JP3009929U - レンチキュラー印刷物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レンチキュラー印刷物に、文字等のドキュメ
ントを鮮明に表示することのできるレンチキュラー印刷
物を提供することを目的とする。 【構成】 レンチキュラースクリーンの所定の位置にレ
ンチキュラースクリーンの凹凸を取り除いた平坦な非レ
ンチキュラー部を形成し、２種類の画像を多数の平行線
に細分化し、この線状帯を交互に印刷する時に、平坦な
非レンチキュラー部に対応する印刷紙面に単一の画像と
して社名または宣伝文等のドキュメントを印刷するよう
にしたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、レンチキュラースクリーンを利用して形成した立体印刷または動 画印刷板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、平面の画像でありながら遠近感があり立体的に見える印刷物の技法とし て、あらかじめ左右の目それぞれの位置から見た２種類の画像を縦方向に多数の 線状帯に分けて交互に印刷し、その上に線状帯のピッチと方向に合わせたレンチ キュラースクリーンを貼り付け、レンチキュラースクリーンの各々のレンズの作 用により、２種類の画像を普通の視覚距離で結合させて見せ、両眼で見た時に近 い効果で立体感を出す方法が取られている。 また、動作の前後を表わす２種類の画像を縦または横に多数の線状帯に分けて 交互に印刷し、その上に線状帯のピッチと方向に合わせたレンチキュラースクリ ーンを貼り付け、正面から印刷面を線状帯の方向に対して直角方向に若干傾けて 見ることにより、２種類の画像を連続させて動画的に見せたり、あるいは２書類 の画像を別々に見せることが従来より知られている。 しかしながら、この種の印刷物は左右の目の視差により立体像としてとらえた り、視線の角度を変えることにより２種類の画像を分けて見るため、いずれの場 合でも視差や角度のずれにより画像が崩れ易く、絵はがき、ディスプレー、カタ ログ等に利用した時に、画像と一緒に印刷した社名や広告文が鮮明に表示するこ とができず、このため宣伝印刷物としては、なかなか利用範囲が拡大されなかっ た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の問題点に鑑み、本考案では、レンチキュラースクリーンを利用した 立体印刷や動画印刷または二重像印刷に文字等を鮮明に表示するレンチキュラー 印刷物を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決する手段】

上記目的を達成するため本考案では、レンチキュラースクリーンの一部に、レ ンチキュラースクリーンの凹凸縞の微細レンズを取り除いた非レンチキュラー部 を形成し、この非レンチキュラー部が覆う印刷面には単一種類の像を印刷するよ うにした。

【０００５】

【作用】

以上のように構成することにより、レンチキュラースクリーンに凹凸縞を取り 除いた非レンチキュラー部を形成して、この非レンチキュラー部に対応する印刷 面に通常の単一種類の像を印刷することにより、平坦部を通して鮮明な画像を表 示することができる。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。 図１は、本考案を実施したレンチキュラースクリーン利用の印刷物の斜視図、 図２は図１のＡ−Ａ矢視拡大断面図で、図１では異なった２種類又はそれ以上の 多種類の画像をそれぞれ同一のピッチ巾で上下方向に細分して、左右方向に伸び る多数の線状帯を形成し、それぞれの線状帯を交互に組み合わせてベース紙面１ に印刷し、その上に線状帯の方向とピッチに合わせて多数の凹凸縞の微細レンズ ２を形成したレンチキュラースクリーン３を貼付け、正面から見て上下方向に視 角を変えて見ることにより、２種類の画像を一枚の紙面に表示することができる 。また、同一の対象を左右の視差角に合せて撮影した２枚の画像を、それぞれ左 右方向に所定のピッチ巾で細分して上下方向に伸びる多数の線状帯を形成し、そ れぞれの線状帯を交互に組み合わせてベース紙面１に印刷し、その上に線状帯の ピッチに合わせて多数の凹凸縞の微細レンズ２を形成したレンチキュラースクリ ーン３を貼付けることにより、紙面正面から見て立体像を構成するように表示し ている。

