JPH10324767A - 発泡ビーズの集合成型体及びその製造方法 - Google Patents

発泡ビーズの集合成型体及びその製造方法

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JPH10324767A
JPH10324767A JP9136763A JP13676397A JPH10324767A JP H10324767 A JPH10324767 A JP H10324767A JP 9136763 A JP9136763 A JP 9136763A JP 13676397 A JP13676397 A JP 13676397A JP H10324767 A JPH10324767 A JP H10324767A
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邦男 佐藤
Hideki Kodaira
秀樹 小平
Koji Sakairi
幸司 坂入
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忠志 本郷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】必要な設備や操作が簡易であると共に、製造過
程において原料ビーズの特性を損なうことのない、発泡
ビーズの集合成型体の製造方法を提供する。 【解決手段】先ず、パルプ発泡ビーズBに、熱可塑性樹
脂と発泡性粒子と水溶性の接着剤とを含むコーティング
剤を塗布する。次に、圧搾空気と共にビーズBを成型枠
12内に充填する(矢印L1)。次に、成型枠12内に
加熱水蒸気を流して(矢印L3、L4)ビーズB上のコ
ーティング剤に対して加熱及び加水することにより、熱
可塑性樹脂及び接着剤を溶融させると共に発泡性粒子を
発泡させる。次に、成型枠12内を減圧排気する(矢印
L5)ことにより、ビーズBを乾燥させると共に熱可塑
性樹脂及び接着剤を固化させてビーズBどうしを接着す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプを骨格とす
る発泡体からなる多数のビーズとこれらのビーズどうし
を接着する接着剤とを有する発泡ビーズの集合成型体、
並びに同成型体の製造方法に関する。より具体的には、
本発明は、電化製品や食品包装の緩衝材や、断熱材や防
音材等の建材として使用でき、廃棄時には焼却処分して
も、廃棄物公害等を引き起こさない、パルプ発泡体を用
いた成型体の製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】包装緩衝材や建材等として、発泡スチロ
ールは、安価であり性能も優れているため、幅広く用い
られている。しかし、この材料は、使用後に焼却処理を
行うと高熱を発生して炉を損傷するという問題や、埋立
処理した場合には分解性がなく嵩ばるため処理場の不足
を招く原因となるという問題を抱えている。
【0003】近年、環境問題への関心が大変高まってお
り、製品が廃棄されたときの易処理性、或いはリサイク
ル性は商品設計において重要なポイントになりつつあ
る。従って、上記のような問題を抱える発泡スチロール
に代わる新たな材料の出現が望まれている。
【0004】このような理由から、段ボール紙、再生紙
等と共に、故紙のリサイクル商品の1つであり、緩衝材
として使用可能なパルプモールドが注目を集めている。
パルプモールドは、再生パルプを原料として製造され、
形状を工夫することで緩衝力、強度等を付与することが
でき、また、焼却、埋立のいずれの処理も容易であると
いう利点を有する。
【0005】しかし、パルプモールドの緩衝強度は十分
とはいえず、使用範囲は限定される。また、緩衝材の設
計及び製造に専用の複雑な形状の金型を作成する必要が
ある等の理由から時間を要し、新しい形状の試作、開発
が困難である。更に、発泡スチロールのように、緩衝材
以外の用途に応用して用いることは難しく、成型性、加
工性、耐水性が乏しい。
【0006】これに対して、本件出願人は、パルプを骨
格としたパルプ発泡ビーズ及びその製造方法、或いはパ
ルプ発泡ビーズを接着して成型体とするパルプ発泡緩衝
