JPH10326617A - アルカリ二次電池用正極活物質の製造法、ペースト式ニッケル極並びにアルカリ二次電池 - Google Patents
アルカリ二次電池用正極活物質の製造法、ペースト式ニッケル極並びにアルカリ二次電池Info
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- JPH10326617A JPH10326617A JP9151645A JP15164597A JPH10326617A JP H10326617 A JPH10326617 A JP H10326617A JP 9151645 A JP9151645 A JP 9151645A JP 15164597 A JP15164597 A JP 15164597A JP H10326617 A JPH10326617 A JP H10326617A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 活物質利用率の向上したペースト式ニッケル
極及び電池容量の増大したアルカリ二次電池をもたらす
正極活物質の製造法。 【解決手段】 2価及び3価のコバルト錯イオンか混在
した溶液又は3価のコバルト錯イオン単独を含有する溶
液に水酸化ニッケル粉末を分散させて水酸化コバルト粒
子にこれらイオンを吸着させた後、その溶液に又はその
溶液が分取した固形分にアルカリ水溶液を作用させる。
極及び電池容量の増大したアルカリ二次電池をもたらす
正極活物質の製造法。 【解決手段】 2価及び3価のコバルト錯イオンか混在
した溶液又は3価のコバルト錯イオン単独を含有する溶
液に水酸化ニッケル粉末を分散させて水酸化コバルト粒
子にこれらイオンを吸着させた後、その溶液に又はその
溶液が分取した固形分にアルカリ水溶液を作用させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ二次電池
用正極活物質の製造法、ペースト式ニッケル極並びにア
ルカリ二次電池に関する。
用正極活物質の製造法、ペースト式ニッケル極並びにア
ルカリ二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ニッケル−カドミウム電池、ニッ
ケル−水素化物電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−
鉄電池等のアルカリ二次電池用正極として広く用いられ
ているペースト式ニッケル極の水酸化ニッケル活物質の
導電性を高め、利用率を向上するために、水酸化ニッケ
ル粉末を主体とし、これに金属コバルト、一酸化コバル
ト、水酸化コバルトなどのコバルト系添加剤粉末を添加
し、混在せしめて成る正極活物質を製造し、これをCM
Cなどの増粘剤水溶液で混練し、ペースト状とし、これ
を発泡ニッケルやニッケルフェルトなどの三次元金属多
孔基板に充填し、乾燥、プレスとてペースト式ニッケル
極板を作製し、これを正極として電池容器内に組み込み
アルカリ電解液を注入した後、施蓋封口してアルカリ二
次電池としたものは公知である。而して、このように電
池に組み込んだペースト式ニッケル極板に充填された正
極活物質中のコバルト系添加剤は、電解液中の水酸化イ
オンと反応して水溶性の2価のコバルト錯イオンを形成
して拡散し、充電により酸化されてニッケル極内の水酸
化ニッケル活物質粒子間にオキシ水酸化コバルトとして
析出し、いわゆるコバルト導電マトリックスを形成して
水酸化ニッケル活物質の導電性を高めて、利用率を向上
せしめることが知られている。近年、水酸化ニッケルを
多孔基板に充填する前に、これを硫酸コバルト水溶液中
に分散させ乍らアルカリ水溶液を滴下して、硫酸コバル
トとアルカリ水溶液とを反応させて、その分散した水酸
化ニッケル粒子の表面に電解液との反応性の高い微細な
水酸化コバルト粒子を析出させて被覆して成る正極活物
質を製造し、これを前記と同様にして粘稠剤水溶液で混
練しペースト状としたものを多孔基板に充填して成るペ
ースト式ニッケル極を製造し、これをアルカリ二次電池
の正極として用い、該ニッケル極中の水酸化コバルトを
充電により容易に導電性のオキシ水酸化コバルトマトリ
ックスに形成するようにして利用率の向上を図ることが
提案されている。また、確実にコバルト導電性マトリッ
クスを得るために、水酸化コバルトを被覆した水酸化ニ
ッケルを高温の水酸化ナトリウム水溶液中で酸化処理し
てオキシ水酸化コバルトとして、オキシ水酸化コバルト
による被覆を形成することも提案されている。
ケル−水素化物電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−
鉄電池等のアルカリ二次電池用正極として広く用いられ
ているペースト式ニッケル極の水酸化ニッケル活物質の
導電性を高め、利用率を向上するために、水酸化ニッケ
ル粉末を主体とし、これに金属コバルト、一酸化コバル
ト、水酸化コバルトなどのコバルト系添加剤粉末を添加
し、混在せしめて成る正極活物質を製造し、これをCM
Cなどの増粘剤水溶液で混練し、ペースト状とし、これ
を発泡ニッケルやニッケルフェルトなどの三次元金属多
孔基板に充填し、乾燥、プレスとてペースト式ニッケル
極板を作製し、これを正極として電池容器内に組み込み
アルカリ電解液を注入した後、施蓋封口してアルカリ二
次電池としたものは公知である。而して、このように電
池に組み込んだペースト式ニッケル極板に充填された正
極活物質中のコバルト系添加剤は、電解液中の水酸化イ
オンと反応して水溶性の2価のコバルト錯イオンを形成
して拡散し、充電により酸化されてニッケル極内の水酸
化ニッケル活物質粒子間にオキシ水酸化コバルトとして
析出し、いわゆるコバルト導電マトリックスを形成して
水酸化ニッケル活物質の導電性を高めて、利用率を向上
せしめることが知られている。近年、水酸化ニッケルを
多孔基板に充填する前に、これを硫酸コバルト水溶液中
に分散させ乍らアルカリ水溶液を滴下して、硫酸コバル
トとアルカリ水溶液とを反応させて、その分散した水酸
化ニッケル粒子の表面に電解液との反応性の高い微細な
水酸化コバルト粒子を析出させて被覆して成る正極活物
質を製造し、これを前記と同様にして粘稠剤水溶液で混
練しペースト状としたものを多孔基板に充填して成るペ
ースト式ニッケル極を製造し、これをアルカリ二次電池
の正極として用い、該ニッケル極中の水酸化コバルトを
充電により容易に導電性のオキシ水酸化コバルトマトリ
ックスに形成するようにして利用率の向上を図ることが
提案されている。また、確実にコバルト導電性マトリッ
クスを得るために、水酸化コバルトを被覆した水酸化ニ
ッケルを高温の水酸化ナトリウム水溶液中で酸化処理し
てオキシ水酸化コバルトとして、オキシ水酸化コバルト
による被覆を形成することも提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、水酸化コ
バルトや一酸化コバルトなどのコバルト化合物を添加剤
とする場合は、コバルト化合物自体に導電性がなく、初
充電前には水酸化ニッケル活物質粒子間、及び活物質と
集電体との間の導電性が乏しいので、初充電時の分極が
大きくなり、ガス発生による悪影響が懸念されるので、
規定の充電量を確保するためには小さな電流で長時間の
充電時間が必要である。また、金属コバルトを添加剤と
する場合は、その表面に酸化皮膜を形成して酸化コバル
トとなるので、上記と同じような問題があった。また、
従来のコバルト系添加剤は、上記の問題に加え、電解液
との反応性が低いので、水酸化コバルトを被覆した水酸
化ニッケル粒子から成る正極活物質から所定のコバルト
導電マトリックスを得るためには、高価なコバルト系添
加剤を予め多量に添加する必要があり、製造コストの増
