JP4034212B2 - エンジン用点火コイル装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの各点火プラグホール内に装着されて個々の点火プラグに直結して使用される独立点火型のエンジン用点火コイル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、上記した独立点火型のエンジン用点火コイル装置が開発され、実用化されている。この種の独立点火型のエンジン用点火コイル装置は、点火コイルと点火プラグが直結されるため、ディストリビュータを不要とし、その結果、ディストリビュータ,その高圧コード等で点火コイルへの供給エネルギーが降下するようなことがなく、しかも、点火エネルギーの降下といった配慮をすることなく点火コイルを設計できるために、コイル容積を小さくし、点火コイルの小形化を図れると共に、ディストリビュータの廃止によりエンジンルーム内の部品装着スペースの合理化を図れるものとして評価されている。
【0003】
独立点火型の点火コイル装置は、ペンシル形を呈するためにペンシルコイルと通称され、細長円筒形のコイルケースの内部にセンターコア(磁路鉄心で珪素鋼板を多数積層したもの),一次コイル,二次コイルを内装しており、一次,二次コイルはそれぞれのボビンに巻かれ、センターコアの周囲に同心円をなして配置されている。このような一次,二次コイルを収容するコイルケース内には、絶縁用樹脂を注入硬化させたり絶縁油を封入することでコイルの絶縁性を保証している。
【0004】
いわゆるペンシルコイルにおいて、一次,二次コイルを同心円状に配置した場合の形態としては、一次コイルを内側,二次コイルを外側に配置するものと(例えば、特開平8−255719号公報、特開平9−7860号公報,特開平9−17662号公報に記載のもの)、二次コイルを内側,一次コイルを外側に配置したもの(例えば、特開平8−93616号公報、特開平8−97057号公報、特開平8−144916号公報、特開平8−203757号公報等に記載のもの)がある。
【0005】
従来のこの種の点火コイル製造は、図6(c)に示すように、一次ボビン4への一次コイル5の巻線工程と、二次ボビン2への二次コイル3の巻線工程とを別々に行い、一次コイル5の巻線工程では、そのコイル一端5aを一次ボビン4に設けた一次コイル端子(端子金具)1(丸印)に接続し、コイル他端5bを一次コイル端子(端子金具)2(丸印)に接続し、一方、二次コイル3の巻線工程では、そのコイル一端3aを二次ボビン2に設けた低圧側二次コイル端子(端子金具)3(丸印)に接続し、コイル他端3bを高圧側二次コイル端子(端子金具)4(丸印)に接続する。これらの端子へのコイル接続は、一般にコイル端を端子にからげた(巻き付けた)後に半田付けすることで行われている。
【0006】
上記巻線完了後に一次コイル5(一次ボビン4を含む)を二次ボビン2に内挿し、次いで電源入力側に接続される一次コイル端子1(丸印)と二次コイル端子3(丸印)を渡り線Mを介して電気的に接続していた。
【0007】
なお、図6(c)とは逆に、二次コイルを内側に、一次コイルを外側に配置するタイプの点火コイルであっても、従来は図25に示すように図6(c)とほゞ同様の一次巻線工程、二次巻線工程、コイル組み工程を踏襲していた。図22において、図6と同一符号は同一要素を示す。
【0008】
その他、先に挙げた特開平8−93616号公報、特開平8−97057号公報、特開平8−144916号公報、特開平8−203757号公報等に記載の独立点火型コイル装置も、一次巻線工程,二次巻線工程を別々に行った後に二次コイル(二次ボビンを含む)を一次コイル(一次ボビンを含む)の内側に挿入するものであるが、この公知例では、一次ボビンの上部に設けた蓋部に上記図6(a)の端子1(丸印)、2(丸印)、3(丸印)に相当する端子金具を設けている。この場合、二次コイルの一端(低圧側一端)は二次コイルの巻線工程で二次ボビンに一旦仮止めされ、この二次ボビンを一次ボビンに内挿した後にその二次コイル一端が引出されて一次ボビン側に設けた端子3(丸印)に接続され、この端子3(丸印)と端子1(丸印)とが渡り線M或いはそれに類した接続部材を介して接続される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、一次・二次コイルの端部の接続構成を改良して、エンジン用点火コイル装置の生産性を向上させることにある。
【0010】
本発明は、一次ボビンに内挿された二次ボビンのヘッドを一次ボビンより頭出しすると共に、二次ボビンヘッドの周囲に一次コイル一端と二次コイル一端を電源に接続するための一次・二次コイル兼用のコイル端子が設けられていることを特徴とする。
【0011】
さらに好適には、二次ボビンヘッドの周囲に一次コイル他端を点火制御の駆動素子に接続するための一次コイル端子〔図6(a)の2(丸印)端子に相当する〕とを設けることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面により説明する。
【0013】
まず、図1〜図16により第1の実施例に係わる点火コイル装置(ペンシルコイル)を説明する。
【0014】
図1に点火コイル装置21の縦断面図(図3のB−B´線断面矢視図)及びその一部を拡大したE部拡大断面図を示し、図2に図1のA−A′線断面図を示す。図3は図1の点火コイル装置を上面からみた図で、回路ケース9の内部を樹脂充填前の状態で表わしている。
【0015】
細長円筒形のコイルケース(外装ケース)6の内部には、中心から外側に向けて順にセンターコア1,二次ボビン2,二次コイル3,一次ボビン4,一次コイル5が配置され、それらの隙間には注入硬化した樹脂モールド(絶縁性エポキシ樹脂)8が介在している。
【0016】
二次コイル3を巻線た二次ボビン2の外径は、一次ボビン4の内径よりも小径に形成して、二次ボビン2及び二次コイル3が一次ボビン4の内側に位置している。
【0017】
一次ボビン4は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性合成樹脂で成形され、一次コイル5が巻線されている。一次コイル5は線径0.3mm程度のエナメル線を一層あたり数十回ずつ数層にわたり合計100〜300回程度巻き回される。なお、図1のE部拡大断面図では、作図の便宜上、一次コイル5を模式的に一層で表現しているが、実際は上記のように数層で構成されている。
【0018】
二次ボビン2は変性ポリフェニレンオキサイド(変性PPO)等の熱可塑性樹脂で成形され、該ボビン2に巻かれる二次コイル3は、線径0.03〜0.1mm程度のエナメル線を用いて合計5000〜20000回程度分割巻きされている。二次ボビン2,一次ボビン4の構造及びそのボビン組み(コイル組み)については、図7〜図11を用いて後で詳述する。
【0019】
コイルケース6は一次ボビン4と同じような熱可塑性樹脂で成形されており、その上部に配置したコネクタ9B付き回路ケース(点火制御ユニットケース或いはイグナイタケースと称せられることもある)9とは別々に成形されている。回路ケース9は、点火制御の駆動回路(点火回路)のユニット40を収容すると共に、コネクタ部(コネクタハウジング)9Bと一体成形されている。回路ケース9及びそのコネクタ端子等については、後述する。
【0020】
センターコア1は、その断面積を増やすように、例えば、図2に示すように、幅長を数段階に設定した多数の珪素鋼板をプレス積層して成り、二次ボビン2の内径に挿入される。
【0021】
