JPH1032454A - マイクロ圧電振動子 - Google Patents

マイクロ圧電振動子

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Publication number
JPH1032454A
JPH1032454A JP18490596A JP18490596A JPH1032454A JP H1032454 A JPH1032454 A JP H1032454A JP 18490596 A JP18490596 A JP 18490596A JP 18490596 A JP18490596 A JP 18490596A JP H1032454 A JPH1032454 A JP H1032454A
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JP
Japan
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piezoelectric vibrator
piezoelectric
drive circuit
forming
film
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JP18490596A
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Yoshiki Kuroda
吉己 黒田
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Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電振動子形成後でも駆動回路領域の微細配線
パタ−ン形成を可能とし、且つ所望形状の良好な特性を
有する圧電振動子を再現よく得ること。 【解決手段】本発明のマイクロ圧電体振動子は、圧電振
動子と、この圧電振動子を駆動するための圧電振動子駆
動回路を有するマイクロ圧電振動子において、基板の一
方の面に上記圧電振動子を配置し、他方の面に上記圧電
振動子駆動回路を配置し、更に上記圧電振動子の下部電
極を上記孔部の底面に形成し、該孔部の斜面部に配線電
極を形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ圧電振動
子に係り、特に医療用、産業用マイクロマシン等に用い
られるマイクロ圧電振動子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロ触覚センサとしてマイク
ロ圧電振動子を用いた技術について研究が進められてい
る。その中で、マイクロ化のために圧電振動子と該圧電
振動子を駆動するための駆動回路とを基板に一体的に形
成するモノリシック構造に関する技術が種々提案されて
いる。その代表的な先行技術としては、例えば特開平8
−101083号公報により開示されたモノリシック構
造が知られている。
【0003】即ち、このモノリシック構造では、図8に
示されるように、圧電振動子108を駆動するための駆
動回路領域103が形成されているシリコン(Si)基
板100面上に圧電振動子108が形成された構造とな
っている。
【0004】以下、上記モノリシック構造の製造方法を
更に説明する。先ず、圧電振動子駆動回路領域104を
通常の半導体プロセスで形成し、同時に表面酸化膜10
6に圧電振動子108の下部電極101及び上部電極1
03とを電気的に接続するためのコンタクトホ−ル10
5を開ける。その後、下部電極101としてPd,P
t,Ir,Au,Ag等の金属をコンタクトホ−ル10
5を介して駆動回路領域104と下部電極101が電気
的に接続するように形成する。次いで、上記下部電極1
01より大きな寸法の圧電厚膜102、例えばジルコン
チタン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛(PT)、ビスマス
層状構造強誘電体をジェットプリンティング法(以下、
JPSと称する)により形成する。
【0005】続いて、上部電極103として金、白金、
銀等の金属をコンタクトホ−ル105を介して駆動回路
領域104と上部電極103が電気的に接続するように
形成する。次に500〜800℃で空気中で熱処理した
後、50〜100℃のオイル漕中で5kV/mmの直流電
圧を上記下部電極101と上部電極103の間に印加し
て分極し、圧電性を付与する。最後に、Si異方性エッ
チングでエッチング部を形成することにより弾性部材1
07を構成し、マイクロ圧電振動子を作製する。尚、図
8のスル−ホ−ル109及び導通電極110は、上記製
法で作製したマイクロ圧電振動子を固定するためのスル
−ホ−ルであり、本発明とは関係がないので説明を省略
する。
【0006】この図8に示されるようなモノリシック構
造にすることによりマイクロ圧電振動子の微細化が図れ
る。従って、マイクロ圧電振動子をカテ−テル、内視鏡
の先端部や側壁部に配置してマイクロ触覚センサとして
使用する場合には、カテ−テル、内視鏡の微細化を図る
ことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、圧電振動子を駆動させる駆動回路を半導体
プロセスで形成した後に圧電厚膜の圧電特性を引き出す
ための結晶化熱処理工程が施される。その温度は500
〜800℃とされているが、良好な圧電特性を引き出す
ためには、例えばPZTを主成分とする強誘電体では一
般的に700℃前後に最適温度があるとされている。ま
た、通常の半導体プロセスで形成される駆動回路の配線
は低抵抗及び半導体拡散層との良好なコンタクト性の目
的でアルミニウムが使用されており、特に微細パタ−ン
になる程、低抵抗化及び配線電極パタ−ンのエッチング
性を考慮するとアルミニウムが必須の材料である。しか
し、アルミニウムでは500℃以上の熱処理が施された
場合には、半導体拡散層内にアルミニウムが拡散し電気
的不良が発生することになる。従って、圧電振動子駆動
回路がアルミニウム配線まで施されている状態で、70
0℃前後の圧電厚膜の結晶化熱処理を施すことができな
い。よって、駆動回路領域内の配線電極形成工程は圧電
厚膜の結晶化熱処理が施された後に行わなければなら
ず、更に微細パタ−ンの配線電極形成法としてはフォト
リソグラフィ法が必須である。
【0008】さらに、フォトリソグラフィ法では、光感
受性レジストをスピンコ−ト等で塗布後にフォトマスク
を用いて露光し、現像、エッチング、レジスト剥離の工
程を踏むことになる。しかし、従来構造では、圧電振動
子が形成された後にフォトリソグラフィ法によって駆動
回路領域の配線電極を形成しようとすると、圧電振動子
の厚みが数十〜百μmであるためにレジストを均一に塗
布することが困難であり、特に圧電振動子近辺に配置さ
れた駆動回路領域部のレジスト厚みムラが顕著となる。
また、フォトマスクを用いた露光工程においては、数十
〜百μmの段差があるために光の回折散乱が発生し、解
像度が低下する。従って、微細パタ−ンを形成すること
が困難である。更には、駆動回路領域の配線電極を形成
した後に、駆動回路を構成する素子の正常な電気特性を
得る目的で水素ガスを混入させた窒素ガスを用いて40
0℃近辺で熱処理を行う(以下、フォ−ミングガス処理
