JPH10326528A - 耐火性絶縁テープ - Google Patents

耐火性絶縁テープ

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JPH10326528A
JPH10326528A JP9136468A JP13646897A JPH10326528A JP H10326528 A JPH10326528 A JP H10326528A JP 9136468 A JP9136468 A JP 9136468A JP 13646897 A JP13646897 A JP 13646897A JP H10326528 A JPH10326528 A JP H10326528A
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JP
Japan
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layer
fire
fiber
sheet
tape
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JP9136468A
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English (en)
Inventor
Setsuo Toyoshima
節夫 豊島
Hiroshi Shinozuka
啓 篠塚
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薄型でかつ十分な強度を持ち、絶縁性に優れた
絶縁テープを得ること、またしなやかで表面平滑性に優
れ、耐熱性に優れた絶縁テープを得ること。 【解決手段】導体の外部に耐火層、絶縁層、外部被覆層
をそれぞれ順次設けた耐火電線の耐火層であって、該耐
火層は集成マイカと無機繊維シートを貼り合わせた耐火
性複合テープであり、集成マイカを保持する補強層とな
る無機繊維シートが、60〜100重量部の扁平断面を有す
る繊維と、有機または無機バインダー0〜40重量部で構
成されることを特徴とする耐火性絶縁テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐火性絶縁テープに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】耐火電線は規格(消防庁告示)による
と、30分間に840℃まで昇温し、その間AC600Vの耐電圧
特性および0.4MΩ以上の絶縁抵抗を維持するものとされ
ている。この規格に合格するためには、電線の外側を通
常被覆しているプラスチック層が高温で熱分解し、その
導電性分解物を生じても電線の上記電気特性を維持でき
るように、耐火層が設けられなければならない。
【0003】従来、耐火電線の構造として、導体の外部
に耐火絶縁層と外部被覆を順次設けたもの、或いは耐火
層、絶縁層、外部被覆をそれぞれ順次設けたものなどが
採用されている。通常、耐火絶縁層もしくは耐火層とな
る成分として、マイカまたはセラミック等の無機材料が
使用されている。これらの無機材料は、その溶融温度が
約1200℃以上であることから、火災下にあって最後まで
絶縁を維持することが可能である。
【0004】とりわけマイカは層状無機化合物であるた
めに、これを用いて作製したシートはマイカ粒子が面配
向しており、高度の気密性を示す。マイカを耐火層とし
て採用した場合、火災下にあって絶縁層、シース層が溶
融焼失しても残存し、HClガスなどの導電性ガスの導体
表面への接近および接触を遮断して絶縁性を維持し、導
体の送電能力を保持する機能を果たす。
【0005】しかしながら、マイカは層状無機化合物で
あるためいったん成形してももろく、しっかりとしたシ
ート状耐火層を形成することが難しく、またそれ自体で
は工程上必要とされる強度を持たないため、これまで様
々な工夫が為されている。その多くのものは、集成マイ
カとガラス繊維織布またはガラス繊維不織布を貼り合わ
せて複合テープにするものである。
【0006】例えば、特開昭58-82413公報には平行に配
列した複数条のガラス繊維の上に熱可塑性樹脂の糸状物
を一定間隔毎においてその接点を接着し、一体化したガ
ラステープの両面にシリコン系接着剤を介してマイカ箔
テープを貼り付け、さらにポリエチレンテープまたはポ
リエステル不織布等によって導体を被覆し耐火層とした
発明が記載されている。
【0007】また実開昭57-147512公報には、耐火導線
において耐火層が長手方向にひき揃えられた複数条のガ