コイルケース6の外側面に装着されるサイドコア7は、センターコア1と協働して閉磁路を構成するもので、薄い珪素鋼板を管状に丸めて成形される。サイドコア7は磁束の1ターンショートを防ぐため、サイドコア7円周上において少なくとも1箇所は軸方向に切れ目を設けている。本実施例では、サイドコア7は、珪素鋼板を複数枚(ここでは2枚)重ねて、うず電流損を減らして出力向上を図っているが、1枚で構成してもよく、2枚以上であってもよい。
【0022】
センターコア1と二次ボビン2の間、二次コイル3と一次ボビン4との間、一次コイル5とコイルケース6との間にはエポキシ樹脂8が注入されて絶縁性が保証されている。
【0023】
二次ボビン2は、その外周に二次コイル3の分割巻きのためのフランジ2Bが軸方向に所定間隔を置いて多数配設される。
【0024】
二次ボビン2の上部には、ボビンヘッド2Aが二次ボビン2と一体に成形してある。ボビンヘッド2Aは一次ボビン4の上端よりも頭出しされるように設定されている。
【0025】
図7に、二次ボビン2に二次コイル3を巻線した工程後のボビンヘッド2A付近の拡大斜視図を示し、図8に図7の二次ボビン2を一次ボビン4に内挿した時のボビンヘッド2A付近の拡大斜視図を示す。なお、図1では、ボビンヘッド2Aについては部分断面して、断面しない部分についてはボビンヘッド外側面の一部を表わしている。
【0026】
本例のボビンヘッド2Aは長方体の箱形を呈し、ボビンヘッド2Aの外側面に、点火コイルの製造過程において二次ボビン2を巻線機の回転シャフト62(図15参照)に挿入セットした時に回転シャフト側に設けたボビン位置決め兼用の回り止め64に係合する係合部2Dが設けてある。
【0027】
本例の係合部2Dはボビン軸方向に延びる凸条を呈しており、回転シャフト62側の回り止め64はシャフト62の軸方向に平行な2本のピン64をカップリング63の一端面に配設してなり、このピン64間に凸条係合部2Dが嵌まるようにしてある。
【0028】
ボビンヘッド2Aの内部には、上部開口部を通して図1に示すようなマグネット16,軟質エポキシ樹脂のカバー部材17が充填される。また、二次ボビン2側であるにもかかわらず、そのボビンヘッド2Aの外側面に一次・二次コイル兼用のコイル端子18と一次コイル端子19とが設けてある。
【0029】
ここで、一次・二次コイル兼用端子18は、図6(b)の兼用端子1(丸印)、3(丸印)に相当する。すなわち、二次コイル3の一端3aを取り出して電源に接続するためのコイル端子〔図6(a)の回路における3(丸印)端子に相当する〕と、一次コイル5の一端5aを取り出して電源に接続するためのコイル端子〔図6(a)の回路における1(丸印)端子に相当する〕としての機能をなす。
【0030】
一方、一次コイル端子19は、図6(a)の回路及び図6(b)における2(丸印)端子に相当し、一次コイル5の他端5bを取り出して点火回路ユニットのパワートランジスタ(点火コイル駆動素子)39のコレクタに接続される。
【0031】
図7,図8に示すように一次・二次コイル兼用端子18は、帯状の金属板で成形され、その取付脚部18cを介して二次ボビンヘッド2Aの一外側面に設けたポケット20に圧入固定される。その一端18′はLの字状に立ち上げ成形されて、この立ち上げ部分18′が図1,図9に示すように電源入力用のコネクタ端子31の一端31bに溶接等で接合される。なお、図9は、点火コイル装置からコイルケース6及び点火回路ケース9を取り去って、一次コイル5を巻き回した一次ボビン4,二次コイル3を巻き回した二次ボビン2のボビン組み(一次・二次コイル組み)と二次ボビンヘッド2A上に設置される点火回路ユニット(イグナイタと称せられることもある)40との結合関係を示す斜視拡大図であり、図9中における点火回路ユニット40及びその引出し端子32,34,36は実際には図3に示すように回路ケース9内に収容され、また、コネクタ端子31,33,35は回路ケース(樹脂ケース)9中にその一部が埋設されている。
【0032】
一次・二次コイル兼用端子18は金具単体より成り、図7及び図8に示すように二次コイル3の一端3aを引出してからげる(巻き付ける)部分18aと、一次コイル5の一端5aを引出してからげる部分18bとが一体成形してあり、このからげ部18a,18bでコイル一端3a,5aがそれぞれからげられた後に半田付けされる。二次ボビン2の上端フランジ2B′には二次コイル一端3aを端子金具18に導くための切欠き2Cが形成してあり、同様に一次ボビン4の上端フランジ4Aにも一次コイル一端5aを端子金具18に導くための切欠き4Bが形成してある。
【0033】
一次コイル端子19も帯状の金属板で成形され、二次ボビン2の上記ポケット20のある位置と反対側の外側面に設けたポケット(図示省略)に圧入固定され、また、その一端19′がLの字状に立ち上げ成形され、且つ水平に張り出す腕部19″が一次・二次コイル兼用端子18側に向けて延設されて先端部19′が端子18側の先端部18′と近接位置で平行に並ぶように配置されている。この一次コイル端子19は、図9に示すように点火回路ユニット40側の引出し端子(リード端子)32に溶接により接続される。引出し端子32は、図1,図3に示すように点火回路ユニット40のパワートランジスタ39のコレクタ側にワイヤボンディング42を介して電気的に通じている。
【0034】
図9に示すようにコネクタ端子(コネクタピン)には、既述したコネクタ端子31の他にコネクタ端子33,35がある。
【0035】
ここで、コネクタ端子31,33,35と点火制御の駆動回路との関係について説明する。
【0036】
図4は点火コイル装置21の回路ケース9に搭載される点火駆動回路41と一次コイル5,二次コイル3との電気配線図である。
【0037】
一次コイル5の一端5aと二次コイル3の一端3aは、二次ボビン2に設けた一次・二次コイル兼用端子18及びコネクタ端子31を介して直流電源の+側に接続される。一次・二次コイル兼用端子18は、図6の点火コイル原理図で述べた一次・二次コイル兼用端子1(丸印)、3(丸印)に相当する。
【0038】
一次コイル5の他端5bはダーリントン接続されたパワートランジスタ39のコレクタ側に二次ボビンに設けた一次コイル端子19及び点火回路ユニット40に設けたリード端子32を介して接続される。一次コイル端子19は先に述べた一次コイル端子2(丸印)に相当する。
【0039】
二次コイル3の他端3bは、高圧ダイオード10を介して点火プラグ22に接続される。高圧ダイオード10は、二次コイル3で発生した高電圧を図1に示す板ばね11,高圧端子12,スプリング13を介して点火プラグ22に供給する場合に過早着火を防止する役割をなす。
【0040】
図示されないエンジンコントロールユニットで生成された点火制御信号はコネクタ端子33及び点火回路ユニット40に設けたリード端子34を介してパワートランジスタ39のベースに入力される。この点火制御信号に基づいてパワートランジスタ39がオン・オフ制御されて一次コイル5が通電制御され、一次コイル5の遮断時に二次コイル3に点火用の高圧電圧が誘起される。
【0041】
パワートランジスタ39の二段目トランジスタのエミッタ側は点火回路ユニット40に設けたリード端子36及びコネクタ端子35を介してアースに接続されている。
【0042】
以上のことから、図3及び図9に示すように、一次・二次コイル兼用端子18の一端18´とコネクタ端子31の一端31bとが溶接により接続され、一次コイル端子19の一端19´と点火回路ユニット側のリード端子32の一端とが溶接により接続され、コネクタ端子33と点火回路ユニット側のリード端子34の一端同士が溶接により接続され、コネクタ端子35とリード端子36の一端同士が溶接により接続される。
【0043】