材及びその製造方法を提案している(特開平05−27
1457号、特開平05−271458号、特開平05
−230269号、特開平06−015753号公報を
参照)。
【0007】上記パルプ発泡ビーズは、骨格となるパル
プと生分解性の増粘剤とを三次元網目構造の主原料と
し、内部に分解型発泡剤、或いは界面活性剤に起因する
気泡を有する。パルプ発泡ビーズは、そのままで緩衝材
として利用できるものであり、また集合体として用いる
ことも可能で、緩衝性能も優れている。また、成型の利
便性等の目的から、該パルプ発泡ビーズの表面に熱可塑
性樹脂層を設け、加熱融着して集合成型体を製造する方
法も提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、既提案のパル
プ発泡ビーズの集合成型体の製造方法は、必要な設備や
操作、或いは原料であるパルプ発泡ビーズの弾性、易焼
却性等の特性の維持等の点において、より改善を望まれ
るところがある。
【0009】本発明はかかる観点に基づいてなされたも
のであり、必要な設備や操作が簡易であると共に、製造
過程において原料ビーズの特性を損なうことのない、発
泡ビーズの集合成型体の製造方法と、同方法により製造
した発泡ビーズの集合成型体とを提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の視点は、
発泡ビーズの集合成型体の製造方法において、パルプを
骨格とする発泡体からなる多数のビーズに水溶性の接着
剤を含むコーティング剤を塗布する塗布工程と、前記塗
布工程後、前記多数のビーズを成型枠内に充填する充填
工程と、前記充填工程後、前記成型枠内に水蒸気を流し
て前記多数のビーズ上の前記コーティング剤に加水する
ことにより、前記接着剤を溶融させる加水工程と、前記
加水工程後、前記水蒸気の供給を停止すると共に前記成
型枠内を減圧することにより、前記ビーズを乾燥させる
と共に前記接着剤を固化させて前記多数のビーズどうし
を接着する乾燥及び接着工程と、を具備することを特徴
とする。
【0011】本発明の第2の視点は、発泡ビーズの集合
成型体の製造方法において、パルプを骨格とする発泡体
からなる多数のビーズに熱溶融性の接着剤を含むコーテ
ィング剤を塗布する塗布工程と、前記塗布工程後、前記
多数のビーズを成型枠内に充填する充填工程と、前記充
填工程後、前記成型枠内に加熱流体を流して前記多数の
ビーズ上の前記コーティング剤を加熱することにより、
前記接着剤を溶融させる加熱工程と、前記加熱工程後、
前記加熱流体の供給を停止することにより、前記接着剤
を固化させて前記多数のビーズどうしを接着する接着工
程と、を具備することを特徴とする。
【0012】本発明の第3の視点は、第1または第2の
視点の発泡ビーズの集合成型体の製造方法において、前
記コーティング剤が発泡性粒子を含むことを特徴とす
る。本発明の第4の視点は、発泡ビーズの集合成型体の
製造方法において、パルプを骨格とする発泡体からなる
多数のビーズに、熱可塑性樹脂と発泡性粒子と水溶性の
接着剤とを含むコーティング剤を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程後、前記多数のビーズを成型枠内に充填す
る充填工程と、前記充填工程後、前記成型枠内に加熱水
蒸気を流して前記多数のビーズ上の前記コーティング剤
に対して加熱及び加水することにより、前記熱可塑性樹
脂及び前記接着剤を溶融させると共に前記発泡性粒子を
発泡させる加熱及び加水工程と、前記加熱及び加水工程
後、前記加熱水蒸気の供給を停止すると共に前記成型枠
内を減圧することにより、前記ビーズを乾燥させると共
に前記熱可塑性樹脂及び前記接着剤を固化させて前記多
数のビーズどうしを接着する乾燥及び接着工程と、を具
備することを特徴とする。
【0013】本発明の第5の視点は、発泡ビーズの集合
成型体において、パルプを骨格とする発泡体からなる多
数のビーズと、前記多数のビーズどうしを接着する接着
剤とを具備し、第1乃至第4のいずれかの視点の製造方
法により製造されたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】図1(a)〜(d)は本発明の実