大をもたらす問題があり、また、容量を出すに必要な水
酸化ニッケルの配合比率が減少するので、利用率は向上
するが電池容量が低下する等の問題があった。更に、従
来のコバルト系添加物は金属又は2価の化合物であるの
で、ペースト中の溶存酸素で表面が酸化されて不活性な
四三酸化コバルトを形成する傾向が強く、電解液との反
応性が低下する不都合があった。また、上記の水酸化コ
バルトを被覆した水酸化ニッケル粒子から成る正極活物
質の製造法は、アルカリ水溶液中で析出する水酸化コバ
ルトは、その表面に不導体の四三酸化コバルトを形成し
易く、導電性が減少し、これを具備したニッケル極はア
ルカリ電解液との反応性が悪く、充電により良好なオキ
シ水酸化コバネトが生成されない不都合がある。また、
上記のアルカリ水溶液中で水酸化コバルトを酸化処理し
てオキシ水酸化コバルトとする方法は、そのオキシ水酸
化コバルトの表面に四三酸化コバルトを生じ易い不都合
がある。上記に鑑み、更に利用率の向上したペースト式
ニッケル極及び電池容量の向上したアルカリ二次電池を
もたらす正極活物質の製造法の開発が望まれる。
バルトや一酸化コバルトなどのコバルト化合物を添加剤
とする場合は、コバルト化合物自体に導電性がなく、初
充電前には水酸化ニッケル活物質粒子間、及び活物質と
集電体との間の導電性が乏しいので、初充電時の分極が
大きくなり、ガス発生による悪影響が懸念されるので、
規定の充電量を確保するためには小さな電流で長時間の
充電時間が必要である。また、金属コバルトを添加剤と
する場合は、その表面に酸化皮膜を形成して酸化コバル
トとなるので、上記と同じような問題があった。また、
従来のコバルト系添加剤は、上記の問題に加え、電解液
との反応性が低いので、水酸化コバルトを被覆した水酸
化ニッケル粒子から成る正極活物質から所定のコバルト
導電マトリックスを得るためには、高価なコバルト系添
加剤を予め多量に添加する必要があり、製造コストの増
大をもたらす問題があり、また、容量を出すに必要な水
酸化ニッケルの配合比率が減少するので、利用率は向上
するが電池容量が低下する等の問題があった。更に、従
来のコバルト系添加物は金属又は2価の化合物であるの
で、ペースト中の溶存酸素で表面が酸化されて不活性な
四三酸化コバルトを形成する傾向が強く、電解液との反
応性が低下する不都合があった。また、上記の水酸化コ
バルトを被覆した水酸化ニッケル粒子から成る正極活物
質の製造法は、アルカリ水溶液中で析出する水酸化コバ
ルトは、その表面に不導体の四三酸化コバルトを形成し
易く、導電性が減少し、これを具備したニッケル極はア
ルカリ電解液との反応性が悪く、充電により良好なオキ
シ水酸化コバネトが生成されない不都合がある。また、
上記のアルカリ水溶液中で水酸化コバルトを酸化処理し
てオキシ水酸化コバルトとする方法は、そのオキシ水酸
化コバルトの表面に四三酸化コバルトを生じ易い不都合
がある。上記に鑑み、更に利用率の向上したペースト式
ニッケル極及び電池容量の向上したアルカリ二次電池を
もたらす正極活物質の製造法の開発が望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の課
題を解決し、上記の目的を達成したアルカリ二次電池用
正極活物質の製造法を提供するもので、コバルト塩の水
溶液に錯イオン形成剤の介在下で空気を吹き込み或いは
水溶性の酸化剤を添加し、2価及び3価のコバルト錯イ
オン又は3価のコバルト錯イオンのみを含有する水溶液
を調製すると共に、該コバルト錯イオンを水溶液中に添
加撹拌して分散せしめた無数の水酸化ニッケル粒子に吸
着せしめた後、この吸着処理液又はこの吸着処理液から
分取した固形分にアルカリ水溶液を添加して前記の水酸
化ニッケル粉末の粒子に吸着のコバルト錯イオンと反応
させて水酸化ニッケル粒子の内部及びその表面にオキシ
水酸化コバルトと水酸化コバルト又はオキシ水酸化コバ
ルト単独を生成せしめたことを特徴とする。更に本発明
は、上記の本発明の正極活物質を具備した水酸化ニッケ
ル活物質の利用率が著しく向上したアルカリ二次電池用
ペースト式ニッケルに存する。更に本発明は、上記のペ
ースト式ニッケルを正極とし具備した容量の向上したた
アルカリ二次電池に存する。
題を解決し、上記の目的を達成したアルカリ二次電池用
正極活物質の製造法を提供するもので、コバルト塩の水
溶液に錯イオン形成剤の介在下で空気を吹き込み或いは
水溶性の酸化剤を添加し、2価及び3価のコバルト錯イ
オン又は3価のコバルト錯イオンのみを含有する水溶液
を調製すると共に、該コバルト錯イオンを水溶液中に添
加撹拌して分散せしめた無数の水酸化ニッケル粒子に吸
着せしめた後、この吸着処理液又はこの吸着処理液から
分取した固形分にアルカリ水溶液を添加して前記の水酸
化ニッケル粉末の粒子に吸着のコバルト錯イオンと反応
させて水酸化ニッケル粒子の内部及びその表面にオキシ
水酸化コバルトと水酸化コバルト又はオキシ水酸化コバ
ルト単独を生成せしめたことを特徴とする。更に本発明
は、上記の本発明の正極活物質を具備した水酸化ニッケ
ル活物質の利用率が著しく向上したアルカリ二次電池用
ペースト式ニッケルに存する。更に本発明は、上記のペ
ースト式ニッケルを正極とし具備した容量の向上したた
アルカリ二次電池に存する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の正極活物質は、オキシ水
酸化コバルトCoOOH及び水酸化コバルトCo(O
H)2 又はオキシ水酸化コバルト単独で被覆された水酸
化ニッケル粒子から成る。該正極活物質をCMC水溶液
などの粘稠剤水溶液と混練してペースト状とし、これを
発泡ニッケル多孔基板、ニッケルフェルトなどから成る
三次元金属多孔基板に充填し、乾燥、加圧して本発明の
ペースト式ニッケル極板を製造する。更にこれを正極と
し、水素吸蔵合金電極板、カドミウム極板などを負極と
し、セパレータを介して積層して成る極板群を金属缶内
に収容し、アルカリ電解液を注入し、施蓋封口して本発
明のアルカリ二次電池を組み立てる。
酸化コバルトCoOOH及び水酸化コバルトCo(O
H)2 又はオキシ水酸化コバルト単独で被覆された水酸
化ニッケル粒子から成る。該正極活物質をCMC水溶液
などの粘稠剤水溶液と混練してペースト状とし、これを
発泡ニッケル多孔基板、ニッケルフェルトなどから成る
三次元金属多孔基板に充填し、乾燥、加圧して本発明の
ペースト式ニッケル極板を製造する。更にこれを正極と
し、水素吸蔵合金電極板、カドミウム極板などを負極と
し、セパレータを介して積層して成る極板群を金属缶内
に収容し、アルカリ電解液を注入し、施蓋封口して本発
明のアルカリ二次電池を組み立てる。
【0006】本発明の正極活物質が充填された前者のペ
ースト式ニッケル極の場合は、そのニッケル極中の水酸
化コバルトは電解液と反応して2価のコバルト錯イオン
となり拡散し、充電によりオキシ水酸化コバルトとなっ
てニッケル極中の水酸化ニッケル活物質粒子間に導電性
コバルトとして析出し、当初から水酸化ニッケル活物質
粒子を被覆しているオキシ水酸化コバルトと共に導電性
マトリックスの量を更に増大する。後者のペースト式ニ
ッケル極の場合は、ニッケル極中には初めから多量の導
電性マトリックスで被覆されている。かくして、本発明
のペースト式ニッケル極は、電池内において表面に不活
性の四三酸化コバルトを生成されない導電性の向上し、
且つ量の増大した導電性コバルトマトリックスが形成さ
れるので、ペースト式ニッケル極の水酸化ニッケル活物
質の利用率が著しく向上し、従ってまた、高容量の放電
特性などの電池特性の優れたアルカリ二次電池が得をも
たらす。
ースト式ニッケル極の場合は、そのニッケル極中の水酸
化コバルトは電解液と反応して2価のコバルト錯イオン