と称する)必要があるが、圧電振動子を形成後に該フォ
−ミングガス処理を行うと、圧電厚膜を構成する1元素
である酸素が水素ガスで還元され、圧電振動子の圧電性
劣化及び圧電振動子と電極界面から膜剥離が起こり易く
なる。
【0009】また、上記従来技術では、上部電極が圧電
厚膜の上面から側面部を経由して基板上面部に達した構
造になっているが、この上部電極パタ−ンをフォトリソ
グラフィ法で形成しようとすると、上記同様に圧電厚膜
の厚みのためにレジスト厚みムラ及び露光工程における
光の回折散乱が発生する。従って、圧電厚膜の上面部、
側面部及び基板上面部に至る上部電極パタ−ンを精度良
く形成することは困難である。また、上記上部電極パタ
−ンをJPSで形成する方法が考えられるが、この方法
では圧電厚膜表面に物理的損傷を与えることが推測で
き、良好な圧電特性が得られない可能性がある。さら
に、下部電極においてもJPSで形成する方法が考えら
れるが、JPSで形成した膜表面は凹凸が大きいことか
ら電界集中が発生し易く且つ圧電厚膜の不均一な結晶成
長の原因となるために、圧電厚膜と接する圧電振動子領
域部の下部電極をJPSで形成することは好ましくはな
い。
【0010】また、上記従来技術では、上部電極及び下
部電極として金、白金、銀、イリジウム等の貴金属を使
用している。しかし、これらの貴金属電極では良好な圧
電特性を引き出しながら且つ基板上の絶縁膜もしくは圧
電厚膜と良好な接着性を示すことができない。例えば、
白金、イリジウムは良好な圧電特性を引き出せる金属で
あるが絶縁膜若しくは圧電膜との接着性が弱いために剥
離が発生し易い。また、金、銀は圧電厚膜の熱処理時に
圧電膜に拡散し、その結果として良好な圧電特性を得る
ことができない。更に、配線電極をJPS法で形成する
場合には貴金属粉末ではコスト高であり、さらに、それ
以外の金属では形成時に酸化が起きるため配線材として
は不適である。
【0011】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、圧電振動子形成後でも駆
動回路領域の微細配線パタ−ン形成を可能とし、且つ所
望形状の圧電振動子を再現よく得ると共に、剥離が発生
せず良好な圧電振動子の特性が得られる電極構造のマイ
クロ圧電体振動子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のマイクロ圧電体振動子は、圧電振動子と、
この圧電振動子を駆動するための圧電振動子駆動回路を
有するマイクロ圧電振動子において、基板の一方の面に
上記圧電振動子を配置し、他方の面に上記圧電振動子駆
動回路を配置したことを特徴とする。
【0013】即ち、本発明のマイクロ圧電体振動子で
は、圧電振動子が基板の一方の面に配置され、上記圧電
振動子駆動回路が他方の面に配置されるので、圧電振動
子形成後に駆動回路領域の微細配線パタ−ンが形成可能
となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1には、本発明の第1の
実施の形態に係るマイクロ圧電振動子の構成を示し説明
する。尚、図1(a)は平面図であり、図1(b),
(c),(d)は、図1(a)のX−X線、Y−Y線、
Z−Z線における断面図である。
【0015】図1(a)乃至(d)において、符号1は
シリコン基板であり、該シリコン基板1の表裏面には絶
縁膜7a,7bがそれぞれ積層されている。一方の絶縁
膜7a上には下部電極23a、圧電厚膜22、上部電極
21aが積層されている。上記圧電厚膜22は、上記下
部電極23aと上部電極21aとの間に挟装され、圧電
特性が付与された上下電極を含む領域が圧電振動子2と
なっている。
【0016】また、他方の絶縁膜7b面には圧電振動子
2を駆動するための駆動回路領域3及び駆動回路配線領
域4が形成されており、スル−ホ−ル6には絶縁膜7c
が形成されている。さらに、上記下部電極23a及び上
部電極21a、駆動回路配線領域4は、スル−ホ−ル6
に形成された絶縁膜7c上の接続電極5aを介して、そ
れぞれ電気的に接続されている。この他、同図において
符号8は弾性部材、符号9はエッチング溝をそれぞれ示
している。
【0017】以下、上記構成のマイクロ圧電振動子の製
造方法を説明する。先ずシリコン基板1の一方の面に公
知の半導体素子形成プロセスによって、圧電振動子2を
駆動するための駆動回路素子で構成される複数の駆動回
路領域4を配線電極を設けることなく形成する。このよ
うに、複数の駆動回路領域4を形成することで、膜厚が
数十〜百μmの圧電振動子形成面を裏面として平面台に
設置して扱う工程において、シリコン基板1を安定して
水平に配置できる。
【0018】続いて、シリコン基板1の両面にシリコン
酸化膜或いはシリコン窒化膜等の絶縁膜7a,7bをプ
ラズマCVD(Chemical Vapour Deposition)或いはスパ
ッタ等の手法により100〜500nm程度成膜し、ス
ル−ホ−ル6の絶縁膜7aをフォトリソグラフィ法を用
いて反応性イオンエッチング(RIE;Reactive Ion Etchin
g)等によりエッチングする。次いで、駆動回路領域4が
形成されていない他方の面の絶縁膜7a上に白金等の貴
金属をスパッタ或いは蒸着法等により100nm〜50
0nm程度成膜した後、フォトリソグラフィ法を用いて
イオンミリング等でエッチングし、下部電極23aを形
成する。
【0019】次いで、PZT,PT或いはビスマス層状
強誘電体等をJPS法で数十〜百μm程度形成した後、
白金等の貴金属をJPS法で100nm〜500nm程
度形成するか、若しくはスパッタ、蒸着等で成膜した
後、フォトリソグラフィ法を用いてイオンミリング等で
エッチングし、上部電極21aを形成する。
【0020】続いて、酸素雰囲気中で500〜800℃
の熱処理を行った後、50〜200℃のオイル漕中で5
kV/mmの直流電圧を下部電極23aと上部電極21
aとの間に印加して圧電振動子2に分極処理を施し、圧
電性を付与する。
【0021】次いで、半導体素子形成プロセスによって
Al等からなる駆動回路の微細配線電極を形成し、圧電
振動子形成面側を真空チャックしながら駆動回路領域3
形成面側のみフォ−ミングガス雰囲気に曝し、フォ−ミ
ングガス処理を行う。
【0022】続いて、テトラメトキシアンモニウムハイ
ドロオキサイド(TMAH)等を用いた異方性エッチン
グ法でスル−ホ−ル6及びエッチング溝9を形成すると
共に弾性部材8を構成する。その後、スルホ−ル6にJ
PS法等でシリコン酸化物等の絶縁膜7cを形成し、J
PS法等により貴金属等の接続電極5aを形成すること
で下部電極23a、上部電極21aと駆動回路配線領域
4とを電気的に接続する。こうして、最後にダイシング
等によりシリコン基板1を切断し、単品のマイクロ圧電
振動子とする。
【0023】以上説明したように、第1の実施の形態で
は、圧電振動子2と駆動回路領域3を互いに基板1の反
対面に設けることにより、数十〜百μmの圧電振動子を
形成及び500℃以上の高温熱処理後に、公知の半導体
形成プロセスを用いて駆動回路の配線電極を容易に形成
することができるので、微細な駆動回路の形成が可能と
なる。従って、マイクロ圧電振動子の微細化が可能とな
り、カテ−テル、内視鏡の先端部や側壁部に配置してマ
