JPH10326614A - 金属酸化物・水素電池 - Google Patents

金属酸化物・水素電池

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JPH10326614A
JPH10326614A JP10162771A JP16277198A JPH10326614A JP H10326614 A JPH10326614 A JP H10326614A JP 10162771 A JP10162771 A JP 10162771A JP 16277198 A JP16277198 A JP 16277198A JP H10326614 A JPH10326614 A JP H10326614A
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hydrogen
rare earth
battery
metal oxide
hydrogen storage
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JP10162771A
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Eriko Yagasaki
えり子 矢ケ崎
Motoi Kanda
基 神田
Yuji Sato
優治 佐藤
Kunihiko Sasaki
佐々木  邦彦
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大容量であり、かつ長寿命で内圧上昇も防止
され水素漏洩の危険も少ない安全性に優れた電池を提供
すること。 【解決手段】 金属酸化物を正極活物質とし、水素を負
極活物質とする金属酸化物・水素電池において、負極を
構成する主原料である希土類系水素吸蔵合金中の希土類
成分がCe、La、Pr、Ndを含み、前記Ceの含有
量が前記水素吸蔵合金中に含有される希土類元素の総量
の0.1重量%以上であり、かつCeに対するLaの重
量比が5.2以上、Ceに対するPrのそれが1.4以
上、Ceに対するNdのそれが3.6以上のうち少なく
とも二つを満たすことを特徴とする金属酸化物・水素電
池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属酸化物を正極
活物質とし水素を負極活物質とするいわゆる、金属酸化
物・水素二次電池に関し、更に詳しくは、水素負極が水
素吸蔵合金で構成され、電池内圧を低位に保持し、自己
放電も抑制され、かつ長寿命を維持する金属酸化物・水
素電池に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、金属酸化物・水素電池において、
水素負極を水素吸蔵合金で構成した形式のものが注目を
集めている。その理由は、この電池系が元来高エネルギ
ー密度を有し、容積効率的に有利であり、しかも安全作
動が可能であって、特性的にも信頼度の点でも優れてい
るからである。
【0003】この形式の電池の水素負極に用いる水素吸
蔵合金としては、従来から、LaNi5 が多用されてい
る。また、La,Ce,Pr,Nd,Smなどのランタ
ン系元素の混合物であるミッシュメタル(以下Mmと指
称する。)とNiとの合金、すなわちMmNi5 も広く
用いられている。LaNi5 のような希土類成分として
La元素のみを含むような水素吸蔵合金は確かに電池負
極材料として優れているが、Laが高価であるために実
用的ではない。このため希土類成分としてはMmやMm
に簡単な処理を施して得られるような希土類元素の混合
物が用いられている。
【0004】しかしながら、このような通常用いられて
いるMm(La25〜30重量%、Ce約50重量%、
Pr5〜10重量%、Nd12〜20重量%を主成分と
する。)を希土類成分とする水素吸蔵合金は、Laを希
土類成分とする水素吸蔵合金に比べて、水素吸蔵・放出
時の平衡プラトー圧が高くなる傾向がある。例えばMm
Ni5 の平衡プラトー圧は常温において約15気圧であ
るが、このようにプラトー圧が大気圧を越える水素吸蔵
合金を負極材料として使用した電池では、電池内圧が大
気圧より高くなるという不都合を生じる。
【0005】こうした電池内圧が大気圧より高い場合で
は、電池容器の構造をある程度堅牢にすることが必要で
あることと並んで、特性的には次のような不都合な事態
