JPH10324492A - 吊荷振止め装置および同吊荷振止め装置をそなえたクレーン設備 - Google Patents

吊荷振止め装置および同吊荷振止め装置をそなえたクレーン設備

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JPH10324492A
JPH10324492A JP14857197A JP14857197A JPH10324492A JP H10324492 A JPH10324492 A JP H10324492A JP 14857197 A JP14857197 A JP 14857197A JP 14857197 A JP14857197 A JP 14857197A JP H10324492 A JPH10324492 A JP H10324492A
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JP
Japan
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crane
suspension
control device
arm
load
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JP14857197A
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English (en)
Inventor
Sadao Shigenaga
貞雄 重永
Shoichi Takada
正一 高田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 船舶荷役における吊荷振止め装置を提供す
る。 【解決手段】 クレーンアウターブーム5に回動可能に
取付けた吊り角度制御装置6と、これに枢支される上部
アーム7aと下部アーム7bとからなる吊荷振れ抑制装
置7と、下部アーム7bの下端に枢着される吊荷姿勢制
御装置8とを、油圧シリダー12, 13, 15の連動作動によ
り制御して、常にクレーン吊り索22がメインシーブ19か
ら懸下される鉛直線に沿って上下動できるように構成す
ることにより、吊荷振止めを機械的に行なえるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吊荷振止め装置に
関し、特に荒天時の海上の荷役作業においても省力・安
全かつ迅速な荷役作業を可能とした、船舶荷役用の吊荷
振止め装置および同装置をそなえたクレーン設備に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の船舶荷役用クレーン装置として図
22のようなものがあり、船舶26の甲板上に下端部を据
え付けられるとともに、クレーン旋回台2およびクレー
ンブーム4および5を装備して、クレーン旋回用モータ
3により舷側に振り出せるようになっている。
【0003】そして、クレーン吊り索用ウィンチ16に捲
回されるとともにクレーンブーム5の先端部5aのメイ
ンシーブ19に導かれるクレーン吊り索22をクレーン吊り
索用ウィンチ16で巻出しあるいは巻込んで荷役を行なっ
ている。符号1はクレーン据付台を示している。
【0004】このようにして荷役は行なわれるが、クレ
ーンブーム5の先端部5aのメインシーブ19と吊荷25と
の間のクレーン吊り索22のスパンが長いため、荒天時海
上での使用では船舶26の動揺あるいはクレーンの旋回な
どにより荷振れが大きくなる。従来は船舶26の甲板上の
作業員30が荷振れ制御索31を操作して吊荷25の振れ防止
を行なっている。
【0005】符号40はクレーン装置操作用の船上操作ユ
ニットを示しており、この船上操作ユニット40は、油圧
ポンプユニット41,油圧バルブユニット42,操作スタン
ド46をそなえ、操作スタンド46上の操作レバー等を操作
して、油圧バルブユニット42内の油圧バルブを操作し、
クレーン装置のクレーン仰角用油圧シリンダー10,クレ
ーン中折れ仰角用油圧シリンダー11,クレーン吊り索用
ウィンチ16に供給される油圧ポンプ41の圧油などを制御
して、クレーン装置を操作できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な従来のクレーン装置で荷役を行なう場合、次のような
問題点がある。 (1) 荒天時の海上では、波の影響によりクレーン装置を
