JPH10326717A - エンジン用点火コイル装置及びその製造方法 - Google Patents

エンジン用点火コイル装置及びその製造方法

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JPH10326717A
JPH10326717A JP9134069A JP13406997A JPH10326717A JP H10326717 A JPH10326717 A JP H10326717A JP 9134069 A JP9134069 A JP 9134069A JP 13406997 A JP13406997 A JP 13406997A JP H10326717 A JPH10326717 A JP H10326717A
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coil
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淳一 嶋田
Yoichi Yasukura
洋一 安蔵
Eiichiro Kondo
英一郎 近藤
Takahide Onari
隆秀 小斉
Toshiaki Ueda
俊明 植田
Noboru Sugiura
登 杉浦
Kazutoshi Kobayashi
和俊 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】独立点火型のエンジン用点火コイル装置におい
て、今までの巻線工程,一次・二次コイル組み工程より
も製造プロセスの合理化を図り、生産性を向上させる。 【解決手段】点火コイル装置は、コイルケース6にセン
ターコア1,二次ボビン2、二次コイル3、一次ボビン
4、一次コイル5等を内装し、個々の点火プラグに直結
して使用される。二次ボビン2,二次コイル3が一次ボ
ビン4の内側に配置され、これらの両ボビン2,4には
ボビン同士の相対的な回り止めが設けてある。二次ボビ
ン2のヘッド2Aが一次ボビン4の上端よりも頭出しさ
れ、ヘッド2Aには、一次コイル一端と二次コイル一端
を電源に接続するための一次・二次コイル兼用のコイル
端子18と、一次コイル他端を点火制御の駆動素子に接
続するための一次コイル端子19とが設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの各点火
プラグホール内に装着されて個々の点火プラグに直結し
て使用される独立点火型のエンジン用点火コイル装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、上記した独立点火型のエンジン用
点火コイル装置が開発され、実用化されている。この種
の独立点火型のエンジン用点火コイル装置は、点火コイ
ルと点火プラグが直結されるため、ディストリビュータ
を不要とし、その結果、ディストリビュータ,その高圧
コード等で点火コイルへの供給エネルギーが降下するよ
うなことがなく、しかも、点火エネルギーの降下といっ
た配慮をすることなく点火コイルを設計できるために、
コイル容積を小さくし、点火コイルの小形化を図れると
共に、ディストリビュータの廃止によりエンジンルーム
内の部品装着スペースの合理化を図れるものとして評価
されている。
【0003】独立点火型の点火コイル装置は、ペンシル
形を呈するためにペンシルコイルと通称され、細長円筒
形のコイルケースの内部にセンターコア(磁路鉄心で珪
素鋼板を多数積層したもの),一次コイル,二次コイル
を内装しており、一次,二次コイルはそれぞれのボビン
に巻かれ、センターコアの周囲に同心円をなして配置さ
れている。このような一次,二次コイルを収容するコイ
ルケース内には、絶縁用樹脂を注入硬化させたり絶縁油
を封入することでコイルの絶縁性を保証している。
【0004】いわゆるペンシルコイルにおいて、一次,
二次コイルを同心円状に配置した場合の形態としては、
一次コイルを内側,二次コイルを外側に配置するものと
(例えば、特開平8−255719号公報、特開平9−
7860号公報,特開平9−17662号公報に記載の
もの)、二次コイルを内側,一次コイルを外側に配置し
たもの(例えば、特開平8−93616号公報、特開平
8−97057号公報、特開平8−144916号公
報、特開平8−203757号公報等に記載のもの)が
ある。
【0005】従来のペンシルコイルでは、その製造過程
として、一次ボビンへ一次コイルを巻く工程と、二次ボ
ビンへ二次コイルを巻く工程とを別々に行い、これらの
巻線工程後に一次コイルと二次コイルを組んでいる。
【0006】従来のペンシルコイルの製造例を図6
(a)及び(c)により説明する。
【0007】図6(a)は、この種点火コイル装置の回
路概要図、図6(c)は、従来のペンシルコイルの巻線
工程と一次・二次コイル組み工程の概略説明図であり、
図6(c)では、一次コイルを内側に、二次コイルを外
側に配置するタイプの点火コイルの製造例を示してい
る。
【0008】図6(a)において、1はセンターコア、
5は一次コイル、3は二次コイルで、これらの要素によ
り点火コイルのトランスが構成される。22は点火プラ
グ、39は一次電流の通電制御を行うパワートランジス
タ(点火制御用駆動素子)、71は点火コイルで発生す
るノイズを防止するためのノイズ防止用コンデンサ、
は一次コイル一端5aを電源側に接続するための端子
(一次コイル端子)、は一次コイル他端5bをパワー
トランジスタ39のコレクタ側に接続するための端子
(一次コイル端子)、は二次コイル一端(低圧側)3
aを電源側に接続するための端子(二次コイル端子)、
は二次コイル他端(高圧側)3bを点火プラグ22へ
接続するための端子である。
【0009】図6(c)に示すように、一次ボビン4へ
の一次コイル5の巻線工程と、二次ボビン2への二次コ
イル3の巻線工程とを別々に行い、一次コイル5の巻線
工程では、そのコイル一端5aを一次ボビン4に設けた
一次コイル端子(端子金具)に接続し、コイル他端5
bを一次コイル端子(端子金具)に接続し、一方、二
次コイル3の巻線工程では、そのコイル一端3aを二次
ボビン2に設けた低圧側二次コイル端子(端子金具)
に接続し、コイル他端3bを高圧側二次コイル端子(端
子金具)に接続する。これらの端子へのコイル接続
は、一般にコイル端を端子にからげた(巻き付けた)後
に半田付けすることで行われている。
【0010】上記巻線完了後に一次コイル5(一次ボビ
ン4を含む)を二次ボビン2に内挿し、次いで電源入力
側に接続される一次コイル端子と二次コイル端子を
渡り線Mを介して電気的に接続していた。
【0011】上記のように一次,二次コイルの組み工程
は、一次巻線工程,二次巻線工程を別々に行った後に行
われるが、その理由は、一次ボビン,二次ボビンを重ね
た(ボビン同士の嵌合)状態でコイルの巻線工程を行う
ことは、次の理由により無理と考えられていたためであ
る。
【0012】すなわち、仮に一次ボビンに一次コイルを
巻いた後に、この一次コイルの外側に二次ボビンを両ボ
ビン同士の相対的回り止めを図りつつ嵌合して、二次ボ
ビンに二次コイルを巻くことを想定した場合(換言すれ
ば一次,二次ボビンを重ねて巻線工程を行うことを想定
した場合)、精密な巻線作業が要求される二次コイルが
外側となり、巻線精度が著しく低下する問題がある。こ
れは、一次ボビンを内挿した状態で二次ボビンを巻線の
ために回転させると、外側の二次ボビンにブレ,ズレが
生じるためである。実際、二次巻線を行う場合は、二次
ボビンを巻線機のシャフトに圧入する程にきちっと固定
しないと正確にコイルを巻きつけないので、内側に一次
ボビンがあると現実的に巻くことが不可能(巻線のほず
れ、乱れが生じるため)となる。
【0013】なお、図6(c)とは逆に、二次コイルを
内側に、一次コイルを外側に配置するタイプの点火コイ
ルであっても、従来は図25に示すように図6(c)と
ほゞ同様の一次巻線工程、二次巻線工程、コイル組み工
程を踏襲していた。図22において、図6と同一符号は
同一要素を示す。
【0014】その他、先に挙げた特開平8−93616
号公報、特開平8−97057号公報、特開平8−14
4916号公報、特開平8−203757号公報等に記
載の独立点火型コイル装置も、一次巻線工程,二次巻線
工程を別々に行った後に二次コイル(二次ボビンを含
む)を一次コイル(一次ボビンを含む)の内側に挿入す
るものであるが、この公知例では、一次ボビンの上部に
設けた蓋部に上記図6(a)の端子に相当する端
子金具を設けている。この場合、二次コイルの一端(低
圧側一端)は二次コイルの巻線工程で二次ボビンに一旦
仮止めされ、この二次ボビンを一次ボビンに内挿した後
にその二次コイル一端が引出されて一次ボビン側に設け
た端子に接続され、この端子と端子とが渡り線M
或いはそれに類した接続部材を介して接続される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、いわ
ゆるペンシルコイル(独立点火型のエンジン用点火コイ
ル装置)において、今までの巻線工程,一次・二次コイ
ル組み工程よりも製造プロセスの合理化を図り、生産性
を向上させることのできるエンジン用点火コイル装置及
びその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、コイルケ
ースにセンターコア,一次ボビンに巻かれた一次コイ
ル,二次ボビンに巻かれた二次コイルを内装した点火コ
イル装置で、エンジンの各点火プラグホール内に装着さ
れて個々の点火プラグに直結して使用される独立点火型
のエンジン用点火コイル装置において、前記二次コイル
を巻いた二次ボビンが前記一次ボビンの内側に配置さ
れ、この二次ボビン側に一次コイル一端と二次コイル一
端を電源に接続するための一次・二次コイル兼用のコイ