を引き起こす。第1の問題は、電池内の水素分子はその
分子径が小さく、そのため電池容器から徐々にせよ水素
が漏洩することが不可避であり、安全性を著しく損なう
こと;第2の問題は、第1の現象の結果、水素負極から
吸蔵されている水素が放出されて電池容量は低下し自己
放電を招くことである。
【0006】このようなことから、水素負極に平衡プラ
トー圧の低い水素吸蔵合金を使用することが提案され、
各種の合金の研究が進められてきた。
【0007】しかしながら、たとえこの平衡プラトー圧
は低くても、吸蔵し得る水素量が小さい水素吸蔵合金を
負極材料として構成した電池では、次のような問題点が
生じる。まず第1に、水素吸蔵量が小さいので充電可能
な電池容量が小さくなること;第2に充電容量が小さい
ため、過充電状態になり易く、その結果として気体状の
水素が発生しやすいことである。過充電時の水素発生は
電池内圧上昇をもたらすので、電池の安全性を損なう。
【0008】以上の点を考え合わせると、水素負極の材
料としては、平衡プラトー圧が低く、かつ水素吸蔵量が
大きい水素吸蔵合金を使用することが望ましいといえ
る。
【0009】さらに、二次電池の電極材料には、充放電
の繰り返しにおける容量低下が少ないという長寿命特性
も要求される。これは水素吸蔵量が大きく平衡プラトー
圧が低い水素吸蔵合金を使用して水素負極を構成し、電
解液であるアルカリ水溶液中で充放電を繰り返した時
に、初期のうちは大容量が保持されかつ水素発生が見ら
れなくても、少ない充放電の繰り返しで電池の寿命が尽
きてしまうのでは、その利用に大幅な制限が加わってし
まうからである。例えばMmNi4.5 Mn0.5 やMmN
4.2 Mn0.8 合金といった従来より多用されている合
金を負極材料とした電極では、初期には充放電容量に対
し100%の放電が可能であるが、約100回の充放電
サイクルで80%に、約150回で50%に容量が低下
してしまう。これは電解液中での充放電サイクルに対し
て負極材料である水素吸蔵合金が化学的に安定でないこ
とが原因であると考えられており、長寿命化のためには
このような化学的安定性をも要求される。
【0010】以上述べてきたように、金属酸化物・水素
電池の負極材料として用いる水素吸蔵合金には水素吸蔵
量が大きく平衡プラトー圧が低いことが求められ、それ
を使用した水素吸蔵合金電極にはさらに化学的に安定で
寿命の長い特性が求められるが、これらをすべて満足す
るような水素吸蔵合金電極は得られていない。よって金
属酸化物・水素電池に求められている大容量であり、か
つ内圧上昇が防止されて、水素漏洩の危険が少なく安定
性に優れており、自己放電も少なくて長寿命であるとい
う特性をすべて有した電池は作り得なかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の水素
吸蔵合金電極の持つ上記の様々な問題点を解消する水素
吸蔵合金電極を提供し、これにより電池内圧が低位に保
持されて水素漏洩が防止されて安全性が確保され、自己
放電も抑制された大容量かつ長寿命の金属酸化物・水素
電池の提供を目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく水素吸蔵合金を材料とする電池負極につい
て研究を重ねた結果、希土類系水素吸蔵合金の希土類成
分として含まれるCeの量を制御することにより、水素
吸蔵量が増加し、平衡プラトー圧が低下し、かつ電極が
長寿命化されることを見出した。これにより、当該合金
を材料として電池負極を構成し、金属酸化物によって構
成された正極とともに作成された電池は、大容量をもち
内圧が低位に保持されかつ長寿命を有することが確認さ
れた。
【0013】すなわち、本発明の金属酸化物・水素電池
は、金属酸化物を正極活物質とし、水素を負極活物質と
する金属酸化物・水素電池において、負極を構成する主
原料である希土類系水素吸蔵合金中の希土類成分がC
e、La、Pr、Ndを含み、前記Ceの含有量が前記
水素吸蔵合金中に含有される希土類元素の総量の0.1
重量%以上であり、かつCeに対するLaの重量比が
5.2以上、Ceに対するPrのそれが1.4以上、C
eに対するNdのそれが3.6以上のそれが0.1以上
のうち少なくとも二つを満たすことを特徴とする。
【0014】また、本発明の金属酸化物・水素電池は、
金属酸化物を正極活物質とし、水素を負極活物質とする