搭載する船舶26が動揺し、また荷物運搬船27も動揺して
両方の船舶の動きが異なるため、クレーンフック29のフ
ック掛けは困難となり、かつクレーンフック29と吊荷付
き吊り索24との間で手が挟まれるなどの危険性がある。 (2) 吊荷25の吊り上げ途中において、吊荷25の振れと船
舶26の動揺が同調して荷振れが増大し、吊荷25が船舶26
と接触して双方が破損する危険性がある。 (3) 上記(2)となる場合、作業員30による荷振れ制御索3
1の操作には限界がある。また、荷振れの反動により作
業員30が船舶26の甲板上へ転倒したり、荷物運搬船の作
業員28が海中へ転落したりするなどの危険性がある。
【0007】本発明は、このような問題点の解決をはか
ろうとするもので、本発明による吊荷振止め制御機構
と、従来の船舶荷役クレーンとの同調作動を集合起動器
盤により制御システム化することにより、船舶の動揺に
追従して吊荷の振れを抑制制御し、また、人的作業を緩
和して、省力・安全および迅速な荷役作業を行なえるよ
うにした船舶の荷役における吊荷振止め装置および同吊
荷振止め装置をそなえたクレーン設備を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の吊荷振止め装置
は、船上から舷側へクレーンブームを振出し可能な荷役
用クレーン装置をそなえた船舶の荷役装置において、上
記クレーンブームの先端部に回動可能に取り付けられた
吊り角度制御装置と、同吊り角度制御装置の下側に回動
可能に取り付けられて互いに関節接続される上部アーム
と下部アームとをそなえた吊荷振れ抑制装置と、上記下
部アームの下端部に回動可能に取り付けられた吊荷姿勢
制御装置とをそなえ、上記のクレーンブームと吊り角度
制御装置との間に、上記船舶の揺れに追従して作動し、
上記クレーンブームの先端部から上記吊り角度制御装置
に設けたサブシーブに案内されて吊下ろされるクレーン
吊り索を常時鉛直線上に保持するように制御する吊り角
度制御用シリンダーを設け、上記の吊り角度制御装置と
吊荷振れ抑制装置の上部アームとの間に、同上部アーム
の仰角を制御するアーム仰角制御用シリンダーを設け、
上記吊荷振れ抑制装置の上部アームと下部アームとの関
節接続部に、同上部アームと下部アームとの屈折角を制
御するアーム屈折角制御用シリンダーを設け、上記の吊
荷振れ抑制装置の下部アームと吊荷姿勢制御装置との間
に、上記吊り角度制御装置の仰角変化に追従して常に上
記吊荷姿勢制御装置を水平に保つように作動する吊荷姿
勢制御装置の仰角制御用シリンダーを設けて課題解決の
手段としている。
【0009】また、本発明のクレーン設備は、船上から
舷側へクレーンブームを振出し可能な船舶の荷役用クレ
ーン装置において、上記クレーンブームの先端部に回動
可能に取り付けられた吊り角度制御装置と、同吊り角度
制御装置の下側に回動可能に取り付けられて互いに関節
接続される上部アームと下部アームとをそなえた吊荷振
れ抑制装置と、上記下部アームの下端部に回動可能に取
り付けられた吊荷姿勢制御装置と、上記荷役用クレーン
のクレーンフックとをそなえ、同クレーンフックを、上
記荷役用クレーンのクレーン吊り索に連結される本体基
部と、同本体基部の内部に収納されるシリンダーにより
開閉作動する爪とで構成し、上記荷役用クレーン装置
を、上記船舶に設置されたクレーン旋回台に装着して課
題解決の手段としている。
【0010】本発明の吊荷振止め装置では、従来型クレ
ーン装置の先端部に直接装着された吊り角度制御装置に
設けられた油圧シリンダーが、船舶の横揺れに追従して
作動してクレーン先端部と吊荷との間のクレーン吊り索
の吊り角度が鉛直線上となるように制御する。
【0011】また、吊り角度制御装置に回動可能に支持
される吊荷振れ抑制装置では、上下のアームが「く」の
字に関節接続され、その接続部に装備されたアーム屈折
角制御用油圧シリンダーにより屈折角が形成され、さら
に上部アームの基端部が吊り角度制御装置に支持される
とともに吊り角度制御装置との間に装備されるアーム仰
角制御用油圧シリンダーによりアームの仰角が形成され
ている。
【0012】アーム屈折角制御用油圧シリンダーとアー
ム仰角制御用油圧シリンダーとは同調して作動し、下部
アームの先端部がクレーンフックの速度に追従して、支
持された上部アーム基端部との鉛直をなす線上を上下移
動できるように制御されている。
【0013】さらに、下部アームと吊荷姿勢制御装置と
の間に仰角制御用シリンダーが装備されており、吊り角