イクロ触覚センサとして使用する場合には、カテ−テ
ル、内視鏡の微細化を図ることができる。
【0024】また、圧電振動子2と駆動回路領域3を互
いに基板1の反対面に設けることにより、フォ−ミング
ガス処理時に駆動回路形成面側のみフォ−ミングガスに
曝し、フォ−ミングガスが反対の圧電振動子形成面側に
侵入しないようにする方法は容易にできることから、良
好で安定した特性を有する圧電振動子及びそれを駆動す
る駆動回路が得られる。
【0025】尚、第1の実施の形態の各構成は、各種の
変形、変更が可能である。例えば、上記圧電振動子2の
形状は長方形に限らず、最適な圧電振動子特性を引き出
せる種々の形状にすることできる。また、上記駆動回路
領域3は圧電振動子モジュ−ルが最も小さくできる配
置、形状に設計すればよく、更に下部電極23a、圧電
厚膜22、上部電極21aの形状、及びスル−ホ−ル6
の配置、形状も適宜最適化すればよい。
【0026】さらに、第1の実施の形態は以下のように
変更することも可能である。即ち、図2(a)に示され
るように、異方性エッチング法でスル−ホ−ル6及びエ
ッチング溝9を形成する時に弾性部材8を構成せずに圧
電振動子2の裏面をフリ−の状態にしてもよい(第1の
変形例)。さらに、図2(b)に示されるように、圧電
振動子2によって励起された超音波エネルギーを効率よ
く対象物との間に超音波の授受を行うために、上部電極
21a上に弾性部材若しくは音響的な結合層を有する圧
電振動子ヘッド部10を形成してもよい(第2の変形
例)。また、図2(c)に示されるように、接続電極5
aを形成時に上部電極21aと下部電極23aが破損せ
ず、確実に電気的接続を行うために、圧電振動子2形成
面側のスル−ホ−ル領域上に機械的強度を有する補強材
12を形成しておいてもよい(第3の変形例)。そし
て、図2(d)に示されるように、電気的接続材として
接続電極5aの代わりにワイヤボンディング13を使用
してもよい(第4の変形例)。さらに、上記第1乃至第
4の変形例を組み合わせて、最適な圧電振動子特性が得
られる構造にするもできる。
【0027】次に図3に本発明の第2の実施の形態に係
るマイクロ圧電振動子の構成を示し説明する。同図に示
されるように、本実施の形態と第1の実施の形態との違
いは、圧電振動子2形成面側に水素ガスの侵入を防止す
る保護膜14としてシリコン窒化膜或いは圧電振動子を
構成する圧電厚膜と同じ材料、例えばPZT若しくはビ
スマス層状強誘電体等の層を含む絶縁膜が形成されてい
ることにある。
【0028】この絶縁膜はPZTもしくはビスマス層状
強誘電体等の層とその上下のどちらか一方にシリコン酸
化膜あるいはシリコン窒化膜を形成した2層構造、又は
シリコン酸化膜あるいはシリコン窒化膜の間にPZTも
しくはビスマス層状強誘電体等の層を挟んだ3層構造な
どである。上記保護膜はフォ−ミングガス処理以前であ
ればいつ形成してもよく、形成方法はCVD、スパッ
タ、スピンコ−ト等である。また、保護膜形成領域は圧
電振動子2が完全に覆われていればよい。
【0029】以上説明したように、第2の実施の形態に
よれば、第1の実施の形態と同様な作用効果が得られる
と共に、フォ−ミングガス処理時において、圧電振動子
2形成面側がフォ−ミングガスに曝されても保護膜14
により水素ガスが圧電振動子2まで達しないので、膜剥
離及び圧電特性劣化が発生しない。従って、容易にフォ
−ミングガス処理が可能となる。さらに、第1の実施の
形態で示した第1乃至第4の変形例及びそれらの組み合
わせにより、より最適な圧電振動子特性が得られる構造
とすることができる。
【0030】次に図4には本発明の第3の実施の形態に
係るマイクロ圧電振動子の構成を示し説明する。尚、図
4(a)は平面図であり、図4(b),(c)はそれぞ
れ図4(a)のX−X線、Y−Y線における断面図であ
る。
【0031】図4において、符号1はシリコン基板であ
り、該シリコン基板1の一方の面に形成された孔部の下
部電極23aと上部電極21a間に圧電厚膜22が挟装
され、圧電振動子2が形成されている。また、他方の面
には圧電振動子2を駆動するための駆動回路領域3及び
駆動回路配線領域4が形成されており、スル−ホ−ル6
には絶縁膜7cが形成されている。さらに、下部電極2
3a及び上部電極21aと駆動回路配線領域4はスル−
ホ−ル6の絶縁膜7c上に形成された接続電極5aを介
して電気的に接続されている。尚、同図の符号7a,7
bは絶縁膜であり、符号8は弾性部材、符号9はエッチ
ング溝である。
【0032】以下、上記構成のマイクロ圧電振動子の製
造方法を説明する。先ず、シリコン基板1の一方の面に
公知の半導体素子形成プロセスによって、圧電振動子2
を駆動するための駆動回路素子で構成される複数の駆動
回路領域4を配線電極を形成することなく形成する。次
いで、シリコン基板1の他方の面にTMAH等を用いた
異方性エッチング法により圧電振動子2の厚みに略対応
した深さ若しくはより深い孔を所定の位置に形成した
後、基板両面にシリコン酸化膜或いはシリコン窒化膜等
の絶縁膜7a,7bをプラズマCVD或いはスパッタ等
の手法により100〜500nm程度成膜する。その
後、白金等の貴金属をスパッタ或いは蒸着法で100n
m〜500nm程度成膜した後,フォトリソグラフィ法
を用いてイオンミリング等でエッチングし下部電極23
aを形成する。
【0033】続いて、PZT,PTあるいはビスマス層
状強誘電体等をJPS法により数十〜百μm程度形成し
た後、白金等の貴金属をJPS法により100nm〜5
00nm形成するか、若しくはスパッタ、蒸着等で成膜
後フォトリソグラフィ法を用いイオンミリング等でエッ
チングし、上部電極21aを形成する。
【0034】次いで、酸素雰囲気中で500〜800℃
の熱処理を行った後、50〜200℃のオイル漕中で5
kV/nmの直流電圧を下部電極23aと上部電極21
a間に印加して圧電振動子2に分極処理を施し、圧電性
を付与する。
【0035】続いて、半導体素子形成プロセスによって
Al等からなる駆動回路の微細配線電極を形成し、圧電
振動子形成面側を真空チャックしながら駆動回路領域3
の形成面側のみフォ−ミングガス雰囲気に曝しフォ−ミ
ングガス処理を行う。
【0036】次いで、TMAH等を用いた異方性エッチ
ング法によりスル−ホ−ル6及びエッチング溝9を形成
すると同時に弾性部材8を構成する。その後、スルホ−
ル6部にJPS法等でシリコン酸化物等の絶縁膜7cを
形成し、JPS法等で貴金属等の接続電極5aを形成す
ることで下部電極23a、上部電極21aと駆動回路配
線領域4を電気的に接続する。こうして、最後にダイシ
ングなどによりシリコン基板1を切断し、単品のマイク
ロ圧電振動子モジュ−ルとする。
【0037】以上説明したように、第3の実施の形態で
は、圧電振動子2と駆動回路領域3を互いに基板1の反
対面に設けることにより、数十〜百μmの圧電振動子を
形成及び500℃以上の高温熱処理後に、公知の半導体
形成プロセスを用いて駆動回路の配線電極を容易に形成
することができるので、微細な駆動回路の形成が可能と
なる。従って、マイクロ圧電振動子の微細化が可能とな
りカテ−テル、内視鏡の先端部や側壁部に配置してマイ
クロ触覚センサとして使用する場合には、カテ−テル、
内視鏡の微細化を図ることができることになる。