金属酸化物・水素電池において、負極を構成する主原料
である希土類系水素吸蔵合金中の希土類成分がCe、L
a、Pr、Ndを含み、前記Ceの含有量が前記水素吸
蔵合金中に含有される希土類元素の総量の0.1重量%
以上であり、かつCeに対するLa、Pr、Ndの各元
素の重量比が、それぞれ5.2、1.4、3.6以上で
あることを特徴とする。
【0015】また、本発明の金属酸化物・水素電池は、
金属酸化物を正極活物質とし、水素を負極活物質とする
金属酸化物・水素電池において、負極を構成する主原料
である希土類系水素吸蔵合金中の希土類成分がCeを含
む2種以上の希土類元素から成り、前記Ceの含有量が
前記希土類系水素吸蔵合金中に含有される希土類元素の
総量の0.1重量%以上であり、かつ前記希土類系水素
吸蔵合金はCeの除去により形成されたものであること
を特徴とする。
【0016】なお、本発明における希土類元素には、イ
ットリウムが含まれる。また、合金中に他の元素が不純
物として微量含まれていても良い。そして、特にCe量
が希土類元素の総量の0.1 重量%以上10重量%未満、
特に8重量%以下であるときには、寿命特性のより一層
の向上が実現でき、より好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、Ceに対するL
aの重量比を5.2以上、Ceに対するPrのそれを
1.4以上、Ceに対するNdのそれを3.6以上と規
定したのは、Ceの重量を他の元素に比べて相対的に小
さくすることにより、前述した水素吸蔵量の増加、平衡
プラトー圧の低下、及び電極の長寿命化という効果を効
率的に達成するためである。
【0018】かかるCeに対する各元素の重量比は、後
述する実施例における希土類系水素吸蔵合金の組成に対
応するものである。すなわち、実施例6の組成において
Ceに対する各元素の重量比は上記した各重量比にほぼ
相当し、他の実施例における値も当該重量比を上回るも
のである。
【0019】上記の構成にすることにより大容量を持ち
内圧が低位に保持されかつ長寿命を有することが確認さ
れた。
【0020】また、二次電池負極材料として適当な希土
類系水素吸蔵合金の組成としては、次式: MAx y z (式中、Mは2種以上の希土類元素の混合物;AはN
i,Coのいずれか1種または両方;Bは、Cu,F
e,Mnの少なくとも1種以上;CはAl,Cr,S
i,Ti,V,Snより選ばれる元素の少なくとも一種
以上)で表される組成が挙げられる。Mとしては、具体
的には通常のMmからCeを0.1重量%以上10重量
%未満になるよう除去したものが、安価で好ましい。
【0021】また、Aは希土類成分Mと合金を作り水素
の吸蔵・放出の可能な格子構造を作る金属成分である。
Aとしては、Ni単独、NiとCo、Co単独のいずれ
であってもよいが、Niが多い場合には水素吸蔵量が多
くしたがって電極の容量が大きくまた電池電圧が大きく
なる傾向がある。一方、Coを多く含む場合には水素吸
蔵量が若干減少し容量が小さくなることがあるが、平衡
プラトー圧を低下させ、電極寿命を延ばす傾向がある。
したがってAの成分であるNiおよびCoの含有量は、
目的とする電池の望まれる電池電圧、容量、寿命などの
特性を勘案して決めることができる。
【0022】Bは、Aの元素の一部を置換して、水素吸
蔵量を維持し平衡プラトー圧を下げる成分、Cは少量の
含有により平衡圧を低下させ、かつ電極を長寿命化する
成分である。電池特性はA,B,Cとして選ばれる成分
元素によって変化するが、各A,B,C成分はそれぞれ
2.0≦x≦4.6, 0.1≦y≦2.0, 0.1
≦z≦0.6, 4.8≦x+y+z≦5.4の関係を
満足する量だけ含まれることが電池負極の材料として適
当である。
【0023】このような組成の水素吸蔵合金を主材料と
して構成された電極は大容量かつ長寿命に加えて、内圧
が低位に保持され自己放電も少ない優れた特性を示すも
のである。そしてこうした水素吸蔵合金MAx y z
のM以外のA,B,Cの組成が等しいかあるいは近いも
のを用いた場合においても、M中のCe含有量が希土類
成分の総量の0.1重量%以上10重量%未満である合
金を材料とする負極を持つ電池の方が、M中のCe含有
量が0.1重量%未満または10重量%を越える合金を
材料とする負極を持つ電池に比べて、容量特性・寿命特
性ともに優れている。特にCe量が希土類成分の総量の
0.1 重量%以上8重量%以下に制限されるとより一層の