ラス糸がプラスチック繊維からなる支持材テープに接合
支持され、これにマイカが添着されているマイカ複合テ
ープを巻いて形成されることを特徴とする耐火電線が記
載されている。
【0008】さらに実開昭58-88717公報や実開昭63-136
15公報には、集成マイカで形成される耐火絶縁層をこれ
と一体に設けられるガラス繊維不織布を補強層として貼
り合わせることによって複合テープにして耐火層とし、
その上に被覆層を形成する耐火電線が記載されている。
【0009】これら従来の技術の共通するところは、マ
イカを他のシートに貼り合わせることによって補強して
複合テープとするところである。しかし、この様な構造
をとることで耐火層が複雑になり、耐火層自体が比較的
厚くなっているという結果も同時に生じてくる。電線を
構成する各層の厚さは、この電線が大電流を流して発熱
することを防ぐために断熱層を設ける必要がない場合に
は、できるだけ薄いほうが望ましい。これは、電線の占
有体積を小さくすると、一定空間内に配線できる電線の
本数が増すため、配線上都合が良く、また電線が細いた
めに取り扱いが楽になるためである。
【0010】あるいは断熱層を設ける電線の場合でも、
補強層が断熱層の代わりを果たすのではなく、補強層の
厚みが低減してできたスペースに他のより効果的な断熱
材で構成される断熱層を導入するほうが望ましい。
【0011】以上のことから、耐火層を構成する複合テ
ープを薄くすることで様々な効果が期待できるのである
が、このためには複合テープを構成する補強層自体の薄
型化が必要である。対策として、補強層の無機繊維シー
トの骨格を形成している不織布基材を薄くして、フィル
ター全体の厚さを低下する工夫が考えられる。
【0012】しかし、通常の円形断面を有する無機繊維
からなる無機繊維シートは、繊維が形成する不織布自体
が比較的嵩高であるので元来比較的厚さが増加する傾向
がある。このため、より薄型のシートとするためには、
ガラス繊維シート自体を低米坪にすることで解決するし
かない。ところがこのような方法をとると、基材中の繊
維同士の接合箇所が減ってしまうため、工程中において
必要であり、また最終的な製品になった段階で必要とな
る乾紙強度が低下するという問題が生じる。ひいては補
強層自体のシート強度が低下し、耐火層が十分に補強さ
れないおそれが生じてくる。
【0013】また、耐火層に用いられるマイカは気密性
を重視するため、中心の導電層に対して均一に巻き回さ
れていることが要求される。集成マイカ自体は比較的剛
直であるが、補強層にガラス繊維織布を用いた場合は複
合テープ全体がさらに剛直になり、巻付け時に生じたテ
ープ重なり部に隙間が発生しやすくなるため好ましくな
い。
【0014】この対策として、複合テープに用いるガラ
ス織布に代わってガラス不織布を用いる検討が実開昭63
-13615公報に記載されている。この場合、ガラス不織布
と集成マイカを貼り合わせてなる複合テープを用いる
と、不織布ガラステープのしなやかさのためにテープ巻
きが格段に容易となり、一般にテープ巻きが困難である
とされている小サイズ径の導体に高速でテープ巻きする
場合でも均一に巻けると記載されている。しかし、上記
のように補強層の薄型化を行うと、補強層としての不織
布自体の強度が低下し、高速テープ巻きが困難になって
くると共に、実際巻付け時に生じるテープ重なり部の隙
間が発生しやすくなる傾向がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、薄型でかつ十分な強度を持ち、絶縁性に優れた絶
縁テープを得ること、またしなやかで表面平滑性に優
れ、好ましくは耐熱性に優れた絶縁テープを得ることに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は特殊な無
機シートを使用することによって達成される。すなわち
本発明は、導体の外部に耐火層、絶縁層、外部被覆層を
それぞれ順次設けた耐火電線の耐火層であって、該耐火
層は集成マイカと無機繊維シートを貼り合わせた耐火性
複合テープであり、集成マイカを保持する補強層となる
無機繊維シートがシート重量を100重量部として60〜100
重量部の扁平断面を有する繊維と、有機または無機バイ
ンダー0〜40重量部で構成されることを特徴とする耐火
性絶縁テープに関するものである。また本発明は扁平断
面を有する繊維として、繊維断面の長径/短径比が2以
上である無機繊維を用いることを特徴とする耐火性絶縁
テープに関するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者等は、扁平断面を有する