度制御装置の仰角変化に追従して常に吊荷姿勢制御装置
が水平に保たれるように作動する。
【0014】またクレーン設備は、船舶に設置されたク
レーン旋回台に搭載されていて、広範囲の荷役に対処で
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の一実施
形態としての吊荷振止め装置および同吊荷振止め装置を
そなえたクレーン設備について説明すると、図1はその
吊荷振止め装置を船舶と共に示す一部切断側面図、図2
は同吊荷振れ抑制装置の展張途中における状態を示す図
1と同様の一部切断側面図、図3は同吊荷振れ抑制装置
の最大ストロークに展張された状態を示す図1と同様の
一部切断側面図、図4は同補助引寄せ索を吊荷にフック
掛けしてオートテンションした状態を示す図1と同様の
一部切断側面図、図5は同クレーンフックの本体基部を
補助引寄せ索をガイドとして繰り出し補助引寄せ索用フ
ックと合体して爪を閉じた状態を示す図1と同様の一部
切断面図、図6は同吊荷振止め装置を船上に格納した状
態を示す一部切断側面図、図7は同装置の吊り角度制御
装置の側面図、図8は図7のA−A矢視断面図、図9は
図7のB−B矢視断面図、図10は同装置の吊荷振れ抑
制装置の側面図、図11は図10のC−C矢視断面図、
図12は図10のD−D矢視断面図、図13は図10の
E−E矢視断面図、図14は同装置の吊荷姿勢制御装置
の側面図、図15は図14のF−F矢視平面図、図16
は図15のG−G矢視断面図、図17は図16のH−H
矢視断面図、図18は同遠隔自動吊上げ式クレーンフッ
クの断面図、図19は図18のJ−J矢視断面図、図2
0は図18のK−K矢視断面図、図21は図18のL−
L矢視断面図である。なお図1〜21中図22と同じ符
号はほぼ同一の部材を示している。
【0016】この実施形態でも、図1に示すように船舶
26の上甲板舷側付近の適当な位置に従来型の荷役用クレ
ーン装置が設置され、そのクレーンアウターブーム5が
船舶26舷側の海面上へ振り出されるように形成されてい
る。さらに、クレーンアウターブーム5の先端部に、吊
り角度制御装置6と吊荷振れ抑制装置7および吊荷姿勢
制御装置8とにより構成された吊荷振止め装置が取り付
けられている。吊荷振れ抑制装置7に遠隔自動吊上げ式
クレーンフック9が取り付けられている。クレーン旋回
台2に対するインナーブーム4の屈折角を検出する屈折
角検出器21aがインナーブーム4の基端部の枢軸上に設
けられている。
【0017】また、インナーブーム4に対するアウター
ブーム5の屈折角を検出する屈折角検出器21bが、イン
ナーブーム4とアウターブーム5との連結軸上に設けら
れている。なお、図1中の符号27は荷物運搬船を、符号
26は作業員を、符号32は水面をそれぞれ示している。
【0018】吊り角度制御装置6は、図7に示すよう
に、アウターブーム5の先端部5aの両側外面を挟む状
態でメインシーブ19の軸5bを同芯として回転可能なク
ランク板6aと、吊り角度制御用油圧シリンダー12およ
び同油圧シリンダー12に連結される治具6bとで形成さ
れている。油圧シリンダー12は、アウターブーム5に内
蔵されるとともに基端部をアウターブーム5に回動可能
に支持されている。
【0019】吊り角度制御装置6のアウターブーム5に
対する屈折角を検出する屈折角検出器21cが軸5b上に
設けられている。吊り角度制御装置6の下部には、吊荷
振れ抑制装置7の上部アーム7aに連結される連結孔6
cと、吊荷振れ抑制装置7のアーム仰角制御用油圧シリ
ンダー13に連結される治具6dとが設けられている。さ
らに、内部はクレーン吊り索22および補助引寄せ索23の
貫通用孔6eが設けられ、これら索22, 23をガイドする
サブシーブ20が取り付けられている。
【0020】吊り角度制御用油圧シリンダー12は、船体
動揺検出器45および各所に設けられた屈折角検出器21a
〜21fからの信号に基づき船上操作ユニット40内の集合
起動器盤43により油量制御されて、吊り角度制御装置6
の吊り角度においてクレーン吊り索22がアウターブーム
5の先端部5aのメインシーブ19と吊荷25との間で鉛直
線上となるように、角度制御用油圧シリンダー12が伸縮
作動して、吊り角度制御装置6の傾き角度を調整する。
【0021】吊荷振れ抑制装置7は、図10に示すよう
に1段伸縮式上部アーム7aと1段伸縮式下部アーム7
bとが連結軸7cで関節連結されるとともに、上部アー