【０００７】 レンチキュラースクリーン３は、透明な塩化ビニル樹脂またはアクリル樹脂の 薄板の表面に凹凸縞の微細な凸レンズを成形したもので、画像を分割する線状帯 の巾ピッチに合わせた間隔で凸レンズを正確に形成している。 画像印刷物に貼付ける場合には、レンチキュラースクリーン３の板厚が薄いほ ど取扱いやすいが製作は困難で、またレンチキュラースクリーン３の厚さに応じ て画像を分割する線状帯のピッチを変える必要があり、通常、厚さは１ｍｍ以下 、ピッチは０．５ｍｍ以下で最適な条件を選択する。

【０００８】 本考案では、あらかじめレンチキュラースクリーン３の所定の位置に、レンチ キュラースクリーン３の凹凸縞を取り除いた平坦な非レンチキュラー部４を形成 し、印刷する２種類の画像をそれぞれ線状帯に細分してそれぞれの線状帯を交互 に組み合わせて印刷する際に、平坦な非レンチキュラー部４に対応する印刷面の 所定位置に社名または広告文等のドキュメントを通常の単一画像で印刷し、平坦 な非レンチキュラー部４を形成したレンチキュラースクリーン３を貼り付けるこ とにより、平坦な非レンチキュラー部４を通して社名または広告文等のドキュメ ントを鮮明な画像として表示することができる。

【０００９】 図３は本考案の他の実施例で、図４はそのＢ−Ｂ矢視断面図で、大勢の人々が 集合して撮影した集合人物像の写真を縦方向に複数の線状帯に分割してベース紙 面１に写真印刷し、図４に示すように顔の部分のみを単一像で印刷し、この顔の 位置に対応するレンチキュラースクリーン３の所定位置に、顔の部分の大きさに 合わせて複数の半球状の凸レンズまたはフレネルレンズからなる非レンチキュラ ー部５を一体に形成した。 これにより、全体をレンチキュラースクリーン３により立体像として表示する とともに、集合人物像の中で単一像に印刷した顔部分だけを拡大表示することに より、各人の顔を明瞭に判別することができるようにしている。

【００１０】

【考案の効果】

以上のように、本考案ではレンチキュラー印刷物により２種類の画像や立体画 像を表示する時に、レンチキュラースクリーンの所定の位置にレンチキュラース クリーンの凹凸縞を取り除いた平坦な非レンチキュラー部を形成し、２種類又は それ以上の多種類の画像を複数の線状帯に分割して交互にベース紙面に印刷する 時に、平坦な非レンチキュラー部に対応する紙面に社名または広告文等のドキュ メントを単一の画像として印刷することにより、印刷されたドキュメントを鮮明 に表示することができる。 同様に、集合人物写真等で人々の顔の部分に対応してレンチキュラースクリー ンの所定の位置に凸レンズ状の非レンチキュラー部を形成することにより、顔の 部分を拡大しそれぞれ個人を容易に判別することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のレンチキュラー印刷物の斜視図であ
る。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視断面図である。

【図３】本考案の他の実施例を示す正面図である。

【図４】図３のＢ−Ｂ矢視断面図である。

【符号の説明】

１ ベース紙面 ２ 凹凸縞の微細レンズ ３ レンチキュラースクリーン ４ 非レンチキュラースクリーン ５ 非レンチキュラースクリーン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２種類の像を多数の平行な線状帯で印刷
   した印刷面にレンチキュラースクリーンを貼り合わせて
   印刷面の像を立体的ないし動画的に見せるレンチキュラ
   ー印刷物において、前記レンチキュラースクリーンの一
   部に、レンチキュラースクリーンの凹凸縞の微細レンズ
   を取り除いた非レンチキュラー部を形成し、この非レン
   チキュラー部が覆う印刷面には単一種類の像を印刷して
   なるレンチキュラー印刷物。