JPH10324565A - 高周波用磁器組成物および高周波用磁器の製造方法 - Google Patents
高周波用磁器組成物および高周波用磁器の製造方法Info
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- JPH10324565A JPH10324565A JP9134871A JP13487197A JPH10324565A JP H10324565 A JPH10324565 A JP H10324565A JP 9134871 A JP9134871 A JP 9134871A JP 13487197 A JP13487197 A JP 13487197A JP H10324565 A JPH10324565 A JP H10324565A
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Abstract
Hz以上の高周波領域で低誘電損失で、且つ比誘電率を
5〜80で調整可能な高周波用磁器を得る。 【構成】少なくともZn、TiおよびSiを含み、該金
属の原子比による全体組成がnZn・(Ti1-y S
iy )(式中、0<y<1.0、0.14≦n≦3.
5)を満足する複合酸化物の主成分に対してB2 O3 を
0.05〜20重量%、又はSiO2 とB2 O3 を含む
ガラスを0.1〜30重量%添加した組成物を成形後、
酸化性雰囲気中800℃〜1000℃で焼成し、少なく
ともZn、Siを含むウイレマイト結晶相を含み、さら
にスピネル型結晶相、イルメナイト型結晶層、TiO2
結晶相およびSiO2 結晶相のうちの少なくとも1種を
含み、誘電率5〜80、30〜60GHzで誘電損失3
0×10-4以下の磁器を得る。
Description
物および高周波用磁器の製造方法に関するものであり、
特に、銀と同時焼成が可能であり、マイクロ波、ミリ波
用等の高周波で用いられる配線基板、誘電体共振器、L
Cフィルター、コンデンサ、誘電体導波路および誘電体
アンテナに用いることのできる高周波用磁器組成物、お
よび高周波用磁器の製造方法に関するものである。
より高速化・高周波化が進行する傾向にある。自動車電
話やパーソナル無線等の移動無線、衛星放送、衛星通信
やCATV等のニューメディア(無線LAN、自動車用
衝突防止レーダー)では、高周波化が推し進められてお
り、これに伴い誘電体共振器等従来のマイクロ波用回路
素子に対してもより高周波化が強く望まれている。
誘電体の誘電損失ばかりではなく導体の損失を考慮し回
路形成のための導体としては、銅や銀などの低抵抗金属
を使用することが望まれている。
するため、例えば、特開平5−225825号公報に示
すように、複合ぺロブスカイト型化合物系の誘電体磁器
組成物からなる回路用基板等が提案されている。
5−225825号公報に示されるようなペロブスカイ
ト型化合物系の材料や、従来のアルミナを絶縁基板とし
て用いた回路基板では、焼成温度が1300〜1600
℃と高温であるため、銅、銀等を配線導体として用いた
多層化や微細な配線化ができないという問題があった。
銀等の低抵抗金属との同時焼成が可能であり、また多層
化も可能であるが、そのほとんどが誘電損失が10GH
zのマイクロ波領域においては30×10-4以上と大き
く、高周波用の機器の低誘電損失化の点では満足すべき
特性は得られていない。また、従来のガラスセラミック
スは、1000℃以下での焼成が可能である反面、この
ような低温焼成を可能とするためには、少なくともガラ
スを30重量%以上配合する必要とするために、得られ
る磁器の特性がガラスの性質に大きく依存してしまう結
果、フィラ−成分の優れた特性が発揮できないという問
題があった。
の焼成が可能であり、特に30GHz以上の高周波領域