なお、図4において、71は点火コイルの通電制御により発生するノイズを防止するためのノイズ防止用コンデンサで、電源線とアース間に配置され、本例では点火回路ユニットを収容するケース外部に配置してある。例えば、ノイズ防止用コンデンサ71はエンジンルーム内の配線(エンジンハーネス)のアースポイントに配置してある。
【0044】
点火信号入力端子34及びパワートランジスタ39のベース間に設けた抵抗72、及び抵抗72・アース間に設けたコンデンサ73は、サージ保護回路を形成する。抵抗74,76及びツェナーダイオード75は点火制御系の過電流制限回路を形成する。77は一次電圧制限用ダイオード、78は逆電流印加時の保護回路を構成するダイオードである。
【0045】
図1,図3,図9に示すように、点火回路ユニット40側のリード端子32,34,36は、箱形にプレス成形されたアルミ製の金属ベース37に接着された合成樹脂製の端子台38上に固定されている。また、上記した端子18・31と、19・32と、33・34と、35・36とは、それらの接合部が同一方向に向いて平行に配列されることで、溶接を行い易くしてある。
【0046】
点火回路ユニット40は、上記した抵抗72,コンデンサ73,トランジスタ74,ツェナーダイオード75,抵抗76,ツェナーダイオード77,ダイオード78より成るハイブリットIC回路41と、パワートランジスタ39とを金属ベース37内に配設して成り、金属ベース37にはシリコンゲルが充填されている。
【0047】
点火回路ユニット40を収容する回路ケース(イグナイタケース)9は、上記したコネクタ端子31,33,35を収容するコネクタハウジング9Bと一体にモールド成形される。
【0048】
図1,図3に示すように回路ケース9は、点火回路ユニット40を収容する個所がケース側壁9Aにより囲んでおり、また、点火回路ユニット40は図3に示すように側壁9Aに囲まれるスペースの床面(内)9E上に位置決め突起9Dに案内されて載置されている。床面9Eの中央はコイルコース6側の開口面に臨むように開口している。
【0049】
回路ケース9は、コイルケース6と別個に成形され、コイルケース6の上端に嵌合接着により結合される。この結合状態は、図3に示すようにコイルケース6の上部外周に設けた突起6Aが回路ケース9側の凹溝9Fに周り止め状態で係合する。
【0050】
上記結合状態で回路ケース9内に収容された点火回路ユニット40の金属ベース37が二次ボビン2のヘッド2A直上に配置されると共に、回路ケース9のコネクタ端子31の一端31´及びリード端子32の一端がそれぞれ二次ボビンヘッド2A側に設けた一次・二次コイル兼用の端子18及び一次コイル端子19の各一端と回路ケース9内で重なり合うように設定されて、これらの重なり合う端子同士の溶接が容易に行われるように配慮されている。また、点火回路ユニット40をセットした時には、点火回路ユニット40側の引出し端子34及び36もそれぞれ対応のコネクタ端子33,35と自ずと位置合わせされる。
【0051】
また、回路ケース9は側壁9Aの周囲にフランジ9Cを形成しており、このフランジ9Cの一部に点火コイル装置21をエンジンカバーに取付けるためのねじ孔25が配設してある。回路ケース9の内部は絶縁用エポキシ樹脂43で覆われている。
【0052】
次に二次ボビン2及び一次ボビン4の底部側の構造について図10及び図11により説明する。
【0053】
図10は、一次ボビン4に二次ボビン2・二次コイル3を内挿する場合の底部付近の斜視図を示す。図11には、一次ボビン4,二次ボビン2の底面図及びそれらを組みにした状態の底面図が示してある。
【0054】
図10,図11に示すように、二次ボビン2は、底部が閉じて有底円筒状に形成され、その底部外面に高圧ダイオード10を取り付けるための突起2Eが設けてある。二次コイル3の一端3bは、図1に示すように高圧ダイオード10及び板ばね11を介して高圧端子12に接続される。
【0055】
一次ボビン4の底部は開口しており、二次ボビン2を一次ボビン4に内挿すると、高圧ダイオード10が一次ボビン4の底部開口4′から突出するようにしてある。また、一次ボビン4の底部には開口4′を挾む形で対向する一対の二次ボビン受け4Dが一次ボビン4の底部側フランジ(底部一端面)4Cよりも下方に突出するようにして配設されている。
【0056】
二次ボビン受け4Dは、二次ボビン2をそのフランジ2B(最下端のフランジ)を介して受け、ボビン受け4D同士の対向辺は直線で残りの輪郭が円弧状をなした形で、対向辺の中心から半径方向に向けて凹部(溝部51)が設けてあり、二次ボビン2の底部側外周に設けた凸部52と凹凸係合することで、二次ボビン2と一次ボビン4との相対的な回り止めを図っている。
【0057】
また、一次ボビン4の底部フランジ4Cには、下方に向けた一対の突起53が設けてあり、この突起53は図12に示すようにコイルケース6の内周一部に設けた一次ボビン受け6Aの位置決め用の溝6Bと係合することで、コイルケース6と一次ボビン4との相対的な回り止めが図られている。
【0058】
二次ボビン2の底部2は、図11(b)に示すように、略円形であるが左右に僅かに平面をなすカット面2Gを有し、このカット面2Gが図11(d)に示すように二次ボビン受け4Dの対向辺(直線)に適合して一次ボビン4の底部開口4′に位置するようにしてある。また、カット面2Gの位置に上記凸部52が設けてある。
【0059】
二次ボビン受け4Dに形成した凹部51には、図11(c)に示すようにその上端にテーパ51′を設けて凹部51の間口を広げることで、二次ボビン2の内挿時に凸部52が凹部51と多少位置ずれしてもテーパ51′に案内されて入り易くしている。
【0060】
なお、一次ボビン4側の底部に設けた2次ボビン受け4Dを、底部開口4′を挾んで対向配設し且つ一次ボビン底部より下方に突出させることで、一次ボビン4底部に二次ボビン受け2Dの無い側面スペース4″を確保することができる。
この側面スペース4″を介して図11(d)の矢印Pに示すように絶縁樹脂8′の注入時に一次ボビン4・二次ボビン2(2次コイル3)内外周間の隙間とコイルケース6・一次ボビン4(一次コイル5)内外周間の隙間との間の樹脂流通性を良好にして、一次ボビン4底部の注入絶縁樹脂中の気泡が抜けるようにしてある。
【0061】
二次ボビン2の底部にはマグネット15及び発泡ゴム45が積層状に配置され、その上にセンターコア1が内挿されている。このマグネット15及び2次ボビンヘッド2Aに設けたマグネット16は、磁路(センターコア1,サイドコア7)中に反対方向の磁束を発生させることにより、点火コイルをコアの磁化曲線の飽和点以下で動作させることができる。
【0062】
発泡ゴム45は、点火コイル装置21の絶縁樹脂8の注入時及び使用時の温度変化に伴うセンターコア1と二次ボビン2の熱膨張差を吸収する(熱応力緩和)。
【0063】
コイルケース6の下端には、点火プラグ22(図5参照)を挿入するための筒壁6′がスプリング13を囲むようにして形成される。この筒壁6′はコイルケース6と一体成形され、筒壁6´に点火プラグ22を絶縁しつつ装着するための可撓性絶縁材で形成したブーツ例えばゴムブーツ14が取付けてある。
【0064】
図5に上記構成より成る点火コイル装置21をエンジンのプラグホール23内に装着した状態を示す。
【0065】
点火コイル装置21はエンジンカバー24及びガイドチューブ23Aを通してプラグホール23内に挿入され、ゴムブーツ14が点火プラグ22の周囲に密着して、点火プラグ22の一部がコイルケース6の一端筒壁6′に導入されスプリング13を圧接することで、点火コイル装置21が点火プラグ22に直結する。
点火コイル装置21は、回路ケース9に設けたねじ孔25(図1参照)及びエンジンカバー24に設けたねじ孔26をねじ27により締め付け、且つコイルケース6上部に設けたシールゴム28をエンジンカバー24の点火コイル装置挿通孔24周縁に設けた環状凸部29に嵌合させることで固定されている。
