
   により装着された状態で、前記レンチキュラーレンズの
   円柱状レンズにほぼ平行になるように配列されたストラ
   イプ状の画像が描かれている、 ことを特徴とする請求項１に記載のレンチキュラーレン
   ズを備える容器。
3. 【請求項３】前記シートには、複数の画像をストライプ
   状に切り出して規則的に組み合わせて配列することによ
   り、前記レンチキュラーレンズを通して、前記複数の画
   像が切り替わって見える画像が描かれている、 ことを特徴とする請求項１又は２に記載のレンチキュラ
   ーレンズを備える容器。
4. 【請求項４】前記容器は透明素材により形成され、 前記シートは、透過性インクにより画像が描かれた透明
   シートから形成されていることを特徴とする請求項１、
   ２又は３に記載のレンチキュラーレンズを備える容器。
5. 【請求項５】前記レンチキュラーレンズは、前記容器の
   表面に、前記シートが挿抜可能な間隙を有して接合され
   ており、 前記保持手段は、前記容器と前記レンチキュラーレンズ
   とその間の前記間隙から形成されている、 ことを特徴とする請求項１、２、３又は４に記載のレン
   チキュラーレンズを備える容器。
6. 【請求項６】前記レンチキュラーレンズは、前記容器の
   少なくとも１面の実質的な全体を構成する、 ことを特徴とする請求項１、２、３又は４に記載のレン
   チキュラーレンズを備える容器。
7. 【請求項７】前記保持手段は、 前記レンチキュラーレンズに固定された複数の固定磁石
   と、 前記複数の固定磁石と互いに吸引し、間に挟まれた前記
   シートを固定する複数の可動磁石と、から構成され、 前記固定磁石と前記可動磁石との間に前記シートを着脱
   可能に挟むことにより、前記レンチキュラーレンズの背
   面に前記シートを保持可能とした、 ことを特徴とする請求項６に記載のレンチキュラーレン
   ズを備える容器。
8. 【請求項８】前記容器は、鞄から構成されている、こと
   を特徴とする請求項１乃至７のいずれか１項に記載のレ
   ンチキュラーレンズを備える容器。
9. 【請求項９】レンチキュラーレンズレンズと該レンチキ
   ュラーレンズの裏面側に画像が施されたシートを保持す
   る保持部とを備える容器用のシートであって、 前記保持部に保持された状態で、複数のストライプ状の
   画像が、前記レンチキュラーレンズを構成する円柱状レ
   ンズと実質的に平行に且つ各円柱状レンズに複数本対向
   するように形成されている、ことを特徴とするレンチキ
   ュラーレンズを備える容器用シート。