ル端子と、一次コイル他端を点火制御の駆動素子に接続
するための一次コイル端子とが設けられていることを特
徴とする。
【0017】本発明は、精密巻きが要求される二次コイ
ルについては予め巻線して、この二次コイルが巻かれた
二次ボビンの外側に一次ボビンをボビン同士の回り止め
を保証しつつ嵌め込んで(換言すれば二次ボビンを一次
ボビンに内挿した状態=ボビン重ね状態で)、二次ボビ
ンと一緒に一次ボビンを回転させて、一次ボビンに一次
コイルを巻けば、一次コイルは二次コイルほどの精密巻
きが要求されずしかも巻線が容易なので、支障のないこ
とに着目してなされたものである。
【0018】そして、上記のような一連の工程(二次コ
イルの巻線工程,一次ボビンへの二次ボビン内挿工程,
一次ボビン・二次ボビン重ね状態での一次コイルの巻線
工程)を実現させるための点火コイルの構造として、先
ずは、二次コイルが内側,一次コイルが外側となる配置
構造とした。
【0019】さらに、二次ボビン側に一次コイル一端と
二次コイル一端を引き出して電源に接続するための一次
・二次コイル兼用のコイル端子〔図6(a)の端子
を兼用させたもの〕と、一次コイル他端を点火制御の駆
動素子に接続するための一次コイル端子〔図6(a)の
端子に相当する〕とを設けた。
【0020】このような端子配置構造によれば、図6
(b)に示すように二次ボビン2側の一次・二次コイル
兼用端子に先ず二次巻線工程で二次コイル3の一端
3aを接続し、その後、二次ボビン(二次コイルを含
む)2を一次ボビン4に内挿した状態で一次巻線を行う
ことで、その一次コイル5の一端5aを二次ボビン2側
に設けた前記一次・二次コイル兼用端子に接続する
ことができ、このような一次・二次コイル兼用端子
の存在により、従来のように一次端子と二次端子を
渡り線M〔図6(c)参照〕を介して接続する必要性が
なくなり渡り線Mの接続工程を省略できる。
【0021】第2の発明は、コイルケースにセンターコ
ア,一次ボビンに巻かれた一次コイル,二次ボビンに巻
かれた二次コイルを内装した点火コイル装置で、エンジ
ンの各点火プラグホール内に装着されて個々の点火プラ
グに直結して使用される独立点火型のエンジン用点火コ
イル装置において、前記二次コイルを巻いた二次ボビン
が前記一次ボビンの内側に配置され、これらの両ボビン
にはボビン同士の相対的な回り止めが設けてあり、前記
二次ボビンのヘッドが前記一次ボビン上端よりも頭出し
され、この二次ボビンヘッドには、二次ボビンを巻線機
の回転シャフトにセットした時に回転シャフト側に設け
たボビン回り止めに係合する係合部が設けられているこ
とを特徴とする。
【0022】上記構成によれば、(イ)一次,二次コイ
ルの巻線機を共用にしたり、(ロ)一次,二次コイルの
巻線機を別々でその回転シャフトだけを共用にしたり、
回転シャフトを共通の型式にして一次コイル,二次コイ
ルの巻線作業を可能にし、特に、一次コイルは、二次コ
イルを巻いた二次ボビンの外側に一次ボビンを嵌め込ん
だ状態で実行することが可能になる。
【0023】すなわち、上記のようなボビン配置及び二
次ボビンヘッド構造によれば、次のような点火コイル装
置の製造ラインを構築することが可能になる。
【0024】(イ)の場合には、まず二次ボビンを一次
・二次共用巻線機の回転シャフトに挿入すると、二次ボ
ビンヘッドに設けた係合部が回転シャフト側に設けたボ
ビン回り止めに係合するので、二次ボビンが回転シャフ
トと共に回転可能になり二次コイルの巻線作業が可能に
なる。また、この二次ボビンを巻線機に取り付けたま
ま、この二次ボビンの外側に一次ボビンを嵌合し(すき
ま嵌め)且つ両ボビン同士の相対的な回り止めがなされ
る構造なので、これと、上記二次ボビンヘッドの回転シ
ャフトに対する回り止め係合との協働により、二次ボビ
ンと共に一次ボビンを回転させることができ、共用巻線
機により一次コイルの巻線作業が可能になる。
【0025】また(ロ)のように1次巻線機,2次巻線
機が別々のものでも、その回転シャフトが着脱自在で共
用のもの或いは共通のシャフト型式のものに対しては、
1次巻線機,2次巻線機を問わず二次ボビンをそのボビ
ンヘッドを介して巻線機の回転シャフトに回り止めの状
態で係合でき、さらに二次ボビンヘッドの外側に一次ボ
ビンヘッドをボビン同士の回り止めを図りつつ嵌合でき
るので、最初に二次巻線機側で一次二次共用或いは共通
型式の回転シャフトに二次ボビンをセットして二次コイ
ルを巻いた後、この二次ボビンを一次巻線機に移行させ
て、一次巻線機側で一次二次共用或いは共通型式の回転
シャフトに前記二次ボビンをセットした状態でその外側
に一次ボビンを嵌合することにより、二次ボビンと共に
一次ボビンを回転させて、一次ボビンへの一次コイルの
巻線作業が可能になる。
【0026】また、一次ボビンに内挿された二次ボビン
のヘッドを一次ボビンより頭出しすることで、上記コイ
ル端子及びを二次ボビンに設ける場合であっても
設置スペースを充分に確保できる。
【0027】第3の発明は、コイルケースにセンターコ
ア,一次ボビンに巻かれた一次コイル,二次ボビンに巻
かれた二次コイルを内装した点火コイル装置で、エンジ
ンの各点火プラグホール内に装着されて個々の点火プラ
グに直結して使用される独立点火型のエンジン用点火コ
イル装置において、前記二次コイルを巻いた二次ボビン
が前記一次ボビンの内側に配置され、これらの両ボビン
にはボビン同士の相対的な回り止めが設けてあり、前記
二次ボビンのヘッドが前記一次ボビン上端よりも頭出し
され、且つ、この二次ボビンヘッドには、一次コイル一
端と二次コイル一端を電源に接続するための一次・二次
コイル兼用のコイル端子と、一次コイル他端を点火制御
の駆動素子に接続するための一次コイル端子とが設けら
れ、さらに、前記二次ボビンヘッドには、二次ボビンを
巻線機の回転シャフトにセットした時に回転シャフト側
に設けたボビン回り止めに係合する係合部が設けられて
いることを特徴とする。
【0028】第3の発明によれば、上記第1,第2の発
明の双方の作用がなされる。
【0029】第4の発明は、第1の発明に関連したペン
シルコイルの製造方法の発明に係り、これを図6(b)
を参照しつつ説明すると、その特徴とするところは、一
次ボビン4の内側に二次ボビン2が挿入されるよう二次
ボビン外径を一次ボビン内径より小径にすると共に前記
両ボビンにはボビン同士の相対的な回り止めが設けてあ
り〔この回り止めは図6(b)では図示省略してい
る〕、前記二次ボビン2側に電源入力端子となる一次・
二次コイル兼用端子と、一次コイル5を点火制御の
駆動素子に接続するための一次コイル端子とを設け、
且つ、前記二次ボビン2を回転させて二次ボビン2に二
次コイル3を巻き、二次コイル3の一端3aを一次・二
次コイル兼用端子に接続する二次コイル巻線工程
と、その後、二次ボビン2の外側に一次ボビン4を嵌め
込んで二次ボビン2と共に回転させて一次ボビン4に一
次コイル5を巻き、一次コイルの一端5aを一次・二次
コイル兼用端子に接続し、該一次コイルの他端5b
を一次コイル端子に接続する一次コイル巻線工程と、
を有する点にある。
【0030】本発明によれば、図6(c)の従来技術の
ように一次ボビン4に設けた一次コイル端子と二次ボ
ビン2に設けた二次コイル端子とをコイル組みの工程
で渡り線Mで接続するような作業を不要とし、或いは各
ボビンに仮止めしたコイル一端をコイル組み後にその仮
止めをほどいて所定の端子に接続し直すような煩雑な作
業を不要とし、製造工程の合理化を図り得る。
【0031】第5の発明は、前記第1の発明,第2の発
明に関連するペンシルコイルの製造方法に係り、その特
徴とするところは、一次ボビンの内側に二次ボビンが挿
入されるよう二次ボビン外径を一次ボビン内径より小径
にすると共に、前記両ボビンにはボビン同士の相対的な
回り止めが設けてあり、前記二次ボビンに前記一次ボビ
ン上端よりも頭出しされるボビンヘッドを設け、該ボビ
ンヘッドには、二次ボビンを巻線機の回転シャフトにセ
ットした時に回転シャフト側に設けたボビン回り止めに
係合する係合部を設け、前記二次コイルと一次コイルの
巻線作業を一台の巻線機で行われるよう巻線機を共用に
して、まず前記二次ボビンをそのヘッドを介して前記巻
線機の回転シャフトに挿入セットし、該回転シャフトと
一緒に該二次ボビンを回転させることで二次ボビンに二
次コイルを巻く二次コイル巻線工程と、その後、前記巻
線機に前記二次ボビンを取り付けたまま二次ボビンの外
側に前記一次ボビンをボビン同士の回り止めを介して嵌
めて、該一次ボビンを二次ボビンと一緒に回転させて該
一次ボビンに一次コイルを巻く一次コイル巻線工程とを
有する点にある。
【0032】第6の発明も前記第1の発明,第2の発明
に関連したペンシルコイルの製造方法に係り、その特徴
とするところは、一次ボビンの内側に二次ボビンが挿入
されるよう二次ボビン外径を一次ボビン内径より小径に
すると共に、前記両ボビンにはボビン同士の相対的な回
り止めが設けてあり、前記二次ボビンに前記一次ボビン
上端よりも頭出しされるボビンヘッドを設け、該ボビン
ヘッドには、二次ボビンを巻線機の回転シャフトにセッ
トした時に回転シャフト側に設けたボビン回り止めに係
合する係合部を設け、前記二次コイルの巻線機と前記一
次コイルの巻線機とは別々のもので巻線用の回転シャフ
トを着脱自在にして一次巻線機,二次巻線機に共用さ
せ、まず前記回転シャフトを二次巻線機に取付けて該回
転シャフトに前記二次ボビンをそのヘッドを介して挿入
セットし、該回転シャフトと一緒に該二次ボビンを回転
させることで二次ボビンに二次コイルを巻く二次コイル
巻線工程と、その後、該二次ボビンを取付けたまま前記
回転シャフトを前記二次巻線機から外して、該回転シャ
フトを前記一次巻線機に取付けると共に二次ボビンの外