となり拡散し、充電によりオキシ水酸化コバルトとなっ
てニッケル極中の水酸化ニッケル活物質粒子間に導電性
コバルトとして析出し、当初から水酸化ニッケル活物質
粒子を被覆しているオキシ水酸化コバルトと共に導電性
マトリックスの量を更に増大する。後者のペースト式ニ
ッケル極の場合は、ニッケル極中には初めから多量の導
電性マトリックスで被覆されている。かくして、本発明
のペースト式ニッケル極は、電池内において表面に不活
性の四三酸化コバルトを生成されない導電性の向上し、
且つ量の増大した導電性コバルトマトリックスが形成さ
れるので、ペースト式ニッケル極の水酸化ニッケル活物
質の利用率が著しく向上し、従ってまた、高容量の放電
特性などの電池特性の優れたアルカリ二次電池が得をも
たらす。
【0007】本発明の正極活物質の製造法の実施態様例
を以下に説明する。先ず、硫酸、硝酸、塩酸などのコバ
ルト塩の水溶液に、アンモニアなどの錯イオン形成用の
配位子剤を添加した後、良く撹拌し乍ら空気を吹き込
む。或いは、過酸化水素などの水溶性酸化剤を添加す
る。然るときは、コバルト水溶液中のコバルトイオン
は、経時的に酸化し、配位子イオンと結合して2価のコ
バルト錯イオンを形成し、次で3価のコバルト錯イオン
となる。従って、その酸化処理時間を調製すると、2価
と3価のコバルト錯イオンが混在して含有した水溶液か
ら調製液或いは3価のコバルト錯イオンのみが含有した
調製液が得られる。次に、このようにして得られた調製
液に水酸化ニッケル粉末を添加し、撹拌させる。然ると
きは、その分散した無数の水酸化ニッケル粒子に、前者
の調製液では2価のコバルト錯イオン及び3価のコバル
ト錯イオンが吸着し、後者の調製液では3価のコバルト
錯イオンのみが水酸化ニッケル粒子に吸着する。水酸化
ニッケル粒子は、その大部分は一次粒子が凝集した二次
粒子として存在するが、一次粒子間及びその二次粒子の
外周面ばかりでなくその内部に、即ち、二次粒子を構成
する一次粒子間に前記の2価及び3価のコバルト錯イオ
ンが侵入し、その内側からもその表面に2価及び3価の
コバルト錯イオンの両イオン又は3価のコバルト錯イオ
ンの単独イオンが吸着する。次に、かゝる吸着処理液に
アルカリ水溶液を徐々に添加し、2価コバルト錯イオン
及び3価コバルト錯イオン又は3価のコバルト錯イオン
とアルカリ水溶液のOHイオンとを反応させる。然ると
きは、配位子が離脱し、前者の調製液からは水酸化コバ
ルト及び導電性のオキシ水酸化物コバルトが析出し、後
者の調製液からは導電性のオキシ水酸化コバルトのみが
析出する。次に、これを濾過するときは、固形分とし
て、前者の反応液からは、水酸化コバルト及びオキシ水
酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粒子の集団か
ら成る本発明の正極活物質が得られ、後者の反応液から
はオキシ水酸化コバルトのみで被覆された水酸化ニッケ
ル粒子の集団から成る本発明の正極活物質が得られる。
その固形分をそのまゝ、或いは水洗、乾燥し、粉末とし
てペースト式ニッケル極用活物質として使用する。ま
た、該調製液をアルカリ水溶液と反応される前に、前者
の調製液及び後者の調製液を予め夫々濾過して濾液と分
離した2価及び3価のコバルト錯イオンの吸着された水
酸化ニッケル粒子から成る固形分及び3価のコバルト錯
イオンの吸着された水酸化ニッケル粒子から成る固形分
を取得し、この夫々の固形分にアルカリ水溶液を添加し
撹拌して良く反応させて前記と同様に水酸化コバルトと
オキシ水酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粒子
のマスから成る本発明の正極活物質或いはオキシ水酸化
コバルトのみで被覆された水酸化ニッケル粒子のマスか
ら成る本発明の正極活物質を得るようにしてもよい。こ
のようにして得られた正極活物質は、水洗した後、その
まゝ或いは乾燥して粉末としてペースト式ニッケル極製
造用の正極活物質として用いる。
を以下に説明する。先ず、硫酸、硝酸、塩酸などのコバ
ルト塩の水溶液に、アンモニアなどの錯イオン形成用の
配位子剤を添加した後、良く撹拌し乍ら空気を吹き込
む。或いは、過酸化水素などの水溶性酸化剤を添加す
る。然るときは、コバルト水溶液中のコバルトイオン
は、経時的に酸化し、配位子イオンと結合して2価のコ
バルト錯イオンを形成し、次で3価のコバルト錯イオン
となる。従って、その酸化処理時間を調製すると、2価
と3価のコバルト錯イオンが混在して含有した水溶液か
ら調製液或いは3価のコバルト錯イオンのみが含有した
調製液が得られる。次に、このようにして得られた調製
液に水酸化ニッケル粉末を添加し、撹拌させる。然ると
きは、その分散した無数の水酸化ニッケル粒子に、前者
の調製液では2価のコバルト錯イオン及び3価のコバル
ト錯イオンが吸着し、後者の調製液では3価のコバルト
錯イオンのみが水酸化ニッケル粒子に吸着する。水酸化
ニッケル粒子は、その大部分は一次粒子が凝集した二次
粒子として存在するが、一次粒子間及びその二次粒子の
外周面ばかりでなくその内部に、即ち、二次粒子を構成
する一次粒子間に前記の2価及び3価のコバルト錯イオ
ンが侵入し、その内側からもその表面に2価及び3価の
コバルト錯イオンの両イオン又は3価のコバルト錯イオ
ンの単独イオンが吸着する。次に、かゝる吸着処理液に
アルカリ水溶液を徐々に添加し、2価コバルト錯イオン
及び3価コバルト錯イオン又は3価のコバルト錯イオン
とアルカリ水溶液のOHイオンとを反応させる。然ると
きは、配位子が離脱し、前者の調製液からは水酸化コバ
ルト及び導電性のオキシ水酸化物コバルトが析出し、後
者の調製液からは導電性のオキシ水酸化コバルトのみが
析出する。次に、これを濾過するときは、固形分とし
て、前者の反応液からは、水酸化コバルト及びオキシ水
酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粒子の集団か
ら成る本発明の正極活物質が得られ、後者の反応液から
はオキシ水酸化コバルトのみで被覆された水酸化ニッケ
ル粒子の集団から成る本発明の正極活物質が得られる。
その固形分をそのまゝ、或いは水洗、乾燥し、粉末とし
てペースト式ニッケル極用活物質として使用する。ま
た、該調製液をアルカリ水溶液と反応される前に、前者
の調製液及び後者の調製液を予め夫々濾過して濾液と分
離した2価及び3価のコバルト錯イオンの吸着された水
酸化ニッケル粒子から成る固形分及び3価のコバルト錯
イオンの吸着された水酸化ニッケル粒子から成る固形分
を取得し、この夫々の固形分にアルカリ水溶液を添加し
撹拌して良く反応させて前記と同様に水酸化コバルトと
オキシ水酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粒子
のマスから成る本発明の正極活物質或いはオキシ水酸化
コバルトのみで被覆された水酸化ニッケル粒子のマスか
ら成る本発明の正極活物質を得るようにしてもよい。こ
のようにして得られた正極活物質は、水洗した後、その
まゝ或いは乾燥して粉末としてペースト式ニッケル極製
造用の正極活物質として用いる。
【0008】このようにして製造した正極活物質は、前
記のようにして三次元多孔基板に充填して製造したペー
スト式ニッケル極板として、集電効率が飛躍的に向上し
たものが得られ、これを正極として組み込みアルカリ二
次電池とするときは、水酸化ニッケル活物質利用率と電
池容量の向上したアルカリ二次電池が提供できる。従っ
てまた、原料として高価なコバルト系添加物の添加量を
減らし、その分、水酸化ニッケルの量を増大させても利
用率の向上と電池容量の増大した経済的なニッケル極及
び電池が得られる。配位子としては、アンモニアの他、
エチレンジアミン、アセチルアセトン、エチレンジアミ