【0066】
シールゴム28の内面には、図1に示すように縦溝92が設けてある。この縦溝92はシールゴム28を点火コイル装置21と共に装着する時に、シールゴム28のフランジ(エンジンカバー側の凸部29に嵌まり込む部分)の中の空気を逃がしてシールゴム28の取付作業を容易にする機能と、エンジンカバー24内を大気と連通させて大気圧状態を保持することにある。後者の機能は、仮にこの溝92がないと、エンジン熱により高温状態にあるエンジンカバー内がエンジンカバーに水がかかって急に冷却された時に負圧状態になり、その結果、シールゴム28が存在してもその負圧力によりシールゴム28周りにたまった水を引き入れてしまうので、そのような負圧にならないようにするためのもので、溝92の大気取り入れ口は、エンジンカバー上のたまり水(車が道路上の水等をはねて侵入した水がエンジンカバー上に付着したもの)が流入しないようにある程度エンジンカバーより高い位置に設定してある。
【0067】
次に上記構成より成る点火コイル装置21を製造する場合の手順について図13,図14により説明する。
【0068】
図13に示すように、先ず二次ボビン2に二次コイル3を巻き回して二次コイルの一端3aを一次・二次コイル兼用端子18に接続する。この接続はコイル一端3aを端子18に巻き付け(からげ)半田付けすることで行われる。また、二次コイル3の他端3bも高圧側である二次コイル端子(ここでは高圧ダイオード10)に接続される。次いで、導通試験が行われる。
【0069】
二次コイル3が巻線された二次ボビン2は一次ボビン4に内挿固定され、この状態(一次,二次ボビン重ね状態)で、一次ボビン4に一次コイル5を巻き回すと共に、一次コイルの一端5aを上記の一次・二次コイル兼用端子18に接続し、一次コイルの他端5bを一次コイル端子19に接続する。これらの接続は、コイル巻き付けと半田付けにより行われる。この場合、一次・二次コイル兼用端子18と一次コイル端子19を二次ボビン2側に設けたとしても、端子18,19は二次ボビンヘッド2Aと共に1次ボビン4の一端より外に位置するため、一次コイル5の両端5a及び5bを容易に端子18,19に導いて上記からげ及び半田付け作業を行うことができる。次いで、一次コイルの導通試験が行われる。
【0070】
次いで板ばね11(図14参照)を高圧ダイオード10と接続されるように高圧ダイオード10のリード端子に結合させた後、二次ボビン2内に発泡ゴム45,マグネット15,センターコア1,マグネット16を内挿し、その後、ボビンヘッド2A内に軟質エポキシ樹脂を注入し硬化させる。
【0071】
ここで、二次コイル3の巻線工程と一次コイル5の巻線工程に使用する巻線機については図示省略するが、基本的には回転シャフトにボビンをセットして、ボビンを回転させてエナメル線を巻き回すものであるが、その応用例としては、種々の態様が考えられる。
【0072】
一つは、一台の巻線機に一次コイル用のエナメル線リールと二次コイル用のエナメル線リールとを備え、且つこれらのリールからそれぞれのエナメル線を引出して回転シャフトの周辺で巻線及びからげに必要な往復動作,旋回動作等を行うハンド機構とを備えて、巻線機一台で一次コイル,二次コイルの巻線を行うものが考えられるが、この場合、本実施例に用いる二次ボビン構造によれば、巻線機の回転シャフトについても共用化を図ることができる。
【0073】
図15に上記巻線機の回転機構を示す。回転機構は回転シャフト62とモータ61とに大別され、回転シャフト62はシャフト62の一部を成すジョイント(カップリング)63を介してモータ61の出力シャフト62´(図16参照)に着脱自在に結合され、また、回転シャフト62が出力シャフト62´と一体に回転するジョイント構造としてある。回転シャフト62は、その先端からシャフト途中位置までスリット65が切られて割ピン状に形成され、二次ボビン2の挿入前の状態では回転シャフト62の割ピン部の少なくとも一部62Aが二次ボビン2の内径よりも拡がり、且つ先端に二次ボビン2を案内するためのテーパ62Bが形成されている。また、回転シャフト63の一部(ここではジョイント63の一端面)には、二次ボビンヘッド2Aに設けた係合部2Dと係合するボビン位置決め兼回り止め用のピン64が2本配設され、このピン64間に二次ボビンヘッド2A側の係合部2Dが係合するようにしてある。
【0074】
上記した共用の巻線機を使用する場合には、図15(a)(b)に示すように、まず二次ボビン2を巻線機の回転シャフト62にシャフトテーパ62Bを利用して押し込むと、シャフト62の割ピン部62Aが径が小さくなる方向に弾性変形して、二次ボビン2が回転シャフト62に挿入セットされ、このとき割ピン部62Aが自身の弾性復帰力によりボビン2の内面に圧接し、且つ二次ボビンヘッド2Aに設けた係合部2Dが回転シャフトの回り止めピン64間に係合することで、二次ボビン2の両端が回転シャフト62上で強固に固定される。
【0075】
したがって、二次巻線時に二次ボビン2を回転シャフト62で片持ちさせて回転シャフト62と一体的に二次ボビン2を高速回転させても、二次ボビン2に滑りや回転ぶれが生ぜず、高精度の精密巻きが要求される二次コイル3の巻線を可能にする。
【0076】
二次コイル3の巻線及び二次コイル端のコイル端子18へのからげ(半田付けを含む)を実行した後、図15(c)に示すように回転シャフト62に二次ボビン2を取り付けたまま二次ボビンの外側に一次ボビン4をボビン同士の回り止め52,51(図10,図11に示す)を介して嵌め込み、且つ図示しないボビン支持具で一次ボビン4の一端(二次ボビンの高圧ダイオード10が位置する側)を回転自在に支えて、一次ボビン4を二次ボビン2と一緒に回転させて該一次ボビン4に一次コイル5を巻く。
【0077】
このような巻線方法のほかに、二次コイルの巻線機と一次コイルの巻線機とは別々のもので、巻線用の回転シャフト62だけを図16に示すように着脱自在にして一次巻線機,二次巻線機に共用させることも可能である。
【0078】
この場合には、まず、回転シャフト62を図15(a)同様に巻線機(ここでは二次巻線機のモータ)に取付けて、図15(b)と同様のセット形態で該回転シャフト62に二次ボビン2をそのヘッド2Aを介して挿入セットし、該回転シャフト62と一緒に二次ボビン2を回転させることで二次ボビン2に二次コイル3を巻き回す。
【0079】
その後、該二次ボビン2を取付けたまま回転シャフト62を二次巻線機から外して(図16参照)、該回転シャフト62を一次巻線機に取付けると共に二次ボビン2の外側に一次ボビン4を上記図15(c)同様にボビン同士の回り止め51,52を介して嵌め込んで、該一次ボビン4を二次ボビン2と一緒に回転させて一次ボビン4に一次コイル5を巻く。
【0080】
さらに、上記回転シャフト共用方式に代えて、二次コイルの巻線機と一次コイルの巻線機とは別々のもので巻線用の回転シャフトもそれぞれ用意するが、それらの回転シャフト62を共通型式のものとすることも可能である。
【0081】
この場合には、まず二次ボビン2をそのヘッド2A(係合部2D)を介して二次巻線機の回転シャフト62に挿入セットし、該回転シャフト62と一緒に二次ボビン2を回転させることで二次ボビン2に二次コイル3を巻く。その後、該二次ボビン2を二次巻線機から外して、一次巻線機の回転シャフトに二次ボビンヘッド2A(係合部2D)を介して挿入セットすると共に二次ボビン2の外側に一次ボビン4をボビン同士の回り止め51,52を介して嵌め込んで、該一次ボビン4を二次ボビン2と一緒に回転させて一次ボビン4に一次コイル5を巻く。
【0082】