側に前記一次ボビンをボビン同士の回り止めを介して嵌
めて、該一次ボビンを二次ボビンと一緒に回転させて該
一次ボビンに一次コイルを巻く一次コイル巻線工程とを
有する点にある。
【0033】第7の発明も前記第1の発明,第2の発明
に関連したペンシルコイルの製造方法に係り、その特徴
とするところは、一次ボビンの内側に二次ボビンが挿入
されるよう二次ボビン外径を一次ボビン内径より小径に
すると共に、前記両ボビンにはボビン同士の相対的な回
り止めが設けてあり、前記二次ボビンに前記一次ボビン
上端よりも頭出しされるボビンヘッドを設け、該ボビン
ヘッドには、二次ボビンを巻線機の回転シャフトにセッ
トした時に回転シャフト側に設けたボビン回り止めに係
合する係合部を設け、前記二次コイルの巻線機と前記一
次コイルの巻線機とは別々のもので巻線用の回転シャフ
トを共通型式のものとし、まず前記二次ボビンをそのヘ
ッドを介して二次巻線機の回転シャフトに挿入セット
し、該回転シャフトと一緒に二次ボビンを回転させるこ
とで二次ボビンに二次コイルを巻く二次コイル巻線工程
と、その後、該二次ボビンを前記二次巻線機から外し
て、前記一次巻線機の回転シャフトに二次ボビンヘッド
を介して挿入セットすると共に二次ボビンの外側に前記
一次ボビンをボビン同士の回り止めを介して嵌めて、該
一次ボビンを二次ボビンと一緒に回転させて該一次ボビ
ンに一次コイルを巻く一次コイル巻線工程とを有する点
にある。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面により説明
する。
【0035】まず、図1〜図16により第1の実施例に
係わる点火コイル装置(ペンシルコイル)を説明する。
【0036】図1に点火コイル装置21の縦断面図(図
3のB−B´線断面矢視図)及びその一部を拡大したE
部拡大断面図を示し、図2に図1のA−A′線断面図を
示す。図3は図1の点火コイル装置を上面からみた図
で、回路ケース9の内部を樹脂充填前の状態で表わして
いる。
【0037】細長円筒形のコイルケース(外装ケース)
6の内部には、中心から外側に向けて順にセンターコア
1,二次ボビン2,二次コイル3,一次ボビン4,一次
コイル5が配置され、それらの隙間には注入硬化した樹
脂モールド(絶縁性エポキシ樹脂)8が介在している。
【0038】二次コイル3を巻線いた二次ボビン2の外
径は、一次ボビン4の内径よりも小径に形成して、二次
ボビン2及び二次コイル3が一次ボビン4の内側に位置
している。
【0039】一次ボビン4は、ポリブチレンテレフタレ
ート(PBT)やポリフェニレンサルファイド(PP
S)等の熱可塑性合成樹脂で成形され、一次コイル5が
巻線されている。一次コイル5は線径0.3mm程度の
エナメル線を一層あたり数十回ずつ数層にわたり合計1
00〜300回程度巻き回される。なお、図1のE部拡
大断面図では、作図の便宜上、一次コイル5を模式的に
一層で表現しているが、実際は上記のように数層で構成
されている。
【0040】二次ボビン2は変性ポリフェニレンオキサ
イド(変性PPO)等の熱可塑性樹脂で成形され、該ボ
ビン2に巻かれる二次コイル3は、線径0.03〜0.
1mm程度のエナメル線を用いて合計5000〜200
00回程度分割巻きされている。二次ボビン2,一次ボ
ビン4の構造及びそのボビン組み(コイル組み)につい
ては、図7〜図11を用いて後で詳述する。
【0041】コイルケース6は一次ボビン4と同じよう
な熱可塑性樹脂で成形されており、その上部に配置した
コネクタ9B付き回路ケース(点火制御ユニットケース
或いはイグナイタケースと称せられることもある)9と
は別々に成形されている。回路ケース9は、点火制御の
駆動回路(点火回路)のユニット40を収容すると共
に、コネクタ部(コネクタハウジング)9Bと一体成形
されている。回路ケース9及びそのコネクタ端子等につ
いては、後述する。
【0042】センターコア1は、その断面積を増やすよ
うに、例えば、図2に示すように、幅長を数段階に設定
した多数の珪素鋼板をプレス積層して成り、二次ボビン
2の内径に挿入される。
【0043】コイルケース6の外側面に装着されるサイ
ドコア7は、センターコア1と協働して閉磁路を構成す
るもので、薄い珪素鋼板を管状に丸めて成形される。サ
イドコア7は磁束の1ターンショートを防ぐため、サイ
ドコア7円周上において少なくとも1箇所は軸方向に切
れ目を設けている。本実施例では、サイドコア7は、珪
素鋼板を複数枚(ここでは2枚)重ねて、うず電流損を
減らして出力向上を図っているが、1枚で構成してもよ
く、2枚以上であってもよい。
【0044】センターコア1と二次ボビン2の間、二次
コイル3と一次ボビン4との間、一次コイル5とコイル
ケース6との間にはエポキシ樹脂8が注入されて絶縁性
が保証されている。
【0045】二次ボビン2は、その外周に二次コイル3
の分割巻きのためのフランジ2Bが軸方向に所定間隔を
置いて多数配設される。
【0046】二次ボビン2の上部には、ボビンヘッド2
Aが二次ボビン2と一体に成形してある。ボビンヘッド
2Aは一次ボビン4の上端よりも頭出しされるように設
定されている。
【0047】図7に、二次ボビン2に二次コイル3を巻
線した工程後のボビンヘッド2A付近の拡大斜視図を示
し、図8に図7の二次ボビン2を一次ボビン4に内挿し
た時のボビンヘッド2A付近の拡大斜視図を示す。な
お、図1では、ボビンヘッド2Aについては部分断面し
て、断面しない部分についてはボビンヘッド外側面の一
部を表わしている。
【0048】本例のボビンヘッド2Aは長方体の箱形を
呈し、ボビンヘッド2Aの外側面に、点火コイルの製造
過程において二次ボビン2を巻線機の回転シャフト62
(図15参照)に挿入セットした時に回転シャフト側に
設けたボビン位置決め兼用の回り止め64に係合する係
合部2Dが設けてある。
【0049】本例の係合部2Dはボビン軸方向に延びる
凸条を呈しており、回転シャフト62側の回り止め64
はシャフト62の軸方向に平行な2本のピン64をカッ
プリング63の一端面に配設してなり、このピン64間
に凸条係合部2Dが嵌まるようにしてある。
【0050】ボビンヘッド2Aの内部には、上部開口部
を通して図1に示すようなマグネット16,軟質エポキ
シ樹脂のカバー部材17が充填される。また、二次ボビ
ン2側であるにもかかわらず、そのボビンヘッド2Aの
外側面に一次・二次コイル兼用のコイル端子18と一次
コイル端子19とが設けてある。
【0051】ここで、一次・二次コイル兼用端子18
は、図6(b)の兼用端子に相当する。すなわち、
二次コイル3の一端3aを取り出して電源に接続するた
めのコイル端子〔図6(a)の回路における端子に相
当する〕と、一次コイル5の一端5aを取り出して電源
に接続するためのコイル端子〔図6(a)の回路におけ
る端子に相当する〕としての機能をなす。
【0052】一方、一次コイル端子19は、図6(a)
の回路及び図6(b)における端子に相当し、一次コ
イル5の他端5bを取り出して点火回路ユニットのパワ
ートランジスタ(点火コイル駆動素子)39のコレクタ
に接続される。
【0053】図7,図8に示すように一次・二次コイル
兼用端子18は、帯状の金属板で成形され、その取付脚
部18cを介して二次ボビンヘッド2Aの一外側面に設
けたポケット20に圧入固定される。その一端18′は
Lの字状に立ち上げ成形されて、この立ち上げ部分1
8′が図1,図9に示すように電源入力用のコネクタ端
子31の一端31bに溶接等で接合される。なお、図9
は、点火コイル装置からコイルケース6及び点火回路ケ
ース9を取り去って、一次コイル5を巻き回した一次ボ
ビン4,二次コイル3を巻き回した二次ボビン2のボビ
ン組み(一次・二次コイル組み)と二次ボビンヘッド2
A上に設置される点火回路ユニット(イグナイタと称せ
られることもある)40との結合関係を示す斜視拡大図
であり、図9中における点火回路ユニット40及びその
引き出し端子32,34,36は実際には図3に示すよ
うに回路ケース9内に収容され、また、コネクタ端子3
1,33,35は回路ケース(樹脂ケース)9中にその
一部が埋設されている。
【0054】一次・二次コイル兼用端子18は金具単体
より成り、図7及び図8に示すように二次コイル3の一
端3aを引き出してからげる(巻き付ける)部分18a
と、一次コイル5の一端5aを引き出してからげる部分
18bとが一体成形してあり、このからげ部18a,1
8bでコイル一端3a,5aがそれぞれからげられた後
に半田付けされる。二次ボビン2の上端フランジ2B′
には二次コイル一端3aを端子金具18に導くための切
欠き2Cが形成してあり、同様に一次ボビン4の上端フ
ランジ4Aにも一次コイル一端5aを端子金具18に導
くための切欠き4Bが形成してある。
【0055】一次コイル端子19も帯状の金属板で成形
され、二次ボビン2の上記ポケット20のある位置と反
対側の外側面に設けたポケット(図示省略)に圧入固定
され、また、その一端19′がLの字状に立ち上げ成形
され、且つ水平に張り出す腕部19″が一次・二次コイ
ル兼用端子18側に向けて延設されて先端部19′が端
子18側の先端部18′と近接位置で平行に並ぶように
配置されている。この一次コイル端子19は、図9に示
すように点火回路ユニット40側の引き出し端子(リー
ド端子)32に溶接により接続される。引き出し端子3
2は、図1,図3に示すように点火回路ユニット40の
パワートランジスタ39のコレクタ側にワイヤボンディ
ング42を介して電気的に通じている。
【0056】図9に示すようにコネクタ端子(コネクタ
ピン)には、既述したコネクタ端子31の他にコネクタ
端子33,35がある。
【0057】ここで、コネクタ端子31,33,35と
点火制御の駆動回路との関係について説明する。
【0058】図4は点火コイル装置21の回路ケース9