長寿命化が達成される。
【0024】上述した水素吸蔵合金の組成範囲で、Aの
量xについては、下限の2.0未満では水素吸蔵量が著
しく低下しこのため電池電極とした場合に容量不足が生
じ不適当である。一方xが4.6を越える場合にはAの
内Niが多い場合には平衡プラトー圧の上昇を、Coが
多い場合には水素吸蔵量の減少を招来し、電極としては
容量不足、水素発生、内圧上昇といった不都合を生じ
る。Bの成分についてはいずれの元素を用いる場合で
も、yの値として0.1未満ではその元素を含有するこ
とによる効果が電池負極の性能として発見されず、また
yが2.0を越えて過剰に含まれる場合には、水素吸蔵
量の低下とそのための電極の容量不足を生じ好ましくな
い。Cの成分に関しては、その量zが0.1未満の場合
には電極として短寿命となり、逆に0.6を越えて過剰
に含まれる場合には水素吸蔵量の低下、電極の容量不足
を招く。
【0025】さらに、希土類以外の成分の総量(x+y
+z)については、4.8≦x+y+z≦5.4の範囲
から外れると、水素の吸蔵・放出が可能な合金格子の構
造が合金相全体にわたって作られず、一部に水素吸蔵量
の少ない構造や水素を吸蔵しない金属相が現れ、その結
果として水素吸蔵量の低下を招き電極の容量不足が生
じ、また充放電の繰り返しに伴い格子構造の不完全な部
分からの成分の偏析が起こるため電極の寿命も短くなっ
てしまう。
【0026】以上のような理由からMAx y z 系合
金の組成範囲は、2.0≦x≦4.6, 0.1≦y≦
2.0, 0.1≦z≦0.6, 4.8≦x+y+z
≦5.4が適当であり、電池負極材料としての合金組成
は、上記の範囲内で目的とする電池の容量特性および寿
命特性との関係を勘案してそれぞれ決められる。
【0027】本発明に係る電池負極材料の合金は、例え
ば次のようにして作成することができる。まずCe量が
0.1重量%以上10重量%未満の希土類成分として
は、一般に市販されているMm(Ceを約50重量%含
む。)を製造する工程で原料中からCeを部分的に除去
することによって簡単に製造することができる。すなわ
ち、天然に産出し精製されたパストネサイト、モナザイ
ト鉱などをばい焼するとCeのみ4価の酸化物となり得
るが他の希土類元素は3価の酸化物となるため、この酸
化物を塩酸抽出するとCeのみ沈殿し、濾過することに
よって容易に分離される。得られたCeの少ない溶液を
NH4 OHなどによって水酸化物として沈殿し、さらに
これを塩化物、フッ化物とした後溶融塩電解すると希土
類元素の混合物となる。Ceの量は酸化時間を適当に定
めることにより調節できる。
【0028】上記のようにして得られたCeを所定量含
む希土類成分と、目的組成から決められる他の各成分元
素粉末の所定量を混合し、その混合粉末を例えば真空ア
ーク溶解炉で溶解することにより、本発明に係る水素吸
蔵合金を均一固溶体として得ることができる。さらに、
この固溶体を粉砕するか、あるいは常温で40 kg/cm2
程度の水素雰囲気中に置くというような活性化処理を施
すことにより容易にその粉末体を調整することができ
る。
【0029】本発明の金属酸化物・水素電池において、
負極としては負極活物質である水素を吸蔵・放出しうる
前述の水素吸蔵合金と、例えばポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)のような結着剤とを混合した後シート
化して構成したシート電極が用いられる。負極材料の水
素吸蔵合金は水素を放出した状態で用いても良いし、部
分的に水素を吸蔵した状態で用いても良い。
【0030】また、正極としては、例えば金属ニッケル
の焼結体に水酸化ニッケル(Ni(OH)2 )のような
活物質を含浸、化成してなるニッケル酸化物(NiOO
H)の電極が用いられる。
【0031】そしてこのようにして得られた正極および
負極とをKOHやNaOH等のアルカリ水溶液からなる
電解液に浸漬して、例えば図1の断面図に示したような
構成を有する本発明に係る金属酸化物・水素電池が得ら
れる。
【0032】図1で水素吸蔵合金よりなる負極1はセパ
レータ2を間に介して正極3と対向しており、これらの
電極は電解液7と共に電池容器6内に絶縁ガスケット
9、O−リング10によって密封される。
【0033】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づいてさら