ン四酢酸一二ナトリウム塩、シアン化物イオンなどが使
用できる。
記のようにして三次元多孔基板に充填して製造したペー
スト式ニッケル極板として、集電効率が飛躍的に向上し
たものが得られ、これを正極として組み込みアルカリ二
次電池とするときは、水酸化ニッケル活物質利用率と電
池容量の向上したアルカリ二次電池が提供できる。従っ
てまた、原料として高価なコバルト系添加物の添加量を
減らし、その分、水酸化ニッケルの量を増大させても利
用率の向上と電池容量の増大した経済的なニッケル極及
び電池が得られる。配位子としては、アンモニアの他、
エチレンジアミン、アセチルアセトン、エチレンジアミ
ン四酢酸一二ナトリウム塩、シアン化物イオンなどが使
用できる。
【0009】尚、前記の吸着処理液の調製法では、コバ
ルト錯イオンを含有する水溶液の調製後、この水溶液に
水酸化ニッケル粉末を添加分散させ、これに該コバルト
錯イオンを吸着させたが、これに代わり、該コバルト錯
イオン含有水溶液の調製前に、例えば、当初のコバルト
塩の水溶液に水酸化ニッケル粉末を添加分散とせて置
き、錯イオン形成剤の介在下で空気の吹き込み或いは水
溶性酸化剤を添加し、生成するコバルト錯イオンを前記
の水酸化ニッケルの分散粒子に吸着させるようにしたも
同様の吸着処理液が調製できる。
ルト錯イオンを含有する水溶液の調製後、この水溶液に
水酸化ニッケル粉末を添加分散させ、これに該コバルト
錯イオンを吸着させたが、これに代わり、該コバルト錯
イオン含有水溶液の調製前に、例えば、当初のコバルト
塩の水溶液に水酸化ニッケル粉末を添加分散とせて置
き、錯イオン形成剤の介在下で空気の吹き込み或いは水
溶性酸化剤を添加し、生成するコバルト錯イオンを前記
の水酸化ニッケルの分散粒子に吸着させるようにしたも
同様の吸着処理液が調製できる。
【0010】次に、硫酸コバルトを原料とし使用して、
本発明の正極活物質の製造法を更に詳細に説明する。硫
酸コバルトの水溶液を調製したときは、下記化1に示す
ようにイオン解離する。
本発明の正極活物質の製造法を更に詳細に説明する。硫
酸コバルトの水溶液を調製したときは、下記化1に示す
ようにイオン解離する。
【0011】
【化1】
【0012】次に、上記の硫酸コバルト水溶液に錯イオ
ン形成剤として、例えばアンモニア水を添加すると、下
記反応式に示すように、2価のコバルト錯イオンとして
ヘキサアミンコバルト(II)イオンが生成する。
ン形成剤として、例えばアンモニア水を添加すると、下
記反応式に示すように、2価のコバルト錯イオンとして
ヘキサアミンコバルト(II)イオンが生成する。
【0013】
【化2】
【0014】次に、この反応液に、空気を吹く込むと、
ヘキサアンミンコバルト(II)イオンは、容易に酸化
されて下記の反応式のように、3価のコバルト酸イオ
ン、即ち、ヘキサアンミンコバルト(III)イオンに
なる。この場合、この酸化時間、空気の吹き込み量など
の酸化条件を調節することができ、所望により2価と3
価のコバルト錯イオンが混在して含有した調製液又は3
価のコバルト錯イオンのみの含有した調製液が得られ
る。この調製液に、球状又は卵状の一次粒子から成る水
酸化ニッケル粉末を添加し、撹拌し分散させると、無数
の分散粒子の夫々に上記の夫々のコバルト錯イオンが吸
着される。二次粒子の場合は、二次粒子間にコバルト錯
イオンが侵入し、二次粒子の内部から、即ち、その各一
次粒子はその内側からも吸着される。かくして、全ての
水酸化ニッケルの粒子がコバルト錯イオンが被着された
水酸化ニッケル粒子を含有する調製液が得られる。
ヘキサアンミンコバルト(II)イオンは、容易に酸化
されて下記の反応式のように、3価のコバルト酸イオ
ン、即ち、ヘキサアンミンコバルト(III)イオンに
なる。この場合、この酸化時間、空気の吹き込み量など
の酸化条件を調節することができ、所望により2価と3
価のコバルト錯イオンが混在して含有した調製液又は3
価のコバルト錯イオンのみの含有した調製液が得られ
る。この調製液に、球状又は卵状の一次粒子から成る水
酸化ニッケル粉末を添加し、撹拌し分散させると、無数
の分散粒子の夫々に上記の夫々のコバルト錯イオンが吸
着される。二次粒子の場合は、二次粒子間にコバルト錯
イオンが侵入し、二次粒子の内部から、即ち、その各一
次粒子はその内側からも吸着される。かくして、全ての
水酸化ニッケルの粒子がコバルト錯イオンが被着された
水酸化ニッケル粒子を含有する調製液が得られる。
【0015】
【化3】
【0016】次に、この夫々の調製液に、アルカリ水溶
液、例えば、5N水酸化ナトリウムの強アルカリ水溶液
を反応させると、夫々の下記の反応式に示すように、配
位子であるアンモニアNH3 が離脱して、2価のコバル
ト錯イオンから水酸化コバルトを、3価のコバルト錯イ
オンからオキシ水酸化コバルトが生成析出する。
液、例えば、5N水酸化ナトリウムの強アルカリ水溶液
を反応させると、夫々の下記の反応式に示すように、配
位子であるアンモニアNH3 が離脱して、2価のコバル
ト錯イオンから水酸化コバルトを、3価のコバルト錯イ
オンからオキシ水酸化コバルトが生成析出する。
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】かくして、水酸化ニッケル粒子がオキシ水
酸化コバルトの析出粒子及び水酸化コバルトの析出粒子
で被覆された導電性が向上した、従って、水酸化ニッケ
ル活物質の利用率の向上した本発明の正極活物質が得ら
れる。かくして、該正極活物質を用いてペースト式ニッ
ケル極を製造するときは、高密度充填が可能となり、こ
のニッケル極を正極として構成したアルカリ二次電池の
高容量化が得られる。従って、同じ利用率を得たい場合
は、ニッケル極中のコバルト量を低減でき、省資源及び
コスト低減したニッケル極が得られる。
酸化コバルトの析出粒子及び水酸化コバルトの析出粒子
で被覆された導電性が向上した、従って、水酸化ニッケ
ル活物質の利用率の向上した本発明の正極活物質が得ら
れる。かくして、該正極活物質を用いてペースト式ニッ
ケル極を製造するときは、高密度充填が可能となり、こ
のニッケル極を正極として構成したアルカリ二次電池の
高容量化が得られる。従って、同じ利用率を得たい場合
は、ニッケル極中のコバルト量を低減でき、省資源及び
コスト低減したニッケル極が得られる。
【0020】
【実施例】次に、更に詳細な実施例を比較例と共に説明
する。 実施例1,2ヘキサアンミンコバルト(III)イオン含有製液の作
製の調製 試薬特級の硫酸コバルト七水塩10gをイオン交換水4
0gに溶解して、硫酸コバルト水溶液を調製した。ここ
に28%アンモニア水を17ml投入し、良く撹拌し反
応させた。投入直後は青色を示していた溶液は、直ちに
黄赤色に変色した。次に、この反応液に空気を吹き込み
乍ら2時間撹拌した後密閉し、酸化処理を行った。この
処理液中のイオン種を確認するために、10mlをサン
プリングして、5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液
を50ml投入して加熱し、生成した沈殿をX線回折装
置で測定した所、オキシ水酸化コバルトであった。よっ
て、該処理液中には3価のコバルト錯イオン、即ち、ヘ
キサアンミンコバルト(III)イオンのみが生成し含
有していることが確認できた。この処理液を調製液Aと
した。オキシ水酸化コバルト単独で被覆された水酸化ニッケル
から成る本発明の正極活物質A,Bの製造 容器内に用意した上記の調製液Aに、市販の球状又は卵
状の形状を有する電池用水酸化ニッケル(1.5%C
o、3%Zn固溶)粉末50gを投入したものを2ロッ
ト用意し、室温でその一方のロットを2時間撹拌し、他
方のロットを5時間撹拌した、その間、その分散した水
