JPH10327827A - プロポリスエキス含有飲料及びその製造方法 - Google Patents

プロポリスエキス含有飲料及びその製造方法

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JPH10327827A
JPH10327827A JP9146777A JP14677797A JPH10327827A JP H10327827 A JPH10327827 A JP H10327827A JP 9146777 A JP9146777 A JP 9146777A JP 14677797 A JP14677797 A JP 14677797A JP H10327827 A JPH10327827 A JP H10327827A
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propolis extract
propolis
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water
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JP9146777A
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Yasuhiro Watanabe
泰宏 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水に対して分散性が良く、有効成分を効果的
に利用した経時的に安定なプロポリスエキス含有飲料及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 プロポリスエキス含有飲料は、水酸化ナ
トリウムのアルカリ水溶液でアルカリ性に保持して、水
に可溶化したプロポリスエキスに、無水クエン酸を添加
してなる飲料である。また、プロポリスエキス含有飲料
は、プロポリスエキスが、プロポリス原体をエタノール
で抽出した抽出液にキラヤサポニンと還元水飴を添加す
るものであることが好ましい。さらに、プロポリスエキ
ス含有飲料は、プロポリスエキスをアルカリ性に保持
し、可溶化するのに十分な量の水酸化ナトリウムに加え
て可溶化した後、無水クエン酸を添加し、pHを酸性に
して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば健康食品等
の食品や、医薬品に利用されるプロポリス飲料及びその
製造方法に係り、詳しくは水分散性の優れたプロポリス
エキス含有飲料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロポリスは蜜蜂の巣から採取される樹
脂状物質であって、フラボノイド類、P-クマル酸や桂皮
酸等の有機酸やそのエステル、各種のミネラル、ビタミ
ン類等が含まれていて抗菌作用、抗酸化作用、制癌作用
や老化防止作用のあることが知られている。一般的にプ
ロポリスの主成分は疎水性物質であり、水にほとんど溶
解しないので、通常、エタノールなどの有機溶媒により
抽出して得られるプロポリスエキスとして用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このエタノ
ールによるプロポリスエキスは前述のように、大部分の
成分が疎水性物質であることから、プロポリスエキスを
清涼飲料水、医薬ドリンク等の飲料に利用する場合、経
時的に多量の沈澱物が発生する。このようなプロポリス
エキス中の水に不溶性の成分には、有効成分が多く含ま
れているため、これを充分な形で利用しないと、品質低
下を来す。特に、プロポリスエキス含有飲料において、
経時的に有効成分の沈澱物が生成すると、飲料容器の底
に残留して、充分にプロポリスエキスの有効成分を摂取
することができず、また商品イメージも著しく損なわれ
る。
【0004】このような欠点を改良するために、プロポ
リスエキスと共にキサンタンガムや、乳化剤を併用し
て、水に対して分散性の良いプロポリスエキス含有飲料
を提供する方法が提案されている(特開平7ー7553
4号公報)。
【0005】しかし、この方法では、プロポリスエキス
自体を加工しているのではなく、乳化安定作用を有する
キサンタンガムを添加しているにすぎないので、充分な
沈澱抑制の効果を得ることができず、長期保存時に、許