施の形態に係る発泡ビーズの集合成型体の製造方法にお
ける成型枠12の操作を工程順に示す図である。図1
(a)図示の如く、成型枠12は、成型空間18を形成
するように着脱可能に組合わされる雌型14及び雄型1
6を有する。雌型14は成型空間18を規定するための
内枠22と、これを支持する外枠24とを有する。内枠
22及び外枠24の間には、内枠22の壁面を介して成
型空間18と対面する蒸気溜26が形成される。雄型1
6も成型空間18を規定するための内枠32と、これを
支持する外枠34とを有する。内枠32及び外枠34の
間には、内枠32の壁面を介して成型空間18と対面す
る蒸気溜36が形成される。
【0015】成型空間18内を減圧排気するため、雌型
14と雄型16との接続部に対応して排気路28が形成
される。排気路28は、成型枠12の外部に配設された
真空排気系(図示せず)に連通する一方、雄型16に形
成された孔38を介して成型空間18と連通する。孔3
8の内端部は、原料であるパルプ発泡ビーズが通過しな
い程度の粗さの目を有するメッシュ(図示せず)により
覆われる。
【0016】蒸気溜26、36から成型空間18内に蒸
気を導入するため、内枠22、32には多数の孔42が
形成される。孔42の内端部は、パルプ発泡ビーズが通
過しない程度の粗さの目を有するメッシュ(図示せず)
により覆われる。また、成型枠12の外部から蒸気溜2
6、36内に蒸気を導入するため、外枠24、34に
は、内枠22、32の孔42よりも径の大きい多数の孔
44が形成される。
【0017】パルプ発泡ビーズを成型空間18内に導入
するため、雌型14の中央に導入管46が接続される。
導入管46は、雌型14の内枠22及び外枠24を貫通
して成型空間18と成型枠12の外部とを連通させる。
導入管46の内端部には、導入管46を開閉するシャッ
タ48が配設される。シャッタ48は、パルプ発泡ビー
ズが通過しない程度の粗さの目を有するメッシュ(図示
せず)からなる。
【0018】成型後の成型体を成型空間18から押出す
ため、導入管46の内端部を囲むように複数の押出し板
52が成型空間18内に配設される。押出し板52は、
雌型14の内枠22及び外枠24を貫通する操作バー5
4に接続され、成型枠12の外部から操作できるように
なっている。
【0019】次に、この成型枠12を用いた、本発明の
実施の形態に係る発泡ビーズの集合成型体の製造方法を
順に説明する。先ず、多数の発泡ビーズ、即ち、パルプ
を骨格とする発泡体からなる多数のビーズに、コーティ
ング剤を塗布することにより原料ビーズを調製する。発
泡ビーズとしては、パルプを骨格とする発泡体からなり
且つ適当に寸法設定されたものであればいかなるもので
あってもよい。しかし、本実施の形態では、後に詳述す
るように、本件出願人の出願に係る特開平05−271
457号、特開平05−271458号公報に開示され
るパルプ発泡ビーズを使用するものとする。
【0020】コーティング剤は、完成後の発泡ビーズの
集合成型体において、発泡ビーズどうしを接着すること
を第1の目的として使用される。従って、コーティング
剤は、少なくとも接着剤を含むことが必須となる。接着
剤としては、製造工程を容易にする観点から、熱溶融性
の接着剤及び水溶性の接着剤のいずれか一方及び双方を
使用することができる。
【0021】コーティング剤は、更に、発泡性粒子を含
むことができる。この場合、完成後の成型体において、
発泡ビーズ間が更に発泡性粒子の発泡により形成された
発泡層により満たされるため、成型体の緩衝性や防音性
が向上する。なお、熱融着性の発泡性粒子の場合は、発
泡性粒子を接着剤としても使用することができる。
【0022】本実施の形態では、コーティング剤として
熱可塑性樹脂と発泡性粒子と水溶性の接着剤とを含むも
のを使用するものとする。ここで、発泡性粒子は、低沸
点の溶剤を封入した熱溶融性の樹脂からなるマイクロカ
プセルから構成され、約50倍から100倍の膨張率を
有する。なお、コーティング剤に含まれるこれらの材料
については、後に詳述する。
【0023】一方、図1(a)図示の如く、成型枠12
の雌型14及び雄型16を組合わせ、成型空間18を形