ム7aと下部アーム7bとの間に屈折角を形成させるア
ーム屈折角制御用油圧シリンダー14をそなえて形成され
ている。吊荷振れ抑制装置7の上部アーム7aと下部ア
ーム7bとの連結部に、両アーム7a,7bの屈折角を
検出する屈折角検出器21eが設けられている。
【0022】また、上部アーム7aは、連結孔6c(図
7参照)に連結軸7fにより回転可能に支持されて、上
部アーム7aの適当な位置に突設された治具7gと治具
6d(図7参照)との間に連結されたアーム仰角制御用
油圧シリンダー13により仰角が形成されるようになって
いる。
【0023】アーム仰角制御用油圧シリンダー13はアー
ム屈折角制御用油圧シリンダー14と同調し、下部アーム
7bの先端部とクレーン吊り索22のフック速度に追従
し、上部アーム7aの基端部と鉛直をなす線上の上下移
動を可能とするよう、船上操作ユニット40の集合起動器
盤43により油量制御される。
【0024】さらに、上部アーム7aと下部アーム7b
との内部に、アーム伸縮用油圧シリンダー7dおよび7
eがそれぞれ内蔵されており、前述同様に、上下アーム
7a,7bの各先端部が鉛直線上の上下移動を可能とす
るよう船上操作ユニット40の集合起動器盤43の油量制御
により同調して伸縮作動されるようになっている。
【0025】吊荷姿勢制御装置8は、図14に示すよう
に、図10に示した下部アーム7bの最下端部に連結軸
7hにより連結支持される旋回用油圧モータ8aおよび
油圧モータ8aの出力軸上のピニオンに噛合する旋回用
ギヤー8bを内蔵する本体基部と、旋回用ギヤー8bと
連動して旋回する旋回部8mとで本体が形成され、さら
に旋回部8mの両端に振止めアーム8cおよび8dが装
着されていて、後述するように吊荷付吊り索24を固縛す
ることにより吊荷の姿勢が制御される。
【0026】また、中心部には、クレーン吊り索22およ
び補助引寄せ索23の貫通穴8nと、クレーン吊り索22に
連結される遠隔自動吊上げ式クレーンフック9の収納部
8pとが形成されている。
【0027】また、吊荷姿勢制御装置8は、下部アーム
7bの下面の適当な位置に取付けられた治具7j(図1
0参照)に連結される吊荷姿勢制御装置の仰角制御用油
圧シリンダー15の伸縮により吊荷振れ抑制装置7の仰角
変化に追従し、常に吊荷姿勢制御装置8が水平となるよ
うに、船上操作ユニット40の集合起動器盤43の油量制御
によりアーム仰角制御用油圧シリンダー13およびアーム
屈折角制御用油圧シリンダー14と同調して作動される。
下部アーム7bと吊荷姿勢制御装置8との屈折角を検出
する屈折角検出器21fが下部アーム7bと吊荷姿勢制御
装置8との連接部に設けられている。
【0028】振止めアーム8cおよび8dは、それぞれ
の支持軸8eおよび8fを軸芯として油圧シリンダー8
gおよび8hの伸縮により回動し、吊荷付吊り索24に接
触するとともに各振止めアーム8c,8dの先端に形成
された吊り索導入溝8jおよび8kにより吊荷付吊り索
24を固縛して吊荷姿勢を制御する。なお、符号8mは遠
隔自動吊上げ式クレーンフック9に導かれる油圧ホース
リールを示し、符号8rはホース接続部を示している。
【0029】遠隔自動吊上げ式クレーンフック9は、図
18に示すようにクレーン吊索22に連結される本体基部
9aと、本体基部9aの内部に収納される薄形油圧シリ
ンダー9bと、油圧シリンダー9aのシリンダーロッド
9dに連結されたピストン9dの上下作動に連動して開
閉を行なう4本の爪9eとでクレーン本体フックが形成
される。
【0030】また、本体基部9a,薄形油圧シリンダー
9b,シリンダーロッド9cおよびピストン9dの各中
心部を通る貫通穴9fが設けられ、この貫通穴9fに補
助引寄せ索23が導かれ、さらに補助引寄せ索23に連結さ
れた補助引寄せ索用フック9gがクレーン本体フックの
内部に収容合体されて、クレーンフック9を構成してい
る。
【0031】4本の爪9eの開作動は、薄形油圧シリン
ダー9bの駆動でシリンダーロッド9cが押し出され、
シリンダーロッド9cに連結されたピストン9dが押し
下げられるのに連動して4本の爪の支持軸9hを支点と
して4本の爪9eが開かれる。
【0032】4本の爪9eの閉作動は、補助引寄せ索用
フック9gがクレーンフックの本体内部に収容合体され
た状態で行なわれ、シリンダーロッド9cが押し上げら
れることにより前述の逆作用にて4本の爪9eが閉めら
れる。なお、符号9jは油圧ホースを、符号9kは作動
油流通孔を、符号9mは吊下げ用アイボルトをそれぞれ