図13に示す一連の工程を経て製作されたコイル組立体は、図14に示すようにコイルケース6及び回路ケース9の組立体に高圧端子12,板ばね11,点火回路ユニット40と共に内挿される。ここで、前述したように一次・二次コイル兼用端子18とコネクタ端子31が、一次コイル端子19と点火回路ユニット側のリード端子32が、コネクタ端子33と点火回路ユニット側のリード端子34が、コネクタ端子35とリード端子36がそれぞれプロジェクション溶接により
接続される。
【0083】
上記のコイル組立体をコイルケース6に挿入するに先立ち回路ケース9とコイルケース6との嵌合・接着がなされ、また、コイル組立体を挿入後にコイルケース6にサイドコア7の圧入及びゴムブーツ14の圧入がなされ、さらにエポキシ樹脂43の注入,硬化が行われる。
【0084】
本実施例の主な作用,効果は次の通りである。
(1)精密巻きが要求される二次コイル3については予め巻線して、この二次コイル3が巻かれた二次ボビン2の外側に一次ボビン4をボビン同士の回り止めを保証しつつ嵌め込んで、二次ボビン2と一緒に一次ボビン4を回転させて、一次ボビン4に一次コイル5を巻くが、この手法によれば、一次コイル5は二次コイル2ほどの精密巻きが要求されずしかも巻線が容易なので、支障がない。したがって、一次,二次ボビンの組み(重ね)状態でのコイル巻線作業を可能にする。
(2)このようなボビン組みの状態での巻線作業を可能にする結果、一次,二次巻線機の共用化,或いは一次,二次巻線機の回転シャフトの共用化,或いは一次,二次巻線機の回転シャフトの型式の統一(シャフトの互換性)を図ることができる。
(3)さらに、二次ボビン3に一次・二次コイル兼用端子18(1(丸印)、3(丸印))を設けることで、従来のように一次端子1(丸印)と二次端子3(丸印)を渡り線M〔図6(c)参照〕を介して接続する必要性がなくなり渡り線Mの接続工程を省略できる。また、上記したようにボビン組みの状態での一次巻線を保証することで、一次コイル5を一次ボビン4に仮止めすることなくダイレクトに二次ボビン2側に設けた一次・二次コイル兼用端子18及び一次コイル端子19に接続することができる。
(4)一次ボビン4に内挿された二次ボビン2のヘッド2Aを一次ボビン3より頭出しすることで、上記一次・二次コイル兼用端子18及び一次コイル端子19を二次ボビン2に設ける場合であっても設置スペースを充分に確保できる。
(5)回路ケース9をコイルケース6の上端に嵌合・接着により結合した時に、回路ケース9のコネクタ端子31の一端31´及びリード端子32の一端がそれぞれ二次ボビンヘッド2A側に設けた一次・二次コイル兼用の端子18及び一次コイル端子19の各一端と回路ケース9内で重なり合うように設定されて、これらの重なり合う端子同士の溶接が容易に行われる。また、回路ユニット40は位置決め部材9Dを介して正確に位置決めされるので、コネクタ端子33・回路ユニット側のリード端子34、コネクタ端子34・回路ユニット側のリード端子36との位置決めも正確になされる。したがって、端子同士の接合時に位置ずれが生ぜず、作業性,品質向上を高める。
(6)一次ボビン4底部に二次ボビン受け2Dの無い側面スペース4″を確保することで、絶縁樹脂8の注入時に一次ボビン4・二次ボビン2(二次コイル3)内外周間の隙間とコイルケース6・一次ボビン4(一次コイル5)内外周間の隙間との間の樹脂流通性を良好にして、一次ボビン4底部の注入絶縁樹脂中の気泡抜きを良好にし、点火コイルの絶縁性能を向上させる。
【0085】
次に本発明の第2実施例について図17から図24により説明する。
【0086】
図17は、第2実施例に係わる点火装置の部分断面図(図18のD−D′断面図)である。図中、第1実施例に用いた符号と同一のものは同一或いは共通する要素を示す。図18は図17の点火コイル装置を上面からみた図で、回路ケース9の内部を樹脂充填前の状態で表わしている。なお、図17のF−F´線断面図は図2と同様であるため図示省略する。
【0087】
本実施例においては、第1実施例と異なる主な相違点を述べる。
【0088】
本実施例における点火ノイズ防止用コンデンサ71(以下、ノイズ防止コンデンサ71と称する)は回路ケース9に内装してある。そのため、既述のコネクタ端子の金具(電源接続用コネクタ端子31,点火信号入力用のコネクタ端子33,点火回路アース用端子35)の他にノイズ防止コンデンサ71のアース専用コネクタ端子(キャパシタグラウンド用端子)72の金具を追加してコネクタハウジング9Bに収容し、このコネクタ端子72と電源接続用(+電源)コネクタ端子31間にノイズ防止コンデンサ71を接続する。
【0089】
回路ケース9における点火回路ユニット40を収容するスペースを第1実施例よりも拡張することで、この収容スペースにノイズ防止コンデンサ71を設置する。ノイズ防止コンデンサ71の設置箇所は、コネクタ端子31〜35,72の中間部をケース9樹脂中に埋設して、この埋設位置近くのケース9床面上である。
【0090】
また、電源接続用コネクタ端子31の中間部と、キャパシタグラウンド端子72の一端には端子金具の一部を垂直(ほゞ垂直を含む)に立ち上がるように折り曲げて、この折曲部(立上げ部)31c,72′をケース9床面より突出させてノイズ防止コンデンサ71の両サイドに配置させている。ノイズ防止コンデンサ71の両リード線73は、この折曲部31c,72′にそれぞれ接続されている。本例ではコンデンサ71のリード線73を端子折曲部31c,72′にからげて半田付けしている(図23参照)。
【0091】
ここでは、リード線73の一端(からげ部)73´を予め端子31,72への接続前に輪の形状にしておき、この輪73´を端子折曲部31c,72´に上から嵌め込める形状としてある。図18に示す9Kは、ケース9の床面(内底)9Eに設けた突起で、端子折曲部31c,72´に隣接して床面9Kから垂直に突出形成されており、端子折曲部31c,72´の一辺がこの突起9Kに食い込むようにしてモールド成形されたものであり、また、突起9Kの高さは端子折曲部31cの高さよりも低く、そのため、上記の輪の形状のリード線一端73´を端子折曲部31c,72´の上端から嵌め込んで降ろしていくと、このリード線一端73´が途中の位置で突起9Kの上端に当たりそれ以上の下降が妨げられる。このようにして、リード線73ひいてはノイズ防止用コンデンサ71の高さ方向の位置決めがなされる。
【0092】
また、9Jはノイズ防止用コンデンサ71の横方向の位置決めを行う突起で、回路ケース9の床面9Eから2本,突出成形されている。
【0093】
また、図24に示すように、端子折曲部31c,72′にスリット80を形成して、コンデンサ71のリード線73をスリット80に挾み込んで半田付けしたりしてもよい。これらのリード線接続によれば半田付けにおけるリード線固定を容易にして作業性を向上させることができる。
【0094】
ノイズ防止コンデンサ72を上記の如く設けることで、回路ケース9内の点火回路41の構成は図21に示すようになる。
【0095】
上記のようにノイズ防止コンデンサ71を回路ケース9内に内装することで、従来に比較して次のような作用,効果を奏する。
(1)従来方式は、ノイズ防止コンデンサ71は点火コイル装置(ペンシルコイル)21と別にエンジンルームのハーネスにおける電源アースポイントに設置していたが、このような設置方式によれば、点火コイルのノイズが点火コイル装置・コンデンサ71間のハーネスに乗ってしまうために点火コイル装置の外部に漏れてしまう。これに対して、本発明方式の場合には、点火コイルのノイズ源からコンデンサ71までの距離が極めて短くなり、しかもノイズ防止コンデンサ71を回路ケース9内装タイプにしたので点火コイル装置21外部に点火ノイズが漏出するのを防止し、ノイズ防止性能を高める。