において5〜80で調整可能な比誘電率と、低い誘電損
失を有する高周波用磁器組成物と、高周波用磁器の製造
方法を提供することを目的とする。
を鋭意検討した結果、Zn、TiおよびSiを特定組成
で含む複合酸化物に対して、焼結助剤として、B
2 O3 、または少なくともSiO2 、B2 O3 を含むガ
ラスを特定比率で添加することにより複合酸化物中から
生成するZnを主とする液相とB(ホウ素)成分による
液相反応が生じ、僅かな助剤量により、800〜100
0℃の温度で焼成でき、しかも焼成によって、結晶相と
して、少なくともZnおよびSiを含むウイレマイト結
晶相と、スピネル型結晶相、イルメナイト型結晶相、T
iO2 結晶相、SiO2 結晶相等を析出させることによ
り、5〜80で調整可能な比誘電率と低い誘電損失を有
する磁器を得ることができることを知見し、本発明に至
った。
なくともZn、TiおよびSiを含み、該金属の原子比
による組成を nZn・(Ti1-y Siy ) と表した時、0<y<1.0、0.14≦n≦3.5を
満足する複合酸化物からからなる主成分80〜99.9
5重量%と、B2 O3 0.05〜20重量%とからなる
ことを特徴とする。
は、少なくともZn、TiおよびSiを含み、該金属の
原子比による組成を nZn・(Ti1-y Siy ) と表した時、0<y<1.0、0.14≦n≦3.5を
満足する複合酸化物からなる主成分70〜99.9重量
%と、少なくともSiO2 、B2 O3 を含むガラス0.
1〜30重量%とからなることを特徴とするものであ
る。
ZnおよびSiを含むウイレマイト結晶相を含むことを
特徴とするもので、さらには、少なくともZnおよびT
iを含むスピネル型結晶相、少なくともZnおよびTi
を含むイルメナイト型結晶相、TiO2 結晶相およびS
iO2 結晶相のうちの少なくとも1種を含むことを特徴
とする。
電率(εr)が5〜80の範囲で調整可能で、誘電損失
が30×10-4以下の優れた特性を有するものである。
は、前記の組成物を所定形状に成形後、800〜100
0℃で焼成することを特徴とするものである。
第1の形態として、少なくともZn、TiおよびSiを
含む複合酸化物からなる主成分80〜99.95重量%
と、焼結助剤としてB2 O3 0.05〜20重量%とか
らなるものである。上記の主成分は、複合酸化物を構成
する前記金属の原子比による組成を nZn・(Ti1-y Siy ) と表した時、0<y<1.0、0.14≦n≦3.5を
満足する複合酸化物からからなる。
対するZnの比率n値を0.14≦n≦3.5としたの
は、nが0.14より小さいと、ZnO相が過剰となり
誘電特性が劣化し、nが3.5を越えるとTiO2 相が
過剰となり焼結性が劣化し、焼結助剤を多量に添加しな
いと焼結できず、その結果、誘電特性が劣化してしまう
ためである。nの望ましい範囲は0.5≦n≦1.5で
ある。
<1.0とすることにより、誘電率を5〜80の範囲で
任意に制御することが可能となる。
の比率に限定したのは、B2 O3 量が0.05重量%よ
り少ないか、言い換えれば、少なくともZn、Ti,S
iを含む複合酸化物からなる主成分量が99.95重量
%より多いと、800〜1000℃の低温で十分に緻密
化することができず、この組成物を用いて作製される基
板特性において、磁器がが緻密化しないため誘電率が低
下し、また誘電損失は増大してしまうためである。ま
た、B2 O3 の量が20重量%より多いか、言い換えれ
ば前記主成分量が80重量%より少ないと、700℃以
下の低温で液相が流失し磁器の形状を損ない製品形状を
保てず、また磁器特性の点から30〜60GHzの高周
波領域における誘電損失が30×10-4以上と高くなる
ためである。上記の複合酸化物からなる主成分とB2 O
3 との好ましい組成範囲は、前記主成分が90〜99.