に搭載される点火駆動回路41と一次コイル5,二次コ
イル3との電気配線図である。
【0059】一次コイル5の一端5aと二次コイル3の
一端3aは、二次ボビン2に設けた一次・二次コイル兼
用端子18及びコネクタ端子31を介して直流電源の+
側に接続される。一次・二次コイル兼用端子18は、図
6の点火コイル原理図で述べた一次・二次コイル兼用端
子に相当する。
【0060】一次コイル5の他端5bはダーリントン接
続されたパワートランジスタ39のコレクタ側に二次ボ
ビンに設けた一次コイル端子19及び点火回路ユニット
40に設けたリード端子32を介して接続される。一次
コイル端子19は先に述べた一次コイル端子に相当す
る。
【0061】二次コイル3の他端3bは、高圧ダイオー
ド10を介して点火プラグ22に接続される。高圧ダイ
オード10は、二次コイル3で発生した高電圧を図1に
示す板ばね11,高圧端子12,スプリング13を介し
て点火プラグ22に供給する場合に過早着火を防止する
役割をなす。
【0062】図示されないエンジンコントロールユニッ
トで生成された点火制御信号はコネクタ端子33及び点
火回路ユニット40に設けたリード端子34を介してパ
ワートランジスタ39のベースに入力される。この点火
制御信号に基づいてパワートランジスタ39がオン・オ
フ制御されて一次コイル5が通電制御され、一次コイル
5の遮断時に二次コイル3に点火用の高圧電圧が誘起さ
れる。
【0063】パワートランジスタ39の二段目トランジ
スタのエミッタ側は点火回路ユニット40に設けたリー
ド端子36及びコネクタ端子35を介してアースに接続
されている。
【0064】以上のことから、図3及び図9に示すよう
に、一次・二次コイル兼用端子18の一端18´とコネ
クタ端子31の一端31bとが溶接により接続され、一
次コイル端子19の一端19´と点火回路ユニット側の
リード端子32の一端とが溶接により接続され、コネク
タ端子33と点火回路ユニット側のリード端子34の一
端同士が溶接により接続され、コネクタ端子35とリー
ド端子36の一端同士が溶接により接続される。
【0065】なお、図4において、71は点火コイルの
通電制御により発生するノイズを防止するためのノイズ
防止用コンデンサで、電源線とアース間に配置され、本
例では点火回路ユニットを収容するケース外部に配置し
てある。例えば、ノイズ防止用コンデンサ71はエンジ
ンルーム内の配線(エンジンハーネス)のアースポイン
トに配置してある。
【0066】点火信号入力端子34及びパワートランジ
スタ39のベース間に設けた抵抗72、及び抵抗72・
アース間に設けたコンデンサ73は、サージ保護回路を
形成する。抵抗74,76及びツェナーダイオード75
は点火制御系の過電流制限回路を形成する。77は一次
電圧制限用ダイオード、78は逆電流印加時の保護回路
を構成するダイオードである。
【0067】図1,図3,図9に示すように、点火回路
ユニット40側のリード端子32,34,36は、箱形
にプレス成形されたアルミ製の金属ベース37に接着さ
れた合成樹脂製の端子台38上に固定されている。ま
た、上記した端子18・31と、19・32と、33・
34と、35・36とは、それらの接合部が同一方向に
向いて平行に配列されることで、溶接を行い易くしてあ
る。
【0068】点火回路ユニット40は、上記した抵抗7
2,コンデンサ73,トランジスタ74,ツェナーダイ
オード75,抵抗76,ツェナーダイオード77,ダイ
オード78より成るハイブリットIC回路41と、パワ
ートランジスタ39とを金属ベース37内に配設して成
り、金属ベース37にはシリコンゲルが充填されてい
る。
【0069】点火回路ユニット40を収容する回路ケー
ス(イグナイタケース)9は、上記したコネクタ端子3
1,33,35を収容するコネクタハウジング9Bと一
体にモールド成形される。
【0070】図1,図3に示すように回路ケース9は、
点火回路ユニット40を収容する個所がケース側壁9A
により囲んでおり、また、点火回路ユニット40は図3
に示すように側壁9Aに囲まれるスペースの床面(内)
9E上に位置決め突起9Dに案内されて載置されてい
る。床面9Eの中央はコイルコース6側の開口面に臨む
ように開口している。
【0071】回路ケース9は、コイルケース6と別個に
成形され、コイルケース6の上端に嵌合接着により結合
される。この結合状態は、図3に示すようにコイルケー
ス6の上部外周に設けた突起6Aが回路ケース9側の凹
溝9Fに周り止め状態で係合する。
【0072】上記結合状態で回路ケース9内に収容され
た点火回路ユニット40の金属ベース37が二次ボビン
2のヘッド2A直上に配置されると共に、回路ケース9
のコネクタ端子31の一端31´及びリード端子32の
一端がそれぞれ二次ボビンヘッド2A側に設けた一次・
二次コイル兼用の端子18及び一次コイル端子19の各
一端と回路ケース9内で重なり合うように設定されて、
これらの重なり合う端子同士の溶接が容易に行われるよ
うに配慮されている。また、点火回路ユニット40をセ
ットした時には、点火回路ユニット40側の引出し端子
34及び36もそれぞれ対応のコネクタ端子33,35
と自ずと位置合わせされる。
【0073】また、回路ケース9は側壁9Aの周囲にフ
ランジ9Cを形成しており、このフランジ9Cの一部に
点火コイル装置21をエンジンカバーに取付けるための
ねじ孔25が配設してある。回路ケース9の内部は絶縁
用エポキシ樹脂43で覆われている。
【0074】次に二次ボビン2及び一次ボビン4の底部
側の構造について図10及び図11により説明する。
【0075】図10は、一次ボビン4に二次ボビン2・
二次コイル3を内挿する場合の底部付近の斜視図を示
す。図11には、一次ボビン4,二次ボビン2の底面図
及びそれらを組みにした状態の底面図が示してある。
【0076】図10,図11に示すように、二次ボビン
2は、底部が閉じて有底円筒状に形成され、その底部外
面に高圧ダイオード10を取り付けるための突起2Eが
設けてある。二次コイル3の一端3bは、図1に示すよ
うに高圧ダイオード10及び板ばね11を介して高圧端
子12に接続される。
【0077】一次ボビン4の底部は開口しており、二次
ボビン2を一次ボビン4に内挿すると、高圧ダイオード
10が一次ボビン4の底部開口4′から突出するように
してある。また、一次ボビン4の底部には開口4′を挾
む形で対向する一対の二次ボビン受け4Dが一次ボビン
4の底部側フランジ(底部一端面)4Cよりも下方に突
出するようにして配設されている。
【0078】二次ボビン受け4Dは、二次ボビン2をそ
のフランジ2B(最下端のフランジ)を介して受け、ボ
ビン受け4D同士の対向辺は直線で残りの輪郭が円弧状
をなした形で、対向辺の中心から半径方向に向けて凹部
(溝部51)が設けてあり、二次ボビン2の底部側外周
に設けた凸部52と凹凸係合することで、二次ボビン2
と一次ボビン4との相対的な回り止めを図っている。
【0079】また、一次ボビン4の底部フランジ4Cに
は、下方に向けた一対の突起53が設けてあり、この突
起53は図12に示すようにコイルケース6の内周一部
に設けた一次ボビン受け6Aの位置決め用の溝6Bと係
合することで、コイルケース6と一次ボビン4との相対
的な回り止めが図られている。
【0080】二次ボビン2の底部2は、図11(b)に
示すように、略円形であるが左右に僅かに平面をなすカ
ット面2Gを有し、このカット面2Gが図11(d)に
示すように二次ボビン受け4Dの対向辺(直線)に適合
して一次ボビン4の底部開口4′に位置するようにして
ある。また、カット面2Gの位置に上記凸部52が設け
てある。
【0081】二次ボビン受け4Dに形成した凹部51に
は、図11(c)に示すようにその上端にテーパ51′
を設けて凹部51の間口を広げることで、二次ボビン2
の内挿時に凸部52が凹部51と多少位置ずれしてもテ
ーパ51′に案内されて入り易くしている。
【0082】なお、一次ボビン4側の底部に設けた2次
ボビン受け4Dを、底部開口4′を挾んで対向配設し且
つ一次ボビン底部より下方に突出させることで、一次ボ
ビン4底部に二次ボビン受け2Dの無い側面スペース
4″を確保することができる。この側面スペース4″を
介して図11(d)の矢印Pに示すように絶縁樹脂8′
の注入時に一次ボビン4・二次ボビン2(2次コイル
3)内外周間の隙間とコイルケース6・一次ボビン4
(一次コイル5)内外周間の隙間との間の樹脂流通性を
良好にして、一次ボビン4底部の注入絶縁樹脂中の気泡
が抜けるようにしてある。
【0083】二次ボビン2の底部にはマグネット15及
び発泡ゴム45が積層状に配置され、その上にセンター
コア1が内挿されている。このマグネット15及び2次
ボビンヘッド2Aに設けたマグネット16は、磁路(セ
ンターコア1,サイドコア7)中に反対方向の磁束を発
生させることにより、点火コイルをコアの磁化曲線の飽
和点以下で動作させることができる。
【0084】発泡ゴム45は、点火コイル装置21の絶
縁樹脂8の注入時及び使用時の温度変化に伴うセンター
コア1と二次ボビン2の熱膨張差を吸収する(熱応力緩
和)。
【0085】コイルケース6の下端には、点火プラグ2
2(図5参照)を挿入するための筒壁6′がスプリング
13を囲むようにして形成される。この筒壁6′はコイ
ルケース6と一体成形され、筒壁6´に点火プラグ22
を絶縁しつつ装着するための可撓性絶縁材で形成したブ
ーツ例えばゴムブーツ14が取付けてある。
【0086】図5に上記構成より成る点火コイル装置2
1をエンジンのプラグホール23内に装着した状態を示
す。
【0087】点火コイル装置21はエンジンカバー24
及びガイドチューブ23Aを通してプラグホール23内
に挿入され、ゴムブーツ14が点火プラグ22の周囲に
密着して、点火プラグ22の一部がコイルケース6の一