容しがたい沈澱物が目視により観察される。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、水に対して分散性が良
く、有効成分を効果的に利用した経時的に安定なプロポ
リスエキス含有飲料及びその製造方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明のプロポリスエキス含有飲
料では、アルカリ水溶液でアルカリ性に保持し、水に可
溶化したプロポリスエキスの溶液に酸味料を添加してな
ることを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の発明のプロポリスエキス
含有飲料では、請求項1に記載の発明において、前記プ
ロポリスエキスが、プロポリス原体をエタノールで抽出
した抽出液にサポニンと糖アルコールを添加したもので
あることを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明のプロポリスエキス
含有飲料の製造方法では、プロポリスエキスをアルカリ
によりアルカリ性にして、水に可溶化した後、酸味料を
添加し、pHを酸性にすることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態について詳細に説明する。プロポリスエキス含有飲料
は、プロポリスエキスをアルカリによりアルカリ性に
し、水に可溶化したプロポリスエキスの溶液に酸味料を
添加したものである。ここでいうプロポリスエキスは、
プロポリス原体をエタノール等の溶媒を用い、抽出収
率、作業効率、抽出溶媒への有効成分の移行具合等を検
討した条件下で、溶媒抽出を行い、製造されるエキスで
ある。
【0011】この場合、一般的に使用される抽出溶媒
は、プロポリス原体中の成分の多くが水に不溶性である
こと、又プロポリスエキスが健康食品や医薬品に利用さ
れることなどから、エタノールが選択される。また、実
施形態における主な目的が、飲料化における水に不溶性
のプロポリス成分の有効利用と商品性の向上ということ
もあり、以下、プロポリスエキスと言えば、プロポリス
のエタノール抽出物である。
【0012】プロポリスエキス含有飲料の原料に用いる
プロポリスエキス溶液の固形分濃度は、粘性の関係から
70重量%以下が好ましく、健康食品として用いられる
プロポリスチンキ(プロポリスエキスのエタノール溶
液)を用いるときは通常10〜20重量%が好ましい。
【0013】このようなプロポリスエキス中には、水に
不溶性の疎水性化合物が含まれるので、プロポリスエキ
スを何等の処理もせずに、飲料に添加する場合には、経
時的に多量の沈澱物の生成が認められる。プロポリスエ
キスの水に対する難溶解性を改善する方法の一つとし
て、プロポリスエキスに、優れた界面活性作用を有する
サポニンを加え、水分散性を向上させ、さらに、糖アル
コールを加えることにより、安定な水分散液を調製する
ことができる。得られるプロポリスエキスの乳液は、長
期保存下でも沈澱物の生成が見られずに安定に分散し、
プロポリスドリンク用原料として用いることができる。
【0014】このプロポリスドリンク用原料は、製造時
ごとに用時調製する必要性もないので、例えば、既に調
製済みのアピ社製のプロポリスドリンク用原料、商品名
プロポリスエキスAー02をそのまま使用することがで
きる。プロポリスエキスAー02は、サポニンとしてキ
ラヤサポニン、例えばキラヤニンSー100(丸善化成
株式会社製、キラヤ抽出物25%含有)、糖アルコール
として還元水飴、例えばエスイー30(日研化学株式会
社製)を使用しており、安定な水分散性を有する乳液で
ある。
【0015】プロポリスエキスAー02は、乳液自体は
長期保存下で安定に分散しているが、例えば、これを飲
料としてドリンク一本当たりプロポリスとして100mg
も配合すると、長期保存下で若干の沈澱物の生成が確認
される。当然、サポニンや糖アルコール無添加の他のプ
ロポリスエキスを原料とするプロポリスエキス含有飲料
にあっては、プロポリスエキスAー02を使用するとき
以上に多量の沈澱物が生成される。
【0016】この沈澱物は、脂質、タンパク質、フラボ
ノイド類、その他の疎水性化合物より成り、アルカリ水
溶液で溶解される。従って、アルカリ水溶液にプロポリ
スエキスのエタノール溶液を添加するか、又はプロポリ
スエキスのエタノール溶液にアルカリ水溶液を添加する