酸化ニッケル粒子に含有する3価のコバルト錯イオンを
吸着処理した。その後、その各ロットの吸着処理液につ
き濾過し、濾液とし分離した各固形分を容器に入れ、こ
れに80℃の5ml/lの濃度の水酸化ナトリウム水溶
液を50mlを投入し、3価のコバルト錯イオンとアル
カリ水溶液中のOHイオンとを反応させ、オキシ水酸化
コバルトを析出させた。その後、アンモニアを完全に離
脱させるために、100℃に1時間放置した後、pHを
8以下になるまで水洗し、次で、100℃で1時間乾燥
した。かくして、導電性のオキシ水酸化コバルトのみで
被覆された水酸化ニッケル粒子から成る正極活物質A,
Bを得た。この夫々を化学分析の結果、含有するコバル
トは固溶分を除いて、前記の撹拌時間が2時間の場合は
3.1%、5時間の場合は5.7%であった。 実施例3,4ヘキサアンミンコバルト(III)イオンとヘキサアン
ミンコバルト(II)イオンの混合イオン含有液の調製 試薬特級の硫酸コバルト七水塩10gをイオン交換水4
0gに溶解して、硫酸コバルト水溶液を調製した。ここ
に28%アンモニア水を17ml投入し、良く撹拌し反
応させた。投入直後は青色を示していた溶液は、直ちに
黄赤色に変色した。次に、この反応液に空気を吹き込み
乍ら5分間撹拌し酸化処理を行った。この処理液中のイ
オン種を確認するために、10mlをサンプリングし
て、5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を50ml
投入して加熱し、生成したゲル状の沈殿をX線回折装置
で測定した所、オキシ水酸化コバルトの混合物であっ
た。よって、該処理液中にはヘキサアンミンコバルト
(III)イオンとヘキサアンミンコバルト(II)イ
オンが生成し混在していることが確認できた。この処理
液を調製液Bとした。オキシ水酸化コバルトと水酸化コバルトで被覆された水
酸化ニッケルから成る本発明の正極活物質C,Dの製造 容器内に用意した上記の調製液Bに、市販の球状又は卵
状の形状を有する電池用水酸化ニッケル(1.5%C
o、3%Zn固溶)粉末50gを投入して、容器内の空
気を窒素ガスで置換した密閉状態にしたものを2ロット
用意し、室温でその一方のロットを1.8時間撹拌し、
他方のロットを4.6時間撹拌し、その間、その分散し
た水酸化ニッケル粒子に、2価及び3価の混合イオンを
吸着処理した。その後、各ロットの吸着処理液につき濾
過し、濾液と分離した各固形分を容器に入れ、これに8
0℃の5ml/l水酸化ナトリウム水溶液を50mlを
投入した後、この状態で2価及び3価のコバルト錯イオ
ンとアルカリ水溶液中のOHイオンとを反応させ、水酸
化コバルト及びオキシ水酸化コバルトを析出させた。ア
ンモニアを完全に離脱させるために、100℃に1時間
放置した後、pH=8以下になるまで水洗し、次で、1
00℃で1時間乾燥した。かくして、水酸化コバルトと
オキシ水酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粒子
から成る正極活物質C,Dを得た。この夫々を化学分析
の結果、コバルトは固溶分を除いて、前記の撹拌時間が
1.8時間の場合は3.2%、4.6時間の場合は5.
8%であった。
する。 実施例1,2ヘキサアンミンコバルト(III)イオン含有製液の作
製の調製 試薬特級の硫酸コバルト七水塩10gをイオン交換水4
0gに溶解して、硫酸コバルト水溶液を調製した。ここ
に28%アンモニア水を17ml投入し、良く撹拌し反
応させた。投入直後は青色を示していた溶液は、直ちに
黄赤色に変色した。次に、この反応液に空気を吹き込み
乍ら2時間撹拌した後密閉し、酸化処理を行った。この
処理液中のイオン種を確認するために、10mlをサン
プリングして、5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液
を50ml投入して加熱し、生成した沈殿をX線回折装
置で測定した所、オキシ水酸化コバルトであった。よっ
て、該処理液中には3価のコバルト錯イオン、即ち、ヘ
キサアンミンコバルト(III)イオンのみが生成し含
有していることが確認できた。この処理液を調製液Aと
した。オキシ水酸化コバルト単独で被覆された水酸化ニッケル
から成る本発明の正極活物質A,Bの製造 容器内に用意した上記の調製液Aに、市販の球状又は卵
状の形状を有する電池用水酸化ニッケル(1.5%C
o、3%Zn固溶)粉末50gを投入したものを2ロッ
ト用意し、室温でその一方のロットを2時間撹拌し、他
方のロットを5時間撹拌した、その間、その分散した水
酸化ニッケル粒子に含有する3価のコバルト錯イオンを
吸着処理した。その後、その各ロットの吸着処理液につ
き濾過し、濾液とし分離した各固形分を容器に入れ、こ
れに80℃の5ml/lの濃度の水酸化ナトリウム水溶
液を50mlを投入し、3価のコバルト錯イオンとアル
カリ水溶液中のOHイオンとを反応させ、オキシ水酸化
コバルトを析出させた。その後、アンモニアを完全に離
脱させるために、100℃に1時間放置した後、pHを
8以下になるまで水洗し、次で、100℃で1時間乾燥
した。かくして、導電性のオキシ水酸化コバルトのみで
被覆された水酸化ニッケル粒子から成る正極活物質A,
Bを得た。この夫々を化学分析の結果、含有するコバル
トは固溶分を除いて、前記の撹拌時間が2時間の場合は
3.1%、5時間の場合は5.7%であった。 実施例3,4ヘキサアンミンコバルト(III)イオンとヘキサアン
ミンコバルト(II)イオンの混合イオン含有液の調製 試薬特級の硫酸コバルト七水塩10gをイオン交換水4
0gに溶解して、硫酸コバルト水溶液を調製した。ここ
に28%アンモニア水を17ml投入し、良く撹拌し反
応させた。投入直後は青色を示していた溶液は、直ちに
黄赤色に変色した。次に、この反応液に空気を吹き込み
乍ら5分間撹拌し酸化処理を行った。この処理液中のイ
オン種を確認するために、10mlをサンプリングし
て、5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を50ml
投入して加熱し、生成したゲル状の沈殿をX線回折装置
で測定した所、オキシ水酸化コバルトの混合物であっ
た。よって、該処理液中にはヘキサアンミンコバルト
(III)イオンとヘキサアンミンコバルト(II)イ
オンが生成し混在していることが確認できた。この処理
液を調製液Bとした。オキシ水酸化コバルトと水酸化コバルトで被覆された水
酸化ニッケルから成る本発明の正極活物質C,Dの製造 容器内に用意した上記の調製液Bに、市販の球状又は卵
状の形状を有する電池用水酸化ニッケル(1.5%C
o、3%Zn固溶)粉末50gを投入して、容器内の空
気を窒素ガスで置換した密閉状態にしたものを2ロット
用意し、室温でその一方のロットを1.8時間撹拌し、
他方のロットを4.6時間撹拌し、その間、その分散し
た水酸化ニッケル粒子に、2価及び3価の混合イオンを
吸着処理した。その後、各ロットの吸着処理液につき濾
過し、濾液と分離した各固形分を容器に入れ、これに8
0℃の5ml/l水酸化ナトリウム水溶液を50mlを
投入した後、この状態で2価及び3価のコバルト錯イオ
ンとアルカリ水溶液中のOHイオンとを反応させ、水酸
化コバルト及びオキシ水酸化コバルトを析出させた。ア
ンモニアを完全に離脱させるために、100℃に1時間
放置した後、pH=8以下になるまで水洗し、次で、1
00℃で1時間乾燥した。かくして、水酸化コバルトと
オキシ水酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粒子
から成る正極活物質C,Dを得た。この夫々を化学分析
の結果、コバルトは固溶分を除いて、前記の撹拌時間が
1.8時間の場合は3.2%、4.6時間の場合は5.