成する。この際、次の工程において圧搾空気の逃げがよ
くなるように、雌型14及び雄型16間に数mmから十
数mmの隙間をあけておいてもよい。
【0024】次に、図1(b)図示の如く、上述のよう
にコーティング剤を塗布した多数のビーズBを、シャッ
タ48を開けた状態の導入管46を通して、成型枠12
の成型空間18内に充填する。この際、圧搾空気を用い
てビーズBを導入管46から成型空間18内に強制的に
送込む(矢印L1参照)と共に、排気路28及び孔38
を介して成型空間18内を真空排気系(図示せず)によ
り減圧排気する(矢印L2参照)。これにより、ビーズ
Bは、圧搾空気が内枠22、32の孔38、42や排気
路28、更に場合によっては雌型14及び雄型16間の
隙間を介して排気されるのに伴って、成型空間18の隅
々まで行渡るように充填される。
【0025】所定量のビーズBを充填した後、図1
(c)図示の如く、圧搾空気の供給や排気の操作を停止
すると共に、導入管46のシャッタ48を閉じる。ま
た、雌型14及び雄型16間に隙間をあけておいた場合
は、これを完全に閉じる。そして、外枠24、34の孔
44から、蒸気溜26、36及び内枠22、32の孔4
2を通して成型空間18内に加熱水蒸気を流入させる
(矢印L3、L4参照)。
【0026】加熱水蒸気により、ビーズBに塗布された
コーティング剤が加熱されると、これに含まれる熱可塑
性樹脂や発泡性粒子のマイクロカプセルが溶融する。こ
のため、マイクロカプセル内に封入された低沸点の溶剤
が急激に膨張を行い、ビーズBどうしの間隔を幾分広げ
ると共に、ビーズB間の隙間を埋める。また、加熱水蒸
気がビーズB上で結露するとコーティング剤中の水溶性
の接着剤が加水され、これが溶融を開始する。なお、ビ
ーズBは既に発泡が完了しているものであるから、この
工程においてそれ自体が発泡を行なうことはない。
【0027】所定時間、例えば1〜2分に亘って加熱水
蒸気を流した後、図1(d)図示の如く、加熱水蒸気の
供給を停止すると共に、排気路28及び孔38を介して
成型空間18内を真空排気系(図示せず)により減圧排
気する(矢印L5参照)。この工程の初期段階において
は、加熱水蒸気の供給停止に伴ない、成型空間18内の
温度が低下するため、水蒸気の結露即ち凝縮が更に促進
される。このため、コーティング剤中の水溶性の接着剤
が加水されて溶融し、ビーズBどうし間やビーズBと発
泡性粒子の発泡により形成された発泡層Fとの間にまわ
り込む(図2参照)。
【0028】しかし、成型空間18内が減圧排気により
大気圧以下となると、水の沸点が下がるため、成型空間
18内の水分が蒸発する。このため、水溶性の接着剤は
硬化し、ビーズBどうしやビーズBと発泡層Fとを接着
する接着層Aとなる。また、この際、成型空間18内の
残存水分やビーズB本体に染込んだ過剰な水分も蒸発
し、ビーズBが乾燥される。減圧による水分の除去は、
例えば1〜2分の加熱水蒸気の供給に対しては、30秒
程度の減圧で十分なものとなる。
【0029】また、成型空間18内の温度が十分低下す
ると、コーティング剤中の熱可塑性樹脂も硬化し、水溶
性の接着剤と共に、ビーズBどうしやビーズBと発泡層
Fとを接着する接着層Aを形成する。もし、成型空間1
8内の温度低下が不十分な場合は、導入管46からビー
ズBを導入するために用いた供給系をそのまま利用し
て、常温の圧搾空気を成型空間18に送込めば、成型空
間18内の冷却を促進することができる。
【0030】このようにして、図2図示の構造、即ち、
ビーズB間の隙間が発泡層Fにより満たされ、ビーズB
どうしやビーズBと発泡層Fとが接着層Aにより接着さ
れた構造を有する、緩衝性や防音性の優れた発泡ビーズ
の集合成型体が完成する。完成後、雌型14及び雄型1
6を引離し、操作バー54を介して押出し板52を突出
せば、成型体を雌型14から取出すことができる。
【0031】なお、本発明に係る発泡ビーズの集合成型
体は、ビーズBに塗布するコーティング剤が、発泡性粒
子を含まず、接着剤のみからなる場合でも製造すること
ができる。この場合、完成した発泡ビーズの集合成型体
は、図3図示の如く、ビーズBが接着剤による接着層A
により概ね点接着された構造を有することとなる。
【0032】また、ビーズBに塗布するコーティング剤