端筒壁6′に導入されスプリング13を圧接すること
で、点火コイル装置21が点火プラグ22に直結する。
点火コイル装置21は、回路ケース9に設けたねじ孔2
5(図1参照)及びエンジンカバー24に設けたねじ孔
26をねじ27により締め付け、且つコイルケース6上
部に設けたシールゴム28をエンジンカバー24の点火
コイル装置挿通孔24周縁に設けた環状凸部29に嵌合
させることで固定されている。
【0088】シールゴム28の内面には、図1に示すよ
うに縦溝92が設けてある。この縦溝92はシールゴム
28を点火コイル装置21と共に装着する時に、シール
ゴム28のフランジ(エンジンカバー側の凸部29に嵌
まり込む部分)の中の空気を逃がしてシールゴム28の
取付作業を容易にする機能と、エンジンカバー24内を
大気と連通させて大気圧状態を保持することにある。後
者の機能は、仮にこの溝92がないと、エンジン熱によ
り高温状態にあるエンジンカバー内がエンジンカバーに
水がかかって急に冷却された時に負圧状態になり、その
結果、シールゴム28が存在してもその負圧力によりシ
ールゴム28周りにたまった水を引き入れてしまうの
で、そのような負圧にならないようにするためのもの
で、溝92の大気取り入れ口は、エンジンカバー上のた
まり水(車が道路上の水等をはねて侵入した水がエンジ
ンカバー上に付着したもの)が流入しないようにある程
度エンジンカバーより高い位置に設定してある。
【0089】次に上記構成より成る点火コイル装置21
を製造する場合の手順について図13,図14により説
明する。
【0090】図13に示すように、先ず二次ボビン2に
二次コイル3を巻き回して二次コイルの一端3aを一次
・二次コイル兼用端子18に接続する。この接続はコイ
ル一端3aを端子18に巻き付け(からげ)半田付けす
ることで行われる。また、二次コイル3の他端3bも高
圧側である二次コイル端子(ここでは高圧ダイオード1
0)に接続される。次いで、導通試験が行われる。
【0091】二次コイル3が巻線された二次ボビン2は
一次ボビン4に内挿固定され、この状態(一次,二次ボ
ビン重ね状態)で、一次ボビン4に一次コイル5を巻き
回すと共に、一次コイルの一端5aを上記の一次・二次
コイル兼用端子18に接続し、一次コイルの他端5bを
一次コイル端子19に接続する。これらの接続は、コイ
ル巻き付けと半田付けにより行われる。この場合、一次
・二次コイル兼用端子18と一次コイル端子19を二次
ボビン2側に設けたとしても、端子18,19は二次ボ
ビンヘッド2Aと共に1次ボビン4の一端より外に位置
するため、一次コイル5の両端5a及び5bを容易に端
子18,19に導いて上記からげ及び半田付け作業を行
うことができる。次いで、一次コイルの導通試験が行わ
れる。
【0092】次いで板ばね11(図14参照)を高圧ダ
イオード10と接続されるように高圧ダイオード10の
リード端子に結合させた後、二次ボビン2内に発泡ゴム
45,マグネット15,センターコア1,マグネット1
6を内挿し、その後、ボビンヘッド2A内に軟質エポキ
シ樹脂を注入し硬化させる。
【0093】ここで、二次コイル3の巻線工程と一次コ
イル5の巻線工程に使用する巻線機については図示省略
するが、基本的には回転シャフトにボビンをセットし
て、ボビンを回転させてエナメル線を巻き回すものであ
るが、その応用例としては、種々の態様が考えられる。
【0094】一つは、一台の巻線機に一次コイル用のエ
ナメル線リールと二次コイル用のエナメル線リールとを
備え、且つこれらのリールからそれぞれのエナメル線を
引出して回転シャフトの周辺で巻線及びからげに必要な
往復動作,旋回動作等を行うハンド機構とを備えて、巻
線機一台で一次コイル,二次コイルの巻線を行うものが
考えられるが、この場合、本実施例に用いる二次ボビン
構造によれば、巻線機の回転シャフトについても共用化
を図ることができる。
【0095】図15に上記巻線機の回転機構を示す。回
転機構は回転シャフト62とモータ61とに大別され、
回転シャフト62はシャフト62の一部を成すジョイン
ト(カップリング)63を介してモータ61の出力シャ
フト62´(図16参照)に着脱自在に結合され、ま
た、回転シャフト62が出力シャフト62´と一体に回
転するジョイント構造としてある。回転シャフト62
は、その先端からシャフト途中位置までスリット65が
切られて割ピン状に形成され、二次ボビン2の挿入前の
状態では回転シャフト62の割ピン部の少なくとも一部
62Aが二次ボビン2の内径よりも拡がり、且つ先端に
二次ボビン2を案内するためのテーパ62Bが形成され
ている。また、回転シャフト63の一部(ここではジョ
イント63の一端面)には、二次ボビンヘッド2Aに設
けた係合部2Dと係合するボビン位置決め兼回り止め用
のピン64が2本配設され、このピン64間に二次ボビ
ンヘッド2A側の係合部2Dが係合するようにしてあ
る。
【0096】上記した共用の巻線機を使用する場合に
は、図15(a)(b)に示すように、まず二次ボビン
2を巻線機の回転シャフト62にシャフトテーパ62B
を利用して押し込むと、シャフト62の割ピン部62A
が径が小さくなる方向に弾性変形して、二次ボビン2が
回転シャフト62に挿入セットされ、このとき割ピン部
62Aが自身の弾性復帰力によりボビン2の内面に圧接
し、且つ二次ボビンヘッド2Aに設けた係合部2Dが回
転シャフトの回り止めピン64間に係合することで、二
次ボビン2の両端が回転シャフト62上で強固に固定さ
れる。
【0097】したがって、二次巻線時に二次ボビン2を
回転シャフト62で片持ちさせて回転シャフト62と一
体的に二次ボビン2を高速回転させても、二次ボビン2
に滑りや回転ぶれが生ぜず、高精度の精密巻きが要求さ
れる二次コイル3の巻線を可能にする。
【0098】二次コイル3の巻線及び二次コイル端のコ
イル端子18へのからげ(半田付けを含む)を実行した
後、図15(c)に示すように回転シャフト62に二次
ボビン2を取り付けたまま二次ボビンの外側に一次ボビ
ン4をボビン同士の回り止め52,51(図10,図1
1に示す)を介して嵌め込み、且つ図示しないボビン支
持具で一次ボビン4の一端(二次ボビンの高圧ダイオー
ド10が位置する側)を回転自在に支えて、一次ボビン
4を二次ボビン2と一緒に回転させて該一次ボビン4に
一次コイル5を巻く。
【0099】このような巻線方法のほかに、二次コイル
の巻線機と一次コイルの巻線機とは別々のもので、巻線
用の回転シャフト62だけをを図16に示すように着脱
自在にして一次巻線機,二次巻線機に共用させることも
可能である。
【0100】この場合には、まず、回転シャフト62を
図15(a)同様に巻線機(ここでは二次巻線機のモー
タ)に取付けて、図15(b)と同様のセット形態で該
回転シャフト62に二次ボビン2をそのヘッド2Aを介
して挿入セットし、該回転シャフト62と一緒に二次ボ
ビン2を回転させることで二次ボビン2に二次コイル3
を巻き回す。
【0101】その後、該二次ボビン2を取付けたまま回
転シャフト62を二次巻線機から外して(図16参
照)、該回転シャフト62を一次巻線機に取付けると共
に二次ボビン2の外側に一次ボビン4を上記図15
(c)同様にボビン同士の回り止め51,52を介して
嵌め込んで、該一次ボビン4を二次ボビン2と一緒に回
転させて一次ボビン4に一次コイル5を巻く。
【0102】さらに、上記回転シャフト共用方式に代え
て、二次コイルの巻線機と一次コイルの巻線機とは別々
のもので巻線用の回転シャフトもそれぞれ用意するが、
それらの回転シャフト62を共通型式のものとすること
も可能である。
【0103】この場合には、まず二次ボビン2をそのヘ
ッド2A(係合部2D)を介して二次巻線機の回転シャ
フト62に挿入セットし、該回転シャフト62と一緒に
二次ボビン2を回転させることで二次ボビン2に二次コ
イル3を巻く。その後、該二次ボビン2を二次巻線機か
ら外して、一次巻線機の回転シャフトに二次ボビンヘッ
ド2A(係合部2D)を介して挿入セットすると共に二
次ボビン2の外側に一次ボビン4をボビン同士の回り止
め51,52を介して嵌め込んで、該一次ボビン4を二
次ボビン2と一緒に回転させて一次ボビン4に一次コイ
ル5を巻く。
【0104】図13に示す一連の工程を経て製作された
コイル組立体は、図14に示すようにコイルケース6及
び回路ケース9の組立体に高圧端子12,板ばね11,
点火回路ユニット40と共に内挿される。ここで、前述
したように一次・二次コイル兼用端子18とコネクタ端
子31が、一次コイル端子19と点火回路ユニット側の
リード端子32が、コネクタ端子33と点火回路ユニッ
ト側のリード端子34が、コネクタ端子35とリード端
子36がそれぞれプロジェクション溶接により接続され
る。
【0105】上記のコイル組立体をコイルケース6に挿
入するに先立ち回路ケース9とコイルケース6との嵌合
・接着がなされ、また、コイル組立体を挿入後にコイル
ケース6にサイドコア7の圧入及びゴムブーツ14の圧
入がなされ、さらにエポキシ樹脂43の注入,硬化が行
われる。
【0106】本実施例の主な作用,効果は次の通りであ
る。
【0107】(1)精密巻きが要求される二次コイル3
については予め巻線して、この二次コイル3が巻かれた
二次ボビン2の外側に一次ボビン4をボビン同士の回り
止めを保証しつつ嵌め込んで、二次ボビン2と一緒に一
次ボビン4を回転させて、一次ボビン4に一次コイル5
を巻くが、この手法によれば、一次コイル5は二次コイ
ル2ほどの精密巻きが要求されずしかも巻線が容易なの
で、支障がない。したがって、一次,二次ボビンの組み
(重ね)状態でのコイル巻線作業を可能にする。
【0108】(2)このようなボビン組みの状態での巻
線作業を可能にする結果、一次,二次巻線機の共用化,