8%であった。
【0021】比較例1,2オキシ水酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粒子
から成る比較用正極活物質の製造 市販の球状又は卵状の形状を有する電池用水酸化ニッケ
ル(1.5%Co、3%Zn固溶)粉末100gをイオ
ン交換水500mlに投入して60℃で撹拌し、0.1
Mの硫酸コバルト水溶液、0.2Mアンモニア水及び
0.2M水酸化ナトリウムを1ml/分の流速で滴下し
た後、その溶液を2ロット用意し、その各ロットの溶液
につき、下記の所定時間夫々反応させた。反応後、各反
応液につき濾過し、固形分を炉液と分離し、水洗した
後、80℃で1時間乾燥し、水酸化コバルト被覆の水酸
化ニッケル粉末を得た、その夫々取得した粉末につき、
ICP分析を行った結果、コバルト含有率は、水酸化ニ
ッケル中の固溶分を除いて、その粉体全体に対し、反応
時間が5時間の場合は3.2%、10時間の場合は5.
7%であった。次に、その夫々の粉末を30%水酸化ナ
トリウム水溶液に投入して、80℃で空気を吹き込み乍
ら6時間撹拌した。この時、反応液は初期に濃い青色を
示し、徐々に黒変した。反応後、夫々の反応液を濾過し
固形分を炉液と分離し、水洗した後、80℃で1時間乾
燥してオキシ水酸化コバルト被覆の水酸化ニッケルから
成る正極活物質粉末E,Fを得た。この粉末E,FをX
線回折装置で調査した所、小さな四三酸化コバルトのピ
ークが認められた。
から成る比較用正極活物質の製造 市販の球状又は卵状の形状を有する電池用水酸化ニッケ
ル(1.5%Co、3%Zn固溶)粉末100gをイオ
ン交換水500mlに投入して60℃で撹拌し、0.1
Mの硫酸コバルト水溶液、0.2Mアンモニア水及び
0.2M水酸化ナトリウムを1ml/分の流速で滴下し
た後、その溶液を2ロット用意し、その各ロットの溶液
につき、下記の所定時間夫々反応させた。反応後、各反
応液につき濾過し、固形分を炉液と分離し、水洗した
後、80℃で1時間乾燥し、水酸化コバルト被覆の水酸
化ニッケル粉末を得た、その夫々取得した粉末につき、
ICP分析を行った結果、コバルト含有率は、水酸化ニ
ッケル中の固溶分を除いて、その粉体全体に対し、反応
時間が5時間の場合は3.2%、10時間の場合は5.
7%であった。次に、その夫々の粉末を30%水酸化ナ
トリウム水溶液に投入して、80℃で空気を吹き込み乍
ら6時間撹拌した。この時、反応液は初期に濃い青色を
示し、徐々に黒変した。反応後、夫々の反応液を濾過し
固形分を炉液と分離し、水洗した後、80℃で1時間乾
燥してオキシ水酸化コバルト被覆の水酸化ニッケルから
成る正極活物質粉末E,Fを得た。この粉末E,FをX
線回折装置で調査した所、小さな四三酸化コバルトのピ
ークが認められた。
【0022】比較例3 水酸化コバルト微被覆処理をしない市販の水酸化ニッケ
ル(1.5%Co、3%Zn固溶)から成る正極活物質
粉末Gを比較用試料とした。
ル(1.5%Co、3%Zn固溶)から成る正極活物質
粉末Gを比較用試料とした。
【0023】比較例4微細な水酸化コバルト粒子で被覆された水酸化ニッケル
粒子から成る比較用正極活物質の製造 28.1gの硫酸コバルト七水塩を100mlのイオン
交換水に溶解した水溶液に、上記市販の水酸化コバルト
92.5gを入れて撹拌している所へ、0.1M水酸化
ナトリウム溶液をpH>8以上になるまで滴下した。溶
液はゲル化した。次に濾過して濾液と分離した固形分が
pH<8以下になるまで水洗した後、100℃で1時間
乾燥し、微細な水酸化コバルト粒子で被覆された水酸化
ニッケル(コバルト含有率5.8%)の正極活物質Hを
製造した。
粒子から成る比較用正極活物質の製造 28.1gの硫酸コバルト七水塩を100mlのイオン
交換水に溶解した水溶液に、上記市販の水酸化コバルト
92.5gを入れて撹拌している所へ、0.1M水酸化
ナトリウム溶液をpH>8以上になるまで滴下した。溶
液はゲル化した。次に濾過して濾液と分離した固形分が
pH<8以下になるまで水洗した後、100℃で1時間
乾燥し、微細な水酸化コバルト粒子で被覆された水酸化
ニッケル(コバルト含有率5.8%)の正極活物質Hを
製造した。
【0024】ペースト式ニッケル極板A〜Hの製造 上記試料正極活物質A〜Hの夫々につき、その100重
量部に対してCMC水溶液を36重量部を投入して撹拌
し、活物質ペーストを調製し、これを発泡ニッケル基板
に充填し、乾燥、プレス、裁断してペースト式ニッケル
極板A〜Hを製造した。裁断寸法及び充填量はほほゞ同
一とした。従来法によるコバルト系添加剤を添加したペースト式ニ
ッケル極板Iの製造 上記の正極活物質G92.5重量部と酸化コバルト7.