示している。
【0033】次に、作動について説明する。 [A]荷役作業は、クレーンアウターブーム5および最
小ストローク状態とされた吊荷振れ抑制装置7を海面上
へ振り出すことで始められる。次いで、クレーン吊り索
用ウィンチ16を操作して遠隔自動吊上げ式クレーンフッ
ク9を繰り出す。このクレーンフック9の繰出し速度に
追従して、吊荷振れ抑制装置7のアーム仰角制御用油圧
シリンダー13とアーム屈折角制御用油圧シリンダー14お
よび吊り荷姿勢制御装置仰角制御用油圧シリンダー15は
それぞれ同調作動して吊荷振れ抑制装置7の仰角を最大
にする。このとき、前述の各シリンダーの同調作動は、
遠隔自動吊上げ式クレーンフック9の繰り出しに追従し
て吊荷姿勢制御装置8に形成された収納部8pが、鉛直
線上を下方移動するように集合起動器盤43により油流量
制御される。図2はこの状態を示している。
【0034】[B]引続き吊荷振れ抑制装置7の1段伸
縮式上部アーム7aおよび下部アーム7bの内部に装備
された伸縮用シリンダー7d,7eを同調作動して伸長
させ、吊荷振れ抑制装置7を最大ストロークに展張させ
る。この場合の同調作動においても、前述と同様に遠隔
自動吊上げ式クレーンフック9の繰り出しに追従して吊
荷姿勢制御装置8に形成された収納部8pが鉛直線上を
下方移動するように、各油圧シリンダー7d,7eは集
合起動器盤43により油流量制御されている。さらに、吊
荷振れ抑制装置7が最大ストロークとされた時点で、ク
レーン吊り索用ウィンチ16に内蔵されたオートテンショ
ン機能を作動させることにより、クレーン吊り索22がオ
ートテンションされ、遠隔自動吊上げ式クレーンフック
9は常に吊荷姿勢制御装置8に形成された収納部8pに
収納されている。
【0035】[C]最大ストロークとされた吊荷振れ抑
制装置7を、荷物運搬船27の吊荷25の吊り点の真上とな
るようクレーンアウターブーム5を移動させる。この
際、クレーンアウターブーム5の仰角変化に伴うクレー
ン吊り索22の繰り出し長さの変化は、前述のオートテン
ション機能により吸収されており、遠隔自動吊上げ式ク
レーンフック9のは、常に吊荷姿勢制御装置8に形成さ
れた収納部8pに収納フィットされている。図3はこの
状態を示している。
【0036】[D]図3の状態から、補助引き寄せ索23
を繰り出し、補助引寄せ索23に連結された引寄せ索用フ
ック9gを吊荷25の吊荷付吊り索24まで余裕をもって繰
り出す。このとき、引寄せ索用フック9gは遠隔自動吊
上げ式クレーンフック9の本体基部9aから離脱されて
いる。荷物運搬船27の作業員28により吊荷付吊り索24に
引寄せ索用フック9gが掛けられるとともに、補助引寄
せ索用ウィンチ17に内蔵のオートテンション機能を作動
させることにより、補助引寄せ索23はオートテンション
され、波の影響による船舶の動揺に対応可能となる。な
お、このときもクレーン吊り索22に連結される遠隔自動
吊上げ式クレーンフック9の本体基部9aは、クレーン
吊り索22用のウィンチ16に内蔵のオートテンションによ
り吊荷姿勢制御装置8に形成された収納部8pに収納フ
ィットされている。図4はこの状態を示している。
【0037】[E]さらに、図4の状態でクレーン吊り
索22のオートテンションを一旦停止して、補助引寄せ索
23をガイドとして遠隔自動吊上げ式クレーンフック9の
本体基部9aを繰り出す。繰り出された本体基部9a
は、引寄せ索用フック9gと合体すると遠隔操作により
4本の爪9eが閉じられ、引寄せ索用フック9gおよび
吊荷付吊り索24を抱え込み、補助引寄せ索23からクレー
ン吊り索22への吊荷荷重の移譲準備が完了される。図5
はこの状態を示している。クレーン吊り索22への吊荷荷
重の移譲準備が完了されると同時に、一旦停止していた
クレーン吊り索22のオートテンション機能を再作動させ
るとともに、吊荷の巻き上げが開始され、遠隔自動吊り
上げ式クレーンフック9が吊荷姿勢制御装置8に形成さ
れた収納部8pに収納フィットするまで巻き上げられ
る。
【0038】[F]そして、吊荷姿勢制御装置8の振止
めアーム8cおよび8dを作動させて吊荷付吊り索24を
固縛し、旋回用油圧モータ8aおよび旋回用ギヤー8b
の旋回作動により吊荷25の姿勢制御が行なわれる。図1
はこの状態を示している。
【0039】[G]図1の状態において船舶26の動揺に
よる荷振れ制御は、吊荷振れ抑制装置7によりクレーン
吊り索22の振れが抑止され、また、吊り角度制御装置6