【0038】また、圧電振動子2と駆動回路領域3を互
いに基板1の反対面に設けることにより、フォ−ミング
ガス処理時に駆動回路形成面側のみフォ−ミングガスに
曝し、フォ−ミングガスが反対の圧電振動子形成面側に
侵入しないようにする方法は容易にできることから、良
好で安定した特性を有する圧電振動子及びそれを駆動す
る駆動回路が得られることになる。更には、圧電振動子
2が基板面から突出していないので、圧電振動子形成面
が裏面となる工程、例えば駆動回路配線領域4の形成工
程等において圧電振動子に機械的、物理的障害を与える
ことがない。
【0039】尚、本発明の実施の形態の各構成は、各種
の変形、変更が可能である。例えば圧電振動子2の形状
は長方形に限らず最適な圧電振動子特性を引き出せる種
々の形状とすることができる。また、駆動回路領域3は
圧電振動子が最も小さくできる配置、形状に設計すれば
よく、更に下部電極23a、圧電厚膜22、上部電極2
1aの形状も適宜最適化すればよい。
【0040】また、第1の実施の形態で示した第1乃至
第4の変形例、更に第2の実施の形態で示した圧電振動
子2を保護膜14で覆うこと、及びそれらの組み合わせ
により、最適な圧電振動子特性が得られる構造にするこ
とができる。更には、圧電振動子2と駆動回路を基板の
同一面側に配置してもよく、また多数個取りではなく最
初から単品で作製してもよい。
【0041】次に図5には本発明の第4の実施の形態に
係るマイクロ圧電振動子の構成を示し説明する。尚、図
5(a)は平面図であり、図5(b)、(c)はそれぞ
れ図5(a)のX−X線、Y−Y線に沿う断面図であ
る。
【0042】図5において、符号11は中間に絶縁膜7
dを配したシリコン基板であり、このシリコン基板11
の一方の面に中間の絶縁膜7dを底部として形成された
孔部の下部電極23aと上部電極21a間に圧電厚膜2
2が挟装され、圧電振動子2が形成されている。また、
他方の面には圧電振動子2を駆動するための駆動回路領
域3及び駆動回路配線領域4が形成されており、スル−
ホ−ル6には絶縁膜7cが形成されている。さらに、下
部電極23a及び上部電極21aと駆動回路配線領域4
はスル−ホ−ル6の絶縁膜7c上に形成された接続電極
5aを介して電気的に接続されている。尚、同図の符号
7a,7bは絶縁膜であり、符号8は弾性部材、符号9
はエッチング溝である。
【0043】以下、上記構成のマイクロ圧電振動子の製
造方法を説明する。先ず、少なくとも一方の面にシリコ
ン酸化膜の絶縁膜7dを有したシリコン基板の絶縁膜7
d側を接着面としてもう1枚のシリコン基板と熱溶着に
よりシリコン基板11を作製する。次いで、シリコン基
板11の一方の面に公知の半導体素子形成プロセスによ
って、圧電振動子2を駆動するための駆動回路素子で構
成される複数の駆動回路領域4を配線電極は形成するこ
となく作製する。
【0044】次いで、シリコン基板11の他方の面にT
MAH等を用いた異方性エッチング法で絶縁膜7d面が
表れるまでエッチングした後、基板両面にシリコン酸化
膜或いはシリコン窒化膜等の絶縁膜7a,7bをプラズ
マCVD或いはスパッタ等の手法により100〜500
nm程度成膜する。その後、白金等の貴金属をスパッタ
或いは蒸着法により100nm〜500nm成膜後フォ
トリソグラフィ法を用いてイオンミリング等でエッチン
グし、下部電極23aを形成する。
【0045】続いて、PZT,PTあるいはビスマス層
状強誘電体等をJPS法で数十〜百μm形成した後、白
金等の貴金属をJPS法により100nm〜500nm
程度形成するか、もしくはスパッタ、蒸着等で成膜後フ
ォトリソグラフィ法を用いイオンミリング等でエッチン
グし上部電極21aを形成する。
【0046】次いで、酸素雰囲気中で500〜800℃
の熱処理を行った後、50〜200℃のオイル漕中で5
kV/mmの直流電圧を下部電極23aと上部電極21
a間に印加して圧電振動子2に分極処理を施し、圧電性
を付与する。
【0047】続いて、半導体素子形成プロセスによって
Al等からなる駆動回路の微細配線電極を形成し、圧電
振動子形成面側を真空チャックしながら駆動回路領域3
形成面側のみフォ−ミングガス雰囲気に曝し、フォ−ミ
ングガス処理を行う。次いで、TMAH等を用いた異方
性エッチング法及びRIE等でスル−ホ−ル6及びエッ
チング溝9を形成すると同時に弾性部材8が構成され
る。
【0048】その後、スルホ−ル6部にJPS法等でシ
リコン酸化物等の絶縁膜7cを形成し、JPS法等で貴
金属等の接続電極5aを形成することで下部電極23
a、上部電極21aと駆動回路配線領域4を電気的に接
続する。こうして、最後にダイシングなどによりシリコ
ン基板11を切断し、単品のマイクロ圧電振動子とす
る。
【0049】以上説明したように、第4の実施の形態に
よれば、圧電振動子2を基板表面から数十μmレベルで
突出させない構造にすることにより、数十〜百μmの圧
電振動子を形成及び500度以上の高温熱処理後に、公
知の半導体形成プロセスを用いて駆動回路の配線電極を
形成することができるので、微細な駆動回路の形成が可
能となる。
【0050】従って、マイクロ圧電振動子の微細化が可
能となりカテ−テル、内視鏡の先端部や側壁部に配置し
てマイクロ触覚センサとして使用する場合には、カテ−
テル、内視鏡の微細化を図ることができる。
【0051】また、圧電振動子2と駆動回路領域3を互
いに基板1の反対面に設けることにより、フォ−ミング
ガス処理時に駆動回路形成面側のみフォ−ミングガスに
曝し、フォ−ミングガスが反対の圧電振動子形成面側に
侵入しないようにする方法は容易にできることから、良
好で安定した特性を有する圧電振動子及びそれを駆動す
る駆動回路が得られることになる。
【0052】さらには、圧電振動子2が基板面から突出
していないので、圧電振動子形成面が裏面となる工程、
例えば駆動回路配線領域4形成工程などにおいて圧電振
動子に機械的、物理的ダメ−ジを与えることがない。
【0053】また、絶縁膜7dはCVD等で形成すれば
平坦性が良好な膜であることから、該絶縁膜7d上に形
成される下部電極23も良好な平坦性が得られる。従っ
て、電界集中及び圧電厚膜の不均一な結晶成長を防止で
きるので良好な圧電特性を有する圧電振動子2が得られ
る。
【0054】尚、第4の実施の形態の各構成は各種の変
形、変更が可能である。例えば、圧電振動子2の形状は
長方形に限らず最適な圧電振動子特性を引き出せる種々
の形状とすることができる。また、駆動回路領域3は圧
電振動子モジュ−ルが最も小さくできる配置、形状に設
計すればよく、さらに、下部電極23a、圧電厚膜2
2、上部電極21aの形状も適宜最適化すればよい。
【0055】さらに、シリコン基板を熱溶着で張り合わ
せる前に一方のシリコン基板を圧電振動子2の厚みに略
対応した厚みにしておいてもよく、熱溶着後にシリコン
基板11の一方の表面から絶縁膜7dまでの厚みが圧電
振動子2の厚みに略対応した厚みに研磨してもよい。
【0056】また、第1の実施の形態で示した第1乃至
第4の変形例、さらに第2の実施の形態で示した圧電振
動子2を保護膜14で覆うこと、及びそれらの幾つか組
み合わせて、最適な圧電振動子特性が得られる構造にす
ることができる。更には、圧電振動子2と駆動回路を基
板の同一面側に配置してもよく、また多数個取りではな