に詳細に説明する。
【0034】以下に述べる実施例および比較例に示す電
池を次のようにして作成した。 (1)負極の形成 パストネサイト精鉱(Ce約50%含有)からCeを部
分的に除去した後、溶融塩電解により製造した希土類元
素の混合物MとNi,Co,Mn,Alの各金属を所定
量混合し、アルゴン雰囲気中でアーク溶解させて得た均
一固溶体を試料とした。各実施例1〜9および比較例1
〜4の組成とM中の希土類成分の量をまとめて表1に示
す。
【0035】
【表1】 この固溶体を直径約5mmに破砕し、ついでこれを真空
ポンプおよび水素ボンベに接続された容器中に入れ、1
-3Torr以下の真空に室温で1時間保った後、水素
を導入し、圧力約35 kg/cm2 の水素雰囲気下に室温で
1〜数時間保持することによって微粉化させた。再び1
時間以上10-3Torr以下に保って室温〜60℃の範
囲で脱気した後、合金の粉末を容器から取り出した。得
られた合金粉末の平均粒径は2〜100μmであった。
【0036】この合金粉末とポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)とを混合して充分に混練したのち厚み0.
5mm のシートに成形した。合金粉末とPTFEとの重量
比は乾燥状態で96:4であった。
【0037】得られたシート2枚を、1枚のニッケルネ
ットの両面から圧着して一体化し、厚み0.7mm の電極を
形成しこれを負極とした。 (2)正極の形成 多孔質のニッケル焼結体にNi(OH)2 を含浸し、こ
れを化成処理してNiOOH電極を形成しこれを正極と
した。 (3)電池の製造 以上の負極、正極、さらには厚み0.3mmのポリプロ
ピレン不織布をセパレータとし、8モル/lのKOH水
溶液として図2の断面図に示した模擬電池を製造した。
この模擬電池では本発明にかかる電池負極の性能をより
明確にするために、正極の容量が負極の容量より十分大
きくなるように設定して負極の特性が電池性能を支配す
る構成としている。
【0038】図2において、1は負極、2はセパレー
タ、3は正極である。4および5はそれぞれ負極および
正極の端子であり、電池容器6とは電気的に独立して外
部に取り出されている。7は電解液である。本発明によ
る負極1をセパレータ2でU字型に包み、その両側から
正極3を配置してアクリル製のホルダー8で密着させ
た。 (4)上述のように製造した実施例1〜9および比較例
1〜4の各電極を用いた模擬電池に、負極に含まれる水
素吸蔵合金1gあたり170mAhの充電を加えた後放
電させるサイクルを繰り返した。いずれも初期には10
0%すなわち放電容量170mAh/gが得られるとい
う大容量を示したが、充放電サイクルを繰り返すとやが
て放電容量が低下した。そしてここでは放電容量が80
%まで低下するサイクル数をもって電池の寿命とした。
【0039】実施例1〜9および比較例1〜4の電極を
用いた電池の寿命を表1および図3及び図4の特性図に
示す。
【0040】表1に示した実施例1、2、3、4、5、
6および比較例1、2は、AとしてNi、BとしてM
n、CとしてAlをそれぞれx=4.2、y=0.6、
z=0.2なる量含むことにおいては同一であるMNi
4.2 Mn0.6 Al0.2 の組成を有する水素吸蔵合金を用
いて製造した電池の例である。M中の希土類成分値は表
1に示した通りであり、図3にそのCe量と電池の寿命
性能との相関を表すグラフを示す。
【0041】表1および図3から明らかなように、MN
4.2 Mn0.6 Al0.2 合金負極を用いた電池ではM中
のCe量が8重量%を越えると電極寿命は300サイク
ル未満となり、さらに12重量%を越えると著しく短寿
命となる。
【0042】また、実施例7及び比較例3、4はAとし
てNiとCo、BとしてMn、CとしてAlを選び、x
=4.2、y=0.6、z=0.2としたMNi3.2
1.0 Mn0.6 Al0.2 、MNi4.0 Co0.2 Mn0.6
Al0.2 、及びMNi3.7 Co0.5 Mn0.6 Al0.2
びMNi4.0 Co0.2 Mn0.6 Al0.2 の組成の合金を
使用した電池の例である。そのM中のCe量と電池寿命
の関連を図4に示す。AとしてNiとCoをともに含む
場合でもやはりM中のCe量が12重量%を越えると著
しく短寿命となる。
【0043】さらに実施例8、9はAとしてNiとC
o、BとしてMn、CとしてAlを選び、x=4.6、