或いは一次,二次巻線機の回転シャフトの共用化,或い
は一次,二次巻線機の回転シャフトの型式の統一(シャ
フトの互換性)を図ることができる。
【0109】(3)さらに、二次ボビン3に一次・二次
コイル兼用端子18()を設けることで、従来のよ
うに一次端子と二次端子を渡り線M〔図6(c)参
照〕を介して接続する必要性がなくなり渡り線Mの接続
工程を省略できる。また、上記したようにボビン組みの
状態での一次巻線を保証することで、一次コイル5を一
次ボビン4に仮止めすることなくダイレクトに二次ボビ
ン2側に設けた一次・二次コイル兼用端子18及び一次
コイル端子19に接続することができる。
【0110】(4)一次ボビン4に内挿された二次ボビ
ン2のヘッド2Aを一次ボビン3より頭出しすること
で、上記一次・二次コイル兼用端子18及び一次コイル
端子19を二次ボビン2に設ける場合であっても設置ス
ペースを充分に確保できる。
【0111】(5)回路ケース9をコイルケース6の上
端に嵌合・接着により結合した時に、回路ケース9のコ
ネクタ端子31の一端31´及びリード端子32の一端
がそれぞれ二次ボビンヘッド2A側に設けた一次・二次
コイル兼用の端子18及び一次コイル端子19の各一端
と回路ケース9内で重なり合うように設定されて、これ
らの重なり合う端子同士の溶接が容易に行われる。ま
た、回路ユニット40は位置決め部材9Dを介して正確
に位置決めされるので、コネクタ端子33・回路ユニッ
ト側のリード端子34、コネクタ端子34・回路ユニッ
ト側のリード端子36との位置決めも正確になされる。
したがって、端子同士の接合時に位置ずれが生ぜず、作
業性,品質向上を高める。
【0112】(6)一次ボビン4底部に二次ボビン受け
2Dの無い側面スペース4″を確保することで、絶縁樹
脂8の注入時に一次ボビン4・二次ボビン2(二次コイ
ル3)内外周間の隙間とコイルケース6・一次ボビン4
(一次コイル5)内外周間の隙間との間の樹脂流通性を
良好にして、一次ボビン4底部の注入絶縁樹脂中の気泡
抜きを良好にし、点火コイルの絶縁性能を向上させる。
【0113】次に本発明の第2実施例について図17か
ら図24により説明する。
【0114】図17は、第2実施例に係わる点火装置の
部分断面図(図18のD−D′断面図)である。図中、
第1実施例に用いた符号と同一のものは同一或いは共通
する要素を示す。図18は図17の点火コイル装置を上
面からみた図で、回路ケース9の内部を樹脂充填前の状
態で表わしている。なお、図17のF−F´線断面図は
図2と同様であるため図示省略する。
【0115】本実施例においては、第1実施例と異なる
主な相違点を述べる。
【0116】本実施例における点火ノイズ防止用コンデ
ンサ71(以下、ノイズ防止コンデンサ71と称する)
は回路ケース9に内装してある。そのため、既述のコネ
クタ端子の金具(電源接続用コネクタ端子31,点火信
号入力用のコネクタ端子33,点火回路アース用端子3
5)の他にノイズ防止コンデンサ71のアース専用コネ
クタ端子(キャパシタグラウンド用端子)72の金具を
追加してコネクタハウジング9Bに収容し、このコネク
タ端子72と電源接続用(+電源)コネクタ端子31間
にノイズ防止コンデンサ71を接続する。
【0117】回路ケース9における点火回路ユニット4
0を収容するスペースを第1実施例よりも拡張すること
で、この収容スペースにノイズ防止コンデンサ71を設
置する。ノイズ防止コンデンサ71の設置箇所は、コネ
クタ端子31〜35,72の中間部をケース9樹脂中に
埋設して、この埋設位置近くのケース9床面上である。
【0118】また、電源接続用コネクタ端子31の中間
部と、キャパシタグラウンド端子72の一端には端子金
具の一部を垂直(ほゞ垂直を含む)に立ち上がるように
折り曲げて、この折曲部(立上げ部)31c,72′を
ケース9床面より突出させてノイズ防止コンデンサ71
の両サイドに配置させている。ノイズ防止コンデンサ7
1の両リード線73は、この折曲部31c,72′にそ
れぞれ接続されている。本例ではコンデンサ71のリー
ド線73を端子折曲部31c,72′にからげて半田付
けしている(図23参照)。
【0119】ここでは、リード線73の一端(からげ
部)73´を予め端子31,72への接続前に輪の形状
にしておき、この輪73´を端子折曲部31c,72´
に上から嵌め込める形状としてある。図18に示す9K
は、ケース9の床面(内底)9Eに設けた突起で、端子
折曲部31c,72´に隣接して床面9Kから垂直に突
出形成されており、端子折曲部31c,72´の一辺が
この突起9Kに食い込むようにしてモールド成形された
ものであり、また、突起9Kの高さは端子折曲部31c
の高さよりも低く、そのため、上記の輪の形状のリード
線一端73´を端子折曲部31c,72´の上端から嵌
め込んで降ろしていくと、このリード線一端73´が途
中の位置で突起9Kの上端に当たりそれ以上の下降が妨
げられる。このようにして、リード線73ひいてはノイ
ズ防止用コンデンサ71の高さ方向の位置決めがなされ
る。
【0120】また、9Jはノイズ防止用コンデンサ71
の横方向の位置決めを行う突起で、回路ケース9の床面
9Eから2本,突出成形されている。
【0121】また、図24に示すように、端子折曲部3
1c,72′にスリット80を形成して、コンデンサ7
1のリード線73をスリット80に挾み込んで半田付け
したりしてもよい。これらのリード線接続によれば半田
付けにおけるリード線固定を容易にして作業性を向上さ
せることができる。
【0122】ノイズ防止コンデンサ72を上記の如く設
けることで、回路ケース9内の点火回路41の構成は図
21に示すようになる。
【0123】上記のようにノイズ防止コンデンサ71を
回路ケース9内に内装することで、従来に比較して次の
ような作用,効果を奏する。
【0124】(1)従来方式は、ノイズ防止コンデンサ
71は点火コイル装置(ペンシルコイル)21と別にエ
ンジンルームのハーネスにおける電源アースポイントに
設置していたが、このような設置方式によれば、点火コ
イルのノイズが点火コイル装置・コンデンサ71間のハ
ーネスに乗ってしまうために点火コイル装置の外部に漏
れてしまう。これに対して、本発明方式の場合には、点
火コイルのノイズ源からコンデンサ71までの距離が極
めて短くなり、しかもノイズ防止コンデンサ71を回路
ケース9内装タイプにしたので点火コイル装置21外部
に点火ノイズが漏出するのを防止し、ノイズ防止性能を
高める。
【0125】(2)従来方式は、エンジンルームのハー
ネスにノイズ防止コンデンサ71を設けるため、コンデ
ンサ71を裸のまま設置するとエンジンルームに侵入す
る水分,塩分等により腐食するおそれがあり、そのため
コンデンサ71を樹脂で覆わなければならず、コスト高
となる。これに対して本発明方式の場合には、回路ケー
ス9内の絶縁樹脂43の封入がコンデンサ71の樹脂封
止を兼ねるので、従来のように回路ケース9と別にコン
デンサのための樹脂封止を行う必要がなく、その分、コ
ンデンサ71のコスト低減を図ることができる。
【0126】(3)従来方式は、エンジンルームのハー
ネスにノイズ防止コンデンサ71を設けるため、エンジ
ンルーム内のハーネスの工数が増えるが、本発明の場合
には、そのようなハーネス上のノイズ防止コンデンサ7
1設置作業を不要とし、点火コイル装置21をエンジン
ルーム内に搭載すれば自ずとノイズ防止コンデンサ71
も設置されるので、自動車組立上のエンジンルーム内で
の部品搭載作業の負担軽減を図ることができる。
【0127】なお、本実施例では、二次ボビンヘッド2
Aの形状については図19,図20に示すように円筒形
とし、また、巻線機の回り止めに係合する係合部2D′
は、平行配置した一対の突起片により構成した。巻線機
側の回り止めは上記一対の突起片の間に挾み込まれる一
条のピン形態(図示省略)となる。
【0128】また、点火コイル装置21におけるスプリ
ング13は、大部分がコイルケース6の一端筒壁6´に
入ることで、スプリング13の一端(上端)が高圧端子
12と結合するが、プラグ結合側となるスプリング13
の下端(高圧端子12と反対側の一端)は、少なくとも
点火プラグ22との結合前には、コイルケース6の下端
よりも外に出るようにしてある。そのために、コイルケ
ース6の一端筒壁6´の長さを第1実施例(図1)のも
のよりもスプリング13に対して相対的に短くしてい
る。
【0129】このような態様によれば、点火プラグ22
は、実質的にコイルケース一端筒壁6´の中でスプリン
グ13の下端と結合(接続)されず(この点、第1実施
例では点火プラグ22の略上半部がコイルケース一端筒
壁6´の中に導入されてスプリング13下端と接続され
ている)、筒壁6´の下端開口と略同じレベルの位置或
いはそれよりも下の位置(筒壁6´の外の位置)でスプ
リング13の下端と結合されることになる。そのため、
ゴムブーツ14については、筒壁6´を短くしたことを
補う意味で筒壁6´の下端よりも下側を第1実施例のタ
イプよりも長くして、ゴムブーツ14を点火プラグ22
と筒壁6´の下方位置で実質的にシール結合できるよう
にしてある。
【0130】上記構成によれば、図22に示すように点
火プラグ22と点火コイル装置21との軸線間に相対的
な傾きθがある場合であっても、点火プラグ22がコイ
ルケース筒壁6´に干渉しないので、ゴムブーツ14の
可撓性を利用して点火コイル装置21と点火プラグ22
とをフレキシブルにシール結合することができる。
【0131】本実施例によれば、図22に示すように点
火プラグ22及びプラグホール23Bがエンジンに角度
θを持って設置されている場合であっても、点火コイル
装置21を点火プラグ22の軸線に一致させることなく
ガイドチューブ21,プラグホール23内に導いて点火
プラグ22と結合させることができ、特に、自動車部品