と、濁りもなく緑色澄明に溶解させることができる。こ
の場合、アルカリ水溶液の方が当然プロポリスエキスよ
りも、最終的に大過剰量になるので問題はないが、順番
として、アルカリ水溶液にプロポリスエキスのエタノー
ル溶液を添加するのが好ましい。
【0017】アルカリは上記のように水溶液として用い
るのが好ましく、そのアルカリ水溶液としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等
のアルカリの水溶液が挙げられる。アルカリ水溶液を調
製するための水としては、飲用水が用いられる。アルカ
リ水溶液のpHは、添加されるプロポリスエキス量によ
って影響を受け、変化するので、適宜調整されることが
好ましい。
【0018】プロポリスエキスをアルカリ水溶液に加え
た直後の水溶液のpHは10以上に設定されるのが好ま
しい。pHが10以上に設定されていると、プロポリス
エキスは飲料化の後にも沈澱物が生成されることなく、
経時的に安定に水中に分散される。プロポリスエキスが
アルカリ水溶液中において十分に可溶化され、さらに希
釈されていると、その後の飲料化において液性が酸性化
しても、析出する粒子サイズを小さくして安定に分散す
るものと推定される。
【0019】一般的に飲料は、味覚上の良さと微生物対
策上の問題から、一部の中性飲料を除いて大部分が酸味
料を使用してpHを低く調整している。従って、当該プ
ロポリスエキスのアルカリ水溶液は、飲料化に際し、酸
味料を添加してpHを低く酸性に調整する必要がある。
【0020】この場合の酸味料は、飲料用として常用さ
れるクエン酸、DL−リンゴ酸、L−酒石酸、乳酸、リ
ン酸、L−アスコルビン酸、グルコン酸液等の有機酸を
使用する。pH値は4. 0を越えると細菌類の増殖がみ
られ、またpH2. 3よりも低いと味覚に悪い影響を及
ぼすので、通常pH2. 3〜4. 0の範囲内に設定され
るのが好ましい。
【0021】例えば、酸味料として常用されるクエン酸
を使用し、当該プロポリスエキスのアルカリ水溶液のp
Hは3. 5に調整される。さらに、そこへショ糖等の糖
類その他の添加剤を加えて十分に撹拌混合し、ろ過後、
75℃で30分加熱殺菌処理を施す。このようにして調
製されたプロポリスエキス含有飲料は、例えば、ガラス
ビン、缶容器等の容器に充填後、5℃の低温室に保管し
て、沈澱物の発生状況を経時的に観察し、味覚の官能評
価試験を行う。
【0022】なお、この際のプロポリスエキスのエタノ
ール溶液量は、プロポリスエキス含有飲料中にプロポリ
スエキスとして、一本あたり最低50mg以上は含有する
ように添加されるのが好ましい。(財)日本健康・栄養
食品協会の規格基準によると、「プロポリス加工食
品」、「プロポリス含有食品」にあってはプロポリスエ
キスとして150〜800mgを、又「プロポリスエキス
加工食品」、「プロポリスエキス含有食品」にあっては
プロポリスエキスとして100〜500mgを1日当たり
の摂取量の目安、と推奨している。
【0023】従って、プロポリスの有効成分を充分に得
るためには、通常、100ml、50ml内容量のプロポリ
スエキス含有飲料において、1日1本または2本摂取す
ると仮定して、少なくともプロポリスエキスとしてドリ
ンク一本あたり50mg含有する物が好ましい。ところ
が、市販のプロポリスエキス含有飲料は、プロポリスエ
キスとして一本あたり50mg以上が含まれているものは
ほとんどない。従って、実施においては、(財)日本健
康・栄養食品協会の規格に見合うプロポリスエキスとし
て一本あたり50mg以上を含有するプロポリスエキス含
有飲料を提供できるようにする。
【0024】しかし、プロポリスエキスとしてドリンク
1本あたり100mg以上を添加する場合には、プロポ
リス特有の辛味や刺激味が無視できなくなってくる。こ
ういった場合の呈味の改善には、乳化香料を使用するこ
とが好ましく、辛味や刺激味の緩和を図ることができ
る。乳化香料は、一般的にクラウディーと呼ばれ、油溶
性香料を乳化剤及び安定剤を用いて乳化した香料であ
る。従って、クラウディーは、乳化安定作用も有するの
で、当該飲料の製造時にクラウディーを併用すると、よ
りプロポリスエキスの含有量を高めることが可能で、さ
らに顕著な沈澱物抑制効果が得られる。
【0025】その他に、プロポリスエキス含有飲料に
は、例えば、飲料一般に使用される生薬類、ハーブエキ
ス、植物繊維、ビタミン類、ミネラル類、香料、甘味