5重量部に、1%CMC水溶液を全粉末重量に対して3
6%に相当する量を投入し、混合撹拌して、従来の正極
活物質ペーストを調製した。この活物質ペーストを発泡
ニッケル基板に充填、乾燥、プレス、裁断してペースト
式ニッケル極板Iを製造した。裁断寸法及び充填量は、
上記ペースト式ニッケル極板A〜Hとほほゞ同一とし
た。尚、全原料粉末に対するコバルトの比率はICP分
析の結果、固溶分を除いて5.8%であり、ニッケル極
B,D,F,Hとほほゞ同量でだった。
量部に対してCMC水溶液を36重量部を投入して撹拌
し、活物質ペーストを調製し、これを発泡ニッケル基板
に充填し、乾燥、プレス、裁断してペースト式ニッケル
極板A〜Hを製造した。裁断寸法及び充填量はほほゞ同
一とした。従来法によるコバルト系添加剤を添加したペースト式ニ
ッケル極板Iの製造 上記の正極活物質G92.5重量部と酸化コバルト7.
5重量部に、1%CMC水溶液を全粉末重量に対して3
6%に相当する量を投入し、混合撹拌して、従来の正極
活物質ペーストを調製した。この活物質ペーストを発泡
ニッケル基板に充填、乾燥、プレス、裁断してペースト
式ニッケル極板Iを製造した。裁断寸法及び充填量は、
上記ペースト式ニッケル極板A〜Hとほほゞ同一とし
た。尚、全原料粉末に対するコバルトの比率はICP分
析の結果、固溶分を除いて5.8%であり、ニッケル極
B,D,F,Hとほほゞ同量でだった。
【0025】アルカリ二次電池の組み立て 上記のペースト式ニッケル極A〜Iにつき、夫々正極と
し、市販のAB5 系水素吸蔵合金、例えばMmNi3.2
Co1.0 Mn0.2 Al1.3 (Mmはミッシュメタル)を
用いた極板を負極、親水化したポリオレフィン系不織布
セパレータを介して正,負極板を積層して成る極板群を
缶容器に収容し、KOHを主体とした比重130の電解
液(KOH24%、NaOH5%、LiOH1%)を
cc注入し、施蓋封口して公称容量1200mAh
相当のAAサイズニッケル−水素密閉アルカリ電池を組
み立て、夫々を電池A〜Iとした。
し、市販のAB5 系水素吸蔵合金、例えばMmNi3.2
Co1.0 Mn0.2 Al1.3 (Mmはミッシュメタル)を
用いた極板を負極、親水化したポリオレフィン系不織布
セパレータを介して正,負極板を積層して成る極板群を
缶容器に収容し、KOHを主体とした比重130の電解
液(KOH24%、NaOH5%、LiOH1%)を
cc注入し、施蓋封口して公称容量1200mAh
相当のAAサイズニッケル−水素密閉アルカリ電池を組
み立て、夫々を電池A〜Iとした。
【0026】放置、充電並びに活性化処理 電池A〜Iを組み立て後、室温において5時間放置した
後、0.2Cの電流で公称容量に対して150%の電気
量を充電する初充電を行った。その後、室温で16時間
放置した後、0.2Cの初充電を行った。次に、0.2
Cで公称容量に対して150%の充電と、0.2Cで電
池電圧1Vまでの放電を3サイクル繰返して初期活性化
を行い、3サイクル目放電時の電池容量と水酸化ニッケ
ル利用率を算出した。その結果を下記表1に示す。ニッ
ケル極利用率は水酸化ニッケルの一電子反応時の理論電
気量を100%とした。
後、0.2Cの電流で公称容量に対して150%の電気
量を充電する初充電を行った。その後、室温で16時間
放置した後、0.2Cの初充電を行った。次に、0.2
Cで公称容量に対して150%の充電と、0.2Cで電
池電圧1Vまでの放電を3サイクル繰返して初期活性化
を行い、3サイクル目放電時の電池容量と水酸化ニッケ
ル利用率を算出した。その結果を下記表1に示す。ニッ
ケル極利用率は水酸化ニッケルの一電子反応時の理論電
気量を100%とした。
【0027】
【表1】
【0028】上記表1から明らかなように、本発明に係
る電池A〜Dは、比較用電池E〜Iに比し高い利用率を
示した。コバルト含有率の低い本発明による電池A,C
もコバルト含有率の高い本発明の電池B,Dと比較する
と、利用率が低いものの、水酸化ニッケル比率が高いた
めに、ほゞ同等の容量が得られた。これはコバルト含有
量が約2倍の電池Iと比べても、同じ充填量で高い容量
を示し、コバルト添加量の低減が可能であることが判
る。また、電池C,Dの方が電池A,Bと比較して利用
率が高いのは、初充電時に水酸化コバルトが存在したた
めに、これが電解液に溶解して水酸化ニッケル活物質粒
子間及び同粒子と金属多孔基板との間にオキシ水酸化コ
バルトを形成したために、更に集電効率が上昇したもの
と考えられる。電池E及びFは、同じ夫々同じコバルト
含有量の電池A,C及びB,Dと比較して利用率が低く
なった。これは処理中に生成した不導体の四三酸化コバ
ルトによりニッケル極中の集電効率が低下したためと考
えられる。電池Gはコバルト導電マトリックスが形成さ
れなかったために低い利用率となった。またコバルト含
有量が電池B,D,Fと同じ電池Hは利用率が低かっ
た。これはコバルト導電マトリックスの成長が不十分で
あったからであると思われる。本発明による電池A〜D
では、コバルト含有量が多いほど水酸化ニッケル利用率
が高い傾向を示すが、水酸化コバルト量が多いと相対的
な水酸化ニッケル量が減少し容量が低下するために、被
覆するコバルト量は適正範囲を持つと考えられる。その
適正範囲は、2〜6%(但、固溶分コバルトを除く)が
好ましい。また、電池A〜Dは同じ充電量で飛躍的に高
い容量を示すため、本来は−/+容量比を考慮してより
大きな容量の負極と組み合わせなければならないが、そ
れでも本発明に係る方法により高容量化への寄与は非常
に大きく、またコバルト含有量の低減による低コスト化
及び省資源化への貢献は非常に大きい。
る電池A〜Dは、比較用電池E〜Iに比し高い利用率を
示した。コバルト含有率の低い本発明による電池A,C
もコバルト含有率の高い本発明の電池B,Dと比較する
と、利用率が低いものの、水酸化ニッケル比率が高いた
めに、ほゞ同等の容量が得られた。これはコバルト含有
量が約2倍の電池Iと比べても、同じ充填量で高い容量
を示し、コバルト添加量の低減が可能であることが判
る。また、電池C,Dの方が電池A,Bと比較して利用
率が高いのは、初充電時に水酸化コバルトが存在したた
めに、これが電解液に溶解して水酸化ニッケル活物質粒
子間及び同粒子と金属多孔基板との間にオキシ水酸化コ
バルトを形成したために、更に集電効率が上昇したもの
と考えられる。電池E及びFは、同じ夫々同じコバルト
含有量の電池A,C及びB,Dと比較して利用率が低く
なった。これは処理中に生成した不導体の四三酸化コバ
ルトによりニッケル極中の集電効率が低下したためと考
えられる。電池Gはコバルト導電マトリックスが形成さ
れなかったために低い利用率となった。またコバルト含
有量が電池B,D,Fと同じ電池Hは利用率が低かっ
た。これはコバルト導電マトリックスの成長が不十分で
あったからであると思われる。本発明による電池A〜D
では、コバルト含有量が多いほど水酸化ニッケル利用率
が高い傾向を示すが、水酸化コバルト量が多いと相対的
な水酸化ニッケル量が減少し容量が低下するために、被
覆するコバルト量は適正範囲を持つと考えられる。その
適正範囲は、2〜6%(但、固溶分コバルトを除く)が
好ましい。また、電池A〜Dは同じ充電量で飛躍的に高
い容量を示すため、本来は−/+容量比を考慮してより
大きな容量の負極と組み合わせなければならないが、そ
れでも本発明に係る方法により高容量化への寄与は非常
に大きく、またコバルト含有量の低減による低コスト化
及び省資源化への貢献は非常に大きい。
【0029】尚、本発明の正極活物質の製造法として、
前記の実施例1,2,3,4の製造工程において得られ
た吸着処理液につき、濾過することなくこれに直接80
℃の5ml/lの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を50
ml投入して3価のコバルト錯イオンとアルカリ水溶液
中のOHイオンと反応させ、オキシ水酸化コバルトを析
出させ、その後アンモニアを完全に離脱させるために、
100℃に1時間放置し、その後濾過、水洗して導電性
オキシ水酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粒子
から成る正極活物質を得るようにしてもよい。而して、
これを用い、前記と同様にしてペースト式ニッケル極並
びにアルカリ二次電池を製造することができる。
前記の実施例1,2,3,4の製造工程において得られ
た吸着処理液につき、濾過することなくこれに直接80
℃の5ml/lの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を50
ml投入して3価のコバルト錯イオンとアルカリ水溶液
中のOHイオンと反応させ、オキシ水酸化コバルトを析
出させ、その後アンモニアを完全に離脱させるために、
100℃に1時間放置し、その後濾過、水洗して導電性
オキシ水酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粒子
から成る正極活物質を得るようにしてもよい。而して、
これを用い、前記と同様にしてペースト式ニッケル極並
びにアルカリ二次電池を製造することができる。
【0030】
【発明の効果】このように本発明によるときは、コバル