く最初から単品で作製してもよい。
【0057】次に図6には本発明の第5の実施の形態に
係るマイクロ圧電振動子の構成を示し説明する。尚、図
6(a)は平面図であり、図6(b)は図6(a)のY
−Y線における断面図である。
【0058】図6において、符号11は中間に絶縁膜7
dを配したシリコン基板であり、このシリコン基板11
の一方の面に中間の絶縁膜7dを底部として形成された
孔部に下部電極23bと上部電極21a間に圧電厚膜2
2が挟装され圧電振動子2が形成されている。この下部
電極23bは、絶縁膜7dの直上の領域に形成されてい
る。また、他方の面には圧電振動子2を駆動するための
駆動回路領域3及び駆動回路配線領域4が形成されてお
り、スル−ホ−ル6には絶縁膜7cが形成されている。
さらに、下部電極23a及び上部電極21aと駆動回路
配線領域4はスル−ホ−ル6の絶縁膜7c上に形成され
た接続電極5aを介して電気的に接続されている。尚、
符号7a,7bは絶縁膜であり、符号8は弾性部材、符
号9はエッチング溝である。
【0059】以下、上記構成のマイクロ圧電振動子の製
造方法を説明する。先ず、少なくとも一方の面にシリコ
ン酸化膜の絶縁膜7dを有したシリコン基板の絶縁膜7
d側を接着面としてもう1枚のシリコン基板と熱溶着に
よりシリコン基板11を作製する。次いで、シリコン基
板11の一方の面に公知の半導体素子形成プロセスによ
って、圧電振動子2を駆動するための駆動回路素子で構
成される複数の駆動回路領域4を配線電極を形成するこ
となく形成する。
【0060】次いで、シリコン基板11の他方の面側に
TMAH等を用いた異方性エッチング法で絶縁膜7dを
底部とする孔を所定の位置に形成した後、基板両面にシ
リコン酸化膜或いはシリコン窒化膜等の絶縁膜7a,7
bをプラズマCVD或いはスパッタ等の手法により10
0〜500nm程度成膜する。
【0061】その後、白金等の貴金属をスパッタあるい
は蒸着法で100nm〜500nm成膜後フォトリソグ
ラフィ法を用いてイオンミリング等でエッチングし、下
部電極23bを絶縁膜7dの直上に形成する。
【0062】次いで、PZT,PTあるいはビスマス層
状強誘電体等をJPS法で数十〜百μm形成した後、白
金等の貴金属を100nm〜500nmJPSで形成す
るか若しくはスパッタ、蒸着等で成膜後フォトリソグラ
フィ法を用いイオンミリング等でエッチングし上部電極
21aを形成する。
【0063】続いて、白金等の貴金属を100nm〜5
00nm程度、JPS法で形成するかもしくはスパッ
タ、蒸着等で成膜後フォトリソグラフィ法を用いてイオ
ンミリング等でエッチングし、接続電極5bを形成す
る。続いて、酸素雰囲気中で500〜800℃の熱処理
を行った後、50〜200℃のオイル漕中で5kV/m
mの直流電圧を下部電極23bと上部電極21a間に印
加して圧電振動子2に分極処理を施し、圧電性を付与す
る。
【0064】次いで、半導体素子形成プロセスによって
Al等からなる駆動回路の微細配線電極を形成し、圧電
振動子形成面側を真空チャックしながら駆動回路領域3
形成面側のみフォ−ミングガス雰囲気に曝しフォ−ミン
グガス処理を行う。続いて、TMAH等を用いた異方性
エッチング法及びRIE等でスル−ホ−ル6及びエッチ
ング溝9を形成すると同時に弾性部材8が構成される。
【0065】その後、スルホ−ル6部にJPS法等でシ
リコン酸化物等の絶縁膜7cを形成し、続いてJPS法
等で貴金属等の接続電極51を形成することで下部電極
23a、上部電極21aと駆動回路配線領域4を電気的
に接続する。こうして最後に、ダイシングなどによりシ
リコン基板11を切断し単品のマイクロ圧電振動子モジ
ュ−ルとする。
【0066】以上説明したように、第5の実施の形態で
は、圧電振動子2を基板表面から数十μmレベルで突出
させない構造にすることにより、数十〜百μmの圧電振
動子を形成及び500℃以上の高温熱処理後に、公知の
半導体形成プロセスを用いて駆動回路の配線電極を形成
することができるので、微細な駆動回路の形成が可能と
なる。従って、マイクロ圧電振動子の微細化が可能とな
りカテ−テル、内視鏡の先端部や側壁部に配置してマイ
クロ触覚センサとして使用する場合には、カテ−テル、
内視鏡の微細化を図ることができる。
【0067】また、圧電振動子2と駆動回路領域3を互
いに基板1の反対面に設けることにより、フォ−ミング
ガス処理時に駆動回路形成面側のみフォ−ミングガスに
曝し、フォ−ミングガスが反対の圧電振動子形成面側に
侵入しないようにする方法は容易にできることから、良
好で安定した特性を有する圧電振動子及びそれを駆動す
る駆動回路が得られることになる。
【0068】更には、圧電振動子2が基板面から突出し
ていないので、圧電振動子形成面が裏面となる工程、例
えば駆動回路配線領域4形成工程などにおいて圧電振動
子に機械的、物理的ダメ−ジを与えることがない。
【0069】また、絶縁膜7dはCVD等で形成すれば
平坦性が良好な膜であることから、該絶縁膜7d上に形
成される下部電極23aも良好な平坦性が得られる。従
って、電界集中及び圧電厚膜の不均一な結晶成長を防止
できるので良好な圧電特性を有する圧電振動子2が得ら
れる。さらには、下部電極23bを孔の底面部領域内の
同一平面に設けることにより精度よく所望形状の下部電
極23bを形成できるので、再現性よく圧電振動子2を
作製可能となる。
【0070】尚、第5の実施の形態の各構成は、各種の
変形、変更が可能である。例えば、圧電振動子2の形状
は長方形に限らず最適な圧電振動子特性を引き出せる種
々の形状とすることができる。また、駆動回路領域3は
圧電振動子モジュ−ルが最も小さくできる配置、形状に
設計すればよく、さらに、下部電極23a、圧電厚膜2
2、上部電極21aの形状も適宜最適化すればよい。
【0071】さらに、シリコン基板を熱溶着で張り合わ
せる前に一方のシリコン基板を圧電振動子2の厚みに略
対応した厚みにしておいてもよく、熱溶着後にシリコン
基板11の一方の表面から絶縁膜7dまでの厚みが圧電
振動子2の厚みに略対応した厚みに研磨してもよい。
【0072】また、第1の実施の形態で示した第1乃至
第4の変形例、さらに第2の実施の形態で示した圧電振
動子2を保護膜14で覆うこと、及びそれらの幾つか組
み合わせて、最適な圧電振動子特性が得られる構造にす
ることができる。更には、圧電振動子2と駆動回路を基
板の同一面側に配置してもよく、また多数個取りではな
く最初から単品で作製してもよい。
【0073】次に図7に本発明の第6の実施の形態に係
るマイクロ圧電振動子の構成を示し説明する。尚、図7
(a)は平面図で、図7(b)は図7(a)のY−Y線
に沿う断面図である。
【0074】図7において、符号1はシリコン基板であ
り、シリコン基板1の表裏面には絶縁膜7a,7bが形
成されている。一方の絶縁膜7a上には下部電極23
a、圧電厚膜22、上部電極21b、接続電極5cが形
成されており、下部電極23aと上部電極21b間に圧
電厚膜22が挟装され、圧電特性が付与された上下電極
を含む領域が圧電振動子2である。また、他方の絶縁膜
7b面には圧電振動子2を駆動するための駆動回路領域
3及び駆動回路配線領域4が形成されており、スル−ホ
−ル6には絶縁膜7cが形成されている。さらに、下部