は船体動揺検出器45および各所に設けられた屈折角検出
器21a〜21fからの信号に基づきクレーン吊り索22がク
レーン先端部5aのメインシーブ19と吊荷25間において
鉛直線上にあるよう、吊り角度制御用油圧シリンダー12
が集合起動器盤により油量制御されて作動し、吊り角度
を制御することで行なわれる。さらに、吊荷姿勢制御装
置8は吊荷25の動揺による回転および振れを抑制して吊
荷25の姿勢を制御している。
【0040】[H]吊荷25の姿勢制御が整い次第、クレ
ーン吊り索22は巻込まれ、フック速度に追従して、先に
吊荷振れ抑制装置7の上部アーム7aおよび下部アーム
7bの内部に装備されたアーム伸縮用シリンダー7d,
7eが同調作動して縮みはじめ、最小ストロークまで達
すると引続き連動して、吊荷振れ抑制装置のアーム仰角
制御用油圧シリンダー13とアーム屈折角制御用油圧シリ
ンダー14および吊荷姿勢制御装置の仰角制御用油圧シリ
ンダー15が同調作動して、吊荷25がクレーン先端部5a
のメインシーブ19と吊荷25間において鉛直線上で巻き上
げられるように、各油圧シリンダーは集合起動器盤43に
より油量制御される。なお、この作動の間においても吊
り角度制御装置6は、船体動揺検出器45および屈折角検
出器21a〜21fからの信号に基づき吊り角度の制御がな
されていることはいうまでもない。
【0041】[J]適当な位置まで巻き込まれた吊荷25
は、クレーンアウターブーム5の旋回により船上に移動
され所定の場所に降ろされる。この場合においては、上
記[H]の逆手順で吊荷25を船舶26上の所定の場所に降
ろし、吊荷姿勢制御装置8の振止めアーム8cおよび8
dを作動して吊荷付吊り索24の固縛を開放するとともに
振止めアーム8cおよび8dを収納し、遠隔自動吊上げ
式クレーンフック9の4本の爪9eを開いて吊荷付吊り
索24を取り外す。
【0042】[K]以降、[A]〜[J]の往復動作に
より荷役作業を、省力・安全に行なうことができる。
【0043】[L]さらに、上記の吊荷振れ抑制装置7
は、未使用時においてはクレーン先端部5aのメインシ
ーブ19の軸5bからの取り外しを可能としておき、取り
外し後の従来型荷役クレーン装置は従来と同様な荷役作
業を行なうことができる。なお、この場合補助引寄せ索
23およびフック9gは、クレーン先端部付近まで巻込ま
れ、遠隔自動吊上げ式クレーンフック9の本体基部9a
は従来型のフック29に取り替えられる。
【0044】[M]取り外された吊荷振れ抑制装置は、
クレーンアウターブーム5の旋回範囲内の本船船舶26甲
板26a上の所定場所に格納される。図5はこの状態を示
している。符号26bは格納用の架台を示している。
【0045】上述のとおり、この実施形態のものでは、
従来型の荷役用クレーン装置のクレーンブームの先端部
に直接装着される吊り角度制御装置6で、船舶の横揺れ
に追従して作動する油圧シリンダー12でクレーン先端部
のメインシーブ19と吊荷25との間のクレーン吊り索22の
吊り角度が鉛直線上となるように制御される。
【0046】上記の油圧シリンダー12は、船体動揺検出
器45および各所に設けられた屈折角検出器21a〜21fか
らの信号に基づき船上操作ユニット40において相対角度
調整が行なわれ、集合起動器盤43の油量制御により作動
される。
【0047】また、吊り角度制御装置6に支持される吊
荷振れ抑制装置7は、1段伸縮式の上下アーム7a,7
bが「く」の字に連結され、その連結部に装備されたア
ーム屈折角制御用油圧シリンダー14により屈折角が制御
される。そして上部アーム7aの基端部が吊り角度制御
装置6に支持されて吊り角度制御装置との間に装備され
る仰角制御用油圧シリンダー13によりアームの仰角を制
御される。
【0048】アーム屈折角制御用油圧シリンダー14とア
ーム仰角制御用油圧シリンダー13とは船上操作ユニット
40の集合起動器盤43の油量制御により同調されて作動
し、下部アーム7bの先端部がクレーンのフック速度に
追従して、上部アーム7aの基端部との鉛直をなす線上
を上下移動できるように制御される。
【0049】さらに、上下アーム7a,7bの内部には
アーム伸縮用シリンダー7d,7eがそれぞれ内蔵され
ており、前述同様に上下アームの基端部および先端部の
鉛直線上の上下移動を可能とするよう、集合起動器盤43
の油量制御により同調されて伸縮作動される。
【0050】吊荷姿勢制御装置8は、1段伸縮式下部ア
ーム7bの先端部に装備され、旋回用油圧モータ8aを