に入れる接着剤として、熱溶融性の接着剤のみを用いた
場合は、加熱水蒸気に代えて乾燥した加熱気体、例えば
熱風を成型空間18内に流すことができる。この場合、
水分なしでビーズBやコーティング剤を加熱することが
できるため、図1(d)図示の減圧乾燥工程が不要にな
る。しかし、反面、熱風は熱伝導率の点において加熱水
蒸気に比べて遥かに劣るという問題がある。実験によれ
ば、加熱工程の時間は、加熱水蒸気を用いた場合は1〜
2分で十分であったのに対して、熱風を用いた場合は4
0〜50分必要となった。
【0033】次に、本発明に係る発泡ビーズの集合成型
体の製造方法に使用される原材料について説明する。上
述の如く、上記実施の形態で使用されるパルプ発泡ビー
ズは、特開平05−271457号、特開平05−27
1458号公報に開示される。即ち、このパルプ発泡ビ
ーズは、再生パルプを含むパルプと生分解性の増粘剤
を、三次元網目構造の主原料とし、分解型の発泡剤に起
因する気泡を内部に含む発泡ビーズとして製造される。
【0034】パルプ発泡ビーズを構成する、再生パルプ
を含むパルプとしては、針葉樹又は広葉樹を用いた晒又
は未晒であるクラフトパルプ、ソーダパルプ、砕木パル
プ、スルファイトパルプ、サーモメカニカルパルプ等
や、故紙、古段ボール紙、古雑誌等に由来する再生パル
プ等を、単独で、或いは2種以上を混合して使用可能で
ある。故紙に含まれていたバインダー等の残存成分も少
量であれば差し支えない。また、紙加工等の工程で生じ
る綿状となったパルプ等も使用可能である。
【0035】この再生パルプを含むパルプに対し、適当
な量の溶媒を加えて、懸濁、混練する。溶媒としては、
特に限定されないが、原料が凝集等の影響を受けないよ
うに選択する。具体的には、水やエチルアルコール等の
アルコール類が例示でき、混合して用いてもよい。
【0036】次に、これに生分解性の増粘剤を加え混合
する。添加量は、添加物質または完成後の発泡ビーズの
集合成型体の強度等の条件に応じて変更すればよい。こ
の生分解性の増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム
塩、澱粉、寒天、マンナン等の天然多糖類、カルボキシ
メチルセルロース等の天然多糖類の処理物、若しくはポ
リビニルアルコール等の合成水溶性ポリマー等が使用可
能である。
【0037】これをパルプ発泡ビーズとするために、2
つの方法が挙げられる。1つは、発剤を添加し、粒状に
成形後、発泡させる方法である。もう1つは、界面活性
剤を添加して起泡させ、その後粒状に成形する方法であ
る。
【0038】発泡剤を添加する場合は、必要なパルプ発
泡ビーズの強度に応じて適当な量を添加する。この発泡
剤としては、具体的には加熱分解型の発泡剤が好ましく
用いられ、適当な大きさの粒状に成形後、加熱し発泡さ
せる。このような発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリ
ウム、炭酸アンモニウム等の無機発泡剤、アゾジカルボ
ンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジッド等の有機発
泡剤等が使用可能である。
【0039】また、界面活性剤を添加する場合も、必要
なパルプ発泡ビーズの強度により適当な量を選択して添
加する。具体的には石鹸(高級脂肪酸塩)、ツィーン
(関東化学(株)製の商品名)系やスパン(関東化学
(株)製の商品名)系の脂肪酸エステル等の非イオン性
界面活性剤や両性の界面活性剤、スルホン化物等のアニ
オン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤等が使用可能
である。これらと前述の混合物とを激しく攪拌して、気
泡させる。攪拌による起泡の割合も、希望により加減す
ることができる。この気泡を含有した原料を粒状に成形
し、加熱乾燥することでパルプ発泡ビーズが得られる。
【0040】上記実施の形態に係る発泡ビーズの集合成
型体の製造方法の第1段階においてパルプ発泡ビーズに
塗布するコーティング剤は、上述の如く、熱可塑性樹脂
と発泡性粒子と水溶性の接着剤とを含む。