y=0.3、z=0.3とした、M以外の成分について
は同一のMNi4.4 Co0.2 Mn0.3 Al0.3 の組成の
合金を材料として製造した電池の例であるが、いずれも
長寿命を有し、特にM中のCe量が4.6重量%と少な
い実施例9では1000サイクルという優れた寿命性能
をもっている。
【0044】以上の結果から明らかなように、本発明に
かかるM中のCe量が特に0.1重量%以上10重量%
未満の水素吸蔵合金を負極材料として使用した金属酸化
物・水素電池は、大容量かつ長寿命になる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、大
容量であり、かつ長寿命で内圧上昇も防止され水素漏洩
の危険も少ない安全性に優れた電池を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる電池の構成の一例を示す断面
図。
【図2】 本発明にかかる電池の他の構成例を示す断面
図。
【図3】 本発明による電池ならびに比較例の寿命とC
e含有量との関係を示した特性図。
【図4】 本発明による電池ならびに比較例の寿命とC
e含有量との関係を示した特性図。
【符号の説明】
1…負極 2…セパレータ 3…正極 4…負極の端子 5…正極の端子 6…電池容器 7…電解液 8…ホルダー 9…絶縁ガスケット 10…O−リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 邦彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物を正極活物質とし、水素を負
    極活物質とする金属酸化物・水素電池において、負極を
    構成する主原料である希土類系水素吸蔵合金中の希土類
    成分がCe、La、Pr、Ndを含み、前記Ceの含有
    量が前記水素吸蔵合金中に含有される希土類元素の総量
    の0.1重量%以上であり、かつCeに対するLaの重
    量比が5.2以上、Ceに対するPrのそれが1.4以
    上、Ceに対するNdのそれが3.6以上のうち少なく
    とも二つを満たすことを特徴とする金属酸化物・水素電
    池。
  2. 【請求項2】 金属酸化物を正極活物質とし、水素を負
    極活物質とする金属酸化物・水素電池において、負極を
    構成する主原料である希土類系水素吸蔵合金中の希土類
    成分がCe、La、Pr、Ndを含み、前記Ceの含有
    量が前記水素吸蔵合金中に含有される希土類元素の総量
    の0.1重量%以上であり、かつCeに対するLa、P
    r、Ndの各元素の重量比が、それぞれ5.2、1.
    4、3.6以上であることを特徴とする金属酸化物・水
    素電池。
  3. 【請求項3】 金属酸化物を正極活物質とし、水素を負
    極活物質とする金属酸化物・水素電池において、負極を
    構成する主原料である希土類系水素吸蔵合金中の希土類
    成分がCeを含む2種以上の希土類元素から成り、前記
    Ceの含有量が前記希土類系水素吸蔵合金中に含有され
    る希土類元素の総量の0.1重量%以上であり、かつ前
    記希土類系水素吸蔵合金はCeの除去により形成された
    ものであることを特徴とする金属酸化物・水素電池。
  4. 【請求項4】 前記Ceの含有量が前記希土類系水素吸
    蔵合金中に含有される希土類元素の総量の0.1重量%
    以上10重量%以下であることを特徴とする特許請求の
    範囲第3項記載の金属酸化物・水素電池。
  5. 【請求項5】 前記Ceの含有量が前記希土類系水素吸
    蔵合金中に含有される希土類元素の総量の0.1重量%
    以上8重量%以下であることを特徴とする特許請求の範
    囲第3項記載の金属酸化物・水素電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005032573A (ja) * 2003-07-04 2005-02-03 Sanyo Electric Co Ltd 密閉型アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金粉末及びそれを用いた密閉型アルカリ蓄電池

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