電極23a及び接続電極5cと駆動回路配線領域4はス
ル−ホ−ル6の絶縁膜7c上に形成された接続電極5a
で電気的に接続されている。尚、符号8は弾性部材であ
り、符号9はエッチング溝である。
【0075】以下、上記構成のマイクロ圧電振動子の製
造方法を説明する。先ずシリコン基板1の一方の面に公
知の半導体素子形成プロセスによって、圧電振動子2を
駆動するための駆動回路素子で構成される複数の駆動回
路領域4を配線電極を形成することなく形成する。次い
で、シリコン基板1の両面にシリコン酸化膜あるいはシ
リコン窒化膜等の絶縁膜7a,7bをプラズマCVDあ
るいはスパッタ等の手法で100〜500nm程度成膜
し、スル−ホ−ル6部の絶縁膜7aをフォトリソグラフ
ィ法を用いRIE等でエッチングする。
【0076】次いで、駆動回路が形成されていない他方
の面の絶縁膜7a上に白金等の貴金属をスパッタあるい
は蒸着法で100nm〜500nm成膜後、フォトリソ
グラフィ法を用いイオンミリング等でエッチングし下部
電極23aを形成する。
【0077】続いて、PZT,PTあるいはビスマス層
状強誘電体等をJPS法で数十〜百μm形成した後、白
金等の貴金属を100nm〜500nmスパッタ、蒸着
等で成膜後フォトリソグラフィ法を用いイオンミリング
等でエッチングし上部電極21bを圧電厚膜22上面領
域内の同一平面に形成する。
【0078】次いで、酸素雰囲気中で500〜800℃
の熱処理を行った後、50〜200℃のオイル漕中で5
kV/mmの直流電圧を下部電極23aと上部電極21
a間に印加して圧電振動子2に分極処理を施し、圧電性
を付与する。続いて、接続電極5cをJPS法等により
白金等の貴金属を100nm〜500nm形成する。
【0079】続いて、半導体素子形成プロセスによって
Al等からなる駆動回路の微細配線電極を形成し、圧電
振動子形成面側を真空チャックしながら駆動回路領域3
形成面側のみフォ−ミングガス雰囲気に曝しフォ−ミン
グガス処理を行う。
【0080】次いで、TMAH等を用いた異方性エッチ
ング法でスル−ホ−ル6及びエッチング溝9を形成する
と共に弾性部材8を構成する。その後、スルホ−ル6部
にJPS法等でシリコン酸化物等の絶縁膜7cを形成
し、JPS法等で貴金属等の接続電極5aを形成するこ
とで下部電極23a、上部電極21aと駆動回路配線領
域4を電気的に接続する。最後に、ダイシングなどによ
りシリコン基板1を切断し単品のマイクロ圧電振動子と
する。
【0081】以上説明したように、第6の実施の形態で
は、圧電振動子2と駆動回路領域3を互いに基板1の反
対面に設けることにより、数十〜百μmの圧電振動子を
形成及び500℃以上の高温熱処理後に、公知の半導体
形成プロセスを用いて駆動回路の配線電極を形成するこ
とができるので微細な駆動回路の形成が可能となる。従
って、マイクロ圧電振動子の微細化が可能となりカテ−
テル、内視鏡の先端部や側壁部に配置してマイクロ触覚
センサとして使用する場合には、カテ−テル、内視鏡の
微細化を図ることができる。
【0082】また、圧電振動子2と駆動回路領域3を互
いに基板1の反対面に設けることにより、フォ−ミング
ガス処理時に駆動回路形成面側のみフォ−ミングガスに
曝し、フォ−ミングガスが反対の圧電振動子形成面側に
侵入しないようにする方法は容易にできることから、良
好で安定した特性を有する圧電振動子及びそれを駆動す
る駆動回路が得られることになる。更には、上部電極2
1bを圧電厚膜22上部領域内の同一平面に設けること
により精度よく所望形状の上部電極21bを形成できる
ので、再現性よく圧電振動子2を作製可能となる。
【0083】尚、第6の実施の形態の各構成は、各種の
変形、変更が可能である。例えば、圧電振動子2の形状
は長方形に限らず最適な圧電振動子特性を引き出せる形
状にすることが望ましい。また、駆動回路領域3は圧電
振動子が最も小さくできる配置、形状に設計すればよ
く、さらに、下部電極23a、圧電厚膜22、上部電極
21aの形状及びスル−ホ−ル6の配置、形状も適宜最
適化すればよい。
【0084】また、第1の実施の形態で示した第1乃至
第4の変形例、更に第2の実施の形態で示した圧電振動
子2を保護膜14で覆うこと、及びそれらの幾つか組み
合わせて、最適な圧電振動子特性が得られる構造にする
ことが好ましい。
【0085】次に本発明の第7の実施の形態に係るマイ
クロ圧電振動子モジュ−ルについて説明する。尚、構成
については前述した第6の実施の形態(図7)と同様で
あるため説明を省略し、ここでは特徴がある製造方法の
みを説明する。
【0086】先ずシリコン基板1の一方の面に公知の半
導体素子形成プロセスによって、圧電振動子2を駆動す
るための駆動回路素子で構成される駆動回路領域4を配
線電極は形成せずに多数個作製する。次いで、シリコン
基板1の両面にシリコン酸化膜あるいはシリコン窒化膜
等の絶縁膜7a,7bをプラズマCVDあるいはスパッ
タ等の手法で100〜500nm程度成膜し、スル−ホ
−ル6部の絶縁膜7aをフォトリソグラフィ法を用いR
IE等でエッチングする。
【0087】次いで、駆動回路が形成されていない他方
の面の絶縁膜7a上に酸化ルテニウム、酸化イリジウ
ム、酸化ロジウム、酸化レニウム、酸化オスミウム、酸
化スズ、酸化インジウム、ITO等のうち少なくとも一
つを主成分とした導電性酸化物をスパッタあるいは蒸着
法で100nm〜500nm成膜後フォトリソグラフィ
法を用いイオンミリング等でエッチングし下部電極23
1を形成する。
【0088】続いて、PZT,PTあるいはビスマス層
状強誘電体等をJPS法で数十〜百μm形成した後、酸
化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化ロジウム、酸化レ
ニウム、酸化オスミウム、酸化スズ、酸化インジウム、
ITO等のうち少なくとも一つを主成分とした導電性酸
化物を100nm〜500nmスパッタ、蒸着等で成膜
後フォトリソグラフィ法を用いイオンミリング等でエッ
チングし、上部電極21bを圧電厚膜22上面領域内の
同一平面に形成する。
【0089】次いで、酸素雰囲気中で500〜800℃
の熱処理を行った後、50〜100℃のオイル漕中で5
kV/mmの直流電圧を下部電極23aと上部電極21
a間に印加して圧電振動子2に分極処理を施し、圧電性
を付与する。そして、接続電極5cをJPS法等により
酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化ロジウム、酸化
レニウム、酸化オスミウム、酸化スズ、酸化インジウ
ム、ITO等のうち少なくとも一つを主成分とした導電
性酸化物を100nm〜500nm形成する。
【0090】続いて、半導体素子形成プロセスによって
Al等からなる駆動回路の微細配線電極を形成し、圧電
振動子形成面側を真空チャックしながら駆動回路領域3
形成面側のみフォ−ミングガス雰囲気に曝しフォ−ミン
グガス処理を行う。
【0091】次いで、TMAH等を用いた異方性エッチ
ング法でスル−ホ−ル6及びエッチング溝9を形成する
と同時に弾性部材8が構成される。その後、スルホ−ル
6部にJPS法等でシリコン酸化物等の絶縁膜7cを形
成し、最後にJPS法等で酸化ルテニウム、酸化イリジ
ウム、酸化ロジウム、酸化レニウム、酸化オスミウム、