9重量%、B2 O3 が0.1〜10重量%である。
る第2の形態としては、少なくともZn、TiおよびS
iを含む前述した複合酸化物からなる主成分70〜9
9.9重量%と、焼結助剤として少なくともSiO2 お
よびB2 O3 を含有するガラス0.1〜30重量%とか
らなるものである。
したのは、B2 O3 量が0.1重量%より少ないか、言
い換えれば、少なくともZn、TiおよびSiを含む複
合酸化物からなる主成分量が99.9重量%より多い
と、800〜1000℃の低温で十分に緻密化すること
ができず、この組成物を用いて作製される基板特性にお
いて、磁器が緻密化しないため誘電率が低下し、また誘
電損失は増大してしまうためである。また、上記ガラス
量が30重量%より多いか、言い換えれば前記主成分量
が70重量%より少ないと、700℃以下の低温で液相
が流失し磁器の形状を損ない製品形状を保てず、また磁
器特性の点から30〜60GHzの高周波領域における
誘電損失が30×10-4よりも高くなるためである。上
記の複合酸化物からなる主成分と上記ガラスとの好まし
い組成範囲は、前記主成分が80〜99.5重量%、B
2 O3 が0.5〜20重量%である。
1および第2の形態のいずれの組成物も、大気などの酸
化性雰囲気、あるいは窒素、アルゴンなどの非酸化性雰
囲気中で800〜1000℃の温度範囲での焼成によっ
て、相対密度95%以上まで緻密化することができる。
は、少なくともZnおよびSiを含むウイレマイト結晶
相を含み、さらには、少なくともZnおよびTiを含む
スピネル型結晶相、少なくともZnおよびTiを含むイ
ルメナイト型結晶相、TiO2結晶相およびSiO2 結
晶相のうちの少なくとも1種を含む。
組織構造を有する。図1は、少なくともZnおよびTi
を含むスピネル型結晶相1と、少なくともZnおよびS
iを含むウイレマイト結晶相2と、少なくともZnおよ
びTiを含むイルメナイト型結晶相4と、非晶質の粒界
相3とから構成される。図2は、少なくともZnおよび
Tiを含むスピネル型結晶相1と、少なくともZnおよ
びSiを含むウイレマイト結晶相2と、少なくともZn
およびTiを含むイルメナイト型結晶相4と、TiO2
相5と、SiO2 相6と、非晶質の粒界相3とから構成
される。
代表される三方格子に属する結晶構造を呈し、本発明の
磁器では、前記FeがZnに置き換わったものと推定さ
れる。また、ウイレマイト結晶相は、Zn2 SiO4 と
推定される。
なくともZnおよびSiを含むウイレマイト型結晶相、
さらには、少なくともZnおよびTiを含むイルメナイ
ト型結晶相、少なくともZnおよびTiを含むスピネル
型結晶相、TiO2 結晶相およびSiO2 結晶相のうち
の少なくとも1種を析出させることにより、比誘電率を
5〜80の間で調整でき、低い誘電損失を得ることがで
きるのである。
としてB2 O3 を用いた第1の形態の場合には、Znお
よびBを含み、焼結助剤としてSiO2 およびB2 O3
を含むガラスを用いた第2の形態の場合には、Si、Z
nおよびBを含むものから構成される。
SiO2 、B2 O3 を含むガラスとしては、一般にホウ
ケイ酸系ガラス、ホウケイ酸亜鉛系ガラス、ホウケイ酸
鉛ガラスなどが挙げられるが、特にSiO2 を5〜80
重量%、B2 O3 を4〜50重量%の割合でそれぞれ含
み、他の成分としてAl2 O3 を30重量%以下、アル
カリ金属酸化物を20重量%以下の割合で含むものが好
適に使用され、これらの酸化物成分を所定割合で配合し
たものを溶融、冷却し、ガラス化したものが使用され
る。
法としては、主成分原料として、ZnO、TiO2 の各
酸化物粉末、あるいはこれらの2種以上の複合化合物
(例えば、ZnTiO3 、Zn2 TiO4 、ZnSiO
3 、Zn2 SiO4 )など、さらには、酸化物以外に焼
結過程で酸化物を形成し得る炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩等