(2)従来方式は、エンジンルームのハーネスにノイズ防止コンデンサ71を設けるため、コンデンサ71を裸のまま設置するとエンジンルームに侵入する水分,塩分等により腐食するおそれがあり、そのためコンデンサ71を樹脂で覆わなければならず、コスト高となる。これに対して本発明方式の場合には、回路ケース9内の絶縁樹脂43の封入がコンデンサ71の樹脂封止を兼ねるので、従来のように回路ケース9と別にコンデンサのための樹脂封止を行う必要がなく、その分、コンデンサ71のコスト低減を図ることができる。
(3)従来方式は、エンジンルームのハーネスにノイズ防止コンデンサ71を設けるため、エンジンルーム内のハーネスの工数が増えるが、本発明の場合には、そのようなハーネス上のノイズ防止コンデンサ71設置作業を不要とし、点火コイル装置21をエンジンルーム内に搭載すれば自ずとノイズ防止コンデンサ71も設置されるので、自動車組立上のエンジンルーム内での部品搭載作業の負担軽減を図ることができる。
【0096】
なお、本実施例では、二次ボビンヘッド2Aの形状については図19,図20に示すように円筒形とし、また、巻線機の回り止めに係合する係合部2D′は、平行配置した一対の突起片により構成した。巻線機側の回り止めは上記一対の突起片の間に挾み込まれる一条のピン形態(図示省略)となる。
【0097】
また、点火コイル装置21におけるスプリング13は、大部分がコイルケース6の一端筒壁6´に入ることで、スプリング13の一端(上端)が高圧端子12と結合するが、プラグ結合側となるスプリング13の下端(高圧端子12と反対側の一端)は、少なくとも点火プラグ22との結合前には、コイルケース6の下端よりも外に出るようにしてある。そのために、コイルケース6の一端筒壁6´の長さを第1実施例(図1)のものよりもスプリング13に対して相対的に短くしている。
【0098】
このような態様によれば、点火プラグ22は、実質的にコイルケース一端筒壁6´の中でスプリング13の下端と結合(接続)されず(この点、第1実施例では点火プラグ22の略上半部がコイルケース一端筒壁6´の中に導入されてスプリング13下端と接続されている)、筒壁6´の下端開口と略同じレベルの位置或いはそれよりも下の位置(筒壁6´の外の位置)でスプリング13の下端と結合されることになる。そのため、ゴムブーツ14については、筒壁6´を短くしたことを補う意味で筒壁6´の下端よりも下側を第1実施例のタイプよりも長くして、ゴムブーツ14を点火プラグ22と筒壁6´の下方位置で実質的にシール結合できるようにしてある。
【0099】
上記構成によれば、図22に示すように点火プラグ22と点火コイル装置21との軸線間に相対的な傾きθがある場合であっても、点火プラグ22がコイルケース筒壁6´に干渉しないので、ゴムブーツ14の可撓性を利用して点火コイル装置21と点火プラグ22とをフレキシブルにシール結合することができる。
【0100】
本実施例によれば、図22に示すように点火プラグ22及びプラグホール23Bがエンジンに角度θを持って設置されている場合であっても、点火コイル装置21を点火プラグ22の軸線に一致させることなくガイドチューブ21,プラグホール23内に導いて点火プラグ22と結合させることができ、特に、自動車部品の設置スペースの制約から点火プラグ22と点火コイル装置21とを傾きθをもって結合させなければならない場合に、それを従来のペンシルコイル装着操作となんら変わることなく実現させることができる。
【0101】
なお、従来のこの種点火コイル装置(ペンシルコイル)は、点火プラグと軸線を一致させて結合させるタイプのものであり、上記のように点火プラグ22に対して点火コイル装置を角度を持たせて結合するような配慮はなされていなかった。
【0102】
なお、ゴムブーツ14は、次のような沿面放電を防止する機能を有する。すなわち、点火コイル装置21をプラグホール23Bにセットした場合、点火コイル装置21の高圧端子12がプラグホール23Bの近くに位置するが、プラグホール23Bはアースされているため、筒壁6´の一部にクラックなどが生じると高圧端子12とプラグホール23Bとの間での筒壁6´,クラックを介して沿面放電が生じるおそれがある。ゴムブーツ14を筒壁6´に取り付けた場合、筒壁6´とゴムブーツ14との接触する距離Lが高圧端子12とプラグホール23Bとの距離に実質加算されるので、この接触距離Lを長く保つことで上記沿面放電を防止できる。本実施例では、コイルケースの下端筒壁6´のうち高圧端子12の位置からコイルケース筒壁6´の最下端までの距離が短縮されてしまうため、ゴムブーツ14のうちコイルケース筒壁6´の外側と接触する部分を筒壁6´の最下端からセンターコア7近くまで長く延ばして、上記の沿面放電防止のための距離を確保している。すなわち、ゴムブーツ14は筒壁6´に嵌まり合う個所のうち筒壁6´の外面に臨む方を筒壁6´の内面に臨む方よりも長く延ばしてトータルの沿面放電防止距離を長く確保している。
【0103】
本実施例では上記したようにスプリング13の下端をコイルケース6の下端開口より下方に出すために、その手法として、上記のようにコイルケース6下部の筒壁6´を短くしているが、これに代えて、筒壁6´に収容された高圧端子12のコイルケース軸方向の長さをコイルケース6の下端開口位置近くまで延設しても(換言すれば、高圧端子12のうちスプリング13を受ける個所からコイルケース6の最下端までの距離よりもスプリング13の長さが長くなる位置まで高圧端子12を下方に延長させる)ことで、スプリング13の下端をコイルケース6の下端開口よりも外(下側)に出すことができる。このように高圧端子12の長さ調整によりスプリング13のコイルケース6下端開口から出る量(長さ)を調節することで、点火コイル装置21を点火プラグ22の相対的な傾きθに対応して適宜点火プラグと結合(可撓性ブーツ14を介しての結合)することができる。
【0104】
本実施例では、図22に示すように回路ケース9の下面に設けた環状溝90にOリング91を嵌めて、このOリング91を介してシール性を保ちつつエンジンカバー24面上に点火コイル装置21を直接設置している。
【0105】
回路ケース9には凹部95を設けて、実質の回路ケース9の厚みを減らして樹脂成形時のひけ防止を図っている。
【0106】
本実施例においても、第1実施例と同様の作用,効果を奏する。
【0107】
また、上記のノイズ防止コンデンサ71の配置構成(回路ケース内装タイプ)やゴムブーツ14の形状,構造は、内側を一次コイル,外側を二次コイルの配置構造にした点火コイル装置においても適用可能である。
【0108】
以上のように、第1の実施態様によれば、いわゆる一次ボビン,二次ボビンの重ね合わせ状態でのコイル巻線作業を可能にして、一次,二次コイル巻線機の共用化或いはその回転シャフトの共用化,或いは回転シャフトの型式の統一化を図り、
また、従来使用していた一次・二次コイル間の渡り線接続作業やコイル仮止め作業を不要にすることで、今までの巻線工程,一次・二次コイル組み工程よりも製造プロセスの合理化を図り、生産性を向上させることができる。
【0109】
第2の実施態様は、コイルケースにセンターコア,一次ボビンに巻かれた一次コイル,二次ボビンに巻かれた二次コイルを内装した点火コイル装置で、エンジンの各点火プラグホール内に装着されて個々の点火プラグに直結して使用される独立点火型のエンジン用点火コイル装置において、
前記二次コイルを巻いた二次ボビンが前記一次ボビンの内側に配置され、これらの両ボビンにはボビン同士の相対的な回り止めが設けてあり、前記二次ボビンのヘッドが前記一次ボビン上端よりも頭出しされ、この二次ボビンヘッドには、二次ボビンを巻線機の回転シャフトにセットした時に回転シャフト側に設けたボビン回り止めに係合する係合部が設けられていることを特徴とする。