酸化スズ、酸化インジウム、ITO等のうち少なくとも
一つを主成分とした導電性酸化物を100nm〜500
nmの接続電極51を形成することで接続電極5c、上
部電極21aと駆動回路配線領域4を電気的に接続す
る。
【0092】以上説明したように、第7の実施の形態で
は、圧電振動子2と駆動回路領域3を互いに基板1の反
対面に設けることにより、数十〜百μmの圧電振動子を
形成及び500℃以上の高温熱処理後に、公知の半導体
形成プロセスを用いて駆動回路の配線電極を形成するこ
とができるので、微細な駆動回路の形成が可能となる。
従って、マイクロ圧電振動子の微細化が可能となりカテ
−テル、内視鏡の先端部や側壁部に配置してマイクロ触
覚センサとして使用する場合には、カテ−テル、内視鏡
の微細化を図ることができることになる。
【0093】また、圧電振動子2と駆動回路領域3を互
いに基板1の反対面に設けることにより、フォ−ミング
ガス処理時に駆動回路形成面側のみフォ−ミングガスに
曝し、フォ−ミングガスが反対の圧電振動子形成面側に
侵入しないようにする方法は容易にできることから、良
好で安定した特性を有する圧電振動子及びそれを駆動す
る駆動回路が得られることになる。
【0094】さらには、上部電極21bを圧電厚膜22
上部領域内の同一平面に設けることにより精度よく所望
形状の上部電極21bを形成できるので、再現性よく圧
電振動子2を作製可能となる。また、導電性酸化物は圧
電厚膜22及び絶縁膜7a等との接着性が良好で且つ圧
電厚膜22中への拡散が起こらず、絶縁膜71材の圧電
厚膜22への拡散をバリアする作用がある。従って、導
電性酸化物を上部電極21bもしくは下部電極23aに
用いることで剥離が発生せず、良好な圧電振動子特性を
得ることができる。また、導電性酸化物は貴金属に比較
してコストが安いので、安価な圧電振動子を得ることが
できる。
【0095】尚、第7の実施の形態の各構成は、各種の
変形、変更が可能である。例えば、圧電振動子2の形状
は長方形に限らず最適な圧電振動子特性を引き出せる形
状にすることができる。また、駆動回路領域3は圧電振
動子が最も小さくできる配置、形状に設計すればよく、
更に、下部電極23a、圧電厚膜22、上部電極21a
の形状及びスル−ホ−ル6の配置、形状も適宜最適化す
ればよい。また、第1の実施の形態で示した第1乃至第
4の変形例、更に第2の実施の形態で示した圧電振動子
2を保護膜14で覆うこと、及びそれらの組み合わせに
より、最適な圧電振動子特性が得られる構造にすること
ができる。
【0096】尚、本発明の上記実施の形態の要旨をまと
めると以下の通りである。 (1)圧電振動子と、この圧電振動子を駆動するための
圧電振動子駆動回路を有するマイクロ圧電振動子におい
て、基板の一方の面に上記圧電振動子を配置し、他方の
面に上記圧電振動子駆動回路を配置したことを特徴とす
るマイクロ圧電振動子。
【0097】この態様は、全ての実施の形態に対応す
る。即ち、上記基板は、実施の形態ではSi基板1,1
1に相当する。圧電振動子は、下部電極23aと上部電
極21a間に圧電厚膜22が挟装され、圧電特性が付与
された上下電極を含む領域であり、圧電振動子駆動回路
は一般的に知られている半導体素子形成プロセスによっ
て作製されている。
【0098】この態様では、圧電振動子2と駆動回路領
域3を互いに基板1の反対面に設けることにより、数十
〜百μm の圧電振動子を形成及び500℃以上の高温熱
処理後に、公知の半導体形成プロセスを用いて駆動回路
の配線電極を容易に形成することができるので、微細な
駆動回路の形成が可能となる。従って、、マイクロ圧電
振動子の微細化が可能となりカテ−テル、内視鏡の先端
部や側壁部に配置してマイクロ触覚センサとして使用す
る場合には、カテ−テル、内視鏡の微細化を図ることが
できることになる。
【0099】また、圧電振動子2と駆動回路領域3を互
いに基板1の反対面に設けることにより、フォ−ミング
ガス処理時に駆動回路形成面側のみフォ−ミングガスに
曝し、フォ−ミングガスが反対の圧電振動子形成面側に
侵入しないようにする方法は容易にできることから、良
好で安定した特性を有する圧電振動子及びそれを駆動す
る駆動回路が得られることになる。 (2)上記圧電振動子と上記圧電振動子駆動回路を上記
基板に配置したスル−ホ−ル側面に形成した配線電極を
介して電気的に接続したことを特徴とするマイクロ圧電
振動子。
【0100】この態様は、全ての実施の形態に対応す
る。即ち、上記基板は、実施の形態ではSi基板1,1
1に相当する。圧電振動子は、下部電極23aと上部電
極21a間に圧電厚膜22が挟装され、圧電特性が付与
された上下電極を含む領域であり、圧電振動子駆動回路
は一般的に知られている半導体素子形成プロセスによっ
て作製されている。
【0101】この態様では、圧電振動子2と駆動回路領
域3を互いに基板1の反対面に設けることにより、数十
〜百μm の圧電振動子を形成及び500℃以上の高温熱
処理後に、公知の半導体形成プロセスを用いて駆動回路
の配線電極を容易に形成することができるので、微細な
駆動回路の形成が可能となる。従って、マイクロ圧電振
動子の微細化が可能となり、カテ−テル、内視鏡の先端
部や側壁部に配置してマイクロ触覚センサとして使用す
る場合には、カテ−テル、内視鏡の微細化を図ることが
できることになる。
【0102】また、圧電振動子2と駆動回路領域3を互
いに基板1の反対面に設けることにより、フォ−ミング
ガス処理時に駆動回路形成面側のみフォ−ミングガスに
曝し、フォ−ミングガスが反対の圧電振動子形成面側に
侵入しないようにする方法は容易にできることから、良
好で安定した特性を有する圧電振動子及びそれを駆動す
る駆動回路が得られることになる。 (3)水素ガスの侵入を防止する保護膜を少なくとも上
記圧電振動子を覆うように形成することを特徴とする上
記(1)又は(2)に記載のマイクロ圧電振動子。
【0103】この態様は第2の実施の形態に対応する。
この態様によれば、上記(1)と同様な作用効果が得ら
れると共に、フォ−ミングガス処理時において、圧電振
動子2形成面側がフォ−ミングガスに曝されても保護膜
14により水素ガスが圧電振動子2まで達しないので、
膜剥離及び圧電特性劣化が発生しない。従って、容易に
フォ−ミングガス処理が可能となる。 (4)上記保護膜がシリコン窒化膜あるいは少なくとも
上記圧電振動子を構成する圧電厚膜と同じ材料からなる
層を含む絶縁膜であることを特徴とする上記(3)に記
載のマイクロ圧電振動子。
【0104】この態様は第2の実施の形態に対応する。
この態様によれば、上記(1)と同様な作用効果が得ら
れると共に、フォ−ミングガス処理時において、圧電振
動子2形成面側がフォ−ミングガスに曝されても保護膜
14により水素ガスが圧電振動子2まで達しないので、
膜剥離及び圧電特性劣化が発生しない。従って容易にフ
ォ−ミングガス処理が可能となる。 (5)基板の表面に形成された孔部に上記圧電振動子を
配置し、基板表面部に上記圧電振動子駆動回路を配置し
たことを特徴とする上記(1)乃至(4)に記載のマイ
クロ圧電振動子。
【0105】この態様は、第3乃至第6の実施の形態に
対応する。即ち、上記基板は、この実施の形態ではSi
基板1,11に相当する。この態様では、上記(1)と