の形態で用いることができる。この主成分原料は、それ
ら金属の原子比が上記主成分組成を満足するように秤量
混合される。
成分原料に対して、焼結助剤としてB2 O3 粉末あるい
は焼結過程で酸化物を形成し得るB2 S3 、H2 B
O3 、BN、B4 C等をB2 O3 として、主成分原料8
0〜99.95重量%、B2 O30.05〜20重量%
となるように添加混合する。
記の主成分原料に対して、焼結助剤として前述したよう
なSiO2 、B2 O3 を含むガラス粉末を、主成分原料
70〜99.9重量%、SiO2 、B2 O3 を含むガラ
ス0.1〜30重量%となるように添加混合する。
した誘電率や低い誘電損失を得るために平均粒径がいず
れも2.0μm以下、特に1.0μm以下の微粉末であ
ることが望ましい。
合粉末に適宜バインダ−を添加した後、例えば、金型プ
レス、冷間静水圧プレス、押し出し成形、ドクターブレ
ード法、圧延法等により任意の形状に成形後、空気中な
どの酸化性雰囲気中で800℃〜1000℃、特に90
0〜1000℃の温度で0.1〜5時間焼成することに
より相対密度95%以上に緻密化することができる。こ
の時の焼成温度が800℃より低いと、磁器が十分に緻
密化せず、1000℃を越えると緻密化は可能である
が、銀などの導体と同時焼成ができなくなる。因みに、
同時焼成時に、銀を用いる場合には非酸化性または酸化
性雰囲気で焼成することが必要である。
よびSiからなる複合酸化物とB2O3 、またはSiO
2 、B2 O3 を含むガラスを組み合わせることにより、
複合酸化物から生成するZnを主とする液相とB(ホウ
素)成分のより活性な液相反応が生じる結果、少ない焼
結助剤量で磁器を緻密化することができる。そのため
に、誘電損失を増大させる要因となる粒界の非晶質相の
量を最小限に押さえることができる。このため高周波領
域においてより低い誘電損失を得ることができるのであ
る。
0〜1000℃で焼成可能であることから、特に銀など
を配線とする配線基板の絶縁基板として用いることがで
きる。かかる磁器組成物を用いて配線基板を作製する場
合には、例えば、上記のようにして調合した混合粉末を
公知のテープ成形法、例えばドクターブレード法、圧延
法等に従い、絶縁層形成用のグリーンシートを作製した
後、そのシートの表面に配線回路層用として、銀、金の
うちの少なくとも1種の金属、特に、銀粉末を含む導体
ペーストを用いて、グリーンシート表面に配線パターン
にスクリーン印刷法、グラビア印刷法等によって回路パ
ターン状に印刷し、場合によってはシートにスルーホー
ルやビアホール形成後、上記導体ペーストを充填する。
その後、複数のグリーンシートを積層圧着した後、上述
した条件で焼成することにより、配線層と絶縁層とを同
時に焼成することができる。
下のZn2 TiO4 、Zn2 SiO4 、TiO2 、Si
O2 を表1、2の組成に従い混合した。そして、この混
合物に有機バインダー、可塑剤、トルエンを添加し、ド
クターブレード法により厚さ300μmのグリーンシー
トを作製した。そして、このグリーンシートを5枚積層
し、50℃の温度で100kg/cm2 の圧力を加えて
熱圧着した。一部の組成について得られた積層体を水蒸
気含有/窒素雰囲気中で、500〜700℃で脱バイン
ダーした後、大気中で表1、2の条件において焼成して
多層基板用磁器を得た。
を以下の方法で評価した。測定は、形状直径1〜5m
m、厚み2〜3mmの試料を切り出し、60GHzにて
ネットワークアナライザー、シンセサイズドスイーパー
を用いて誘電体円柱共振器法により行った。測定では、
NRDガイド(非放射性誘電体線路)で、誘電体共振器
の励起を行い、TE021,TE031モードの共振特
性より誘電率、誘電損失を算出し結果を表1、2に示し
た。また、焼結体に対してX線回折測定を行い、結晶相