内蔵する本体基部と振止めアーム8c,8dとを装備し
て回転を可能とする旋回部から形成され中心部には、ク
レーン吊り索22および補助引寄せ索23の貫通穴8nとク
レーン吊り索22に連結される遠隔自動吊上げ式クレーン
フック9の収納部8pとを有しており、さらに、1段伸
縮式下部アーム7bと吊荷姿勢制御装置8の本体基部と
の間には、仰角制御用シリンダー15が装備されていて、
吊り角度制御装置6の仰角変化に追従して常に吊荷姿勢
制御装置8が水平を保つよう集合起動器盤43の油量制御
により同調作動する。
【0051】遠隔自動吊上げ式クレーンフック9は、ク
レーン吊り索22に連結される本体基部9aとその内部に
収納される薄形油圧シリンダー9bとそのシリンダーロ
ッド9cに連結するピストンの上下作動により開閉を行
なう4本の爪9eとにより本体が形成され、中心部には
補助引寄せ索23を導く貫通穴9fが設けられており、さ
らに補助引寄せ索用フック9gが本体内部に収納合体さ
れるようになっている。
【0052】そして、吊荷の吊り上げ動作は、4本の爪
9eを開放して補助引寄せ索用フック9gを余裕をもっ
て繰り出し、荷物運搬船27の作業員28によってフック掛
けされると同時に、オートテンション機能を作動させる
ことにより補助引寄せ索23は張られた状態となる。
【0053】さらに、補助引寄せ索23をガイドとしてク
レーンフック9が繰り出され、補助引寄せ索用フック9
gと合体すると遠隔操作により4本の爪9eを閉じて補
助引寄せ索用フック9gを抱え込み、クレーン吊り索22
を巻き込むことにより吊荷は吊り上げられる。なお、吊
り上げ時のクレーン吊り索においてもオートテンション
機能が作動されている。
【0054】このような作動により吊り上げられる吊荷
25は、遠隔自動吊上げ式クレーンフック9が吊荷姿勢制
御装置8の収納部に収納されると同時に、吊荷姿勢制御
装置8の振止めアーム8c,8dが吊荷付吊り索24を固
縛して吊荷25の姿勢制御が行なわれ、クレーン吊り索22
は吊荷振れ抑制装置によりクレーンブームの先端部のメ
インシーブ19と吊荷姿勢制御装置8との間において的確
に荷振れによる振れを抑制されるようになる。また、ク
レーン吊り索22を巻き込むのに追従して吊荷振れ抑制装
置は、ストロークを変化させて最適な状態を確保するこ
とが容易となる。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の吊荷振止
め装置および同吊荷振止め装置をそなえたクレーン設備
によれば、次のような効果が得られる。 (1) 人手による荷振れ制御を必要とせず、特に荒天時海
上での荷振れに伴う船体および吊荷破損を完全に防止で
きる有利性がある。 (2) 人手による吊荷のフック掛けを減少させ、人的危険
性を緩和することが可能である。 (3) 荒天時海上での荷役作業においても、安全および迅
速に作業をすることができ極めて短時間で終了させるこ
とが可能である。 (4) 荷役用クレーン装置が船舶に設置されたクレーン旋
回台に搭載されているため、広範囲の荷役が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての吊荷振止め装置お
よび同吊荷振止め装置をそなえたクレーン設備を船舶と
共に示す一部切断側面図。
【図2】同吊荷振れ抑制装置の展張途中を示す図1と同
様の一部切断側面図。
【図3】同吊荷振れ抑制装置の最大ストローク展張状態
を示す図1と同様の一部切断側面図。
【図4】同補助引寄せ索を吊荷にフック掛けしたオート
テンション状態を示す図1と同様の一部切断側面図。
【図5】同クレーンフックの本体基部を補助引寄せ索を
ガイドとして繰り出し補助引寄せ索用フックと合体して
爪を閉じた状態を示す図1と同様の一部切断側面図。
【図6】同吊荷振れ抑制装置を船上に格納した状態を示
す一部切断側面図。
【図7】同吊り角度制御装置の側面図。
【図8】図7のA−A矢視断面図。
【図9】図7のB−B矢視断面図。
【図10】同吊荷振れ抑制装置の側面図。
【図11】図10のC−C矢視断面図。
【図12】図10のD−D矢視断面図。
【図13】図10のE−E矢視断面図。
【図14】同吊荷姿勢制御装置の側面図。
【図15】図14のF−F矢視平面図。
【図16】図15のG−G矢視断面図。
【図17】図16のH−H矢視断面図。
【図18】同遠隔自動吊上げ式クレーンフックの断面
図。
【図19】図18のJ−J矢視断面図。