繊維(以下偏平繊維という)を使用して、耐火性絶縁テ
ープの耐火層に使われる補強層用無機繊維シートを作製
することを検討した結果、この無機繊維の特有な形状に
よってシートが薄型かつ高強度となるため、複合テープ
としたときテープ巻き後の気密性が高く、しかも絶縁性
は十分で加工性にも優れることを見出して本発明に到達
した。
【0018】扁平繊維の断面形状は、繊維が重なったと
きの接触面積が大きいものが該当する。例えば特公平4-
13300にあるような高扁平繊維とか、特公平4-32775公報
にあるようなまゆ型断面を持つ繊維等が適している。扁
平繊維を用いて抄いた不織布は繊維が長径を水平にした
形で面配向し、これが高密度に積層交差し、高密度のシ
ートが得られる。
【0019】扁平繊維の材質は不燃性の無機材料であれ
ばよく、電気絶縁用ガラスが適しているが、その他電気
絶縁性を有するもので例えば、セラミック、アルミナ、
酸化チタン、シリカ、ムライト、マグネシア、ジルコニ
ア等の繊維を用いることもでき、またこれ以外の素材も
使用可能である。扁平繊維をシート化して不織布とする
段階で、厚さは10〜200μm、坪量10〜300g/m2 が好
ましい。これ以上の厚さや坪量を有する不織布を形成し
た場合、本発明の最大の特徴である補強層の薄さが失わ
れ、またしなやかさに欠けるものとなってしまうからで
ある。
【0020】本発明においては、扁平繊維に対するバイ
ンダーの割合が多すぎてはならない。構成上シート重量
を100重量部として、60〜100重量部の扁平断面を有する
無機繊維に対して0〜40重量部の有機または無機バイン
ダーでシート化する。これは扁平繊維の薄型化に関する
効果を発揮するためには、バインダーが40重量部を超え
ると密度が低下し、本発明の目的が達成されないためで
ある。バインダーの材質としては、PVA、熱融着性オレ
フィン樹脂、シリコーン系樹脂、低融点ガラス、コロイ
ダルシリカ、アルミナエマルジョン等の有機、無機の接
着剤が該当するが、これ以外のバインダーも使用可能で
ある。
【0021】また、繊維同士の部分的熱融着によるシー
ト化も可能である。例えば低融点の偏平ガラス繊維を無
機繊維として使用し、ガラス繊維の融点より高い温度で
処理した場合は、無機繊維自体がバインダーの役割を兼
ねることができ、無機繊維100%のシート化が可能とな
る。通常は60〜97重量部の扁平断面を有する無機繊維に
対して3〜40重量部の有機または無機バインダーでシー
ト化することが好ましい。
【0022】なお本発明において、「無機繊維シートが
シート重量を100重量部として60〜100重量部の扁平繊維
と、有機または無機バインダー0〜40重量部で構成され
る」とは、無機繊維シートが扁平断面を有する繊維と、
有機または無機バインダーのみから構成されることを意
味するものではなく、無機繊維とバインダーの割合が規
定された範囲にあればよく、他の成分例えば円形断面を
有する繊維の使用をさまたげない。
【0023】本発明において使用される扁平繊維の長径
と短径のそれぞれの寸法は特に限定されず、その断面が
長径と短径を有する繊維であればよいが、厳密には長径
/短径比(以下偏平比という)が2以上であるものが好
ましい。2未満では扁平繊維の薄型化の効果が発揮され
ない。
【0024】扁平繊維の太さは、円形断面繊維換算して
φ2〜30μmのものが好ましい。(ここで円形断面繊維
換算とは、偏平繊維の断面積と同面積を有する円形断面
繊維の直径の値を意味する。以下同じ)30μmを越え
る太い繊維を用いると、扁平繊維の薄型化の効果が発揮
されず、またシートが剛直になってしまい好ましくな
い。また2μmに満たない細い繊維を用いると強度が低
下し、高速巻付けに対応できなくなるからである。
【0025】本発明で使用する集成マイカは無機層状化
合物のことであり、天然マイカまたは合成マイカ鱗片が
これに該当する。天然マイカとしては白雲母、ソーダ雲
母、金雲母、黒雲母、鱗雲母等が挙げられ、合成マイカ
としてはフッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母、テニオラ
イト等が挙げられるが、その他の無機層状化合物も場合
によっては使用可能である。これらのマイカを厚さ50〜
500μmに抄造してシート化したものを用いる。
【0026】集成マイカよりなる耐火層と扁平繊維シー
トよりなる補強層とを貼り合わせて複合シートとするた
めに用いる接着剤は、PVA、熱融着性オレフィン樹脂、
シリコーン系樹脂、低融点ガラス、コロイダルシリカ、
アルミナエマルジョン等の有機、無機の接着剤が該当す