【0041】このコーティング剤に含有される発泡性粒
子としては、熱溶融性のマイクロカプセル内に低沸点の
溶剤が封入された熱膨張性のマイクロカプセルを使用す
ることができる。即ち、外殻のポリマーが加熱により軟
化するとともに内部の溶剤がガス化し、体積が数十倍に
膨張するものである。
【0042】具体的には、内部の溶剤としては、イソプ
タン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン等の有機溶剤
を、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル等からなる熱可塑性樹脂
で包み込んだ熱膨張性マイクロカプセルが好ましく使用
できる。
【0043】また、コーティング剤に含有される熱可塑
性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルブチラール、アクリル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン等のポリアミド、ポ
リビニルピロリドン等、或いはこれらが共重合したも
の、例えば、酢酸ビニル−ポリエチレン共重合物、ポリ
エチレン−アクリル酸共重合物等が例示できる。同熱可
塑性樹脂は、これらの材料を単独、或いは混合して用い
ることにより調製される。
【0044】また、コーティング剤に含有される水溶性
の接着剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセル
ロース加工物や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン等の化合物、或いは澱粉等の天然物等を基にし
た接着剤が使用可能である。
【0045】熱可塑性樹脂と発泡性粒子と水溶性の接着
剤とを含むコーティング剤は、熱可塑性樹脂及び水溶性
の接着剤を適当な溶剤中に溶解したエマルジョン等に、
発泡性粒子を混合することにより調製することができ
る。また、コーティング剤をパルプ発泡ビーズ表面に塗
布するに当たっては、スプレーコーティング、含浸等の
方法により行なうことができる。代わりに、粉末化され
た熱可塑性樹脂や水溶性の接着剤をディスパージョンと
し、これに発泡性粒子を混合して、噴霧等により塗工す
ることもできる。
【0046】コーティング剤に含有される熱可塑性樹
脂、発泡性粒子、水溶性の接着剤等の量は、完成後の発
泡ビーズの集合成型体に必要な接着強度や、膨張した発
泡性粒子によりもたらされる弾性等によって付加される
緩衝性等の条件により、適宜選択することができる。ま
た、コーティング剤を塗布した後、パルプ発泡ビーズを
適当な温度で乾燥して溶剤を蒸発させれば、パルプ発泡
ビーズの表面に乾燥したコーティング剤層を形成するこ
とができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、接着剤及び必要に応じ
て発泡性粒子を含有するコーティング剤を発泡ビーズに
塗布し、これを成型枠内で処理するようにしたため、発
泡ビーズの集合成型体の製造に必要な設備や操作が簡易
となる。特に、コーティング剤中の接着剤として水溶性
の接着剤を使用した場合、加熱水蒸気を成型枠内に流し
て処理した後、成型枠内を減圧することにより乾燥処理
を行なうため、必要な設備や操作が簡易となるだけでな
く、製造過程において原料ビーズの特性を損なうことが
なくなる。また、コーティング剤に発泡性粒子を入れた
場合、発泡ビーズ間を発泡層により埋めることができ、
成型体の緩衝性や防音性を向上させること可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は本発明の実施の形態に係る発
泡ビーズの集合成型体の製造方法における成型枠の操作
を工程順に示す図。
【図2】図1図示の方法により製造された発泡ビーズの
集合成型体の内部構造を示す概略図。
【図3】図1図示の方法の変更例により製造された発泡
ビーズの集合成型体の内部構造を示す概略図。
【符号の説明】