【0110】
上記構成によれば、(イ)一次,二次コイルの巻線機を共用にしたり、(ロ)一次,二次コイルの巻線機を別々でその回転シャフトだけを共用にしたり、回転シャフトを共通の型式にして一次コイル,二次コイルの巻線作業を可能にし、特に、一次コイルは、二次コイルを巻いた二次ボビンの外側に一次ボビンを嵌め込んだ状態で実行することが可能になる。
【0111】
すなわち、上記のようなボビン配置及び二次ボビンヘッド構造によれば、次のような点火コイル装置の製造ラインを構築することが可能になる。
【0112】
(イ)の場合には、まず二次ボビンを一次・二次共用巻線機の回転シャフトに挿入すると、二次ボビンヘッドに設けた係合部が回転シャフト側に設けたボビン回り止めに係合するので、二次ボビンが回転シャフトと共に回転可能になり二次コイルの巻線作業が可能になる。また、この二次ボビンを巻線機に取り付けたまま、この二次ボビンの外側に一次ボビンを嵌合し(すきま嵌め)且つ両ボビン同士の相対的な回り止めがなされる構造なので、これと、上記二次ボビンヘッドの回転シャフトに対する回り止め係合との協働により、二次ボビンと共に一次ボビンを回転させることができ、共用巻線機により一次コイルの巻線作業が可能になる。
【0113】
また(ロ)のように1次巻線機,2次巻線機が別々のものでも、その回転シャフトが着脱自在で共用のもの或いは共通のシャフト型式のものに対しては、1次巻線機,2次巻線機を問わず二次ボビンをそのボビンヘッドを介して巻線機の回転シャフトに回り止めの状態で係合でき、さらに二次ボビンヘッドの外側に一次ボビンヘッドをボビン同士の回り止めを図りつつ嵌合できるので、最初に二次巻線機側で一次二次共用或いは共通型式の回転シャフトに二次ボビンをセットして二次コイルを巻いた後、この二次ボビンを一次巻線機に移行させて、一次巻線機側で一次二次共用或いは共通型式の回転シャフトに前記二次ボビンをセットした状態でその外側に一次ボビンを嵌合することにより、二次ボビンと共に一次ボビンを回転させて、一次ボビンへの一次コイルの巻線作業が可能になる。
【0114】
また、一次ボビンに内挿された二次ボビンのヘッドを一次ボビンより頭出しすることで、上記コイル端子1(丸印)、3(丸印)及び2(丸印)を二次ボビンに設ける場合であっても設置スペースを充分に確保できる。
【0115】
第3の実施態様は、コイルケースにセンターコア,一次ボビンに巻かれた一次コイル, 二次ボビンに巻かれた二次コイルを内装した点火コイル装置で、エンジンの各点火プラグホール内に装着されて個々の点火プラグに直結して使用される独立点火型のエンジン用点火コイル装置において、
前記二次コイルを巻いた二次ボビンが前記一次ボビンの内側に配置され、これらの両ボビンにはボビン同士の相対的な回り止めが設けてあり、前記二次ボビンのヘッドが前記一次ボビン上端よりも頭出しされ、
且つ、この二次ボビンヘッドには、一次コイル一端と二次コイル一端を電源に接続するための一次・二次コイル兼用のコイル端子と、一次コイル他端を点火制御の駆動素子に接続するための一次コイル端子とが設けられ、
さらに、前記二次ボビンヘッドには、二次ボビンを巻線機の回転シャフトにセットした時に回転シャフト側に設けたボビン回り止めに係合する係合部が設けられていることを特徴とする。
【0116】
第3の実施態様によれば、上記第1,第2の実施態様の双方の作用がなされる。
【0117】
第4の実施態様は、第1の実施態様に関連したペンシルコイルの製造方法の実施態様に係り、これを図6(b)を参照しつつ説明すると、その特徴とするところは、一次ボビン4の内側に二次ボビン2が挿入されるよう二次ボビン外径を一次ボビン内径より小径にすると共に前記両ボビンにはボビン同士の相対的な回り止めが設けてあり〔この回り止めは図6(b)では図示省略している〕、前記二次ボビン2側に電源入力端子となる一次・二次コイル兼用端子1(丸印)、3(丸印)と、一次コイル5を点火制御の駆動素子に接続するための一次コイル端子2(丸印)とを設け、且つ、前記二次ボビン2を回転させて二次ボビン2に二次コイル3を巻き、二次コイル3の一端3aを一次・二次コイル兼用端子1(丸印)、3(丸印)に接続する二次コイル巻線工程と、その後、二次ボビン2の外側に一次ボビン4を嵌め込んで二次ボビン2と共に回転させて一次ボビン4に一次コイル5を巻き、一次コイルの一端5aを一次・二次コイル兼用端子1(丸印)、3(丸印)に接続し、該一次コイルの他端5bを一次コイル端子2(丸印)に接続する一次コイル巻線工程と、を有する点にある。
【0118】
本実施態様によれば、図6(c)の従来技術のように一次ボビン4に設けた一次コイル端子1(丸印)と二次ボビン2に設けた二次コイル端子3(丸印)とをコイル組みの工程で渡り線Mで接続するような作業を不要とし、或いは各ボビンに仮止めしたコイル一端をコイル組み後にその仮止めをほどいて所定の端子に接続し直すような煩雑な作業を不要とし、製造工程の合理化を図り得る。
【0119】
第5の実施態様は、前記第1の実施態様,第2の実施態様に関連するペンシルコイルの製造方法に係り、その特徴とするところは、一次ボビンの内側に二次ボビンが挿入されるよう二次ボビン外径を一次ボビン内径より小径にすると共に、前記両ボビンにはボビン同士の相対的な回り止めが設けてあり、
前記二次ボビンに前記一次ボビン上端よりも頭出しされるボビンヘッドを設け、該ボビンヘッドには、二次ボビンを巻線機の回転シャフトにセットした時に回転シャフト側に設けたボビン回り止めに係合する係合部を設け、
前記二次コイルと一次コイルの巻線作業を一台の巻線機で行われるよう巻線機を共用にして、
まず前記二次ボビンをそのヘッドを介して前記巻線機の回転シャフトに挿入セットし、該回転シャフトと一緒に該二次ボビンを回転させることで二次ボビンに二次コイルを巻く二次コイル巻線工程と、
その後、前記巻線機に前記二次ボビンを取り付けたまま二次ボビンの外側に前記一次ボビンをボビン同士の回り止めを介して嵌めて、該一次ボビンを二次ボビンと一緒に回転させて該一次ボビンに一次コイルを巻く一次コイル巻線工程とを有する点にある。
【0120】
第6の実施態様も前記第1の実施態様,第2の実施例に関連したペンシルコイルの製造方法に係り、その特徴とするところは、一次ボビンの内側に二次ボビンが挿入されるよう二次ボビン外径を一次ボビン内径より小径にすると共に、前記両ボビンにはボビン同士の相対的な回り止めが設けてあり、
前記二次ボビンに前記一次ボビン上端よりも頭出しされるボビンヘッドを設け、該ボビンヘッドには、二次ボビンを巻線機の回転シャフトにセットした時に回転シャフト側に設けたボビン回り止めに係合する係合部を設け、
前記二次コイルの巻線機と前記一次コイルの巻線機とは別々のもので巻線用の回転シャフトを着脱自在にして一次巻線機,二次巻線機に共用させ、
まず前記回転シャフトを二次巻線機に取付けて該回転シャフトに前記二次ボビンをそのヘッドを介して挿入セットし、該回転シャフトと一緒に該二次ボビンを回転させることで二次ボビンに二次コイルを巻く二次コイル巻線工程と、
その後、該二次ボビンを取付けたまま前記回転シャフトを前記二次巻線機から外して、該回転シャフトを前記一次巻線機に取付けると共に二次ボビンの外側に前記一次ボビンをボビン同士の回り止めを介して嵌めて、該一次ボビンを二次ボビンと一緒に回転させて該一次ボビンに一次コイルを巻く一次コイル巻線工程とを有する点にある。
【0121】
第7の実施態様も前記第1の実施態様,第2の実施態様に関連したペンシルコイルの製造方法に係り、その特徴とするところは、一次ボビンの内側に二次ボビンが挿入されるよう二次ボビン外径を一次ボビン内径より小径にすると共に、前記両ボビンにはボビン同士の相対的な回り止めが設けてあり、