るが、これ以外の接着剤も使用可能である。
【0027】本発明の無機繊維シートは繊維同士の接触
面積が大きく、シート自体の乾紙強度が大幅に改善され
るため、非常に薄型の補強層用無機繊維不織布を得るこ
とができる。扁平比5.2のガラス繊維不織布の場合、円
形断面繊維との同一米坪の比較で、扁平無機繊維シート
は厚さが64%減、強度が2.0倍となる。
【0028】このように、扁平無機繊維シートは従来よ
りも薄型でかつ従来より強度を持つ不織布であるため、
複合テープの占有体積を減少することが可能であり、電
線の細径化、省スペース化に役立つ。或いは従来と同一
厚さの補強層として用いた場合は、より強力で補強効果
の高いシートを組み込むことが可能となる。総じてシー
ト強度が向上したことで、従来より薄ものの補強層でも
導体に対する高速巻付けに対応できるようになり、生産
性の向上につながる。また、薄ものの補強層の使用によ
って、複合テープを導体に巻付けたときに生じる重なり
部分の高さは低くなり、耐火絶縁層としての気密性が高
くなる。このため、耐火層の火災発生時における導電性
ガスを遮断する能力が向上する。
【0029】本発明における補強層用無機繊維シート
は、繊維同士の接触面積が大きくなっているばかりでな
く、3次元的にZ軸方向に配向している繊維が少ない。
これは、抄造時に繊維が面配向性を示すためである。し
たがって、不織布表面からケバだったように突き出てい
る繊維の数が、従来の円形断面を持つガラス繊維不織布
と比較するとかなり減少する。
【0030】このため扁平繊維不織布の表面平滑性は向
上しており、耐火層である集成マイカとの貼り合わせ時
に接着面積が増大し補強効果が高まる。またテープ巻き
加工などの工程において、重なり部分や2層巻きしたと
きの平滑性がよいため、従来と比較すると格段の加工
性、気密性の進歩が見られる。また、扁平繊維は円形断
面の繊維に比べてZ軸方向の力に対して曲がりやすい
為、強力なシートであるにもかかわらずしなやかで柔軟
性に富む。このため、高速テープ巻き加工時においても
十分にシートがスピードに追従でき、集成マイカの補強
は均一に行われる。
【0031】本発明による無機繊維シートは、電気絶縁
用ガラス等を素材として用いた場合には絶縁抵抗を10
10Ωcm 程度にすることができ、電線用としての絶縁
能は十分である。また無機材料であるため最低でも600
℃近辺まで軟化は起こらず、多少の火災に対しては十分
に耐性がある。
【0032】
【実施例】次に、本発明を以下の実施例にしたがって具
体的に説明する。
【0033】実施例1 Eガラス製扁平ガラス繊維チョップドストランド92重量
部(日東紡株式会社製、扁平比5.2、繊維径φ18μm
(円形断面繊維換算)、繊維長13mm)を湿式法で抄紙
し、有機バインダーとしてシリコーン系樹脂接着剤8重
量部を含浸して、この湿紙を165℃で乾燥固結しシート
化した。シートは坪量 15g/m2 、厚さ45μmであ
る。これに厚さ120μmの集成マイカをシリコーン系樹
脂接着剤によって貼合し、165℃で乾燥接着させ複合テ
ープとした。この複合テープを外径 2.0mmの銅導体に
対して1/2ラップでテープ巻き速度約22m/minにて
高速で2層巻きした。
【0034】実施例2 Eガラス製扁平ガラス繊維チョップドストランド70重量
部(日東紡株式会社製、扁平比4.0、繊維径φ18μm
(円形断面繊維換算)、繊維長13mm)とEガラス製ガ
ラス繊維チョップドストランド20重量部(ユニチカ株式
会社製、繊維径φ6μm、繊維長6mm)を湿式法で混抄
し、バインダーとしてアルミナゾル10重量部を含浸し
て、この湿紙を165℃で乾燥固結しシート化した。シー
トは坪量 15g/m2 、厚さ55μmである。これに厚さ1
20μmの集成マイカをシリコーン系樹脂接着剤によって
貼合し、165℃で乾燥接着させ複合テープとした。この
複合テープを外径 2.0mm の銅導体に対して1/2ラップ
でテープ巻き速度約22m/minにて高速で2層巻きし
た。
【0035】比較例1 厚さ100μmのガラス繊維織布を用意し、実施例1と同
一の厚さ120μmの集成マイカをシリコーン系樹脂接着
剤によって貼合し、165℃で乾燥接着させ複合テープと
した。この複合テープを実施例と同じく、外径 2.0mm
の銅導体に対して1/2ラップでテープ巻き速度約22m/
minにて高速で2層巻きした。
【0036】比較例2 坪量 15g/m2 、厚さ90μmのガラス繊維不織布を用
意し、実施例1と同一の厚さ120μmの集成マイカをシリ
コーン系樹脂接着剤によって貼合し、165℃で乾燥接着
させ複合テープとした。この複合テープを実施例1と同