の設置スペースの制約から点火プラグ22と点火コイル
装置21とを傾きθをもって結合させなければならない
場合に、それを従来のペンシルコイル装着操作となんら
変わることなく実現させることができる。
【0132】なお、従来のこの種点火コイル装置(ペン
シルコイル)は、点火プラグと軸線を一致させて結合さ
せるタイプのものであり、上記のように点火プラグ22
に対して点火コイル装置を角度を持たせて結合するよう
な配慮はなされていなかった。
【0133】なお、ゴムブーツ14は、次のような沿面
放電を防止する機能を有する。すなわち、点火コイル装
置21をプラグホール23Bにセットした場合、点火コ
イル装置21の高圧端子12がプラグホール23Bの近
くに位置するが、プラグホール23Bはアースされてい
るため、筒壁6´の一部にクラックなどが生じると高圧
端子12とプラグホール23Bとの間での筒壁6´,ク
ラックを介して沿面放電が生じるおそれがある。ゴムブ
ーツ14を筒壁6´に取り付けた場合、筒壁6´とゴム
ブーツ14との接触する距離Lが高圧端子12とプラグ
ホール23Bとの距離に実質加算されるので、この接触
距離Lを長く保つことで上記沿面放電を防止できる。本
実施例では、コイルケースの下端筒壁6´のうち高圧端
子12の位置からコイルケース筒壁6´の最下端までの
距離が短縮されてしまうため、ゴムブーツ14のうちコ
イルケース筒壁6´の外側と接触する部分を筒壁6´の
最下端からセンターコア7近くまで長く延ばして、上記
の沿面放電防止のための距離を確保している。すなわ
ち、ゴムブーツ14は筒壁6´に嵌まり合う個所のうち
筒壁6´の外面に臨む方を筒壁6´の内面に臨む方より
も長く延ばしてトータルの沿面放電防止距離を長く確保
している。
【0134】本実施例では上記したようにスプリング1
3の下端をコイルケース6の下端開口より下方に出すた
めに、その手法として、上記のようにコイルケース6下
部の筒壁6´を短くしているが、これに代えて、筒壁6
´に収容された高圧端子12のコイルケース軸方向の長
さをコイルケース6の下端開口位置近くまで延設しても
(換言すれば、高圧端子12のうちスプリング13を受
ける個所からコイルケース6の最下端までの距離よりも
スプリング13の長さが長くなる位置まで高圧端子12
を下方に延長させる)ことで、スプリング13の下端を
コイルケース6の下端開口よりも外(下側)に出すこと
ができる。このように高圧端子12の長さ調整によりス
プリング13のコイルケース6下端開口から出る量(長
さ)を調節することで、点火コイル装置21を点火プラ
グ22の相対的な傾きθに対応して適宜点火プラグと結
合(可撓性ブーツ14を介しての結合)することができ
る。
【0135】本実施例では、図22に示すように回路ケ
ース9の下面に設けた環状溝90にOリング91を嵌め
て、このOリング91を介してシール性を保ちつつエン
ジンカバー24面上に点火コイル装置21を直接設置し
ている。
【0136】回路ケース9には凹部95を設けて、実質
の回路ケース9の厚みを減らして樹脂成形時のひけ防止
を図っている。
【0137】本実施例においても、第1実施例と同様の
作用,効果を奏する。
【0138】また、上記のノイズ防止コンデンサ71の
配置構成(回路ケース内装タイプ)やゴムブーツ14の
形状,構造は、内側を一次コイル,外側を二次コイルの
配置構造にした点火コイル装置においても適用可能であ
る。
【0139】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、いわゆ
る一次ボビン,二次ボビンの重ね合わせ状態でのコイル
巻線作業を可能にして、一次,二次コイル巻線機の共用
化或いはその回転シャフトの共用化,或いは回転シャフ
トの型式の統一化を図り、また、従来使用していた一次
・二次コイル間の渡り線接続作業やコイル仮止め作業を
不要にすることで、今までの巻線工程,一次・二次コイ
ル組み工程よりも製造プロセスの合理化を図り、生産性
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る点火コイル装置の縦
断面図(図3のB−B´線断面図)及びその一部を拡大
したE部拡大断面図。
【図2】図2のA−A´線断面図。
【図3】図1の点火コイル装置を上面からみた図で、回
路ケースの内部を樹脂充填前の状態で表している図。
【図4】第1実施例に使用する点火回路図。
【図5】本実施例に係る点火コイル装置のエンジンに取
り付けた状態を示す説明図。
【図6】(a)は点火コイル装置の原理回路図、(b)
は本発明に係る点火コイルの製造原理を示す説明図、
(c)は従来の点火コイルの製造原理を示す説明図。
【図7】第1実施例に用いる二次ボビンの部分斜視図。
【図8】第1実施例に用いる一次ボビンと二次ボビンの
組みの状態を示す部分斜視図。
【図9】第1実施例に用いる点火コイル組み及び回路ユ
ニットの位置関係を示す説明図。
【図10】第1実施例の二次ボビンを一次ボビンに挿入
する状態を示す部分斜視図。
【図11】(a)は第1実施例の一次ボビンの底面図、
(b)はその二次ボビンの底面図、(c)は上記(a)
のC−C´線断面図、(d)は一次ボビンと二次ボビン
の組みの状態を示す底面図。
【図12】第1実施例に用いるコイルケースの断面図。
【図13】点火コイル装置の製造過程を示す説明図。
【図14】点火コイル装置の製造例を示す説明図。
【図15】巻線機の回転シャフトと一次ボビン,二次ボ
ビンの取付例を示す説明図。
【図16】巻線機のモータから二次ボビン挿入状態の回
転シャフトを取り外した状態を示す説明図。
【図17】本発明の第2実施例に係る点火コイル装置の
要部断面図(図18のD−D´線断面図)。
【図18】図17の点火コイル装置を上面からみた図
で、回路ケースの内部を樹脂充填前の状態で表している
図。
【図19】第2実施例に用いる二次ボビンの部分斜視
図。
【図20】第2実施例に用いる一次ボビンと二次ボビン
の組みの状態を示す部分斜視図。
【図21】第2実施例に用いる点火回路図。
【図22】第2実施例の点火コイル装置の実装状態を示
す説明図。
【図23】第2実施例に用いるノイズ防止コンデンサの
取付状態を示す説明図。
【図24】第2実施例に用いるノイズ防止コンデンサの
取付状態を示す説明図。
【図25】従来の点火コイル製造例を示す説明図。
【符号の説明】
1…センターコア、2…二次ボビン、2A…二次ボビン
ヘッド、3…二次コイル、4…一次コイル、5…一次コ
イル、6…コイルケース、7…センターコア、8…絶縁
樹脂、9…回路ケース、9B…コネクタハウジング、1
8…一次・二次コイル兼用端子、19…一次コイル端
子、31,33,33…コネクタ端子、32,34,3
6…引出し端子(リード端子)、37…金属ベース、3
9…点火制御駆動素子、40…点火回路ユニット、41
…点火回路(ハイブリットIC)、62…回転シャフ
ト、71…点火ノイズ防止用コンデンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 英一郎 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 (72)発明者 小斉 隆秀 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 (72)発明者 植田 俊明 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 杉浦 登 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 小林 和俊 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルケースにセンターコア,一次ボビ
    ンに巻かれた一次コイル,二次ボビンに巻かれた二次コ
    イルを内装した点火コイル装置で、エンジンの各点火プ
    ラグホール内に装着されて個々の点火プラグに直結して
    使用される独立点火型のエンジン用点火コイル装置にお
    いて、 前記二次コイルを巻いた二次ボビンが前記一次ボビンの
    内側に配置され、 この二次ボビン側に一次コイル一端と二次コイル一端を
    電源に接続するための一次・二次コイル兼用のコイル端
    子と、一次コイル他端を点火制御の駆動素子に接続する
    ための一次コイル端子とが設けられていることを特徴と
    するエンジン用点火コイル装置。
  2. 【請求項2】 コイルケースにセンターコア,一次ボビ
    ンに巻かれた一次コイル,二次ボビンに巻かれた二次コ
    イルを内装した点火コイル装置で、エンジンの各点火プ
    ラグホール内に装着されて個々の点火プラグに直結して
    使用される独立点火型のエンジン用点火コイル装置にお
    いて、 前記二次コイルを巻いた二次ボビンが前記一次ボビンの
    内側に配置され、これらの両ボビンにはボビン同士の相
    対的な回り止めが設けてあり、前記二次ボビンのヘッド
    が前記一次ボビン上端よりも頭出しされ、この二次ボビ
    ンヘッドには、二次ボビンを巻線機の回転シャフトにセ
    ットした時に回転シャフト側に設けたボビン回り止めに
    係合する係合部が設けられていることを特徴とするエン
    ジン用点火コイル装置。
  3. 【請求項3】コイルケースにセンターコア,一次ボビン
    に巻かれた一次コイル,二次ボビンに巻かれた二次コイ
    ルを内装した点火コイル装置で、エンジンの各点火プラ
    グホール内に装着されて個々の点火プラグに直結して使
    用される独立点火型のエンジン用点火コイル装置におい
    て、 前記二次コイルを巻いた二次ボビンが前記一次ボビンの