同様な作用効果が得られると共に、圧電振動子2が基板
面から突出していないので、圧電振動子形成面が裏面と
なる工程、例えば駆動回路配線領域4形成工程などにお
いて圧電振動子に機械的、物理的ダメ−ジを与えること
がない。 (6)上記孔部の深さが上記圧電振動子の厚み以上であ
ることを特徴とする請求項5記載のマイクロ圧電振動
子。
【0106】この態様は、第3乃至第6の実施の形態に
対応する。即ち、上記基板は、実施の形態ではSi基板
1,11に相当する。この態様では、上記(1)と同様
な作用効果が得られると共に、圧電振動子2が基板面か
ら突出していないので、圧電振動子形成面が裏面となる
工程、例えば駆動回路配線領域4形成工程などにおいて
圧電振動子に機械的、物理的ダメ−ジを与えることがな
い。 (7)上記基板として絶縁膜を挟んだシリコン基板を用
いたことを特徴とする上記(5),(6)に記載のマイ
クロ圧電振動子。
【0107】この態様は、第4、5の実施の形態に対応
する。この態様では、上記(5)と同様な作用効果が得
られると共に、絶縁膜7dはCVD等で形成すれば平坦
性が良好な膜であることから、該絶縁膜7d上に形成さ
れる下部電極23aも良好な平坦性が得られる。従っ
て、電界集中及び圧電厚膜の不均一な結晶成長を防止で
きるので良好な圧電特性を有する圧電振動子2が得られ
る。 (8)上記圧電振動子の下部電極を上記基板の表面に形
成された孔部の底面に形成し、当該孔部の斜面部に配線
電極を形成することを特徴とする上記(5)乃至(7)
に記載のマイクロ圧電振動子。
【0108】この態様は、第5の実施の形態に対応す
る。この態様では、上記(7)と同様な作用効果が得ら
れると共に、下部電極23bを孔の底面部領域内の同一
平面に設けることにより精度よく所望形状の下部電極2
3bを形成できるので、再現性よく圧電振動子2を作製
可能となる。 (9)上記圧電振動子の上部電極を圧電厚膜の上部に形
成し、圧電厚膜の斜面部に形成された電極は配線電極で
あることを特徴とする上記(1)乃至(8)に記載のマ
イクロ圧電振動子。
【0109】この態様は、第6の実施の形態に対応す
る。この態様では、上記(1)と同様な作用効果が得ら
れると共に、上部電極21bを圧電厚膜22上部領域内
の同一平面に設けることにより精度よく所望形状の上部
電極21bを形成できるので、再現性よく圧電振動子2
を作製可能となる。 (10)上記圧電振動子の上部電極及び下部電極を有
し、当該上部電極及び下部電極の少なくとも一方が導電
性酸化物を含んでいることを特徴とする上記(1)乃至
(9)に記載のマイクロ圧電振動子。
【0110】この態様は、第7の実施の形態に対応す
る。この態様によれば、上記(1)と同様な作用効果が
得られ、且つ、導電性酸化物は圧電厚膜22及び絶縁膜
7a等との接着性が良好で且つ圧電厚膜22中への拡散
が起こらず、絶縁膜7a材の圧電厚膜22への拡散をバ
リアする作用がある。従って、導電性酸化物を上部電極
21bもしくは下部電極23aに用いることで剥離が発
生せず、良好な圧電振動子特性を得ることができる。更
には、導電性酸化物は貴金属に比較してコストが安いの
で、安価な圧電振動子を得ることができる。 (11)上記圧電振動子と上記圧電振動子駆動回路とを
接続する配線電極が導電性酸化物であることを特徴とす
る上記(1)乃至(10)に記載のマイクロ圧電振動
子。
【0111】この態様は、第7の実施の形態に対応す
る。この態様によれば、上記(1)と同様な作用効果が
得られ、且つ、導電性酸化物は圧電厚膜22及び絶縁膜
7a等との接着性が良好で且つ圧電厚膜22中への拡散
が起こらず、絶縁膜7a材の圧電厚膜22への拡散をバ
リアする作用がある。従って、導電性酸化物を上部電極
21bもしくは下部電極23aに用いることで剥離が発
生せず、良好な圧電振動子特性を得ることができる。更
には、導電性酸化物は貴金属に比較してコストが安いの
で、安価な圧電振動子を得ることができる。 (12)上記導電性酸化物が酸化ルテニウム、酸化イリ
ジウム、酸化ロジウム、酸化レニウム、酸化オスミウ
ム、酸化スズ、酸化インジウム、ITOのうち少なくと
も一つを主成分としていることを主成分とする上記(1
0)又は(11)に記載のマイクロ圧電振動子。
【0112】この態様は、第7の実施の形態に対応す
る。この態様によれば、上記(1)と同様な作用効果が
得られ、且つ、導電性酸化物は圧電厚膜22及び絶縁膜
7a等との接着性が良好で且つ圧電厚膜22中への拡散
が起こらず、絶縁膜7a材の圧電厚膜22への拡散をバ
リアする作用がある。従って、導電性酸化物を上部電極
21bもしくは下部電極23aに用いることで剥離が発
生せず、良好な圧電振動子特性を得ることができる。更
には、導電性酸化物は貴金属に比較してコストが安いの
で、安価な圧電振動子を得ることができる。
【0113】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
圧電振動子形成後でも駆動回路領域の微細配線パタ−ン
形成を可能とし、且つ所望形状の圧電振動子を再現よく
得ることができると共に、剥離が発生せず良好な圧電振
動子の特性が得られる電極構造のマイクロ圧電体振動子
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るマイクロ圧電振動子の
構成図である。
【図2】第1の実施の形態の第1乃至第4の変形例の構
成図である。
【図3】第2の実施の形態に係るマイクロ圧電振動子の
構成図である。
【図4】第3の実施の形態に係るマイクロ圧電振動子の
構成図である。
【図5】第4の実施の形態に係るマイクロ圧電振動子の
構成図である。
【図6】第5の実施の形態に係るマイクロ圧電振動子の
構成図である。
【図7】第6の実施の形態に係るマイクロ圧電振動子の
構成図である。
【図8】従来技術に係る圧電振動子と該圧電振動子を駆
動するための駆動回路とを基板に一体的に形成するモノ
リシック構造を説明するための図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 圧電振動子 3 駆動回路領域 4 駆動回路配線領域 5 接続電極 6 スル−ホ−ル 7 絶縁膜 8 弾性部材 9 エッチング溝 10 圧電振動子ヘッド部 11 シリコン基板 12〜14 保護膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電振動子と、この圧電振動子を駆動す
    るための圧電振動子駆動回路を有するマイクロ圧電振動
    子において、 基板の一方の面に上記圧電振動子を配置し、他方の面に
    上記圧電振動子駆動回路を配置したことを特徴とするマ
    イクロ圧電振動子。
  2. 【請求項2】 上記圧電振動子の下部電極を上記基板の
    表面に形成された孔部の底面に形成し、当該孔部の斜面
    部に配線電極を形成することを特徴とする請求項1に記
    載のマイクロ圧電振動子。
  3. 【請求項3】 上記圧電振動子の上部電極及び下部電極
    を更に有し、当該上部電極及び下部電極の少なくとも一
    方が導電性酸化物を含んでいることを特徴とする請求項
    1記載のマイクロ圧電振動子。
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