ト塩水溶液に、錯イオン形成剤の存在化で空気を吹き込
み、或いは水溶性の酸化剤を添加し、2価と3価のコバ
ルト錯イオンの両者が混在した水溶液又は3価コバルト
錯イオン単独を含有する水溶液を調製すると共に、該コ
バルト錯イオンを水溶液中に分散せしめた水酸化ニッケ
ル粉末の粒子に吸着せしめた後、これにアルカリ水溶液
を反応させたので、水酸化コバルト及び導電性のオキシ
水酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粒子から成
る正極活物質又は3価のオキシ水酸化コバルト単独で被
覆された水酸化ニッケル粒子から成る正極活物質を製造
し得られる。これを用いてペースト式ニッケル極とする
ときは、従来と同じコバルト含有量で従来に比し活物質
利用率の向上したニッケル極が得られ、更にコバルト含
有量を減少させても利用率の大きいペースト式ニッケル
極をもたらす。更にこのニッケル極を正極としたアルカ
リ二次電池を構成するときは、従来に著しく容量の増大
した電池が得られる。
ト塩水溶液に、錯イオン形成剤の存在化で空気を吹き込
み、或いは水溶性の酸化剤を添加し、2価と3価のコバ
ルト錯イオンの両者が混在した水溶液又は3価コバルト
錯イオン単独を含有する水溶液を調製すると共に、該コ
バルト錯イオンを水溶液中に分散せしめた水酸化ニッケ
ル粉末の粒子に吸着せしめた後、これにアルカリ水溶液
を反応させたので、水酸化コバルト及び導電性のオキシ
水酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粒子から成
る正極活物質又は3価のオキシ水酸化コバルト単独で被
覆された水酸化ニッケル粒子から成る正極活物質を製造
し得られる。これを用いてペースト式ニッケル極とする
ときは、従来と同じコバルト含有量で従来に比し活物質
利用率の向上したニッケル極が得られ、更にコバルト含
有量を減少させても利用率の大きいペースト式ニッケル
極をもたらす。更にこのニッケル極を正極としたアルカ
リ二次電池を構成するときは、従来に著しく容量の増大
した電池が得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 コバルト塩の水溶液に錯イオン形成剤の
介在下で空気を吹き込み或いは水溶性の酸化剤を添加
し、2価及び3価のコバルト錯イオン又は3価のコバル
ト錯イオンのみを含有する水溶液を調製すると共に、該
コバルト錯イオンを水溶液中に添加撹拌して分散せしめ
た無数の水酸化ニッケル粉末の粒子に吸着せしめた後、
この吸着処理液又はこの吸着処理液から分取した固形分
にアルカリ水溶液を添加して前記の水酸化ニッケル粒子
に吸着のコバルト錯イオンと反応させて水酸化ニッケル
粒子の内部及びその表面にオキシ水酸化コバルトと水酸
化コバルト又はオキシ水酸化コバルト単独を生成せしめ
たことを特徴とするアルカリ二次電池用正極活物質の製
造法。 - 【請求項2】 請求項1に係る正極活物質を具備したペ
ースト式ニッケル極。 - 【請求項3】 請求項2に係るペースト式ニッケル極を
正極として具備して成るアルカリ二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9151645A JPH10326617A (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | アルカリ二次電池用正極活物質の製造法、ペースト式ニッケル極並びにアルカリ二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9151645A JPH10326617A (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | アルカリ二次電池用正極活物質の製造法、ペースト式ニッケル極並びにアルカリ二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10326617A true JPH10326617A (ja) | 1998-12-08 |
Family
ID=15523099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9151645A Pending JPH10326617A (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | アルカリ二次電池用正極活物質の製造法、ペースト式ニッケル極並びにアルカリ二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10326617A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011071125A (ja) * | 2010-11-10 | 2011-04-07 | Toyota Motor Corp | アルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法 |
JP2014029818A (ja) * | 2011-08-23 | 2014-02-13 | Nippon Shokubai Co Ltd | ゲル電解質又は負極合剤、及び、該ゲル電解質又は負極合剤を使用した電池 |
US9276258B2 (en) | 2004-07-30 | 2016-03-01 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Positive electrode active material for alkaline storage battery, positive electrode for alkaline storage battery, alkaline storage battery, and method for manufacturing positive electrode active material for alkaline storage battery |
CN111066183A (zh) * | 2017-09-11 | 2020-04-24 | 株式会社田中化学研究所 | 碱性蓄电池用正极活性物质 |
US11646414B2 (en) * | 2017-09-11 | 2023-05-09 | Tanaka Corporation | Positive electrode active material for alkaline storage battery, and method for producing positive electrode active material for alkaline storage battery |
-
1997
- 1997-05-26 JP JP9151645A patent/JPH10326617A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9276258B2 (en) | 2004-07-30 | 2016-03-01 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Positive electrode active material for alkaline storage battery, positive electrode for alkaline storage battery, alkaline storage battery, and method for manufacturing positive electrode active material for alkaline storage battery |
JP2011071125A (ja) * | 2010-11-10 | 2011-04-07 | Toyota Motor Corp | アルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法 |
JP2014029818A (ja) * | 2011-08-23 | 2014-02-13 | Nippon Shokubai Co Ltd | ゲル電解質又は負極合剤、及び、該ゲル電解質又は負極合剤を使用した電池 |
CN111066183A (zh) * | 2017-09-11 | 2020-04-24 | 株式会社田中化学研究所 | 碱性蓄电池用正极活性物质 |
CN111066183B (zh) * | 2017-09-11 | 2023-04-04 | 株式会社田中化学研究所 | 碱性蓄电池用正极活性物质 |
US11646414B2 (en) * | 2017-09-11 | 2023-05-09 | Tanaka Corporation | Positive electrode active material for alkaline storage battery, and method for producing positive electrode active material for alkaline storage battery |
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