料、着色料、保存剤等を必要に応じて適宜組み合わせて
添加することができる。
【0026】以上のように、この実施形態によれば、次
のような効果が発揮される。・ 実施形態のプロポリス
エキス含有飲料においては、アルカリ性を保持したアル
カリ水溶液の中に、プロポリスエキスを加えて可溶化さ
せ、そこに酸味料を添加することから、脂質、タンパク
質、フラボノイド等の疎水性化合物が溶解され、かつ希
釈された状態から酸性側に移行される。
【0027】従って、プロポリスエキス含有飲料は、水
に対して分散性が良く、長期保存下でも沈澱物の生成を
抑制でき、経時的な安定性を向上させることができる。
具体的には、プロポリスエキス含有飲料一本あたり10
〜30mgの場合は勿論のこと、50mg、さらには100
mg以上であっても、沈澱物の生成を効果的に抑制させる
ことができる。 ・ 実施形態のプロポリスエキス含有飲料においては、
プロポリスエキスが、プロポリス原体をエタノールで抽
出した抽出液にサポニンと糖アルコールを添加したもの
であるため、これら成分の界面活性作用及び安定作用に
基づき、沈澱物抑制の作用が有効に発揮されるととも
に、有効成分を充分に摂取することができる。 ・ 実施形態のプロポリスエキス含有飲料の製造方法に
おいては、プロポリスエキスを、アルカリ性が保持さ
れ、可溶化するのに十分な量のアルカリ水溶液に加える
ことにより、プロポリスエキスを水に可溶化した後、酸
味料を添加し、pHを酸性にすることにより、所望のプ
ロポリスエキス含有飲料を効率良く得ることができる。 ・ 実施形態のプロポリスエキス含有飲料において、プ
ロポリスエキスの高い含有量(例えばプロポリスとして
100mgを含有する)のプロポリスエキス含有飲料の
製造にあたっては、クラウディーを併用することによっ
て、刺激味がなくなり呈味が改善され、さらに一層顕著
な沈澱物抑制効果を得ることができる。
【0028】
【実施例】
(実施例1)10重量%水酸化ナトリウム1. 5mlに
精製水を加えて700mlとした。このアルカリ水溶液
にブラジル産プロポリスエキス溶液(固形分濃度20重
量%・エタノール80重量%)5. 0mlを添加し、充
分に撹拌混合して可溶化した。撹拌を続けながら無水ク
エン酸3. 3gを少しずつ添加し、更に砂糖150g、
精製水を加え全量を1000mlとした。この水溶液の
pHは3. 5であった。このように調製した水溶液をN
o. 5C濾紙(アドバンテック東洋株式会社製)にてろ
過した後、75℃、30分間滅菌を行い、50ml内容
量のガラスビンに充填し、保存サンプルとした。
【0029】5℃で2週間保存した後、沈澱物の有無を
目視により判定したところ、沈澱物の生成は、若干確認
されたが許容範囲内であった。なお、このプロポリスエ
キス含有飲料は、pHを3. 5に調整しており、無水ク
エン酸添加前の溶液のpHは10. 0であった。以後の
実施例におけるプロポリスエキス含有飲料のpHは、無
水クエン酸で調整しながら、全てpH3. 5に調整し
た。 (実施例2)ブラジル産プロポリスエキス溶液とキラヤ
ニンSー100(丸善化成株式会社製)の混合液(プロ
ポリス固形分濃度20重量%・キラヤニンSー100は
10重量%含有)100gを還元水飴エスイー30(日
研化学株式会社製)900gに撹拌しながら添加した。
高速で撹拌を10分間続け、乳液タイプのプロポリス組
成物1. 0kgを得た。
【0030】このプロポリス組成物の乳液は、商品名プ
ロポリスエキスA−02(アピ社製)と呼称され、以後
の製造で使用した。このプロポリスエキスA−02の5
0gを、10重量%水酸化ナトリウム2.0mlに精製
水を加えて700mlとしたアルカリ水溶液中に、撹拌
をしながら少しずつ添加して可溶化した。そこに無水ク
エン酸3. 3g及び砂糖150gを添加し、十分に撹拌
混合し、更に精製水を加え全量を1000mlとした。
このように調製した水溶液をNo. 5C濾紙にてろ過し
た後、75℃、30分間滅菌を行い、50ml内容量の
ガラスビンに充填し、保存サンプルとした。
【0031】5℃で2週間保存後のサンプルは、沈澱物
の生成がほとんど確認されず、水に対して安定に分散し
ていた。 (実施例3)10重量%水酸化ナトリウム2. 0mlに
精製水を加えて700mlとした。このアルカリ水溶液
にプロポリスエキスA−02の100gを撹拌しながら
少しずつ添加して可溶化した。そこに無水クエン酸3.