前記二次ボビンに前記一次ボビン上端よりも頭出しされるボビンヘッドを設け、該ボビンヘッドには、二次ボビンを巻線機の回転シャフトにセットした時に回転シャフト側に設けたボビン回り止めに係合する係合部を設け、
前記二次コイルの巻線機と前記一次コイルの巻線機とは別々のもので巻線用の回転シャフトを共通型式のものとし、
まず前記二次ボビンをそのヘッドを介して二次巻線機の回転シャフトに挿入セットし、該回転シャフトと一緒に二次ボビンを回転させることで二次ボビンに二次コイルを巻く二次コイル巻線工程と、
その後、該二次ボビンを前記二次巻線機から外して、前記一次巻線機の回転シャフトに二次ボビンヘッドを介して挿入セットすると共に二次ボビンの外側に前記一次ボビンをボビン同士の回り止めを介して嵌めて、該一次ボビンを二次ボビンと一緒に回転させて該一次ボビンに一次コイルを巻く一次コイル巻線工程とを有する点にある。
【122】
【発明の効果】
このような端子配置構造によれば、図6(c)の従来技術のように一次ボビン4に設けた一次コイル端子1(丸印)と二次ボビン2に設けた二次コイル端子3(丸印)とをコイル組みの工程で渡り線Mで接続するような作業を不要とし、或いは各ボビンに仮止めしたコイル一端をコイル組み後にその仮止めをほどいて所定の端子に接続し直すような煩雑な作業を不要とし、製造工程の合理化を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る点火コイル装置の縦断面図(図3のB−B´線断面図)及びその一部を拡大したE部拡大断面図。
【図2】 図2のA−A´線断面図。
【図3】 図1の点火コイル装置を上面からみた図で、回路ケースの内部を樹脂充填前の状態で表している図。
【図4】 第1実施例に使用する点火回路図。
【図5】 本実施例に係る点火コイル装置のエンジンに取り付けた状態を示す説明図。
【図6】 (a)は点火コイル装置の原理回路図、(b)は本発明に係る点火コイルの製造原理を示す説明図、(c)は従来の点火コイルの製造原理を示す説明図。
【図7】 第1実施例に用いる二次ボビンの部分斜視図。
【図8】 第1実施例に用いる一次ボビンと二次ボビンの組みの状態を示す部分斜視図。
【図9】 第1実施例に用いる点火コイル組み及び回路ユニットの位置関係を示す説明図。
【図10】 第1実施例の二次ボビンを一次ボビンに挿入する状態を示す部分斜視図。
【図11】 (a)は第1実施例の一次ボビンの底面図、(b)はその二次ボビンの底面図、(c)は上記(a)のC−C´線断面図、(d)は一次ボビンと二次ボビンの組みの状態を示す底面図。
【図12】 第1実施例に用いるコイルケースの断面図。
【図13】 点火コイル装置の製造過程を示す説明図。
【図14】 点火コイル装置の製造例を示す説明図。
【図15】 巻線機の回転シャフトと一次ボビン,二次ボビンの取付例を示す説明図。
【図16】 巻線機のモータから二次ボビン挿入状態の回転シャフトを取り外した状態を示す説明図。
【図17】 本発明の第2実施例に係る点火コイル装置の要部断面図(図18のD−D´線断面図)。
【図18】 図17の点火コイル装置を上面からみた図で、回路ケースの内部を樹脂充填前の状態で表している図。
【図19】 第2実施例に用いる二次ボビンの部分斜視図。
【図20】 第2実施例に用いる一次ボビンと二次ボビンの組みの状態を示す部分斜視図。
【図21】 第2実施例に用いる点火回路図。
【図22】 第2実施例の点火コイル装置の実装状態を示す説明図。
【図23】 第2実施例に用いるノイズ防止コンデンサの取付状態を示す説明図。
【図24】 第2実施例に用いるノイズ防止コンデンサの取付状態を示す説明図。
【図25】 従来の点火コイル製造例を示す説明図。
【符号の説明】
1…センターコア、2…二次ボビン、2A…二次ボビンヘッド、3…二次コイル、4…一次ボビン、5…一次コイル、6…コイルケース、7…センターコア、8…絶縁樹脂、9…回路ケース、9B…コネクタハウジング、18…一次・二次コイル兼用端子、19…一次コイル端子、31,33,33…コネクタ端子、32,34,36…引出し端子(リード端子)、37…金属ベース、39…点火制御駆動素子、40…点火回路ユニット、41…点火回路(ハイブリットIC)、62…回転シャフト、71…点火ノイズ防止用コンデンサ。

Claims (6)

  1. コイルケース、
    当該コイルケース内に配置され、一次コイルと当該一次コイルが巻かれた一次ボビンとからなる一次コイル部、
    前記一次ボビン内に配置され、二次コイルと当該二次コイルが巻かれた二次ボビンとからなる二次コイル部、
    前記二次ボビン内に配置されたセンターコア、
    前記コイルケースにおける二次コイル低圧側の端部に配置され、周囲が回路ケース部に囲われる点火制御用の駆動回路、
    前記一次コイル部、二次コイル部、センターコア、駆動回路を絶縁すべく前記コイルケース内に充填される充填絶縁樹脂、
    前記駆動回路の周囲の前記回路ケース部に設けられ、且つ電源及び点火信号入力用の複数の外部接続端子を有するコネクタ、
    前記二次ボビンの二次コイル低圧側の端部に形成され、前記一次ボビンより頭出しされた二次ボビンヘッド部、
    この二次ボビンヘッド部の外周もしくは側壁部に固定された接続導体であって、一端が前記コネクタの電源用接続端子に接続され、他端に前記一次コイル一端と前記二次コイル一端を巻付ける接続端部が形成された一次・二次コイル用コイル接続導体、
    前記駆動回路の複数の引出し端子、を備え、
    前記一次・二次コイル用コイル接続導体の一端および、前記複数の引出し端子が前記コネクタ端子の前記ケースの内側に突出する端部と同一平面内で互いに重なり合うように配置されており、当該重なり部で溶接されている
    ことを特徴とするエンジン用点火コイル装置。
  2. 請求項1に記載したものにおいて、
    前記一次コイルの他端を前記駆動回路の駆動素子に接続するための一次コイル端子が前記二次ボビンヘッドの外周もしくは側壁部に固定されている
    エンジン用点火コイル装置。
  3. 請求項1に記載したものにおいて、
    前記駆動回路の周囲の回路ケース部に設けられたフランジ部、
    当該フランジ部に設けられたねじ孔を有する
    エンジン用点火コイル装置。
  4. 請求項1に記載したものにおいて、
    前記コネクタが形成された前記駆動回路の周囲の回路ケース部は、前記コイルを収納するコイルケースとは別体に形成されており、後から前記コイルケースに一体に接着あるいは溶着されるものである
    エンジン用点火コイル装置。
  5. 請求項1に記載したものにおいて、
    前記一次・二次コイル用コイル接続導体の一端および、前記複数の引出し端子の端部が前記センターコアの軸線に沿った方向の折れ曲がり部を有し、
    前記コネクタ端子の前記ケースの内側に突出する端部が前記センターコアの軸線に沿った方向の折れ曲がり部を有し、
    当該両折れ曲がり部が前記センターコアの軸線に沿った同一面内で互いに重なり合うように配置されており、当該重なり部で溶接されている
    エンジン用点火コイル装置。
  6. 請求項1もしくは請求項5のいずれかに記載したものにおいて、
    前記一次・二次コイル用コイル接続導体の他端および、前記複数の引出し端子の端部と前記コネクタ端子の前記ケースの内側に突出する端部との前記溶接された重なり部が前記充填絶縁樹脂で絶縁されている
    エンジン用点火コイル装置。
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