を同定し表1に示した。なお、表中の不等号はピーク強
度比の大小を示すものである。
n2 SiO4 に代わり、BaTiO3 、Al6 Si2 O
13(ムライト) を用いて同様に焼結体を作製し評価した
(試料No.38、39)。
相として、ウイレマイト結晶相(Zn2 SiO4 )、あ
るいはスピネル型結晶相(Zn2 TiO4 )が主として
析出した本発明の磁器は、いずれも誘電率が5から80
で調整可能で、60GHzでの誘電損失が30×10-4
以下の優れた特性値を示し、800〜1000℃で焼結
することができた。なお、本発明品の磁器の結晶粒界相
をX線マイクロアナライザーによって分析した結果、い
ずれも粒界相中からZnおよびB元素が検出された。
%未満である試料No.32では、焼成温度を1300℃
まで高めないと緻密化することができず、本発明の目的
に適さないものであった。一方、B2 O3 量が20重量
%を越える試料No.15、28、37は液相量が多いた
め、誘電損失が増大し60GHzにおいて誘電特性が評
価できなかった。
が少ない(3.5<n)試料No.11では過剰なZnO
相が析出し、このため誘電損失が増大し60GHzにお
いて誘電特性が評価できなかった。Znに対して(Ti
+Si)の比率が多い(n<0.14)試料No.15で
はB2 O3 量を20重量%を越えて添加しないと磁器を
緻密化することができず、B2 O3 を20重量%を越え
て添加すると、液相が過剰となり磁器の誘電損失が増大
した。
6 Si2 O13(ムライト) を用いた試料No.38、39
では誘電損失が高く60GHzでは測定不可能であっ
た。
径が1μm以下のZn2 TiO4 を表4、5の組成に従
い混合した。そして、この混合物を用いて実施例1と同
様にしてグリーンシートを作製した。そして、このグリ
ーンシートを5枚積層し、50℃の温度で100kg/
cm2 の圧力を加えて熱圧着した。一部の組成について
得られた積層体を水蒸気含有/窒素雰囲気中で、500
〜700℃で脱バインダーした後、乾燥窒素中で表4、
5の条件において焼成して多層基板用磁器を得た。ま
た、他の組成について積層体を大気中、500〜700
℃で脱バインダーした後、大気中で表4、5の条件にお
いて焼成して多層基板用磁器を得た。得られた焼結体に
ついて、X線回折測定を行い、また、実施例1と同様な
方法で誘電率、誘電損失を評価し結果を表4、5に示し
た。
相として、ウイレマイト結晶相(Zn2 SiO4 )、あ
るいはスピネル型結晶相(Zn2 TiO4 )が主として
析出した本発明の磁器は、いずれも誘電率が5〜80、
60GHzでの誘電損失が30×10-4以下の優れた特
性値を示し、800〜1000℃で焼結することができ
た。なお、本発明品の磁器の結晶粒界相をX線マイクロ
アナライザーによって分析した結果、いずれも粒界相中
から、ZnおよびB元素が検出された。
満である試料No.65では、焼成温度を1300℃まで
高めないと緻密化することができず、本発明の目的に適
さないものであった。一方、ガラス量が30重量%を越
える試料No.70は液相量が多いため、誘電損失が増大
し60GHzにおいて誘電特性が評価できなかった。
が少ない(n>3.5)試料No.75では過剰なZnO
相が析出し、このため誘電損失が増大し60GHzにお
いて誘電特性が評価できなかった。Znに対して(Ti
+Si)の比率が多い(n<0.14)試料No.72で
は磁器の誘電損失が増大し測定できなかった。
mmの円柱サンプルa)を作製し、誘電損失の周波数と
の関係について測定し図3に示した。図3において、
1、2は、上記実施例1中のNo.7、14の磁器、3は
上記実施例2中のNo.41の磁器、また比較として、4
は、汎用品のコージェライト系ガラスセラミックス(硼
珪酸ガラス75重量%、Al2 O3 25重量%)、5は
汎用のアルミナ磁器(Al2 O3 95重量%、CaO、