3g及び砂糖150gを添加し、十分に撹拌混合した。
No. 5C濾紙にてろ過した後、クラウディーベースW
6909(高砂香料社製)800mgを添加し、十分に
撹拌混合し、更に精製水を加え全量を1000mlとし
た。このように調製した水溶液を75℃、30分間滅菌
を行い、50ml内容量のガラスビンに充填し、保存サ
ンプルとした。
【0032】実施例3は、実施例1、2と比較しておよ
そ2倍量のプロポリスエキスを含有しているが、それに
も関わらず5℃で2週間保存後のサンプルは、沈澱物の
生成がほとんど確認されなかった。味覚に関しても、乳
化香料を添加したことにより、プロポリス特有の飲料化
に不適な刺激味や辛味が感じられず、丸味のある美味な
味に改善することができた。 (実施例4)10重量%水酸化ナトリウム2. 0mlに
精製水を加えて600mlとした。このアルカリ水溶液
にプロポリスエキスA−02の100gを撹拌しながら
少しずつ添加して可溶化した。そこに人参エキス1. 0
g、カフェイン450mg、ビタミンB2 20mg、ビ
タミンB6 40mg、ビタミンC2. 0g、安息香酸ナ
トリウム600mg、精製蜂蜜150g、果糖ぶどう糖
液糖120g、無水クエン酸3. 4gを加え、十分に撹
拌混合した。
【0033】次いで、No. 5C濾紙にてろ過した後、
クラウディーベースW6909(高砂香料社製)800
mgを添加し、十分に撹拌混合し、更に精製水を加え全
量を1000mlとした。このように調製した水溶液を
75℃、30分間滅菌を行い、50ml内容量のガラス
ビンに充填し、保存サンプルとした。
【0034】実施例4は、処方上、実施例3と同様にプ
ロポリスエキスA−02を使用し、乳化香料を添加した
ものであるが、さらに各種の添加剤を加え、より具体
的、実際的なプロポリスエキス含有飲料として製造し
た。5℃で2週間保存後の結果は、処方例3と同様に、
沈澱物の生成をほとんど確認せず、水に対して安定に分
散しており、味も丸味のある美味であった。 (比較例1)ブラジル産プロポリスエキス溶液(固形分
濃度20重量%・エタノール80重量%)5mlを精製
水700mlに添加して、できる限り溶解した後、そこ
に無水クエン酸500mg及び砂糖150gを添加し、
十分に撹拌混合し、更に精製水を加え全量を1000m
lとした。このように調製した水溶液をNo. 5C濾紙
にてろ過した後、75℃、30分間滅菌を行い、50m
l内容量のガラスビンに充填し、保存サンプルとした。
【0035】このプロポリスエキス含有飲料は、プロポ
リスエキスを均一に水中に溶解させることが難しく、ま
た、5℃で2週間保存後に多量の沈澱物の生成が確認さ
れた。 (比較例2)精製水700mlにプロポリスエキスA−
02の50gを撹拌しながら少しづつ添加した。そこに
無水クエン酸500mg及び砂糖150gを添加し、十
分に撹拌混合し、更に精製水を加え全量を1000ml
とした。このように調製した水溶液をNo. 5C濾紙に
てろ過した後、75℃、30分間滅菌を行い、50ml
内容量のガラスビンに充填し、保存サンプルとした。
【0036】プロポリスエキスA−02の水に対する溶
解性は良好であったが、5℃で2週間保存後のサンプル
は、許容しがたい沈澱物の生成が確認された。 (実施例5〜8及び対照例1)精製水に10重量%水酸
化ナトリウムを添加して所定のpHに調整したアルカリ
水溶液70mlに、プロポリスエキスA−02の8. 0
gを撹拌をしながら少しずつ添加して可溶化した。そこ
に砂糖15gを添加し、十分に撹拌混合し、更に無水ク
エン酸でpHを3. 5となるように調整した。これに精
製水を加え、全量を100mlとした。このように調製
した水溶液をNo. 5C濾紙にてろ過した後、ろ液を5
℃で保存した。2週間経過後のプロポリスエキス含有飲
料のpHの違いによる沈澱物の有無を目視により判定し
た結果を表1に示す。
【0037】なお、表1において、−〜+++は沈澱物
生成の程度を表し、+++は最も沈澱物量が多いことを
示し、−は沈澱物の生成を観察しなかったことを示す。
また、pH7. 0のサンプルは、水酸化ナトリウム無添
加でアルカリ未調整の精製水のことである。
【0038】
【表1】 表1に示したように、pH9. 0に調整した実施例8の
サンプルは、保存中に若干の沈澱物の生成が確認される
が、アルカリ未調整の対照例1のサンプルに比べるとそ