【図20】図18のK−K矢視断面図。
【図21】図18のL−L矢視断面図。
【図22】従来の船舶荷役用クレーン装置による荷役作
業を示す模式側面図。
【符号の説明】
1 クレーン据付台 2 クレーン旋回台 3 クレーン旋回用モータ 4 クレーンインナーブーム 5 クレーンアウターブーム 6 吊り角度制御装置 7 吊荷振れ抑制装置 7a 上部アーム 7b 下部アーム 8 吊荷姿勢制御装置 8a 旋回用油圧モータ 8b 旋回用ギヤー 8c,8d 振止めアーム 8n 貫通穴 8p クレーンフック9の収納部 9 遠隔自動吊上げ式クレーンフック 9a 本体基部 9b 薄形油圧シリンダー 9c シリンダーロッド 9e 爪 9f 貫通穴 9g 補助引寄せ索用フック 10 クレーン仰角用油圧シリンダー 11 クレーン中折れ仰角用油圧シリンダー 12 吊り角度制御用油圧シリンダー 13 アーム仰角制御用油圧シリンダー 14 アーム屈折角制御用油圧シリンダー 15 吊荷姿勢制御装置の仰角制御用油圧シリンダー 16 クレーン吊り索用ウィンチ 17 補助引寄せ索用ウィンチ 18 ガイドシーブ 19 メインシーブ 20 サブシーブ 21a〜21f 屈折角検出器 22 クレーン吊り索 23 補助引寄せ索 24 吊荷付吊り索 25 吊荷 26 船舶 27 荷物運搬船 28 荷物運搬船の作業員 29 (従来型クレーン)フック 30 本船船舶の作業員 31 荷振れ制御索 32 水面 40 船上操作ユニット 41 油圧ポンプユニット 42 油圧バルブユニット 43 集合起動器盤 44 主幹制御器 45 船体動揺角検出器 46 操作スタンド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船上から舷側へクレーンブームを振出し
    可能な荷役用クレーン装置をそなえた船舶の荷役装置に
    おいて、 上記クレーンブームの先端部に回動可能に取り付けられ
    た吊り角度制御装置と、 同吊り角度制御装置の下側に回動可能に取り付けられて
    互いに関節接続される上部アームと下部アームとをそな
    えた吊荷振れ抑制装置と、 上記下部アームの下端部に回動可能に取り付けられた吊
    荷姿勢制御装置とをそなえ、 上記のクレーンブームと吊り角度制御装置との間に、上
    記船舶の揺れに追従して作動し、上記クレーンブームの
    先端部から上記吊り角度制御装置に設けたサブシーブに
    案内されて吊下ろされるクレーン吊り索を常時鉛直線上
    に保持するように制御する吊り角度制御用シリンダーが
    設けられ、 上記の吊り角度制御装置と吊荷振れ抑制装置の上部アー
    ムとの間に、同上部アームの仰角を制御するアーム仰角
    制御用シリンダーが設けられ、 上記吊荷振れ抑制装置の上部アームと下部アームとの関
    節接続部に、同上部アームと下部アームとの屈折角を制
    御するアーム屈折角制御用シリンダーが設けられ、 上記の吊荷振れ抑制装置の下部アームと吊荷姿勢制御装
    置との間に、上記吊り角度制御装置の仰角変化に追従し
    て常に上記吊荷姿勢制御装置を水平に保つように作動す
    る吊荷姿勢制御装置の仰角制御用シリンダーが設けられ
    ていることを特徴とする、吊荷振止め装置。
  2. 【請求項2】 船上から舷側へクレーンブームを振出し
    可能な船舶の荷役用クレーン設備において、 上記クレーンブームの先端部に回動可能に取り付けられ
    た吊り角度制御装置と、 同吊り角度制御装置の下側に回動可能に取り付けられて
    互いに関節接続される上部アームと下部アームとをそな
    えた吊荷振れ抑制装置と、 上記下部アームの下端部に回動可能に取り付けられた吊
    荷姿勢制御装置と、 上記荷役用クレーンのクレーンフックとをそなえ、 同クレーンフックが、上記荷役用クレーンのクレーン吊
    り索に連結される本体基部と、同本体基部の内部に収納
    されるシリンダーにより開閉作動する爪とで構成され、 上記荷役用クレーン装置が、上記船舶に設置されたクレ
    ーン旋回台に装着されていることを特徴とする、クレー
    ン設備。
JP14857197A 1997-05-22 1997-05-22 吊荷振止め装置および同吊荷振止め装置をそなえたクレーン設備 Withdrawn JPH10324492A (ja)

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