MgO5重量%)である。各磁器について、1GHz、
10GHz、20GHz、30GHzおよび60GHz
の高周波、マイクロ波、ミリ波領域において、誘電体円
柱共振器法により誘電損失を測定した。
は低周波領域において誘電損失は低いが、高周波領域に
なるに従い特性が劣化してしまい30GHz以上では2
0×10-4を越えてしまう。また、汎用のアルミナ磁器
も60GHzで40×10-4と高くなった。一方、本発
明の1、2、3は、60GHzでの高周波領域において
も誘電損失は20×10-4以下と低いものであった。
器組成物は、800〜1000℃の温度で緻密化できる
ことから、銀などの配線と同時に焼成することができ
る。しかも、上記組成物を焼成して得られる磁器は、3
0GHz以上の高周波帯において低い誘電損失を示すた
めに、マイクロ波、ミリ波用回路素子等において低損失
化が可能となる。
図である。
略図である。
δと周波数f0 との関係を示した図である。
Claims (7)
- 【請求項1】少なくともZn、TiおよびSiを含み、
該金属の原子比による組成を nZn・(Ti1-y Siy ) と表した時、0<y<1.0、0.14≦n≦3.5を
満足する複合酸化物からなる主成分80〜99.95重
量%と、B2 O3 0.05〜20重量%とからなること
を特徴とする高周波用磁器組成物。 - 【請求項2】少なくともZn、TiおよびSiを含み、
該金属の原子比による組成を nZn・(Ti1-y Siy ) と表した時、0<y<1.0、0.14≦n≦3.5を
満足する複合酸化物からなる主成分70〜99.9重量
%と、少なくともSiO2 、B2 O3 を含むガラス0.
1〜30重量%とからなることを特徴とする高周波用磁
器組成物。 - 【請求項3】少なくともZnおよびSiを含むウイレマ
イト結晶相を含むことを特徴とする請求項1または請求
項2記載の高周波用磁器組成物。 - 【請求項4】少なくともZnおよびTiを含むスピネル
型結晶相、少なくともZnおよびTiを含むイルメナイ
ト型結晶相、TiO2 結晶相およびSiO2 結晶相のう
ちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項3記
載の高周波用磁器組成物。 - 【請求項5】30〜60GHzでの誘電率(εr)が5
〜80であり、且つ誘電損失が30×10-4以下である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記
載の高周波用磁器組成物。 - 【請求項6】少なくともZn、TiおよびSiを含み、
該金属の原子比による組成を nZn・(Ti1-y Siy ) と表した時、0<y<1.0、0.14≦n≦3.5を
満足する複合酸化物からなる主成分80〜99.95重
量%と、B2 O3 0.05〜20重量%とからなる組成
物を所定形状に成形後、800〜1000℃の酸化性雰
囲気中で焼成することを特徴とする高周波用磁器の製造
方法。 - 【請求項7】少なくともZn、TiおよびSiを含み、
該金属の原子比による組成を nZn・(Ti1-y Siy ) と表した時、0<y<1.0、0.14≦n≦3.5を
満足する複合酸化物からなる主成分70〜99.9重量
%と、少なくともSiO2 およびB2 O3 を含むガラス
0.1〜30重量%とからなる組成物を所定形状に成形
後、800〜1000℃の酸化性雰囲気中で焼成するこ
とを特徴とする高周波用磁器の製造方法。
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JP13487197A JP3754798B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 高周波用磁器組成物、高周波用磁器およびその製造方法 |
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