の量は少なく、許容範囲内であった。さらに、プロポリ
スエキスA−02添加前にアルカリ水溶液のpHを1
0. 5、11及び13に調整することにより(実施例
7、実施例6及び実施例5)、沈澱物の生成は有意に抑
制でき安定に水中に分散させることができた。
【0039】なお、この場合、プロポリスエキスA−0
2を添加するとアルカリ水溶液のpHは10になり、プ
ロポリスエキスA−02添加後pH10以上に調整する
ことにより、沈澱物の生成が抑制できることを確認し
た。その他のプロポリスエキスに関しても、プロポリス
エキスA−02程に効果的ではないが、沈澱物の生成は
有意に抑制された。
【0040】次に、前記各実施形態から把握される技術
的思想について以下に記載する。・ 請求項1又は請求
項2に記載のプロポリスエキス含有飲料において、さら
に乳化香料を添加したプロポリスエキス含有飲料。
【0041】このように乳化香料を添加した場合、プロ
ポリス特有の辛味や刺激味が緩和され、呈味の改善を図
ることができる。また、乳化香料の乳化安定作用によ
り、プロポリスエキスの水分散性がより顕著に向上し、
プロポリスエキスの含有量を高めることができる。・
請求項2に記載のプロポリスエキス含有飲料において、
サポニンがキラヤサポニンであり、且つ糖アルコールが
還元水飴であるプロポリスエキス含有飲料。
【0042】このような構成成分のプロポリスエキス乳
液を使用した場合、プロポリスエキスの水分散性がさら
に向上し、また、経時的にもより安定であり、沈澱物の
生成を有意に抑制することができる。・ 請求項3に記
載のプロポリスエキス含有飲料の製造方法において、ア
ルカリ水溶液にプロポリスエキスを加えた後の水溶液の
pHが10以上であるプロポリスエキス含有飲料の製造
方法。
【0043】このようにプロポリスエキス添加後の水溶
液のpHを10以上に設定することにより、沈澱物の抑
制効果がより顕著に現れる。・ 請求項3に記載のプロ
ポリスエキス含有飲料の製造方法において、酸味料を添
加した後の水溶液のpHが2. 3〜4. 0であるプロポ
リスエキス含有飲料の製造方法。
【0044】このようにプロポリスエキス含有飲料のp
Hを2. 3〜4. 0に設定することにより、細菌類の増
殖を抑制することができ、味覚に対する影響も少ない。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
次のような効果を奏する。請求項1に記載のプロポリス
エキス含有飲料によれば、水に対して分散性が良く、経
時的な沈澱物の生成が抑制されるので、プロポリスの有
効成分を効果的に利用でき、経時的に安定なプロポリス
エキス含有飲料が得られる。
【0046】請求項2に記載のプロポリスエキス含有飲
料によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、サポ
ニン及び糖アルコールによりプロポリスエキスの水分散
性及び安定性をより向上させることができる。
【0047】請求項3に記載のプロポリスエキス含有飲
料の製造方法によれば、プロポリスエキスをアルカリ性
に保持し、可溶化に十分な量のアルカリ水溶液に加える
ことにより、酸味料を添加して酸性飲料とした後におい
ても、沈澱物の生成を効果的に抑制することができる。
しかも、経時的に安定なプロポリスエキス含有飲料を効
率良く製造することができる。
【0048】従って、この発明のプロポリスエキス含有
飲料は、使用される素材が抗菌作用や抗酸化作用など機
能性のある素材であることから、特に健康食品等の食品
や医薬品に有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ水溶液でアルカリ性に保持し
    て、水に可溶化したプロポリスエキスの水溶液に、酸味
    料を添加してなるプロポリスエキス含有飲料。
  2. 【請求項2】 前記プロポリスエキスが、プロポリス原
    体をエタノールで抽出した抽出液にサポニンと糖アルコ
    ールを添加したものである請求項1に記載のプロポリス
    エキス含有飲料。
  3. 【請求項3】 プロポリスエキスをアルカリによりアル
    カリ性にして、水に可溶化した後、酸味料を添加し、p
    Hを酸性にするプロポリスエキス含有飲料の製造方法。
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