12…成型枠 14…雌型 16…雄型 18…成型空間 26、36…蒸気溜 28…排気路 38、42、44…孔 46…導入管 48…シャッタ 52…押出し板 54…操作バー A…接着層 B…ビーズ F…発泡層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本郷 忠志 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルプを骨格とする発泡体からなる多数の
    ビーズに水溶性の接着剤を含むコーティング剤を塗布す
    る塗布工程と、 前記塗布工程後、前記多数のビーズを成型枠内に充填す
    る充填工程と、 前記充填工程後、前記成型枠内に水蒸気を流して前記多
    数のビーズ上の前記コーティング剤に加水することによ
    り、前記接着剤を溶融させる加水工程と、 前記加水工程後、前記水蒸気の供給を停止すると共に前
    記成型枠内を減圧することにより、前記ビーズを乾燥さ
    せると共に前記接着剤を固化させて前記多数のビーズど
    うしを接着する乾燥及び接着工程と、を具備することを
    特徴とする発泡ビーズの集合成型体の製造方法。
  2. 【請求項2】パルプを骨格とする発泡体からなる多数の
    ビーズに熱溶融性の接着剤を含むコーティング剤を塗布
    する塗布工程と、 前記塗布工程後、前記多数のビーズを成型枠内に充填す
    る充填工程と、 前記充填工程後、前記成型枠内に加熱流体を流して前記
    多数のビーズ上の前記コーティング剤を加熱することに
    より、前記接着剤を溶融させる加熱工程と、 前記加熱工程後、前記加熱流体の供給を停止することに
    より、前記接着剤を固化させて前記多数のビーズどうし
    を接着する接着工程と、を具備することを特徴とする発
    泡ビーズの集合成型体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記コーティング剤が発泡性粒子を含むこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の発泡ビーズの
    集合成型体の製造方法。
  4. 【請求項4】パルプを骨格とする発泡体からなる多数の
    ビーズに、熱可塑性樹脂と発泡性粒子と水溶性の接着剤
    とを含むコーティング剤を塗布する塗布工程と、 前記塗布工程後、前記多数のビーズを成型枠内に充填す
    る充填工程と、 前記充填工程後、前記成型枠内に加熱水蒸気を流して前
    記多数のビーズ上の前記コーティング剤に対して加熱及
    び加水することにより、前記熱可塑性樹脂及び前記接着
    剤を溶融させると共に前記発泡性粒子を発泡させる加熱
    及び加水工程と、 前記加熱及び加水工程後、前記加熱水蒸気の供給を停止
    すると共に前記成型枠内を減圧することにより、前記ビ
    ーズを乾燥させると共に前記熱可塑性樹脂及び前記接着
    剤を固化させて前記多数のビーズどうしを接着する乾燥
    及び接着工程と、を具備することを特徴とする発泡ビー
    ズの集合成型体の製造方法。
  5. 【請求項5】パルプを骨格とする発泡体からなる多数の
    ビーズと、前記多数のビーズどうしを接着する接着剤と
    を具備し、請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法
    により製造されたことを特徴とする発泡ビーズの集合成
    型体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001225704A (ja) * 2000-02-16 2001-08-21 Nippon Tokushu Toryo Co Ltd 自動車用防音部品及びその製造方法
JP2010525099A (ja) * 2007-04-19 2010-07-22 シンブラ・テクノロジー・ベスローテン・フエンノートシヤツプ コーティングされた粒状発泡性ポリ乳酸
JP2010269587A (ja) * 2009-04-23 2010-12-02 Mitsubishi Cable Ind Ltd 成形体の製造方法および成形体

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