    内側に配置され、これらの両ボビンにはボビン同士の相
    対的な回り止めが設けてあり、前記二次ボビンのヘッド
    が前記一次ボビン上端よりも頭出しされ、 且つ、この二次ボビンヘッドには、一次コイル一端と二
    次コイル一端を電源に接続するための一次・二次コイル
    兼用のコイル端子と、一次コイル他端を点火制御の駆動
    素子に接続するための一次コイル端子とが設けられ、 さらに、前記二次ボビンヘッドには、二次ボビンを巻線
    機の回転シャフトにセットした時に回転シャフト側に設
    けたボビン回り止めに係合する係合部が設けられている
    ことを特徴とするエンジン用点火コイル装置。
  4. 【請求項4】 点火制御の駆動回路を収容し且つ電源及
    び点火信号入力用のコネクタ端子を有する回路ケースが
    前記コイルケースと別個に成形され、前記回路ケースは
    前記コイルケースの上端に嵌合・接着により結合され、 この結合状態で前記回路ケース内に収容された前記駆動
    回路の金属ベースが前記二次ボビンのヘッド直上に位置
    すると共に、該回路ケースのコネクタ端子の一端及び前
    記駆動回路の引出し端子の各一端が前記二次ボビンヘッ
    ドに設けた前記一次・二次コイル兼用のコイル端子及び
    一次コイル端子と回路ケース内で重なり合うように設定
    されて、これらの重なり合う端子同士が溶接されている
    請求項1又は請求項3記載のエンジン用点火コイル装
    置。
  5. 【請求項5】 前記一次,二次コイル兼用のコイル端子
    は、端子金具単体に一次コイルのからげ部と二次コイル
    のからげ部を併設して成る請求項1又は請求項3又は請
    求項4記載のエンジン用点火コイル装置。
  6. 【請求項6】 前記二次ボビンは有底円筒形でその底部
    に二次コイルの高圧側一端と接続される高圧ダイオード
    が設けてあり、且つその底部近くの外周に位置合わせ用
    の凸部が配設してあり、 一方、前記一次ボビンは底部が開口し、この開口を通し
    て前記高圧ダイオードが一次ボビン底部より突出してコ
    イルケース内の高圧端子と接続され、且つ該一次ボビン
    底部には前記開口を挾む形で対向する一対の二次ボビン
    受けが一次ボビン底部よりも下方に突出するようにして
    設けてあり、この二次ボビン受けに前記凸部と係合する
    凹部が設けてあり、この凹凸係合により一次ボビンと二
    次ボビンの相対的な回り止めがなされている請求項1な
    いし請求項5のいずれか1項記載のエンジン用点火コイ
    ル装置。
  7. 【請求項7】 点火制御の駆動回路を収容し且つ電源及
    び点火信号入力用のコネクタ端子を有する回路ケースが
    前記コイルケースの上部に配置され、この回路ケースに
    前記点火制御の駆動回路に電気的に接続された点火ノイ
    ズ防止用コンデンサを封入した請求項1ないし請求項6
    のいずれか1項記載のエンジン用点火コイル装置。
  8. 【請求項8】 コイルケースにセンターコア,一次ボビ
    ンに巻かれた一次コイル,二次ボビンに巻かれた二次コ
    イルを内装した点火コイル装置で、エンジンの各点火プ
    ラグホール内に装着されて個々の点火プラグに直結して
    使用される独立点火型のエンジン用点火コイル装置の製
    造方法において、 前記一次ボビンの内側に前記二次ボビンが挿入されるよ
    う二次ボビン外径を一次ボビン内径より小径にすると共
    に前記両ボビンにはボビン同士の相対的な回り止めが設
    けてあり、 前記二次ボビン側に電源入力端子となる一次・二次コイ
    ル兼用端子と、一次コイルを点火制御の駆動素子に接続
    するための一次コイル端子とを設け、 且つ、前記二次ボビンを回転させて二次ボビンに二次コ
    イルを巻き、二次コイルの一端を前記一次・二次コイル
    兼用端子に接続する二次コイル巻線工程と、 その後、前記二次ボビンの外側に前記一次ボビンを嵌め
    込んで二次ボビンと共に回転させて一次ボビンに一次コ
    イルを巻き、一次コイルの一端を前記一次・二次コイル
    兼用端子に接続し、該一次コイルの他端を前記一次コイ
    ル端子に接続する一次コイル巻線工程と、を有すること
    を特徴とするエンジン用点火コイル装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 コイルケースにセンターコア,一次ボビ
    ンに巻かれた一次コイル,二次ボビンに巻かれた二次コ
    イルを内装した点火コイル装置で、エンジンの各点火プ
    ラグホール内に装着されて個々の点火プラグに直結して
    使用される独立点火型のエンジン用点火コイル装置の製
    造方法において、 前記一次ボビンの内側に前記二次ボビンが挿入されるよ
    う二次ボビン外径を一次ボビン内径より小径にすると共
    に、前記両ボビンにはボビン同士の相対的な回り止めが
    設けてあり、 前記二次ボビンに前記一次ボビン上端よりも頭出しされ
    るボビンヘッドを設け、該ボビンヘッドには、二次ボビ
    ンを巻線機の回転シャフトにセットした時に回転シャフ
    ト側に設けたボビン回り止めに係合する係合部を設け、 前記二次コイルと一次コイルの巻線作業を一台の巻線機
    で行われるよう巻線機を共用にして、 まず前記二次ボビンをそのヘッドを介して前記巻線機の
    回転シャフトに挿入セットし、該回転シャフトと一緒に
    二次ボビンを回転させることで二次ボビンに二次コイル
    を巻く二次コイル巻線工程と、 その後、前記巻線機に前記二次ボビンを取り付けたまま
    二次ボビンの外側に前記一次ボビンをボビン同士の回り
    止めを介して嵌めて、該一次ボビンを二次ボビンと一緒
    に回転させて該一次ボビンに一次コイルを巻く一次コイ
    ル巻線工程とを有することを特徴とするエンジン用点火
    コイル装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 コイルケースにセンターコア,一次ボ
    ビンに巻かれた一次コイル,二次ボビンに巻かれた二次
    コイルを内装した点火コイル装置で、エンジンの各点火
    プラグホール内に装着されて個々の点火プラグに直結し
    て使用される独立点火型のエンジン用点火コイル装置の
    製造方法において、 前記一次ボビンの内側に前記二次ボビンが挿入されるよ
    う二次ボビン外径を一次ボビン内径より小径にすると共
    に、前記両ボビンにはボビン同士の相対的な回り止めが
    設けてあり、 前記二次ボビンに前記一次ボビン上端よりも頭出しされ
    るボビンヘッドを設け、該ボビンヘッドには、二次ボビ
    ンを巻線機の回転シャフトにセットした時に回転シャフ
    ト側に設けたボビン回り止めに係合する係合部を設け、 前記二次コイルの巻線機と前記一次コイルの巻線機とは
    別々のもので巻線用の回転シャフトを着脱自在にして一
    次巻線機,二次巻線機に共用させ、 まず前記回転シャフトを二次巻線機に取付けて該回転シ
    ャフトに前記二次ボビンをそのヘッドを介して挿入セッ
    トし、該回転シャフトと一緒に二次ボビンを回転させる
    ことで二次ボビンに二次コイルを巻く二次コイル巻線工
    程と、 その後、該二次ボビンを取付けたまま前記回転シャフト
    を前記二次巻線機から外して、該回転シャフトを前記一
    次巻線機に取付けると共に二次ボビンの外側に前記一次
    ボビンをボビン同士の回り止めを介して嵌めて、該一次
    ボビンを二次ボビンと一緒に回転させて該一次ボビンに
    一次コイルを巻く一次コイル巻線工程とを有することを
    特徴とするエンジン用点火コイル装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 コイルケースにセンターコア,一次ボ
    ビンに巻かれた一次コイル,二次ボビンに巻かれた二次
    コイルを内装した点火コイル装置で、エンジンの各点火
    プラグホール内に装着されて個々の点火プラグに直結し
    て使用される独立点火型のエンジン用点火コイル装置の
    製造方法において、 前記一次ボビンの内側に前記二次ボビンが挿入されるよ
    う二次ボビン外径を一次ボビン内径より小径にすると共
    に、前記両ボビンにはボビン同士の相対的な回り止めが
    設けてあり、 前記二次ボビンに前記一次ボビン上端よりも頭出しされ
    るボビンヘッドを設け、該ボビンヘッドには、二次ボビ
    ンを巻線機の回転シャフトにセットした時に回転シャフ
    ト側に設けたボビン回り止めに係合する係合部を設け、 前記二次コイルの巻線機と前記一次コイルの巻線機とは
    別々のもので巻線用の回転シャフトを共通型式のものと
    し、 まず前記二次ボビンをそのヘッドを介して二次巻線機の
    回転シャフトに挿入セットし、該回転シャフトと一緒に
    二次ボビンを回転させることで二次ボビンに二次コイル
    を巻く二次コイル巻線工程と、 その後、該二次ボビンを前記二次巻線機から外して、前
    記一次巻線機の回転シャフトに二次ボビンヘッドを介し
    て挿入セットすると共に二次ボビンの外側に前記一次ボ
    ビンをボビン同士の回り止めを介して嵌めて、該一次ボ
    ビンを二次ボビンと一緒に回転させて該一次ボビンに一
    次コイルを巻く一次コイル巻線工程とを有することを特
    徴とするエンジン用点火コイル装置の製造方法。
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