じく、外径 2.0mmの銅導体に対して1/2ラップでテー
プ巻き速度約22m/minにて高速で2層巻きした。
【0037】比較例3 Eガラス製扁平ガラス繊維チョップドストランド30重量
部(日東紡株式会社製、扁平比4.0、繊維径φ18μm
(円形断面繊維換算)、繊維長13mm)とEガラス製ガ
ラス繊維チョップドストランド60重量部(ユニチカ株式
会社製、繊維径φ9μm、繊維長13mm)を湿式法で混
抄し、バインダーとしてアルミナゾル10重量部を含浸し
て、この湿紙を165℃で乾燥固結しシート化した。シー
トは坪量 15g/m2 、厚さ70μmである。これに厚さ1
20μmの集成マイカをシリコーン系樹脂接着剤によって
貼合し、165℃で乾燥接着させ複合テープとした。この
複合テープを外径 2.0mm の銅導体に対して1/2ラップ
でテープ巻き速度約22m/minにて高速で2層巻きし
た。
【0038】この様にして準備した実施例、比較例の複
合テープ重なり部分の密着性を比較した。比較例1の場
合はガラス繊維織布を使用したため、織り目の影響で段
差が目立ち緻密さに欠けた仕上がりであった。比較例2
の場合はガラス繊維不織布を使用しているため、シート
としての平面性が多少良く、柔軟性等に改善があるもの
の、複合テープ重なり部分の密着性は不織布自体の厚さ
と平滑性の理由で不完全なものであった。比較例3の場
合は偏平繊維を使用しているため、比較例の中では最も
良い重なり部分の密着性が得られていたが、偏平繊維の
含有率が少ないため、導電性ガスに対する気密性は十分
とはいえない。
【0039】一方、実施例1及び実施例2は、扁平繊維
不織布の使用によって非常に薄く、高平滑性で強力なシ
ートとなっているため、複合テープ重なり部分の密着性
はどの比較例よりもはるかに優れたものとなっている。
このことから、偏平繊維を60重量部以上含有するシート
は複合テープ重なり部分の密着性が高く、しかも高速で
緻密なテープ巻きが可能であることが示された。
【0040】次に、これら実施例、比較例の製品上に、
押出しによって0.8mm厚のポリエチレン絶縁層および
1.5mm厚のポリ塩化ビニルシースを施し、電線管通線
状態で、消防庁告示第7号記載の耐火試験を行った。こ
れらの各電線の耐火試験開始後15min、30min後の
絶縁抵抗値を、それぞれ表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】耐火試験の結果、実施例1、実施例2の絶
縁抵抗の低下は比較例1、比較例2、比較例3のそれと
比較して、はるかに少ないことが明らかである。これ
は、シース層に用いたポリ塩化ビニル被覆が燃焼するこ
とで発生したHClガスが、複合テープ巻付け時に生じた
重なり部分のわずかな隙間から侵入し、導電性が生じた
ことに起因するものであるが、表1の結果は、比較例
1、比較例2、比較例3よりも気密性の高い実施例1、
実施例2の方が導電性ガスの侵入を最も効果的に遮断し
ていることを裏付けている。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、薄型でかつ十分な強度
を持ち、絶縁性に優れた絶縁テープを得ること、またし
なやかで表面平滑性に優れ、耐熱性に優れた絶縁テープ
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例の電線の断面図を示
す。
【符号の説明】
1 ポリ塩化ビニルシース層 2 ポリエチレン絶縁層 3 複合テープ巻き層(耐火層) 4 導体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の外部に耐火層、絶縁層、外部被覆
    層をそれぞれ順次設けた耐火電線の耐火層であって、該
    耐火層は集成マイカと無機繊維シートを貼り合わせた耐
    火性複合テープであり、集成マイカを保持する補強層と
    なる無機繊維シートがシート重量を100重量部として60
    〜100重量部の扁平断面を有する繊維と、有機または無
    機バインダー0〜40重量部で構成されることを特徴とす
    る耐火性絶縁テープ。
  2. 【請求項2】 扁平断面を有する繊維として、繊維断面
    の長径/短径比が2以上である無機繊維を用いることを
    特徴とする請求項1に記載の耐火性絶縁テープ。
JP9136468A 1997-05-27 1997-05-27 耐火性絶縁テープ Pending JPH10326528A (ja)

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